説明

汽力発電設備における給水系統の運転方法

【課題】ボイラの温度等を微調整することで、発電設備の起動時、停止の際に安全かつ正確に運転することができると共に、異常時にも適切に対応する。
【解決手段】工業用水等の原水を除濁・ろ過処理して復水器へ補給し、復水ポンプでくみ上げ、低圧給水ヒータで加熱し、脱気器に入れ復水中の溶存酸素を除去し、脱気された水を、脱気器循環ポンプを用いて、モータ駆動ポンプに90℃のDSS起動時程度の温水を還流して予熱し、封水等により蒸気タービン駆動ポンプとモータ駆動ポンプのケーシング温度が給水温度より40〜50℃程度に冷却されているときには、蒸気タービン駆動ポンプとモータ駆動ポンプについて脱気器循環ポンプを起動して予熱し、水中の溶存酸素を脱気器で除去した水を、蒸気タービン駆動ポンプとモータ駆動ポンプにより給水流量調整弁の前後における差圧が無い状態で給水流量調整弁を開き、徐々に高圧給水ヒータに通してボイラに供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱エネルギーを利用してタービンで発電する汽力発電設備に係り、特に貫流形ボイラにおけるタービン蒸気や冷却水として利用する水を供給する汽力発電設備における給水系統の運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
汽力発電設備は、ボイラで燃料を燃焼し、その熱で高圧高温の蒸気を発生し、蒸気タービン、発電機を回転させて電力を発生する設備である。このボイラで燃料を燃やして得た高温高圧の蒸気でタービンを回転させる汽力発電設備が火力発電の中では発電能力・発電量ともに圧倒的に高い比率を占めている。
【0003】
汽力発電設備は、ボイラ、タービン、発電機などの主要機器の他に、種々の付属設備から構成される。これらの設備を機能別に分類すると、燃料受入・貯蔵設備、ボイラ設備、蒸気タービン設備、復水・給水系統設備、発電機および電気設備、及び計測制御装置及び諸設備から成る。ここで、燃料受入・貯蔵設備は、取引用計量装置、重原油、LNG、LPG等の燃料タンク、燃料油ポンプ、LNGポンプ、気化器などである。ボイラ設備はボイラ本体、重原油ポンプ、バーナ、通風機、空気予熱器、集じん器、灰処理装置、煙突などである。蒸気タービン設備はタービン本体、潤滑油装置、調速装置などである。復水・給水系統設備は復水器、循環水ポンプ、復水ポンプ、給水加熱器、給水ポンプ、給水処理装置などである。発電機及び電気設備は発電機、励磁機、変圧器、開閉装置、ケーブルなどである。計測制御装置は各種計測装置、監視装置、プラント総括制御装置、自動バーナ装置、計算機制御装置などである。諸設備には所内冷却水設備、所内空気設備、排水処理設備、保安防災設備などがある。
【0004】
発電設備で使用する水は、良質であることが望ましい。普通、工業用水や河川水等を使用する。この水は、原水タンクにいったん貯蔵する。原水は水処理装置によって、除濁・ろ過され、発電設備用水として使用される。ボイラ用水は、良質の水が要求され、純水装置によって処理される。純水装置は水の中に存在するカルシウム、マグネシウム、シリカその他の塩類を除去するものである。処理の悪い水を使用すると、ボイラ・チューブ等に汚れが付き、熱伝導を妨げ、腐食の原因となって事故を引き起こすからである。
【0005】
次に、処理された水はいったん純水タンクに貯蔵され、そこから復水器へ補給される。復水器の底部にあるホットウエルにたまった復水は、復水ポンプによってくみ上げられ、低圧給水加熱器で加熱され、脱気器に入る。脱気器は復水中の溶存酸素を除去する装置で脱気された水は、ボイラ給水ポンプにより所要の圧力に加圧され、高圧給水加熱器を通ってボイラに入る。
【0006】
このような汽力発電設備の給水系統の運転操作は、非常に煩雑なものである。そこで、自動制御装置を用いて、これまで人の勘に頼ってやってきた運転操作を、機械がすべて行う自動制御方法が提案されている。例えば、特許文献1の特開平11−237004号の特開公報「給水ポンプの系統制御装置」に示すように、それぞれ給水ブースタポンプから吐出される給水を主給水系統から独立した単一の給水ポンプバイパス系統に供給する第1および第2給水ポンプバイパス弁と、前記第1および第2給水ポンプバイパス弁の下流側の該給水ポンプバイパス系統を流れる給水を給水ポンプの下流側の前記主給水系統に供給する給水循環弁とを備えてなる給水ポンプ系統において、前記第1および第2給水ポンプバイパス弁を開閉する制御信号をつくる制御装置を設け、前記制御装置が前記第1および第2給水ポンプバイパス弁のうち、クリーンアップ運転と関係しない前記給水ポンプバイパス弁で検出される全閉位置信号が入力されたとき、クリーンアップ運転で用いる前記給水ポンプバイパス弁を開動作させる信号を出力する回路を具備することを特徴とする給水ポンプ系統制御装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−237004号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、汽力発電設備では、ボイラに点火することによって、ただちに電気を発生出来るものではなく、水力発電設備あるいは内燃力発電設備に比較して、その所要時間は停止している汽機の状態によって異なるが、所定の負荷をとるまでに十数時間も要するという問題があった。
【0009】
特許文献1には、給水ポンプの自動制御に関する装置だけで、給水系統全体を安全かつ正確に運転制御するものではなかった。例えば、各機器にウオーミングアップなしで給水ポンプを駆動するとき、即ちそのポンプの周囲を加温しないで給水すると各機器に故障又は亀裂が入りやすいという問題を有していた。
【0010】
また、給水系統において、処理が不十分の用水を使用すると、ボイラ・配管等に汚れが付着し、熱伝導を妨げ、腐食の原因となって発電設備の事故を引き起こしやすいという問題を有していた。
【0011】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、ボイラ等の機器に供給する給水の水温等を微調整することで、発電設備の起動時、停止の際に安全かつ正確に運転することができると共に、異常時にも適切に対応することができる汽力発電設備における給水系統の運転方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の運転方法は、汽力発電設備においてタービン蒸気や冷却水として利用するために、工業用水や河川水等の原水を発電設備用水として使用可能に除濁・ろ過処理し、ボイラ(8)に供給する汽力発電設備における給水系統の運転方法であって、工業用水や河川水等の原水を、発電設備用水として使用可能な状態に除濁・ろ過処理し、この除濁・ろ過処理した処理水を復水器(4)へ補給し、復水ポンプ(5)でくみ上げ、低圧給水ヒータ(6)で加熱し、脱気器(1)に入れ、該脱気器(1)で復水中の溶存酸素を除去し、この脱気された水を、脱気器循環ポンプ(11)を用いて、モータ駆動ポンプ(10)に90℃のDSS(日間起動停止)起動時程度の温水を還流して予熱し、封水等により蒸気タービン駆動ポンプ(9)とモータ駆動ポンプ(10)のケーシング温度が給水温度より40〜50℃程度に冷却されているときには、該蒸気タービン駆動ポンプ(9)とモータ駆動ポンプ(10)について脱気器循環ポンプ(11)を起動して予熱し、水中の溶存酸素を脱気器(1)で除去した水を、前記蒸気タービン駆動ポンプ(9)とモータ駆動ポンプ(10)により給水流量調整弁(13)の前後における差圧が無い状態で該給水流量調整弁(13)を開き、徐々に高圧給水ヒータ(3)に通してボイラ(8)に供給する、ことを特徴とする。
【0013】
除濁・ろ過処理した後、その処理水の中に存在するカルシウム、マグネシウム、シリカその他の塩類及び溶存イオン類を純水装置で除去することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
上記方法の発明では、水中の溶存酸素を脱気器(1)で除去した水が、給水流量調整弁(13)の前後における差圧があっても安全にボイラ(8)に給水することにより、発電設備の起動時、停止の際に安全かつ正確に運転することができると共に、異常時にも適切に対応することができる。
給水ポンプ(2)の起動前に、脱気器循環ポンプ(11)を用いて、モータ駆動ポンプ(10)に90℃のDSS(日間起動停止)起動時程度の温水を還流して予熱することにより、各機器を安全に運転することができる。また、封水等により給水ポンプ(2)のケーシング温度が給水温度より40〜50℃に冷却されているときには、給水ポンプ(2)について脱気器循環ポンプ(11)を起動して予熱するので各機器を安全に運転することができる。
【0015】
除濁・ろ過処理した後、その処理水の中に存在するカルシウム、マグネシウム、シリカその他の塩類及び溶存イオン類を純水装置で除去することにより、ボイラ・チューブ等への汚れの付着がなくなり、腐食の原因とする事故を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】汽力発電設備における給水系統を示す概略系統図である。
【図2】汽力発電設備における給水系統の運転方法を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
汽力発電設備における給水系統は、原水を処理した水を復水器へ補給し、復水ポンプでくみ上げ、低圧給水ヒータで加熱し、溶存酸素を除去すると共に、タービンから抽気された蒸気を用いて復水を加熱する脱気器と、この脱気器で脱気された水を加圧する給水ポンプと、この給水ポンプで加圧処理した水を加熱してボイラに供給する高圧給水ヒータと、を備えた給水系統である。
本発明の給水系統の運転方法は、汽力発電設備においてタービン蒸気や冷却水として利用するために、水中の溶存酸素を脱気器で除去した水が、給水流量調整弁の前後における差圧が低いときは、そのまま高圧給水ヒータに供給し、逆に、給水流量調整弁の前後の差圧が高いときは、トッピングアップ弁を用いて徐々に高圧給水ヒータに給水する給水系統の運転方法である。
【実施例1】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は汽力発電設備における給水系統を示す概略系統図である。
燃料系統は、汽力発電設備においてタービン蒸気や冷却水として利用する水を供給する系統であり、主に脱気器1、給水ポンプ(BFP)2及び高圧給水ヒータ3とを備えた発電設備である。原水タンクに貯蔵している工業用水や河川水等の原水は、発電設備用水として使用可能にするために水処理装置(図示していない)で除濁・ろ過処理する。処理の悪い水を使用すると、ボイラ8や配管等に汚れが付着し、熱伝導を妨げ、腐食の原因となって発電設備の事故を引き起こすおそれがあるからである。
更に、除濁・ろ過処理した後、その処理水の中に存在するカルシウム、マグネシウム、シリカその他の塩類及び溶存イオン類を純水装置(図示していない)で除去することが望ましい。
【0019】
脱気器1は、処理した水を復水器4へ補給し、復水ポンプ5でくみ上げ、低圧給水ヒータ6で120℃から150℃程度に加熱し、溶存酸素を除去すると共に、蒸気タービン7から抽気された蒸気を用いて復水を加熱する装置である。この脱気器1では蒸気タービン7の抽気等を噴射して給水を直接加熱し、給水中の溶存ガスを物理的に除去する。
【0020】
給水ポンプ2は、脱気器1で脱気された水を、所要の圧力に加圧する装置である。この給水ポンプ2は、脱気された水について、通常運転中の所要の圧力に加圧すると共に、ボイラ8へ給水を供給する蒸気タービン駆動ポンプ(T−BFP)9と、起動時又は非常時に所要の圧力に加圧すると共に、ボイラ8へ給水を供給するモータ駆動ポンプ(M−BFP)10とから成るものである。
【0021】
この給水ポンプ2の起動前に、脱気器循環ポンプ(DCP)11を用いてモータ駆動ポンプ(M−BFP)10のみ予熱する。蒸気タービン駆動ポンプ9は、モータ駆動用ポンプ10の起動後に、例えばBFPウォーミング弁が開いた後にウォーミングされる。このウォーミング弁は、M−BFPウォーミング弁とBFPウォーミング弁の2種類がある。モータ駆動ポンプ(M−BFP)10へは、90℃程度の温水を還流して予熱することが望ましい。DSS(日間起動停止)起動時、WSS(週末起動停止)起動などでは停止時間が長いため90℃程度から温度は低下する。
【0022】
高圧給水ヒータ3は、給水ポンプ2で加圧処理した水を、所定の温度に加熱してボイラ8に供給する装置である。高圧給水ヒータ3は、タービン抽気又はその他の蒸気で給水を加熱するものである。この高圧給水ヒータ3には、効率よく加熱するために、ボイラ8の排熱を利用して給水を予熱するエコノマイザー(節炭器)12を付設することが望ましい。
【実施例2】
【0023】
図2は実施例2の汽力発電設備における給水系統の運転方法を示すフロー図である。
実施例2に係る給水系統の運転方法は、先ず、発電設備用水として使用可能にするために水処理装置で除濁・ろ過処理した処理水を復水器4へ補給し、復水ポンプ5でくみ上げ、低圧給水ヒータ6で50℃から120℃程度に加熱し、脱気器1に入れ、この脱気器1で復水中の溶存酸素を除去する、このとき給水の水温は120℃から150℃程度になる。脱気された水をボイラ給水ポンプ2により所要の圧力に加圧して、高圧給水ヒータ3を通してボイラ8に供給する。
【0024】
次に、水中の溶存酸素を脱気器1で除去した水が、給水流量調整弁13の前後における差圧が無いときは、そのまま高圧給水ヒータ3に供給し、150℃から240℃程度に加熱する。また、トリップした場合、ボイラ8に残圧があるときは、トッピングアップ弁14を操作せず、いきなり給水流量調整弁13で水張りする。給水流量調整弁13が9.8MPaを超える差圧に耐えられるように制御できるときは、差圧があってもトッピングアップ弁を備える必要はない。
【0025】
なお、給水流量調整弁13が9.8MPaを超える差圧に耐えられるように制御できない場合は、トッピングアップ弁14を用いて徐々に高圧給水ヒータ3に給水することが好ましい。例えば、トッピングアップ弁14について、「開」操作するときは、一次ボイラ8の出口圧力が9.8MPa以下であり、モータ駆動ポンプ10を起動させる。
モータ駆動ポンプ10の出口弁を「開」するときは、一次ボイラ8の出口圧力が9.8MPa以上(一次ボイラ8の出口圧力設定が15.5MPaのとき)であり、出口弁が全開すると給水流量調整弁13が自動となり開き始めるようになっている。
【0026】
給水ポンプ2の起動前に、脱気器循環ポンプ11を用いて、モータ駆動ポンプ10に90℃のDSS(日間起動停止)起動時程度の温水を還流して予熱することにより、各機器を安全に運転することができる。即ち、脱気器循環ポンプ11は、運転時における温度差を無くすために、この脱気器循環ポンプ11を起動する時には給水温度は90℃前後に下がった状態で起動する。
【0027】
また、封水等により給水ポンプ2のケーシング温度が給水温度より40〜50℃に冷却されているときには、給水ポンプ2について脱気器循環ポンプ11を起動して予熱する。即ち、脱気器循環ポンプ11は、脱気器1の出口温度差がプラス・マイナス40度以上で起動させ、その出口温度差がこの温度範囲内になれば停止させる。これは給水ポンプ2の起動条件について、給水と給水ポンプ2のケーシングが40℃以内という温度差制限があるので、脱気器循環ポンプ11を起動し予熱して、その温度差をなくすためである。
【0028】
なお、本発明は、ボイラ8等の機器に供給する給水の水温等を微調整することで、発電設備の起動時、停止の際に安全かつ正確に運転することができると共に、異常時にも適切に対応できれば、上述した発明の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【0029】
最後に上記より抽出される発明の基本構成および効果について念のため以下に記載する。
【0030】
[発明A]
給水系統は、汽力発電設備においてタービン蒸気や冷却水として利用する水を供給する汽力発電設備における給水系統であって、発電設備用水として使用可能に処理した水を、復水器(4)へ補給し、復水ポンプ(5)でくみ上げ、低圧給水ヒータ(6)で加熱し、溶存酸素を除去すると共に、蒸気タービン(7)から抽気された蒸気を用いて復水を加熱する脱気器(1)と、前記脱気器(1)で脱気された水を、通常運転中の圧力に加圧すると共に、ボイラ(8)へ給水する蒸気タービン駆動ポンプ(9)と、 起動時又は非常時には所要の圧力に加圧すると共に、ボイラ(8)へ給水するモータ駆動ポンプ(10)と、前記モータ駆動ポンプ(10)とその下流の前記蒸気タービン駆動ポンプ(9)の間に設けられ、その前後における水の差圧を調整する給水流量調整弁(13)と、前記蒸気タービン駆動ポンプ(9)とモータ駆動ポンプ(10)で加圧処理した水を、加熱してボイラ(8)に供給する高圧給水ヒータ(3)と、 前記蒸気タービン駆動ポンプ(9)と前記モータ駆動ポンプ(10)の間から高圧給水ヒータ(3)へ給水するトッピングアップ弁(14)と、を備えた、ことを特徴とする。
【0031】
[効果]
上記[発明A]に構成の発明では、給水ポンプ(2)は、脱気された水について、通常運転中の所要の圧力に加圧すると共に、ボイラ(8)へ給水を供給する蒸気タービン駆動ポンプ(9)と、起動時又は非常時に所要の圧力に加圧すると共に、ボイラ(8)へ給水を供給するモータ駆動ポンプ(10)と、から成るので、発電設備の起動時、停止の際に安全かつ正確に運転することができると共に、異常時にも給水流量調整弁(13)あるいはトッピングアップ弁(14)を操作することで適切に対応することができる。
【0032】
[発明B]
上記[発明A]に記載の給水系統において、前記高圧給水ヒータ(3)に、ボイラ(8)の排熱を利用して給水を予熱するエコノマイザー(節炭器)(12)を付設した、ことを特徴とする。
【0033】
[効果]
上記[発明B]に構成の発明では、さらに、高圧給水ヒータ(3)に、ボイラ(8)の排熱を利用して給水を予熱するエコノマイザー(節炭器)(12)を付設したので、効率よく加熱することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の汽力発電設備における給水系統の運転方法は、汽力発電設備の他にコンバインサイクル発電設備などに利用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 脱気器
2 給水ポンプ
3 高圧給水ヒータ
4 復水器
5 復水ポンプ
6 低圧給水ヒータ
7 タービン
8 ボイラ
9 蒸気タービン駆動ポンプ
10 モータ駆動ポンプ
11 脱気器循環ポンプ
12 エコノマイザー(節炭器)
13 給水流量調整弁
14 トッピングアップ弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汽力発電設備においてタービン蒸気や冷却水として利用するために、工業用水や河川水等の原水を発電設備用水として使用可能に除濁・ろ過処理し、ボイラ(8)に供給する汽力発電設備における給水系統の運転方法であって、
工業用水や河川水等の原水を、発電設備用水として使用可能な状態に除濁・ろ過処理し、
この除濁・ろ過処理した処理水を復水器(4)へ補給し、復水ポンプ(5)でくみ上げ、低圧給水ヒータ(6)で加熱し、脱気器(1)に入れ、該脱気器(1)で復水中の溶存酸素を除去し、
この脱気された水を、脱気器循環ポンプ(11)を用いて、モータ駆動ポンプ(10)に90℃のDSS(日間起動停止)起動時程度の温水を還流して予熱し、封水等により蒸気タービン駆動ポンプ(9)とモータ駆動ポンプ(10)のケーシング温度が給水温度より40〜50℃程度に冷却されているときには、該蒸気タービン駆動ポンプ(9)とモータ駆動ポンプ(10)について脱気器循環ポンプ(11)を起動して予熱し、
水中の溶存酸素を脱気器(1)で除去した水を、前記蒸気タービン駆動ポンプ(9)とモータ駆動ポンプ(10)により給水流量調整弁(13)の前後における差圧が無い状態で該給水流量調整弁(13)を開き、徐々に高圧給水ヒータ(3)に通してボイラ(8)に供給する、ことを特徴とする汽力発電設備における給水系統の運転方法。
【請求項2】
除濁・ろ過処理した後、その処理水の中に存在するカルシウム、マグネシウム、シリカその他の塩類及び溶存イオン類を純水装置で除去する、ことを特徴とする請求項1の汽力発電設備における給水系統の運転方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−61148(P2013−61148A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−259505(P2012−259505)
【出願日】平成24年11月28日(2012.11.28)
【分割の表示】特願2008−131486(P2008−131486)の分割
【原出願日】平成20年5月20日(2008.5.20)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)