説明

油圧ダイクッション装置とその位置制御方法

【課題】装置コストを増加させず、かつ調整時間を必要とせずに、停止時のサージ圧の発生やオーバーシュートを抑制することができ、かつロッキング時の圧油(残圧)によるブランクホルダの上昇も防止することができる油圧ダイクッション装置とその位置制御方法を提供する。
【解決手段】ブランクホルダ1を上下動するピストンロッド11を有する油圧シリンダ12と、油圧シリンダに作動油を供給又は排出するサーボ弁14と、サーボ弁を制御するサーボ弁制御装置20とを備え、サーボ弁制御装置により、所定の予測時間経過後のサーボ弁位置を予測してサーボ弁を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレス機械用の油圧ダイクッション装置とその位置制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プレス機械では、スライドを機械的に昇降し、スライドの下降時にスライドの下面に固定された上金型と、スライドの下方に配置された下金型との間に被加工物(ワーク)を挟み込んでプレス加工を行う。
ダイクッション装置は、プレス機械においてプレス加工時に上金型とブランクホルダの間にワークを挟み、ワークにしわ押さえ力(クッション力)を付加する装置である。
【0003】
従来から、プレス機械の油圧ダイクッション装置として、種々の方式のものが提案されている(例えば、特許文献1〜3)。
【0004】
【特許文献1】特許第3591807号公報、「油圧ダイクッション装置の制御方法」
【特許文献2】特開2007−222926号公報、「ダイクッション荷重制御装置およびクッション荷重制御装置を備えたプレス機械」
【特許文献3】特開2008−149346号公報、「プレス機械のダイクッション装置及びダイクッションの動作制御方法」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
油圧ダイクッション装置は、一般に、ダイクッション(ブランクホルダやクッションパッドとクッションピン)を上下動するピストンロッドを有する油圧シリンダと、油圧シリンダに作動油を供給又は排出するサーボ弁とを備える。
【0006】
図1は、ダイクッション装置のクッション動作を示す図である。この図に示すように、スライドが下死点通過後、ダイクッションをロッキング(停止)した状態で、ワーク取出装置によりワークの取出しが行われる。ダイクッションは、ワーク取出装置がダイクッション装置の最上部に位置するブランクホルダ(又はクッションピン)から十分に離れてから、ロッキングを終了して上昇を開始する。
【0007】
従来の油圧ダイクッション装置では、通常、フィードフォワード制御と位置フィードバック制御でクッション位置を制御しており、プレス加工後の上昇時はダンパーを用いることで、停止時のサージ圧の発生やオーバーシュートを抑制していた。このダンパーには、ショックアブゾーバのようなメカダンパーと、制御的にダンパー動作を行うソフトダンパーとがある。
【0008】
従来の油圧ダイクッション装置において、停止時のサージ圧抑制のために、メカダンパーを用いる場合、装置コストが増加する。また、ソフトダンパーを用いる場合には、ソフトダンパーは上昇速度によって開始タイミングやダンパー速度を設定する必要があるため調整時間が必要となる。
【0009】
また、従来の油圧ダイクッション装置の場合、ダイクッション装置のロッキング(停止)は、サーボ弁の全閉により行われるため、ロッキング時に油圧シリンダ内に圧油が残り、この圧油(残圧)によりスライド上昇時にブランクホルダがわずかに上昇する問題点があった。
【0010】
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、装置コストを増加させず、かつ調整時間を必要とせずに、停止時のサージ圧の発生やオーバーシュートを抑制することができ、かつロッキング時の圧油(残圧)によるブランクホルダの上昇も防止することができる油圧ダイクッション装置とその位置制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、プレス機械の上金型とブランクホルダの間にワークを挟み、該ブランクホルダに上向きのクッション力を付加しながらこれを上下動させる油圧ダイクッション装置であって、
ブランクホルダを上下動するピストンロッドを有する油圧シリンダと、
油圧シリンダに作動油を供給又は排出するサーボ弁と、
サーボ弁を制御するサーボ弁制御装置とを備え、
該サーボ弁制御装置は、所定の予測時間経過後のサーボ弁位置を予測してサーボ弁を制御する、ことを特徴とする油圧ダイクッション装置が提供される。
【0012】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記サーボ弁制御装置は、油圧シリンダのシリンダ位置、上室圧、下室圧、及びサーボ弁のスプール位置から前記予測時間経過後のシリンダ移動量を計算するシリンダモデルと、
油圧シリンダの目標位置と現在位置、及び前記シリンダ移動量から、前記予測時間経過後に目標位置になるようにサーボ弁指令値を計算するレギュレータとを有し、前記サーボ弁指令値によりサーボ弁を制御する。
【0013】
また、前記サーボ弁指令値を所定のリミット値以下に制限するリミッタを有し、該リミッタの出力値によりサーボ弁を制御する。
【0014】
また本発明によれば、ブランクホルダを上下動するピストンロッドを有する油圧シリンダと、油圧シリンダに作動油を供給又は排出するサーボ弁と、サーボ弁を制御するサーボ弁制御装置とを備え、プレス機械の上金型とブランクホルダの間にワークを挟み、該ブランクホルダに上向きのクッション力を付加しながらこれを上下動させる油圧ダイクッション装置の位置制御方法であって、
所定の予測時間経過後のサーボ弁位置を予測してサーボ弁を制御することを特徴とする油圧ダイクッション装置の位置制御方法が提供される。
【0015】
本発明の好ましい実施形態によれば、油圧シリンダのシリンダ位置、上室圧、下室圧、及びサーボ弁のスプール位置から所定の予測時間経過後のシリンダ移動量を計算し、
油圧シリンダの目標位置と現在位置、及び前記シリンダ移動量から、予測時間経過後に目標位置になるようにサーボ弁指令値を計算し、
前記サーボ弁指令値によりサーボ弁を制御する。
【0016】
また、前記サーボ弁指令値を所定のリミット値以下に制限し、該リミッタの出力値によりサーボ弁を制御する。
【発明の効果】
【0017】
上記本発明の装置及び方法によれば、サーボ弁制御装置により、所定の予測時間経過後のサーボ弁位置を予測してサーボ弁を制御するので、停止時にサージ圧が発生したり、オーバーシュートが生じたり、ロッキング時の圧油(残圧)によりブランクホルダが上昇するような場合でも、予測時間前にこれらの現象を予測してサーボ弁を制御するので、これらの現象を未然に防止することができる。
【0018】
また、本発明の好ましい実施形態によれば、シリンダモデルにより、所定の予測時間経過後のシリンダ移動量を、油圧シリンダのシリンダ位置、上室圧、下室圧、及びサーボ弁のスプール位置から計算することができる。
また、レギュレータにより、予測時間経過後に目標位置になるようにサーボ弁指令値を、油圧シリンダの目標位置と現在位置、及び前記シリンダ移動量から計算することができる。
従って、所定の予測時間経過後のサーボ弁位置を予測してサーボ弁を制御することができる。
【0019】
従って、計算されたサーボ弁指令値によりサーボ弁を制御することにより、予測時間経過後に油圧シリンダは目標位置に移動するので、装置コストを増加させず、かつ調整時間を必要とせずに、停止時のサージ圧の発生やオーバーシュートを抑制することができ、かつロッキング時の圧油(残圧)によるブランクホルダの上昇も防止することができる。
【0020】
さらに、リミッタにより、前記サーボ弁指令値を所定のリミット値以下に制限し、該リミッタの出力値によりサーボ弁を制御するので、サーボ弁の開き過ぎを防止し、クッションの最大上昇速度を制限することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ダイクッション装置のクッション動作を示す図である。
【図2】本発明による油圧ダイクッション装置の構成図である。
【図3】本発明によるサーボ弁制御装置の構成図である。
【図4】本発明による油圧ダイクッション方法のフロー図である。
【図5】本発明による油圧ダイクッション装置の作動説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0023】
図2は、本発明による油圧ダイクッション装置の構成図である。
図示しないプレス装置は、ボルスタの上面に固定された下金型に対し、上下動するスライドの下面に固定された上金型を下降させ、下金型と上金型との間で図示しないワーク(被加工材)を加圧して所定の形状にプレス成形するようになっている。
【0024】
図2において、1はブランクホルダであり、上金型および下金型によりワークをプレス成形する際に、ブランクホルダ1により、ワークのプレス成形時に上金型との間でワーク下面の周縁部を支持してワークのしわ押さえを行う。
すなわち、本発明の油圧ダイクッション装置10は、プレス機械の上金型とブランクホルダ1の間にワークを挟み、ブランクホルダ1に上向きのクッション力を付加しながらこれを上下動させるようになっている。
なお、ブランクホルダ1の代わりにクッションパッドを用い、クッションピンにより上金型との間でワーク下面の周縁部を支持してワークのしわ押さえを行ってもよい。
【0025】
図2において、本発明の油圧ダイクッション装置10は、油圧シリンダ12、サーボ弁14、およびサーボ弁制御装置20を備える。
【0026】
油圧シリンダ12は、ブランクホルダ1を上下動するピストンロッド11を有する。
この例で、油圧シリンダ12は、上向きかつ鉛直に配置され、ピストンロッド11の先端(上端)にブランクホルダ1が固定され一体的に昇降するようになっている。
【0027】
また図2において、油圧シリンダ12のロッド側(上側)とピストン側(下側)にはそれぞれ圧力計15,16が設けられ、油圧シリンダ12の上室圧P(t)と下室圧P(t)を検出する。この検出値P(t),P(t)はそれぞれサーボ弁制御装置20に入力される。なお、以下()内のtは、現在の値を示す。
さらに、油圧シリンダ12のシリンダ位置x(t)を検出する位置検出器17が設けられ、その検出値x(t)はサーボ弁制御装置20に入力される。位置検出器17はこの例では、ブランクホルダ1の位置を検出するように配置されているが、シリンダ位置x(t)を直接検出してもよい。
以下、油圧シリンダ12のシリンダ位置x(t)を単に「シリンダ位置」という。
【0028】
サーボ弁14は、油圧シリンダ12と油圧ユニット13を連結する油圧配管の途中に設けられた流路方向を切換え可能なサーボ弁であり、油圧シリンダ12に油圧ユニット13から作動油を供給し、かつ油圧ユニット13に作動油を排出する。
サーボ弁14から油圧シリンダ12に供給される作動油の流量Qは、サーボ弁の開度Isv(t)に比例する。この開度Isv(t)はサーボ弁制御装置20に入力される。開度Isv(t)は、例えば−100〜100%である。
【0029】
サーボ弁制御装置20は、所定の予測時間tの経過後のサーボ弁位置を予測してサーボ弁14を制御する。ここで予測時間tは、制御装置のスキャンタイムの1倍から10倍程度の時間(例えば、0.1sec)である。
サーボ弁制御装置20から出力されるサーボ弁指令値Icmdは、例えば−100〜100%であり、サーボ弁の開度Isvはサーボ弁指令値Icmdに応じてその位置まで移動する。
【0030】
図3は、本発明によるサーボ弁制御装置の構成図である。
この図において、本発明のサーボ弁制御装置20は、シリンダモデル22、レギュレータ24及びリミッタ26を有する。サーボ弁制御装置20は、例えばコンピュータ(PC)であり、シリンダモデル22、レギュレータ24及びリミッタ26は、コンピュータにインストールされたコンピュータプログラムである。なお、本発明はこの構成に限定されず、シリンダモデル22、レギュレータ24及びリミッタ26をそれぞれ別個の制御コントローラ又は一体の制御コントローラとして構成してもよい。
なお、コンピュータの代わりにプログラマブルロジックコントローラ(PLC)やその他の制御機器を用いても良い。
【0031】
シリンダモデル22は、油圧シリンダ12のシリンダ位置x(t)、上室圧P(t)、下室圧P(t)、及びサーボ弁のスプール位置Isv(t)から予測時間tの経過後のシリンダ移動量Δx(t)を計算する。
【0032】
レギュレータ24は、シリンダ位置の目標値x(t)と現在位置x(t)、及び前記シリンダ移動量Δx(t)から、予測時間t経過後に目標位置になるようにサーボ弁指令値Icmdを計算する。
【0033】
リミッタ26は、サーボ弁指令値Icmdを所定のリミット値以下に制限する。
すなわち、サーボ弁指令値Icmdがリミット値以下の場合には、サーボ弁指令値Icmdをサーボ弁に出力し、サーボ弁指令値Icmdがリミット値を超える場合には、リミット値をサーボ弁指令値Icmdとしてサーボ弁に出力する。
【0034】
図2、図3において、予測時間tの経過後のサーボ弁位置Isv(t)、下室シリンダ力F(t)、上室シリンダ力F(t)、シリンダ力F(t)、シリンダ移動量Δx(t)は、数1の式(1)〜(5)で表せる。
ここで式(1)はサーボ弁位置Isv(t)の予測式、式(2)(3)は下室シリンダ力F(t)と上室シリンダ力F(t)、式(4)はシリンダ力F(t)、式(5)はシリンダ移動量Δx(t)をそれぞれ表す式である。
また、Kqdは下室シリンダの体積弾性率、Kquは上室シリンダの体積弾性率、Sは下室受圧面積、Sは上室受圧面積、τは制御系の時定数、Ksvはサーボ弁の流量係数、Mはクッション自重、ξは動摩擦係数、tは現在時刻、tは予測未来時間である。
【0035】
【数1】

【0036】
図4は、本発明による油圧ダイクッション方法のフロー図である。この図において、本発明の方法は、S1〜S6の各ステップ(行程)からなる。
【0037】
ステップS1では、センサ入力、すなわち、油圧シリンダ12のシリンダ位置x(t)、上室圧P(t)、下室圧P(t)、及びサーボ弁のスプール位置Isv(t)から、シリンダ速度Δx(t)、上室シリンダ力F(t)、下室シリンダ力F(t)を計算する。
シリンダ速度Δx(t)は、シリンダ位置x(t)の時間微分から求められる。また、上室シリンダ力F(t)と下室シリンダ力F(t)はそれぞれ上室受圧面積S、下室受圧面積Sと圧力(上室圧P(t)と下室圧P(t))から求められる。
【0038】
ステップS2では、予測時間tの経過後の上室シリンダ力F(t)と下室シリンダ力F(t)を式(1)(2)(3)により計算する。
【0039】
ステップS3では、予測時間tの経過後のシリンダ移動量Δx(t)を式(4)(5)により計算する。ここで得られたシリンダ移動量Δx(t)は、予測時間tとサーボ弁指令値Icmdの関数となる。
【0040】
ステップS4では、シリンダの目標位置x(t)と現在位置x(t)の差分Δxaを計算する。
【0041】
ステップS5では、Δxの関数に予測時間(t)を代入し、Δx=Δxaとなるようにサーボ弁指令値Icmdを計算する。予測時間tは、制御装置のスキャンタイムの1倍から10倍程度の時間(例えば、0.1sec)である。
【0042】
ステップS6では、サーボ弁指令値Icmdがリミット値を超える場合には、リミット値をサーボ弁指令値Icmdとして出力する。
【0043】
図5は、本発明による油圧ダイクッション装置の作動説明図である。この図において、(A)はシリンダ位置の目標値、(B)はサーボ弁指令値Icmd、(C)は実際のシリンダ位置を示している。なお、各図において、横軸は経過時間である。
【0044】
上記本発明の装置及び方法によれば、サーボ弁制御装置20により、所定の予測時間tの経過後のサーボ弁位置を予測してサーボ弁を制御する。
すなわち、サーボ弁制御装置20を構成する内部モデル(シリンダモデル22)で未来(予測時間tの経過後)のサーボ弁位置Isvを予測し、予測値に一致するようにサーボ弁指令値Icmdを計算する。
従って、図5(A)のA2−A3のようにシリンダ位置の目標値が急変する場合でも、図5(B)のB2−B3のように、A2−A3に対し遅れることなく、サーボ弁指令値Icmdを変化させることができる。
また、この際、クッションが動き始める時はサーボ弁指令値Icmdが過大な指令値となるため、リミッタ26で上昇速度を制御する。
【0045】
上述したようにサーボ弁位置を予測することによって、簡単なパラメータ調整で上昇に要する時間を最短に設定することができ、図5(B)のB4−B5に示すように、未来の位置が目標値を超える場合、徐々にサーボ弁を閉じるので、図5(C)のC3に示すように、サージ圧の発生やオーバーシュートを防止することができる。
また、同様に、プレス速度に応じてクッションの上昇速度を可変にすることができる。また、ロッキング時の残圧で上昇することも防止できる。
【0046】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0047】
1 ブランクホルダ、
10 油圧ダイクッション装置、11 ピストンロッド、
12 油圧シリンダ、13 油圧ユニット、14 サーボ弁、
15,16 圧力計、17 位置検出器、
20 サーボ弁制御装置、
22 シリンダモデル、24 レギュレータ、
26 リミッタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレス機械の上金型とブランクホルダの間にワークを挟み、該ブランクホルダに上向きのクッション力を付加しながらこれを上下動させる油圧ダイクッション装置であって、
ブランクホルダを上下動するピストンロッドを有する油圧シリンダと、
油圧シリンダに作動油を供給又は排出するサーボ弁と、
サーボ弁を制御するサーボ弁制御装置とを備え、
該サーボ弁制御装置は、所定の予測時間経過後のサーボ弁位置を予測してサーボ弁を制御する、ことを特徴とする油圧ダイクッション装置。
【請求項2】
前記サーボ弁制御装置は、油圧シリンダのシリンダ位置、上室圧、下室圧、及びサーボ弁のスプール位置から前記予測時間経過後のシリンダ移動量を計算するシリンダモデルと、
油圧シリンダの目標位置と現在位置、及び前記シリンダ移動量から、前記予測時間経過後に目標位置になるようにサーボ弁指令値を計算するレギュレータとを有し、前記サーボ弁指令値によりサーボ弁を制御する、ことを特徴とする油圧ダイクッション装置。
【請求項3】
前記サーボ弁制御装置は、前記サーボ弁指令値を所定のリミット値以下に制限するリミッタを有し、該リミッタの出力値によりサーボ弁を制御する、ことを特徴とする請求項2に記載の油圧ダイクッション装置。
【請求項4】
ブランクホルダを上下動するピストンロッドを有する油圧シリンダと、油圧シリンダに作動油を供給又は排出するサーボ弁と、サーボ弁を制御するサーボ弁制御装置とを備え、プレス機械の上金型とブランクホルダの間にワークを挟み、該ブランクホルダに上向きのクッション力を付加しながらこれを上下動させる油圧ダイクッション装置の位置制御方法であって、
所定の予測時間経過後のサーボ弁位置を予測してサーボ弁を制御する、ことを特徴とする油圧ダイクッション装置の位置制御方法。
【請求項5】
油圧シリンダのシリンダ位置、上室圧、下室圧、及びサーボ弁のスプール位置から所定の予測時間経過後のシリンダ移動量を計算し、
油圧シリンダの目標位置と現在位置、及び前記シリンダ移動量から、予測時間経過後に目標位置になるようにサーボ弁指令値を計算し、
前記サーボ弁指令値によりサーボ弁を制御する、ことを特徴とする請求項4に記載の位置制御方法。
【請求項6】
前記サーボ弁指令値を所定のリミット値以下に制限し、該リミッタの出力値によりサーボ弁を制御する、ことを特徴とする請求項5に記載の位置制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−240673(P2010−240673A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−90009(P2009−90009)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)