説明

治療における塩化アンモニウムの使用方法

本発明は、肝不全、及び、様々な有毒な物質によって引き起こされる壊死を薬学的に治療し、インターフェロンで治療することの可能な、ウイルス性感染又はその他の疾病、特に、腫瘍を治療するための方法に関するものである。
より詳述すると、本発明は、ウイルス感染,肝不全,肝臓壊死,有毒な物質又は自己免疫反応によって引き起こされるその他の状態、又は、インターフェロン・アルファー,ベータ又はガンマでの治療の影響を受け易い腫瘍を治療又は防止するための方法であって、薬学的に許容可能な賦形剤と共に薬学的に効果的な量のNHCl投与形態を、それを必要とする患者に投与することを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肝不全、及び、様々な有毒な物質によって齎される壊死を薬学的に治療し、インターフェロンで治療することの可能な、ウイルス性感染又はその他の疾病、特に、腫瘍を治療するための方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
肝臓の変性機能不全に至る多くの病的で有害な状態が存在する。それらの中には、(感染患者の三分の一が肝硬変になる)C型肝炎,慢性B型及びD型肝炎,自己免疫性肝炎,ノンアルコール性脂肪性肝炎,硬化性胆管炎,ウィルソン病,エプスタインバーウイルス感染及び肝臓癌がある。
【0003】
有害な状態に関して述べると、殆ど共通で関連する状態は、酒の暴飲に起因して生ずる。その他の有害な状態は、薬や、或る種のキノコ(例えば、タマゴテングダケ)の毒の如き、肝壊死を引き起こす化学的肝毒性物質によって齎される。
【0004】
インターフェロンは、RNAウイルス感染の治療に非常に重要である。インターフェロンを薬として投与した場合に、インターフェロンが抗ウイルス性、消毒性及び制がん性特性を発揮することが知られている。
【0005】
インターフェロンで治療されたC型肝炎患者の50%以上が、ウイルス排除(持効性ウイルス病学反応)や、より良好な血液試験結果及び(生体組織検査で検出される)より良好な肝臓組織構造というような好反応を示す。感染後直ちにインターフェロンを投与した場合には、慢性C型肝炎を防止することができるという或る証拠が存在する。然しながら、HCVに感染した患者は、感染後数カ月或いは数年を経過するまで症状が現れないことが屡々あり、そのことが早期治療を困難にさせている。
【0006】
更に、C型肝炎ウイルス遺伝子型1型による感染の場合には、患者の約70%がインターフェロン治療をしても良好な反応を示さない。
【0007】
インターフェロン(インターフェロン ベータ−1aとインターフェロン ベータ−1b)は、多発性硬化症及び自己免疫性疾患の治療及び抑制にも用いられている。
【0008】
また、インターフェロンは、或る種の癌の治療にも用いられている。更に、インターフェロンは、腎臓の癌,悪性黒色腫及びカルチノイド腫瘍を治療するのにも用いられている。また、インターフェロンは、或る種のリンパ腫及び白血病の治療にも時々使用されている。
【0009】
肝実質(hepatic parenchyma)の大部分が壊死した場合には、肝機能が低下し、直ちに患者の死に至ることがある。
【0010】
現在、肝臓壊死の問題を解決することのできる特別な治療法は存在せず、これらの変性疾病に冒されている患者については生存期間に関する予後が制限されている。
【0011】
NHClは、低クロール血性代謝性アルカローシスを治療するために用いられる水溶性無機塩類である。それは、診断目的のためにも用いられている。それは、患者の尿の同位元素アンモニア及び尿素の分析を通じて肝機能を評価することができるように、15N濃度まで投与される。
【0012】
本願発明者は、特許文献1及び2において、NHClが、ビリルビンの増加によって引き起こされる深刻な肝機能不全や肝性脳症に冒されている患者のビリルビンのレベルを減少させることのメカニズムについて記載した。このレベルは、NHClで治療することにより低下させることができる。また、肝臓の悪性新生物の治療についても記載されている。NHCl塩類は、毎日、600mg/kgの投与量で投与された。被験者における活性を示す証拠については報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】ギリシア特許第1003980号
【特許文献2】ギリシア特許願第2002100405号
【0014】
本願発明者は、公知のTAA投与法によって引き起こされた急性肝炎に冒されたキュインスター・ラット(Quinster rats)に関する実験研究論文を書いたが、NHClが投与されたラットの肝臓の組織学的サンプルがプラセボ治療(placebo treatment)されたラットのサンプルよりも壊死兆候が少なかったことを発見した。また、発明者は、肝実質が部分的に又は完全に再生していることに気付いた。更に、発明者は、TNF−α(腫瘍壊死因子アルファー)のレベルが低下している一方、IL−6のレベルは増大していることにも気付いた。
【0015】
高度肝障害を患っている患者におけるヒアルロン酸のレベルは通常高いが、治療したキュインスター・ラットのヒアルロン酸のレベルは低下していた。更に、付随的な生化学的因子は向上したようである。
【0016】
こうして、生体内で投与された場合のNHClが内生的インターフェロンの放出をシミュレートできることが意外にも分かった。
【0017】
これは、NHClで治療したキュインスター・ラットに関する研究において立証され、該キュインスター・ラットにおいては、免疫応答の内因性調節因子のファミリーであるインターロイキン(interleukin)が明らかに増加している。インターロイキンIL−6は、インターフェロン ベータ−2としても知られている。
【0018】
キュインスター・ラットに関する「生体内」実験データ
チオアセタミド(TAA)を、成体の雄キュインスター・ラットに、24時間毎に、三日連続して、400mgTAA/kg B.W.投与した。TAAの第二回及び第三回投与後の2時間、それらアニマルを、塩化アンモニウム(300mg/kg B.W.又は600mg/kg B.W.又は900mg/kg B.W.)又は同じ量の水で経口処置した。それらアニマルは、TTAによる第三回目の処置後の6時間と12時間で犠牲になった。三回目の投与後の12時間経過後に、TNF−α及びIL−6のレベルを血清中で測定した(エライサ試験(ELISA test))。その結果については、下掲表に示した。
【表1】

(pg/dLで示した値は、グループ毎の少なくとも8匹のアニマルについての平均±SDとして表わした。)
【0019】
この証拠は、NHClで処理後に、内生的インターフェロン(IL−6)が「生体内で」増加していることを証明している。内生的インターフェロンを刺激することは、インターフェロン治療において屡々遭遇する副作用を伴わないので、患者に対するインターフェロンの投与に関して実質的な改善を示している。更に、内生的インターフェロンの効果は長時間に亘る。決定的なことは、特に、インターフェロン治療は非常に費用が掛るが、NHClの投与による内生インターフェロンのこの刺激は、費用が少なくて、安全である。
【0020】
本願の発明者は、様々な形態の肝炎ウイルスに感染した患者に対する後述する特定のプロトコルに従ったNHClの投与が、患者の体調を向上させ、ウイルス量を減少させることができることをも意外にも知った。
【0021】
然しながら、ヒトに対するNHClの投与は、或る副作用を伴い、その使用が制限される。
【0022】
NHCl投与による最も一般的な副作用は、塩化物が増加することと胃粘膜を刺激することに起因する代謝性酸化(metabolic oxidation)である。
【0023】
第一の副作用は、治療することなく、4〜2日の間隔をもって、3〜5日間2〜5grのNHClを投与することにより成功裏に解消される。別の実施形態においては、治療することなく、2.8〜3.5grのNHClを4〜2日の間隔をもって、3〜5日間投与する。更に別の実施形態においては、上述したのと同様のプロトコルで、約3grのNHClを投与する。更に別の実施形態においては、プロトコルは、NHClで3日治療し、4日間洗浄することを含んでいる。上述した投与のプロトコルは、臨床医によって治療が完了したと判断されるまで複数回繰り返すことができる。例えば、21回の周期で治療が実施され、これは、患者の部分的な肝切除後の肝臓の自然再生時間に従っている。従って、治療の継続期間は、部分的な壊死のある患者のためには1ヶ月〜6ヶ月、又は、3ヶ月〜4ヶ月とすることができる。
【0024】
臨床的証拠
3gr/日の投与量で、上記プロトコルに従って複数の患者を治療した。その臨床結果について後述する。
患者A
疾病:慢性B型肝炎
治療前のウイルス量:1.65×10IU/ml
3ヶ月治療後のウイルス量:1.65×10IU/ml
患者B
疾病:C型肝炎
治療前のウイルス量:1.65×10IU/ml
3ヶ月治療後のウイルス量:1.65×10IU/ml
【0025】
明らかに、NHClによるこの治療によって、ヒト中の少なくとも10の因数のウイルス量を減少させることができる。
【0026】
胃粘膜の刺激は、胃耐性カプセル又は水溶性・耐酸性エンベロープ中にNHClを封入することにより解消される。
【0027】
上述したように投与量は2〜5grであって、投与形態は、好ましくは、胃を保護のためには、ポリマー化合物の微粒又はマイクロカプセルの形態の経口投与であるのが好ましい。
【0028】
従って、本発明の目的は、上述した治療において用いられるNHCl投与形態を提供することにある。
【0029】
一般的に、本発明のフォーミュレーション(formulation)は、Remington‘s Pharmaceutical Sciences Handobook (Mack Pub. Co., N.Y., USA, 17th edition, 1985)において報告されている標準的な技術に従って用意することができる。
【0030】
投与後のNHClのより一定した血中濃度を確実にするべく、錠剤,カプセル又は微粒にポリマーを充填するか、又は、薬剤形態のマトリックスを胃腸の管腔内での有効成分の放出を遅らせる、薬学的に許容される賦形剤から作ることができる。
【0031】
本発明の一実施形態においては、けん濁剤を用いるために用意される胃耐性の微粒又はマイクロカプセルを使用することができる。
【0032】
また、本発明の一実施形態においては、投与形態は、薬学的に有効な量の、例えば、300mg〜1500mgのNHClと、胃耐性・持続性フォーミュレーションの薬学的に許容可能な賦形剤を有している。
【0033】
胃耐性・持続性錠剤(gastro−resistant retard tablet)の例
錠剤は、標準的な技術に従って処方し、500mgのNHClと次の賦形剤とを含有している。該賦形剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropylmethylcellulose)と、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone)と、ナトリウムクロスカルメロース(sodium croscarmellose)と、ステアリン酸マグネシウム(magnesium stearate)と、タルク(talc)と、シメチコン(simeticone)である。
胃耐性・持続性(徐放性)錠剤の一例
塩化アンモニウム mg 500
ヒドロキシプロピルメチルセルロース mg 40
ポリビニルピロリドン mg 60
ナトリウムクロスカルメロース mg 10
ステアリン酸マグネシウム mg 1
タルク mg 120
シメチコン mg 50
【0034】
胃酸に対する耐性を有しているが、腸に溶け、有効成分の放出を遅らせることを確実にする一つ又はそれ以上の層で錠剤を被覆する。
【0035】
上述した治療プロトコルに従って薬剤が投与される患者を支援するために、投与形態ハウジング、特に、図1に例示的に示したようなブリスター(blister)が提供される。
【0036】
その投与形態ハウジング1は、プラスチック材料から成るシート2を有し、該シート2には複数のキャビティ3が金型形成されており、キャビティ3はシート2の一面から外側に突出し且つその突出した側と反対の側はカーブした開口を呈している。図示実施形態においては、そのようなキャビティ3の輪郭形状は、楕円形に形成されているが、変更することができ、この種の応用において一般に採用することができる全ての形状に成形することができる。キャビティ3の寸法は、上述したように処方されるNHClの錠剤又はカプセルを一〜三個収容するのに十分な寸法である。例えば、各キャビティ3は、薬剤の三個の500mg錠剤又は一個の1500mg錠剤、又は、上述した投薬計画(dosage regimen)に従ったその他の投与量の錠剤を含んでいてもよい。
【0037】
シート2の(図1に図示されていない)反対側は、シート2の上側からキャビティ3を押圧することにより裂くことの可能なアルミニウムフィルム又はその他のフィルムを張り付けることにより被覆されている。こうして、キャビティ3の開口部は該フィルムによって閉塞されている。
【0038】
図示実施形態においては、シート2は、並んだ三つのカップル4,4,4IIとして配列された六つのキャビティ3を有している。各カップル4,4,4IIは、キャビティ3が隆起している、シート2の面と同じ面上に、例えば、印刷又はその他の方法で表示された情報事項5,5,5IIと関連付けられている。
【0039】
シート2は、キャビティ3が設けられていない堅固な部分2を提供するのに十分な大きに形成されている。キャビティ3を有していない、シート2の堅固な部分2は、キャビティ3のカップルと関係付けられる上記情報事項と同様に横に並んで配列された情報事項5III,5IV,5,5VIと関係付けられている。
【0040】
特に、キャビティ3のカップル4,4,4IIに関連する情報事項5,5,5IIと、キャビティ3が無いシート2の堅固な部分2に関連する情報事項5III,5IV,5,5VIの双方は、「Day 1」,「Day 2」等、又は、「月曜日」,「水曜日」等、又は、それらの省略のような、一週間の内の日を示している。
【0041】
こうして、投与形態コンテナー1は、一週間につき三日間分の薬剤のみが充填されたキャビティ3を有し、他方、その他の日は、上述した投薬計画に従って薬剤が無い日である。
【0042】
更に、各日について、二つのキャビティ3が設けられていて、それらキャビティ3の各々は、例えば、1500mgのNHCl投与形態(一つ又はそれ以上の錠剤又はカプセル)を含んでいる。それらキャビティ3の一方は朝服用(一般的には、朝食前)のためのものであり、他方は夜服用(一般的には、夕食前)のためのものである。
【0043】
本発明の別の実施形態においては、キャビティ3が存在しない、シート2の堅固部分2に関連する情報事項5III,5IV,5,5VIは、その情報事項によって示されている治療の休みの日に引きはがすことの可能なストリップ6上に配列されている。
【0044】
本発明の更に別の実施形態においては、一週間の内の各日毎の、7カップルのキャビティ3を有していてもよいが、キャビティ3の三つのカップルのみが所望の投与形態を含んでいて、キャビティ3の他の四つのカップルは空になっている。キャビティ3のこれら四つのカップルの代りに、四つの単一キャビティを想定することもできる。これら空のキャビティは、情報事項で示されている治療の休みの日に押圧されるものとして設計されている。
【0045】
上述した内容によれば、ウイルス感染,肝不全,肝臓壊死,有毒な物質又は自己免疫反応によって引き起こされるその他の状態、又は、インターフェロン・アルファー,ベータ又はガンマでの治療の影響を受け易い腫瘍を治療又は防止するための方法が得られ、この方法は、治療上及び薬学上効果的な量のNHCl投与形態を、それを必要とする患者に投与することを含んでいる。
【0046】
本発明の一実施形態においては、ウイルス感染は、インターフェロン・アルファー,ベータ又はガンマでの治療に影響を受け易いウイルス感染である。また、本発明の或る実施形態においては、ウイルス感染は、B型肝炎,C型肝炎,D型肝炎、又は、慢性B,C又はD型肝炎、又は、合併症エプスタインバーウイルス感染である。
【0047】
本発明の一実施形態においては、本発明によって治療することのできる状態は、自己免疫性肝炎,ノンアルコール性脂肪肝炎,硬化性胆管炎,多発性硬化症,ウィルソン病及び肝癌から選択される。
【0048】
本発明の一実施形態においては、有毒物質は、暴飲された酒又は薬、及び、或る種のキノコ(例えば、タマゴテングダケ)の毒のような肝臓壊死を引き起こす可能性のある化学的肝臓毒素物質から選択される。
【0049】
また、本発明の一実施形態においては、インターフェロンでの治療に影響を受け易い腫瘍は、腎臓の癌,悪性黒色腫,カルチノイド腫瘍,リンパ腫及び白血病から選択される。
【0050】
本発明の治療は、外因的に投与されるインターフェロン又は抗ウイルス剤と関連させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、本発明による投与形態ハウジングの一実施形態を示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウイルス感染,肝不全,肝臓壊死,有毒物質又は自己免疫反応によって引き起こされるその他の状態,インターフェロン・アルファー,ベータ又はガンマでの治療による影響を受け易い腫瘍を治療し又は防止するために用いられるNHClの投与形態。
【請求項2】
NHClが一日に2〜5grの量で投与される、請求項1に記載の投与形態。
【請求項3】
NHClが一日に2.8〜3.5grの量で投与される、請求項1に記載の投与形態。
【請求項4】
NHClが一日に約3grの量で投与される、請求項1に記載の投与形態。
【請求項5】
NHCl投与形態が、3〜5日間投与され、且つ、4〜2日間治療が中止され、斯かるサイクルが1〜6ヶ月の治療期間繰り返される、請求項1〜6の何れか一項に記載の投与形態。
【請求項6】
NHCl投与形態が、3日間投与され、且つ、4日間治療が中止され、斯かるサイクルが1〜6ヶ月の治療期間繰り返される、請求項5記載の投与形態。
【請求項7】
前記治療期間が、部分的な壊死に冒された患者に関して3〜4ヶ月である、請求項6に記載の投与形態。
【請求項8】
前記ウイルス感染が、インターフェロン・アルファー,ベータ又はガンマでの治療による影響を受け易い感染である、請求項1〜7の何れか一項に記載の投与形態。
【請求項9】
前記ウイルス感染が、B型肝炎,C型肝炎,D型肝炎、又は、慢性のB型,C型及びD型肝炎,合併症エプスタインバーウイルス感染から選択される、請求項8に記載の投与形態。
【請求項10】
有毒物質又は自己免疫反応によって引き起こされる前記状態が、自己免疫性肝炎,ノンアルコール性脂肪性肝炎,硬化性胆管炎,多発性硬化症,ウィルソン病及び肝臓癌から選択される、請求項1〜7の何れか一項に記載の投与形態。
【請求項11】
前記有毒物質が、暴飲された酒又は薬,肝臓壊死に至る化学的肝臓毒素又はキノコの毒から選択される、請求項1〜7又は10の何れか一項に記載の投与形態。
【請求項12】
インターフェロンによる治療の影響を受け易い前記腫瘍が、腎臓の癌,悪性黒色腫,カルチノイド腫瘍,リンパ腫及び白血病から選択される、請求項1〜7の何れか一項に記載の投与形態。
【請求項13】
前記NHCl投与形態が、胃耐性薬学フォーミュレーション,徐放性薬学フォーミュレーション、又は、けん濁剤を用いるために用意される胃耐性の微粒又はマイクロカプセルである、請求項1〜12の何れか一項に記載の投与形態。
【請求項14】
前記NHCl投与形態が、胃耐性・持続性フォーミュレーションの、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropylmethylcellulose)と、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone)と、ナトリウムクロスカルメロース(sodium croscarmellose)と、ステアリン酸マグネシウム(magnesium stearate)と、タルク(talc)と、シメチコン(simeticone)から選択された賦形剤を含んでいる、請求項1〜13の何れか一項に記載の投与形態。
【請求項15】
プラスチック材料から成るシートを有する投与形態ハウジングであって、
前記シートが金型成形により成形された複数のキャビティを有し、該キャビティの各々は、前記シートの一面から外側に突出し且つその突出した側と反対側がカーブした開口部を呈し、各キャビティの寸法は、NHCl投与形態の錠剤又はカプセルを一〜三個収容するのに十分な寸法であり、
前記シートは、該シートの上側から前記キャビティを押圧することにより裂くことの可能なアルミニウムフィルム又はその他のフィルムを張り付けることにより被覆されて、前記キャビティの前記開口部が該フィルムによって閉塞され、
前記キャビティが、並んだ三つのカップルとして少なくとも六つ配列され、各カップルは、前記キャビティが隆起している、前記シートの面と同じ面上に設けられた第一の情報事項と関連付けられ、
前記シートは、前記キャビティが設けられていない堅固な部分を提供するのに十分大きく形成され、前記キャビティを有していない、前記シートの前記堅固な部分は、前記キャビティの前記カップルと関係付けられる前記第一の情報事項と同様に横に並んで配列された第二の情報事項と関係付けられ、
前記キャビティの前記カップルと関係付けられる前記第一の情報事項と、前記キャビティを有していない、前記シートの前記堅固な部分に関係付けられる前記第二の情報事項との双方が、一週間の内の日を示す、数字,アルファベット又はその他の記述的な表示であることを特徴とする投与形態ハウジング。
【請求項16】
キャビティを有していない、シートの前記堅固部と関連付けられる前記第二の情報事項が、その情報事項によって示されている治療の休みの日に引きはがすことの可能なストリップ上に配列されている、請求項15に記載の投与形態ハウジング。
【請求項17】
前記シートが、一週間の内の各日毎の、7カップルの前記キャビティを有し、これらキャビティの三つのカップルのみが前記投与形態を含み、前記キャビティの他の四つのカップルは空になっていて、該空になっている四つのカップルのキャビティが、前記第二の情報事項によって示された治療の休みの日に押圧されるものとして設計されている、請求項15又は16に記載の投与形態ハウジング。
【請求項18】
前記空になっている四つのカップルのキャビティが、四つの単一キャビティによって置き換えられている、請求項17に記載の投与形態ハウジング。
【請求項19】
請求項1〜14の何れか一項に記載の投与形態であって、薬学的に有効量である300mg〜1500mgのNHClと、胃耐性・持続性フォーミュレーションの薬学的に許容可能な賦形剤を含んでいる、投与形態。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2012−514583(P2012−514583A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544044(P2011−544044)
【出願日】平成21年12月29日(2009.12.29)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067993
【国際公開番号】WO2010/076323
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(511125135)レインボウ ファーマセウティカル エス.エー. (1)
【Fターム(参考)】