説明

治療用接触粒貼付シート

【課題】本発明は、磁石やゲルマニウム粒を粘着シート上に強固に固定することを可能とする治療用接触粒貼付シートを提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明は、上面に粘着剤3が塗布された絆創膏2上に治療用接触粒5、11が接着される治療用接触粒貼付シート1において、少なくとも、その上面に粘着層が形成されるとともに、該治療用接触粒5、11の上部が露出される係留穴9、9Aが形成される固着シート10とを備え、前記治療用接触粒5、11に対して、前記固着シート10の係留穴9、9Aによって該治療用接触粒5、11の上部が露出された状態で前記絆創膏2上面に前記固着シート10の下面が接着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療用接触粒貼付シートに関する。詳しくはゲルマニウム粒、あるいは磁石粒が貼付シートに取り付けられる治療用接触粒貼付シートに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来より磁気治療作用を有する磁石粒、放射線治療効果を有するゲルマニウム粒を肩、腰などの患部に接触させるために被覆用貼付シート上に接着するという手段をとっている。このような接触粒治療用貼付シートとして図6に示すものがある。この治療用貼付シート101は、円形状の粘着シート102の上面に湿布薬103および該湿布薬103の中央に磁石104が貼り付けられ、この磁石104を露出させた状態で前記粘着シート102上に被覆用シート105が接着された構成とする(特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】実開平4−40653号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら前記磁石を粘着シート上に張り付けることは、金属と紙辺との異種同士の接着となり前記粘着シートを首や腰の患部に貼り付けた場合に、直ぐに磁石との接着が剥がれるなどの問題がある。
【0005】
また、ゲルマニウム粒は粉状にしたゲルマニウムをシリコンに混練して突起形状に成型し、粘着シート上に貼り付けるものであるが、シリコンも磁石と同様に接着に難点があるために、使用の際に剥がれるなどの問題がある。
【0006】
したがって、磁石やゲルマニウム粒が剥がれた場合では治療用接触粒貼付シートを廃棄して、新たな接触粒治療用貼付シートを使用しているのが、前記磁石やゲルマニウム粒の効力が低下することがないために、非常に無駄なことになる問題がある。
【0007】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであって、磁石やゲルマニウム粒を粘着シート上に強固に固定することを可能とする治療用接触粒貼付シートを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明に係る治療用接触粒貼付シートは、上面に粘着剤が塗布された絆創膏上に治療用接触粒が接着される治療用接触粒貼付シートにおいて、少なくとも、その上面に粘着層が形成されるとともに、該治療用接触粒の上部が露出される係留穴が形成される固着シートとを備え、前記治療用接触粒に対して、前記固着シートの係留穴によって該治療用接触粒の上部が露出された状態で前記絆創膏上面に前記固着シートの下面が接着される。
【0009】
ここで、治療用ゲルマニウム接触粒、あるいは治療用磁石接触粒の上部が露出された状態で絆創膏上に固着シートによって強固に固着することが可能となる。
【0010】
また、上記の目的を達成するために、本発明に係る治療用接触粒貼付シートは、上面に粘着剤が塗布された絆創膏上に複数の治療用接触粒が接着される治療用接触粒貼付シートにおいて、少なくとも、その上面に粘着層が形成されるとともに、それぞれの治療用接触粒の上部が露出される係留穴が形成される固着シートとを備え、前記それぞれの治療用接触粒に対して、前記固着シートに開設されるそれぞれの係留穴によって前記それぞれの治療用接触粒の上部が露出された状態で前記絆創膏上面に前記固着シートの下面が接着される。
【0011】
ここで、複数の治療用ゲルマニウム接触粒、あるいは治療用磁石接触粒の上部が露出された状態で絆創膏上に固着シートによって強固に固着することにより、位置がずれることなく、例えば、複数の治療用磁石接触粒を磁性化したときに互いに反発し、吸引し合うことによるズレや脱落を防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の治療用接触粒貼付シートは、絆創膏上に治療用グルマニウム接触粒、あるいは治療用磁石接触粒が固着シートによって強固に固着されることにより、患部から治療用グルマニウム接触粒、あるいは治療用磁石接触粒が安易に外れることを防止するものである。
【0013】
また、複数個の治療用グルマニウム接触粒、あるいは治療用磁石接触粒を絆創膏上に配置する場合であっても、それぞれの位置に設けられる挿入穴、あるいは露出穴によって位置がずれることなく、強固な固着が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を参酌しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1に、本発明を適用したゲルマニウムの治療用接触粒貼付シートの一例を示す斜視図、図2に、図1における断面図を示す。
【0015】
ここで示す治療用接触粒貼付シート1は、ウレタンシールなどから形成される円形状の絆創膏2上に粘着剤3が塗布されている。この絆創膏2は患部の皮膚に貼り付けられることから柔軟性を有し、かつ皮膚が蒸れないように無数の通気孔4が設けられるものである。
【0016】
そして前記絆創膏2の中央に、ゲルマニウムが混練された治療用ゲルマニウム接触粒5が接着される。この治療用ゲルマニウム接触粒5は、シリコン基板6上に、ゲルマニウム粉末が混練された突起形状のシリコンから形成される突起部7が固着されるものである。この突起部7の外径は、前記シリコン基板6の外径よりも小とすることにより突起部7の外周に沿って鍔部8が形成されることになる。
【0017】
そこで例えば両面テープに前記突起部7のみが嵌挿できる係留穴9が貫設されるとともに、その外径が前記治療用ゲルマニウム接触粒5のシリコン基板6の外径よりも大きく、かつ前記絆創膏2外径よりも小とした固着シート10を形成し、この固着シート10の下面の剥離紙(図示せず。)を剥がして前記固着シート10の挿通穴9を前記突起部7に挿通させ、前記シリコン基板6を覆うような状態で接着するものである。
【0018】
したがって、前記シリコン基板6の鍔部8が前記固着シート10によって係着された状態で絆創膏2上の粘着剤3に接着されることになり、前記治療用ゲルマニウム接触粒5が絆創膏2上に強固に固着されることとなる。
【0019】
そして前記固着シート10上面の剥離紙(図示せず。)を剥がすことにより、前記固着シート10上に粘着剤3が露出することになり、患部の皮膚への貼り付けが可能となる。
【0020】
次に、図3に本発明を適用した磁石による治療用接触粒貼付シートの一例を示す斜視図、図4に、図3における断面図を示す。
ここで示す治療用接触粒貼付シート1は、円形状の絆創膏2上に粘着剤3が塗布されている。この絆創膏2は患部の皮膚に貼り付けられることから柔軟性を有し、かつ皮膚が蒸れないように無数の通気孔4が設けられるものである。
【0021】
そして前記絆創膏2の中央に、円盤形状のフェライトなどの磁石から形成される治療用磁石接触粒11が接着される。この治療用磁石接触粒11に対して、例えば両面テープに前記治療用磁石接触粒11の外径よりも小さくした係留穴9Aが形成され、かつ前記絆創膏2外径よりも小とした固着シート10を形成し、この固着シート10の下面の剥離紙(図示せず。)を剥がして前記固着シート10の係留穴9Aを前記治療用磁石接触粒11の上面に位置するようにして絆創膏2上に接着するものである。
【0022】
したがって、前記治療用磁石接触粒11は前記固着シート10の係留穴9Aによって、その上面が露出された状態で、前記絆創膏2上に強固に固着されることとなる。そして前記固着シート10上面の剥離紙(図示せず。)を剥がすことにより、前記固着シート10上に粘着剤3が露出することになり、患部の皮膚への貼り付けが可能となる。
【0023】
また、図5(イ)(ロ)はそれぞれ本発明を適用した治療用接触粒貼付シートの他の例を示す斜視図である。
ここで図5(イ)では、略三角形状の絆創膏2上に複数(本実施例では3個)の治療用ゲルマニウム接触粒5が接着配置される。そして前記絆創膏2と同形に裁断された両面テープから構成される固着シート10の前記絆創膏2上のゲルマニウム接触粒5の配置個所に、係留穴9を開口するものである。
【0024】
そして前記固着シート10下面の剥離紙(図示せず。)を剥ぎ取り、前記絆創膏2上のゲルマニウム接触粒5の突起部7が固着シート10の係留穴9に貫通した状態で絆創膏2上の粘着剤3に接着されることになり、前記複数の治療用ゲルマニウム接触粒5が絆創膏2上に強固に固着されることとなる。
【0025】
そこで、前記固着シート10上面の剥離紙(図示せず。)を剥がすことにより、前記固着シート10上に粘着剤3が露出することになり、患部の皮膚への貼り付けが可能となる。
【0026】
また、図5(ロ)では、略三角形状の絆創膏2上に複数(本実施例では3個)の治療用磁石接触粒11が接着配置される。そして前記絆創膏2と同形に裁断された両面テープから構成される固着シート10の前記絆創膏2上の治療用磁石接触粒11の配置個所に、係留穴9Aを開口するものである。
【0027】
そして前記固着シート10下面の剥離紙(図示せず。)を剥ぎ取り、前記絆創膏2上の治療用磁石接触粒11の上面が固着シート10の係留穴9Aによって露出した状態で絆創膏2上の粘着剤3に接着されることになり、前記複数の治療用磁石接触粒11が絆創膏2上に強固に固着されることとなる。
【0028】
そこで、前記固着シート10上面の剥離紙(図示せず。)を剥がすことにより、前記固着シート10上に粘着剤3が露出することになり、患部の皮膚への貼り付けが可能となる。
【0029】
なお、本実施例では固着シートは必ずしも両面に粘着剤が塗布された両面テープを使用する必要性はなく、例えば固着シートの上面のみに粘着剤が塗布されたものであっても絆創膏上面の粘着剤のみで充分に接着できるものであれば片面テープであっても構わない。
【0030】
以上の構成よりなる本発明の治療用接触粒貼付シートでは、治療用ゲルマニウム接触粒、あるいは治療用磁石接触粒が絆創膏上に固着シートによって強固に固着されることにより患部に貼り付ける際に治療用ゲルマニウム接触粒、あるいは治療用磁石接触粒が絆創膏より剥がれることが無い。
【0031】
また、前記治療用磁石接触粒にあっては球形状のものが多く、絆創膏との接触が非常に不安定であるために、充分な接着を行うことが困難であるが、本発明の固着シートによって安定した固着が可能となる。
【0032】
更に、複数の治療用磁石接触粒を設けた絆創膏であっては、これらの治療用磁石接触粒を磁性化したときに互いに反発し、吸引し合うことによるズレや脱落を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明を適用したゲルマニウムの治療用接触粒貼付シートの一例を示す斜視図である。
【図2】図1における断面説明図である。
【図3】本発明を適用した磁石による治療用接触粒貼付シートの一例を示す斜視図である。
【図4】図3における断面説明図である。
【図5】本発明を適用した治療用接触粒貼付シートの他の例を示す斜視図である。
【図6】従来の治療用貼付シートの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0034】
1 治療用接触粒貼付シート
2 絆創膏
3 粘着剤
4 通気孔
5 治療用グルマニウム接触粒
6 シリコン基板
7 突起部
8 鍔部
9、9A 係留穴
10 固着シート
11 治療用磁石接触粒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に粘着剤が塗布された絆創膏上に治療用接触粒が接着される治療用接触粒貼付シートにおいて、
少なくとも、その上面に粘着層が形成されるとともに、該治療用接触粒の上部が露出される係留穴が形成される固着シートとを備え、
前記治療用接触粒に対して、前記固着シートの係留穴によって該治療用接触粒の上部が露出された状態で前記絆創膏上面に前記固着シートの下面が接着される
ことを特徴とする治療用接触粒貼付シート。
【請求項2】
上面に粘着剤が塗布された絆創膏上に複数の治療用接触粒が接着される治療用接触粒貼付シートにおいて、
少なくとも、その上面に粘着層が形成されるとともに、それぞれの治療用接触粒の上部が露出される係留穴が形成される固着シートとを備え、
前記それぞれの治療用接触粒に対して、前記固着シートに開設されるそれぞれの係留穴によって前記それぞれの治療用接触粒の上部が露出された状態で前記絆創膏上面に前記固着シートの下面が接着される
ことを特徴とする治療用接触粒貼付シート。
【請求項3】
前記治療用接触粒がゲルマニウム接触粒である
ことを特徴とする請求項1または2記載の治療用接触粒貼付シート。
【請求項4】
前記治療用接触粒が磁石接触粒である
ことを特徴とする請求項1または2記載の治療用接触粒貼付シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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