説明

注文端末及び注文端末用プログラム

【課題】顧客が口にできない原材料を含むメニュー品目の注文を誤って受け付けてしまうとその顧客に重大な被害を与えてしまうので、そのような原材料を含むメニュー品目の注文を受け付けない運用を実現させる。
【解決手段】操作入力部122での操作入力によって入力された原材料コードを記憶領域に記憶させ、この記憶領域に記憶されている原材料コードによって特定される原材料を含まないメニュー品目121aを表示部121に表示させる。また、操作入力部122での操作によって指定されたメニュー品目121aを特定するメニューコードを記憶領域に記憶させ、この記憶領域に記憶されているメニューコードを含む注文データを生成するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーダエントリシステムを構成するハンディターミナルや商品販売データ処理装置等の注文端末、及び、注文端末用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ファミリーレストランやフードコード等の店舗には、オーダエントリシステムが導入されている。オーダエントリシステムは、その基本機能として、注文端末から無線送信された注文データ(テーブルコード、メニューコード等を含む)がオーダステーションに送信され、オーダステーションは、キッチンプリンタに注文伝票を印字発行すべき指令を発したり、POS端末に注文データを送信したりする。つまり、ハンディターミナル等の注文端末では、注文データを生成する前提として接客係の店員の操作によってメニュー品目を特定するメニューコードが入力される。そのため、顧客は注文しようとするメニュー品目を注文端末を操作する接客係の店員に告げることになる。
【0003】
【特許文献1】特開2006−79209公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、顧客によっては、口にすることができない飲食物の原材料がある。例えば、アレルギーを引き起こすアレルゲンである卵、宗教上食べることが許されない豚肉等である。完成品であるメニュー品目を見ただけでは、これらの原材料が含まれているか否かの判別は困難である。そのため、このような顧客は、注文しようとするメニュー品目に口にできない原材料が含まれているか否かについて接客係の店員に問い合わせる。
【0005】
このとき、接客係の店員は、顧客が注文しようとするメニュー品目にどの原材料が含まれているかについて知らないことが多い。しかし、顧客が口にできない原材料を含むメニュー品目の注文を誤って受け付けて配膳されてしまえば顧客に重大な被害を与えてしまうことになるため、問い合わせを受けた接客係の店員は、持ち場を離れてキッチンに赴き、調理係の店員に対して顧客からの問い合わせと同じ内容の問い合わせを投げかける。そして、回答を得たならば、再度持ち場に戻り顧客に回答をする。
【0006】
このような作業は大きな時間のロスとなり、顧客に大変な待ち時間を与えてしまう。そのため、ファミリーレストランやフードコート等では、顧客が口にできない原材料を含むメニュー品目の注文を受け付けないようにする運用を容易に実現したい、という要望がある。
【0007】
特許文献1には、顧客毎に登録されたアレルギー情報に基づいて、アレルゲンを含まないメニュー品目を表示させるようにした技術が記載されている。しかし、特許文献1に記載された技術を採用する場合には、予め顧客からアレルギー情報を採取して登録させる必要があるため、柔軟な顧客対応をすることはできない。
【0008】
本発明の目的は、顧客が口にできない原材料を含むメニュー品目の注文を受け付けないようにする運用を容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の注文端末は、操作入力部での操作入力によって入力された原材料を特定する原材料コードを記憶領域に記憶させ、前記記憶領域に記憶されている原材料コードによって特定される原材料を含まないメニュー品目を表示部に表示させ、前記操作入力部での操作によって指定された前記表示部に表示されたメニュー品目を特定するメニューコードを前記記憶領域に記憶させ、前記記憶領域に記憶されているメニューコードを含む注文データを生成するようにした。
【0010】
本発明の注文端末用プログラムは、注文端末のコンピュータにインストールされ、当該コンピュータに、操作入力部での操作入力によって入力された原材料を特定する原材料コードを記憶領域に記憶させる機能と、前記記憶領域に記憶されている原材料コードによって特定される原材料を含まないメニュー品目を表示部に表示させる機能と、前記操作入力部での操作によって指定された前記表示部に表示されたメニュー品目を特定するメニューコードを前記記憶領域に記憶させ、前記記憶領域に記憶されているメニューコードを含む注文データを生成する機能と、を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、顧客の要求に応じて原材料を指定すると、指定された原材料を含むメニュー品目が表示部に表示されないため、このメニュー品目は操作入力部での操作によって指定されることはなく、このメニュー品目を特定するメニューコードが注文データに含まれることはない。したがって、顧客が口にできない原材料を含むメニュー品目の注文を受け付けないようにする運用を容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態を図1ないし図14に基づいて説明する。
【0013】
図1は、オーダエントリシステム1を概略的に示すシステム構成図である。第1の実施形態のオーダエントリシステム1は、例えばファミリーレストランにおいて使用されるものであり、店舗に導入される店舗システム11と各店舗を統括する本部に導入される本部システム51とによって構成されている。店舗システム11が備えるPOS端末301、オーダステーション501、キッチンプリンタ201、及び、カスタマチェックプリンタ401は、通信ケーブル15を介して互いにデータ通信可能に接続されている。また、店舗の天井には店舗システム11が備える無線中継器601が通信ケーブル15に接続されて設置されている。店舗システム11が備えるハンディターミナル101は、無線中継器601を介して、POS端末301、オーダステーション501、キッチンプリンタ201、及び、カスタマチェックプリンタ401と無線によるデータ通信可能に接続されている。このような店舗システム11は、ネットワーク91を介して本部システム51と接続されている。本部システム51が備えるデータベースサーバ701、集配信サーバ801、EAIサーバ(図示せず)、及び、ジャーナルサーバ(図示せず)は、通信ケーブル55を介して互いにデータ通信可能に接続されている。データベースサーバ701のHDD(図示せず)には、アレルゲンマスタF1とメニューマスタF2とが格納されている。アレルゲンマスタF1及びメニューマスタF2の詳細については後述する。アレルゲンマスタF1及びメニューマスタF2は、集配信サーバ801によってデータベースサーバ701からネットワーク91を介して、店舗システム11に配信される。
【0014】
店舗システム11に配信されたアレルゲンマスタF1及びメニューマスタF2は、まず、POS端末301に配信されてPOS端末301のHDD365(図3参照)に格納され、POS端末301によってオーダステーション501にも配信され、オーダステーション501のHDD(図示せず)に格納される。さらに、アレルゲンマスタF1及びメニューマスタF2は、無線中継器601を介して、ハンディターミナル101にも配信される。つまり、ハンディターミナル101のマイコン151(図5参照)は、電源投入に応じて無線中継器601を介してPOS端末301と通信を実行して、POS端末301からアレルゲンマスタF1及びメニューマスタF2を受信して、ハンディターミナル101のRAM155(図5参照)に記憶させる。
【0015】
図2は、POS端末301を示す外観斜視図である。POS端末301は、薄型扁平な筐体302を有する。筐体302の上面には、LCD303が設けられている。LCD303は、POS端末301を使用する会計係の店員に対して情報表示を提供する。LCD303の表示面にはタッチパネル304が積層して取り付けられている。また、POS端末301は、バーコード等のコードシンボルを読み取ってデコードするコードスキャナ305、及び、レシート用紙に情報を印字してレシートとして発行するレシートプリンタ306を備えている。さらに、POS端末301には、カードリーダ307(図3参照)及びドロワ308(図3参照)が接続されている。
【0016】
図3は、POS端末301の電気的接続を示すブロック図である。POS端末301は、各部を駆動制御するマイクロコンピュータ(以下、マイコン)351を備える。マイコン351は、CPU352に、バスライン353を介して制御プログラム等の固定的情報を予め記憶するROM354と、各種データを書き換え自在に記憶するRAM355とが接続されて構成されている。マイコン351にバスライン353を介して接続されているのは、タッチパネル304からの入力信号をマイコン351に取り込むタッチパネルコントローラ361と、画像データに基づいてLCD303を駆動制御し、画像データに応じた画像をLCD303に表示させる表示コントローラ362と、コードスキャナ305、レシートプリンタ306、カードリーダ307、及び、ドロワ308を制御する外部機器インターフェース363と、通信ケーブル15を介してキッチンプリンタ201、カスタマチェックプリンタ401、オーダステーション501、及び無線中継器601との間でのデータ通信を可能とする通信インターフェース364と、HDD365とである。HDD365には、本部システム51のデータベースサーバ701から集配信サーバ801によって配信されるアレルゲンマスタF1とメニューマスタF2とが格納される。
【0017】
オーダステーション501は、マイコンを備える。このマイコンには、バスラインを介して、HDDと通信インターフェースとが接続されている(いずれも図示せず)。通信インターフェースは、通信ケーブル15を介して、キッチンプリンタ201、POS端末301、カスタマチェックプリンタ401、及び無線中継器601との間でのデータ通信を可能とする。HDDには、データベースサーバ701から集配信サーバ801によって配信されるアレルゲンマスタF1とメニューマスタF2とが格納される。さらに、HDDには、ハンディターミナル101から送信される注文データを記憶させる注文ファイル502(図1参照)が設けられている。
【0018】
図4は、ハンディターミナル101を示す正面図である。ハンディターミナル101は、左ユニット102と右ユニット103とがヒンジ104によって回動開閉自在に連結された構成を有する。左ユニット102の筐体102aには、LCD121が設けられている。LCD121の表示面にはタッチパネル122が積層して取り付けられている。タッチパネル122の下段側(図4中下側)の部分には、このタッチパネル122に重ねられてキーシート123が設けられている。キーシート123は、数字を表示するテンキー123a、上下の矢印を表示する矢印キー123b、及び、「送信」と表示された送信キー123d等を含む。右ユニット103の筐体103aには、複数個のキーを有するキーボード131が設けられている。キーは、「サラダ」等の上位メニューを表示する文字が印刷された複数個の上位メニューキー131a、「アレルゲン表示」という文字が印刷されたアレルゲン表示キー131b、「アレルゲン検索」という文字が印刷されたアレルゲン検索キー131c、「確認」という文字が印刷された確認キー131d、「Enter」という文字が印刷されたエンターキー131e、「追加」という文字が印刷された追加キー131f等である。
【0019】
図5は、ハンディターミナル101の電気的接続を示すブロック図である。ハンディターミナル101は、各部を駆動制御するマイコン151を備える。マイコン151は、CPU152に、バスライン153を介してコンピュータプログラム等の固定的情報を予め記憶するROM154と、各種データを書き換え自在に記憶するRAM155とが接続されて構成されている。マイコン151にバスライン153を介して接続されているのは、タッチパネル122からの入力信号をマイコン151に取り込むタッチパネルコントローラ161と、画像データに基づいてLCD121を駆動制御し、画像データに応じた画像をLCD121に表示させる表示コントローラ162と、キーボード131からの入力信号をマイコン151に取り込むキーボードコントローラ163と、無線部165を駆動制御する無線通信インターフェース164とである。無線部165は、アンテナ166を介して無線中継器601との間で無線通信を実行する。ハンディターミナル101に生成される注文データ等の各種情報は、無線部165から無線中継器601に送信される。ハンディターミナル101のRAM155には、POS端末301から無線中継器601を介して配信されるアレルゲンマスタF1とメニューマスタF2とが記憶される。
【0020】
図6は、アレルゲンマスタF1のデータ構成を示す模式図である。アレルゲンマスタF1は、アレルゲンの名称(アレルゲン名称)のデータを記憶するファイルである。ここで、アレルゲンとは、正確には、アレルギー疾患を持っている人の抗体と特異的に反応してアレルギーを引き起こす物質(抗原)そのものを指すが、本実施の形態では、その抗原を含んだ飲食物の原材料(「小麦」等)を指す。アレルゲンマスタF1は、アレルゲン毎に割り当てられた「アレルゲンコード」に対応付けて「アレルゲン名称」を記憶している。例えば、アレルゲンマスタF1には、「卵」に「アレルゲンコード:3」が対応付けて記憶されている。したがって、アレルゲンマスタF1を参照することによって、「アレルゲンコード:3」に基づいて「卵」を特定することができる。なお、アレルゲンマスタF1に記憶されるデータは、アレルゲン名称に限定されることはなく、他の飲食物の原材料が記憶されても良い。例えば、宗教上食べることが許されない原材料である。
【0021】
図7は、メニューマスタF2のデータ構成を示す模式図である。メニューマスタF2は、「メニュー品目」を「メニュー品目」毎に割り当てられた「メニューコード」に対応付けて記憶している。したがって、メニューマスタF2を参照することによって、「メニューコード」に基づいて「メニュー品目」を特定することができる。さらに、メニューマスタF2には、「メニューコード」に対応付けて、その「メニューコード」によって特定される「メニュー品目」についての「単価」、その「メニュー品目」に係る飲食物が含むアレルゲンを特定する「アレルゲンコード」、その「メニュー品目」が所属する「上位メニュー」が記憶されている。このように、アレルゲンマスタF1とメニューマスタF2とには、共通して、「アレルゲンコード」が情報として記憶されている。
【0022】
次に、オーダエントリ処理について説明する。ハンディターミナル101のマイコン151は、テンキー123aのタッチ指定により入力されたテーブルコードをRAM155に記憶させると、次に、上位メニューキー131aの押下判定に応じて、メニューマスタF2から対応する「メニューコード」及び「メニュー品目」のデータを取得して、メニュー品目121a(図8参照)をLCD121に表示させる。このとき、メニュー品目121aには、対応するメニューコードを割り付ける。
【0023】
図8は、メニュー品目121aが表示された状態のLCD121の画面例を示す模式図である。各々のメニュー品目121aは、四角形状の枠体によって囲われている。図8では、上位メニューキー131a「サラダ」に対応付けられたメニュー品目121aが表示されている。この場合、メニュー品目121aは、「シーフードサラダ」等の文字列で示されている。「シーフードサラダ」と表示されているメニュー品目121aには、「シーフードサラダ」を特定する「メニューコード」が割り付けられている。メニュー品目121aのタッチ指定により、マイコン151にメニューコードが入力され、マイコン151は、入力されたメニューコードをRAM155に記憶させる。
【0024】
次に、マイコン151は、エントリ指定の判定に応じて注文データを生成し、送信先をオーダステーション501にして無線部165によって無線送信する。エントリ指定は、エンターキー131eの押下と送信キー123dのタッチ指定とに応じて実行される。注文データは、RAM155に記憶されたテーブルコード、及び、RAM155に記憶された全てのメニューコードを含む。注文データは、さらに、アレルゲンコードを含む。したがって、ハンディターミナル101のRAM155にはアレルゲンコードが記憶され、このアレルゲンコードは、生成されて送信される注文データに含まれる。なお、テーブルコードは、座席を特定する座席コードであっても良い。
【0025】
無線送信された注文データは、オーダステーション501により受信される。オーダステーション501は、注文データの受信を判定すると識別番号である注文番号を追番で付して注文ファイル502に登録し、さらに注文データをキッチンプリンタ201とカスタマチェックプリンタ401とに送信する。カスタマチェックプリンタ401は、受信した注文データに基づいて会計伝票を印字発行する。会計伝票には、注文データを特定する注文番号がコードシンボルの形態で印刷される。キッチンプリンタ201でもカスタマチェックプリンタ401と同様の処理が実行される。
【0026】
会計伝票は、接客係の店員によって顧客のテーブルに運ばれる。飲食を終えた顧客は会計伝票をPOS端末301が配置されているチェックアウトカウンタまで持ち寄ることになる。そして、POS端末301では会計処理が実行される。会計処理では、会計係の店員が会計伝票に印刷されている注文番号をコードスキャナ305に読み取らせると、POS端末301のマイコン351は、オーダステーション501とデータ通信を実行して、読み取られた注文番号によって特定される注文データを注文ファイル502から呼び出して、RAM355に記憶させる。そして、マイコン351は、この注文データに基づいて、メニューマスタF2を参照して、商品販売データ処理を実行する。
【0027】
図9は、アレルゲン表示処理の流れを示すフローチャートである。図10は、アレルゲン表示処理中のハンディターミナル101のLCD121の画面例である。マイコン151は、アレルゲン表示キー131bの押下を判定すると(ステップS1のY)、上位メニューキー131aの押下に待機する(ステップS2)。そして、上位メニューキー131aの押下に応じて(ステップS2のY)、自らのRAM155に記憶されているメニューマスタF2から対応する「メニューコード」及び「メニュー品目」のデータを取得して(ステップS3)、図10(a)に示すように、メニュー品目121aをLCD121に表示させる(ステップS4)。このとき、メニュー品目121aには、対応するメニューコードを割り付ける。
【0028】
次に、マイコン151は、メニュー品目121aのタッチ指定に待機する(ステップS5)。各々のメニュー品目121aには、メニューコードが割り付けられている。そのため、メニュー品目121aのタッチ指定によって、マイコン151にメニューコードが入力される。マイコン151は、メニュー品目121aのタッチによりメニューコードが入力されたならば(ステップS5のY)、入力されたメニューコードに基づいてメニューマスタF2を検索して、そのメニューコードに対応付けてアレルゲンコードが記憶されているか否かを判定する(ステップS6)。記憶されている場合には(ステップS6のY)、そのアレルゲンコードを取得し(ステップS7)、取得したアレルゲンコードに基づいてアレルゲンマスタF1を検索して、そのアレルゲンコードに対応付けて記憶されているアレルゲン名称を取得する(ステップS8)。そして、図10(b)に示すように、取得したアレルゲン名称141をLCD121に表示させる(ステップS9)。アレルゲン名称141は、左右方向に長い矩形の枠体によって囲われている。
【0029】
ここで、メニューマスタF2には、「ミルフィーユ」に対応付けて「アレルゲンコード」として「3,4」が記憶されているため、LCD121には、図10(b)に示すように、アレルゲン名称141として、「アレルゲンコード:3」によって特定される「卵」と、「アレルゲンコード:4」によって特定される「乳」とが表示される。そして、確認キー131dの押下判定に応じて(ステップS10のY)、マイコン151は、アレルゲン表示処理を終了させる。
【0030】
図11は、アレルゲン検索処理の流れを示すフローチャートである。図12は、アレルゲン検索処理中のハンディターミナル101のLCD121の画面例である。マイコン151は、アレルゲン検索キー131cの押下を判定すると(ステップS21のY)、アレルゲンマスタF1から全ての「アレルゲン名称」のデータを取得して(ステップS22)、図12(a)に示すように、LCD121にアレルゲン名称141を表示させる(ステップS23)。このとき、マイコン151は、アレルゲンマスタF1から「アレルゲンコード」のデータも取得して、LCD121に表示されるアレルゲン名称141に対応する「アレルゲンコード」を割り付ける。また、LCD121に全てのアレルゲン名称141は表示しきれないため、アレルゲン名称141の下方位置には、「次ページ」という文字列を含む次頁キー126が表示される。次頁キー126のタッチ指定に応じて、残りのアレルゲン名称141がLCD121に表示される。そして、アレルゲン名称141がタッチ指定されたならば(ステップS24のY)、マイコン151は、タッチ指定されたアレルゲン名称141に割り付けられているアレルゲンコードをRAM155に記憶させる(ステップS25)。このとき、図12(b)に示すように、タッチ指定されたアレルゲン名称141を囲う枠体内には「×」印が表示される。これにより、タッチ指定されたアレルゲン名称141を明確に判別することができる。ステップS24、ステップS25の処理は、エンターキー131eが押下されるまで(ステップS26のY)実行される。つまり、複数のアレルゲン名称141について、アレルゲン名称141をタッチ指定して(ステップS24のY)、アレルゲンコードをRAM155に記憶させる(ステップS25)ことが可能である。マイコン151は、エンターキー131eの押下を判定すると(ステップS26のY)、オーダエントリ処理に移行する(ステップS27)。アレルゲン検索処理後に移行して実行されるオーダエントリ処理では、アレルゲン検索処理無しで実行されるオーダエントリ処理と比較して、一部の処理内容が相違する。つまり、メニューマスタF2からのメニュー品目の取得、及び、LCD121へのメニュー品目121aの表示に際しての処理が相違する。
【0031】
図13は、アレルゲン検索処理後に実行されるオーダエントリ処理においてメニュー品目121aが表示された状態のLCD121の画面例を示す模式図である。ここでは、アレルゲン検索処理で、「小麦」及び「えび」のアレルゲン名称141がタッチ指定されて(ステップS24)、「小麦」及び「えび」のアレルゲンコードがRAM155に記憶されている(ステップS25)場合について説明する。この場合、マイコン151は、上位メニューキー131a「サラダ」の押下判定をすると、メニューマスタF2からは、「小麦」及び「えび」のアレルゲンコードが対応付けて記憶されていない「和風サラダ」「中華サラダ」「イタリアンサラダ」についての「メニューコード」及び「メニュー品目」のデータを取得して、図13に示すように、取得したメニュー品目121aのみをLCD121に表示させる。このとき、LCD121に表示させるメニュー品目121aについてのみ、対応するメニューコードを割り付ける。また、図13に示すように、取得されなかったメニュー品目121aについてはLCD121には表示されない。このとき、メニュー品目121aを表示する枠体内とは異なる色(例えば灰色)を表示させる。メニュー品目121aが表示されていない枠体には、メニューコードが割り付けられていないため、この枠体内をタッチパネル122によってタッチ指定したとしても、マイコン151にメニューコードは入力されない。このようにして、アレルゲン検索処理によって除外指定されたアレルゲンを含むメニュー品目については、ハンディターミナル101でのメニューコードの入力が不可となり、そのメニューコードはRAM155に記憶されて注文データに含まれることがなくなる。
【0032】
図14は、アレルゲン検索処理の流れの別の一例を示すフローチャートである。マイコン151は、アレルゲン検索キー131cの押下を判定し(ステップS31のY)、次いで、アレルゲン表示キー131bの押下を判定すると(ステップS32のY)、上位メニューキー131aの押下に待機する(ステップS33)。そして、上位メニューキー131aの押下に応じて(ステップS33のY)、メニューマスタF2から対応する「メニューコード」及び「メニュー品目」のデータを取得して(ステップS34)、メニュー品目121aを対応するメニューコードを割り付けてLCD121に表示させる(ステップS35)。メニュー品目121aのタッチによりメニューコードが入力されたならば(ステップS36のY)、マイコン151は、入力されたメニューコードに基づいてメニューマスタF2を検索して、そのメニューコードに対応付けてアレルゲンコードが記憶されているか否かを判定する(ステップS37)。そして、記憶されている場合には(ステップS37のY)、そのアレルゲンコードを取得し(ステップS38)、取得したアレルゲンコードに基づいてアレルゲンマスタF1を検索して、そのアレルゲンコードに対応付けて記憶されているアレルゲン名称及びアレルゲンコードを取得し(ステップS39)、取得したアレルゲン名称141をLCD121に表示させる(ステップS40)。LCD121に表示させるアレルゲン名称141には、取得したアレルゲンコードを割り付ける。アレルゲン名称141がタッチ指定されたならば(ステップS41のY)、マイコン151は、タッチ指定されたアレルゲン名称141に割り付けられているアレルゲンコードを、RAM155に記憶させる(ステップS42)。そして、マイコン151は、エンターキー131eの押下を判定すると(ステップS43のY)、オーダエントリ処理に移行する(ステップS44)。この場合に実行されるオーダエントリ処理でも、アレルゲン検索処理によって除外指定されたアレルゲンを含むメニュー品目については、ハンディターミナル101でのメニューコードの入力が不可となり、そのメニューコードはRAM155に記憶されて注文データに含まれることがなくなる。
【0033】
次に、ハンディターミナル101によって追加注文をする場合について説明する。ハンディターミナル101のマイコン151は、追加キー131fの押下判定後に、追加注文を受けた顧客が着席しているテーブルを特定するテーブルコードが入力されると、入力されたテーブルコードのデータをRAM155に記憶させる。そして、マイコン151は、無線中継器601を介してオーダステーション501と通信を実行して、RAM155に記憶されたテーブルコードに対応する注文データを注文ファイル502から呼び出す処理を実行し、呼び出した注文データが含むアレルゲンコードをRAM155に記憶させる。その後、オーダエントリ処理に移行する。ここで実行されるオーダエントリ処理では、RAM155にアレルゲンコードが記憶されているため、メニューマスタF2からは、このアレルゲンコードが対応付けられていないメニュー品目が取得され、取得したメニュー品目121aのみがLCD121に表示される。この場合、追加注文に際しては再びアレルゲン検索処理を実行することなく、前回のアレルゲン検索処理によって除外指定されたアレルゲンを含むメニュー品目については、ハンディターミナル101でのメニューコードの入力が不可となり、そのメニューコードはRAM155に記憶されて注文データに含まれることがなくなる。こうして、追加注文に際しての利便性が増すことになる。
【0034】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態を図15及び図16に基づいて説明する。第1の実施形態と同一の部分は同一の符号で示し、説明も省略する。第2の実施形態のオーダエントリシステム1は、POS端末301で顧客からの注文を受ける店舗(例えば、フードコード)に導入されて使用される。第2の実施形態では、オーダエントリ処理、アレルゲン表示処理(図9参照)、アレルゲン検索処理(図11、図14参照)、追加注文に際しての処理を、マイコン351が実行する。処理の実行主体がマイコン351となる点以外については、大きな相違点はないため、処理内容の説明は省略する。
【0035】
図15は、アレルゲン表示処理中のPOS端末301のLCD303の画面例である。POS端末301で実行されるアレルゲン表示処理を図9及び図15に基づいて説明する。図15(a)に示すように、POS端末301のLCD303には、複数のキー表示を含むオーダエントリ画面311が表示されている。オーダエントリ画面311は、上位メニューキー131a、アレルゲン表示キー131b、アレルゲン検索キー131cを含む。マイコン351は、アレルゲン表示キー131bのタッチ指定を判定すると(ステップS1のY)、上位メニューキー131aの押下に待機する(ステップS2)。そして、上位メニューキー131aの押下に応じて(ステップS2のY)、メニューマスタF2から対応する「メニューコード」及び「メニュー品目」のデータを取得して(ステップS3)、図15(a)に示すように、メニュー品目121aをオーダエントリ画面311に表示させる(ステップS4)。このとき、メニュー品目121aには、対応するメニューコードを割り付ける。
【0036】
次に、メニュー品目121aのタッチによりメニューコードが入力されたならば(ステップS5のY)、マイコン351は、入力されたメニューコードに基づいてメニューマスタF2を検索して、そのメニューコードに対応付けてアレルゲンコードが記憶されているか否かを判定する(ステップS6)。そして、記憶されている場合には(ステップS6のY)、そのアレルゲンコードを取得し(ステップS7)、取得したアレルゲンコードに基づいてアレルゲンマスタF1を検索して、そのアレルゲンコードに対応付けて記憶されているアレルゲン名称を取得する(ステップS8)。そして、図15(b)に示すように、取得したアレルゲン名称141をLCD303に表示させる(ステップS9)。図15(b)に示すように、アレルゲン名称141は、オーダエントリ画面311に重ねてポップアップ表示されるウィンドウ145中に一覧表示される。ウィンドウ145は、確認キー131dを含んでいる。確認キー131dのタッチ指定に応じて(ステップS10のY)、マイコン351は、ポップアップ表示されていたウィンドウ145を消去して、アレルゲン表示処理を終了させる。
【0037】
図16は、アレルゲン検索処理中のPOS端末301のLCD303の画面例である。POS端末301で実行されるアレルゲン検索処理を図11及び図16に基づいて説明する。マイコン351は、アレルゲン検索キー131cのタッチ指定を判定すると(ステップS21のY)、アレルゲンマスタF1から全ての「アレルゲン名称」のデータを取得して(ステップS22)、LCD303にアレルゲン名称141を表示させる(ステップS23)。図16(a)に示すように、アレルゲン名称141は、オーダエントリ画面311に重ねてポップアップ表示されるウィンドウ145中に一覧表示される。このとき、マイコン351は、アレルゲンマスタF1から「アレルゲンコード」のデータも取得して、アレルゲン名称141に対応する「アレルゲンコード」を割り付ける。
【0038】
そして、アレルゲン名称141がタッチ指定されたならば(ステップS24のY)、マイコン351は、タッチ指定されたアレルゲン名称141に割り付けられているアレルゲンコードを、RAM355に記憶させる(ステップS25)。このとき、図16(a)に示すように、ウィンドウ145には、タッチ指定されたアレルゲン名称141に対応付けて「×」印が表示される。さらに、タッチ指定されたアレルゲン名称141を囲う枠体内の色は、タッチ指定されていないアレルゲン名称141を囲う枠体内の色と異なる色に変化する。これにより、タッチ指定されたアレルゲン名称141を明確に判別することができる。そして、マイコン351は、エンターキー131eの代わりの確認キー131dの押下を判定すると(ステップS26のY)、ウィンドウ145を消滅させて、オーダエントリ処理に移行する(ステップS27)。
【0039】
この場合に実行されるオーダエントリ処理でも、メニューマスタF2からは、RAM355に記憶されているアレルゲンコードが対応付けられていないメニュー品目が取得され、図16(b)に示すように取得したメニュー品目121aのみがオーダエントリ画面311に表示される。図15(a)に示したオーダエントリ画面311と比較すると、一部のメニュー品目121aが含まれていない。これにより、アレルゲン検索処理によって除外指定されたアレルゲンを含むメニュー品目については、POS端末301でのメニューコードの入力が不可となり、そのメニューコードはRAM355に記憶されて注文データに含まれることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】オーダエントリシステムを概略的に示すシステム構成図である。
【図2】POS端末を示す外観斜視図である。
【図3】POS端末の電気的接続を示すブロック図である。
【図4】ハンディターミナルを示す正面図である。
【図5】ハンディターミナルの電気的接続を示すブロック図である。
【図6】アレルゲンマスタのデータ構成を示す模式図である。
【図7】メニューマスタのデータ構成を示す模式図である。
【図8】メニュー品目が表示された状態のLCDの画面例を示す模式図である。
【図9】アレルゲン表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】アレルゲン表示処理中のハンディターミナルのLCDの画面例である。
【図11】アレルゲン検索処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】アレルゲン検索処理中のハンディターミナルのLCDの画面例である。
【図13】アレルゲン検索処理後に実行されるオーダエントリ処理においてメニュー品目が表示された状態のLCDの画面例を示す模式図である。
【図14】アレルゲン検索処理の流れの別の一例を示すフローチャートである。
【図15】アレルゲン表示処理中のPOS端末のLCDの画面例である。
【図16】アレルゲン検索処理中のPOS端末のLCDの画面例である。
【符号の説明】
【0041】
101…ハンディターミナル(注文端末),121…LCD(表示部),122…タッチパネル(操作入力部),151…マイコン(コンピュータ),301…POS端末(注文端末),303…LCD(表示部),304…タッチパネル(操作入力部),351…マイコン(コンピュータ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作入力部での操作入力によって入力された原材料を特定する原材料コードを記憶領域に記憶させる手段と、
前記記憶領域に記憶されている原材料コードによって特定される原材料を含まないメニュー品目を表示部に表示させる手段と、
前記操作入力部での操作によって指定された前記表示部に表示されたメニュー品目を特定するメニューコードを前記記憶領域に記憶させ、前記記憶領域に記憶されているメニューコードを含む注文データを生成する手段と、
を備える注文端末。
【請求項2】
所定のメニュー品目を前記表示部に表示させる手段を備え、
前記原材料コードを記憶させる手段では、前記操作入力部での操作によって指定された前記表示部に表示された前記所定のメニュー品目が含む原材料を特定する原材料コードを前記記憶領域に記憶させるようにした、
請求項1記載の注文端末。
【請求項3】
原材料コードによって特定される原材料は、アレルゲンである、
請求項1又は2記載の注文端末。
【請求項4】
注文端末のコンピュータにインストールされ、当該コンピュータに、
操作入力部での操作入力によって入力された原材料を特定する原材料コードを記憶領域に記憶させる機能と、
前記記憶領域に記憶されている原材料コードによって特定される原材料を含まないメニュー品目を表示部に表示させる機能と、
前記操作入力部での操作によって指定された前記表示部に表示されたメニュー品目を特定するメニューコードを前記記憶領域に記憶させ、前記記憶領域に記憶されているメニューコードを含む注文データを生成する機能と、
を実行させる注文端末用プログラム。
【請求項5】
所定のメニュー品目を前記表示部に表示させる機能を前記コンピュータに実行させ、
前記原材料コードを記憶させる機能では、前記操作入力部での操作によって指定された前記表示部に表示された前記所定のメニュー品目が含む原材料を特定する原材料コードを前記記憶領域に記憶させるようにした、
請求項4記載の注文端末用プログラム。
【請求項6】
原材料コードによって特定される原材料は、アレルゲンである、
請求項4又は5記載の注文端末用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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