説明

洋風便器装置

【課題】ボウル部内面の洗浄エリアやエリアごとの洗浄態様をユーザが指定できる洋風便器装置を提供する。
【解決手段】ボウル部3内面で、洗浄すべきエリアを指定し、かつ、指定したエリアに対する洗浄態様を選択設定する洗浄エリア設定手段22と、この洗浄エリア設定手段22によって設定されたエリアを、設定された洗浄態様にしたがって洗浄する洗浄制御手段21とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水洗機能を有した洋風便器装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の洋風便器装置には、ボウル部内の洗浄エリアを可変するために、吐水口のノズル向きを制御するもの、複数のノズルの長さを制御するものなどがある。これらのものでは例えば、ノズルを定期的に取り替えるか、あるいは水洗のつど自動的に洗浄エリアを移動させるようにすれば、ボウル部内面の洗浄位置が偏ることなく均一な状態にすることができる。
【0003】
次の特許文献には、ボウル部内を水洗洗浄するための洗浄水の吐出口を2つ設け、それらのパイプ長さを異ならせたり、開口形状を左右で異ならせたりすることのできる洋風便器装置が開示されている。
【特許文献1】特開2001−271408号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、ボウル部内面には汚れが均一に付着、発生するものではなく、ボウル部の形状、溜水面の高さ、使用者、使用頻度などによって、汚れの付着・発生位置は種々異なるため、上記のようなボウル部内面をまんべんなく洗浄するだけでは不十分であり、洗浄エリアとその洗浄エリアに対する洗浄態様をユーザによるパネル操作などで種々指定できることが望まれる。
【0005】
また近年、便器未使用時にボウル部内の全エリアの清掃洗浄、乾燥などの一連の清掃を行う全自動洗浄モードを実行可能とした洋風便器装置も出現しているが、このようなものにおいても、洗浄エリアとその洗浄エリアに対する洗浄態様の組み合わせを変えたコースで洗浄できることが望ましい。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、その目的とするところは、ボウル部内面の洗浄エリアやエリアごとの洗浄態様をユーザが指定できる洋風便器装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の洋風便器装置は、水流調整などによりボウル部内面の洗浄エリアを変更可能とした洋風便器装置であって、ボウル部内面で、洗浄すべきエリアを指定し、かつ、指定したエリアに対する洗浄態様を選択設定する洗浄エリア設定手段と、この洗浄エリア設定手段によって設定されたエリアを、設定された洗浄態様にしたがって洗浄する洗浄制御手段とを備えている。
【0008】
請求項2に記載の本発明装置は、洗浄エリア設定手段が、便器本体に接続された表示操作パネルで構成され、該表示操作パネルでもって、ボウル部内面を所定数に分割した分割エリアごとに位置指定できるようにしている。
【0009】
請求項3に記載の本発明装置は、洗浄エリア設定手段は、エリアごとに、洗浄強弱を設定可能としている。
【0010】
請求項4に記載の本発明装置は、洗浄エリア設定手段は、複数の異なる洗浄態様を連続的に実行する全自動洗浄モードの設定を可能としている。
【0011】
請求項5に記載の本発明装置は、全自動洗浄モード実行時に、ボウル部内面の洗浄度合を監視するボウル部内面洗浄監視手段をさらに備えている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の洋風便器装置によれば、ボウル部内面の洗浄エリアとそのエリアの洗浄態様を選択設定できるので、汚れの付着している箇所、あるいは付着しやすい箇所を重点的に洗浄することができる。設定は水洗のつど行ってもよく、例えば排便時にボウル部内の溜水面よりも高い位置に便が付着した場合でも、その位置を、強い洗浄力のエリアとして設定すれば、使用後すぐに汚れを除去することができる。
【0013】
請求項2に記載の本発明装置によれば、洗浄エリア設定手段が便器装置に接続された表示操作パネルで構成されているため、便座に腰掛けたままパネル表示を見ながら簡易に設定できる。また、便蓋の後方スペースに表示操作パネルを設置すれば、全自動洗浄モード実行時には便蓋を閉めた状態での設定操作および監視が容易にできる。
【0014】
請求項3に記載の本発明装置によれば、洗浄エリアごとに洗浄強弱を設定できるため、汚れの多い箇所を重点的に洗浄できる。また、汚れの目立たない箇所は弱い洗浄力で、あるいは洗浄水をほとんど流さない設定にすることもでき、洗浄水を節約することができる。
【0015】
請求項4に記載の本発明装置によれば、複数の異なる洗浄態様を連続的に実行する全自動洗浄モードの設定を可能としているため、洗浄制御手段は、選択された既定の種々の自動洗浄コースや、ユーザ設定コースによって、適切でかつ無駄のない全自動洗浄が行える。
【0016】
請求項5に記載の本発明装置によれば、全自動洗浄モード実行時に、ボウル部内面の洗浄度合を監視できる構成にしているため、全自動洗浄中の洗浄度合をユーザが確認して、洗浄エリアや洗浄態様の設定を変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明の洋風便器装置の一実施形態の要部制御ブロック図、図2は同装置の全体斜視図、図3は図2におけるA部の拡大図である。また、図4、図5は同装置の洗浄態様の種々の例を示す便器本体平面図である。
【0018】
図1において、20は以下の各部を制御するCPU、21はボウル部内面洗浄手段10(図4、図5に詳述)を制御しボウル部3(図2参照)内の洗浄エリアを可変制御する洗浄制御手段、22は表示操作パネル8(図2参照)などで洗浄エリア、洗浄態様を設定できるようにした洗浄エリア設定手段、23は全自動洗浄中にカメラ9(図2参照)で撮像したボウル部3内の画像を表示操作パネル8で監視できるようにしたボウル部内面洗浄監視手段、24は全自動洗浄モードを実行するために使用するタイマー手段である。
【0019】
以下、図2〜図5を参照しながら、便器装置1の構造、洗浄動作について説明する。
【0020】
本実施形態の洋風便器装置1は、封水を貯留するボウル部3およびその周囲を囲むスカート部4を含んで樹脂または陶器で形成された便器本体2と、ボウル部3の上端縁部に開閉自在に設置される便座5と、便座5の上面をカバーする便蓋6と、便座5・便蓋6用の回動部7と、ボウル部3の内面を洗浄するためのボウル部内面洗浄手段10(図4、図5参照)とを基本構成として備えている。
【0021】
図2、図3に示すように、ボウル部3の上端縁周回部には、ボウル部3内方に向き合うように水平に突出するリム部3aが形成されている。このリム部3aは、ボウル部3内方側を開放した洗浄水誘導路3bを、リム部3aの下方に形成した、いわゆるオープンリムタイプに形成されている。
【0022】
リム部3aは、オープンリムタイプに限定されるものではないが、複数の吐出口12b、12bからの水流をより強い水勢でもってぶつけ合うためには、誘導路3bを設けたオープンリムタイプとすることが望ましい。
【0023】
ボウル部3の底部は、トラップ部3cを介して汚水排水管(不図示)に連通しており、このトラップ部3cによってボウル部3の底部に常時所定レベルの水が貯留される。ボウル部2の底部に貯留される貯留水は、汚水排水管からの汚臭が便器本体1内に流入するのを封止する封水として機能する。その他、局部洗浄手段や、便座加温手段、これらの制御機器等(いずれも不図示)が必要によって適宜装備される。
【0024】
また、トイレの壁Tなどには、便器本体2に電気的に接続された表示操作パネル8を設置し、便座6の裏側にはボウル部3内を撮像するためのカメラ9を取り付けている。この表示操作パネル8は、ボウル部3内面の洗浄すべきエリア、洗浄態様などの設定と、カメラ9で撮像した映像のリアルタイム監視を可能としている。
【0025】
図1でも示したように、本実施形態において、このカメラ9および表示操作パネル8はボウル部内面洗浄監視手段23を構成するものであるが、このような監視手段に代えて、便蓋6を閉じた状態でも全自動洗浄中であることがひと目でわかるように、透明な便蓋6を採用してもよい。
【0026】
図4、図5において、本便器装置1は、便器本体2の後方に設置され洗浄水タンクあるいは上水道に連結された洗浄水供給部12aと、この洗浄水供給部12aから導出される洗浄水供給路12cと、ボウル部3後方側で洗浄水供給路12cの先端に形成されボウル部3内部に開口した吐出口12aとを、それぞれ一対備えたボウル部内面洗浄手段10を有している。
【0027】
一対の吐出口12b、12bは、リム部3aの下方に左、右に分離して設けられ、それぞれから吐出される洗浄水Wが左、右の誘導路3b、3bを通って前方に流れ込むように配置されている。なお、洗浄水供給路12cと吐出口12bのみを一対とし、洗浄水供給部12aは共通のものとしてもよい。
【0028】
この洗浄水供給部12aは、左右個別のものにするか、共通のものにするかによって構成は異なるが、ポンプ、モータ、制御弁、シリンダ(以上、不図示)などによって構成される。
【0029】
図3に示すように、吐出口12bより吐出される洗浄水Wは、誘導路3bを通ってボウル部3内の前方に流れ込むとともに、洗浄水Wの一部は、誘導路3bの途中でボウル部3の底部へと流れ落ちる。
【0030】
このように、左、右の吐出口12b、12bより吐出された洗浄水Wは、ボウル部3内の前方側で合流しぶつかり合い、ぶつかり合った洗浄水Wがボウル部3全体に流れるとともに、誘導路3bの途中でも洗浄水Wがボウル部3の底部へ流れ落ちるため、ボウル部3内面全体に洗浄水Wが行き渡る。
【0031】
洗浄制御手段21は、洗浄水供給部12a、12aを制御することによって、左、右の吐出口12b、12bから吐出される洗浄水Wの吐水量を可変させるようにしており、それによって2つの水流の合流位置Xを変化させ、洗浄の中心となる洗浄エリアを変化させることを可能としている。
【0032】
本実施形態では、洗浄エリアを変化させる方法として、複数の吐出口から吐出される洗浄水の合流位置Xを変動させるものを示しているが、この方法には限定されず、吐出口を有したノズルを伸縮させるもの、吐出口からの吐出方向を変動させるものなど、種々のものが想定される。
【0033】
ここで、吐水量の可変の仕方として、左右ともに同じ吐水量に変化させる方法、左右の吐水量を異ならせるように変化させる方法がある。なお、左右の吐水量を異ならせる方法には、一方のみの吐水量を変化させる方法も含まれる。
【0034】
図4は、左右ともに同じ吐水量に変化させる例を説明するための便器本体2の平面図である。
【0035】
図4(a)では、左、右の吐出口12b、12bから同一水量を吐出している状態を示しており、左右からの洗浄水Wの吐水量が同じであるため、両方の洗浄水Wは左右の誘導路3bを通り、ほぼ左右対称の水流となって、ボウル部3内の前方から底部に至る中央位置Xで合流する。
【0036】
図4(a)の状態から、左右の吐水量を同一量に減らせば、両方の洗浄水Wの合流位置Xはボウル部3内の後方側へと移動する。吐水量の減じ方によっては、図4(b)に示すように、左右の洗浄水Wは、ボウル部3内の前方側に到達することなく誘導路3bの途中で流れ落ちてしまい、底部に近い位置で合流する。すなわち、この可変の仕方では、合流位置Xが前後に移動する。
【0037】
また図5は、左右の吐水量を異ならせるように変化させる例を説明するための便器本体2の平面図である。
【0038】
図5(a)は、左、右の吐出口12b、12bから同一水量を吐出している状態を示しており、左右からの洗浄水Wの吐水量が同じであるため、両方の洗浄水Wはボウル部3内の前方から底部に至る中央位置Xで合流する。
【0039】
図5(a)の状態から、左右の吐水量を異ならせるように変化させれば、両方の洗浄水Wの合流位置Xは、ボウル部3内の左右いずれかに移動する。例えば、右の吐出口12bからの吐水量を減じれば、洗浄水Wの合流位置Xはボウル部3内の(後方から見て)右寄りの位置に移動する(図5(b)参照)一方、左の吐出口12bからの吐水量を減じれば、洗浄水Wの合流位置Xはボウル部3内の左寄りの位置に移動する(図5(c)参照)。
【0040】
以上のように、本実施形態では、洗浄制御手段21が動作することによって、左、右の吐出口12b、12bからの吐水量を可変する構成であるため、左右方向に分かれて吐出された洗浄水Wが合流する位置Xは、吐水量の変動にともない前後、左右に可変する。二股に分かれた水流が強い水勢でもってぶつかり合えば強力な洗浄力を形成するため、合流位置Xでは強力な洗浄力が生成されるが、そのような合流位置Xを可変させることにともなって、強力な洗浄エリアも順次移動する。
【0041】
例えば、水洗のつど、合流位置Xが図4(a)、(b)や図5(a)〜(c)で示した位置Xやその他の位置に、サイクリックに変化するように制御すれば、強力洗浄エリアはそのつど移動するため、ボウル部3内面はもれなく強力な洗浄力によって洗浄され、均一な状態を維持することができる。
【0042】
また、本便器装置1は全自動洗浄モードの実行を可能としており、表示操作パネル8などから全自動洗浄の実行指令がされたとき、あるいは所定時刻になったときなどに、便蓋6によって閉塞されていることを条件に清掃洗浄が開始され、タイマー手段24を参照しながら、所定のプログラムにもとづいて、清掃洗浄、乾燥が実行される。
【0043】
全自動洗浄モードでは、ボウル部3内の底部付近まで隅々を洗浄する必要があるため、モード実行中は常時、ボウル部3内の貯留水を排水させておくことが望ましく、そのために、容易に全排水状態を継続できるターントラップ式の排水手段(不図示)を有することが望ましい。
【0044】
本実施形態では、洋風便器装置1は、表示操作パネル8などにより全自動洗浄モードの指令があったときに、タイマー手段24を参照しながら、予め準備されたプログラムに基づいて、左、右に分離された吐出口12b、12bからの吐水量を独立的あるいは同期的に可変制御するようにして、清掃洗浄を実行するようにしている。つまり、全自動洗浄モードでは、例えば、一定時間ごとに図4(a)、(b)、図5(a)〜(c)の各状態に順次自動的に変化させ、洗浄エリアを移動させながら、ボウル部3内をもれなく強力に洗浄することを可能としている。
【0045】
本実施形態の洋風便器装置1においては、上述した水洗洗浄あるいは全自動洗浄モードの清掃洗浄を行う際に、洗浄エリア設定手段22でもって、洗浄すべきエリアと、そのエリアでの洗浄態様とを表示操作パネル8で設定できる構成としている。
【0046】
図6は、表示操作パネル8における洗浄エリア、洗浄態様の設定例を示した図である。
【0047】
表示操作パネル8には、ボウル部3内面を所定数に分割した平面図81が表示される。ユーザは、洗浄強さを示した凡例82を見ながら、分割エリアをタッチ操作すると、水洗洗浄あるいは清掃洗浄の洗浄態様を、洗浄エリアと所望の洗浄度合を対応させて設定することができる。また、「溜水面」83をタッチ操作すると、エリアごとの設定に関係なく、あるいはエリアごとの洗浄に付加して、溜水面を中心とする洗浄を指定できる。
【0048】
水洗操作がされたとき、あるいは全自動洗浄モードが実行指令されたときに、洗浄制御手段21は、上記洗浄エリア設定手段22による設定にもとづいて、ボウル部内面洗浄手段10を動作させて、ボウル部3内面の洗浄を実行する。
【0049】
例えば、ボウル部3内の左側および後方を中心に洗浄したい場合には、図6に示すような設定をすれば、設定された箇所を重点的に洗浄することができる。
【0050】
設定はユーザが便器使用(水洗)のつど行ってもよく、例えば排便時にボウル部内の溜水面よりも高い位置に便が付着した場合などには、その位置を洗浄力の強い洗浄エリアに設定して水洗すれば、すぐに汚れを除去することができる。
【0051】
特に図例では、分割エリアごとに洗浄強弱を設定できるようにしているため、汚れの多い箇所を重点的に洗浄できる。また、汚れの目立たない箇所は弱い洗浄力で、あるいは洗浄水をほとんど流さない設定にすることもでき、洗浄水を節約することができる。
【0052】
また、表示操作パネル8で設定できるようにしているため、ユーザは便座5に腰掛けたまま、パネル表示を見ながら簡易に設定できる。
【0053】
なお、洗浄エリア設定手段22の設定の仕方としては、上述のように分割エリアごとに強弱が設定できるものに限定されず、どの箇所を中心に洗浄するかのみを設定できるものでもよい。例えば、ボウル部3の前、後と左、右との組み合わせを選択させるようなものであってもよい。
【0054】
図7には、表示操作パネルにおける全自動洗浄モードのコース設定例を示している。
【0055】
本便器装置1では、図示するように、全自動洗浄モードの実行に際して表示操作パネル8よりコースの設定を可能としている。
【0056】
つまり、ユーザは、(1)「後方→前方→後方(仕上げ)→乾燥」、(2)「前方→後方→前方(仕上げ)→乾燥」、(3)「溜水面→その他→乾燥」、(4)「左右個別→乾燥」、(5)「ユーザ設定コース」などから所望のものを選択でき、さらに、総洗浄時間「ノーマルまたは短縮」の選択ができる。
【0057】
各コースは、異なる洗浄エリアを連続的に切り替えながら洗浄するもので、上記(1)〜(4)は、洗浄の中心となるエリアを順次切り替える既定のコースであり、(5)はユーザによって洗浄エリアとその洗浄態様の組み合わせが設定可能なユーザカスタマイズコースである。
【0058】
いずれかのコースが選択され、その後、全自動洗浄モードが実行指令されると、洗浄制御手段21は、上記洗浄エリア設定手段22による設定にもとづいて、ボウル部内面洗浄手段10を動作させて、洗浄エリア、洗浄態様を切り替えながら洗浄を実行する。
【0059】
このように、複数の異なる洗浄態様を連続的に実行する全自動洗浄モードの設定を可能としているため、洗浄制御手段21は、選択された既定の種々の自動洗浄コースやユーザ設定コースによって、適切でかつ洗浄水の節約が可能な全自動洗浄が行える。
【0060】
また、本便器装置1では、全自動洗浄モードの実行中は便蓋6が閉じられているため、実行中の洗浄度合をユーザに把握させるために、カメラ9で撮像した映像を表示操作パネル8にリアルタイムに表示させて監視できるようにしている。
【0061】
全自動洗浄中は、この映像でボウル部3内面の状態を監視できるので、コースの中断、中止、設定替えなどができる。
【0062】
また、タンクレストイレなどの便蓋6の後方スペースに表示操作パネル8を設置すれば、便器の平面図81(図6参照)や上記ボウル部3の映像を、便器本体2と同じ向きに表示させることができる。そのため、便蓋6を閉めた状態で実行する全自動洗浄モードでは、設定操作および監視がしやすい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の洋風便器装置の一例における要部制御ブロック図。
【図2】本発明の洋風便器装置の全体斜視図。
【図3】図2におけるA部の拡大図。
【図4】(a)、(b)は、本発明の洋風便器装置の一実施形態における洗浄態様の一例を示す便器本体平面図。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の洋風便器装置の一実施形態における洗浄態様の他例を示す便器本体平面図。
【図6】本発明の洋風便器装置の表示操作パネルにおける洗浄エリア、洗浄態様の設定例を示す図。
【図7】本発明の洋風便器装置の表示操作パネルにおける全自動洗浄モードの設定例を示す図。
【符号の説明】
【0064】
1 洋風便器装置
2 便器本体
3 ボウル部
3a リム部
5 便座
6 便蓋
8 表示操作パネル
9 カメラ
W 洗浄水
21 洗浄制御手段
22 洗浄エリア設定手段
23 ボウル部内面洗浄監視手段
24 タイマー手段
10 ボウル部内面洗浄手段
12a 洗浄水供給部
12b 吐出口
12c 洗浄水供給路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水流調整などにより、ボウル部内面の洗浄位置を変更可能とした洋風便器装置であって、
上記ボウル部内面で、洗浄すべきエリアを指定し、かつ、指定したエリアに対する洗浄態様を選択設定する洗浄エリア設定手段と、
この洗浄エリア設定手段によって設定されたエリアを、設定された洗浄態様にしたがって洗浄する洗浄制御手段とを備えたことを特徴とする洋風便器装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記洗浄エリア設定手段は、便器本体に接続された表示操作パネルで構成され、該表示操作パネルでもって、ボウル部内面を所定数に分割した分割エリアごとに位置指定できるようにしていることを特徴とする洋風便器装置。
【請求項3】
請求項1、2のいずれか1項において、
上記洗浄エリア設定手段は、エリアごとに、洗浄強弱を設定可能としていることを特徴とする洋風便器装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項において、
上記洗浄エリア設定手段は、複数の異なる洗浄態様を連続的に実行する全自動洗浄モードの設定を可能としていることを特徴とする洋風便器装置。
【請求項5】
請求項4において、
全自動洗浄モード実行時に、上記ボウル部内面の洗浄度合を監視するボウル部内面洗浄監視手段をさらに備えていることを特徴とする洋風便器装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−25258(P2008−25258A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−200533(P2006−200533)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】