洗浄便器における人体洗浄用ノズルの洗浄機構
【課題】 人体の洗浄には殺菌剤又は洗浄剤を含まない水を用いて行い、また人体洗浄用ノズルの表面の洗浄には殺菌剤又は洗浄剤を用いて行うことができるようにする。
【解決手段】 便器本体2と便座3と人体洗浄用ノズル4とからなる洗浄便器である。人体洗浄用ノズル4から殺菌剤又は洗浄剤を含まない水を噴出する。そして水の噴出中又は噴出後又は噴出直前において該人体洗浄用ノズル4の表面にノズル洗浄用ノズル5をもって殺菌剤又は洗浄剤を吹き掛けることによって洗浄する。
【解決手段】 便器本体2と便座3と人体洗浄用ノズル4とからなる洗浄便器である。人体洗浄用ノズル4から殺菌剤又は洗浄剤を含まない水を噴出する。そして水の噴出中又は噴出後又は噴出直前において該人体洗浄用ノズル4の表面にノズル洗浄用ノズル5をもって殺菌剤又は洗浄剤を吹き掛けることによって洗浄する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗浄便器における人体洗浄用ノズルの洗浄機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人体洗浄用ノズルであるお尻洗浄ノズルとビデ洗浄ノズルを備えた洗浄便器においては、人体洗浄用ノズル自身によってその表面のすすぎ洗浄を行うようにするものと、人体洗浄用ノズルの表面を洗浄するための別のノズル洗浄用ノズルを備えたものとがある。尚、人体洗浄用ノズルであるお尻洗浄ノズルとビデ洗浄ノズルとは、これらを別々にしたものもあれば、一つで両方を共用させたものもある。
【0003】
そして、前記人体洗浄用ノズル自身によってその表面のすすぎ洗浄を行うものも、また別に備えたノズル洗浄用ノズルによって人体洗浄用ノズルの表面を洗浄するものも、そのいずれもが殺菌剤又は洗浄剤を含まない水による洗浄であるから、人体洗浄用ノズルの表面の完全な浄化を行うことはできない。
【0004】
また、上記従来の後者に属するものにおいて、人体洗浄用ノズルの表面に、殺菌性の銀イオン等の金属イオンを溶解させた水をノズル洗浄用ノズルから吹き掛けることによって該人体洗浄用ノズルの表面の洗浄を行うようになしたものも案出されている(特許文献1)。
【0005】
しかし、斯かる特許文献1に示されたものは、ノズル洗浄用ノズルから噴出する水と、人体洗浄用ノズルから噴出する水とが同一のものである。このため殺菌性の銀イオン等の金属イオンを溶解させた水が人体の洗浄にもそのまま使用されることになる。そして、この場合には肌荒れやアレルギーの原因となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−336856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであって、人体の洗浄には殺菌剤又は洗浄剤を含まない水を用いて行い、また人体洗浄用ノズルの表面の洗浄には殺菌剤又は洗浄剤を用いて行うことができるようになした洗浄便器における人体洗浄用ノズルの洗浄機構を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
而して、本発明の要旨とするところは、人体洗浄用ノズルの表面を、該人体洗浄用ノズルからの殺菌剤又は洗浄剤を含まない水の噴出中又は噴出後又は噴出直前において、殺菌剤又は洗浄剤をもって洗浄するようになしたことを特徴とする洗浄便器における人体洗浄用ノズルの洗浄機構にある。
【0009】
また、上記構成において、人体洗浄用ノズルの表面にノズル洗浄用ノズルをもって殺菌剤又は洗浄剤を吹き掛けることによって洗浄するようになしてもよい。
【0010】
そして、更に斯かる場合において、人体洗浄用ノズルへの水の供給系路と、ノズル洗浄用ノズルへの殺菌剤又は洗浄剤の供給系路とを分離させるようにしてもよいし、人体洗浄用ノズルへの水の供給系路を途中部において分岐し、分岐したもう一方をノズル洗浄用ノズルへの殺菌剤又は洗浄剤の供給系路となしてもよい。
【0011】
また、上記構成において、人体洗浄用ノズル内に、殺菌剤又は洗浄剤を含まない水の噴出後又は噴出直前において殺菌剤又は洗浄剤を注入し、該人体洗浄用ノズルから噴出する殺菌剤又は洗浄剤を浴びせることによってその表面を洗浄するようになしてもよい。そして、更に斯かる場合において、人体洗浄用ノズルへの水の供給系路を途中部において分岐し、分岐したもう一方を殺菌剤又は洗浄剤の供給系路となすと共に、分岐した部分に切替弁を設けるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明は上記の如き構成であるから、人体の洗浄には殺菌剤又は洗浄剤を含まない水を用いて行い、また人体洗浄用ノズルの表面の洗浄には殺菌剤又は洗浄剤を用いて行うことができるものである。したがって、人体を洗浄するにあたっては肌荒れやアレルギーの問題がなく、また人体洗浄用ノズルの表面の洗浄にあたっては完全な浄化を行うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態の概略的説明図である。
【図2】本発明の第2実施形態の概略的説明図である。
【図3】本発明の第3実施形態の概略的説明図である。
【図4】本発明の第4実施形態の概略的説明図である。
【図5】本発明の第5実施形態の概略的説明図である。
【図6】本発明の第6実施形態の概略的説明図である。
【図7】本発明の第7実施形態の概略的説明図である。
【図8】同模式図である。
【図9】本発明の第8実施形態の概略的説明図である。
【図10】本発明の第9実施形態の概略的説明図である。
【図11】本発明の第10実施形態の概略的説明図である。
【図12】同模式図である。
【図13】本発明の第11実施形態の概略的説明図である。
【図14】同模式図である。
【図15】本発明の第12実施形態の概略的説明図である。
【図16】同模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
先ず、図1に示した本発明の第1実施形態について説明する。
図中、1は洗浄便器であり、便器本体2と便座3と人体洗浄用ノズル4とからなるものである。斯かる構成は従来のものと同様である。また、図示した例においては、人体洗浄用ノズル4として、一つでお尻洗浄ノズルとビデ洗浄ノズルを共用するものを示している。
【0016】
5はノズル洗浄用ノズルであり、途中部に殺菌剤又は洗浄剤供給手段6を備えた殺菌剤又は洗浄剤供給系路7の下流端に接続されている。該ノズル洗浄用ノズル5は、前記人体洗浄用ノズル4に殺菌剤又は洗浄剤を吹き掛けることによって、該人体洗浄用ノズル4の表面を洗浄するものである。
【0017】
8は前記殺菌剤又は洗浄剤供給系路7とは別の、殺菌剤又は洗浄剤を含まない水の供給系路であり、途中部に温水タンク9を備えると共に下流端に前記人体洗浄用ノズル4を接続している。
【0018】
次に本実施形態の作用について説明する。
お尻又はビデ用洗浄ノズルとして人体洗浄用ノズル4を使用するときには、水の供給系路8を経て該人体洗浄用ノズル4から殺菌剤又は洗浄剤を含まない水を噴出するものである。そしてまた、これと同時に、これの噴出中に、或いは噴出後に或いはまた噴出直前においてノズル洗浄用ノズル5から殺菌剤又は洗浄剤を人体洗浄用ノズル4の表面に吹き掛けるものである。
【0019】
次に、図2に示した本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態は、人体洗浄用ノズル4への水の供給系路8を途中部において分岐し、分岐したもう一方をノズル洗浄用ノズル5への殺菌剤又は洗浄剤の供給系路7となしたものである。また、本実施形態においては温水タンク9部分において分岐させている。また、その他の構成は前記第1実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0020】
而して、本実施形態においては、人体洗浄用ノズル4による殺菌剤又は洗浄剤を含まない水の噴出中、ノズル洗浄用ノズル5から殺菌剤又は洗浄剤を人体洗浄用ノズル4の表面に吹き掛けるものである。
【0021】
次に、図3に示した本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態は、人体洗浄用ノズル4への水の供給系路8を途中部において分岐し、分岐したもう一方をノズル洗浄用ノズル5への殺菌剤又は洗浄剤の供給系路7となしたことは前記第2実施形態と同様である。
【0022】
而して、本実施形態と第2実施形態との相違点は、分岐位置の違いにある。即ち、前記第2実施形態においては温水タンク9部分において分岐させているのに対して、本実施形態においては温水タンク9よりも下流側の部分において分岐させている点である。尚、その他の構成並びに作用は前記第2実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0023】
次に、図4に示した本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態は、人体洗浄用ノズル4への水の供給系路8を途中部において分岐し、分岐したもう一方をノズル洗浄用ノズル5への殺菌剤又は洗浄剤の供給系路7となしたことは前記第3実施形態と同様である。
【0024】
而して、本実施形態と第3実施形態との相違点は、本実施形態において前記温水タンク9を備えていない点にある。尚、その他の構成並びに作用は前記第3実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0025】
次に、図5に示した本発明の第5実施形態について説明する。
本実施形態は、前記第4実施形態の変形例であり、殺菌剤又は洗浄剤供給手段6をノズル洗浄用ノズル5の近傍に備えたものである。尚、その他の構成並びに作用は前記第4実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0026】
次に、図6に示した本発明の第6実施形態について説明する。
本実施形態は、前記第4実施形態の変形例であり、殺菌剤又は洗浄剤供給手段6を殺菌剤又は洗浄剤供給系路7の外部に備え、殺菌剤又は洗浄剤供給手段6から供給する殺菌剤又は洗浄剤をノズル洗浄用ノズル5の先端に向けて噴出させ、該薬剤を該ノズル洗浄用ノズル5から噴出する水に混合させるようになしたものである。尚、その他の構成並びに作用は前記第4実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0027】
次に、図7及び図8に示した本発明の第7実施形態について説明する。
本実施形態は、前記第3実施形態の変形例であり、人体洗浄用ノズル4への水の供給系路8の分岐部分に切替弁10を備えたものである。尚、その他の構成は前記第3実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0028】
而して、本実施形態においては、人体洗浄用ノズル4による殺菌剤又は洗浄剤を含まない水の噴出後又は噴出直前に切替弁10により水の流路を切り替え、ノズル洗浄用ノズル5から殺菌剤又は洗浄剤を人体洗浄用ノズル4の表面に吹き掛けるものである。
【0029】
次に、図9に示した本発明の第8実施形態について説明する。
本実施形態は、前記第4実施形態の変形例であり、人体洗浄用ノズル4への水の供給系路8の分岐部分に切替弁10を備えたものである。尚、その他の構成は前記第4実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0030】
而して、本実施形態においては、人体洗浄用ノズル4による殺菌剤又は洗浄剤を含まない水の噴出後又は噴出直前に切替弁10により水の流路を切り替え、ノズル洗浄用ノズル5から殺菌剤又は洗浄剤を人体洗浄用ノズル4の表面に吹き掛けるものである。
【0031】
次に、図10に示した本発明の第9実施形態について説明する。
本実施形態は、前記第5実施形態の変形例であり、人体洗浄用ノズル4への水の供給系路8の分岐部分に切替弁10を備えたものである。尚、その他の構成は前記第5実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0032】
而して、本実施形態においては、人体洗浄用ノズル4による殺菌剤又は洗浄剤を含まない水の噴出後又は噴出直前に切替弁10により水の流路を切り替え、ノズル洗浄用ノズル5から殺菌剤又は洗浄剤を人体洗浄用ノズル4の表面に吹き掛けるものである。
【0033】
次に、図11及び図12に示した本発明の第10実施形態について説明する。
本実施形態は、人体洗浄用ノズル4への水の供給系路8を途中部において分岐し、分岐したもう一方をノズル洗浄用ノズル5への殺菌剤又は洗浄剤の供給系路7となしたことは前記第2実施形態と同様である。
【0034】
而して、本実施形態と第2実施形態との相違点は、分岐位置の違いにある。即ち、前記第2実施形態においては温水タンク9部分において分岐させているのに対して、本実施形態においては温水タンク9よりも上流側の部分において分岐させている点である。そしてまた、分岐部分には切替弁10を備えている。尚、その他の構成は前記第2実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0035】
而して、本実施形態においては、人体洗浄用ノズル4による殺菌剤又は洗浄剤を含まない水の噴出後又は噴出直前に切替弁10により水の流路を切り替え、ノズル洗浄用ノズル5から殺菌剤又は洗浄剤を人体洗浄用ノズル4の表面に吹き掛けるものである。
【0036】
次に、図13及び図14に示した本発明の第11実施形態について説明する。
本実施形態は、上記第1実施形態乃至第10実施形態がいずれもノズル洗浄用ノズルをもって人体洗浄用ノズルの表面を洗浄するものであるのに対して、人体洗浄用ノズル内に殺菌剤又は洗浄剤を注入し、該人体洗浄用ノズルから噴出する殺菌剤又は洗浄剤を浴びせることによってその表面を洗浄するようになしたものである。
【0037】
また、図示した本実施形態は、温水タンク9の下流側において人体洗浄用ノズル4への水の供給系路8の途中部を分岐し、分岐したもう一方を殺菌剤又は洗浄剤の供給系路7となすと共に、分岐部分に切替弁10を備え、更に殺菌剤又は洗浄剤の供給系路7の下流端を人体洗浄用ノズル4に接続し、殺菌剤又は洗浄剤を該人体洗浄用ノズル4に注入するようになしたものである。
【0038】
而して、本実施形態は、人体洗浄用ノズル4から殺菌剤又は洗浄剤を含まない水を噴出した後又は噴出する直前に切替弁10により水の流路を切り替え、殺菌剤又は洗浄剤の供給系路7から人体洗浄用ノズル4内に殺菌剤又は洗浄剤を注入し、該人体洗浄用ノズル4から噴出する殺菌剤又は洗浄剤を浴びせることによってその表面を洗浄するものである。
【0039】
次に、図15及び図16に示した本発明の第12実施形態について説明する。
本実施形態は、前記第11実施形態の変形例であり、温水タンク9の上流側において人体洗浄用ノズル4への水の供給系路8の途中部を分岐し、該分岐部分に切替弁10を備えたものである。尚、その他の構成は前記第11実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0040】
而して、本実施形態は、人体洗浄用ノズル4から殺菌剤又は洗浄剤を含まない水を噴出した後又は噴出する直前に切替弁10により水の流路を切り替え、殺菌剤又は洗浄剤の供給系路7から人体洗浄用ノズル4内に殺菌剤又は洗浄剤を注入し、該人体洗浄用ノズル4から噴出する殺菌剤又は洗浄剤を浴びせることによってその表面を洗浄するものである。
【符号の説明】
【0041】
1 洗浄便器
2 便器本体
3 便座
4 人体洗浄用ノズル
5 ノズル洗浄用ノズル
6 殺菌剤又は洗浄剤供給手段
7 殺菌剤又は洗浄剤の供給系路
8 水の供給系路
9 温水タンク
10 切替弁
【技術分野】
【0001】
本発明は洗浄便器における人体洗浄用ノズルの洗浄機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人体洗浄用ノズルであるお尻洗浄ノズルとビデ洗浄ノズルを備えた洗浄便器においては、人体洗浄用ノズル自身によってその表面のすすぎ洗浄を行うようにするものと、人体洗浄用ノズルの表面を洗浄するための別のノズル洗浄用ノズルを備えたものとがある。尚、人体洗浄用ノズルであるお尻洗浄ノズルとビデ洗浄ノズルとは、これらを別々にしたものもあれば、一つで両方を共用させたものもある。
【0003】
そして、前記人体洗浄用ノズル自身によってその表面のすすぎ洗浄を行うものも、また別に備えたノズル洗浄用ノズルによって人体洗浄用ノズルの表面を洗浄するものも、そのいずれもが殺菌剤又は洗浄剤を含まない水による洗浄であるから、人体洗浄用ノズルの表面の完全な浄化を行うことはできない。
【0004】
また、上記従来の後者に属するものにおいて、人体洗浄用ノズルの表面に、殺菌性の銀イオン等の金属イオンを溶解させた水をノズル洗浄用ノズルから吹き掛けることによって該人体洗浄用ノズルの表面の洗浄を行うようになしたものも案出されている(特許文献1)。
【0005】
しかし、斯かる特許文献1に示されたものは、ノズル洗浄用ノズルから噴出する水と、人体洗浄用ノズルから噴出する水とが同一のものである。このため殺菌性の銀イオン等の金属イオンを溶解させた水が人体の洗浄にもそのまま使用されることになる。そして、この場合には肌荒れやアレルギーの原因となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−336856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであって、人体の洗浄には殺菌剤又は洗浄剤を含まない水を用いて行い、また人体洗浄用ノズルの表面の洗浄には殺菌剤又は洗浄剤を用いて行うことができるようになした洗浄便器における人体洗浄用ノズルの洗浄機構を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
而して、本発明の要旨とするところは、人体洗浄用ノズルの表面を、該人体洗浄用ノズルからの殺菌剤又は洗浄剤を含まない水の噴出中又は噴出後又は噴出直前において、殺菌剤又は洗浄剤をもって洗浄するようになしたことを特徴とする洗浄便器における人体洗浄用ノズルの洗浄機構にある。
【0009】
また、上記構成において、人体洗浄用ノズルの表面にノズル洗浄用ノズルをもって殺菌剤又は洗浄剤を吹き掛けることによって洗浄するようになしてもよい。
【0010】
そして、更に斯かる場合において、人体洗浄用ノズルへの水の供給系路と、ノズル洗浄用ノズルへの殺菌剤又は洗浄剤の供給系路とを分離させるようにしてもよいし、人体洗浄用ノズルへの水の供給系路を途中部において分岐し、分岐したもう一方をノズル洗浄用ノズルへの殺菌剤又は洗浄剤の供給系路となしてもよい。
【0011】
また、上記構成において、人体洗浄用ノズル内に、殺菌剤又は洗浄剤を含まない水の噴出後又は噴出直前において殺菌剤又は洗浄剤を注入し、該人体洗浄用ノズルから噴出する殺菌剤又は洗浄剤を浴びせることによってその表面を洗浄するようになしてもよい。そして、更に斯かる場合において、人体洗浄用ノズルへの水の供給系路を途中部において分岐し、分岐したもう一方を殺菌剤又は洗浄剤の供給系路となすと共に、分岐した部分に切替弁を設けるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明は上記の如き構成であるから、人体の洗浄には殺菌剤又は洗浄剤を含まない水を用いて行い、また人体洗浄用ノズルの表面の洗浄には殺菌剤又は洗浄剤を用いて行うことができるものである。したがって、人体を洗浄するにあたっては肌荒れやアレルギーの問題がなく、また人体洗浄用ノズルの表面の洗浄にあたっては完全な浄化を行うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態の概略的説明図である。
【図2】本発明の第2実施形態の概略的説明図である。
【図3】本発明の第3実施形態の概略的説明図である。
【図4】本発明の第4実施形態の概略的説明図である。
【図5】本発明の第5実施形態の概略的説明図である。
【図6】本発明の第6実施形態の概略的説明図である。
【図7】本発明の第7実施形態の概略的説明図である。
【図8】同模式図である。
【図9】本発明の第8実施形態の概略的説明図である。
【図10】本発明の第9実施形態の概略的説明図である。
【図11】本発明の第10実施形態の概略的説明図である。
【図12】同模式図である。
【図13】本発明の第11実施形態の概略的説明図である。
【図14】同模式図である。
【図15】本発明の第12実施形態の概略的説明図である。
【図16】同模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
先ず、図1に示した本発明の第1実施形態について説明する。
図中、1は洗浄便器であり、便器本体2と便座3と人体洗浄用ノズル4とからなるものである。斯かる構成は従来のものと同様である。また、図示した例においては、人体洗浄用ノズル4として、一つでお尻洗浄ノズルとビデ洗浄ノズルを共用するものを示している。
【0016】
5はノズル洗浄用ノズルであり、途中部に殺菌剤又は洗浄剤供給手段6を備えた殺菌剤又は洗浄剤供給系路7の下流端に接続されている。該ノズル洗浄用ノズル5は、前記人体洗浄用ノズル4に殺菌剤又は洗浄剤を吹き掛けることによって、該人体洗浄用ノズル4の表面を洗浄するものである。
【0017】
8は前記殺菌剤又は洗浄剤供給系路7とは別の、殺菌剤又は洗浄剤を含まない水の供給系路であり、途中部に温水タンク9を備えると共に下流端に前記人体洗浄用ノズル4を接続している。
【0018】
次に本実施形態の作用について説明する。
お尻又はビデ用洗浄ノズルとして人体洗浄用ノズル4を使用するときには、水の供給系路8を経て該人体洗浄用ノズル4から殺菌剤又は洗浄剤を含まない水を噴出するものである。そしてまた、これと同時に、これの噴出中に、或いは噴出後に或いはまた噴出直前においてノズル洗浄用ノズル5から殺菌剤又は洗浄剤を人体洗浄用ノズル4の表面に吹き掛けるものである。
【0019】
次に、図2に示した本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態は、人体洗浄用ノズル4への水の供給系路8を途中部において分岐し、分岐したもう一方をノズル洗浄用ノズル5への殺菌剤又は洗浄剤の供給系路7となしたものである。また、本実施形態においては温水タンク9部分において分岐させている。また、その他の構成は前記第1実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0020】
而して、本実施形態においては、人体洗浄用ノズル4による殺菌剤又は洗浄剤を含まない水の噴出中、ノズル洗浄用ノズル5から殺菌剤又は洗浄剤を人体洗浄用ノズル4の表面に吹き掛けるものである。
【0021】
次に、図3に示した本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態は、人体洗浄用ノズル4への水の供給系路8を途中部において分岐し、分岐したもう一方をノズル洗浄用ノズル5への殺菌剤又は洗浄剤の供給系路7となしたことは前記第2実施形態と同様である。
【0022】
而して、本実施形態と第2実施形態との相違点は、分岐位置の違いにある。即ち、前記第2実施形態においては温水タンク9部分において分岐させているのに対して、本実施形態においては温水タンク9よりも下流側の部分において分岐させている点である。尚、その他の構成並びに作用は前記第2実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0023】
次に、図4に示した本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態は、人体洗浄用ノズル4への水の供給系路8を途中部において分岐し、分岐したもう一方をノズル洗浄用ノズル5への殺菌剤又は洗浄剤の供給系路7となしたことは前記第3実施形態と同様である。
【0024】
而して、本実施形態と第3実施形態との相違点は、本実施形態において前記温水タンク9を備えていない点にある。尚、その他の構成並びに作用は前記第3実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0025】
次に、図5に示した本発明の第5実施形態について説明する。
本実施形態は、前記第4実施形態の変形例であり、殺菌剤又は洗浄剤供給手段6をノズル洗浄用ノズル5の近傍に備えたものである。尚、その他の構成並びに作用は前記第4実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0026】
次に、図6に示した本発明の第6実施形態について説明する。
本実施形態は、前記第4実施形態の変形例であり、殺菌剤又は洗浄剤供給手段6を殺菌剤又は洗浄剤供給系路7の外部に備え、殺菌剤又は洗浄剤供給手段6から供給する殺菌剤又は洗浄剤をノズル洗浄用ノズル5の先端に向けて噴出させ、該薬剤を該ノズル洗浄用ノズル5から噴出する水に混合させるようになしたものである。尚、その他の構成並びに作用は前記第4実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0027】
次に、図7及び図8に示した本発明の第7実施形態について説明する。
本実施形態は、前記第3実施形態の変形例であり、人体洗浄用ノズル4への水の供給系路8の分岐部分に切替弁10を備えたものである。尚、その他の構成は前記第3実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0028】
而して、本実施形態においては、人体洗浄用ノズル4による殺菌剤又は洗浄剤を含まない水の噴出後又は噴出直前に切替弁10により水の流路を切り替え、ノズル洗浄用ノズル5から殺菌剤又は洗浄剤を人体洗浄用ノズル4の表面に吹き掛けるものである。
【0029】
次に、図9に示した本発明の第8実施形態について説明する。
本実施形態は、前記第4実施形態の変形例であり、人体洗浄用ノズル4への水の供給系路8の分岐部分に切替弁10を備えたものである。尚、その他の構成は前記第4実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0030】
而して、本実施形態においては、人体洗浄用ノズル4による殺菌剤又は洗浄剤を含まない水の噴出後又は噴出直前に切替弁10により水の流路を切り替え、ノズル洗浄用ノズル5から殺菌剤又は洗浄剤を人体洗浄用ノズル4の表面に吹き掛けるものである。
【0031】
次に、図10に示した本発明の第9実施形態について説明する。
本実施形態は、前記第5実施形態の変形例であり、人体洗浄用ノズル4への水の供給系路8の分岐部分に切替弁10を備えたものである。尚、その他の構成は前記第5実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0032】
而して、本実施形態においては、人体洗浄用ノズル4による殺菌剤又は洗浄剤を含まない水の噴出後又は噴出直前に切替弁10により水の流路を切り替え、ノズル洗浄用ノズル5から殺菌剤又は洗浄剤を人体洗浄用ノズル4の表面に吹き掛けるものである。
【0033】
次に、図11及び図12に示した本発明の第10実施形態について説明する。
本実施形態は、人体洗浄用ノズル4への水の供給系路8を途中部において分岐し、分岐したもう一方をノズル洗浄用ノズル5への殺菌剤又は洗浄剤の供給系路7となしたことは前記第2実施形態と同様である。
【0034】
而して、本実施形態と第2実施形態との相違点は、分岐位置の違いにある。即ち、前記第2実施形態においては温水タンク9部分において分岐させているのに対して、本実施形態においては温水タンク9よりも上流側の部分において分岐させている点である。そしてまた、分岐部分には切替弁10を備えている。尚、その他の構成は前記第2実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0035】
而して、本実施形態においては、人体洗浄用ノズル4による殺菌剤又は洗浄剤を含まない水の噴出後又は噴出直前に切替弁10により水の流路を切り替え、ノズル洗浄用ノズル5から殺菌剤又は洗浄剤を人体洗浄用ノズル4の表面に吹き掛けるものである。
【0036】
次に、図13及び図14に示した本発明の第11実施形態について説明する。
本実施形態は、上記第1実施形態乃至第10実施形態がいずれもノズル洗浄用ノズルをもって人体洗浄用ノズルの表面を洗浄するものであるのに対して、人体洗浄用ノズル内に殺菌剤又は洗浄剤を注入し、該人体洗浄用ノズルから噴出する殺菌剤又は洗浄剤を浴びせることによってその表面を洗浄するようになしたものである。
【0037】
また、図示した本実施形態は、温水タンク9の下流側において人体洗浄用ノズル4への水の供給系路8の途中部を分岐し、分岐したもう一方を殺菌剤又は洗浄剤の供給系路7となすと共に、分岐部分に切替弁10を備え、更に殺菌剤又は洗浄剤の供給系路7の下流端を人体洗浄用ノズル4に接続し、殺菌剤又は洗浄剤を該人体洗浄用ノズル4に注入するようになしたものである。
【0038】
而して、本実施形態は、人体洗浄用ノズル4から殺菌剤又は洗浄剤を含まない水を噴出した後又は噴出する直前に切替弁10により水の流路を切り替え、殺菌剤又は洗浄剤の供給系路7から人体洗浄用ノズル4内に殺菌剤又は洗浄剤を注入し、該人体洗浄用ノズル4から噴出する殺菌剤又は洗浄剤を浴びせることによってその表面を洗浄するものである。
【0039】
次に、図15及び図16に示した本発明の第12実施形態について説明する。
本実施形態は、前記第11実施形態の変形例であり、温水タンク9の上流側において人体洗浄用ノズル4への水の供給系路8の途中部を分岐し、該分岐部分に切替弁10を備えたものである。尚、その他の構成は前記第11実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0040】
而して、本実施形態は、人体洗浄用ノズル4から殺菌剤又は洗浄剤を含まない水を噴出した後又は噴出する直前に切替弁10により水の流路を切り替え、殺菌剤又は洗浄剤の供給系路7から人体洗浄用ノズル4内に殺菌剤又は洗浄剤を注入し、該人体洗浄用ノズル4から噴出する殺菌剤又は洗浄剤を浴びせることによってその表面を洗浄するものである。
【符号の説明】
【0041】
1 洗浄便器
2 便器本体
3 便座
4 人体洗浄用ノズル
5 ノズル洗浄用ノズル
6 殺菌剤又は洗浄剤供給手段
7 殺菌剤又は洗浄剤の供給系路
8 水の供給系路
9 温水タンク
10 切替弁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体洗浄用ノズルの表面を、該人体洗浄用ノズルからの殺菌剤又は洗浄剤を含まない水の噴出中又は噴出後又は噴出直前において、殺菌剤又は洗浄剤をもって洗浄するようになしたことを特徴とする洗浄便器における人体洗浄用ノズルの洗浄機構。
【請求項2】
人体洗浄用ノズルの表面にノズル洗浄用ノズルをもって殺菌剤又は洗浄剤を吹き掛けることによって洗浄するようになした請求項1記載の洗浄便器における人体洗浄用ノズルの洗浄機構。
【請求項3】
人体洗浄用ノズルへの水の供給系路と、ノズル洗浄用ノズルへの殺菌剤又は洗浄剤の供給系路とを分離してなる請求項2記載の洗浄便器における人体洗浄用ノズルの洗浄機構。
【請求項4】
人体洗浄用ノズルへの水の供給系路を途中部において分岐し、分岐したもう一方をノズル洗浄用ノズルへの殺菌剤又は洗浄剤の供給系路となした請求項2記載の洗浄便器における人体洗浄用ノズルの洗浄機構。
【請求項5】
人体洗浄用ノズル内に、殺菌剤又は洗浄剤を含まない水の噴出後又は噴出直前において殺菌剤又は洗浄剤を注入し、該人体洗浄用ノズルから噴出する殺菌剤又は洗浄剤を浴びせることによってその表面を洗浄するようになした請求項1記載の洗浄便器における人体洗浄用ノズルの洗浄機構。
【請求項6】
人体洗浄用ノズルへの水の供給系路を途中部において分岐し、分岐したもう一方を殺菌剤又は洗浄剤の供給系路となすと共に、分岐した部分に切替弁を設けてなる請求項5記載の洗浄便器における人体洗浄用ノズルの洗浄機構。
【請求項1】
人体洗浄用ノズルの表面を、該人体洗浄用ノズルからの殺菌剤又は洗浄剤を含まない水の噴出中又は噴出後又は噴出直前において、殺菌剤又は洗浄剤をもって洗浄するようになしたことを特徴とする洗浄便器における人体洗浄用ノズルの洗浄機構。
【請求項2】
人体洗浄用ノズルの表面にノズル洗浄用ノズルをもって殺菌剤又は洗浄剤を吹き掛けることによって洗浄するようになした請求項1記載の洗浄便器における人体洗浄用ノズルの洗浄機構。
【請求項3】
人体洗浄用ノズルへの水の供給系路と、ノズル洗浄用ノズルへの殺菌剤又は洗浄剤の供給系路とを分離してなる請求項2記載の洗浄便器における人体洗浄用ノズルの洗浄機構。
【請求項4】
人体洗浄用ノズルへの水の供給系路を途中部において分岐し、分岐したもう一方をノズル洗浄用ノズルへの殺菌剤又は洗浄剤の供給系路となした請求項2記載の洗浄便器における人体洗浄用ノズルの洗浄機構。
【請求項5】
人体洗浄用ノズル内に、殺菌剤又は洗浄剤を含まない水の噴出後又は噴出直前において殺菌剤又は洗浄剤を注入し、該人体洗浄用ノズルから噴出する殺菌剤又は洗浄剤を浴びせることによってその表面を洗浄するようになした請求項1記載の洗浄便器における人体洗浄用ノズルの洗浄機構。
【請求項6】
人体洗浄用ノズルへの水の供給系路を途中部において分岐し、分岐したもう一方を殺菌剤又は洗浄剤の供給系路となすと共に、分岐した部分に切替弁を設けてなる請求項5記載の洗浄便器における人体洗浄用ノズルの洗浄機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−52331(P2012−52331A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195323(P2010−195323)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(592072377)株式会社ウォーターエージェンシー (15)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(592072377)株式会社ウォーターエージェンシー (15)
【Fターム(参考)】
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