説明

洗濯乾燥機

【課題】
本発明の目的は、作り易く,寸法精度が良く、少ない結露水溜量で乾燥空気の漏れ出しを早期に阻止できる排水トラップを備える洗濯乾燥機を提供する。
【解決手段】
排水トラップは、本体ケースと、前記本体ケース内に着脱自在に逆さ向きに置かれる容器状の中蓋と、前記本体ケースの上部を塞ぐように着脱自在に取り付ける上部カバーを有し、前記本体ケースは、外側ケース筒部と、内側ケース筒部と、前記外内側両ケース筒部の底を閉じる環状底部と、前記外内側両ケース筒部および前記環状底部で形成される水溜部を有し、前記容器状の中蓋は前記水溜部に挿入される筒部と、前記内側ケース筒部を覆う底部を有し、かつ前記筒部の下端が前記環状底部の内底面から離間する離間幅を保って置かれ、前記上部カバーは、前記本体ケースの上部を塞ぐカバー部と、前記緊急排水パイプが接続されるパイプ接続部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯槽内の洗濯物を洗濯する機能と乾燥する機能を備えた洗濯乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
洗濯乾燥機において、給水機構,排水機構が故障し、水が給水されつづけても排水ホースから排水することができずに、外槽と外槽上カバーから水が溢れる際に、外槽カバー上部に取り付けられたヒータ及び外槽底部に取り付けられたモータなどに水がかかるなどして感電事故に至る恐れがある。それを回避するために外槽上部に緊急排水口を設け、外槽の一部から排水させ、電気部品に水かかりが無いようにしている。
【0003】
また、緊急排水機構は、緊急時には多量の水(18L/min以上)を排水させなければならないが、通常運転時は緊急排水機構から漏れる乾燥空気の影響で外枠内に結露が発生し、その結露水が垂れたりすることにより水漏れクレーム等の原因となるため外槽の外に蒸気を漏らしてはならない。
【0004】
このため緊急排水機構は、通常運転時には空気の流通を防ぎ、緊急時には水を多量に通す構造が必要である。
【0005】
従来例では、緊急排水機構にS字形パイプの排水トラップ構造を備え、この排水トラップに溜まる水で乾燥空気の漏れを防ぎ、緊急排水の水が流れ込むときには排水できるようにしている。しかし、乾燥空気の漏れ出しを阻止するところまで、S字形の排水トラップに結露水がたまるのに時間が長すぎるため、その間に蒸気が外槽から外枠内へ排出され外枠内面に多量の結露が発生する問題があった。
【0006】
また、特許文献1に示す洗濯乾燥機では、緊急排水を排水路に繋ぎ、排水路に排水トラップを備え、上記従来例と同様な機能を得るようにしていた。
【0007】
【特許文献1】特開2000−225286号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したようにS字形の排水トラップでは結露水がたまる時間がかかりすぎるため、時間短縮化が必要である。時間短縮化には、結露水溜量を少なくするめに排水トラップ管の径小化が必要である。S字形の排水トラップ管はブロー成形で形成されているので、寸法精度が悪く、排水トラップ管の径小化は難しい。
【0009】
本発明の目的とするところは、上記の課題に鑑み、作り易く,寸法精度が良く、少ない結露水溜量で乾燥空気の漏れ出しを早期に阻止できる排水トラップを備える洗濯乾燥機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、外槽に設けられ、外槽に備わる溢水口の水位を超える溢水超え水位の水を排水する緊急排水口と、前記外槽の外側面に垂下するように設けられ、前記緊急排水口からの排水が流下する緊急排水パイプと、前記緊急排水パイプの下端に設けられ、水溜部をもつ蒸気漏れ防止用の排水トラップを有する洗濯乾燥機において、前記排水トラップは、本体ケースと、前記本体ケース内に着脱自在に逆さ向きに置かれる容器状の中蓋と、前記本体ケースの上部を塞ぐように着脱自在に取り付ける上部カバーを有し、前記本体ケースは、外側ケース筒部と、内側ケース筒部と、前記外内側両ケース筒部の底を閉じる環状底部と、前記外内側両ケース筒部および前記環状底部で形成される水溜部を有し、前記容器状の中蓋は前記水溜部に挿入される筒部と、前記内側ケース筒部を覆う底部を有し、かつ前記筒部の下端が前記環状底部の内底面から離間する離間幅を保って置かれ、前記上部カバーは、前記本体ケースの上部を塞ぐカバー部と、前記緊急排水パイプが接続されるパイプ接続部を有し、前記中蓋の底部は、前記逆さ向きに置かれた状態で中央が隆起していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、作り易く,寸法精度が良く、少ない結露水溜量で乾燥空気の漏れ出しを早期に阻止できる排水トラップを備える洗濯乾燥機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0013】
本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施の形態である洗濯乾燥機を縦断面して示す模式図である。
【0015】
1は、外郭を構成する四角筒状の外枠である。2は、洗濯兼脱水槽であり、その周壁に通水および通風のための小穴2aを有し、その上縁部に流体バランサー3を備え、底部の内側には回転自在に撹拌翼4を設置する。撹拌翼4は、通水および通風のための小穴4aを有する。5は、前記洗濯兼脱水槽2を内包する外槽であり、底部の外側には駆動装置6を鋼板製の取り付けベース7によって取り付け、外枠1の上端部の四隅部に係止した4本の防振支持装置8によって外槽5を四方から均等に吊り下げることにより該外枠1の中心部に懸垂するように支持する。
【0016】
駆動装置6は、駆動電動機と電動操作クラッチ機構と遊星歯車減速機構を内蔵し、洗濯兼脱水槽2を静止させた状態で撹拌翼4を回転させ(撹拌モード)、洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4をそれぞれ反対方向に回転させ(洗濯モード)、洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を一体的に同一方向に回転(脱水・乾燥モード)させるような選択的な駆動機能を有する。
【0017】
外側衣類投入口9aを形成したトップカバー9は、外枠1の上部開口を覆うように該開口端縁に嵌め込み、フロントパネル10およびバックパネル11と共に取り付けねじによって外枠1に取り付ける。
【0018】
トップカバー9とフロントパネル10の間に形成される前部収納部であるフロントパネルボックス12には、電源スイッチ13と入力スイッチ群および表示素子群を備えた操作パネル14と、外槽5内の水位に応じた水位信号を発生する水位センサ15と、コントロールユニット16を内蔵する。これらは、制御装置を構成する。
【0019】
トップカバー9とバックパネル11の間に形成される後部収納部であるバックパネルボックス17には、後述する洗濯水給水手段を横並びにして内蔵する。
【0020】
洗濯水給水手段は、入水側を水栓接続口18に接続し、出水側を注水口19に接続した主給水電磁弁20によって構成する。また、洗剤溶解容器21,補助給水電磁弁22,22aも洗濯水給水手段に備えられる。
【0021】
注水口19は、トップカバー9の底と外槽5の外槽上カバー28の後部を貫通して洗濯兼脱水槽2の上部開口内に向けて開口する。この注水口19は、トップカバー9の底と外槽上カバー28の間には可撓管を介在させる。
【0022】
温風循環乾燥手段は、外槽5の下部の側壁に形成した吸い出し口5aから該外槽5の後側の外壁面に沿って垂直状態で上向きに伸びるように形成して前記吸い出し口5aから浸入した洗濯水を堰き止める除湿風路部である水冷除湿ダクト23と、この水冷除湿ダクト23内の上部に位置して該ダクト内に冷却水を供給する水冷除湿手段である冷却散水部24と、洗濯工程における外槽5の水位よりも高い位置で折り返して該外槽5の外壁面に沿って該外槽5の下側に向かって垂直に伸びる下降風路部である下降風路ダクト25と、外槽5の下側の空間に配置されて前記下降風路ダクト25から吸い込み口に空気を吸い込んで循環空気を生成する循環ファン26と、この循環ファン26の吹き出し口から外槽5の外壁面に沿って上方向に垂直状態に伸びる上昇風路部である上昇風路ダクト27と、外槽5の上端部に取り付けた外槽上カバー28上に設置されて前記上昇風路ダクト27から送り込まれる循環空気を加熱する加熱手段であるヒータ(PTCヒータ)29を内蔵し、加熱した循環空気を洗濯兼脱水槽2内に向けて吹き込む吹き込み口30を備える。
【0023】
循環風路を構成する前記水冷除湿ダクト23,下降風路ダクト25および上昇風路ダクト27は、外槽5の後側の外壁面に該外槽5の周方向に並べてその一部を該外槽5と一体成形して実装し、これらの外側を覆う裏側蓋1aは、外側に膨出する形状に構成してねじ止めする。
【0024】
また、下降風路ダクト25内には湿度センサ400と第1温度センサ100を設置し、吹き込み口30,ヒータ29の下流側の風路内には第2温度センサ42を設置する。水冷除湿ダクト23内で水冷除湿された循環空気の湿度と温度を精度良く検出するためには、水冷除湿された循環空気が良く混合されて均一になった後に前記湿度センサ400と第1温度センサ100に触れさせるのが良く、従って、湿度センサ400と第1温度センサ100は、水冷除湿ダクト23から遠く離れた下降風路ダクト25の下部または循環ファン26の吸い込み口ケーシングに設置する。更に、湿度センサ400と第1温度センサ100は、保守作業に便利なように、裏側蓋を外したときに露出するような設置位置とする。
【0025】
トップカバー9に形成した外側衣類投入口9aは、2つ折り(山折り)に開くようにヒンジによってトップカバー9に取り付けた外蓋31によって開閉自在に覆い、外槽5の上端に取り付けた外槽上カバー28に形成した内側衣類投入口28aは、ヒンジ32aによって外槽上カバー28に取り付けた内蓋32によって開閉自在に覆うように構成する。
【0026】
外槽5の底に形成した排水口5bは、排水電磁弁33を介して排水ホース34に接続する。エアートラップは、エアーチューブ35を介して前記水位センサ15に接続する。外枠1の下端縁には、四隅に脚36を取り付けた合成樹脂で成形されたベース37を装着する。
【0027】
なお、参照符号38は、洗濯兼脱水槽2内に投入された洗濯物である。
【0028】
本発明の主要部である緊急排水構造は、図1,図2に示すように外槽5の上部にある緊急排水口39と緊急排水パイプ40を有する。緊急排水パイプ40の上側には緊急排水口39が、下側には蒸気漏れ防止用の排水トラップ41が連通するように設けている。
【0029】
この緊急排水構造は、溢水用の排水機構とは別に設ける。溢水用の排水機構は排水路に連通するが、緊急排水構造は排水路には繋がらない。緊急排水口39は溢水口よりも高い位置に設けている。溢水口の水位を超える溢水超え水位の水は緊急排水口39から排水される。
【0030】
緊急排水構造は洗濯運転時、給水弁の故障・水位センサの故障・排水弁の故障・排水ホース詰まりなどが生じたときに洗濯機の外に緊急排水する機能を発揮する。すなわち、排水機構が排水不能にかかわらず給水され続けると、水は外槽と外槽上カバーの間から溢れ出し、外槽上カバー上にあるヒータ及び、外槽底部に取り付けられているモータに浸水し感電事故を起こす怖れがある。
【0031】
このような事態に対処して緊急排水構造は機能するもので、溢れる水の流れを制御するため外槽の淵の一部から溢れるようにし、外槽5の全長より長い緊急排水パイプ40、および排水トラップ41を接続して跳ね返り水が少なくなるように洗濯機ベース37に直接排水させる。
【0032】
故障時に溢れる水量は給水弁から給水される最大流量の18L/minであり、緊急排水構造はそれ以上排水可能でなくてはならない。
【0033】
また、外槽の一部から水を溢れさせることにより槽内が封止されていない事となる。乾燥運転時、温風は水を溢れさせる緊急排水口39から緊急排水パイプ40、および排水トラップ41を通り外枠内にもれることとなる。
【0034】
その温風が結露すると、表示パネルの曇りや床濡れの原因となる。よって、通常時は乾燥運転の温風を外槽内から出さないよう封止しなくてはならない。この温風封止には従来はS字形パイプの排水トラップを用いていた。先の〔発明が解決しようとする課題〕でも述べたとおり、S字形パイプの排水トラップでは温風封止に達するまでの結露水溜量が多く必要で、温風の封止めに時間が長引く。それに応えるべく、早期に少ない結露水溜量で乾燥空気(温風)の漏れ出しを阻止し、温風封止に至る時間を短縮化することが強く望まれていた。
【0035】
上記の要望に応える蒸気漏れ防止用の排水トラップ41について、図2,図3,図4を引用して説明する。
【0036】
排水トラップ41は、本体ケース410と、本体ケース410内に着脱自在に逆さ向きに置かれる容器状の中蓋411と、本体ケース410の上部を塞ぐように着脱自在に取り付ける上部カバー412を有する。図3の矢印50は乾燥空気(温風)や緊急排水の流れを示す。
【0037】
本体ケース410,容器状の中蓋411,上部カバー412は、合成樹脂で形成する。従来のS形の排水トラップはブロー成形で作った。本発明の本実施の本体ケース410,容器状の中蓋411,上部カバー412は、雄金型/雌金型の二つの金型を用いて成形する。この雄金型/雌金型(二つの金型)を用いる成形は、ブロー成形と異なり、成形の作業性がよく寸法精度の良い排水トラップ41を作ることができる。
【0038】
本体ケース410は、外側ケース筒部4101と、内側ケース筒部4102と、外内側両ケース筒部4101,4102の底を閉じる環状底部4103と、外内側両ケース筒部および前記環状底部で形成される水溜部4104を有する。外側ケース筒部4101と、内側ケース筒部4102は同心円で形成される。環状底部4103は縦端面がU字形状をしている。
【0039】
本体ケース410は、内側ケース筒部4102の下方には環状底部4103より下側に
向かって延在する下部内側ケース筒部4105を有する。下部内側ケース筒部4105は内側ケース筒部4102と同径である。
【0040】
シート4106は下部内側ケース筒部4105の下端開口を閉じる蓋になる。このシート4106は、気密度が低く、乾燥空気(温風)は流出し、緊急排水はシート4106を開いてベース37に排出される。
【0041】
本体ケース410は、図4に示すように、内側ケース筒部4102の外周に3ヶの位置決め突起4107を有する。位置決め突起4107は、環状底部4103から水溜部4104の上側に向かって立ち上がるように形成される。
【0042】
本体ケース410は、外側ケース筒部4101と、内側ケース筒部4102と、外内側両ケース筒部4101,4102の底を閉じる環状底部4103と、外内側両ケース筒部および前記環状底部4103で形成される水溜部4104と、下部内側ケース筒部4105と、位置決め突起4107を有し、上記のように成形用の金型が上下方向に抜ける構成にしているので、作り易く,寸法精度良く形成することができる。
【0043】
容器状の中蓋411は、お碗を逆さにしたような形状をしている。図3に示すように、本体ケース410内に逆さに置かれる中蓋411は、上側にドーム形の天井部4110と、天井部の周縁より下がる円筒の筒部4111を有する。中蓋411は、筒部4111の下端に前記環状底部4103の内底面と当接する複数の突起(図示せず)を有する。
【0044】
中蓋411も本体ケース410と同様に、成形用の金型が上下方向に抜ける構成にしているので、作り易く,寸法精度良く形成することができる。
【0045】
こうした中蓋411は、前記複数の突起(図示せず)、および前記3ヶの位置決め突起4107により、所定位置に保たれた状態で本体ケース410内に逆さに置かれる。
【0046】
すなわち、中蓋411は、前記複数突起(図示せず)と環状底部4103との当接により筒部4111の下端が環状底部4103から所定の離間幅Tを保って置かれ、かつ前記3ヶの位置決め突起4107と筒部4111との当接で筒部4111が水溜部4104内の径方向所定位置に保たれて置かれる。
【0047】
なお、18L/minの緊急排水量を確保できる離間幅Tは約15mm以下である。
【0048】
上記所定の離間幅Tは、上述した排水トラップ41の緊急排水量、および温風封止のための結露水溜量4108(図3に示す)を規定する。緊急排水量は少なく見込んでも18L/minであるので、この水量を確保できる前記離間幅が最小限必要である。その一方で温風封止のための結露水溜量4108は少ない方が望ましいので、前記離間幅は可能な限り狭めたい。
【0049】
従来のS字形パイプの排水トラップは出来上がり寸法精度の劣るブロー成形品であったので、寸法精度の狂いを見込んで口径を大きく作らざるを得なかった。しかし、本発明の実施例に係る排水トラップ41は、中蓋411も本体ケース410と同様に、成形用の金型が上下方向に抜ける構成にしているので、作り易く,寸法精度良く形成される。このため、前記離間幅は寸法精度の狂いを見込んで大きくする必要なく、緊急排水量をしつつ、温風封止のための結露水溜量4108を少なくでき、少ない結露水溜量で乾燥空気の漏れ出しを早期に阻止することが実現できる。
【0050】
上部カバー412は、本体ケース410の外側ケース筒部4101の上部を塞ぐカバー部4120と、前記緊急排水パイプ40の下端が接続されるパイプ接続部4121と、カバー部4120の内側面より下方に延在する複数の押圧片4122と、カバー部4120の外周に設けた環状の係止部4123と、支持腕4124を有する。
【0051】
上部カバー412は、外側ケース筒部4101の上側に押し付けることで係止部4123が外側ケース筒部4101の上部係合部に嵌合して取り付けられる。この取り付けにともない、上記押圧片4122が中蓋411を下方に押圧するようになる。このため、中蓋411が洗濯乾燥運転の振動や緊急排水の影響で浮き上がって前記離間幅が変わってしまう不具合は防止される。
【0052】
排水トラップ41は、支持腕4124を用いて外槽5に取り付けられる。支持腕4124とパイプ接続部4121で外槽5の挟み、支持腕4124に設けた掛け止め突起4125が外槽5の係止孔(図示せず)に係合して排水トラップ41は外槽5の底部に外れないように取り付けが行われる。
【0053】
また上述したように排水トラップ41を構成する各部品は、寸法精度良く形成できるので排水トラップ41が全体的にコンパクトになる。このため、排水トラップ41は外槽5の底部の狭いところに配置される他部品との干渉が緩和され、取り付けがし易い。
【0054】
上記実施例では、前記離間幅を中蓋411は、前記複数突起(図示せず)と環状底部4103との当接により構成しているが、中蓋411の天井部4110の内側に内側ケース筒部4102の上端に当接する複数突起を設けて離間幅ができるようにすることも可能である。
【0055】
また、位置決め突起4107は中蓋411の筒部4111、もしくは外側ケース筒部4101の内周側に変更して設けることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施例に係るもので、洗濯乾燥機の縦断面図である。
【図2】本発明の実施例に係るもので、外槽と、緊急排水口と、緊急排水パイプと、排水トラップを示す外観図である。
【図3】本発明の実施例に係るもので、内部を破断して示した排水トラップの外観図である。
【図4】本発明の実施例に係るもので、図3のA−A断面図である。
【符号の説明】
【0057】
1 外枠
2 洗濯兼脱水槽
4 撹拌翼
5 外槽
5a 吸い出し口
6 駆動装置
16 コントロールユニット
19 注水口
20 主給水電磁弁
21 洗剤溶解容器
22,22a 補助給水電磁弁
23 水冷除湿ダクト
24 冷却散水部
25 下降風路ダクト
26 循環ファン
27 上昇風路ダクト
28 外槽上カバー
29 ヒータ
39 緊急排水口
40 緊急排水パイプ
41 排水トラップ
410 本体ケース
411 容器状の中蓋
412 上部カバー
4101 外側ケース筒部
4102 内側ケース筒部
4103 環状底部
4104 水溜部
4110 天井部
4111 筒部
4120 カバー部
4121 パイプ接続部
T 離間幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機外枠内に弾性的に支持された外槽と、この外槽内に回転可能に設置され、洗濯物を収容する洗濯槽と、この洗濯槽を回転駆動するモータと、前記洗濯槽内を流通し、前記洗濯物を乾かす乾燥空気を加熱するヒータと、前記乾燥空気を前記洗濯槽内に送風循環させる送風機と、前記外槽に設けられ、外槽に備わる溢水口の水位を超える溢水超え水位の水を排水する緊急排水口と、前記外槽の外側面に垂下するように設けられ、前記緊急排水口からの排水が流下する緊急排水パイプと、前記緊急排水パイプの下端に設けられ、水溜部をもつ蒸気漏れ防止用の排水トラップを有する洗濯乾燥機において、
前記排水トラップは、本体ケースと、前記本体ケース内に逆さ向きに置かれる容器状の中蓋と、前記本体ケースの上部を塞ぐように取り付ける上部カバーを有し、かつ前記本体ケースと、前記容器状の中蓋と、前記上部カバーは合成樹脂で別体に成形され、
前記本体ケースと上部カバーは溶着にて接合され、
前記本体ケースは、外側ケース筒部と、内側ケース筒部と、前記外内側両ケース筒部の底を閉じる環状底部と、前記外内側両ケース筒部および前記環状底部で形成される水溜部を有し、
前記容器状の中蓋は前記水溜部に挿入される筒部と、前記内側ケース筒部を覆う天井部を有し、かつ前記筒部の下端が前記環状底部の内底面から離間する離間幅を保って置かれ、
前記上部カバーは、前記本体ケースの上部を塞ぐカバー部と、前記緊急排水パイプが接続されるパイプ接続部を有することを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項2】
請求項1記載の洗濯乾燥機において、
前記中蓋の底部は、前記逆さ向きに置かれた状態で中央が隆起していることを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項3】
請求項1記載の洗濯乾燥機において、
前記本体ケースの内側ケース筒部の下端を閉じるシートを有することを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項4】
請求項1記載の洗濯乾燥機において、
前記離間幅が15mm以下であることを特徴とする洗濯乾燥機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−82030(P2010−82030A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−252136(P2008−252136)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】