説明

洗濯機の振動吸収部材および洗濯機

【課題】簡易な構成で、安全かつ正常に洗濯機を動作させることのできる洗濯機の振動吸収部材を提供する。
【解決手段】洗濯機1の振動吸収部材10a,10bは、回転する水槽6を内部で保持する外槽5と、外槽5を収容する外枠2とを含む洗濯機1に用いられる。この振動吸収部材10a,10bは、粘弾性部材により形成され、外槽5の外壁と外壁に対向する外枠2の内壁との間に設けられ、圧縮変形することにより外槽5の振動を吸収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、洗濯機に生じる振動を吸収する洗濯機の振動吸収部材および洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、高い節水効果を実現するために、垂直ではない方向(たとえば、水平方向や斜め方向など)に回転軸を有する水槽と、水槽を保持する外槽と、を備える洗濯機が存在する。そのような洗濯機について、たとえば、下記特許文献1〜3に開示されている。
【0003】
図9は、特許文献1に記載された、水平方向に水槽の回転軸を有する洗濯機の概略構成を示す図である。図9を参照して、特許文献1の洗濯機101は、外枠102と、外枠102の天井部分から下方に向かって設けられ、所定の付勢力を有するサスペンションばね104によって、保持された外槽105と、外槽105によって保持された水槽106とを含む。外槽105の下部には、垂直方向に延在し、外槽105と洗濯機本体の下底部108とを連結するダンパ107が設けられている。特許文献2には、斜め方向に水槽の回転軸を有する洗濯機(いわゆる「斜めドラム式洗濯機」である)が開示されており、特許文献1と略同様のダンパが開示されている。また、特許文献3にも、斜め方向に回転軸を有する洗濯機が開示されており、同様のダンパが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−131075号公報
【特許文献2】特開2009−297122号公報
【特許文献3】特開2009−297387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の洗濯機は、上記したようなダンパを採用していた。すなわち、垂直方向に設けられ、水槽を保持する外槽と洗濯機本体の下底部とを連結するダンパにより、水槽の回転によって発生する外槽の振動を吸収するようにしていた。
【0006】
特許文献1〜3に開示されるようなダンパは、垂直方向に設けられているため、垂直方向の振動を吸収することはできる。しかしながら、これらのダンパでは、水平方向の振動については吸収し得ない。
【0007】
また、近年の洗濯機には、水平方向の振動により生じる危険、たとえば、洗濯機の内壁と外槽とが衝突するというような事故を回避するため、予め定められた振幅以上の振動を検知した場合に洗濯機の動作を緊急停止するシステムが備えられている。しかしながら、特に脱水の機能の開始時においては、水槽に偏心荷重が大きく作用することは普通に起こり得、また、結果として問題のない振動であったとしても緊急停止されてしまう場合がある。
【0008】
この発明の目的は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で、安全かつ正常に洗濯機を動作させることのできる洗濯機の振動吸収部材、および、洗濯機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る洗濯機の振動吸収部材は、回転する水槽を内部で保持する外槽と、外槽を収容する外枠とを含む洗濯機に用いられる。洗濯機の振動吸収部材は、粘弾性部材により形成され、外槽の外壁と外壁に対向する外枠の内壁との間に設けられ、圧縮変形することにより前記外槽の振動を吸収する。
【0010】
洗濯機の振動吸収部材は蛇腹形状を有してもよいし、板形状を有してもよい。
【0011】
洗濯機の振動吸収部材はオイルダンパであってもよい。
【0012】
洗濯機の振動吸収部材は外槽と外枠とを連結してもよいし、外槽または外枠のいずれか一方とのみ接触するように設けられてもよい。
【0013】
洗濯機の振動吸収部材は水槽の回転軸と略平行に複数設けられるのが好ましい。
【0014】
この発明の他の局面においては、洗濯機は上記のいずれかに記載の振動吸収部材を有する。
【発明の効果】
【0015】
粘弾性部材により形成された振動吸収部材を外槽の外壁と外壁に対向する外枠の内壁との間に設けることにより、外槽が自由に振動し得る範囲を制限し、また、振動吸収部材が圧縮変形することにより外槽の振動を吸収する。すなわち、外槽の振動の変位を抑制するとともに外槽の振動を吸収するため、簡易な構成で、安全かつ正常に洗濯機を動作させることのできる洗濯機の振動吸収部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(A)はこの実施形態にかかる洗濯機の要部を示す、正面からの概略図であり、(B)は洗濯機の要部を示す、右側からの側面を示す概略図である。
【図2】(A)は図1(A)に示された一点鎖線の円IIAに囲まれる部分の概略拡大図であり、(B)は振動吸収部材の単体を示す概略斜視図であり、(C)は(B)のIIC−IICにおける断面図である。
【図3】図1(A)および図1(B)のIII−IIIにおける概略矢視図である。
【図4】振動吸収部材の他の例を示す図である。
【図5】(A)は他の例の洗濯機の要部を示す、右側からの側面を示す概略図であり、(B)は(A)のVB−VBにおける概略矢視図である。
【図6】さらに他の例の洗濯機の要部を示す、正面からの概略図である。
【図7】さらに他の例に用いられる振動吸収部材を示す概略斜視図である。
【図8】(A)は振動吸収部材における他の実施形態にかかる洗濯機の要部を示す、正面からの概略図であり、(B)は洗濯機の要部を示す、右側からの側面を示す概略図である。
【図9】従来の洗濯機の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(1)第1の実施形態
以下、この発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1(A)はこの実施形態にかかる洗濯機1の要部を示す、正面からの概略図である。また、図1(B)は、洗濯機1の要部を示す、右側からの概略図である。詳しくは、図1(A)は図1(B)のIA−IAで示される矢視図であり、図1(B)は図1(A)のIB−IBで示される矢視図である。
【0018】
図1(A)および図1(B)を参照して、洗濯機1は、上記特許文献2や3に開示されるような、いわゆる「斜めドラム式洗濯機」であり、洗濯機1の前面側に設けられた図示のない窓部から洗濯物が収容され、図示のない操作部などから入力されるユーザの要求に応じて、洗濯、すすぎ、脱水などを実行する。
【0019】
この洗濯機1は、外枠2と、外枠2の天井部分から下方に向かって設けられ、所定の付勢力を有するサスペンションばね4と、特に図1(B)を参照して、サスペンションばね4により吊り下げられ、後方から前方に向かって上方に傾斜した略円筒形状の外槽5と、外槽5の内部で保持され、外槽5と同様の略円筒形状を有し、後方から前方に向かって上方に傾斜した回転軸Pを有し、外槽5の後方に設けられた回転モータ15により、外槽5の内壁に沿って回転する水槽6と、各々ゴム部材により形成され、外槽5の外壁とその外壁に対向する外枠2の内壁との間に設けられる振動吸収部材10a,10bと、を含む。なお、洗濯機1は、外枠2の下部に設けられる脚部材9により、床(地面)上に載置される。また、図示しないが、洗濯機1には特許文献1〜3に記載されるようなダンパが設けられてもよい。
【0020】
外槽5および水槽6は、略円筒状の前面(上面)側が開口しており、前述した窓部から水槽6の内部に洗濯物を収容可能である。水槽6は、図示のない水供給部から供給される水とともに洗濯物を内部に収容した状態で、回転モータ15により駆動されて回転し、洗濯、すすぎ、脱水などを実行する。また、このとき、水槽6を保持する外槽5は、水槽6の回転に基づいて振動する。
【0021】
次に、振動吸収部材の構成について説明する。図2(A)は図1(A)において一点鎖線の円IIAで囲まれた部分の概略拡大図であり、図2(B)は振動吸収部材の単体を示す概略斜視図であり、図2(C)は図2(B)のIIC−IICにおける断面図である。また、図3は、図1(A)および図1(B)のIII−IIIにおける概略矢視図である。
【0022】
図2(A)を参照して、振動吸収部材10aは、外槽5の外壁と外枠2の内壁との間において、いずれに対しても固定されている。すなわち、振動吸収部材10aは、外槽5と外枠2とを一体化させるように連結している。なお、この実施形態においては、振動吸収部材10aにおける外槽5側の接触部分および振動吸収部材10aにおける外枠2側の接触部分は、各々接着により固定されている。従って、振動吸収部材10aが接触するいずれの部分においてもずれは生じない。
【0023】
ここで用いられる振動吸収部材10aは、図2(B)および図2(C)に示すように、蛇腹形状を有する。具体的に、振動吸収部材10aは、幅方向において、外形が連続的に山および谷(溝ともいう)を繰り返すような形状を有し、中空である。従って、振動吸収部材10aは、幅方向に伸縮するように圧縮変形することが可能であるため、図2(A)に示す水平方向への外槽5の振動を吸収することができる。また、振動吸収部材10aは、中実で長方体のゴム部材からなる振動吸収部材などと比較しても柔軟性が高い。
【0024】
また、振動吸収部材10aは、蛇腹形状を有することにより、長方体のゴム部材などと比較してもより屈曲しやすい。すなわち、図2(A)に示すように、振動吸収部材10aが設けられる場合、たとえば、外槽5が水平方向に振動することに対して振動吸収部材10aは追従するとともに、垂直方向の振動も柔軟に吸収することができる。
【0025】
なお、振動吸収部材10bは、振動吸収部材10aと配置される位置以外は、振動吸収部材10aと同様の構成を有するため説明は省略する。
【0026】
ここで、振動吸収部材10a,10bの配置される位置については、図1(A)および図3に示すように、外槽5を隔てて一対で設けられる。具体的には、振動吸収部材10a,10bは、水槽6の回転軸Pを外槽5の外壁面まで左右方向に水平移動した直線に沿って設けられる。換言すれば、回転軸Pを基準にすると、振動吸収部材10a,10bは、回転軸Pに対して水平方向に180°となる位置に配置される。水槽6を収容する外槽5が、水平方向において大きい振幅をとり得るからである。
【0027】
また、この実施形態においては、図3に示すように、外槽5が前後方向に延在する略中央の側部に振動吸収部材10a,10bを設けるのが好ましい。こうすることにより、外槽5の水平方向への振動に対しても、左右均等にバランスよく吸収することが可能になる。
【0028】
なお、上記では、振動吸収部材10a,10bは、回転軸Pに対して水平方向に180°となる位置に設ける場合について説明した。しかしながら、洗濯機の大きさや形状、また外槽の振動の種類に応じて配置は考慮される必要がある。従って、振動吸収部材10a,10bは、上記したような回転軸Pに対して水平方向に180°となる位置から、±30°の範囲内で適宜配置が変更されてもよい。
【0029】
次に、振動吸収部材の作用について説明する。図1(A)を参照して、水槽6の回転により外槽5が振動する場合、外槽5における外壁と外壁に対向する外枠2の内壁との間において外槽5および外枠2を一体化するように外槽5を隔てて一対で振動吸収部材10a,10bを設けたため、外槽5が自由に振動し得る範囲を制限するとともに、圧縮変形により外槽5の振動を吸収することができる。すなわち、外槽5の振動における振幅(変位)を抑制するとともに外槽5の振動を吸収するため、たとえば、外槽5が振動することにより洗濯機1における外枠2の内壁と外槽5とが衝突するというような事故を生じさせることもなく、また、従来技術でも説明した緊急停止システムを備えるような洗濯機に対しては、緊急停止システムを無駄に作動させて緊急停止させることもない。
【0030】
従って、外槽5の振動の変位を抑制するとともに外槽5の振動を吸収するため、簡易な構成で、安全かつ正常に洗濯機1を動作させることができる。
【0031】
なお、上記実施の形態においては、振動吸収部材はゴムである場合について説明したが、これに限らず、粘弾性部材であれば、熱可塑性エラストマーや、ゲル状物質等であってもよい。
【0032】
なお、上記の実施形態において、振動吸収部材は中空である場合について説明したが、これに限ることなく、中実であってもよい。また、中空の振動吸収部材と中実の振動吸収部材との中間の程度の柔軟性を備えさせるように、振動吸収部材に空隙を設けるようにしてもよい。
【0033】
また、振動吸収部材は、図4に示した容器本体16aと蓋体16bとからなる可撓自在な袋状の密閉容器16の内部に粘性流体17を充填した、オイルダンパ15にしてもよい。
【0034】
なお、上記の実施形態において、振動吸収部材は蛇腹形状である場合について説明したが、これに限ることなく、その他の形状(板形状、円柱形状、長方体、球形状など)であってもよい。
【0035】
なお、上記の実施形態において、振動吸収部材を一対で設ける場合について説明したが、これに限ることなく、複数対で設けてもよい。図5(A)はこの場合(他の例)において図1(B)に対応する図であって振動吸収部材を二対設けた場合を示しており、図5(B)は図5(A)のVB−VBにおける概略矢視図を示している。なお、以下の説明において、上記の実施形態と同様の点については説明を省略し、同一の構成には同一の符号を付して説明する。
【0036】
図5(A)を参照して、振動吸収部材11a〜11dは、外槽5を隔てて各々が対をなすように設けられる。具体的に、振動吸収部材11a〜11dは、振動吸収部材11aと振動吸収部材11cとが、また、振動吸収部材11bと振動吸収部材11dとが、回転軸Pに対して180°となる位置に配置される。すなわち、上記で説明した配置と同様である。
【0037】
上記のように構成することにより、上記の実施形態と比較して、外槽5の振動を吸収する能力がより向上する。また、振動吸収部材11a〜11dの各々にかかる負担が軽減されるため、各々の寿命を向上させることができる。さらには、外槽5の振動が回転軸Pに対して捩じれの方向に生じた場合でも、安定的に振動を吸収できる。なお、振動吸収部材を三対以上設けてもよく、この場合も上記に倣って配置させる。
【0038】
なお、上記の実施形態において、蛇腹形状の振動吸収部材を設ける場合について説明したが、これに限ることなく、複数種類の振動吸収部材を組み合わせてなる振動吸収部材を設けるようにしてもよい。図6は、上記の実施形態の図1(A)に対応する図であって、複数種類の振動吸収部材を組み合わせてなる振動吸収部材を設ける場合(さらに他の例)の洗濯機の要部を示す、正面からの概略図である。また、図7はこの場合に用いられる振動吸収部材の一方を示す概略斜視図である。なお、以下の説明において、上記の実施形態と同様の点については説明を省略し、同一の構成には同一の符号を付して説明する。
【0039】
図6を参照して、洗濯機60は、外槽5の外壁と外槽5の外壁に対向する外枠2の内壁との間において、上記の実施形態の振動吸収部材10a,10bに類似した振動吸収部材(以下、第1の振動吸収部材という)12a,12bと、ゴム部材からなり、中実で長方体の形状を有する振動吸収部材(以下、第2の振動吸収部材という)13a,13bと、を含む。第1の振動吸収部材12a,12bは、振動吸収部材10a,10bの幅方向の長さを短くしたものであって、その他の構成は同様である。また、第2の振動吸収部材13a,13bは、図7を参照して、ともに所定の厚みを有する長方体(すなわち、板形状)であり、第1の振動吸収部材12a,12bより硬い。
【0040】
再び図6を参照して、第1の振動吸収部材12a,12bは、一方側が外槽5の外壁に固定され、他方側が第2の振動吸収部材13a,13bと固定される。また、第2の振動吸収部材13a,13bは、第1の振動吸収部材12a,12bと固定されている側の他方側が外枠2に固定されている。すなわち、外槽5と外枠2との間において、第1の振動吸収部材12a,12bと第2の振動吸収部材13a,13bとは固定され、また、第1の振動吸収部材12a,12bと第2の振動吸収部材13a,13bとにより、外槽5、
第1の振動吸収部材12a,12b、第2の振動吸収部材13a,13b、外枠2は一体化されている。
【0041】
上記のように構成することにより、外槽5が振動する場合、外槽5に直接接触している第1の振動吸収部材12a,12bが外槽5の振動を吸収するとともに、外枠2に固定されている第2の振動吸収部材13a,13bが振動を規制する。
【0042】
すなわち、上記のように異なる性質を有する振動吸収部材を組み合わせることにより、外槽5の振動に応じた振動の抑制および振動の吸収をすることができる。
【0043】
(2)第2の実施形態
この実施形態においては、振動吸収部材と外槽の外壁との間に空間を有するように構成される場合について説明する。すなわち、振動吸収部材は、外枠とのみ接触するように設けられる場合である。ここでは、上記の実施形態の振動吸収構造10a,10bに類似する振動吸収構造を用いて説明する。以下の説明において、上記の実施形態と同様の点については説明を省略し、同一の構成には同一の符号を付して説明する。図8(A)はこの実施形態にかかる洗濯機50の要部を示す、正面からの概略図である。また、図8(B)は、洗濯機50の要部を示す、右側からの概略図である。詳しくは、図8(A)は図8(B)のVIIIA−VIIIAで示される矢視図であり、図8(B)は図8(A)のVIIIB−VIIIBで示される矢視図である。
【0044】
図8(A)および図8(B)を参照して、ここにおいて用いられる振動吸収部材14a,14bは、振動吸収部材10a,10bの幅方向の長さを短くしたものであって、その他の構成は同様であり、また、振動吸収部材14a,14bの各々は外枠2の内壁に設けられている。すなわち、外槽5と振動吸収部材14a,14bの各々との間には空間が形成されている。ここにおける空間は、上記のように振動吸収部材10a,10bを全体的に縮小することにより形成されてもよいし、振動吸収構造10a,10bの幅方向の長さを短くするようにして形成されてもよい。
【0045】
上記によれば、外槽5が振動する場合、外槽5と空間を隔てて振動吸収部材14a,14bが外枠2の内壁に設けられているため、所定以上の大きさの振幅を有する外槽5の振動が生じた場合にのみ、外槽5の自由に振動できる範囲を制限するとともに、振動吸収部材14a,14bが圧縮変形して外槽5の振動を吸収する。すなわち、外槽5の振動の振幅に応じた振動吸収部材を提供することができる。
【0046】
従って、所定以上の振幅を有する外槽5の振動についてのみ、外槽5の振動の変位を抑制するとともに、所定以上の振幅を有する外槽5の振動を吸収することができる。
【0047】
なお、上記の実施形態において、振動吸収部材は、外枠とのみ接触するように設けられる場合ついて説明した。しかしながら、振動吸収部材は、外槽とのみ接触するように設けられてもよい。すなわち、振動吸収部材が外槽の外壁に設けられてもよい。さらには、複数の振動吸収部材を用いて、外槽とのみ接触するように振動吸収部材を設け、また、外枠とのみ接触するように振動吸収部材を設け、各々の振動吸収部材の間に空間を有するように構成してもよい。なお、この場合に設けられる振動吸収部材は、同一の種類のものでもよいし、異なる種類のものでもよい。
【0048】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1,30,50,60 洗濯機、2 外枠、4 サスペンションばね、5 外槽、6 水槽、9 脚部材、10a,10b,11a〜11d,12a,12b,13a,13b,14a,14b 振動吸収部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する水槽を内部で保持する外槽と、前記外槽を収容する外枠とを含む洗濯機に用いられる洗濯機の振動吸収部材であって、
粘弾性部材により形成され、前記外槽の外壁と前記外壁に対向する前記外枠の内壁との間に設けられ、圧縮変形することにより前記外槽の振動を吸収する、
洗濯機の振動吸収部材。
【請求項2】
洗濯機の振動吸収部材は蛇腹形状を有する、請求項1に記載の洗濯機の振動吸収部材。
【請求項3】
洗濯機の振動吸収部材は板形状を有する、請求項1または2に記載の洗濯機の振動吸収部材。
【請求項4】
洗濯機の振動吸収部材はオイルダンパである、請求項1に記載の洗濯機の振動吸収部材。
【請求項5】
洗濯機の振動吸収部材は前記外槽と前記外枠とを連結する、請求項1〜4のいずれかに記載の洗濯機の振動吸収部材。
【請求項6】
洗濯機の振動吸収部材は前記外槽または前記外枠のいずれか一方とのみ接触するように設けられる、請求項1〜4のいずれかに記載の洗濯機の振動吸収部材。
【請求項7】
洗濯機の振動吸収部材は前記水槽の回転軸と略平行に複数設けられる、請求項1〜6のいずれかに記載の洗濯機の振動吸収部材。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の振動吸収部材を有する洗濯機。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−192096(P2012−192096A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59726(P2011−59726)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000114710)ヤマウチ株式会社 (82)
【Fターム(参考)】