説明

洗濯機洗浄ボールの誘導装置及び洗浄ボールのための排水口蓋

洗濯機の内部の汚染物質を洗浄するための洗浄手段と、電気場誘導を用いて貯水槽の内壁を効果的に洗浄したり、貯水槽の人工浮遊体にモーションを与えるための永久磁石の誘導手段と、洗濯機の洗浄ボールの洗浄動作を助けるための洗濯機の排水口用蓋が提供される。洗浄手段はボール(ball)のような一定の形状を維持するための本体と多数の洗浄突起とを含んでなり、貯水槽と洗濯槽、及び貯水槽とパルセータとの間の空間に投入されて洗濯用水の一定水深で浮遊しかけて洗濯動作により発生する回転水流によってダイナミックに移動しながら貯水槽、洗濯槽、及びパルセータに付着されている各種の汚物を洗浄突起で摩擦させて除去する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、洗濯機の貯水槽、洗濯槽、及び水流ガイドを洗浄するための洗浄ボールに関するものである。
【0002】
また、本発明の他の実施形態は、電気場誘導を用いて、貯水槽、洗濯槽、及び水流ガイドの内壁を効果的に洗浄したり、貯水槽と洗濯槽との間の空間、洗濯槽と水流ガイドとの間の空間にある洗浄ボールにモーションを与えるための誘導装置に関するものである。
【0003】
また、本発明の更に他の実施形態は、洗濯槽と貯水槽との間の洗浄を遂行する洗浄ボールが洗濯用水と一緒に排出されることを防止して、再使用可能にし、髪の毛や糸、そして小銭やボタンのような残りの異質物、そして洗濯用水は円滑に排出できるようにした排水口蓋に関するものである。
【背景技術】
【0004】
洗濯機の使用年限が古くなるにつれて、洗濯機の貯水槽と洗濯槽との間の空間には洗濯物から排出された垢、切れ端繊維、毛髪などの汚物が積まれるようになる。
【0005】
多くの使用者は、通常4〜5年を周期で洗濯機を分解して洗浄したり、液状の洗浄洗剤を洗濯用水に溶かして空回転させる方式により上記の汚物を除去している。
【0006】
しかしながら、洗濯機の分解及び洗浄のためには、相当程度のメカニック技術を熟知していなければならないので、一般人が直接遂行することには困難な点があるので、通常、これを専業とするサービス業が盛んに行われている。したがって、このようなサービスを受けるためには、所定の手数料を支払わなければならないので、経済的な負担が相当であることが事実である。
【0007】
また、液状の洗剤を用いて洗浄する方式は、相対的に専門知識を要しないので、一般人が遂行するに容易であるが、古くなった垢や垢じみた汚物などはよく洗浄できなくて、満足度が高くないという問題がある。
【0008】
このような問題点を解決するために、洗濯機の内に内部洗浄機能を自体的に具備しようとする試みも提起された。
【0009】
大韓民国特許公開第2009−0023804号(先行技術1)は自動洗浄装置が取り付けられた洗濯機に関するものであって、洗濯過程で洗濯機の内部を自動で洗浄するために洗濯機の水槽の内壁に設けられる第1洗浄ブラシと、洗濯機ドラムの外壁に設けられる第2洗浄ブラシと、水槽の底のドラムハウジングに設けられる第3洗浄ブラシを備えることを特徴とする。
【0010】
また、大韓民国特許公開第2007−0088212号(先行技術2)は洗濯機及び洗剤供給機構の洗浄方法に関するものであって、キャビネットの内部に設けられ、給水流路と排水流路が備えられた洗濯槽と、上記洗濯槽に洗剤が供給されるように、上記給水流路の一側に連通するように設けられた洗剤供給機構と、上記給水流路の他側に給水口が連結されてスチーム水が給水され、上記洗剤供給機構と洗濯槽にスチーム排出口が連結されてスチームが供給されるスチーム発生器を含んで構成されることを特徴とする。
【0011】
また、大韓民国特許登録第0698304号(先行技術3)はドラム洗濯機の洗浄槽洗浄方法に関するものであって、洗浄槽の洗浄モードを選択するステップと、蒸気発生装置に洗浄水を供給するステップと、上記蒸気発生装置のヒータをオン(ON)させて洗浄水を加熱するステップと、洗浄槽の内に所定時間の間蒸気を噴射して殺菌するステップとを含むことを特徴とする。
【0012】
しかしながら、先行技術1によれば、洗濯機の内部に洗浄ブラシのような人為的な部材を取り付けなければならないところ、洗浄ブラシにより洗濯機の円滑な動作が妨害を受けることがあり、老朽した洗浄ブラシを取り替えるために、相対的に高費用と苦労を支払わなければならないという問題がある。
【0013】
また、先行技術2及び先行技術3は、両方ともスチームを発生させて洗濯機の内部を洗浄することを主な骨子とするので、洗浄のためのスチーム発生に人為的なエネルギーを投入しなければならないという盲点がある。
【0014】
このような問題点は、たとえ洗濯機だけでなく、人の手が直接届き難い構造の貯水槽、貯水タンク、大型金魚鉢などに同一に適用される。
【0015】
一方、実際に洗浄ボールを用いて洗濯機を洗浄するためには、1回以上の給水過程と排水過程を繰り返すようになるので、各過程が円滑に進行できるように、次の問題を解決する必要がある。
【0016】
即ち、洗濯機の排水口には通常の排水口に使われる異質物濾し用排水口蓋がないので、排水過程が進行される時、多数の洗浄ボールが排水口を通じて外部に排出してしまったり、洗浄ボールが排水口部位に一度に集まる場合、円滑な排水を妨害する問題がある。1回の洗濯機の洗浄だけでは所望の洗浄効果を期待することができないので、複数回の洗浄を遂行しなければならない時、上記のように洗浄ボールが外部に排出してしまえば、毎回の洗浄過程で洗浄ボールを洗濯機の内に補充しなければならない面倒さがある。また、洗浄ボールにより円滑な排水が妨害されれば、それ位洗浄時間が長くなり、洗浄された汚染物質が正しく排出されない状態で次のステップの給水がなされるので、洗浄効率が低減する原因となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】大韓民国特許公開第2009−0023804号公報
【特許文献2】大韓民国特許公開第2007−0088212号公報
【特許文献3】大韓民国特許第0698304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、人為的な洗浄構造物を設置しない、かつ無動力で洗濯機の内部を効果的に洗浄することができる洗浄手段を提供することにある。
【0019】
本発明の実施形態が解決しようとする他の課題は、洗濯機の内部に投入及び回収を容易にすることができる構造の洗浄手段を提供することにある。
【0020】
本発明の実施形態が解決しようとする他の課題は、洗濯機の内部の洗浄を効果的に遂行するために、物理的特性を異にする洗浄手段をセットで提供することにある。
【0021】
本発明が解決しようとする他の課題は、電気場誘導を用いて貯水槽の内壁を効果的に洗浄したり、貯水槽の人工浮遊体にモーションを与えるための永久磁石の誘導手段を提供することにある。
【0022】
本発明が解決しようとする他の課題は、排水過程で洗浄ボールが洗濯機の外部に排出しないようにする排水口蓋を提供することにある。
【0023】
本発明が解決しようとする他の課題は、上記排水口蓋部位に洗浄ボールと多数の異質物が集中されても排水が円滑になされるようにする排水口蓋構造を提供することにある。
【0024】
本発明が解決しようとする更に他の課題は、給水過程で排水口蓋部位に集中している洗浄ボールが給水過程で容易に上記排水口部位を抜け出ることができるようにする補助手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記の課題を達成するために本発明は、洗濯用水の流れに便乗するように所定の浮力を維持する胴体、及び上記胴体の外部に取り付けられ、洗濯槽及び貯水槽を摩擦して汚物を除去する複数の洗浄突起を含む洗濯機洗浄ボールを一実施形態として提案する。
【0026】
本発明は、上記の課題を達成するために、洗濯用水の流れに便乗するように洗濯用水の比重より大きい第1比重を維持する第1胴体と、上記第1胴体の外部に付着される複数の第1洗浄突起を含む第1洗浄ボール及び洗濯用水の比重より大きく、上記第1比重とは相異する第2比重を維持する第2胴体と、上記第2胴体の外部に付着される複数の洗浄突起を含む第2洗浄ボールが共に提供される洗濯機洗浄ボールセットを他の一実施形態として提案する。
【0027】
本発明は、上記の課題を達成するために、貯水槽の内に位置した永久磁石内蔵浮遊体の誘導装置を他の一実施形態として提案する。上記誘導装置は、上記貯水槽の外面に取り付けられる複数のコイル巻線、及び上記コイル巻線に予め定まったパターンのパルス信号を印加して、上記貯水槽の内に上記浮遊体を誘導するための電気場を形成するパターン形成回路を含んでなされる。
【0028】
上記の課題を解決するために本発明は、凸半球形状の主胴体20と、上記主胴体20を洗濯機の排水口に取り付けるための固定胴体30とを含んでなり、上記主胴体20には第1直径の円形排水ホールと濾し部材型の排水ホールが各々複数に形成されていることを特徴とする排水口蓋を一実施形態として提案する。
【0029】
また、本発明は上記の課題を解決するために、四角形の引出し形状に形成される濾し枠40と、上記濾し枠40を洗濯機の排水口の位置に固定収納する収納胴体50とを含んでなり、上記濾し枠40の内側には所定の角度に傾いた濾し部材41が互いに対向するように一対に形成されることを特徴とする排水口蓋を他の実施形態として提案する。
【0030】
ここで、上記2番目の実施形態の排水口蓋は、その内部にソレノイドコイル61を内蔵するフレーム62と、上記フレーム62を洗濯機の所定の位置に固定するためのブラケット部63を含む磁性体誘導手段60をさらに含むことができ、上記磁性体誘導手段60は、上記収納胴体50の上部と所定の距離に離隔して設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0031】
本発明の洗浄ボールによれば、洗濯機を分解しなくても、貯水槽、洗濯槽、パルセータなどを洗浄することができるので、洗濯機の内部で寄生する黴や細菌などから洗濯物が汚染されることを防止することができる。即ち、本発明の洗浄ボールは、洗濯用水の回転水流によって自ら移動しながら洗濯機の内部を清掃するので、別途の駆動エネルギーや洗浄用水を要求しない親環境的で、かつ経済的な洗浄手段に分類される。また、小さいサイズのボール、またはこれと類似の形態に具現されるので、洗濯槽と貯水槽との間の狭い空間を自由に移動しながら洗浄可能である。特に、上記空間の下段部位で“字に折れた内側部分まで自由に通ることができるので、従来の直線型洗浄ブラシとしては届き難い部分まで洗浄可能である。
【0032】
本発明の他の実施形態によれば、永久磁石を内蔵した洗浄ボールと永久磁石誘導装置を用いて人の手が届かない所でも効果的に洗浄することができる。
【0033】
本発明の他の実施形態によれば、洗濯機の排水口に洗浄ボールが排出される可能性がないので、多数回の洗浄過程を繰り返しても毎回面倒に洗浄ボールを補充し入れる必要がない。また、洗浄ボールと多数の異質物が排水口附近に集中されても、実施形態の排水口蓋構造によって最大限の排水空間が確保できるので、迅速な排水がなされることができる。また、排水口の周辺に集まっていた洗浄ボールが排水口を円滑に抜け出ることができるように補助することで、次のステップの洗浄が効果的に遂行できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に従う洗浄ボールの洗浄原理を示す図である。
【図2】本発明に従う洗浄ボールの洗浄原理を示す図である。
【図3】本発明の各実施形態に従う洗浄ボールの構造を説明するための切欠図である。
【図4】本発明の各実施形態に従う洗浄ボールの構造を説明するための切欠図である。
【図5】本発明の各実施形態に従う洗浄ボールの構造を説明するための切欠図である。
【図6】本発明の各実施形態に従う洗浄ボールの構造を説明するための切欠図である。
【図7】本発明の各実施形態に従う洗浄ボールの構造を説明するための切欠図である。
【図8】錘によって3種類の洗浄ボールが提供される場合において、洗浄動作を示す図である。
【図9】本発明の洗浄ボールに対する他の実施形態を示す図である。
【図10】本発明の洗浄ボールに対する他の実施形態を示す図である。
【図11】本発明の洗浄ボールに対する他の種類の洗浄動作を示す図である。
【図12】複数のコイル巻線が取り付けられた貯水槽の例を多様に提示した図である。
【図13】複数のコイル巻線が取り付けられた貯水槽の例を多様に提示した図である。
【図14】複数のコイル巻線が取り付けられた貯水槽の例を多様に提示した図である。
【図15】パターン形成回路の一例を示す図である。
【図16】上記T1及びT2に従う信号パターンを簡略に示す図である。
【図17】T3及びT4のサイズで生成された信号の波形を概略的に示す図である。
【図18】図16の信号パターンと図17の信号パターンが続けて発生する形態を示す図である。
【図19】洗濯モータが時計方向/時計反回り方向に回転する区間で洗浄ボールの移動形態を示す図である。
【図20】洗濯モータが時計方向/時計反回り方向に回転する区間で洗浄ボールの移動形態を示す図である。
【図21】図15のパターン形成回路における信号発生部の変形例を示す図である。
【図22】パターン形成回路の他の変形例を示す図である。
【図23】パターン形成回路の他の変形例を示す図である。
【図24】パターン形成回路の他の変形例を示す図である。
【図25】パターン形成回路の他の変形例を示す図である。
【図26】マイコン8051により生成されるパルス信号の例を示す図である。
【図27】マイコン8051により生成されるパルス信号の例を示す図である。
【図28】マイコン8051により生成されるパルス信号の例を示す図である。
【図29】実施形態1の排水口蓋に対する一例を示す図である。
【図30】実施形態1の排水口蓋が洗濯機の排水口に取り付けられた形態を示す図である。
【図31】実施形態2の排水口蓋に対する一例を示す図である。
【図32】実施形態2の排水口蓋における濾し枠を別に示す図である。
【図33】実施形態2の排水口蓋における濾し枠の収納原理を示す図である。
【図34】実施形態2の排水口蓋が洗濯機に取り付けられる構造を表現するための側面図である。
【図35】排水口蓋の周囲に係止段が形成された形態を示す図である。
【図36】実施形態3に従う濾し枠の一例を示す図である。
【図37】実施形態3に従う濾し枠の他の一例を示す図である。
【図38】濾し枠の動作原理を説明するための側断面図である。
【図39】濾し枠の動作原理を説明するための側断面図である。
【図40】独立電源体で構成される洗浄ボールの内部構造を簡略に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が添付した図面を参考にして本発明の実施形態を容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は、いろいろな相異する形態に具現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されない。そして、図面では本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分を省略し、明細書の全体に亘って同一な部分に対しては同一な図面符号を使用する。
【0036】
明細書の全体において、ある部分がある構成要素を“含む”とする時、これは特別に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外するものでなく、他の構成要素を更に含むことができることを意味する。
【0037】
明細書の全体において、比重(specific gravity)とは、ある物体の単位重量と純粋な水の温度が4の時の重量である単位重量との比をいう。また、浮力(buoyancy)とは、重力が作用する時、流体の中にある停止物体が流体から受ける重力と反対方向の力をいう。したがって、物体の比重が水の比重である1より小さくなれば、該当物体の浮力は大きくなり、反対に、物体の比重が水の比重である1より大きくなれば、該当物体の浮力は小さくなる。
【0038】
洗濯用水は純粋な水に比べて、各種消毒剤、洗剤、洗濯物の汚染物などが混合されており、常温は通常4より高いので、洗濯用水の比重は1よりは多少小さい値でありうる。したがって、洗濯用水の比重をAとする時、本発明の各実施形態で洗浄ボールの比重はAより予め定まった値だけ大きいBとして設計される。
【0039】
図1は、本発明に従う洗浄ボールの洗浄原理を示す図である。
【0040】
まず、本発明の洗浄ボール100が挿入される一般的な洗濯機10の構造を説明する。
【0041】
図1に示すように、洗濯機10の外形をなすキャビネットの内部空間には洗濯用水を入れるための貯水槽11が設けられ、貯水槽11の内側下段部にはモータと連結されたパルセータ13が備えられて洗濯用水の回転水流を形成し、貯水槽11の内側には洗濯物を入れるための洗濯槽12が回転可能に備えられる。また、洗濯槽12の内側で所定の水流ガイド14がさらに備えられることもある。貯水槽11と洗濯槽12との間、及び洗濯槽12と水流ガイド14との間には、通常、数cm乃至十数cm間隔の空間が形成されており、洗濯槽12と水流ガイド14には多数のホールが形成されているので、洗濯用水が上記ホールを通じて自由に流入または流出されるので、貯水槽11、洗濯槽12、及び水流ガイド14は同一な水位を維持するようになる。
【0042】
以上の洗濯機10の構造において、洗浄ボール100が動作する原理を説明すると、次の通りである。
【0043】
洗浄ボール100は、洗濯機10の貯水槽11と洗濯槽12との間、洗濯槽12と水流ガイド14との間に形成された空間に挿入される。そして、洗濯用水が供給されることによって、洗濯用水の一定水深で浮遊しかけて、パルセータ13の動作により発生する回転水流によってダイナミックに移動しながら貯水槽11、洗濯槽12、及び水流ガイド14の外面に付着されている汚物を摩擦により除去する。
【0044】
一方、洗濯機のパルセータ13は、通常、プラスチック材質を成形して製作されるが、モータの回転力を洗濯用水に伝達して強い回転水流を生成する役割を担当するので、その耐久性が保証されなければならない。したがって、耐久性の強化のために、その下段面に金属材質の補強凹凸13−1がさらに取り付けられるが、これによって、パルセータ13と貯水槽11の底面との間の狭い空間に汚染物質が多量発生することに比べて、これを洗浄することは非常に困難な構造である。図2は、このような洗濯機の内部下段構造を示している。
【0045】
洗浄ボール100は、回転水流によってダイナミックに移動しながらパルセータ13と貯水槽11の底面との間の空間にまで接近する。そして、パルセータ13の強い回転に便乗しながら該当空間に付着されている汚物を摩擦して除去する。
【0046】
仮に、パルセータ13が金属材質で製作されて耐久性が根本的に保証されるならば、上記補強凹凸のような部材は不要になるので、これによって、パルセータ13と貯水槽11の底面との間の空間がより広くなることができる。そのようになれば、洗浄ボール100が該当空間にまでより自由に出入りすることができるので、汚染物質をよりきれいに除去することができる。
【0047】
以上のような汚物洗浄を効果的に遂行するために、洗浄ボール100は適切な浮力を維持しなければならず、浮力をいかなる方式により維持するかに対する多様な実施形態が以下に提示される。
【0048】
(洗浄ボールの実施形態1)
実施形態1は、洗浄ボールの内部が外層と内層とに区分され、内層は浮力維持のための特定材質の部材で具現される場合に関するものである。
【0049】
図3及び図4は、実施形態1に従う洗浄ボールの構造を説明するための切欠図である。
【0050】
図3及び図4に示すように、実施形態1の洗浄ボール100は洗濯用水の一定水深で浮遊するように所定の浮力を維持する胴体110と、胴体110の外部に付着されている複数の洗浄突起120を含んでなり、また、胴体110は洗浄突起が付着される外層111と、外層111の内側に位置しながら洗浄ボール100の比重を水より大きく維持するための内層112とに区分される。
【0051】
外層111は長期使用による外観の変形を防止するために、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂などのプラスチック材質やセラミック材質で具現されることが好ましいか、必ずこれに限定されるものではなく、外層111の耐久性をプラスチックやセラミック水準に保証する如何なる材質でも使用できる。
【0052】
外層111と洗浄突起120は成形射出により一体に生産されることができ、この場合、洗浄突起120は洗濯槽の外部面を傷づけないために、軟性の高い材質で具現されることが好ましいので、外層111やはり軟性材質(例えば、プラスチック材質)で生産されることが好ましい。また、外層111は外観形状維持やその他の目的のために軟性の小さい材質(例えば、セラミック材質)で具現され、ここに軟性の高い洗浄突起120を接合する方式により具現されることもできる。
【0053】
一方、図3に示すように、内層112は洗浄ボール100の比重を調節するために特定材質の部材で具現できる。材質毎にその比重が互いに相異するので、洗浄ボール100が予め設計した浮力を維持するように適切な材質の部材を選択する必要がある。内層112の材質に、木材、プラスチック、金属などの固体を使用したり、水や水と他の物質との混合物(例えば、塩水、ソーダ水など)などの液体を使用することができる。
【0054】
内層112の他の例として、図4に示すように、洗濯用水を吸水して洗浄ボール100の比重を調節するために、スポンジ、メモリフォームなどの多孔部材が使用できる。
【0055】
内層112に多孔部材が使われる場合、洗濯用水が外層111を通じて内層112に自由に流入または流出できるように、外層111には複数の穿孔が形成される。
【0056】
多孔部材の例としてスポンジを挙げれば、貯水槽11に洗濯用水が供給される前までは内層112のスポンジは空気のみを含んでいるので、洗浄ボール100の比重はAより小さいC値である。したがって、貯水槽11に洗濯用水が供給され始める初期時点には高い浮力によって洗浄ボール100は洗濯用水の水面の上に浮かぶようになる。
【0057】
しかしながら、徐々にスポンジが洗濯用水を吸水するにつれて、洗浄ボール100の比重は徐々にBに接近するようになり、洗濯用水が貯水槽11の満水位に至る時には、洗浄ボール100の浮力は比重Bに相応する程度に減少しながら水面の下の所定の水深で浮遊するようになる。
【0058】
以後、洗濯機のパルセータ13の動作により洗濯用水に回転水流が発生すれば、洗浄ボール100は回転水流によってダイナミックに移動しながら洗浄ボール100の洗浄突起120で貯水槽11及び洗濯槽12を摩擦することによって、あちこちに付いている汚物を除去する。
【0059】
(洗浄ボールの実施形態2)
実施形態2は、洗浄ボールの内部が外層と内層とに区分され、内層は浮力維持のための特定材質の部材で具現され、内層の中心には洗浄ボールの浮力を調整するための錘がさらに備えられる場合に関するものである。
【0060】
実施形態2は、原資材確保の容易性または原資材の費用を考慮する時、内層の多孔部材に使用する原資材の種類が制限的な場合などにおいて、該当原資材の多孔部材によって予め設計された程度の浮力を合せることができなくて、これを錘で補正したり、錘の有無または重さの種類によって多様な程度の浮力を持つ洗浄ボールをセット商品として提供することに活用できる。
【0061】
図5は、実施形態2に従う洗浄ボールの構造を説明するための切欠図である。
【0062】
図5に示すように、実施形態2の洗浄ボール200は、洗濯用水の一定水深で浮遊するように所定の浮力を維持する胴体210と、胴体210の外部で付着されている複数の洗浄突起220を含んでなり、また胴体210は洗浄突起が付着される外層211と、外層211の内側に位置しながら洗浄ボール200の比重を水より大きく維持するための内層212とに区分される。そして、内層212の中心には洗浄ボール200の浮力を調整するための錘213がさらに備えられる。
【0063】
胴体の外層211及び内層212に対する構成は、実施形態1の外層111及び内層112と同一であり、ここでは錘213についてさらに説明する。
【0064】
錘213の重さは、内層212が洗濯用水を最大に吸水した時を考慮して洗浄ボール200の比重が予め設計された値にマッチングされるように設定される。この際、予め設計された比重値は1つ、または2つ以上の複数個でありうる。洗浄ボール200の比重を複数の値に設計するためには、錘213の種類も該当個数だけ多様に備えられなければならない。
【0065】
錘213は、洗浄ボール200の比重を調節する役割を担当すればよく、その材質や形状には別途の制限がない。したがって、錘213に金属やセラミックなどの固体材質が使われることもあり、液状の材質も使用可能である。
【0066】
(洗浄ボールの実施形態3)
実施形態3は洗浄ボールの内部が外層と内層とに区分され、内層は浮力維持及び洗浄ボールの回収のためのマグネチック材質の部材で具現される場合に関するものである。仮に、内層の材質がマグネチックでなければ、内層の中心にさらに備えられる重心錘の材質がマグネチックで具現できる。
【0067】
実施形態3は、洗浄ボールの洗浄動作により洗濯物が汚物に汚染される可能性を排除するために、洗濯物無しで洗浄ボールのみを投入して洗濯槽及び貯水槽を洗浄する場合において、洗浄後に洗浄ボールをまた回収するための方案として、洗浄ボールの内層または重心錘をマグネチック材質の部材で形成し、一側にマグネチック材質または鉄鋼素材の回収部が備えられた洗浄ボール回収棒を用いて洗浄ボールを取り出すことに活用できる。
【0068】
図6は、実施形態3に従う洗浄ボールの構造を説明するための切欠図である。
【0069】
図6に示すように、実施形態3の洗浄ボール300は、洗濯用水の一定水深で浮遊するように所定の浮力を維持する胴体310と、胴体310の外部に付着されている複数の洗浄突起320を含んでなり、また胴体310は洗浄突起が付着される外層311と、外層311の内側に位置しながら洗浄ボール300の比重を水より大きく維持するための内層312とに区分される。
【0070】
胴体310の外層311及び内層312に対する構成は、実施形態1の外層111及び内層112と同一である。但し、内層312は洗浄ボール300の浮力を維持する役割の他に、その材質にマグネチックを採択することによって、洗濯機から回収時、回収棒350により容易に回収できるようにする。内層312の浮力維持役割については実施形態1及び実施形態2で前述した通りである。
【0071】
また、内層312の中心にはマグネチック材質の重心錘313がさらに備えられる。重心錘313は洗浄ボール300を洗濯機から回収する時、回収棒350により容易に回収できるように助ける役割を担当する一方、洗浄ボール300の浮力を調整する役割も共に担当することができる。重心錘313の浮力調整役割については実施形態2の錘213に対する説明に取り替えることができる。
【0072】
(洗浄ボールの実施形態4)
実施形態4は、単純に胴体と洗浄突起のみで構成される洗浄ボールに関するものである。胴体の材質または胴体と洗浄突起の材質で洗浄ボールの浮力を予め設計した程度に維持できる材質を使用することによって、洗浄ボールの製作過程を単純化させることができる。
【0073】
図7は、実施形態4に従う洗浄ボールの構造を説明するための切欠図である。
【0074】
図7に示すように、実施形態4の洗浄ボール400は、洗濯用水の一定水深で浮遊するように所定の浮力を維持する胴体410と、胴体410の外部に付着されている複数の洗浄突起420とを含んでなる。
【0075】
胴体410及び洗浄突起420の説明は、実施形態1の胴体110及び洗浄突起120で説明した内容と同一であり、単に胴体の材質または胴体と洗浄突起の材質で洗浄ボールの浮力を予め設計した程度に維持できる材質が使われなければならないという点に一部の差がある。
【0076】
(洗浄ボールの実施形態5)
実施形態5は、1つの洗濯機に複数の洗浄ボールを投入し、かつ複数の洗浄ボールを浮力のサイズによって2つ以上のグループに区分して投入する場合に関するものである。
【0077】
このために、実施形態1の洗浄ボール100は、内層112の材質を互いに異にすることによって、浮力によって2つ以上のグループに区分される洗浄ボール100を提供することができ、実施形態2の洗浄ボール200は、内層212及び/又は錘213の材質を互いに異にすることによって、浮力によって2つ以上のグループに区分される洗浄ボール100を提供することができる。また、実施形態3の洗浄ボール300は、内層312及び/又は重心錘313の材質を互いに異にすることができ、実施形態4の洗浄ボール400は、胴体410及び/又は洗浄突起420の材質を互いに異にすることができる。
【0078】
ここで、実施形態2で、錘213の材質を多様化することによって、洗浄ボール200を3個のグループに区分する場合を実施形態5の代表的な例として活用して説明する。これは実施形態2だけでなく、実施形態1、3、4にも当業者であれば、以下の内容から容易に類推して実施することができる。
【0079】
説明の便宜のために、洗濯用水の比重がAであり、錘のない洗浄ボールaの比重はa(ここで、a>A)、錘mが備えられた洗浄ボールbの比重はb(ここで、b>a>A)、錘nが備えられた洗浄ボールcの比重はc(ここで、c>b>a>A)の場合を例に挙げて説明する。図8は、このように錘によって3種類の洗浄ボールが提供される場合の洗浄動作を図示したものである。
【0080】
洗浄ボールa〜cは、その比重が互いに相異するので、洗濯用水が貯水槽11の満水位まで満ちると、3つの高さの水深で浮遊するようになる。図4の例で、洗浄ボールaは洗濯用水の上層に浮遊し、洗浄ボールbは洗濯用水の中層に浮遊し、洗浄ボールcは洗濯用水の底層に置かれるようになる。
【0081】
この状態で洗濯機のパルセータ13の動作により洗濯用水に回転水流が発生すれば、洗浄ボールa〜cは回転水流によってダイナミックに移動しながら洗浄ボールの洗浄突起220で貯水槽11及び洗濯槽12を摩擦することによって、あちこちに付いている汚物を除去する。ここで、洗浄ボールaは比重aの浮力により区域Iで主に移動して、洗浄ボールbは比重bの浮力により区域IIで主に移動し、洗浄ボールcは比重cの浮力により区域III(または、底近く)のみで主に移動しながら汚物を除去する。
【0082】
これは一律的な浮力の洗浄ボールを使用する場合、洗浄ボールの移動範囲があまり広くて洗浄効率が低下する可能性があるので、これを改善するための変形実施形態と見ることができる。
【0083】
(洗浄ボールの実施形態6)
実施形態6は、洗浄突起にアクリル糸を用いる洗浄ボールに関するものである。図9は、実施形態6の洗浄ボールの例を図示する。
【0084】
実施形態6の洗浄ボール500は、胴体(図示せず)とアクリル糸材質の洗浄突起520とからなる。胴体の構成は、実施形態1乃至実施形態4の洗浄ボールと同一であるので、ここでは洗浄突起520に対してのみ詳述する。
【0085】
アクリル糸とは、アクリル材質で製造された糸を意味する。アクリル糸で洗浄突起520を形成する場合、アクリル糸の坑菌(または、除菌)特性のため、洗濯槽及び貯水槽などに対する優れる洗浄力を提供する。
【0086】
アクリル糸を拡大して見ると、その表面に多数の高分子溝が形成されているので、他材質より油成分を除去する特性が強く表れる。即ち、アクリル糸の高分子溝は毛細管現象と滲透圧の原理により油成分を容易に吸収する。洗濯槽及び貯水槽などに付着された汚物の主要成分は油分の場合が多いので、アクリル糸の洗浄突起520を利用すれば、その洗浄効果が倍加される。
【0087】
実施形態6の洗浄ボール500は、複数のアクリル糸を胴体に所定の接着手段を用いて付着したり、胴体の表皮に縫う方式により付着することができる。
【0088】
(洗浄ボールの実施形態7)
実施形態7は、使い捨て洗浄ボールに関するものである。
【0089】
実施形態1〜6の洗浄ボールにおいて、洗浄突起120、220、320、420、520は、時間が経るにつれて、汚物などとの摩擦により徐々に摩耗されるので、結局には洗浄ボール100、200、300、400、500を取り替えなければならない状況が発生する。
【0090】
実施形態7はこのような点に着眼したものであって、何度かの使用により洗濯用水に溶けてなくなる洗浄ボールを提案する。実施形態7の洗浄ボール(図示せず)は1回の使用により分解されることもあるが、必ずこれに限定されるものではなく、数回または数十回の使用後にようやく分解されることもある。したがって、本明細書で使い捨てということは、必ず1回のみ使われる用途を指し示すものではなく、比較的短い期間内に使われる用途として解釈されるべきである。
【0091】
実施形態7の洗浄ボールは、片栗粉に繊維質粉末(一例として、澱粉)、ゼラチン、研磨剤のうち、少なくとも1つを混合して造成することができる。これによって、実施形態7の洗浄ボールは軟性を持つようになり、貯水槽11と洗濯槽12の外壁に損傷を与えず、かつ外壁の汚物を研磨及び洗浄する。そして、数回または数十回位の洗浄を遂行しながら徐々に洗濯用水に溶けて消滅する。
【0092】
片栗粉に澱粉などの繊維質粉末、ゼラチン、及び研磨剤のうち、少なくとも1つを追加した後、水と共に練る。練られた混合物に一次に高温の蒸気蒸しを遂行し、予め製作された型枠を用いて圧搾成形を加える。型枠の内側には洗浄ボールの胴体と洗浄突起部分が予め空いている空間で形成されている。以後、圧搾成形された混合物に2次に高温の蒸気蒸しを遂行した後、徐々に冷却して硬化させる。硬化された混合物を乾燥させれば、実施形態7の洗浄ボールが生成される。実施形態7の洗浄ボールは胴体と洗浄突起が一度に形成され、洗浄突起の付着過程は別に存在しない。
【0093】
一方、以上の実施形態1〜7において、洗浄ボール100、200、300、400、500の胴体110、210、310、410、510は、具体の形状で具現された場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、四面体、六面体、八面体など、如何なる多面体形状で具現されても関係ない。
【0094】
また、実施形態1〜7において、洗浄ボールの洗浄突起120、220、320、420、520は、円錐形状で具現された場合を例として説明したが、これに限定されるものではなく、図10に示すように、ブラシ形状で具現されることもできる。
【0095】
併せて、実施形態1〜7は一般型の洗濯機構造で、洗浄ボール100、200、300、400、500が動作する例を挙げたが、図11に示すように、ドラム型の洗濯機構造でも同一に適用されることができ、その他にも洗濯槽が別途に備えられ、洗濯槽と貯水槽との間に空間が維持される構造の洗濯機であれば、どんなものにも本発明の洗浄ボール100、200、300、400、500を適用することができる。
【0096】
(洗浄ボール誘導装置のコイル巻線取付例)
図12乃至図14は、複数のコイル巻線が取り付けられた貯水槽の例を多様に提示する。
【0097】
貯水槽11には複数のコイル巻線C20を固定するための巻線支持部が少なくても1つ形成または取付される。
【0098】
図12の例において、巻線支持部は2つの支持軸14aと1つの巻線軸14bとが互いに連結された形状で具現できる。また、コイル巻線C20は相当な体積を占めるので、巻線支持部が取り付けられる貯水槽11の部位11aは一定部分内側に凹まれるように設計されることが好ましい。各コイル巻線C20のコイル端部は各々パターン形成回路に連結される。
【0099】
図13の例は、巻線支持部(図2に図示せず)を別途に図示せず、コイル巻線C20が巻かれた形状のみを図示する。図13によれば、巻線支持部は1つの支持軸(図13に図示せず)と1つの巻線軸(図13に図示せず)とが互いに連結された形状で具現できる。
【0100】
図14の例は、2つの支持軸14aと1つの巻線軸14bとがダンベル形状に互いに連結された巻線支持部が1つのコイル巻線C20のセット当たり4個ずつ備えられる場合を図示する。1つのコイル巻線C20のセットは、左側のAグループと右側のBグループとに区分され、AグループとBグループは、各々コイル巻線C20の巻取方向が互いに異なるように構成される。また、図14の例において、貯水槽11には総4個のコイル巻線C20のセットが取り付けられるが、隣り合うコイル巻線C20のセットの間に対向するグループのコイル巻線C20やはりその巻取方向が互いに異なるように構成される。
【0101】
図12乃至図14の貯水槽は、洗濯機の貯水槽、貯水タンク、電子金魚鉢などに具体化できる。理解を助けるために、以下では洗濯機の貯水槽を例に挙げて説明する。洗濯機の貯水槽と洗濯槽との間には永久磁石を内蔵した浮遊体として胴体の外面に洗浄突起が付着された洗浄ボールが一定の水深に浮遊していると仮定する。
【0102】
(洗浄ボール誘導装置に含まれるパターン形成回路の構成)
次に、図12乃至図14のコイル巻線C20に一定パターンの信号を印加して上記洗浄ボールを誘導するための電気場を形成するパターン形成回路を詳細に説明する。
【0103】
図15は、パターン形成回路C200の一例を図示したものである。
【0104】
パターン形成回路C200は、コイル巻線C20の両端部に連結される。図15で青色で表示された部分20_1は図12のコイル巻線C20の例を特に図示しているが、これに限定されるものではなく、上記表示部分20_1を図13及び図14のコイル巻線C20に取り替えて構成することができることは自明である。
【0105】
パターン形成回路C200は、予め定まった周期またはパルセータ13(または、洗濯モータ)の回転方向によって決まる周期により所定の信号パターンを生成し、コイル巻線C20の両端部に上記信号パターンに従うH信号及びL信号を交互に印加する。以下、図15を参考にしてパターン形成回路C200の具体的な動作を詳細に説明する。
【0106】
図15で、Q4のB(base)に洗濯モータの動作信号(時計方向の回転のための)が入ってくれば、リレー(RELAY)がオン(ON)されながらパターン形成回路C200に電源が印加される。
【0107】
パターン形成回路C200のトランジスタQ1Bに初期信号(洗濯モータの時計方向回転信号)が印加されれば、信号発生部C210にC1R1R2のインピーダンスが形成され、それによって、信号発生部C210に含まれたパルス生成器NE555の3番端子でH(High)信号が生成される。図15の例で、H信号はT1の長さで発生する。
T1=C1R1R2
【0108】
H信号が発生すれば、フォトカプラーIC3の2番端子に信号が印加されてトランジスタQ3が駆動され、それによって、コイル巻線C20に電流が流れる。コイル巻線C20に電流が流れれば、フレミングの左手の法則によってコイル巻線C20の周囲に電気場が発生し、上記洗浄ボールは内蔵された永久磁石により時計方向に自転して上記電気場に整列される一方、洗濯モータの回転方向(即ち、時計方向)に公転を併行する。
【0109】
次に、T1の時間が経過すれば、パルス生成器NE555の3番端子で時計反回り方向の回転のためのL(Low)信号(パルス)が生成される。この際、回路にはC1(R1+R2)(R3+R4)のインピーダンスが形成され、上記L信号はT2長さで発生する。
T2=C1(R1+R2)(R3+R4)
【0110】
L信号が発生すれば、IC3は駆動を止めて、代わりにフォトカプラIC2及びQ2が駆動されながらコイル巻線C20に反対方向の電流が流れる。したがって、フレミングの左手の法則によって反対方向の電気場が発生し、上記洗浄ボールは時計反回り方向に自転して上記変更された電気場に整列される一方、洗濯モータの回転方向と反対方向(即ち、時計反回り方向)に公転を併行する。
【0111】
図16は、上記T1及びT2に従う信号パターンを簡略に図示したものである。
【0112】
図16に示すように、図15のパターン形成回路C200で、T1の長さとT2の長さに差が発生するように設計したので、洗濯モータが時計方向に一定時間回転する時、上記回転時間の間のT1の和はT2の和より小さくなる。したがって、図16の単位信号パターンによれば、上記洗浄ボールは時計方向の自転と時計反回り方向の自転と公転を繰り返すが、時計反回り方向の自転時間がより長いので、結果的には時計反回り方向に自転と公転を併行するようになる。
一方、Q1Bに洗濯モータの時計反回り方向の回転信号が印加されれば、R2は無視される。したがって、パルス生成回路にはC1R1のインピーダンスに従うT3長さのH信号と、C1R1(R3+R4)のインピーダンスに従うT4長さのL信号が発生する。
T3=C1R1
T4=C1R1(R3+R4)
【0113】
図17は、T3及びT4のサイズで生成された信号の波形を概略的に図示したものである。図17に示すように、T3及びT4はT1及びT2の周期パターンとほぼ相反したパターンを形成するので、前述した動作原理によって上記洗浄ボールは以前と反対の方向に自転及び公転を遂行する。
【0114】
洗濯が進行されるにつれて、洗濯モータは時計方向及び時計反回り方向の回転を交互に遂行するので、結果的にパターン形成回路C200を通じて生成される信号のパターンは図18の通りである。即ち、図18は信号パターンと図17の信号パターンが引き続き発生する形態を図示したものである。
【0115】
図19は図18で洗濯モータが時計方向に回転する区間Aの洗浄ボール移動形態を図示したものであり、図20は図18で洗濯モータが時計反回り方向に回転する区間Bの洗浄ボール移動形態を図示したものである。
【0116】
図19で、洗濯モータが時計方向に回転するように電源が印加されれば、パターン形成回路C200はコイル巻線C20にT1長さのH信号とT2長さのL信号で構成されたパターン信号を印加する。図18に示すように、区間AでT2がT1より大きいので、コイル巻線C20の間にはT2−T1の長さだけT2による電気場が優勢に形成され、結果的に、洗浄ボール100はT2の電気場に整列される方向(即ち、時計方向)に自転と公転を併行しながら動く。
【0117】
図20で、洗濯モータが時計反回り方向に回転するように電源が印加されれば、パターン形成回路C200は、コイル巻線C20にT3長さのH信号とT4長さのL信号で構成されたパターン信号を印加する。図18に示すように、区間BでT3がT4より大きいので、コイル巻線C20の間にはT3−T4の長さだけT3による電気場が優勢に形成され、結果的に洗浄ボール100はT3の電気場に整列される方向(即ち、時計反回り方向)に自転と公転を併行しながら動く。
【0118】
(パターン形成回路の変形例)
図21は図15のパターン形成回路C200における信号発生部C210の変形例を図示したものであり、全般的な動作原理は図15での説明と同一である。
【0119】
図22はパターン形成回路C200の他の変形例であって、1つの電源で洗濯モータとパターン形成回路を同時に駆動するための回路を図示する。図22のパターン形成回路は、洗濯機などのように大出力を要する機器には適合でないが、洗浄ボール100の代わりに永久磁石を内蔵した人工魚(図示せず)とコイル巻線が取り付けられた電子金魚鉢(図示せず)のセットなどのように小出力だけで充分なシステムには有用に使用できる。電源が1つ印加される点を除いては、パターン信号を生成する原理は同一であるので、重複する説明は省略する。
【0120】
図23はパターン形成回路C200の更に他の変形例であって、正常状態リレー(solid state relay)を使用した大出力モータ駆動回路と、それに含まれるパターン形成回路を共に図示したものである。図23のパターン形成回路は、食器洗浄器などの強力な出力を要するシステムに使用できる。これもまた正常状態リレーが追加される点を除いては、パターン信号を生成する原理は同一であるので、重複する説明は省略する。
【0121】
図24はパターン形成回路C200の更に他の変形例であって、PNP型トランジスタとNPN型トランジスタとを組み合わせたダーリントン回路により高出力を得るためのモータ駆動回路と、それに含まれるパターン形成回路を共に図示したものである。これもまたダーリントン回路が追加される点を除いては、パターン信号を生成する原理は同一であるので、重複する説明は省略する。
【0122】
図25はパターン形成回路C200の更に他の変形例であって、図15のパターン形成回路C200で、制御部7805をより複雑な機能を遂行するマイコン8051に取り替えた例を図示する。上記マイコン8051を用いてパルス信号の位相及び/又は振幅を多様に変形することによって、洗浄ボール100の移動方向及び移動速度を調節することができる。これは結局、洗浄ボール100の洗浄力をより精密に調節することができることを意味する。
【0123】
図26乃至図28は、マイコン8051により生成されるパルス信号の例を図示する。
【0124】
図26は、マイコン8051の制御により生成される通常のパルス信号である。図26のパルス信号により前述した図18と同一または類似の信号パターンが生成される。図27及び図28は、図26のパルス信号で位相及び/又は振幅を変調したものである。このような位相変調及び/又は振幅変調を通じて洗浄ボール100を貯水槽11の底へ移動させたり、楕円軌跡を描くようにしたり、洗濯槽13に密着して移動するようにしたりして、その動きを制御することができる。
【0125】
一方、以上では貯水槽11の外壁に複数のコイル巻線C20が配置され、洗浄ボールに永久磁石が内蔵される実施形態について説明したが、反対に、洗浄ボールにコイル巻線が内蔵され、貯水槽11の外壁に永久磁石が配置されるように変形することもできる。この場合、洗浄ボールはコイル巻線とパターン形成回路及び電源を内蔵する独立電源体で構成される。図40は、独立電源体で構成される洗浄ボールの内部構造を簡略に図示したものである。図40に示すように、洗浄ボールはコイル巻線に該当する磁気コアと、パターン形成回路に該当する制御回路板と、バッテリーなどの電源に該当する独立電源を含んでなされる。洗浄ボールの内のパターン形成回路から出力されるパルス信号と外部の永久磁石により洗浄ボールの自由運動が誘導される。
【0126】
(排水口蓋の実施形態1)
実施形態1のベルヌイ原理を適用した排水口蓋に関するものである。
【0127】
実施形態1で、“洗浄ボール”とは、関連技術1(大韓民国実用新案登録出願第20−2010−0001434号)、または関連技術2(大韓民国特許出願第10−2010−0009467号)に説示された洗浄ボールを指し示す。
【0128】
図29は、実施形態1の排水口蓋に対する一例を図示する。
【0129】
実施形態1の排水口蓋は、サイズ及び形状が相異する複数の排水ホールグループを含んで具現できる。各排水ホールグループは同一な形状の排水ホールを複数個含む。図29の例で、排水口蓋は凸半球形状の主胴体20と、主胴体20を洗濯機の排水口に安定的に取り付けるための固定胴体30とを含んでなる。ここで、固定胴体30は水平円形台形状の板部31と垂直円形台形状の排水口取付部32とを含んでなる。
【0130】
主胴体20には大きい円形の多孔からなる第1排水ホールグループと、濾し部材型の多孔からなる第2排水ホールグループが形成されており、固定胴体30の板部31には小さい円形の多孔からなる第3排水ホールグループが形成される。ここで、第3排水ホールグループは選択的に形成できるオプション事項である。
【0131】
固定胴体30において、排水口取付部32の側面には排水口蓋を洗濯機の排水口に挿入した後に固定するための固定溝33が形成され、この場合、洗濯機の排水口の内側には上記固定溝33に結合される係止突起(図示せず)が形成される。
【0132】
第1排水ホールグループに属する各排水ホールを第1排水ホールとし、第2排水ホールグループに属する各排水ホールを第2排水ホールとし、第3排水ホールグループに属する各排水ホールを第3排水ホールとする時、第1排水ホールの面積が一番大きく、第2排水ホールの面積がその次に大きく、第3排水ホールの面積が最も小さい。これは、ベルヌイ整理(Bernoulli equation)を適用した結果であって、広い面積の排水ホールには洗浄ボールが少なく集中され、相対的に小さな面積の排水ホールには洗浄ボールがたくさん集中されるので、排水口の急激な塞がり現象が緩和される。
【0133】
即ち、ベルヌイ整理によれば、流体の速力が増加すれば、流体の内部の圧力が低くなり、反対に、速力が減少すれば、内部の圧力が高まるが、大きい穴の第1排水ホールでは洗浄用水の内部圧力が低く、小さな穴の第3排水ホールでは洗浄用水の内部圧力が高いので、排水口の周囲の洗浄用水は第1排水ホール側よりは第2排水ホール側に流れるようになり、仮に第3排水ホールが形成されてあれば、第1排水ホールまたは第2排水ホール側よりは第3排水ホール側に流れるようになる。したがって、多くの洗浄ボールも洗浄用水の流れに便乗して第3排水ホール側に集まるので、第1排水ホール及び第2排水ホールは洗浄ボールの妨害を受けないようになって、排水が円滑になされる。
【0134】
一方、実施形態1の排水口蓋の直径は洗濯機の排水口の直径より所定のサイズ位大きく設計されることが好ましく、少なくとも2倍に余るように設計されることがより好ましい。なぜならば、排水口蓋に洗浄ボールがくっつく時、一部の排水ホールが遮られても、その他に充分の排水流入空間を確保しなければならないためである。
【0135】
また、図29では凸形状の主胴体20を有する排水口蓋に対して図示したが、凹形状の主胴体20を有する排水口蓋やはり本発明の変形実施形態として使用できる。
【0136】
図30は、実施形態1の排水口蓋が洗濯機の排水口に取り付けられた形態を図示したものである。図30に示すように、洗濯機貯水槽の中心には洗濯機モータ(または、排水モータ)が取り付けられ、その周囲の所定の位置に実施形態1の排水口蓋が取り付けられる。
【0137】
(排水口蓋の実施形態2)
実施形態2は、濾し部材対を具備する排水口蓋に関するものである。
【0138】
以下の実施形態において、“洗浄ボール”とは、特に関連技術2(大韓民国特許出願第10−2010−0009467号)に説示された洗浄ボールを指し示す。
【0139】
図31は、実施形態2の排水口蓋に対する一例を図示する。
【0140】
図31に示すように、実施形態2の排水口蓋は洗浄ボールを濾すための所定の濾し部材を具備する濾し枠40と、濾し枠40を収納して洗濯機の排水口の位置に固定する収納胴体50とを含んでなる。
【0141】
図32は、理解を助けるために、濾し枠40を別に図示したものである。
【0142】
濾し枠40は、上向き面と下向き面が開放された四角箱の形状に形成されたり、図32の例のように、四角引出し形状に形成される。四角引出し形状に形成される場合、引出しの取っ手部に該当する側面には濾し枠40を収納胴体50にピースで固定するための固定具42が少なくても1つ備えられる。
【0143】
一方、上記のような構造の濾し枠40によれば、髪の毛や糸のように、細くて長い異質物の円滑な排出を誘導できるようになる。通常、異質物の濾過のための格子型の濾し網の場合、濾し目が交差する地点に細くて長い異質物が縺れるようになり、これは時間が経るにつれて増加するので、円滑な排水を難しくする原因となる。一方、本発明の濾し枠40には所定の角度に傾いた櫛(comb)形状の2つの濾し部材41が対向するように形成され、2つの濾し部材41の間には離隔隙間が形成されているので、仮に濾し目に髪の毛や糸が縺れる場合にも濾し目が有する傾きと排水によって髪の毛や糸が濾し目に沿って滑り降りて、髪の毛や糸による排水口の塞がりを防止することができる。
【0144】
また、上記濾し部材41は濾し目の縁が1つの閉曲線により形成された構造であるので、細くて長い異質物の円滑な排出を誘導できる一方、格子型の濾し網の場合、多数個の頂点を具備するので、細くて長い異質物が容易に縺れる問題点を有している。
【0145】
一方、2つの濾し部材41の間に形成される離隔隙間は小銭やボタンなどが抜け出ることができるように充分の距離を有するようにすることが好ましい。
【0146】
収納胴体50はその一側面に濾し枠40を収納するための収納溝(図示せず)が形成されており、上位面には洗浄用水を受け入れるために排水入口51が形成されている。図31は四角形に形成される排水入口51を例示しているが、必ずこれに限定されるものではなく、四角形の以外の多角形または円形に形成されることもできる。そして、下位面には収納胴体50を洗濯機の排水口に結合固定するためにパイプ形状に突出する排水出口52が形成されている。排水出口52が洗濯機の排水口の内側に挿入される方式により結合される場合、排水出口52の直径は洗濯機の排水口の直径より小さく設計されることが好ましい。
【0147】
時間が経るにつれて、濾し枠40にいろいるな洗濯異質物が累積されて排水効率が低くなれば、濾し枠40を収納胴体50から離脱させて異質物を除去した後にまた収納することができるので、維持費が少なくかかり、管理が容易な特徴がある。図33は、濾し枠40が収納胴体50に収納される形態を分かりやすく表現したものである。
【0148】
一方、洗浄用水の排水過程で多数の洗浄ボールは排水口蓋の収納胴体50と濾し枠40との間の空間に集まるようになる。この場合、図31に示すように、上記空間は陥没型に形成されるので、人為的に洗浄ボールを取り出さなければ給水が進行されても洗浄ボールが上記空間から自然に抜け出ることができないという短所がある。
【0149】
このような問題を解決するために、実施形態2の排水口蓋は、収納胴体50の上段に位置しながらソレノイドコイルを用いて洗浄ボールを上記空間から取り出す磁性体誘導手段60をさらに具備することができる。関連技術2の洗浄ボールは、その中心に磁性体(一例として、永久磁石)を内蔵しているので、ソレノイドコイルにより形成される電磁気場に引っ張られて収納胴体50から抜け出るようになる。
【0150】
磁性体誘導手段60は洗浄ボールが容易に収納胴体50から抜け出ることができる程度の充分の距離を維持しながら収納胴体50の上向き部に位置する。磁性体誘導手段60は、その内部に、ソレノイドコイル61を内蔵するフレーム62と、フレーム62を洗濯機の所定位置(例えば、洗濯機の貯水槽の底板、洗濯機の排水モータ部の一端等)に固定するためのブラケット部63を含んでなる。フレーム62とブラケット部63とは一体型に形成できる。
【0151】
図34は、実施形態2の排水口蓋が洗濯機に取り付けられる構造を表現するための側面図である。
【0152】
図34の例で、収納胴体50は貯水槽の底板の下部に取り付けられ、磁性体誘導手段60は収納胴体50から所定の距離だけ離隔したままに貯水槽の底板に固定取付されていることを確認することができる。
【0153】
ソレノイドコイル61は、排水過程のみで動作することがエネルギー低減次元で必要であるので、ソレノイドコイル61が洗濯機排水モータの駆動部(図示せず)と連動するように設計することが好ましい。
【0154】
また、ソレノイドコイル61に駆動電圧が印加される時、洗浄ボールが収納胴体50を抜け出ることができる程度のみに浮揚されるように、適切なサイズの電磁気場が形成される必要がある。このために、適切なサイズの電磁気場が形成できるように、ソレノイドコイル61の巻取回数(または、細かく巻かれた程度)を調節して具現したり、別途の駆動電圧降下(または、昇圧)回路を磁性体誘導手段60にさらに含めることができる。
【0155】
一方、磁性体誘導手段60により排水口蓋の陥没空間に流入した洗浄ボールを取り出す前に、洗浄ボールの上記陥没空間への流入を最大限阻止する必要がある。このために、実施形態2の排水口蓋の周囲には複数の突起板から構成される係止段がさらに形成される。
【0156】
図35は、排水口蓋の周囲に係止段70が形成された形態を図示する。
【0157】
図35に示すように、係止段70は複数の三角板71が一定間隔を維持しながら全体的に4角の形状に排水口蓋を取り囲むように具現される。これは、各三角板71の間の空間に洗浄用水を通過するようにすることによって、係止段70の存在にもかかわらず、排水時間が遅れないようにするためである。また、ベルヌイ原理により洗浄ボールは係止段70を直ちに越えるよりは係止段70の三角板71側に先に誘導されるので、洗浄ボールの陥没空間への流入を一時的に阻止することができる。ここで、上記三角板71は必ず正確な三角形に具現される必要はないし、シャークひれ形状などで具現できる。
【0158】
(排水口蓋の実施形態3)
排水口蓋の実施形態3は、弾性手段により濾し部材の傾斜角が形成される排水口蓋に関するものである。
【0159】
排水口蓋の実施形態2では、濾し枠40の内側に濾し部材41が所定の角度に固定形成されることに比べて、実施形態3の濾し枠4000−1は、平常時に濾し部材4100−1が水平に維持されてから洗浄ボールなどの異質物が到達すれば、その重さにより予め定まった角度だけ瞬間的に傾いて、上記異質物が除去されれば、所定の弾性部材によりまた水平に戻る構造で具現されるという点に差がある。
【0160】
図36は、排水口蓋の実施形態3に従う濾し枠4000−1の一例を図示する。
【0161】
図36の一例によれば、2つの濾し部材4100−1が一対に備えられ、各濾し部材4100−1は胴体4110−1と複数の濾し目4120−1から構成される。そして、胴体4110−1の両側面には濾し部材4100−1を濾し枠4000−1に結合するための結合突起4130−1が形成されるが、これに相応して濾し枠4000−1の内側には濾し部材4100−1の結合突起4130−1と結合するための結合溝4010−1が4個形成される。
【0162】
併せて、図36の濾し枠4000−1は、濾し部材4100−1が平素には水平を維持するように支持し、濾し部材4100−1の上に所定の重さを有する物体が置かれれば、濾し部材4100−1が下に傾くが、上記物体がなくなれば、また水平状態に回復されるように所定の弾性力を濾し部材4100−1に提供する弾性部材(図36に図示せず)をさらに含むことができる。弾性部材の例に、‘A’字型スプリングまたは環状の板スプリングが使われることができ、このために濾し枠4000−1の内側には上記スプリングの一端部が固定される固定溝(図示せず)が形成される。
【0163】
濾し部材4100−1の上に置かれる物体のうちの1つは洗浄ボールでありうる。但し、洗浄ボールの重さによって濾し部材4100−1が傾き、かつ洗浄ボールが排水口蓋を通過しないように設計されなければならない。このために、濾し部材4100−1の胴体4110−1、または濾し部材4100−1の胴体と長手方向に当接する濾し枠4000−1の内側面には濾し部材4100−1が所定の角度で傾斜移動を止めて、これ以上傾かないようにするストッパー4400−1がさらに形成される。このようなストッパー4400−1の形状及び形成位置に制限があるものてはなく、一例として、単純突起型または三角突出型に形成される。
【0164】
図37は実施形態3に従う濾し枠4000−2の他の一例を図示したものであり、図38及び図39は濾し枠4000−2の動作原理を説明するための側断面図である。
【0165】
図37の一例によれば、濾し枠4000−2には1つの濾し部材4100−2が備えられ、各濾し部材4100−2は胴体4110−2と複数の濾し目4120−2から構成される。そして、胴体4110−2の両側面には濾し部材4100−2を濾し枠4000−2に結合するための結合突起4130−2が形成されるが、これに相応して濾し枠4000−2の内側には濾し部材4100−2の結合突起4130−2と結合するための結合溝4010−2が2つ形成される。
【0166】
併せて、図37の濾し枠4000−2は、濾し部材4100−2が平素には水平を維持するように支持し、濾し部材4100−2の上に所定の重さを有する物体が置かれれば、濾し部材4100−2が下に傾くが、上記物体がなくなれば、また水平状態に回復するように所定の弾性力を濾し部材4100−2に提供する弾性部材4140−2をさらに含むことができる。弾性部材4140−2の例に、‘A’字型スプリングまたは環状板スプリングが使われることができ、図38及び図39に示すように、濾し枠4000−2の内側及び濾し部材4100−2の下部側には上記スプリングの一端部が固定されるスプリング掛止段4141が形成される。
【0167】
濾し枠4000−2の内側面には濾し部材4100−2が所定の角度で傾斜移動を止めて、これ以上傾かないようにする下部ストッパー4400−2がさらに形成される。また、濾し枠4000−2の一側上部には濾し部材4100−2の濾し目4120−2がこれ以上弾性部材4140−2により上向きに突出しないように阻止する上部ストッパー4400−3が形成される。下部ストッパー4400−2は傾いた矩形に突出して形成され、上部ストッパー4400−3は濾し枠4000−2の一側の上部両側に板型に形成されることが好ましいが、必ず特定の形状に限定されるものではない。
【0168】
一方、濾し部材4100−1、4100−2に所定の弾性力を加えることができる部材であれば、どんなものでも弾性部材(図36に図示せず、図37の4140−2)に使われることができ、各弾性部材の特性に合うように、これを固定させる固定溝(図36に図示せず、図38及び図39でスプリング掛止段4141)が適切に修正されなければならない。このような固定溝の修正は逆止用排水口蓋の技術分野で多数公開されて、広く使われているので、同技術分野で通常の知識を有する者であれば、容易に設計変更することができる。
【0169】
また、実施形態3で濾し枠4000−1、4000−2を除外した収納胴体50、磁性体誘導手段60、及び係止段70の構成は、排水口蓋の実施形態2と同一である。
【0170】
排水口蓋に関する本発明の実施形態は、図1のような通常の洗濯機の他に、ドラム洗濯機の排水口にも制限無しで使われることができる。
【0171】
以上、本発明の実施形態に対して詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、特許請求範囲で定義する本発明の基本概念を用いて当業者が多様に変形及び改良した形態も本発明の権利範囲に属する。
【産業上の利用可能性】
【0172】
本発明の実施形態は、洗濯機の内部を洗浄する技術分野に適用できる。






【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯水槽の内に位置した永久磁石内蔵浮遊体の誘導装置であって、
前記貯水槽の外面に取り付けられる複数のコイル巻線と、
前記コイル巻線に予め定まったパターンのパルス信号を印加して前記貯水槽の内に前記浮遊体を誘導するための電気場を形成するパターン形成回路と、
を含むことを特徴とする、永久磁石を内蔵した浮遊体の誘導装置。
【請求項2】
前記永久磁石誘導装置は洗濯機に取り付けられ、
前記パターン形成回路は、前記洗濯機の洗濯モータの回転方向によって互いに異なるパターンのパルス信号を生成することを特徴とする、請求項1に記載の永久磁石を内蔵した浮遊体の誘導装置。
【請求項3】
前記パターン形成回路に前記洗濯モータの第1回転方向の駆動信号が印加されれば、H(high)信号とL(low)信号の持続時間が互いに異なる第1パターンのパルス信号が前記コイル巻線に印加されることを特徴とする、請求項2に記載の永久磁石を内蔵した浮遊体の誘導装置。
【請求項4】
前記パターン形成回路に前記洗濯モータの第2回転方向の駆動信号が印加されれば、H(high)信号とL(low)信号の持続時間が互いに異なる第2パターンのパルス信号が前記コイル巻線に印加されることを特徴とする、請求項3に記載の永久磁石を内蔵した浮遊体の誘導装置。
【請求項5】
前記第1パターンのパルス信号で、前記H信号とL信号は各々所定のプラス値とゼロ値を有し、
前記第2パターンのパルス信号で、前記H信号とL信号は各々ゼロ値と所定のマイナス値を有することを特徴とする、請求項4に記載の永久磁石を内蔵した浮遊体の誘導装置。
【請求項6】
前記浮遊体は、
前記第1パターンのパルス信号で、前記H信号と前記L信号のうち、より長い持続時間を有する信号により形成される電気場に誘導されて、前記第1回転方向に自転及び公転運動を併行し、
前記第2パターンのパルス信号で、前記H信号と前記L信号のうち、より長い持続時間を有する信号により形成される電気場に誘導されて、前記第2回転方向に自転及び公転運動を併行することを特徴とする、請求項5に記載の永久磁石を内蔵した浮遊体の誘導装置。
【請求項7】
前記パターン形成回路は、前記パルス信号の位相及び振幅のうち、少なくとも1つを変調して前記電気場の形成パターンを変更することを特徴とする、請求項1に記載の永久磁石を内蔵した浮遊体の誘導装置。
【請求項8】
前記浮遊体は洗濯機の洗濯槽と貯水槽との間に挿入される洗濯機洗浄ボールであり、
前記洗浄ボールは永久磁石を内蔵しており、前記貯水槽の一定水深に位置するように所定の浮力を維持する胴体と、前記胴体の外部に付着され、前記貯水槽の内壁を摩擦して汚物を除去する複数の洗浄突起を含むことを特徴とする、請求項1に記載の永久磁石を内蔵した浮遊体の誘導装置。
【請求項9】
半球形状の主胴体20と、
前記主胴体20を洗濯機の排水口に取り付けるための固定胴体30を含んでなり、
前記主胴体20には第1直径の円形排水ホールと濾し部材型の排水ホールが各々複数に形成されていることを特徴とする、排水口蓋。
【請求項10】
前記固定胴体30は水平円形台形状の板部31と、垂直円形台形状の排水口取付部32とを含むことを特徴とする、請求項9に記載の排水口蓋。
【請求項11】
前記固定胴体30の板部31には第2直径の円形排水ホールが複数に形成されていることを特徴とする、請求項10に記載の排水口蓋。
【請求項12】
前記第1直径の円形排水ホールの面積は前記濾し部材型排水ホールの面積より大きく、前記濾し部材型排水ホールの面積は前記第2直径の円形排水ホールの面積より大きいことを特徴とする、請求項11に記載の排水口蓋。
【請求項13】
四角形の引出し形状に形成される濾し枠40と、
前記濾し枠40を収納して前記濾し枠40が洗濯機の排水口の上に位置するように固定する収納胴体50を含んでなり、前記濾し枠40の内側には所定の角度に傾いた濾し部材41が形成されることを特徴とする、排水口蓋。
【請求項14】
前記収納胴体50の一側面には前記濾し枠40を収納するための収納溝が形成されており、
前記収納胴体50の上位面には排水入口51が形成されており、
前記収納胴体50の下位面には前記収納胴体50を洗濯機の排水口に結合固定するためにパイプ形状に突出する排水出口52が形成されていることを特徴とする、請求項13に記載の排水口蓋。
【請求項15】
前記濾し部材41は、前記濾し枠40の内側で互いに対向するように一対に形成されることを特徴とする、請求項13に記載の排水口蓋。
【請求項16】
前記濾し部材41は、前記濾し枠40の内側で単一に形成されることを特徴とする、請求項13に記載の排水口蓋。
【請求項17】
前記濾し枠4000−1、4000−2と前記濾し部材4100−1、4100−2とは分離されて形成され、
前記濾し部材4100−1、4100−2は、胴体4110−1、4110−2と、前記胴体4110−1、4110−2に備えられた複数の濾し目4120−1、4120−2と、前記濾し部材4100−1、4100−2を前記濾し枠4000−1、4000−2に結合するために胴体4110−1、4110−2の両側面に形成される一対の結合突起4130−1、4130−2とを含んでなり、
前記濾し枠4000−1、4000−2の内側には前記濾し部材4100−1、4100−2の結合突起4130−1、4130−2と結合される結合溝4010−1、4010−2がさらに形成されることを特徴とする、請求項15または16に記載の排水口蓋。
【請求項18】
前記濾し部材に戻るように、前記濾し部材4100−1、4100−2及び前記濾し枠4000−1、4000−2に弾性力を印加するための弾性部材4140−2をさらに含むことを特徴とする、請求項17に記載の排水口蓋。
【請求項19】
内部にソレノイドコイル61を内蔵するフレーム62と、
前記フレーム62を洗濯機の所定位置に固定するためのブラケット部63を含む磁性体誘導手段60とをさらに含み、
前記磁性体誘導手段60は、前記収納胴体50の上部と所定の距離に離隔して設置されることを特徴とする、請求項13に記載の排水口蓋。
【請求項20】
前記磁性体誘導手段60のソレノイドコイル61は、洗濯機の排水ポンプ駆動系と連動されることを特徴とする、請求項19に記載の排水口蓋。
【請求項21】
前記排水口蓋の周囲には複数の突起板が一定の間隔で配置されて全体的に4角の形状を形成する係止段70がさらに備えられることを特徴とする、請求項13に記載の排水口蓋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公表番号】特表2013−509980(P2013−509980A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538751(P2012−538751)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【国際出願番号】PCT/KR2010/007813
【国際公開番号】WO2011/059208
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(512120616)
【Fターム(参考)】