説明

洗濯物投入用バッグ、及び洗濯物投入方法

【課題】洗濯物を搬送して洗濯機の投入口へ入れるバッグを改良して、柱状の外形を有する洗濯物(例えば、畳まれたフロアーマット)を投入口で詰まらせずに通過させる。
【解決手段】本発明に係る改良型バッグ13は、柔軟なシート状材料で構成された小径筒状本体部13aの上端部に拡開部13bを形成し、その上端開口部にリング13cを取り付けて直径φの円形を保たせる。前記小径筒状本体部13aの直径寸法ψは、洗濯物であるフロアーマットの最大外径Dに対して緩やかに嵌合するように設定される。このように構成された改良型バッグ13の中へ投入されたフロアーマット(8〜11)は、上下の1列縦隊に整列し、ロック13dを開放すると円滑に落下する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柱状の外形を有する洗濯物を、洗濯機の投入口へ投入するための器具、及び同投入方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家庭用の洗濯機に洗濯物を投入する操作は一般に手作業で行なわれ、別段の不具合を生じていない。しかし、業務用の大型洗濯機械においては、洗濯物の投入量が数十キログラムになるので、クレーン、コンベアなど、何らかの搬送機械が用いられる。
図3は業務用の大型洗濯機に洗濯物を投入する従来例を模式的に描いた斜視図である。
洗濯機1の中には回転ドラム2が設けられていて、洗濯物はこの中で洗濯され、又は、洗濯・乾燥が行なわれる。
【0003】
洗濯物4はバッグ5の中へ入れて運ばれる。符号6を付して示したのはバッグの入口を開くとともに、吊り具としても機能するリングであって、その直径φは例えば800ミリメートルである。
前記バッグの長さ寸法Lは例えば1800ミリメートルであって、その底部はロック7で閉じられている。このロックは、底開き形の漁網に設けられているのと類似の部材であり、容易に開放操作することができる。
洗濯物4の入ったバッグ5を洗濯機投入口3の上方へ運んでロック7を解除すると、洗濯物は自重で落下して投入口3に入る。
【0004】
洗濯物を洗濯機に投入することに関して種々の発明が為されている。しかし本発明が適用の対象としている柱状の外形を有する洗濯物を円滑に投入するに好適な発明は未だ提案されていない。
特許文献1として挙げた特開2006−192210号公報「洗濯物の投入装置及び同投入方法」は、シューターから放出された洗濯物を脱水機に投入するものであって、本発明におけるがごとく洗濯機に投入する技術ではない。
【0005】
特許文献2として挙げた特開2006−065873号公報「ドラム式洗濯機及びドラム式洗濯機の洗剤投入方法」は、洗濯物に散水して湿らせるものであるが、本発明が適用の対象としている柱状の外形を有する洗濯物を円滑に投入するには好適でない。
特許文献3として挙げた特開2006−230956号公報「ドラム式洗濯機」は、洗濯物の分別投入を可能ならしめるものであるが、本発明におけるがごとく、バッグ内の洗濯物を円滑に投入口へ入らせるという作用効果は有していない。
特許文献4として挙げた特開2006−198293号公報「洗濯機」は、洗濯物の投入口を広げるものであって、本発明におけるがごとく、投入口を広げることなく円滑な投入を可能ならしめるという作用効果は有していない。
【特許文献1】特開2006−192210号公報
【特許文献2】特開2006−065873号公報
【特許文献3】特開2006−230956号公報
【特許文献4】特開2006−198293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えばフロアーマットを洗濯する場合は、フロアーマットはフロアーから取り外され、畳まれて運びこまれる。
フロアーマットの形状寸法は種々様々であるが、その2例を挙げると、
寸法:1.0m×1.6m…………重量:5Kg/枚
寸法:2.0m×6.0m…………重量:25Kg/枚
このようなフロアーマットが畳まれた形で運びこまれる。
小型のフロアーマットは、畳まれた状態で洗濯機の投入口へ落下させても不具合を生じないが、畳まれた大型のフロアーマットの複数個が同時に落下すると、投入口で引っ掛かり易い。
【0007】
ここで、フロアーマットが折り畳まれた形状について、図4を参照して説明する。
図4(A)は比較の為に示したもので、例えば段ボールを折り畳んだ状態を模式的に描いたものと考えて頂きたい。このように比較的薄手で比較的硬い平板状の部材は、綺麗に折り畳まれると平板状の外形を呈する。すなわち、折り畳まれた状態の厚さ寸法Tは、単品の厚さ寸法tのn倍(nは重なり数)となるが、全体的な輪郭形状は平板状(直方体)をなしている。
【0008】
ところが、フロアーマットのように比較的厚手で柔らかい平板状の部材を折り畳むと、(B)図のように丸みを帯びる。フロアーマットが厚ければ厚いほど、柔らかければ柔らかいほど、円柱に近い形になる。
この状態を柱状と呼ぶことにし、説明の便宜上、図示のように最大外径Dを考える。折り畳まれたフロアーマットは幾何学的な形状ではないから、その外径寸法を正確には表し難い。従って最大外径とは「大凡の太さ」というほどの意味である。
【0009】
洗濯機メーカーのエンジニアである本発明者が、ユーザーからトラブル発生の情報を受けて急行した際、実際に発生していたトラブルの様相を図5に示す。
本例では、バッグ5の中へ大型のフロアーマットを3〜4個投入して搬送されていた。
上記フロアーマットは、リング6の中へ1個ずつ入れられる。
(図5(A)参照)バッグ5の中へ1個のフロアーマットが入れられると、この1番目のフロアーマット8はバッグ5の底部で支持され、垂直でもなく水平でもない斜めの姿勢になる。
【0010】
引き続いて二番目のフロアーマット9をバッグ5の中へ入れると、(B)図のように不規則に積み重なり、
更に三番目のフロアーマット10を入れると、(C)図のように3個のフロアーマットがバッグ5の底部付近を圧し広げながら、乱雑に詰め込まれた形で安定する。
この図5(C)の状態で洗濯機投入口の上方まで搬送してロック7を解除すると、乱雑に詰め込まれ3個のフロアーマットが、整列しないままで不規則に落下して、洗濯機の投入口で詰まってしまう。
【0011】
本発明は以上に述べた事情に鑑みて為されたものであって、その目的は、柱状の外形を有する大型の洗濯物を円滑に洗濯機の投入口へ送り込み得る装置、及び円滑に送り込み得る方法を提供することである。ただし、本発明者らの実験によって、円柱状や角柱状など各種柱状の大形洗濯物についても有効に「円滑な投入」を達成し得ることが確認されている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
先に[発明が解決しようとする課題]の欄で、図5を参照して説明したトラブルに本発明者が直面した際、応急の対策として図6に示す処置を施した。この臨時の対策に本発明のヒントが隠されていた。
すなわち、図5(C)のようにフロアーマットが乱雑にならないよう、図6(A)のようにバッグ5の周囲をロープ12で緩やかに縛ってみた。つまり、バッグ5の内径が圧し広げられないように制約した訳である。
【0013】
この中へ複数個(本例では4個)のフロアーマットをいれると、
最初の1個のフロアーマットはリング6で開かれている上方の開口部から容易にバッグ5内へ入れることができてバッグ5内へ落下し、ロープ12で縛られていることは何らの支障を及ぼさなかった。
引き続いて3個のフロアーマットをリング6の内へ順次に投入すると、バッグ5内へ落下したフロアーマットは先着順に1番目のフロアーマット8、2番目のフロアーマット9、3番目のフロアーマット10、4番目のフロアーマット11のように一列縦隊にほぼ整列した。
この状態でロック7を解除すると、4個のフロアーマットは落下して円滑に投入口に入っていった。
【0014】
上述のようにバッグ5の内径を故意に狭めて、柱状のフロアーマットが横になれないように制約することによって、複数個のフロアーマットがバッグ5内で整列することを発見した。
しかし、ロープ12で縛られて縊(くび)れている箇所でフロアーマットが引っ掛かり気味になるといった不具合があったので、更に、この[引っ掛かり」という不具合を解消して本発明に到達した。
図6(A)の構成は、いわば本発明の創作過程における一つの試案である。
【0015】
上述のようにして創作した本発明の原理について、その実施形態に対応する添付図面を参照して説明すると次の通りである。
この[課題を解決するための手段]の欄における説明は、図面との対照が容易なように括弧書きで図面符号を付記してあるが、この括弧付き符号は本発明の構成を図面のとおりに限定するものではない。
【0016】
例えば4個のフロアーマット(8〜11)をバッグに入れて搬送し、該バッグの底部を開いて落下させる場合、
(図1参照)記フロアーマットの最大外径Dに対して緩やかに嵌合する内径寸法ψを有する、比較的小径の筒状本体部(13a)と、該小径筒状本体部の上端部に形成された漏斗状の拡開部(13b)とを有する改良型バッグ(13)を構成し、上記拡開部から4個のフロアーマット(8〜11)を1個ずつ入れる。
【0017】
それぞれのフロアーマットは、緩やかに嵌合する小径筒状本体部(13a)の中では横になれないので縦方向の姿勢となり、自動的に(B)図のごとく上下の一列縦隊に整列せしめられる。
この状態でロック7を解除すると、4個のフロアーマットは、ほぼ一列縦隊に整列したままで落下し、洗濯機投入口の中へ円滑に入ってゆく。
【0018】
請求項1に係る発明の構成は、
(図1参照)柔軟なシート状の材料で形成された、直径400〜650ミリメートルの筒状をなし、
その片方の端が漏斗状に拡開(13b)されており、かつ他方の端に、開放可能なロック(13d)が設けられていることを特徴とする。
【0019】
請求項2の発明に係る洗濯物投入用バッグの構成は、
(図2参照) イ.柔軟なシート状の材料で形成されて、直径400ミリメートル〜650ミリメートルの筒状をなし、その片方の端にロック(7)が設けられているバッグ本体(14)と、
ロ.上記バッグ本体(14)よりも大径に漏斗状に拡開した形状の入口部を有し、該バッグ本体に接続される出口部を有する漏斗状案内部材(15)と、
を具備していることを特徴とする。
【0020】
請求項3の発明に係る洗濯物投入用バッグの構成は、
柔軟なシート状の材料で筒状に形成され、その片方の端が漏斗状に拡開されるとともに、他方の端に開放可能なロックが設けられた複数個のバッグから成り
前記筒状のバッグの内の1個は直径が400ミリメートル〜650ミリメートルであり、その他の1個のバッグの直径が700ミリメートル〜900ミリメートルであることを特徴とする。
【0021】
請求項4の発明に係る洗濯物投入方法は、
(図1参照)洗濯機の投入口に、柱状の洗濯物を投入する方法において、
柔軟なシート状の材料によって、「上記柱状洗濯物の最大外径(D)に対して緩やかに嵌合する内径(ψ)を有し、その片方の端が漏斗状に拡開(13b)されているバッグ(13)」を構成し、て、
上記バッグの底部に、開放可能なロック(13d)を設け、
上記のロックを閉鎖した状態で、前記バッグの漏斗状拡開部からバッグ(13)の中へ、複数個の柱状の洗濯物(8〜11)を順次に入れることにより、該複数個の柱状の洗濯物を上下の一列縦隊に整列させ、
洗濯物が収納されたバッグを投入口の上方に搬送し、前記ロックを開放して洗濯物を投入口内に落下させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の発明に係る洗濯物投入用バッグは、比較的大きい柱状の外形を有する洗濯物を搬送する場合に適用される。このバッグの中へ柱状の洗濯物を入れるとき、開口部が拡開されているので容易に入れることができる。
しかも、筒状部の中へ入った複数個の洗濯物は、自動的に整列せしめられて上下の一列縦隊に並ぶ。
このためバッグ底部のロックを開放すると、前記複数個の柱状洗濯物は、ほぼ一列縦隊の整列を保ったまま落下し、洗濯機の投入口で詰まることなく円滑に通過して洗濯機内へ投入される。
【0023】
請求項2の発明に係る洗濯物投入用バッグを適用しても、請求項1におけると同様に、
比較的大きい柱状の外形を有する洗濯物を搬送する場合に効果を発揮し、バッグの中へ柱状の洗濯物を入れるとき、開口部に漏斗状の案内部材が設けられているので容易に入れることができる。
しかも、筒状バッグの中へ入った複数個の洗濯物は、漏斗状の案内部材の入口よりも小径のバッグ内で自動的に整列せしめられ、上下の一列縦隊に並ぶ。
このためバッグ底部のロックを開放すると、前記複数個の柱状洗濯物は、ほぼ一列縦隊の整列を保ったまま落下し、洗濯機の投入口で詰まることなく円滑に通過して洗濯機内へ投入される。
【0024】
請求項3の発明に係る洗濯物投入用バッグを適用すると大小2種類のバッグが準備されているので、最大外径40センチメートル程度の大形柱状洗濯物である場合と、最大外径80センチメートル程度の超大形柱状洗濯物である場合とで大小のバッグを使い分け、洗濯物をバッグ内へ容易に装入することと、バッグ内の洗濯物を綺麗に確実に整列させることとを両立させることができる。
【0025】
請求項4の発明に係る洗濯物投方法は、比較的大きい柱状の外形を有する洗濯物を搬送する場合に適用され、バッグの中へ柱状の洗濯物を入れるとき、拡開されている開口部からバッグの中へ洗濯物を容易に入れることができる。
しかも、筒状部の中へ入った複数個の洗濯物は、自動的に整列せしめられて上下方向の一列縦隊に並ぶ。
このため、バッグ底部のロックを開放して前記複数個の柱状洗濯物を、ほぼ一列縦隊に整列させたままで落下させ、洗濯機の投入口で詰まることなく円滑に通過させて洗濯機内へ投入することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は本発明に係る洗濯物投入方法を実施するために構成した洗濯物投入用バッグの1実施形態を示し、(A)は単体の外観斜視図、(B)は洗濯物を収納した状態を模式的に描いた斜視図である。
(A)図参照、小径筒状本体部13aは柔軟な合成樹脂製のシートで構成されている。
上記小径筒状本体部の直径ψは400ミリメートル〜650ミリメートルの範囲内で適宜に設定される。
【0027】
具体的には、収納される柱状洗濯物の最大外径D((B)図参照)に対して緩やかに嵌合する程度が適正である。ただし、柔軟なシートで形成されているので、その寸法を厳格に規制するには及ばない。前記の筒状本体部13aを小径と呼ぶのは、従来例のバッグに比して細いからである。
小径筒状本体部13aが柔軟な合成樹脂製のシートで構成されており、かつ、「柱状洗濯物の最大外径」は、先に定義したように「大凡の太さ」であるから、両者の嵌合状態は厳密であることを要しない。前記の「緩やかに嵌合する」とは、「過大な隙間が無く、かつ容易に滑り込み得る程度」に設定すれば良い。
【0028】
前記小径筒状本体部13aの片方の端(使用状態で上方となる側の端)を拡開して、その直径φを700ミリメートル〜900ミリメートルにし、内径700ミリメートル〜900ミリメートルのリング13cを取り付けてある。
前記小径筒状本体部13aの長さ寸法は適宜に設定することができる。収納すべき柱状洗濯物の長さ寸法の3,4倍にすることが望ましい。ただし、柔軟なシートで形成されているので、その寸法を厳格に規制するには及ばない。
符号13bを付して示したのは漏斗状の拡開部である。拡開のテーパ角度は適宜に設定すれば良い。
前記小径筒状本体部13aの他方の端(使用状態で下方となる側の端)はロック13dで閉塞されていて、任意に解放操作することができる(このロックは従来例(図3)におけると同様の構成部材である)。
【0029】
本実施形態においては、(A)図に示した改良型バッグ13の中へ、畳まれたフロアーマットを入れて搬送し、洗濯機の投入口へ入れる。
上記の畳まれたフロアーマットは、前掲の図4(従来例)におけると同様の部材(洗濯物)であって、図4(B)に示したように柱状をなしている。
本発明の小径筒状本体部13aは従来例のバッグに比して細いが、上端が拡開されているので、従来例におけると同様に、柱状の洗濯物(畳まれたフロアーマット)を容易に装入することができる。
【0030】
(図1(A)と同(B)とを併せて参照)、小径筒状本体部13aの中へ1番目のフロアーマット8を入れたとき、該フロアーマットの最大外径Dが小径筒状本体部13aの内径ψに比して緩やかに嵌合する程度であるから、直ちに底部まで落下する。
しかし、小径筒状本体部13aの内径が比較的細い(緩やかな嵌合とは、前記のごとく、過大な隙間が無い程度である)から、1番目のフロアーマット8は横にも斜めにもならず、ほぼ垂直な姿勢となる。
【0031】
続いて2番目のフロアーマット9を入れると、これも同様に横にも斜めにもならず、ほぼ垂直な姿勢で1番目のフロアーマット8の上に積み重ねられる。
さらに3番目のフロアーマット10を入れ、4番目のフロアーマット11を入れても、
1番目,2番目のフロアーマットと同様にほぼ垂直な姿勢で積み重ねられる。
その結果4個のフロアーマットが小径筒状本体部13a内で上下方向に並び、1列縦隊となる。
【0032】
図1(B)の状態で洗濯機の投入口(図示を省略)の上方へ運び、ロック13dを解除すると、1列縦隊に整列している4個のフロアーマットは、そのまま落下する。
概要的には1列縦隊の関係位置を保持したままで自由落下する。詳しくは、自由落下における加速度運動の原理によって、フロアーマットの間隔が開いて、1個ずつ投入口を通過する。
従って、従来例におけるがごとく洗濯物(フロアーマット)が投入口で詰まるという不具合が発生する虞れは無い。
【0033】
先に述べたように、フロアーマットの最大外径Dと小径筒状本体部13aの内径ψとは緩やかに嵌合する程度が良い。
該小径筒状本体部13aが柔軟なシートで構成されているので、寸法的な許容範囲は大きいが、両者の寸法差が極度に乏しいと作動の円滑さが阻害される。かといって、寸法差が余り大きいと、小径筒状本体部13aの中でフロアーマットが斜めになったりして、綺麗に整列しない。
そこで、取り扱う洗濯物(フロアーマット)の寸法がほぼ一定であれば、その最大外径に合わせて小径筒状本体部13aを構成する。
【0034】
しかし、取り扱う洗濯物(フロアーマット)の最大外径が不定であったり、最大外径の大小差が著しい場合は、比較的太い小径筒状本体部(13a)と比較的細い小径筒状本体部(13a)とを準備しておけば好都合である。
図示を省略するが、直径寸法400ミリメートル〜650ミリメートル程度に細めの小径筒状本体部を有する改良型バッグと、直径寸法700ミリメートル〜900ミリメートル程度に太めの小径筒状本体部を有する改良型バッグと、大小2種類の改良型バッグを準備しておくことが望ましい。
先に述べたごとく、小径筒状本体部は柔軟なシート状材料で形成されるので、この程度の大小2種類を準備しておけば、通常の(特殊なものは除く)フロアーマットに対応することができる。
【0035】
図1に示した実施形態における構造機能を考察すると、この改良型バッグ13が所期の効果を達成するために必要な事項を要約すると、
イ.小径筒状本体部13aの直径寸法が適正であること。及び、
ロ.小径筒状本体部13aの上端部が漏斗状に拡開されていること、である。
こうした知見に基づき、図2に示したように、上記イ項の効果を発揮する構成部分と、ロ項の効果を発揮する構成部分とを別体に構成した変形例が考えられる。
【0036】
(図2参照)小径筒状バッグ14は柔軟なシート状材料で構成され、その直径寸法ψは柱場洗濯物の最大外径に対して緩やかに嵌合する程度に設定される。
該小径筒状バッグ14の片方の端(図において下端)はロック7によって開放可能に閉塞されている。
上記小径筒状バッグ14の他方の端(図において上端)の開口部に嵌合し、直径寸法θの入口を有する漏斗状案内部材15が設けられている。
上記小径筒状バッグ14と漏斗状案内部材15とを接続すると、前掲の図1(A)に示した改良型バッグ13と同様の機能を果たし得る。
【0037】
図2に示した実施形態においても、取り扱う洗濯物(フロアーマット)の大きさが不定の場合は、直径寸法ψを異にする2種類の小径筒状バッグ(14)と、これらに適合する2種類の漏斗状案内部材(15)とを準備しておくと、種々の大きさの洗濯物(フロアーマット)に対応することができるので好都合である。
小径筒状バッグ14を形成したシート状の材料の伸縮性が大きい場合は、2種類の小径筒状バッグ14それぞれに対して1個の漏斗状案内部材15を準備しておいて、洗濯物(フロアーマット)の大きさに応じて着脱することも可能である。
【0038】
図2の実施形態を、図1(A)の実施形態と対照して、その技術的特性を考察すると、小径筒状バッグ14と漏斗状案内部材15とが外見的に別体に構成されていることよりも、両者の材質の相違が重要である。
漏斗状案内部材15はある程度の剛性を有し、小径筒状バッグ14の開口部を押し広げた形に保持して洗濯物(フロアーマット)を入れ易くし、かつ、洗濯物が勢い良く投げ込まれても確実に受け止めて収容する役目を果たす。
不定な姿勢で投げ込まれる洗濯物を受け取って下降させながら、その姿勢を垂直に規制して小径筒状バッグ14に与えるのは漏斗状案内部材15の役目であるから、該漏斗状案内部材15は相当の硬さと、滑り易さとが必要である(フロアーマットに対する摩擦係数が小さいことが必要である)。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る洗濯物投入用バッグの1実施形態を示し、(A)は単体の外観斜視図であり、(B)は洗濯物(フロアーマット)を収納した状態を模式的に描いた斜視図である。
【図2】上記と異なる実施形態の洗濯物投入用バッグを描いた模式的な分解外観斜視図である。
【図3】従来例のバッグを用いて洗濯機の投入口へ洗濯物(フロアーマット)を搬送している状態を描いた斜視図である。
【図4】本発明の適用対象である洗濯物(フロアーマット)の形状を説明するための外観斜視図であって、(A)は比較対照のために折り畳まれた段ボールを描き、(B)は折り畳まれたフロアーマットを描いてある。
【図5】前記図3の従来例における不具合を説明するために示したもので、(A)はバッグの中へ1個の洗濯物(フロアーマット)を入れたときの模式的な斜視図、(B)は2個の洗濯物を入れたときの模式的な斜視図、(C)は3個の洗濯物を入れたときの模式的な斜視図である。
【図6】本発明に係る洗濯物投入用バッグを創作する過程における試案のバッグを示し、(A)は外観斜視図、(B)は4個の洗濯物(フロアーマット)を収納した状態の模式的な斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
1…洗濯機
2…回転ドラム
3…投入口
4…洗濯物
5…バッグ
6…リング
7…ロック
8…1番目のフロアーマット
9…2番目のフロアーマット
10…3番目のフロアーマット
11…4番目のフロアーマット
12…ロープ
13…改良型バッグ
13a…小径筒状本体部
13b…拡開部
13c…リング
13d…ロック
14…小径筒状バッグ
15…漏斗状案内部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟なシート状の材料で形成された、直径400〜650ミリメートルの筒状をなし、
その片方の端が漏斗状に拡開されており、かつ他方の端に、開放可能なロックが設けられていることを特徴とする、洗濯物投入用バッグ。
【請求項2】
柔軟なシート状の材料で形成されて、直径400〜650ミリメートルの筒状をなし、片方の端にロックが設けられているバッグ本体と、
上記バッグ本体よりも大径の入口部を有し、該バッグ本体の入口に接続される出口部を有する漏斗状案内部材と、を具備していることを特徴とする、洗濯物投入用バッグ。
【請求項3】
柔軟なシート状の材料で筒状に形成された複数個のバッグから成り、
その片方の端が漏斗状に拡開されており、かつ他方の端に、開放可能なロックが設けられていて、
前記筒状のバッグの1個は直径が400〜650ミリメートルであり、他の1個の直径が700〜900ミリメートルであることを特徴とする、洗濯物投入用バッグ。
【請求項4】
洗濯機の投入口に、柱状の洗濯物を投入する方法において、
柔軟なシート状の材料によって、「上記柱の最大外径に対して緩やかに嵌合する内径を有し、その片方の端が漏斗状に拡開されているバッグ」を構成して、
上記バッグの底部に、開放可能なロックを設け、
上記のロックを閉鎖した状態で、前記バッグの漏斗状拡開部からバッグの中へ、複数個の柱状の洗濯物を順次に入れ、
洗濯物が収納されたバッグを投入口の上方に搬送し、ロックを開放して洗濯物を投入口内に落下させることを特徴とする、洗濯物投入方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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