説明

洗眼用ノズルおよびシャワー洗眼器

【課題】 噴出させる水の総量が多くなっても、眼に優しく、水が飛散しにくい、洗眼用ノズルおよびシャワー洗眼器を提供する。
【解決手段】 片方の眼に相対するシャワーノズルであって、該シャワーノズルは複数の噴水孔を有し、各噴水孔から噴出する水が所定の高さにおいて相互に衝突するように噴水孔の向きが設定されている洗眼用ノズル、および当該洗眼用ノズルを平均的な大人の眼の間隔とほぼ等しい間隔で二つ備えるシャワー洗眼器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗眼用ノズルおよびシャワー洗眼器に関し、より具体的には、噴出させる水の量が多くなっても、眼に優しく、水が飛散しにくい、洗眼用ノズルおよびシャワー洗眼器に関する。
【背景技術】
【0002】
有機溶剤などの薬剤を使用する工場や研究所などには、薬剤等が目に入った場合に、直ちに大量の流水で眼を洗浄するためにシャワー洗眼器が設置されている。このようなシャワー洗眼器として、例えば、特許文献1には、複数の穴を有する洗眼用ノズルを備えるシャワー洗眼器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−229095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシャワー洗眼器では、噴出させる水の量が多くなると噴出水の水圧が高くなって、眼を傷めることがあった。また、工場や研究所に緊急用として設置されるシャワー洗眼器は、定期的に通水点検を行う必要があるが、コックが固くなっている場合などには流量の調整が難しく、点検の際に墳出水が天井にまで達するなどの問題があった。
そこで、本発明の課題は、噴出させる水の量が多くなっても、眼に優しく、水が飛散しにくい、洗眼用ノズルおよびシャワー洗眼器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するために検討した。その結果、片方の眼に相対する洗眼用シャワーノズルにおいて、該シャワーノズルに設けられた複数の噴水孔の向きを特定の方向に設定することによって各噴水孔から噴出する水が所定の高さにおいて相互に衝突するようにしたところ、噴出させる水の量が多くなっても、眼に優しく、水が飛散しにくいことを見出した。本発明はこの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0006】
すなわち、本発明は以下の態様を包含するものである。
〔1〕片方の眼に相対するシャワーノズルであって、該シャワーノズルは複数の噴水孔を有し、各噴水孔から噴出する水が所定の高さにおいて相互に衝突するよう噴水孔の向きが設定されている洗眼用ノズル。
〔2〕前記〔1〕に記載の洗眼用ノズルを備えるシャワー洗眼器。
【発明の効果】
【0007】
本発明の洗眼用ノズルおよびシャワー洗眼器は、噴出させる水の量が多くなっても、眼に優しく、水が飛散しにくい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の洗眼用ノズルおよびシャワー洗眼器の一実施形態を示す正面図、天面図および側面図である。
【図2】図1に示した洗眼用ノズルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の好適な実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態における洗眼用ノズルは、片方の眼に相対するシャワーノズル1である。
シャワーノズル1は複数の噴水孔を有している。噴水孔の数は、複数であれば特に限定されないが、水が相互に衝突し易い点で、好ましくは6以上である。
本実施形態におけるシャワーノズル1は、噴水孔2および噴水孔3を有している。図1のシャワーノズルでは、噴水孔2と、対称的に配置された噴水孔3とを有する。破線4は、図2の断面を示している。本発明のシャワーノズルでは、各噴水孔の口径において特に制限されないが、噴水孔2の口径よりも噴水孔3の口径が大きい方が好ましい。
該シャワーノズルの材質は特に限定されず、金属製、樹脂製などが挙げられる。耐薬品性、耐久性、防錆性の点で、ステンレス製であると好ましい。
【0010】
図2中の矢印は、噴水孔の向きを示している。噴水孔2および3の向きは、各噴水孔から噴出する水が所定の高さにおいて相互に衝突するようになっている。噴水孔3は内向きに傾斜されている。各噴水孔から噴出する水が相互に衝突する高さは特に限定されないが、洗眼が容易にできるなどの点を考慮して、適宜選択することができる。各噴水孔から噴出する水が所定の高さにおいて相互に衝突することによって、大水量である場合であっても、流速が抑えられるので、眼に優しく、水流が撹乱されているので、洗浄効率が高い。
【0011】
本発明のシャワー洗眼器は、前記の洗眼用ノズルを備えてなるものである。
図面に示した本実施形態のシャワー洗眼器5は、両眼に相対するように洗眼用ノズル1を二つ備えている。二つの洗眼用ノズルの間隔は、平均的な大人の眼の間隔とほぼ等しい。二つの洗眼用ノズルは、両眼に対して噴出水が直角に当たるように配置してもよいし、両眼に対して噴出水が外から内に向かって当たるように配置してもよい。
【符号の説明】
【0012】
1・・シャワーノズル
2・・噴水孔
3・・噴水孔
4・・断面を示す線
5・・シャワー洗眼器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
片方の眼に相対するシャワーノズルであって、該シャワーノズルは複数の噴水孔を有し、各噴水孔から噴出する水が所定の高さにおいて相互に衝突するように噴水孔の向きが設定されている洗眼用ノズル。
【請求項2】
請求項1に記載の洗眼用ノズルを備えるシャワー洗眼器。

【図1】
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【図2】
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