説明

洗面台の脚部材および洗面台

【課題】洗面台の側板の厚みに対応して向きを変えて取り付けできる脚部材を提供する。
【解決手段】洗面台の側板4の下端に取り付けられ床面Fと当接する脚部材7であって、この脚部材7は、側板4の厚み方向である横方向寸法aと、側板4の奥行き方向である縦方向寸法bが異なる寸法に設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗面台の脚部材および、この脚部材を取り付けた洗面台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、洗面キャビネットの底部に、床面と当接し得る固定脚が設けられたキャビネットの下部構造が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平2−74969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されている構造では、固定脚により洗面キャビネットが床面から浮き上がった状態で設置されるため、洗面キャビネット使用時に垂れた水が床に溜まり、この溜まった水をキャビネットが吸って、洗面キャビネットの下端が膨れてしまうような現象を回避することができるものであるが、洗面キャビネットを床面から浮かせたことにより、キャビネットの下端と床面との間の隙間に足の指が入り込んでしまうという問題点があり、また、従来では、洗面キャビネットの側板の厚みが変わる毎に、この側板の厚みに対応した固定脚を製造しなければならないという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、洗面台を構成する側板の厚みに対応して縦横の向きを変えて取り付けできる洗面台の脚部材の提供および、このような脚部材を取り付けた洗面台の提供を目的とし、この目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明は、洗面台の側板の下端に取り付けられ床面と当接する脚部材であって、該脚部材は、前記側板の厚み方向である横方向寸法と、前記側板の奥行き方向である縦方向寸法が異なる寸法に設定されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の洗面台の脚部材は、横方向寸法と縦方向寸法が異なる寸法に設定されたものであるため、洗面台の側板の厚みに対応して縦横の向きを変えて、良好に側板の下端に取り付けることができ、1種類のものを用意すれば側板の厚みの異なる洗面台に対応できるため、脚部材の部品点数を減らすことができるものとなる。
【0007】
また、本発明の洗面台は、横方向寸法と縦方向寸法が異なる寸法に設定された脚部材を、洗面台の側板の底側前端に取り付けたことを要旨とする。
こうすれば、洗面台の側板の底側前端に脚部材を取り付けることで、足の指を側板の下端と床面間に挟み込むような事態を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】洗面台の設置状態の一例を示す斜視構成図である。
【図2】タイプの異なる洗面台の要部斜視構成図である。
【図3】図2の洗面台の一方側の側板の部分の拡大斜視構成図である。
【図4】厚みの薄い側板の下端に縦横の向きを変えて脚部材を取り付けた状態の要部拡大斜視構成図である。
【図5】脚部材の拡大斜視構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、洗面台の設置状態の一例を示す斜視構成図である。
洗面台1は、左右の側板4の上部に洗面器カウンター3が設置されて構成されており、洗面台1の上方には、ミラーキャビネット8が立設され、洗面台1の側方には、トールキャビネット9が配設されている。
洗面台1の左右の側板4は上部が前方へ張り出しており、膝や車椅子を洗面器の下に入れることができるタイプとなっている。この左右の側板4の底側前端には、床面Fと当接する脚部材7,7がそれぞれ取り付けられている。
【0010】
図2は、タイプの異なる洗面台の斜視構成図であり、図3は、図2の要部拡大斜視構成図である。
この洗面台1は、キャビネット2の上部に洗面器カウンター3が設置されて構成されており、キャビネット2の前面には開閉可能に開閉扉5が設けられ、この開閉扉5の奥側が収納空間となっている。キャビネット2を構成する左右の側板4の底側前端には、床面Fと当接する脚部材7,7がそれぞれ取り付けられている。また、左右の側板4,4間の前端側には、開閉扉5の下方にケコミ幅木6が設けられている。
なお、キャビネット2に開閉扉と引き出しが設けられたタイプの洗面台や、キャビネット2に引き出しのみが複数設けられたタイプの洗面台においても、キャビネット2の左右の側板4の底側前端には、床面Fと当接する脚部材7,7がそれぞれ取り付けられる。
【0011】
脚部材7は、図3に拡大して示し、また、図5に拡大斜視図で示すように、側板4の厚み方向である横方向寸法aと、側板4の奥行き方向である縦方向寸法bの寸法が異なる寸法に設定されており、例えば横方向寸法aは16mmに設定され、縦方向寸法bは14mmに設定されている。
この脚部材7は、樹脂で形成されており、下方向に向かって下傾した下すぼまり形状に形成されている。従って、本例では、脚部材7の上端側の横方向寸法aが16mmに設定されており、脚部材7の上端側の縦方向寸法bが14mmに設定されている。
【0012】
キャビネット2の側板4の厚み寸法cが17mmである場合には、図3のように、横方向寸法aの面を前面にし、縦方向寸法bの面を奥行き方向にして、側板4の底側の前端に脚部材7を取り付けることができ、取り付け状態では脚部材7の下端が床面Fに当接して、キャビネット2の側板4を床面Fから浮かせた状態とすることができる。
これにより、洗面台1の使用時に洗面器カウンター3側から垂れた水がキャビネット2を伝わって床面Fに溜まっても、この溜まった水が木製のキャビネット2の側板4に吸われるようなことはなく、キャビネット2の側板4の下端が水を吸って膨れてしまうような現象を良好に回避できる。
【0013】
また、脚部材7は、側板4の底側前端に取り付けられるため、足の指は脚部材7に当接して奥側へ入り込むことはなく、使用者が足の指を側板4の下端と床面F間の隙間に挟み込むようなことがない。
【0014】
なお、側板4は木製であるため、脚部材7は釘あるいはネジ等を用いて側板4の下端に取り付け固定することができるものである。
なお、図5に拡大斜視図で示すように、脚部材7に釘部7aを一体形成したものであっても良い。この場合は、釘部7aがキャビネット2の側板4の底側に打ち込まれて、脚部材7が側板4の底側前端に取り付け固定される。
【0015】
このような脚部材7は、キャビネット2の側板4の厚み寸法cが15mmである場合には、図4に示すように、縦方向寸法bの面を前面にし、横方向寸法aの面を奥行き方向にして、脚部材7を側板4の底側前端に取り付けることができるものであり、脚部材7の横方向寸法aの面あるいは縦方向寸法bの面の何れかを選択して、側板4の厚みに対応させた取り付け状態とすることができ、脚部材7は1種類のものを製造しておけば、側板4の厚み寸法の異なる2種類のキャビネット2に取り付けすることができるものである。
このように、キャビネット2の側板4の板厚により、脚部材7の向きを変えて良好に対応することができ、脚部材7の部品点数を減らすことができるものとなる。
【符号の説明】
【0016】
1 洗面台
2 キャビネット
3 洗面器カウンター
4 側板
5 開閉扉
7 脚部材
a 横方向寸法
b 縦方向寸法
c 側板の厚み寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗面台の側板の下端に取り付けられ床面と当接する脚部材であって、
該脚部材は、前記側板の厚み方向である横方向寸法と、前記側板の奥行き方向である縦方向寸法が異なる寸法に設定されている
ことを特徴とする洗面台の脚部材。
【請求項2】
前記請求項1に記載の脚部材を、洗面台の側板の前端に取り付けたことを特徴とする洗面台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−94306(P2013−94306A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238047(P2011−238047)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【Fターム(参考)】