活動量計
【課題】活動年齢の目標を達成するための指標を出力する。
【解決手段】歩数計は、被測定者の活動量を取得する活動量取得部11と、活動量に関する指標を取得する指標取得部15と、取得される指標を出力する指標出力部18と、を備える。指標取得部15は、単位期間において取得される活動量と同じ量の活動をする人の標準年齢を表す活動年齢を、被測定者の身体情報を用いて取得するための活動年齢取得部16を含む。そして、取得される活動量に基づき、活動年齢の目標を達成するための指標を取得する。
【解決手段】歩数計は、被測定者の活動量を取得する活動量取得部11と、活動量に関する指標を取得する指標取得部15と、取得される指標を出力する指標出力部18と、を備える。指標取得部15は、単位期間において取得される活動量と同じ量の活動をする人の標準年齢を表す活動年齢を、被測定者の身体情報を用いて取得するための活動年齢取得部16を含む。そして、取得される活動量に基づき、活動年齢の目標を達成するための指標を取得する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は被測定者の身体の活動量を測定する活動量計に関し、特に、身体活動量に関する指標を出力する活動量計に関する。
【背景技術】
【0002】
活動量計としては、特許文献1と2には、加速度センサを利用して身体活動の運動強度または消費カロリーを計測する方法が示される。特許文献1の活動量計では、加速度センサの出力信号から、一定時間twにおける加速度の標準偏差Swが算出され、予め用意された換算式を用いて標準偏差Swから運動強度wiが算出される。また、特許文献2の装置では、3軸の加速度からベクトル合成によって運動質量の力積が計算され、運動種類に対応して力積から消費エネルギーが計算される。運動種類は、合成ベクトルによる力積と、前後、左右、上下方向の力積との比に基づいて判定される。
【0003】
特許文献3では、消費エネルギー履歴と基準データとを比較して、ユーザの活動状態がどの年代の活動パターンに相当するかが算出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−204446号公報
【特許文献2】特開2001−258870号公報
【特許文献3】特開2010−17525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
活動量計のユーザは、身体活動量について自己満足に陥ることなく、他人との比較において身体活動量の指標を提示して欲しいとの要望がある。この点で、特許文献1または2の活動量計では、被測定者の活動量を消費カロリーとして出力するが、消費カロリーが多いのか少ないのか、また、何歳ぐらいの人の消費カロリーに相当するのかわかりにくい。
【0006】
特許文献3では、ユーザの活動状態がどの年代の活動パターンに相当するかが算出されるが、目標とする活動パターンを達成するための活動に関する指標が提示されない。
【0007】
それゆえに、この発明の目的は、活動年齢の目標を達成するための指標を出力する活動量計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、被測定者の活動量を取得する活動量取得手段と、活動量に関する指標を取得する指標取得手段と、取得される指標を出力する指標出力手段と、を備え、指標取得手段は、単位期間において取得される活動量と同じ量の活動をする人の標準年齢を表す活動年齢を、被測定者の身体情報を用いて取得する活動年齢取得手段を、含み、取得される活動量に基づき、活動年齢の目標を達成するための指標を取得する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、被測定者から取得される活動量に基づき、活動年齢の目標を達成するための指標を取得して出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態に係る歩数計の外観と装着態様を説明する図である。
【図2】実施の形態に係るシステムのハードウェア構成を示す図である。
【図3】実施の形態に係る歩数計の機能構成図である。
【図4】実施の形態に係るメモリの記憶内容例を示す図である。
【図5】実施の形態に係る被測定者の消費カロリーの変化を示すグラフである。
【図6】実施の形態に係る換算テーブルの一例を示す図である。
【図7】実施の形態に係る処理フローチャートである。
【図8】実施の形態に係る活動年齢の表示例を示す図である。
【図9】実施の形態に係る目標活動年齢に関する指標の表示例を示す図である。
【図10】実施の形態に係る予測活動年齢の表示例を示す図である。
【図11】実施の形態に係る生活パターンに従う表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては同一または対応する部分に図中同一の符号を付し、その説明は繰返さない。
【0012】
本実施の形態では、活動年齢とは、単位期間において活動した場合の運動強度または消費カロリーなどで表される活動量の総量と同じ量の活動を、同一の期間でする人の標準的(または平均的)年齢を表している。ここでは、単位期間を、1日としているが1日に限定されるものではない。
【0013】
また、実年齢とは、暦に従う年齢(生まれた時から数えた年齢)を指す。
本実施の形態では、身体の活動強度を指す指標としてMETs(METs:Medical Evangelism Training & Strategies)を用いる。METsとは、身体活動の強さを、安静時の何倍に相当するかで表す単位であり座って安静にしている状態が1METs、普通歩行が3METsに相当する。
【0014】
また、エクササイズ(Ex)とは身体の活動量を表す単位であり、身体の活動強度(METs)に身体活動の実施時間(時:Hour)をかけたものである。
【0015】
本実施の形態では、活動量計として歩数計を例示するが、歩数計に限定されない。つまり、運動(歩行を含む)や生活活動(たとえば、掃除機をかける、荷物運び、炊事など)を含む身体活動による活動量を測定することができる機能を有する装置であればよい。歩数計は複数の被測定者により共用可能であるが、ここでは説明を簡単にするために使用する被測定者は1人であると想定する。
【0016】
図1の(A)を参照して、活動量計としての歩数計100は、携行が可能な小型の本体ケーシングを有しており、本体ケーシングは、ケース本体110とカバー体120とクリップ体130とに分割されている。
【0017】
ケース本体110は、カウントされた歩数、運動強度、活動年齢などの各種情報が表示可能なディスプレイ20および被測定者による操作を受け付けるための各種のボタンを有する操作部30が設けられた表示面を有する。操作部30は、活動年齢の出力を要求するために被測定者が操作するボタン31を含む。
【0018】
ケース本体110の下端とカバー体120とは、接合部分を軸に回転可能に連結され、該接合部分の回転によって、歩数計100は開状態または閉状態となる。カバー体120の、ケース本体110の表示面に相対する面とは反対側の面に、クリップ体130が設けられる。クリップ体130により、図1の(B)に示されるような、被測定者の腰部や腹部等への歩数計100の装着が可能となる。
【0019】
図2には、歩数計100を含むシステムのハードウェア構成が示される。歩数計100は、全体を制御するためのCPU(Central Processing Unit)10、ディスプレイ20、操作部30、加速度センサとMPU(Micro-Processing Unit)を含む加速度センサ部40、CPU10で実行されるプログラム、データなどを記憶するためのメモリ50、外部装置と無線または有線により通信するための通信I/F(Interfaceの略)60、電池等の電源70、音声を出力するための音声出力部80、および計時して時間データを出力するタイマ90を含む。
【0020】
歩数計100は、通信I/F60を介して外部の装置200および300と無線または有線により通信する。装置200は、たとえば携帯型端末(PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話など)に相当し、装置300は、被測定者の体重および体組成を測定する機能を有する。
【0021】
装置200は、CPU201、メモリ202、出力部203、入力部204、通信I/F205、およびCD−ROM(compact disk read only memory)206のデータをアクセスするためのデバイスドライバ207を含む。デバイスドライバ207は、CD−ROM206が着脱自在に装着されて、装着されたCD−ROM206のデータ(プログラムを含む)を読出し、または、装着されたCD−ROM206にデータを書き込む。
【0022】
装置300は、被測定者の身長、体重および体脂肪などを測定する体重・体組成測定部301、これら測定された情報を外部に送信するための通信I/F302、およびタイマ303を含む。測定された体重と体組成情報とは、タイマ303が計時する測定時間を指す計時データがそれぞれ付加された体重データと体組成データとして、通信I/F302および60を介し、歩数計100に送信される。
【0023】
図3には、CPU10の制御の下に動作する機能の構成が示される。機能として、被測定者の身体の活動量を取得するための活動量取得部11、目標活動年齢の人が単位期間において消費する目標消費カロリーを取得するための目標消費カロリー取得部14、活動量に関する指標を取得するための指標取得部15、および各種の情報を出力する出力処理部17を含む。
【0024】
活動量取得部11は、被測定者の運動強度を取得する運動強度取得部12、および活動量に基づく消費カロリーを算出するための活動消費カロリー算出部13を含む。指標取得部15は、活動年齢を取得するための活動年齢取得部16を有する。出力処理部17は、被測定者に対して活動量に関する指標を出力するための指標出力部18を有する。
【0025】
図3の各部は、プログラム、またはプログラムと回路モジュールの組み合わせに相当する。
【0026】
活動量取得部11は、加速度センサ部40からの運動強度の入力とタイマ90からの時間データの入力とを受付ける。加速度センサ部40からの運動強度を指す活動強度と、タイマ90からの時間データとを関連付けた活動強度データMi(後述する)を取得し、取得した活動強度データMiを、メモリ50に格納する。活動強度に関連付けされた時間データは、測定された活動の実施日時を指す。
【0027】
加速度センサ部40は、一般的な歩数計による歩数の測定と同様に歩数を測定する。加速度センサは、歩数計100に加えられる加速度を検出する。検出した加速度は電圧信号として導出される。MPUは、加速度センサからの出力信号を処理する。たとえば、加速度センサから逐次出力される信号に基づき、しきい値以上の加速度が検知された場合に、その回数を1歩としてカウントするように処理する。
【0028】
(運動強度の算出)
加速度センサ部40のMPUは、測定動作として、予め規定されている所定の時間間隔(たとえば20秒間隔等)で、加速度センサから入力する加速度信号に基づき測定された加速度データを用いて、所定時間毎の運動強度(単位:METs)を算出する。運動強度の具体的な算出方法は、出願人による特開2009−28312号公報に開示されている手法など、公知の手法を用いて算出することができる。
【0029】
運動強度は、歩行のピッチ(所定時間毎の歩数)および予め入力されている被測定者の身長に依存する、身体活動の強さを表わす指標である。たとえば、安静にしている状態は1METsに相当し、普通歩行(4km/時)は3METsに相当し、掃除機をかけるは3.5METsに相当し、ジョギングは7METsに相当する(健康づくりのための運動指針「エクササイズガイド2006」(厚生労働省))。
【0030】
(消費カロリーの算出)
活動消費カロリー算出部13は、被測定者の活動による消費カロリーを次の式に従って算出する。消費カロリー(kcal)=運動強度(METs)×体重(kg)×運動継続時間(h)×1.05(厚生労働省 健康づくりのための運動指針「エクササイズガイド2006」より)。運動強度と運動継続時間は活動強度データMiから取得でき、体重は後述する体格データ57から取得できる。
【0031】
また、活動量取得部11は、活動強度(METs)に身体活動の実施時間(時:Hour)をかけることにより、身体の活動量(単位:Ex)を算出する。
【0032】
活動年齢取得部16が被測定者の活動量に基づき、活動年齢を取得する。活動年齢は、演算式を用いて換算することにより算出でき、または、換算テーブルを検索することで取得できる。
【0033】
活動年齢の算出に用いる換算式は、パラメータ(変数)と係数を含む。パラメータには、被測定者の基礎代謝量を有する身体情報を含む。活動年齢取得部16は、係数を可変に決定することができる。
【0034】
図4には、メモリ50の記憶内容が例示される。図4を参照してメモリ50は、活動強度データMi(i=1、2、3、…n)が格納される領域E1、被測定者が操作部30を操作して設定した目標の活動年齢を指す目標活動年齢51が格納される領域E2、および領域E3を含む。活動強度データMiは、生活活動または運動などで測定された活動強度と、対応の測定時間とを含む。
【0035】
領域E3には、被測定者の活動量から算出された消費カロリー52、算出された基礎代謝量53、取得される予測活動年齢54、および消費カロリーを活動年齢に換算するために参照される換算テーブル群55が格納される。さらに、被測定者の実年齢データ56、被測定者の体重、身長などを含む体格データ57、消費カロリーの時系列に従った変化を指す消費カロリー履歴データ58および被測定者の性別を指す性別データ59が格納される。被測定者の身体に固有の特徴を表す身体情報には、実年齢データ56、体格データ57、性別データ59および基礎代謝量53などが含まれる。
【0036】
図5には、被測定者の単位期間における単位時間帯(ここでは、1時間の時間帯)毎の消費カロリー(kcal)が棒グラフで示される。図5のデータは領域E3の消費カロリー履歴データ58を表す。消費カロリー履歴データ58は、活動消費カロリー算出部13により生成される。具体的には、活動消費カロリー算出部13は、たとえば過去1ヶ月分の活動強度データMiに基づき、1日の単位時間帯毎(0:00,・・・7:00,8:00,・・・22:00,・・・24:00の各時間毎)の活動強度の1ヶ月分の平均値を算出する。そして、単位時間毎の当該平均値を用いた上述の算出式に従い当該単位時間の消費カロリーを算出する。このように算出される単位時間毎の過去1ヶ月分の平均消費カロリーを単位消費カロリーと称する。活動消費カロリー算出部13は、算出される単位消費カロリーを、単位時間毎に対応付けて消費カロリー履歴データ58として領域E3に格納する。
【0037】
消費カロリー履歴データ58は毎日更新される。活動消費カロリー算出部13は、たとえば毎日24:00に単位消費カロリーを算出し、算出結果を用いて消費カロリー履歴データ58を更新する。
【0038】
ここでは、単位時間帯を1時間長さとしたが、長さは1時間に限定されるものではない。また、単位時間毎の消費カロリーの平均を記憶したが、記憶する消費カロリーは平均に限定されず、代表値であればよく、たとえば最頻値、または中央値などであってよい。
【0039】
(活動年齢の算出)
活動年齢取得部16による活動年齢の算出手順について説明する。
【0040】
まず、基本となる活動年齢の算出式の導出について説明する。被測定者の理論上の1日の基礎代謝量は(式1)で算出できることが知られている。
【0041】
基礎代謝理論値=(0.0481×W+0.0234×H-0.0138×R-0.5473×F+0.1238)×239 (式1)ただし、Wは体重、Hは身長、Rは実年齢、およびFは性別を指す。Wの体重の単位はkgを指し、Hの身長の単位はcmを指す。Fは男の場合は1を指し、女の場合は2を指す。(式1)に従うと、実年齢:Rは(式2)で表される。
【0042】
R=(基礎代謝理論値/239-0.1238-0.0481×W-0.0234×H+0.5473×F)/(-0.0138) (式2)
ここで、被測定者の1日の身体活動レベルPAL(PAL:Physical Activity Level)は、1日の総消費カロリー(単位:kcal)/1日の基礎代謝量(単位:kcal)から算出されることが知られており、活動量が“ふつう”であれば身体活動レベルPALは1.6〜1.9であることが知られている。ここでは、その代表値として中間値である1.75を採用する。したがって、標準レベルの総消費カロリー[kcal/日]=基礎代謝理論値[kcal/日]×1.75の関係式が成立するので、被測定者の活動年齢を求めるために、この関係式から、基礎代謝比較値=実際の総消費カロリー/1.75(式3)を導出できる。発明者らは、(式1)〜(式3)に従うと、活動年齢算出の基本式である(式4)を導出できるとの知見を得た。
【0043】
活動年齢[歳]
={(実際の総消費カロリー[kcal/日]/1.75)/239-0.1238-0.0481×W-0.0234×H+0.5473×F}/(-0.0138) (式4)
上述の(式1)〜(式4)の体重Wと身長Hはメモリ50から読出される体格データ57により指示されて、性別Fもメモリ50から読出される性別データ59により指示される。
【0044】
活動年齢は、上述の(式4)を用いた演算に替えて、換算テーブル群55を検索することにより取得されてもよい。ここで、換算テーブル群55には、身長H、体重Wおよび性別Fの組毎に、換算テーブルが含まれる。各組に対応の換算テーブルは、(式3)に従って算出される基礎代謝の各値に対応付けて活動年齢が格納される。
【0045】
図6には、換算テーブルの一例が示される。図6では、被測定者の身長が170cm,体重が60kgおよび性別が男である場合の換算テーブルが、横軸に活動年齢をとり、縦軸に(式3)による基礎代謝量をとった1次関数のグラフとして示される。活動年齢取得部16は、メモリ50の実年齢データ56、体格データ57および性別データ59に基づき換算テーブル群55を検索して、対応する換算テーブル(図6)を読出す。また、活動年齢取得部16は、活動消費カロリー算出部13が算出した総消費カロリーから基礎代謝を算出する。たとえば、総消費カロリーが2485kcalである場合には、(式3)により基礎代謝は1420kcalと算出される。活動年齢取得部16は基礎代謝(1420kcal)に基づき図6の換算テーブルを検索することにより、活動年齢として37歳を取得できる。
【0046】
なお、図6の換算テーブルは、European Journal of Clinical Nutrition (2007), 1-6
Ganpule AA, et al. Interindividual variability in sleeping metabolic rate in Japanese subjects.を元に算出したものである。
【0047】
(処理フローチャート)
図7には、本実施の形態に係る処理フローチャートが示される。この処理フローチャートに従う処理は、CPU10が、メモリ50から所定プログラムを読出し、読出したプログラムの各命令を実行することにより実現される。図7のフローチャートに従って被測定者の活動年齢の算出について説明する。
【0048】
なお、被測定者は、基本的に起床してから就寝までの間は、言換えると7:00〜22:00までの期間は歩数計100を携行していると想定する。したがって、メモリ50の領域E1には十分な件数の活動強度データMiが格納されていると想定する。
【0049】
(1日の消費カロリーによる活動年齢の提示)
被測定者は1日の活動量から活動年齢を知りたい場合、就寝時に操作部30のボタン31を操作すると、CPU10は当該操作を受付ける。具体的には、当該ボタン31が操作により操作部30から出力される操作信号に基づき、CPU10は図7の処理を開始する。処理が開始されると、活動量取得部11は、メモリ50の領域E1から読出す活動強度データMiに基づき、本日分すなわち今日の00:00から現時点(22:00)までの活動量を取得する(ステップS3)。続いて、活動消費カロリー算出部13は、取得された活動量に基づき、被測定者の消費カロリーを算出し(ステップS5)、活動年齢取得部16は、被測定者の単位期間の基礎代謝量を算出する(ステップS7)。
【0050】
活動年齢取得部16は、算出された消費カロリーおよび基礎代謝量を用いて(式4)に従って活動年齢を算出する(ステップS7)。または換算テーブルを検索して活動年齢を取得する。活動年齢取得部16は、取得された活動年齢を、出力処理部17に与える。出力処理部17の指標出力部18は、与えられた活動年齢をディスプレイ20に表示し、または音声出力部80を介し出力する(ステップS11)。
【0051】
このときのディスプレイ20の表示例が図1の(A)に示される。図1の(A)では、算出された消費カロリーとともに、取得された活動年齢が表示される。被測定者は、表示された活動年齢が実年齢を指す、または実年齢に近いと判断した場合には、活動(運動)量が適当であることを知ることができ、実年齢を大きく超えていると判断すれば活動(運動)量が足りないと知ることができる。
【0052】
活動年齢は図8のように表示してもよい。図8では、活動年齢が被測定者の実年齢以下であれば“OK”のメッセージ21が、活動年齢が実年齢よりも大きければ“NG”のメッセージが併せて表示される。
【0053】
したがって、図1の(A)または図8の出力によれば、被測定者に対して1日の活動量が適当であるかを判断するための指標を提示することができる。被測定者は、指標を確認することで、活動量を増やそう、または現在の活動量を維持しようという動機付けを得ることができる。
【0054】
ここでは、図7の処理は、ボタン31の操作に応じて開始するとしたが、開始のタイミングはこれに限定されず、たとえばタイマ90が毎日所定時間を計時すると、CPU10が処理を開始するようにしてもよい。
【0055】
(目標活動年齢による指標の提示)
CPU10は、活動年齢を目標活動年齢51に到達させるための活動量の指標を、消費すべきカロリー量として提示するようにしてもよい。
【0056】
本実施の形態では、被測定者が操作部30を操作することにより、目標活動年齢による指標の提示を要求した場合には、活動年齢が目標活動年齢に達するために被測定者が、たとえば1週間で消費すべき平均的な消費カロリー量(以下、消費カロリーWCと称する)を、活動量の指標として算出し出力する。
【0057】
まず、目標消費カロリー取得部14は、消費カロリーWCを、上述した標準レベルの総消費カロリー[kcal/日]=基礎代謝理論値[kcal/日]×1.75の関係式、目標活動年齢51および図6のグラフに示す換算テーブルに従って算出する。具体的には、メモリ50から読出す目標活動年齢51に基づき図6の換算テーブルを検索し、換算テーブルから対応する基礎代謝量を読出し、当該基礎代謝量と上述の関係式から標準レベルの総消費カロリー[kcal/日]の値を算出し、この算出値を用いて(算出値×7(日))により消費カロリーWCを算出して出力する。また、単位期間を1週間から1日に変更して、(当該算出値÷(1.05×3METs×体重(kg))×60分÷7)より、消費カロリーWCを、被測定者がたとえば3METsの運動強度で活動した場合の1日当たりの運動時間(単位:分)を算出して出力するようにしてもよく、1日当たりの消費すべきカロリーを、WC÷7により算出して出力してもよい。このように、1日当たりの運動時間(単位:分)により1日の目標の消費カロリー量が間接的に提示され、WC÷7の算出により直接的に提示される。
【0058】
他の提示態様として、目標年齢を達成するために、その後に消費するべきカロリー量または活動量、すなわち活動するべき時間を提示するようにしてもよい。これを、1週間を日曜から土曜までと想定した場合について説明する。説明を簡単にするために、被測定者は3METsで活動すると想定する。
【0059】
操作部30が操作されて要求が入力されると、活動消費カロリー算出部13は、今週の日曜日から現時点、すなわち要求が入力された時点までの活動による消費カロリー(以下、消費カロリーCCと称する)を算出する。具体的には、活動強度データMiに基づき、活動強度と運動継続時間を取得し、上述の(消費カロリー(kcal)=運動強度(METs)×体重(kg)×運動継続時間(h)×1.05)の式に従って算出する。
【0060】
そして、指標取得部15は、消費カロリーWCから消費カロリーCCを減じる。その結果の値は、今週の残り日数(現在から今週末日までの残り期間)で消費するべきカロリー(以下、消費カロリーRCという)を表し、これを活動量の指標として取得する。また、本日運動すべき時間(分)が、(消費カロリーRC÷(残り日数)÷(1.05×3METs×体重(kg))÷60分)により算出される。このようにして算出された活動量の指標(消費カロリーRC、および本日運動すべき時間(分))は、指標出力部18によりディスプレイ20に表示され、または音声出力部80から出力される。
【0061】
図9には、この場合のディスプレイ20の表示例が示される。図9では、消費カロリーRC(5647kcal)、本日運動すべき時間(75分)、および活動年齢(38歳)が表示される。併せて、被測定者が設定した目標活動年齢51が表示されてもよい。
【0062】
(予測活動年齢による指標の提示)
CPU10は、被測定者の過去の消費カロリーのデータから、当日の予測消費カロリーを取得し、予測消費カロリーから取得する活動年齢を、予測活動年齢54として算出し、メモリ50の領域E3に格納する。
【0063】
本実施の形態では、被測定者が操作部30を操作することにより、予測活動年齢による指標の提示を要求した場合には、活動消費カロリー算出部13は、本日の現時点、すなわち要求が入力された時点までの活動による消費カロリー(以下、消費カロリーTCと称する)を算出する。具体的には、本日の活動強度データMiに基づき、運動強度と運動継続時間を取得し、上述の(消費カロリー(kcal)=運動強度(METs)×体重(kg)×運動継続時間(h)×1.05)の式に従って算出する。
【0064】
次にメモリ50の領域E3の消費カロリー履歴データ58を、タイマ90の現在時間に基づき検索する。そして、検索結果から、現在時間以降の各時間の消費カロリーの総和を算出し、総和消費カロリーを消費カロリーTCに加算する。その加算結果の消費カロリーは本日の予測消費カロリーを指す。指標取得部15は、予測消費カロリーから、上述した手順に従って活動年齢を算出する。このようにして、被測定者の前日までの平均消費カロリーから本日このまま過ごしたら活動年齢が何歳になるかが推定される。
【0065】
推定された活動年齢は、予測活動年齢54を表し、メモリ50に格納されるとともに、指標出力部18によりディスプレイ20に表示され、または音声出力部80から出力される。
【0066】
図10には、この場合のディスプレイ20の表示例が示される。図10では、消費カロリーTCおよび予測活動年齢それぞれが、2647kcalおよび38歳として表示されている。
【0067】
(予測活動年齢に対する活動ペースの指標提示)
指標取得部15は、被測定者が予測活動年齢の総消費カロリーに対して、どれだけのペースでカロリーを消費しているかを表す指標を取得してもよい。当該指標は図10の矢印のマーク22で出力される。
【0068】
具体的には、取得された予測活動年齢、図6の換算テーブルおよび式3から、予測活動年齢の人の標準的な総消費カロリーSCを算出する。そして、その人の場合の現時点までの消費カロリーを算出する。つまり、7:00〜22:00までの期間と、タイマ90が計時する現在時間と、総消費カロリーSCから、7:00から現在時間までの期間に相当する消費カロリーを算出する。そして、この算出した消費カロリー(ここでは、標準途中消費カロリーC1とする)と、被測定者の本日の活動強度データMiを用いて算出される本日の7:00から現在時間までの消費カロリー(ここでは、途中消費カロリーC2とする)とを比較する。指標取得部15は、比較結果、(C1>C2)の条件成立を判定すると“運動のペースアップ”のデータを出力し、(C1<C2)の条件成立を判定すると“運動のペースダウン”のデータを出力する。
【0069】
指標出力部18は、指標取得部15から出力される“運動のペースアップ”に基づき、上向きの矢印のマーク22を出力し、被測定者に対して運動のペースアップを促す。また、出力される“運動のペースダウン”に基づき、下向きの矢印のマーク22を出力し、被測定者に対して運動のペースを落すように促す。
【0070】
なお、マーク22の矢印の向きは、予測活動年齢54と被測定者による目標活動年齢51との比較により決定してもよい。つまり、予測活動年齢54が目標活動年齢51よりも高いときは、目標を達成できるように“運動のペースアップ”を促す上向きに、低いときはハイペースとなりすぎないようアドバイスする下向きにしてもよい。
【0071】
(生活パターンによる活動年齢の指標提示)
被測定者の過去の消費カロリーの変化を指す消費カロリー履歴データ58が示すある時間帯の活動量と、本日の同時間帯の活動量とを比較し、比較結果に基づき指標出力部18は、活動に関する指標を出力するようにしてもよい。指標出力部18によるディスプレイ20における表示例が図11に示される。図11では、現在時間(9:20)、現在時間までの消費カロリー(647kcal)、上述の予測活動年齢(38歳)および矢印のマーク23が表示される。
【0072】
具体的には、指標取得部15は活動強度データMiから現在時間帯(9時の時間帯)の消費カロリーを算出する。算出した消費カロリーと、消費カロリー履歴データ58から読出した現在と同一時間帯の消費カロリーとを比較する。比較結果、(算出消費カロリー>読出した消費カロリー)の条件が成立すると、マーク23の矢印は上向きとなり、(算出消費カロリー<読出した消費カロリー)の条件が成立すると、マーク23の矢印は下向きとなる。
【0073】
このようにタイマ90が計時する現在時間が属する時間帯の消費カロリーが、過去の同一時間帯における平均消費カロリーよりも多いか、または少ないかの活動量の指標を提示することができる。
【0074】
(変形例)
上述した指標に関する処理は、装置200で実施されてもよい。つまり、装置200は、領域E2とE3の必要データをメモリ202に格納しており、歩数計100から活動強度データMiを受信する。これにより、CPU201は、これらデータを用いて上述の算出手順で活動年齢および各種指標を算出して、出力部203に出力する、または歩数計100に送信してディスプレイ20に表示させる。
【0075】
活動強度は、上述した加速度信号に従い検出される体動に基づき算出する方法に代替して、被測定者から検出する心拍数と所定の演算式とを用いて算出する方法であってもよい。
【0076】
また、基礎代謝量は(式1)を用いて算出するとしたが、算出方法はこれに限定されない。たとえば、体重・体組成測定部301により測定された体組成情報から算出するようにしてもよい。体組成情報から算出する方法としては、体重・体組成測定部301により測定された除脂肪量から簡易的に基礎代謝量を算出することができる。この場合、基礎代謝量=A×FFM+Bの式に従って算出できる(FFM:除脂肪量、A,B:定数)。
【0077】
(他の実施の形態)
上述したフローチャートを用いて説明した活動年齢を算出し出力するための方法は、プログラムとして提供することもできる。方法を実現するためプログラムは、予め歩数計100のメモリ50に格納されており、CPU10がメモリ50から当該プログラムを読出し、命令コードを実行することにより処理が実現される。このプログラムは、通信I/F60を介して、通信回線を経由し、装置200を含む外部の情報処理装置からメモリ50にダウンロードされることにより供給されてもよい。
【0078】
また、装置200は、このようなプログラムおよび図4のデータを、メモリ202に格納し、CPU201がメモリ202から当該プログラムを読出し、命令コードを実行することにより装置200において活動年齢の算出がされて、出力部203を介して表示されてもよい。図4のデータは、通信I/F60を介して歩数計100から装置200に送信される。装置200により算出された活動年齢は歩数計100に送信されて、ディスプレイ20に表示されてもよい。
【0079】
装置200に活動年齢を算出させるために、プログラムは、装置200に付属する図示のないフレキシブルディスク、CD−ROM206、メモリ202のROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記録されたプログラム製品として、装置200に提供される。あるいは、装置200が内蔵する図示のないハードディスクなどの記録媒体に予めプログラムを記録させておくことにより、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介した他の情報処理装置から装置200へのダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0080】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0081】
11 活動量取得部、12 運動強度取得部、13 活動消費カロリー算出部、14 目標消費カロリー取得部、15 指標取得部、16 活動年齢取得部、17 出力処理部、18 指標出力部、20 ディスプレイ、30 操作部、51 目標活動年齢、53 基礎代謝量、54 予測活動年齢、55 換算テーブル群、56 実年齢データ、57 体格データ、58 消費カロリー履歴データ、59 性別データ、100 歩数計。
【技術分野】
【0001】
本発明は被測定者の身体の活動量を測定する活動量計に関し、特に、身体活動量に関する指標を出力する活動量計に関する。
【背景技術】
【0002】
活動量計としては、特許文献1と2には、加速度センサを利用して身体活動の運動強度または消費カロリーを計測する方法が示される。特許文献1の活動量計では、加速度センサの出力信号から、一定時間twにおける加速度の標準偏差Swが算出され、予め用意された換算式を用いて標準偏差Swから運動強度wiが算出される。また、特許文献2の装置では、3軸の加速度からベクトル合成によって運動質量の力積が計算され、運動種類に対応して力積から消費エネルギーが計算される。運動種類は、合成ベクトルによる力積と、前後、左右、上下方向の力積との比に基づいて判定される。
【0003】
特許文献3では、消費エネルギー履歴と基準データとを比較して、ユーザの活動状態がどの年代の活動パターンに相当するかが算出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−204446号公報
【特許文献2】特開2001−258870号公報
【特許文献3】特開2010−17525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
活動量計のユーザは、身体活動量について自己満足に陥ることなく、他人との比較において身体活動量の指標を提示して欲しいとの要望がある。この点で、特許文献1または2の活動量計では、被測定者の活動量を消費カロリーとして出力するが、消費カロリーが多いのか少ないのか、また、何歳ぐらいの人の消費カロリーに相当するのかわかりにくい。
【0006】
特許文献3では、ユーザの活動状態がどの年代の活動パターンに相当するかが算出されるが、目標とする活動パターンを達成するための活動に関する指標が提示されない。
【0007】
それゆえに、この発明の目的は、活動年齢の目標を達成するための指標を出力する活動量計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、被測定者の活動量を取得する活動量取得手段と、活動量に関する指標を取得する指標取得手段と、取得される指標を出力する指標出力手段と、を備え、指標取得手段は、単位期間において取得される活動量と同じ量の活動をする人の標準年齢を表す活動年齢を、被測定者の身体情報を用いて取得する活動年齢取得手段を、含み、取得される活動量に基づき、活動年齢の目標を達成するための指標を取得する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、被測定者から取得される活動量に基づき、活動年齢の目標を達成するための指標を取得して出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態に係る歩数計の外観と装着態様を説明する図である。
【図2】実施の形態に係るシステムのハードウェア構成を示す図である。
【図3】実施の形態に係る歩数計の機能構成図である。
【図4】実施の形態に係るメモリの記憶内容例を示す図である。
【図5】実施の形態に係る被測定者の消費カロリーの変化を示すグラフである。
【図6】実施の形態に係る換算テーブルの一例を示す図である。
【図7】実施の形態に係る処理フローチャートである。
【図8】実施の形態に係る活動年齢の表示例を示す図である。
【図9】実施の形態に係る目標活動年齢に関する指標の表示例を示す図である。
【図10】実施の形態に係る予測活動年齢の表示例を示す図である。
【図11】実施の形態に係る生活パターンに従う表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては同一または対応する部分に図中同一の符号を付し、その説明は繰返さない。
【0012】
本実施の形態では、活動年齢とは、単位期間において活動した場合の運動強度または消費カロリーなどで表される活動量の総量と同じ量の活動を、同一の期間でする人の標準的(または平均的)年齢を表している。ここでは、単位期間を、1日としているが1日に限定されるものではない。
【0013】
また、実年齢とは、暦に従う年齢(生まれた時から数えた年齢)を指す。
本実施の形態では、身体の活動強度を指す指標としてMETs(METs:Medical Evangelism Training & Strategies)を用いる。METsとは、身体活動の強さを、安静時の何倍に相当するかで表す単位であり座って安静にしている状態が1METs、普通歩行が3METsに相当する。
【0014】
また、エクササイズ(Ex)とは身体の活動量を表す単位であり、身体の活動強度(METs)に身体活動の実施時間(時:Hour)をかけたものである。
【0015】
本実施の形態では、活動量計として歩数計を例示するが、歩数計に限定されない。つまり、運動(歩行を含む)や生活活動(たとえば、掃除機をかける、荷物運び、炊事など)を含む身体活動による活動量を測定することができる機能を有する装置であればよい。歩数計は複数の被測定者により共用可能であるが、ここでは説明を簡単にするために使用する被測定者は1人であると想定する。
【0016】
図1の(A)を参照して、活動量計としての歩数計100は、携行が可能な小型の本体ケーシングを有しており、本体ケーシングは、ケース本体110とカバー体120とクリップ体130とに分割されている。
【0017】
ケース本体110は、カウントされた歩数、運動強度、活動年齢などの各種情報が表示可能なディスプレイ20および被測定者による操作を受け付けるための各種のボタンを有する操作部30が設けられた表示面を有する。操作部30は、活動年齢の出力を要求するために被測定者が操作するボタン31を含む。
【0018】
ケース本体110の下端とカバー体120とは、接合部分を軸に回転可能に連結され、該接合部分の回転によって、歩数計100は開状態または閉状態となる。カバー体120の、ケース本体110の表示面に相対する面とは反対側の面に、クリップ体130が設けられる。クリップ体130により、図1の(B)に示されるような、被測定者の腰部や腹部等への歩数計100の装着が可能となる。
【0019】
図2には、歩数計100を含むシステムのハードウェア構成が示される。歩数計100は、全体を制御するためのCPU(Central Processing Unit)10、ディスプレイ20、操作部30、加速度センサとMPU(Micro-Processing Unit)を含む加速度センサ部40、CPU10で実行されるプログラム、データなどを記憶するためのメモリ50、外部装置と無線または有線により通信するための通信I/F(Interfaceの略)60、電池等の電源70、音声を出力するための音声出力部80、および計時して時間データを出力するタイマ90を含む。
【0020】
歩数計100は、通信I/F60を介して外部の装置200および300と無線または有線により通信する。装置200は、たとえば携帯型端末(PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話など)に相当し、装置300は、被測定者の体重および体組成を測定する機能を有する。
【0021】
装置200は、CPU201、メモリ202、出力部203、入力部204、通信I/F205、およびCD−ROM(compact disk read only memory)206のデータをアクセスするためのデバイスドライバ207を含む。デバイスドライバ207は、CD−ROM206が着脱自在に装着されて、装着されたCD−ROM206のデータ(プログラムを含む)を読出し、または、装着されたCD−ROM206にデータを書き込む。
【0022】
装置300は、被測定者の身長、体重および体脂肪などを測定する体重・体組成測定部301、これら測定された情報を外部に送信するための通信I/F302、およびタイマ303を含む。測定された体重と体組成情報とは、タイマ303が計時する測定時間を指す計時データがそれぞれ付加された体重データと体組成データとして、通信I/F302および60を介し、歩数計100に送信される。
【0023】
図3には、CPU10の制御の下に動作する機能の構成が示される。機能として、被測定者の身体の活動量を取得するための活動量取得部11、目標活動年齢の人が単位期間において消費する目標消費カロリーを取得するための目標消費カロリー取得部14、活動量に関する指標を取得するための指標取得部15、および各種の情報を出力する出力処理部17を含む。
【0024】
活動量取得部11は、被測定者の運動強度を取得する運動強度取得部12、および活動量に基づく消費カロリーを算出するための活動消費カロリー算出部13を含む。指標取得部15は、活動年齢を取得するための活動年齢取得部16を有する。出力処理部17は、被測定者に対して活動量に関する指標を出力するための指標出力部18を有する。
【0025】
図3の各部は、プログラム、またはプログラムと回路モジュールの組み合わせに相当する。
【0026】
活動量取得部11は、加速度センサ部40からの運動強度の入力とタイマ90からの時間データの入力とを受付ける。加速度センサ部40からの運動強度を指す活動強度と、タイマ90からの時間データとを関連付けた活動強度データMi(後述する)を取得し、取得した活動強度データMiを、メモリ50に格納する。活動強度に関連付けされた時間データは、測定された活動の実施日時を指す。
【0027】
加速度センサ部40は、一般的な歩数計による歩数の測定と同様に歩数を測定する。加速度センサは、歩数計100に加えられる加速度を検出する。検出した加速度は電圧信号として導出される。MPUは、加速度センサからの出力信号を処理する。たとえば、加速度センサから逐次出力される信号に基づき、しきい値以上の加速度が検知された場合に、その回数を1歩としてカウントするように処理する。
【0028】
(運動強度の算出)
加速度センサ部40のMPUは、測定動作として、予め規定されている所定の時間間隔(たとえば20秒間隔等)で、加速度センサから入力する加速度信号に基づき測定された加速度データを用いて、所定時間毎の運動強度(単位:METs)を算出する。運動強度の具体的な算出方法は、出願人による特開2009−28312号公報に開示されている手法など、公知の手法を用いて算出することができる。
【0029】
運動強度は、歩行のピッチ(所定時間毎の歩数)および予め入力されている被測定者の身長に依存する、身体活動の強さを表わす指標である。たとえば、安静にしている状態は1METsに相当し、普通歩行(4km/時)は3METsに相当し、掃除機をかけるは3.5METsに相当し、ジョギングは7METsに相当する(健康づくりのための運動指針「エクササイズガイド2006」(厚生労働省))。
【0030】
(消費カロリーの算出)
活動消費カロリー算出部13は、被測定者の活動による消費カロリーを次の式に従って算出する。消費カロリー(kcal)=運動強度(METs)×体重(kg)×運動継続時間(h)×1.05(厚生労働省 健康づくりのための運動指針「エクササイズガイド2006」より)。運動強度と運動継続時間は活動強度データMiから取得でき、体重は後述する体格データ57から取得できる。
【0031】
また、活動量取得部11は、活動強度(METs)に身体活動の実施時間(時:Hour)をかけることにより、身体の活動量(単位:Ex)を算出する。
【0032】
活動年齢取得部16が被測定者の活動量に基づき、活動年齢を取得する。活動年齢は、演算式を用いて換算することにより算出でき、または、換算テーブルを検索することで取得できる。
【0033】
活動年齢の算出に用いる換算式は、パラメータ(変数)と係数を含む。パラメータには、被測定者の基礎代謝量を有する身体情報を含む。活動年齢取得部16は、係数を可変に決定することができる。
【0034】
図4には、メモリ50の記憶内容が例示される。図4を参照してメモリ50は、活動強度データMi(i=1、2、3、…n)が格納される領域E1、被測定者が操作部30を操作して設定した目標の活動年齢を指す目標活動年齢51が格納される領域E2、および領域E3を含む。活動強度データMiは、生活活動または運動などで測定された活動強度と、対応の測定時間とを含む。
【0035】
領域E3には、被測定者の活動量から算出された消費カロリー52、算出された基礎代謝量53、取得される予測活動年齢54、および消費カロリーを活動年齢に換算するために参照される換算テーブル群55が格納される。さらに、被測定者の実年齢データ56、被測定者の体重、身長などを含む体格データ57、消費カロリーの時系列に従った変化を指す消費カロリー履歴データ58および被測定者の性別を指す性別データ59が格納される。被測定者の身体に固有の特徴を表す身体情報には、実年齢データ56、体格データ57、性別データ59および基礎代謝量53などが含まれる。
【0036】
図5には、被測定者の単位期間における単位時間帯(ここでは、1時間の時間帯)毎の消費カロリー(kcal)が棒グラフで示される。図5のデータは領域E3の消費カロリー履歴データ58を表す。消費カロリー履歴データ58は、活動消費カロリー算出部13により生成される。具体的には、活動消費カロリー算出部13は、たとえば過去1ヶ月分の活動強度データMiに基づき、1日の単位時間帯毎(0:00,・・・7:00,8:00,・・・22:00,・・・24:00の各時間毎)の活動強度の1ヶ月分の平均値を算出する。そして、単位時間毎の当該平均値を用いた上述の算出式に従い当該単位時間の消費カロリーを算出する。このように算出される単位時間毎の過去1ヶ月分の平均消費カロリーを単位消費カロリーと称する。活動消費カロリー算出部13は、算出される単位消費カロリーを、単位時間毎に対応付けて消費カロリー履歴データ58として領域E3に格納する。
【0037】
消費カロリー履歴データ58は毎日更新される。活動消費カロリー算出部13は、たとえば毎日24:00に単位消費カロリーを算出し、算出結果を用いて消費カロリー履歴データ58を更新する。
【0038】
ここでは、単位時間帯を1時間長さとしたが、長さは1時間に限定されるものではない。また、単位時間毎の消費カロリーの平均を記憶したが、記憶する消費カロリーは平均に限定されず、代表値であればよく、たとえば最頻値、または中央値などであってよい。
【0039】
(活動年齢の算出)
活動年齢取得部16による活動年齢の算出手順について説明する。
【0040】
まず、基本となる活動年齢の算出式の導出について説明する。被測定者の理論上の1日の基礎代謝量は(式1)で算出できることが知られている。
【0041】
基礎代謝理論値=(0.0481×W+0.0234×H-0.0138×R-0.5473×F+0.1238)×239 (式1)ただし、Wは体重、Hは身長、Rは実年齢、およびFは性別を指す。Wの体重の単位はkgを指し、Hの身長の単位はcmを指す。Fは男の場合は1を指し、女の場合は2を指す。(式1)に従うと、実年齢:Rは(式2)で表される。
【0042】
R=(基礎代謝理論値/239-0.1238-0.0481×W-0.0234×H+0.5473×F)/(-0.0138) (式2)
ここで、被測定者の1日の身体活動レベルPAL(PAL:Physical Activity Level)は、1日の総消費カロリー(単位:kcal)/1日の基礎代謝量(単位:kcal)から算出されることが知られており、活動量が“ふつう”であれば身体活動レベルPALは1.6〜1.9であることが知られている。ここでは、その代表値として中間値である1.75を採用する。したがって、標準レベルの総消費カロリー[kcal/日]=基礎代謝理論値[kcal/日]×1.75の関係式が成立するので、被測定者の活動年齢を求めるために、この関係式から、基礎代謝比較値=実際の総消費カロリー/1.75(式3)を導出できる。発明者らは、(式1)〜(式3)に従うと、活動年齢算出の基本式である(式4)を導出できるとの知見を得た。
【0043】
活動年齢[歳]
={(実際の総消費カロリー[kcal/日]/1.75)/239-0.1238-0.0481×W-0.0234×H+0.5473×F}/(-0.0138) (式4)
上述の(式1)〜(式4)の体重Wと身長Hはメモリ50から読出される体格データ57により指示されて、性別Fもメモリ50から読出される性別データ59により指示される。
【0044】
活動年齢は、上述の(式4)を用いた演算に替えて、換算テーブル群55を検索することにより取得されてもよい。ここで、換算テーブル群55には、身長H、体重Wおよび性別Fの組毎に、換算テーブルが含まれる。各組に対応の換算テーブルは、(式3)に従って算出される基礎代謝の各値に対応付けて活動年齢が格納される。
【0045】
図6には、換算テーブルの一例が示される。図6では、被測定者の身長が170cm,体重が60kgおよび性別が男である場合の換算テーブルが、横軸に活動年齢をとり、縦軸に(式3)による基礎代謝量をとった1次関数のグラフとして示される。活動年齢取得部16は、メモリ50の実年齢データ56、体格データ57および性別データ59に基づき換算テーブル群55を検索して、対応する換算テーブル(図6)を読出す。また、活動年齢取得部16は、活動消費カロリー算出部13が算出した総消費カロリーから基礎代謝を算出する。たとえば、総消費カロリーが2485kcalである場合には、(式3)により基礎代謝は1420kcalと算出される。活動年齢取得部16は基礎代謝(1420kcal)に基づき図6の換算テーブルを検索することにより、活動年齢として37歳を取得できる。
【0046】
なお、図6の換算テーブルは、European Journal of Clinical Nutrition (2007), 1-6
Ganpule AA, et al. Interindividual variability in sleeping metabolic rate in Japanese subjects.を元に算出したものである。
【0047】
(処理フローチャート)
図7には、本実施の形態に係る処理フローチャートが示される。この処理フローチャートに従う処理は、CPU10が、メモリ50から所定プログラムを読出し、読出したプログラムの各命令を実行することにより実現される。図7のフローチャートに従って被測定者の活動年齢の算出について説明する。
【0048】
なお、被測定者は、基本的に起床してから就寝までの間は、言換えると7:00〜22:00までの期間は歩数計100を携行していると想定する。したがって、メモリ50の領域E1には十分な件数の活動強度データMiが格納されていると想定する。
【0049】
(1日の消費カロリーによる活動年齢の提示)
被測定者は1日の活動量から活動年齢を知りたい場合、就寝時に操作部30のボタン31を操作すると、CPU10は当該操作を受付ける。具体的には、当該ボタン31が操作により操作部30から出力される操作信号に基づき、CPU10は図7の処理を開始する。処理が開始されると、活動量取得部11は、メモリ50の領域E1から読出す活動強度データMiに基づき、本日分すなわち今日の00:00から現時点(22:00)までの活動量を取得する(ステップS3)。続いて、活動消費カロリー算出部13は、取得された活動量に基づき、被測定者の消費カロリーを算出し(ステップS5)、活動年齢取得部16は、被測定者の単位期間の基礎代謝量を算出する(ステップS7)。
【0050】
活動年齢取得部16は、算出された消費カロリーおよび基礎代謝量を用いて(式4)に従って活動年齢を算出する(ステップS7)。または換算テーブルを検索して活動年齢を取得する。活動年齢取得部16は、取得された活動年齢を、出力処理部17に与える。出力処理部17の指標出力部18は、与えられた活動年齢をディスプレイ20に表示し、または音声出力部80を介し出力する(ステップS11)。
【0051】
このときのディスプレイ20の表示例が図1の(A)に示される。図1の(A)では、算出された消費カロリーとともに、取得された活動年齢が表示される。被測定者は、表示された活動年齢が実年齢を指す、または実年齢に近いと判断した場合には、活動(運動)量が適当であることを知ることができ、実年齢を大きく超えていると判断すれば活動(運動)量が足りないと知ることができる。
【0052】
活動年齢は図8のように表示してもよい。図8では、活動年齢が被測定者の実年齢以下であれば“OK”のメッセージ21が、活動年齢が実年齢よりも大きければ“NG”のメッセージが併せて表示される。
【0053】
したがって、図1の(A)または図8の出力によれば、被測定者に対して1日の活動量が適当であるかを判断するための指標を提示することができる。被測定者は、指標を確認することで、活動量を増やそう、または現在の活動量を維持しようという動機付けを得ることができる。
【0054】
ここでは、図7の処理は、ボタン31の操作に応じて開始するとしたが、開始のタイミングはこれに限定されず、たとえばタイマ90が毎日所定時間を計時すると、CPU10が処理を開始するようにしてもよい。
【0055】
(目標活動年齢による指標の提示)
CPU10は、活動年齢を目標活動年齢51に到達させるための活動量の指標を、消費すべきカロリー量として提示するようにしてもよい。
【0056】
本実施の形態では、被測定者が操作部30を操作することにより、目標活動年齢による指標の提示を要求した場合には、活動年齢が目標活動年齢に達するために被測定者が、たとえば1週間で消費すべき平均的な消費カロリー量(以下、消費カロリーWCと称する)を、活動量の指標として算出し出力する。
【0057】
まず、目標消費カロリー取得部14は、消費カロリーWCを、上述した標準レベルの総消費カロリー[kcal/日]=基礎代謝理論値[kcal/日]×1.75の関係式、目標活動年齢51および図6のグラフに示す換算テーブルに従って算出する。具体的には、メモリ50から読出す目標活動年齢51に基づき図6の換算テーブルを検索し、換算テーブルから対応する基礎代謝量を読出し、当該基礎代謝量と上述の関係式から標準レベルの総消費カロリー[kcal/日]の値を算出し、この算出値を用いて(算出値×7(日))により消費カロリーWCを算出して出力する。また、単位期間を1週間から1日に変更して、(当該算出値÷(1.05×3METs×体重(kg))×60分÷7)より、消費カロリーWCを、被測定者がたとえば3METsの運動強度で活動した場合の1日当たりの運動時間(単位:分)を算出して出力するようにしてもよく、1日当たりの消費すべきカロリーを、WC÷7により算出して出力してもよい。このように、1日当たりの運動時間(単位:分)により1日の目標の消費カロリー量が間接的に提示され、WC÷7の算出により直接的に提示される。
【0058】
他の提示態様として、目標年齢を達成するために、その後に消費するべきカロリー量または活動量、すなわち活動するべき時間を提示するようにしてもよい。これを、1週間を日曜から土曜までと想定した場合について説明する。説明を簡単にするために、被測定者は3METsで活動すると想定する。
【0059】
操作部30が操作されて要求が入力されると、活動消費カロリー算出部13は、今週の日曜日から現時点、すなわち要求が入力された時点までの活動による消費カロリー(以下、消費カロリーCCと称する)を算出する。具体的には、活動強度データMiに基づき、活動強度と運動継続時間を取得し、上述の(消費カロリー(kcal)=運動強度(METs)×体重(kg)×運動継続時間(h)×1.05)の式に従って算出する。
【0060】
そして、指標取得部15は、消費カロリーWCから消費カロリーCCを減じる。その結果の値は、今週の残り日数(現在から今週末日までの残り期間)で消費するべきカロリー(以下、消費カロリーRCという)を表し、これを活動量の指標として取得する。また、本日運動すべき時間(分)が、(消費カロリーRC÷(残り日数)÷(1.05×3METs×体重(kg))÷60分)により算出される。このようにして算出された活動量の指標(消費カロリーRC、および本日運動すべき時間(分))は、指標出力部18によりディスプレイ20に表示され、または音声出力部80から出力される。
【0061】
図9には、この場合のディスプレイ20の表示例が示される。図9では、消費カロリーRC(5647kcal)、本日運動すべき時間(75分)、および活動年齢(38歳)が表示される。併せて、被測定者が設定した目標活動年齢51が表示されてもよい。
【0062】
(予測活動年齢による指標の提示)
CPU10は、被測定者の過去の消費カロリーのデータから、当日の予測消費カロリーを取得し、予測消費カロリーから取得する活動年齢を、予測活動年齢54として算出し、メモリ50の領域E3に格納する。
【0063】
本実施の形態では、被測定者が操作部30を操作することにより、予測活動年齢による指標の提示を要求した場合には、活動消費カロリー算出部13は、本日の現時点、すなわち要求が入力された時点までの活動による消費カロリー(以下、消費カロリーTCと称する)を算出する。具体的には、本日の活動強度データMiに基づき、運動強度と運動継続時間を取得し、上述の(消費カロリー(kcal)=運動強度(METs)×体重(kg)×運動継続時間(h)×1.05)の式に従って算出する。
【0064】
次にメモリ50の領域E3の消費カロリー履歴データ58を、タイマ90の現在時間に基づき検索する。そして、検索結果から、現在時間以降の各時間の消費カロリーの総和を算出し、総和消費カロリーを消費カロリーTCに加算する。その加算結果の消費カロリーは本日の予測消費カロリーを指す。指標取得部15は、予測消費カロリーから、上述した手順に従って活動年齢を算出する。このようにして、被測定者の前日までの平均消費カロリーから本日このまま過ごしたら活動年齢が何歳になるかが推定される。
【0065】
推定された活動年齢は、予測活動年齢54を表し、メモリ50に格納されるとともに、指標出力部18によりディスプレイ20に表示され、または音声出力部80から出力される。
【0066】
図10には、この場合のディスプレイ20の表示例が示される。図10では、消費カロリーTCおよび予測活動年齢それぞれが、2647kcalおよび38歳として表示されている。
【0067】
(予測活動年齢に対する活動ペースの指標提示)
指標取得部15は、被測定者が予測活動年齢の総消費カロリーに対して、どれだけのペースでカロリーを消費しているかを表す指標を取得してもよい。当該指標は図10の矢印のマーク22で出力される。
【0068】
具体的には、取得された予測活動年齢、図6の換算テーブルおよび式3から、予測活動年齢の人の標準的な総消費カロリーSCを算出する。そして、その人の場合の現時点までの消費カロリーを算出する。つまり、7:00〜22:00までの期間と、タイマ90が計時する現在時間と、総消費カロリーSCから、7:00から現在時間までの期間に相当する消費カロリーを算出する。そして、この算出した消費カロリー(ここでは、標準途中消費カロリーC1とする)と、被測定者の本日の活動強度データMiを用いて算出される本日の7:00から現在時間までの消費カロリー(ここでは、途中消費カロリーC2とする)とを比較する。指標取得部15は、比較結果、(C1>C2)の条件成立を判定すると“運動のペースアップ”のデータを出力し、(C1<C2)の条件成立を判定すると“運動のペースダウン”のデータを出力する。
【0069】
指標出力部18は、指標取得部15から出力される“運動のペースアップ”に基づき、上向きの矢印のマーク22を出力し、被測定者に対して運動のペースアップを促す。また、出力される“運動のペースダウン”に基づき、下向きの矢印のマーク22を出力し、被測定者に対して運動のペースを落すように促す。
【0070】
なお、マーク22の矢印の向きは、予測活動年齢54と被測定者による目標活動年齢51との比較により決定してもよい。つまり、予測活動年齢54が目標活動年齢51よりも高いときは、目標を達成できるように“運動のペースアップ”を促す上向きに、低いときはハイペースとなりすぎないようアドバイスする下向きにしてもよい。
【0071】
(生活パターンによる活動年齢の指標提示)
被測定者の過去の消費カロリーの変化を指す消費カロリー履歴データ58が示すある時間帯の活動量と、本日の同時間帯の活動量とを比較し、比較結果に基づき指標出力部18は、活動に関する指標を出力するようにしてもよい。指標出力部18によるディスプレイ20における表示例が図11に示される。図11では、現在時間(9:20)、現在時間までの消費カロリー(647kcal)、上述の予測活動年齢(38歳)および矢印のマーク23が表示される。
【0072】
具体的には、指標取得部15は活動強度データMiから現在時間帯(9時の時間帯)の消費カロリーを算出する。算出した消費カロリーと、消費カロリー履歴データ58から読出した現在と同一時間帯の消費カロリーとを比較する。比較結果、(算出消費カロリー>読出した消費カロリー)の条件が成立すると、マーク23の矢印は上向きとなり、(算出消費カロリー<読出した消費カロリー)の条件が成立すると、マーク23の矢印は下向きとなる。
【0073】
このようにタイマ90が計時する現在時間が属する時間帯の消費カロリーが、過去の同一時間帯における平均消費カロリーよりも多いか、または少ないかの活動量の指標を提示することができる。
【0074】
(変形例)
上述した指標に関する処理は、装置200で実施されてもよい。つまり、装置200は、領域E2とE3の必要データをメモリ202に格納しており、歩数計100から活動強度データMiを受信する。これにより、CPU201は、これらデータを用いて上述の算出手順で活動年齢および各種指標を算出して、出力部203に出力する、または歩数計100に送信してディスプレイ20に表示させる。
【0075】
活動強度は、上述した加速度信号に従い検出される体動に基づき算出する方法に代替して、被測定者から検出する心拍数と所定の演算式とを用いて算出する方法であってもよい。
【0076】
また、基礎代謝量は(式1)を用いて算出するとしたが、算出方法はこれに限定されない。たとえば、体重・体組成測定部301により測定された体組成情報から算出するようにしてもよい。体組成情報から算出する方法としては、体重・体組成測定部301により測定された除脂肪量から簡易的に基礎代謝量を算出することができる。この場合、基礎代謝量=A×FFM+Bの式に従って算出できる(FFM:除脂肪量、A,B:定数)。
【0077】
(他の実施の形態)
上述したフローチャートを用いて説明した活動年齢を算出し出力するための方法は、プログラムとして提供することもできる。方法を実現するためプログラムは、予め歩数計100のメモリ50に格納されており、CPU10がメモリ50から当該プログラムを読出し、命令コードを実行することにより処理が実現される。このプログラムは、通信I/F60を介して、通信回線を経由し、装置200を含む外部の情報処理装置からメモリ50にダウンロードされることにより供給されてもよい。
【0078】
また、装置200は、このようなプログラムおよび図4のデータを、メモリ202に格納し、CPU201がメモリ202から当該プログラムを読出し、命令コードを実行することにより装置200において活動年齢の算出がされて、出力部203を介して表示されてもよい。図4のデータは、通信I/F60を介して歩数計100から装置200に送信される。装置200により算出された活動年齢は歩数計100に送信されて、ディスプレイ20に表示されてもよい。
【0079】
装置200に活動年齢を算出させるために、プログラムは、装置200に付属する図示のないフレキシブルディスク、CD−ROM206、メモリ202のROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記録されたプログラム製品として、装置200に提供される。あるいは、装置200が内蔵する図示のないハードディスクなどの記録媒体に予めプログラムを記録させておくことにより、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介した他の情報処理装置から装置200へのダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0080】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0081】
11 活動量取得部、12 運動強度取得部、13 活動消費カロリー算出部、14 目標消費カロリー取得部、15 指標取得部、16 活動年齢取得部、17 出力処理部、18 指標出力部、20 ディスプレイ、30 操作部、51 目標活動年齢、53 基礎代謝量、54 予測活動年齢、55 換算テーブル群、56 実年齢データ、57 体格データ、58 消費カロリー履歴データ、59 性別データ、100 歩数計。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定者の活動量を取得する活動量取得手段と、
活動量に関する指標を取得する指標取得手段と、
取得される指標を出力する指標出力手段と、を備え、
前記指標取得手段は、
単位期間において取得される活動量と同じ量の活動をする人の標準年齢を表す活動年齢を、被測定者の身体情報を用いて取得する活動年齢取得手段を、含み、
取得される活動量に基づき、活動年齢の目標を達成するための前記指標を取得する、活動量計。
【請求項2】
前記身体情報は、被測定者の基礎代謝量を含む、請求項1に記載の活動量計。
【請求項3】
前記活動量取得手段は、活動量として被測定者の消費カロリーを取得する消費カロリー取得手段を、含み、
前記活動年齢取得手段は、
単位期間において取得される消費カロリーと同じ量を消費する人の標準年齢を表す活動年齢を、被測定者の身体情報を用いて取得する、請求項1または2に記載の活動量計。
【請求項4】
前記活動量取得手段は、活動量として被測定者の運動強度を取得する運動強度取得手段を含み、
前記消費カロリー取得手段は、
前記運動強度取得手段によって取得される単位期間の運動強度と前記身体情報から、当該単位期間における消費カロリーを取得する、請求項3に記載の活動量計。
【請求項5】
前記指標取得手段は、
目標の活動年齢の人が単位期間にする活動量の総量を表す目標活動量を取得する目標活動量取得手段と、
取得される目標活動量を用いて指標を取得する、請求項1から4のいずれかに記載の活動量計。
【請求項6】
前記指標取得手段は、
単位期間内において前記活動量取得手段によって取得される被測定者の活動量と、前記目標活動量取得手段が取得する目標活動量とを比較し、比較結果に基づき前記指標を取得する、請求項5に記載の活動量計。
【請求項7】
前記指標取得手段は、
前記活動量取得手段によって取得される単位期間の開始から途中までの活動量を表す途中活動量と、前記目標活動量取得手段が取得する目標活動量との差分を算出し、算出した差分に基づき前記指標を取得する、請求項6に記載の活動量計。
【請求項8】
単位期間は、複数の時間帯からなり、
前記活動量取得手段によって取得された活動量の各時間帯の代表値が、当該時間帯に対応して記憶される記憶手段を、さらに備え、
前記指標取得手段は、
前記記憶手段の時間帯毎に記憶されている代表値と、前記途中活動量とを用いて単位期間における予測活動量を取得する手段を、含み、
取得される予測活動量と被測定者の身体情報とを用いて取得される活動年齢を表す予測活動年齢を、前記指標として取得する、請求項7に記載の活動量計。
【請求項9】
前記指標取得手段は、
前記予測活動年齢の人の単位期間における標準的な活動量を取得し、
取得する標準的な活動量から、単位期間の開始から途中までの標準途中活動量を算出すし、
算出される前記標準途中活動量と、被測定者の前記途中活動量とを比較し、比較結果に基づき前記指標を取得する、請求項8に記載の活動量計。
【請求項10】
前記指標取得手段は、
前記活動量取得手段により取得される被測定者の或る時間帯の活動量と、前記記憶手段に記憶される同一の時間帯に対応の活動量の代表値とを比較し、比較結果に基づき前記指標を取得する、請求項8または9に記載の活動量計。
【請求項11】
プロセッサを用いて被測定者の活動量を管理する活動量管理方法であって、
被測定者の活動量を取得するステップと、
活動量に関する指標を取得するステップと、
取得される指標をディスプレイに出力するステップと、を備え、
前記指標を取得するステップでは、
単位期間において取得される活動量と同じ量の活動をする人の標準年齢を表す活動年齢を、被測定者の身体情報を用いて取得するステップを、含み、
取得される活動量に基づき、活動年齢の目標を達成するための前記指標を取得する、活動量管理方法。
【請求項12】
プロセッサに活動量管理方法を実行させるためのプログラムであって、
前記活動量管理方法は、
被測定者の活動量を取得するステップと、
活動量に関する指標を取得するステップと、
取得される指標をディスプレイに出力するステップと、を備え、
前記指標を取得するステップでは、
単位期間において取得される活動量と同じ量の活動をする人の標準年齢を表す活動年齢を、被測定者の身体情報を用いて取得するステップを、含み、
取得される活動量に基づき、活動年齢の目標を達成するための前記指標を取得する、プロセッサに体重管理方法を実行させるためのプログラム。
【請求項13】
被測定者の活動量を測定する測定装置と、情報処理装置とを備える活動量管理システムであって、
前記測定装置は、
被測定者の活動量を取得する活動量取得手段と、
取得した活動量を前記情報処理装置に送信する手段と、を含み、
前記情報処理装置は、
前記測定装置から送信される活動量を受信する手段と、
受信した活動量に関する指標を取得する指標取得手段と、
取得される指標を出力する指標出力手段と、を備え、
前記指標取得手段は、
単位期間において取得される活動量と同じ量の活動をする人の標準年齢を表す活動年齢を、被測定者の身体情報を用いて取得する活動年齢取得手段を、含み、
取得される活動量に基づき、活動年齢の目標を達成するための前記指標を取得する、活動量管理システム。
【請求項1】
被測定者の活動量を取得する活動量取得手段と、
活動量に関する指標を取得する指標取得手段と、
取得される指標を出力する指標出力手段と、を備え、
前記指標取得手段は、
単位期間において取得される活動量と同じ量の活動をする人の標準年齢を表す活動年齢を、被測定者の身体情報を用いて取得する活動年齢取得手段を、含み、
取得される活動量に基づき、活動年齢の目標を達成するための前記指標を取得する、活動量計。
【請求項2】
前記身体情報は、被測定者の基礎代謝量を含む、請求項1に記載の活動量計。
【請求項3】
前記活動量取得手段は、活動量として被測定者の消費カロリーを取得する消費カロリー取得手段を、含み、
前記活動年齢取得手段は、
単位期間において取得される消費カロリーと同じ量を消費する人の標準年齢を表す活動年齢を、被測定者の身体情報を用いて取得する、請求項1または2に記載の活動量計。
【請求項4】
前記活動量取得手段は、活動量として被測定者の運動強度を取得する運動強度取得手段を含み、
前記消費カロリー取得手段は、
前記運動強度取得手段によって取得される単位期間の運動強度と前記身体情報から、当該単位期間における消費カロリーを取得する、請求項3に記載の活動量計。
【請求項5】
前記指標取得手段は、
目標の活動年齢の人が単位期間にする活動量の総量を表す目標活動量を取得する目標活動量取得手段と、
取得される目標活動量を用いて指標を取得する、請求項1から4のいずれかに記載の活動量計。
【請求項6】
前記指標取得手段は、
単位期間内において前記活動量取得手段によって取得される被測定者の活動量と、前記目標活動量取得手段が取得する目標活動量とを比較し、比較結果に基づき前記指標を取得する、請求項5に記載の活動量計。
【請求項7】
前記指標取得手段は、
前記活動量取得手段によって取得される単位期間の開始から途中までの活動量を表す途中活動量と、前記目標活動量取得手段が取得する目標活動量との差分を算出し、算出した差分に基づき前記指標を取得する、請求項6に記載の活動量計。
【請求項8】
単位期間は、複数の時間帯からなり、
前記活動量取得手段によって取得された活動量の各時間帯の代表値が、当該時間帯に対応して記憶される記憶手段を、さらに備え、
前記指標取得手段は、
前記記憶手段の時間帯毎に記憶されている代表値と、前記途中活動量とを用いて単位期間における予測活動量を取得する手段を、含み、
取得される予測活動量と被測定者の身体情報とを用いて取得される活動年齢を表す予測活動年齢を、前記指標として取得する、請求項7に記載の活動量計。
【請求項9】
前記指標取得手段は、
前記予測活動年齢の人の単位期間における標準的な活動量を取得し、
取得する標準的な活動量から、単位期間の開始から途中までの標準途中活動量を算出すし、
算出される前記標準途中活動量と、被測定者の前記途中活動量とを比較し、比較結果に基づき前記指標を取得する、請求項8に記載の活動量計。
【請求項10】
前記指標取得手段は、
前記活動量取得手段により取得される被測定者の或る時間帯の活動量と、前記記憶手段に記憶される同一の時間帯に対応の活動量の代表値とを比較し、比較結果に基づき前記指標を取得する、請求項8または9に記載の活動量計。
【請求項11】
プロセッサを用いて被測定者の活動量を管理する活動量管理方法であって、
被測定者の活動量を取得するステップと、
活動量に関する指標を取得するステップと、
取得される指標をディスプレイに出力するステップと、を備え、
前記指標を取得するステップでは、
単位期間において取得される活動量と同じ量の活動をする人の標準年齢を表す活動年齢を、被測定者の身体情報を用いて取得するステップを、含み、
取得される活動量に基づき、活動年齢の目標を達成するための前記指標を取得する、活動量管理方法。
【請求項12】
プロセッサに活動量管理方法を実行させるためのプログラムであって、
前記活動量管理方法は、
被測定者の活動量を取得するステップと、
活動量に関する指標を取得するステップと、
取得される指標をディスプレイに出力するステップと、を備え、
前記指標を取得するステップでは、
単位期間において取得される活動量と同じ量の活動をする人の標準年齢を表す活動年齢を、被測定者の身体情報を用いて取得するステップを、含み、
取得される活動量に基づき、活動年齢の目標を達成するための前記指標を取得する、プロセッサに体重管理方法を実行させるためのプログラム。
【請求項13】
被測定者の活動量を測定する測定装置と、情報処理装置とを備える活動量管理システムであって、
前記測定装置は、
被測定者の活動量を取得する活動量取得手段と、
取得した活動量を前記情報処理装置に送信する手段と、を含み、
前記情報処理装置は、
前記測定装置から送信される活動量を受信する手段と、
受信した活動量に関する指標を取得する指標取得手段と、
取得される指標を出力する指標出力手段と、を備え、
前記指標取得手段は、
単位期間において取得される活動量と同じ量の活動をする人の標準年齢を表す活動年齢を、被測定者の身体情報を用いて取得する活動年齢取得手段を、含み、
取得される活動量に基づき、活動年齢の目標を達成するための前記指標を取得する、活動量管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−179218(P2012−179218A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43762(P2011−43762)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
[ Back to top ]