説明

活性酸素消去・除去剤

【構成】 アスパラサス・リネアリス抽出物を有効成分とする活性酸素消去・除去剤。
【効果】 活性酸素を除去し、ヒトを含む哺乳動物の活性酸素によって発症すると思われる白内障、アトピー性皮膚疾患、血圧降下、脳疾患など活性酸素が深く関わっている疾患を副作用なく、かつ迅速に改善することができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、豆科に属するアスパラサス・リネアリスの含有成分を有効成分とする生体内の活性酸素消去・除去剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、活性酸素が原因で起こる疾患は数多く知られている。活性酸素は各種のガンを誘発し、生体膜障害、肝疾患、脳血管障害、虚血(虚血性心疾患)、肺疾患、動脈硬化、高血圧、糖尿病、白内障、アトピー性皮膚炎、リウマチ、ストレス性潰瘍(胃、十二指腸、大腸など)、自己免疫疾患、パーキンソン病、脳卒中、パラコート中毒、火傷、老化の進行などに深く関わっている。これらの活性酸素に対する防御機構として、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンE、尿酸、グルタチオンなどの低分子物質に加えて、カタラーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、グルタチオンペルオキシダーゼなどが動物の身体には存在している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、活性酸素を防御するものとしてビタミンC、ビタミンEなどを摂取しても、効果が明確でなく、特に治療の難しい白内障、高血圧、動脈硬化、アレルギー疾患、ウイルス・細菌性皮膚疾患、また難治性皮膚疾患に有効な治療剤は知られていない。
【0004】また、アレルギー疾患を根治させるには体質改善による方法があり、その際飲食等による方法も行われているが、飲食によるアレルギー性疾患を改善する方法は、効果が薄いか長時間を要するため、十分な効果のあるものは知られていなかった。
【0005】本発明は、前記課題を解決し、老化、アレルギー疾患、火傷あるいは白内障など活性酸素によって発病する各種疾患に有効な症状の改善治療剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、前記目的を解決するために鋭意研究を重ねた結果、豆科に属するアスパラサス・リネアリス抽出物が、活性酸素によって生じる白内障など各種疾患に対し優れた効果を有し、かつ副作用がなく安全に各種皮膚疾患等を改善できるとの知見を得て本発明を完成した。
【0007】本発明の有効成分は、アスパラサス・リネアリスの葉または茎を、水及び/または有機溶媒で抽出し、該抽出液より抽出溶媒を留去する方法、またはアスパラサス・リネアリスの葉または茎を粉砕することによって得ることができる。また、通常の日本茶、中国茶、紅茶の製法と同様に抽出してもよい。
【0008】水で抽出する場合には、アスパラサス・リネアリスの50〜1000倍の水を加え、90〜100度で5〜30分間程度抽出するのが好ましい。また、通常の茶と同様にするときは、アスパラサス・リネアリスの乾燥葉の50〜1000倍の水を加え、90〜100度で5〜30分間程度沸騰させ抽出液を得る。
【0009】有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、アセトン等が挙げられ、抽出にあたって温時抽出等慣用手段を用いることができる。また、抽出液の分離も、デカンテーションや遠心分離等の慣用手段を用いることができる。
【0010】抽出溶媒の留去も凍結乾燥等の慣用手段を用いることができる。また、アスパラサス・リネアリスそのものを粉砕し、粉末化して用いることもできる。
【0011】本発明は、混合してそのまま溶液、粉末顆粒、錠剤、乳剤、ゼリー状など任意の形態で単独投与、または、他の飲食物に混合して飲食することもできる。さらに、焙煎したアスパラサス・リネアリスを浴槽に入れ、火傷、皮膚炎等の患部を浸すことによっても効果を得ることができる。
【0012】投与量は、対象となる疾患の種類、程度により異なるが、飲料として常用する場合には、1〜3g乾燥葉/l溶液を100ml〜1500ml/日飲食するのが好ましい。また、浴槽に入れるときは、乾燥葉アスパラサス・リネアリス2〜10gを用いるのが好ましい。
【0013】アスパラサス・リネアリスは、ラットに対する急毒性試験で死亡例は皆無であり、生化学血液検査及び病理組織学的検査においても異常が認められなかった。
【0014】
【効果】本発明は、活性酸素を除去し、ヒトを含む哺乳動物の活性酸素によって発症すると思われる白内障、動脈硬化、脳血管障害、皮膚疾患など活性酸素が深く関わっている疾患を副作用なく、かつ迅速に改善することができ、副作用がないため飲食等により服用し、アレルギー性疾患を根治することができる。
【0015】
【実施例】
製造例採取したアスパラサス・リネアリスの葉(茎つき)を、5mm長に切断後、ローリング、酵素醗酵、天日乾燥の工程を経て乾燥葉とする。乾燥葉1〜5gを水1.5〜2リットルで5〜30分間沸騰させ抽出液を得た。
【0016】実施例1(皮膚疾患の改善)
製造例で得た抽出液を表1に示す各種皮膚炎およびアレルギーの患者に、1日約1000mlを2週間飲ませて症状の改善を調べ、その結果を表1に示す。
【表1】


【0017】実施例2(皮膚疾患の改善)
製造例で得た乾燥葉アスパラサス・リネアリス5gを300リットルの浴槽に入れ20分以上放置した後、表2に示す各種患者を2週間繰り返し入浴させ、改善を調べた。その結果を表2に示す。
【表2】


【0018】実施例3(白内障の改善)
白内障の患者11人に毎食時250から350ml(一日約1リットル)飲用して2ヶ月後、症状を調べた。その結果、9人に症状の改善がみられ、飲食前に比して目のかすみ肩こりの症状が改善され日常生活に支障もなくなった。また、飲食後1年を経過しているが安定した状態が続いている。
【0019】実施例4(血圧降下および安定作用)
血圧160以上の高血圧の患者10名に製造例で得られた溶液を実施例3に準じて飲用させたところ、飲用後20日から60日で8名において正常血圧になり以後血圧が安定した。また、低血圧も同様に正常血圧になることが認められ、このことより単なる血圧降下作用のみでなく活性酸素が除去されて高低血圧が正常になったと思われる。
【0020】実施例5(脳代謝促進)
2ヶ月、6ヶ月、12ヶ月齢のラット(SD系、雄)に、製造例に準じてでアスパラサス・リネアリスの乾燥葉4g/500mlを15分間沸騰して抽出液を得、得られた抽出液1ml/100g体重を腹腔内に投与した投与群と、同量の生理食塩水を投与した対象群にわけ、投与後のラットの脳線状体のドパミン、セロトニンの代謝変動をマイクロダイアリシス法で、HPLCおよび電気化学検出器を用いて調べた。その結果を表3、表4に示す。
【表3】


【表4】


表3、4より、投与群ではドパミン代謝産物のDOPC、HVAが増加し、またセロトニン代謝産物の5HIAAが増加したことがわかる。このことは、抽出液投与によって脳内神経伝達物質の代謝が活発になっていると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 アスパラサス・リネアリス抽出物を有効成分とする活性酸素消去・除去剤。

【公開番号】特開平5−271063
【公開日】平成5年(1993)10月19日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−359877
【出願日】平成3年(1991)12月27日
【出願人】(591264186)株式会社ルイボスティージャパン (6)
【出願人】(592026783)
【出願人】(391058026)