説明

活水器

【課題】水道水がセラミック焼結体の表面全体と十分に接触して効率よく活性化できると共に、圧力損出が少なく大量の水を短時間で活性化できる活水器を提供するものである。
【解決手段】表面に螺旋状の通水部9が形成された筒状収納体となるコイルスプリング7の内側に、多孔質のセラミック焼結体5を、短いコイルスプリング6を介して複数個直線状に配置し、支持シャフト10に間隔をおいて複数の支持板11A〜11Dを垂直に取付け、これら隣接する支持板11A〜11Dの間に、支持シャフト10を囲むように複数個の前記コイルスプリング7の両端を連結して活性支持体1を形成し、この活性体支持体1を、一端に流入口3を他端に流出口4を開口した金属容器2の内部に装着したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックを用いて水を活性化させる活水器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、水道水の水質の劣化に伴って浄水器や活水器を通して処理することが普及してきている。この活水器としてセラミック焼結体を用いたものがある(特許文献1)。このセラミック焼結体を収納する構造としては、金属容器内にそのまま充填したものや、セラミックをコーティングした袋に充填したもの(特許文献2)がある。
【0003】
しかしながらセラミック焼結体を単に金属容器や袋に充填したものは、水流の抵抗が大きく、またセラミック焼結体の表面と十分に接触しないため、活性能力が低い問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2567600号公報
【特許文献2】特開平11ー319846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記問題を改善し、水道水がセラミック焼結体の表面全体と十分に接触して効率よく活性化できると共に、圧力損出が少なく大量の水を短時間で活性化できる活水器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1記載の活水器は、表面に通水部を形成した筒状収納体内の内側に、多孔質のセラミック焼結体を、コイルスプリングを介して複数個直線状に配置し、支持シャフトに間隔をおいて複数の支持板を垂直に取付け、これら隣接する支持板の間に、支持シャフトを囲むように複数個の前記筒状収納体の両端を連結して活性支持体を形成し、この活性体支持体を、一端に流入口を他端に流出口を開口した金属容器の内部に装着したことを特徴とするものである。
【0007】
本発明の請求項2記載の活水器は、請求項1において、複数の筒状収納体を旋回して隣接する支持板の間に連結したことを特徴とするものである。
【0008】
本発明の請求項3記載の活水器は、請求項1において、筒状の収納体内がコイルスプリングまたは金網で形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る請求項1記載の活水器によれば、セラミック焼結体を収納した筒状収納体を水道水が通過する時に、束になった各筒状収納体の隙間を通り、更に筒状収納体の通水部から流入して、ここに短いコイルスプリングを介在させて配置したセラミック焼結体の表面全体に接触して、赤外線やマイナスイオンによって水道水が活性化される。この時、セラミック焼結体は隣接するセラミック焼結体との間にコイルスプリングが介在しているで、これも振動し振動エネルギーが発生し、水道水を更に活性化させると共に、セラミック焼結体も振動して水道水との接触が加速されて効率よく活性化することができる。更に隣接するセラミック焼結体はコイルスプリングを介して配置され、ここに隙間があるので圧力損失も少なく短時間で大量の水道水を活性化させることができる。
【0010】
また請求項2記載の活水器によれば、複数の筒状収納体を旋回して隣接する支持板の間に連結して、束になった各筒状収納体は全体として螺旋状に捻じれた状態となっているので、水道水はこの隙間を通って水流が旋回しながら流れ、効率よくセラミック焼結体に接触することができると共に、水流が形成されて圧力損失を少なくすることができる。
【0011】
また請求項3記載の活水器によれば、筒状収納体内がコイルスプリングで形成されたものは、これ自身が水流により振動して大きな振動エネルギーが発生するので、水道水を更に活性化させると共に、螺旋状の隙間が形成されているのでここをそのまま通水部として利用することができる。また筒状収納体内が金網で形成されたものは、通水部が広くセラミック焼結体と効率よく接触することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下本発明の実施の一形態を図1ないし図4を参照して詳細に説明する。図において1は活性支持体で、円筒状の金属容器2の内部に装着されている。この金属容器2は一端に流入口3が、他端に流出口4が開口されている。5は円柱状に形成された多孔質のセラミック焼結体で、このセラミック焼結体5は赤外線やマイナスイオンなどを放出する各種の鉱石粉末や炭化物粉末と粘土を混練して焼成したもので、その成分配合は任意である。
【0013】
このセラミック焼結体5は、図2に示すように隣接するセラミック焼結体5との間に短いコイルスプリング6を介在させ、筒状の収納体となるコイルスプリング7内に複数個直線状に配置して収納されている。コイルスプリング7はバネ線を螺旋状に巻回したもので、螺旋状に形成された隙間が通水部9となっている。このコイルスプリング7の内径は、円柱状をなすセラミック焼結体5の外径よりやや大きく形成されている。
【0014】
10は支持シャフトで、この長手方向に沿って間隔をおいて4個の円板状の支持板11A〜11Dが垂直に取付けられている。この支持板11A〜11Dには図3および図4に示すように複数の円形の通水孔12が開孔されている。複数個のセラミック焼結体5を内側に収納したコイルスプリング7の両端は円形に湾曲し、この湾曲部7aを前記支持板11A〜11Dの通水孔12に通して係止している。
【0015】
例えば8本のコイルスプリング7を取付ける場合、図3に示すように支持シャフト10を囲むように4本のコイルスプリング7が支持板11Aに等間隔で取付けられ、更にこの外側を囲むように4本のコイルスプリング7が等間隔で取付けられている。また一方の支持板11Aに取付けた各コイルスプリング7は、図4に示すように隣接する他方の支持板11Bに角度α、例えば60度回転させて取付けられている。この結果、束になった各コイルスプリング7は図1に示すように全体として螺旋状に捻じれた状態となる。
【0016】
なお支持板11B〜11Cと支持板11C〜11Dとの間の8本のコイルスプリング7も同様に螺旋状に捻じれた状態で取付けられている。なお15は支持シャフト10の両端に取付けられたシャフト取付板で、多数の通水孔12が開孔された円板状をなし、金属容器2の両端の流入口3と流出口4に嵌合して活性支持体1を支持している。
【0017】
上記構成の活水器の作用について説明する。活水器を図示しない水道管の途中に接続する。流入口3から水道水が流入すると、シャフト取付板15の通水孔12から支持板11Aの通水孔12を通って、セラミック焼結体5を収納したコイルスプリング7を通過する。この時、束になった各コイルスプリング7は図1に示すように全体として螺旋状に捻じれた状態となっているので、水道水はこの隙間を通って水流が旋回しながら流れる。
【0018】
またコイルスプリング7の内側には図2に示すように、螺旋状の通水部9から水道水が流入して、ここに短いコイルスプリング6を介在させて配置したセラミック焼結体5の表面に接触して、赤外線やマイナスイオンによって水道水が活性化される。この時、セラミック焼結体5はコイルスプリング7に収納されているので、水流によりコイルスプリング7に振動が発生し、更にセラミック焼結体5の間には短いコイルスプリング6が介在されて、これも振動するので振動エネルギーが発生して、水道水を更に活性化させると共に、セラミック焼結体5も振動して水道水との接触が加速され効率よく活性化させることができる。
【0019】
図5は本発明の他の実施の形態を示すもので、ステンレスなどの金網16で円筒状に形成した筒状収納体17の内側に、隣接するセラミック焼結体5との間に短いコイルスプリング6を介在させて、複数個直線状に配置して収納されている。この筒状収納体17の内径は、円柱状をなすセラミック焼結体5の外径よりやや大きく形成されている。このセラミック焼結体5を複数個直線状に配置した筒状収納体17は、図1と同様に一方の支持板11Aと隣接する他方の支持板11Bに角度α回転させて取付けられ、全体として螺旋状に捻じれた状態となっている。
【0020】
この構造の活水器も、束になった各筒状収納体17は全体として螺旋状に捻じれた状態となっているので、水道水はこの隙間を通って水流が旋回しながら流れる。また筒状収納体17は金網16の編み目が通水部9となってここから水道水が流入して、短いコイルスプリング6を介在させて配置したセラミック焼結体5の表面に接触して、赤外線やマイナスイオンによって水道水が活性化される。またセラミック焼結体5の間には短いコイルスプリング6が介在されて、これが振動するので振動エネルギーが発生して、水道水を更に活性化させると共に、セラミック焼結体5も振動して水道水との接触が加速され効率よく活性化させることができる。
【0021】
なお上記説明では支持シャフト10に4枚の支持板11A〜11Dを垂直に取付け、この間に8個のコイルスプリング7や筒状収納体17を取付けた場合を示したが、支持板の枚数や、ここに取付けるコイルスプリング7や筒状収納体17の本数や長さは任意に設定することができる。また隣接する支持板の間にコイルスプリング7や筒状収納体17を角度を変えて捩じった状態で取付けた場合について示したが、平行に取付けた構造でも良い。
【産業上の利用可能性】
【0022】
なお上記活水器は、飲料水だけではなく、洗濯水や風呂の水など家庭用の他、農業や園芸、畜産などの農産物生産や加工、あるいは水産加工、食肉加工などの食品加工用の分野で広く使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の一形態による活水器の断面図である。
【図2】図1の活性支持体の一部を示す側面図である。
【図3】支持板に取付けたコイルスプリングを示す図1のAーA線断面図である。
【図4】支持板に取付けたコイルスプリングを示す図1のBーB線断面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態による金網で形成した筒状収納体の側面図である。
【符号の説明】
【0024】
1 活性支持体
2 金属容器
3 流入口
4 流出口
5 セラミック焼結体
6 短いコイルスプリング
7 コイルスプリング
7a 湾曲部
9 通水部
10 支持シャフト
11 支持板
12 通水孔
15 シャフト取付板
16 金網
17 筒状収納体
























【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に通水部を形成した筒状収納体内の内側に、多孔質のセラミック焼結体を、コイルスプリングを介して複数個直線状に配置し、支持シャフトに間隔をおいて複数の支持板を垂直に取付け、これら隣接する支持板の間に、支持シャフトを囲むように複数個の前記筒状収納体の両端を連結して活性支持体を形成し、この活性体支持体を、一端に流入口を他端に流出口を開口した金属容器の内部に装着したことを特徴とする活水器。
【請求項2】
複数の筒状収納体を旋回して隣接する支持板の間に連結したことを特徴とする請求項1記載の活水器。
【請求項3】
筒状の収納体内がコイルスプリングまたは金網で形成されていることを特徴とする請求項1記載の活水器




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−245377(P2011−245377A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−118965(P2010−118965)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(510064347)株式会社GNS (1)
【Fターム(参考)】