説明

活魚水槽及び活魚輸送車

【課題】 活魚ケースの荷積み、荷おろしの作業を楽にし、しかも短い時間で作業ができるようにした新規な活魚輸送車を提供する。
【解決手段】 活魚水槽1を搭載する活魚輸送車であって、上記活魚水槽1内に水平板4を上下動可能に設けてあることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活魚を生きたまま輸送する活魚輸送車に関する。
【背景技術】
【0002】
活魚を生きたまま輸送する活魚輸送車は公知である(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開平3−23125号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従前公知の活魚輸送車の活魚水槽では、多くの魚を自由に泳がせて輸送する手段と、多くの魚を自由に泳がせると魚どうしが衝突して傷つくため、多くの活魚ケースを用意し、活魚ケース中を仕切って、この仕切られた区画内に一匹づつの魚を入れて輸送する手段の2通りがあった。この活魚輸送車も近時のものは大きくなり、一度に多くの活魚が輸送できるようになっている。特に上記活魚ケースを使っての活魚輸送の場合、活魚ケースが活魚水槽の底から上面にまでびっしりと積まれることになるから、1ケの重量が20Kgの活魚ケースを人手によっての荷積み、荷おろしが重労働になり、底の方の活魚ケースの出し入れが大変な重労働になり時間もかかるという課題がある。
また、水槽内で魚を泳がせて輸送する手段でも人手によりすくい玉ですくい取る場合、魚を傷つけたり時間がかかり大変であるという課題がある。
本発明は、上記課題に鑑み、活魚ケースの荷積み、荷おろしの作業を楽にし、しかも短い時間で作業ができるようにした新規な活魚輸送車を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そのために、本発明は、活魚水槽を搭載する活魚輸送車であって、上記活魚水槽内に昇降板を上下動可能に設けてあることを特徴とする。
上記昇降板が水平板であるとよい。
上記昇降板に昇降機構を連結してある。
上記昇降機構が昇降板の下部に設けた開閉作動するX字状リンクからなり、このX字状リンクをシリンダーにより開閉作動するようにしてある。
【発明の効果】
【0005】
本発明活魚輸送車は、活魚水槽を搭載してあり、この活魚水槽内に昇降板を設け、この昇降板を上下動可能に設けてあるから、水槽内に多くの活魚ケースを荷積み、荷おろしする際、昇降板を荷積み、荷おろし作業がし易い位置に上下動させて位置付けることができる。従って、最下段の活魚ケースであっても、昇降板を最上位置に位置付けて荷積み、荷おろしができるから、従前下段への荷積み、荷おろしが大変な重労働であったが、水槽の上段で荷積み、荷おろしができ、格段に作業が早くしかも楽にできるようになった効果がある。
また、水槽内に魚を泳がせて輸送する場合でも、すくい玉で魚を取る際に、昇降板を上昇することにより魚を傷つけることなく、短時間で作業ができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図面に示した一実施例により本発明の詳細を説明する。
図面に示した実施例では、昇降板を水平板にしてある。この昇降板は多少傾斜させてもよい。
図1に本発明活魚輸送車の側面を一部切欠して示してある。図中1が活魚輸送車に搭載した活魚水槽であり、底板2及び側壁3を有する。この活魚水槽1内に水平板4を設けてあり、この水平板4を活魚水槽1内で上下動可能にしてある。この水平板4の上下動作動時には、水平板4と側壁3との間でスキマ流水を生ずる。また、この水平板4をパンチングボードにしてもよいし、メッシュ板又はプラスチック製スリット板にしてもよい。さらには、活魚水槽の上層と下層間に配管をし、この配管中を流水するようにしてもよい。
水平板4の下部に底板2との間に昇降機構5を設けてある。図示した実施例ではX字状リンクからなる昇降機構を示した。
【0007】
このX字状リンクは活魚水槽1の左右側に一対設けてある。それぞれのX字状リンク6は一対のリンクをその中間位置で軸支7してあり、それぞれのリンクの一端を底板2上と水平板の下に軸支し、リンクの他端は移動自在にしてある。このX字状リンク6を開閉作動して水平板4を上下作動するが、その駆動は底板2上に軸支したシリンダー8により行うようにしてある。即ち、左右のリンク6,6間に架設した棒9にシリンダー8のロッド10を連結してある。
この昇降機構は、例えば水槽上部に固定し水平板4に連結したシリンダーであってもよく、他にも水平板4を昇降作動できるものであれば何でもよい。
この他図中11は運転室、12は機械室である。
【0008】
上記の通りの構成からなる本発明活魚輸送車の活魚水槽1に活魚を入れた活魚ケースを荷積みする場合、水平板4を上昇して水槽1の上部に位置付け、最下段の活魚ケースを収納し、順次水平板4を下降して次段の活魚ケースを収納する。これにより下層の活魚ケースを収納するのに人が活魚ケースを支持して、これを水槽1の底の方に収める労力をなくすことができる。
逆に、活魚水槽1中に積層された活魚ケースを荷おろしする場合、上層の活魚ケースを荷おろしする場合は水平板4を上昇させる必要はないが、中段または下段の活魚ケースを荷おろしする場合に、水平板4を上昇し活魚ケースを水槽の上層に位置付けて、荷おろしを短時間で楽に作業できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明活魚輸送車の側面図で一部を切欠して示してある。
【図2】活魚水槽の断面図で水平板を最下段に位置付けてある。
【図3】活魚水槽の断面図で水平板を上段に位置付けてある。
【符号の説明】
【0010】
1 活魚水槽
2 底板
3 側壁
4 水平板
5 昇降機構
6 X字状リンク
7 軸支
8 シリンダー
9 棒
10 ロッド
11 運転室
12 機械室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活魚水槽を搭載する活魚輸送車であって、上記活魚水槽内に昇降板を上下動可能に設けてあることを特徴とする活魚輸送車。
【請求項2】
上記昇降板が水平板である上記請求項1に記載の活魚輸送車。
【請求項3】
上記昇降板に昇降機構を連結してある上記請求項1に記載の活魚輸送車。
【請求項4】
上記昇降機構が昇降板の下部に設けた開閉作動するX字状リンクからなり、このX字状リンクをシリンダーにより開閉作動するようにしてある上記請求項3に記載の活魚輸送車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−212094(P2008−212094A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−56527(P2007−56527)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(591124008)西南自動車工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】