説明

流し台のスライドテーブル開閉装置

【目的】 流し台のスライドテーブルの開閉をゴムローラーとゴム板との摩擦力によって行うことにより、テーブル裏面の邪魔物をなくして衣服の汚れおよび騒音の防止をはかると共に、装置の故障を防止して使用者の安全性を向上すること。
【構成】 流し台のユニット天板1の後縁部に上方が開放した凹所14を設ける。この凹所14内にモーター15によって正逆回転するゴムローラー16を設ける。ユニット天板1を覆うことができるスライドテーブル5の裏面に前記ゴムローラー16と圧接する帯状のゴム板17を設ける。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、流し台のユニット天板の上面に設けたスライドテーブルの開閉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4および図5は、従来の流し台のスライドテーブルの開閉装置を示すもので、図中1は流し台のユニット天板で、1aは水槽、2は側板、3は前面に設けた扉、4(図5参照)は背面板、5はユニット天板1上に摺動自在に設けたスライドテーブルである。
【0003】
6は側板2の上縁部の内側に水平に設けた案内溝で、この案内溝6に嵌入して転動する2個のローラー7がブラケット8を介してスライドテーブル5の前縁部の下方に固定されている。また9(図5参照)は、背面板4の上部内側に固定してあるスライド軸受で、このスライド軸受9に摺動自在に嵌入しているスライド軸10がブラケット11を介してスライドテーブル5と連結している。
【0004】
また12はスライドテーブル5の裏面の両側(図4参照)において前後方向に向けて取り付けられた2本のラックで、13(図5参照)はこのラック12と噛合するピニオンであり、図示しないモーターによって正逆回転することにより、スライドテーブル5を図4の矢印A,Bのように移動できるようになっている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
上述した従来装置は、スライドテーブル5を図4,5に示すように開いた状態で使用する場合に、スライドテーブル5の裏面に設けたラック12が膝等に触れて、衣服を汚したり、あるいは衣類を巻き込んだりするおそれがあった。またラック12とピニオン13との噛合によって騒音が発生したり、障害物がある場合もスライドテーブル5は停止しないから危険であるという問題点がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の問題点を解決するため本考案においては、流し台のユニット天板上にスライドテーブルを摺動自在に設け、このスライドテーブルの裏面にゴム板を添設すると共に、このゴム板と圧接するようにゴムローラーを回転自在に設けて流し台のスライドテーブルの開閉装置を構成する。
【0007】
また、流し台のユニット天板上にスライドテーブルを摺動自在に設け、このスライドテーブルの裏面の中央部に帯状のゴム板を添設すると共に、このゴム板と圧接するようにゴムローラーをモーターによって正逆回転するように設けてもよい。
【0008】
また、流し台のユニット天板の後縁部に上方が開放した凹所を設け、この凹所内にモーターによって正逆回転するゴムローラーを設け、ユニット天板を覆うことができるスライドテーブルの裏面に前記ゴムローラーと圧接する帯状のゴム板を設けてもよい。
【0009】
【作用】
上述のように本考案においては、スライドテーブルの駆動装置を、従来のラックとピニオンを使用したものから、ゴム板とゴムローラーを使用するものに変更したから、スライドテーブルの裏面が平坦になり、テーブルを引き出して使用する場合に、テーブルの裏面に余分な突起物がなくなり、衣服の汚れをなくすと共に、衣類の巻き込み等をなくすことができる。
【0010】
また本考案装置は、ゴムローラーによる駆動方式であるから、音が静かになると共に、部品点数も削減できるから、原価も低減する。また本考案装置によれば、スライドテーブル移動中に、ゴムローラーによる摩擦力以上の抵抗が障害物によって生じた場合は、ゴムローラーが空回りすることによって装置の故障を防止することができる。
【0011】
【実施例】
以下、図1〜図3について本考案の実施例を説明する。図中前記符号と同一の符号は同等のものを示している。図中1は流し台のユニット天板で、1aは水槽、2は側板、3は前面に設けた扉、4(図2参照)は背面板、5はユニット天板1上に摺動自在に設けたスライドテーブルである。
【0012】
6は側板2の上縁部の内側に水平に設けた案内溝で、この案内溝6に嵌入して転動する2個のローラー7がブラケット8を介してスライドテーブル5の前縁部の下方に固定されている。また9(図2参照)は、背面板4の上部内側に固定してあるスライド軸受で、このスライド軸受9に摺動自在に嵌入しているスライド軸10がブラケット11を介してスライドテーブル5と連結している。
【0013】
本実施例においては、流し台のユニット天板1の後縁部に上方が開放した凹所14を設け、この凹所14内にモーター15によって正逆回転するゴムローラー16を設け、ユニット天板1を覆うことができるスライドテーブル5の裏面の中央部に前記ゴムローラー16と圧接する帯状のゴム板17を添着する。
【0014】
図3において15aはモーター15の軸、16aはこのモーター軸15aと接続したゴムローラー16の軸で、18は軸16aの両側を支承する軸受である。
【0015】
本考案は上述のように構成したから、スライドテーブル5を引き出すには、モーター15を駆動してゴムローラー16を回転させることにより、ゴム板17を介してスライドテーブル5を図1の矢印Aの方向に摺動させて図1に示すように引き出すことができる。
【0016】
また引き出したスライドテーブル5を流し台のユニット天板1上に戻すには、モーター15を前とは逆に回転させることにより、ゴムローラー16とゴム板17を介して、スライドテーブル5を図1の矢印Bの方向へ移動させることができる。
【0017】
【考案の効果】
上述のように本考案においては、スライドテーブル5の駆動装置を、従来のラック12とピニオン13を使用したものから、ゴム板17とゴムローラー16を使用するものに変更したから、スライドテーブル5の裏面が平坦になり、テーブル5を引き出して使用する場合に、テーブル5の裏面に余分な突起物がなくなり、衣服の汚れをなくすと共に、衣類の巻き込み等をなくすことができるという効果が得られる。
【0018】
また本考案装置は、ゴムローラー16による駆動方式であるから、音が静かになると共に、部品点数も削減できるから、原価も低減する。また本考案装置によれば、スライドテーブル5の移動中に、ゴムローラー16による摩擦力以上の抵抗が障害物によって生じた場合に、ゴムローラー16が空回りすることによって装置の故障を防止すると共に、使用者の安全もはかられるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案装置を付した流し台の一部切欠斜視図である。
【図2】図1の要部を断面で示す立面図である。
【図3】図1のモーターとゴムローラーを示す斜視図である。
【図4】従来のスライドテーブル開閉装置を付した流し台の斜視図である。
【図5】図4の要部を断面で示す立面図である。
【符号の説明】
1 流し台のユニット天板
1a 水槽
2 側板
3 扉
4 背面板
5 スライドテーブル
6 案内溝
7 ローラー
8 ブラケット
9 スライド軸受
10 スライド軸
11 ブラケット
12 ラック
13 ピニオン
14 凹所
15 モーター
16 ゴムローラー
17 ゴム板
18 軸受

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 流し台のユニット天板上にスライドテーブルを摺動自在に設け、このスライドテーブルの裏面にゴム板を添設すると共に、このゴム板と圧接するようにゴムローラーを回転自在に設けたことを特徴とする流し台のスライドテーブルの開閉装置。
【請求項2】 流し台のユニット天板上にスライドテーブルを摺動自在に設け、このスライドテーブルの裏面の中央部に帯状のゴム板を添設すると共に、このゴム板と圧接するようにゴムローラーをモーターによって正逆回転するように設けたことを特徴とする流し台のスライドテーブルの開閉装置。
【請求項3】 流し台のユニット天板の後縁部に上方が開放した凹所を設け、この凹所内にモーターによって正逆回転するゴムローラーを設け、ユニット天板を覆うことができるスライドテーブルの裏面に前記ゴムローラーと圧接する帯状のゴム板を設けたことを特徴とする流し台のスライドテーブル開閉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【登録番号】第3004926号
【登録日】平成6年(1994)9月21日
【発行日】平成6年(1994)12月6日
【考案の名称】流し台のスライドテーブル開閉装置
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平6−6354
【出願日】平成6年(1994)6月3日
【出願人】(000110583)ナスステンレス株式会社 (2)