流し台
【課題】調理屑等を投入処理し易い収納容器を備えた流し台を提供すること。
【解決手段】水槽4の一側壁4cに水槽4の内方側を開放とする開放部Kが形成されるとともに、開放部Kの底面に排水口5が設けられ、開放部K内における排水口5の上方に、上部開口部Mを備えた収納容器10が配設されており、収納容器10の上部開口部Mが、開放部K外の手前側に向けて回動可能で、且つ任意に回動した回動位置で保持可能である。
【解決手段】水槽4の一側壁4cに水槽4の内方側を開放とする開放部Kが形成されるとともに、開放部Kの底面に排水口5が設けられ、開放部K内における排水口5の上方に、上部開口部Mを備えた収納容器10が配設されており、収納容器10の上部開口部Mが、開放部K外の手前側に向けて回動可能で、且つ任意に回動した回動位置で保持可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水槽の一側壁にこの水槽の内方側を開放とする開放部が形成されるとともに、開放部の底面に排水口が設けられ、この開放部内における排水口の上方に、上部開口部を備えた収納容器が配設されている流し台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の流し台は、調理屑等を収納可能な収納容器が、流し台の一側壁に略垂直方向を向く支軸回りに回動可能に設けられており、流し台の使用者が、この収納容器を手前側に回動操作して上部開口部を開放し、調理屑等を収納容器内に投入処理している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3170818号公報(第2頁、第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にあっては、収納容器の上部開口部が、収納容器の回動の度合いに関わらず常に鉛直上方に向けて開口しているため、流し台の手前側に位置する使用者が調理屑等を上部開口部に投入処理し難いという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、調理屑等を投入処理し易い収納容器を備えた流し台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の流し台は、
水槽の一側壁に該水槽の内方側を開放とする開放部が形成されるとともに、該開放部の底面に排水口が設けられ、前記開放部内における前記排水口の上方に、上部開口部を備えた収納容器が配設されており、該収納容器の上部開口部が、前記開放部外の手前側に向けて回動可能で、且つ任意に回動した回動位置で保持可能であることを特徴としている。
この特徴によれば、収納容器の上部開口部が、開放部外の手前側に向けて回動可能で、且つ任意に回動した回動位置で保持可能であるため、収納容器の上部開口部を流し台手前側の使用者に向けて開放することで、流し台の使用者が調理屑等を投入整理し易い。
【0007】
本発明の流し台は、
前記収納容器は、前記開放部内に着脱可能に設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、収納容器が開放部内に着脱可能であるため、調理屑等を収納容器ごと取り出して外部に廃棄し易い。
【0008】
本発明の流し台は、
前記収納容器は、前後左右の各側面と下底面とから成る略箱形状であり、前記下底面には水切り孔が設けられ、前記開放部内に前記収納容器が縦立した位置では該収納容器の前側面が前記水槽の開放部外の内側面に略面一となり、前記収納容器の上部開口部を形成する左右両側面の上端縁が、前側面側から後側面側に向けて下方に傾斜する傾斜縁に形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、収納容器の下底面に水切り孔が設けられているため、収納容器内の調理屑等を下方の排水口に向けて水切りして、収納容器内を衛生に保つことができるばかりか、開放部内に収納容器を納めた状態では水槽内側面が面一で見栄えがよい。また収納容器の上端縁が下方に傾斜しているため上部開口部の開口領域が大きく形成されているので、収納容器の回動時には調理屑等を投入し易い。
【0009】
本発明の流し台は、
前記水槽の開放部の両側壁に、略水平方向を向く支軸と、該収納容器を前記回動位置で保持する保持部とが設けられており、前記収納容器の左右側面に、前記支軸に嵌合する軸受部と、前記保持部に係止可能な被保持部とが設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、水槽の開放部の両側壁に設けられた支軸及び保持部と、収納容器の外側面に設けられた軸受部及び被保持部とによる簡単な構造で、収納容器の傾動及び保持が可能となる。
【0010】
本発明の流し台は、
前記水槽の互いに対向する前後側壁上縁に、幅方向にスライド移動可能なプレートが架設され、該プレートに、前記収納容器の上部開口部に連通する連通開口が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、水槽の前後側壁上縁にプレートを架設することで、調理等の作業スペースを別段に確保できるばかりか、プレート上の調理屑等を連通開口を介して収納容器の上部開口部に投入できる。
【0011】
本発明の流し台は、
前記開放部の上部に、該開放部を遮蔽するトレーが着脱可能に配設されていることを特徴としている。
この特徴によれば、開放部を遮蔽するトレーが着脱可能に配設されているため、収納容器内の調理屑等が外方から見えず、外観体裁が良い。
【0012】
本発明の流し台は、
前記収納容器と前記排水口との間に、異物を捕捉可能なストレーナが配設されていることを特徴としている。
この特徴によれば、排水口内への異物の混入を防止するストレーナを、収納容器と排水口との間に配設することで、外方から見え難く見栄えが良い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1における流し台を示す斜視図である。
【図2】実施例1におけるシンク本体の開放部を開放した状態を示す正面断面図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】実施例1における収納容器の平面図である。
【図5】実施例1における収納容器を回動した状態を示す拡大断面図である。
【図6】実施例1における最大回動位置の収納容器を示す拡大断面図である。
【図7】実施例1における収納容器を最大回動位置に回動した流し台を示す斜視図である。
【図8】実施例1におけるプレートを架設した流し台を示す斜視図である。
【図9】実施例2におけるシンク本体の開放部を開放した状態を示す正面断面図である。
【図10】実施例2におけるシンク本体の側面断面図である。
【図11】実施例2における最大回動位置の収納容器を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る流し台を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。以下、流し台1の使用者の標準的な使用位置(図3の紙面左側)を基準に、使用者の手前側を前側とし、奥行側を後側とし、左右方向を幅方向として説明する。
【実施例1】
【0015】
実施例1に係る流し台につき、図1から図8を参照して説明する。先ず図1の符号1は、本発明の適用された流し台である。流し台1は、キャビネット2の上面に、水槽としてのシンク本体4を固設するとともに、シンク本体4の周囲にワークトップ3を覆設して成る。
【0016】
シンク本体4は、平面視幅広の略矩形状に形成され、その手前(前面)側にシンク本体4の上端縁よりも低い段部4aに形成されるとともに、その後面側に段部4aと略同じ高さで且つ段部4aよりも奥行方向に長寸の段部4bに形成されている。また段部4bに水栓14が固設されている。
【0017】
図1,2に示されるように、段部4bの幅方向略中央部には、段部4bを形成する側壁4cがシンク本体4の内方側を開放とする開放部Kに形成されている。開放部Kの底部には、排水口5に導水する排水凹部4eが設けられ、シンク本体4の底面4dは、この排水凹部4eに向けて緩やかに下方に傾斜する傾斜面に形成されている。排水口5は、図示しない排水管に接続されている。
【0018】
図3に示されるように、開放部K内すなわち排水凹部4eの上方には、上部開口部M(図4参照)を備えた収納容器10が、後述のように略水平方向を向く支軸回りに回動可能に配設されている。収納容器10と排水口5との間に、細目の網目状に形成され異物を捕捉するストレーナ9が配置され、更に収納容器10の上方には、開放部Kの左右両側壁に架けて、通水孔8aを有するトレー8が架設されている。トレー8は凹形状を成し、例えばスポンジ等の水気を含む物品を載置でき、この物品の水分を通水孔8aを介して下方の収納容器10に向けて排出できる。
【0019】
尚、収納容器が設けられる開放部の形成箇所は、必ずしも本実施例に限られず、例えば開放部は、シンク本体の奥側壁の左右側何れか端部箇所に形成されてもよいし、あるいは左右何れか側壁の所定箇所に形成されても構わない。
【0020】
更に尚、流し台における排水口は、必ずしも本実施例のように開放部Kに形成されているに限られず、開放部とは異なる所定箇所に形成されていてもよい。
【0021】
次に、収納容器10の構造及びその回動動作について詳述する。
【0022】
図5に示されるように、収納容器10が設けられている開放部Kの左右各側壁4f,4fには、略水平方向に各々が中央側に突出する略円柱形状の支軸6,6が、略同軸線上に固設されるとともに、各支軸6,6の上方位置に、同様に突出する保持部7,7が固設されている。
【0023】
図4に示されるように、収納容器10は、前後左右の各側面10a,10d,10b,10bと下底面10eとから成り、内部に調理屑等を収納するための収納空間を備えた略箱形状であり、各側面10a,10d,10b,10bの上端縁により、収納空間に連通する左右方向に幅広の上部開口部Mが形成されている。下底面10eには、スリット状の水切り孔10fが形成されている。図3に示されるように、収納容器10の左右両側面10b,10bは、上部開口部Mを形成する上端縁が前側面10a側から後側面10d側に向けて下方に傾斜する傾斜縁10c,10cに形成されている。
【0024】
尚、収納容器の形状若しくは上部開口部の形状は、必ずしも本実施例に限られず、例えば収納容器は、平面視半円形状あるいは三角形状の上部開口部を備えた略柱形状に形成されていてもよい。
【0025】
図3及び図4に示されるように、収納容器10の左右両外側面には、略円弧状に突出形成された軸受部11,11が設けられている。更に、各軸受部11,11の上後方位置に、前上方から後下方に向く直線状部12aと直線状部12aに連続する円弧状部12bとから成る被保持部12,12が突出形成されている。詳しくは、略円弧状の軸受部11,11の内径は、略円柱形状の支軸6,6の外径と略同径に形成されている。
【0026】
収納容器10は、各軸受部11,11が開放部Kの各支軸6,6に嵌合することで軸支されている。収納容器10は、略円弧形状の各軸受部11,11の開放部分を介して各支軸6,6に容易に着脱可能に成っている。
【0027】
図1及び図3に示されるように、収納容器10は、収納容器10全体が開放部K内に収まる縦立位置において、上部開口部Mの全部がトレー8により被覆され流し台1外部から遮蔽されるとともに、前側面10aが段部4bの側壁4cと略面一に形成されるように成っている。
【0028】
このように、収納容器10の縦立位置において、前側面10aが段部4bの側壁4cと略面一に形成されることで、収納容器10の外観を目立たせることなく、外観上、シンク本体4に一体化できる。
【0029】
また図5に示されるように、収納容器10は、例えば流し台1の使用者が前記した縦立位置から前側面10a上端を手前側に引き出すことで、略円弧状の各軸受部11,11が支軸6,6に沿って周方向に移動し、支軸6,6回りに回動可能に成っている。
【0030】
収納容器10を回動するとともに、上部開口部Mが手前側を向くように漸次開放される。収納容器10を任意に回動した任意回動位置では、収納容器10の被保持部12,12が前方に移動し、被保持部12の直線状部12aが先ず保持部7に載置することで、収納容器10がこの任意回動位置で保持される。
【0031】
更に、図6及び図7に示されるように、収納容器10を、上部開口部Mが全て開放されるまで回動した最大回動位置では、被保持部12の円弧状部12bが保持部7に嵌合することで、収納容器10がこの最大回動位置で安定的に保持される。
【0032】
すなわち流し台1の使用者は、収納容器10を前記した縦立位置と最大回動位置とにかけて自在に回動操作し、上部開口部Mを介して収納容器10内に調理屑等を投入処理できるように成っている。
【0033】
任意回動位置若しくは最大回動位置の上部開口部Mは、水平面よりも流し台1の手前側を向くように斜め上方に開口することに成る。このように、収納容器10の上部開口部Mが、略水平方向を向く支軸6,6回りに開放部K外の手前側に回動可能で、且つ任意に回動した回動位置で保持可能であるため、収納容器10の上部開口部Mを流し台1手前側の投入者に向けて開放することで、投入者が調理屑等を投入整理し易い。
【0034】
また、収納容器10が開放部K内に着脱可能であるため、調理屑等を収納容器10ごと取り出して外部に廃棄し易い。
【0035】
収納容器10の下底面10eに水切り孔10fが設けられているため、収納容器10内の調理屑等を下方の排水口5に向けて水切りして、収納容器10内を衛生に保つことができるばかりか、開放部K内に収納容器10を納めた状態ではシンク本体4の内側面が面一で見栄えがよい。
【0036】
また収納容器10の上端縁が後方に向けて下方に傾斜しているため上部開口部Mの開口領域が大きく形成されているので、収納容器10の回動時には調理屑等を投入し易いばかりか、収納容器10を手前側に回動しても、上部開口部Mの後方側が上部開口部Mを被覆するトレー8に当接してしまうことを回避できる。
【0037】
また、シンク本体4の開放部Kの各側壁4f,4fに設けられた支軸6及び保持部7と、収納容器10の左右各側面10b,10bに設けられた軸受部11及び被保持部12とによる簡単な構造で、収納容器10の傾動及び保持が可能となる。
【0038】
更に、開放部Kを遮蔽するトレー8が着脱可能に配設されているため、収納容器10内の調理屑等が外方から見えず、外観体裁が良い。
【0039】
また、排水口5内への異物の混入を防止するストレーナ9を、収納容器10と排水口5との間に配設することで、外方から見え難く見栄えが良い。収納容器10と排水口5との間には、ストレーナ9を配設若しくは取り外しに十分な間隙が上下方向に形成されている。
【0040】
上述した実施態様に加えて、図8に示されるように、上面に食材等を載置可能なプレート13を、流し台1の使用者の任意でシンク本体4の前後方向に架設してもよい。詳述するとプレート13は、前後方向に長辺であって多数の水切り用の孔部13cが穿設された矩形状の板状体13aと、この板状体13aの左右側の周縁に固着した枠状体13bとから構成されている。プレート13は、シンク本体4の前側の段部4aと後側の段部4bとに架けて、左右幅方向にスライド移動可能に架設されている。
【0041】
枠状体13bの各前後辺には、下方に向けて落下防止部13d,13eが延設されており、これ等落下防止部13d,13eがシンク本体4の各側壁に当接係合することで、両段部4a,4bに架設したプレート13の落下を防止している。
【0042】
プレート13を構成する板状体13aの後辺と枠状体13bの後辺との間は、上述した最大回動位置における収納容器10の上部開口部Mに連通する連通開口Hが形成されている。上記したプレート13によれば、シンク本体4の両側壁上縁にプレート13を架設することで、調理等の作業スペースを別段に確保できるばかりか、プレート13上面の調理屑等を連通開口Hを介して収納容器10の上部開口部Mに向けて投入できる。
【実施例2】
【0043】
次に、実施例2に係る流し台につき、図9から図11を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する構成を省略する。
【0044】
図9に示されるように、実施例2の収納容器20が設けられている開放部Kの左右各側壁4f,4fには、各々が中央側に突出する突出部16,16が、互いに対向して固設されている。図に示されるように、各突出部16の側面視形状は、具体的には、略円弧状に形成された上端部16aから下方に向けて延び、下端部前縁16bが前方に向けて延びる湾曲形状に形成されている。
【0045】
図10に示されるように、収納容器20は、前後左右の各側面20a,20d,20b,20bと下底面20eとから成り、内部に調理屑等を収納するための収納空間を備えた略箱形状であり、各側面20a,20d,20b,20bの上端縁により、収納空間に連通する左右方向に幅広の上部開口部Mが形成されている。下底面20eには、図示しない水切り孔が形成されている。
【0046】
収納容器20の左右両外側面20b,20bの下縁に、突出部16,16と係合する係合部21,21が下方に向けて湾曲して形成されている。係合部21の側面視形状は、具体的には、後下方に向けて略円弧状に湾曲した前側の係合縁21aから後下方に向けて略直線状に連続して延び、前下方に向けて略円弧状に湾曲した後側の係合縁21bが形成され、更に後端が前下方に向けて突出した鍔部21cに形成されている。詳しくは、略円弧状に湾曲した係合縁21a,21bの内径は、これ等係合縁21a,21bに係合する突出部16の上端部16aの外径と略同径に形成されている。
【0047】
また、収納容器20の前側面20aの下端部は、この係合部21,21よりも下方に延設されている。
【0048】
尚、係合部は、必ずしも収納容器の側面に形成されている構造に限られず、例えば、収納容器の左右外側面に、係合部が形成された別体の係合片を組付ける構造であっても構わない。
【0049】
収納容器20は、各係合部21,21が開放部Kの各突出部16,16に嵌合することで支持されている。収納容器20は、各係合部21,21の湾曲部分を介して各突出部16,16に容易に着脱可能に成っている。
【0050】
図10に示されるように、収納容器20は、収納容器20全体が開放部K内に収まる縦立位置において、係合部21の係合縁21aが突出部16の上端部16aと係合しており、上部開口部Mの全部がトレー8により被覆され流し台1外部から遮蔽されるとともに、前側面20aが段部4bの側壁4cと略面一に形成されるように成っている。
【0051】
このように、収納容器20の縦立位置において、前側面20aが段部4bの側壁4cと略面一に形成されることで、収納容器20の外観を目立たせることなく、外観上、シンク本体4に一体化できる。
【0052】
また、収納容器20は、例えば流し台1の使用者が前記した縦立位置から前側面20a上端を手前側に引き出すことで、各係合部21の係合箇所が突出部16の上端部16aに沿って移動し、回動可能に成っている(図11参照)。
【0053】
収納容器20を回動するとともに、上部開口部Mが手前側を向くように漸次開放される。収納容器20を任意に回動した任意回動位置では、特に図示しないが、係合部21における係合縁21aと係合縁21bとの間の直線状部が突出部16の上端部16aに載置することで、収納容器20がこの任意回動位置で保持される。
【0054】
更に、図11に示されるように、収納容器20を、上部開口部Mが全て開放されるまで回動した最大回動位置では、係合部21の係合縁21bが突出部16の上端部16aに嵌合するとともに、略垂直方向を向く鍔部21cが突出部16の後縁に沿って当接し、更に収納容器20の前側面20aの下端縁が突出部16の下端部前縁16bに当接することで、収納容器20がこの最大回動位置で、前方への過度の回動が防止され、安定的に保持される。
【0055】
すなわち流し台1の使用者は、収納容器20を前記した縦立位置と最大回動位置とにかけて自在に回動操作し、上部開口部Mを介して収納容器20内に調理屑等を投入処理できるように成っている。
【0056】
任意回動位置若しくは最大回動位置の上部開口部Mは、水平面よりも流し台1の手前側を向くように斜め上方に開口することに成る。このように、収納容器20の上部開口部Mが、開放部K外の手前側に回動可能で、且つ任意に回動した回動位置で保持可能であるため、収納容器20の上部開口部Mを流し台1手前側の投入者に向けて開放することで、投入者が調理屑等を投入整理し易い。
【0057】
また、収納容器20が開放部K内に着脱可能であるため、調理屑等を収納容器20ごと取り出して外部に廃棄し易い。
【0058】
また、シンク本体4の開放部Kの各側壁4f,4fに設けられた突出部16と、収納容器20の左右各側面20b,20bに設けられた係合部21とによる簡単な構造で、収納容器20の傾動及び保持が可能となるばかりか、収納容器20を取外すことで清掃等も容易となる。
【0059】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0060】
例えば、前記実施例1,2では、収納容器10,20が、開放部K内に着脱可能に設けられているが、収納容器は、回動可能に且つ回動位置で保持可能に設けられていれば、シンク本体に対し取外し不能に組み付けられていてもよい。
【0061】
また例えば、前記実施例1,2では、収納容器10,20の前側面10a,20aが、縦立位置において両側壁4c,4cと略面一に形成されているが、収納容器の前面は、縦立位置において両側壁よりも凸形状に膨出してもよいし、あるいは凹形状に窪んでいてもよい。
【0062】
また例えば、前記実施例1,2では、収納容器10,20の上方にトレー8が着脱可能に配設されているが、トレーが特段に設けられず、すなわち収納容器の上方が常時開放されるようにしてもよいし、あるいは収納容器の上方箇所に、収納容器を遮蔽する遮蔽部材が両側の段部に架け渡して固設されていても構わない。
【0063】
更に例えば、前記実施例1,2では、収納容器10,20を支持する支持部である支軸6,突出部16が、開放部の内側面に設けられていたが、前記支持部は、収納容器を回動可能に、且つ所定の回動位置で保持可能に支持するものであれば、例えば開放部の内底面に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 流し台
4 シンク本体(水槽)
4a,4b 段部
4c,4f 側壁
5 排水口
6 支軸
7 保持部
8 トレー
9 ストレーナ
10 収納容器
10a 前側面
10b,10b 左右側面
10c 傾斜縁
10d 後側面
11 軸受部
12 被保持部
13 プレート
16 突出部
20 収納容器
21 係合部
【技術分野】
【0001】
本発明は、水槽の一側壁にこの水槽の内方側を開放とする開放部が形成されるとともに、開放部の底面に排水口が設けられ、この開放部内における排水口の上方に、上部開口部を備えた収納容器が配設されている流し台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の流し台は、調理屑等を収納可能な収納容器が、流し台の一側壁に略垂直方向を向く支軸回りに回動可能に設けられており、流し台の使用者が、この収納容器を手前側に回動操作して上部開口部を開放し、調理屑等を収納容器内に投入処理している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3170818号公報(第2頁、第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にあっては、収納容器の上部開口部が、収納容器の回動の度合いに関わらず常に鉛直上方に向けて開口しているため、流し台の手前側に位置する使用者が調理屑等を上部開口部に投入処理し難いという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、調理屑等を投入処理し易い収納容器を備えた流し台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の流し台は、
水槽の一側壁に該水槽の内方側を開放とする開放部が形成されるとともに、該開放部の底面に排水口が設けられ、前記開放部内における前記排水口の上方に、上部開口部を備えた収納容器が配設されており、該収納容器の上部開口部が、前記開放部外の手前側に向けて回動可能で、且つ任意に回動した回動位置で保持可能であることを特徴としている。
この特徴によれば、収納容器の上部開口部が、開放部外の手前側に向けて回動可能で、且つ任意に回動した回動位置で保持可能であるため、収納容器の上部開口部を流し台手前側の使用者に向けて開放することで、流し台の使用者が調理屑等を投入整理し易い。
【0007】
本発明の流し台は、
前記収納容器は、前記開放部内に着脱可能に設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、収納容器が開放部内に着脱可能であるため、調理屑等を収納容器ごと取り出して外部に廃棄し易い。
【0008】
本発明の流し台は、
前記収納容器は、前後左右の各側面と下底面とから成る略箱形状であり、前記下底面には水切り孔が設けられ、前記開放部内に前記収納容器が縦立した位置では該収納容器の前側面が前記水槽の開放部外の内側面に略面一となり、前記収納容器の上部開口部を形成する左右両側面の上端縁が、前側面側から後側面側に向けて下方に傾斜する傾斜縁に形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、収納容器の下底面に水切り孔が設けられているため、収納容器内の調理屑等を下方の排水口に向けて水切りして、収納容器内を衛生に保つことができるばかりか、開放部内に収納容器を納めた状態では水槽内側面が面一で見栄えがよい。また収納容器の上端縁が下方に傾斜しているため上部開口部の開口領域が大きく形成されているので、収納容器の回動時には調理屑等を投入し易い。
【0009】
本発明の流し台は、
前記水槽の開放部の両側壁に、略水平方向を向く支軸と、該収納容器を前記回動位置で保持する保持部とが設けられており、前記収納容器の左右側面に、前記支軸に嵌合する軸受部と、前記保持部に係止可能な被保持部とが設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、水槽の開放部の両側壁に設けられた支軸及び保持部と、収納容器の外側面に設けられた軸受部及び被保持部とによる簡単な構造で、収納容器の傾動及び保持が可能となる。
【0010】
本発明の流し台は、
前記水槽の互いに対向する前後側壁上縁に、幅方向にスライド移動可能なプレートが架設され、該プレートに、前記収納容器の上部開口部に連通する連通開口が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、水槽の前後側壁上縁にプレートを架設することで、調理等の作業スペースを別段に確保できるばかりか、プレート上の調理屑等を連通開口を介して収納容器の上部開口部に投入できる。
【0011】
本発明の流し台は、
前記開放部の上部に、該開放部を遮蔽するトレーが着脱可能に配設されていることを特徴としている。
この特徴によれば、開放部を遮蔽するトレーが着脱可能に配設されているため、収納容器内の調理屑等が外方から見えず、外観体裁が良い。
【0012】
本発明の流し台は、
前記収納容器と前記排水口との間に、異物を捕捉可能なストレーナが配設されていることを特徴としている。
この特徴によれば、排水口内への異物の混入を防止するストレーナを、収納容器と排水口との間に配設することで、外方から見え難く見栄えが良い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1における流し台を示す斜視図である。
【図2】実施例1におけるシンク本体の開放部を開放した状態を示す正面断面図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】実施例1における収納容器の平面図である。
【図5】実施例1における収納容器を回動した状態を示す拡大断面図である。
【図6】実施例1における最大回動位置の収納容器を示す拡大断面図である。
【図7】実施例1における収納容器を最大回動位置に回動した流し台を示す斜視図である。
【図8】実施例1におけるプレートを架設した流し台を示す斜視図である。
【図9】実施例2におけるシンク本体の開放部を開放した状態を示す正面断面図である。
【図10】実施例2におけるシンク本体の側面断面図である。
【図11】実施例2における最大回動位置の収納容器を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る流し台を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。以下、流し台1の使用者の標準的な使用位置(図3の紙面左側)を基準に、使用者の手前側を前側とし、奥行側を後側とし、左右方向を幅方向として説明する。
【実施例1】
【0015】
実施例1に係る流し台につき、図1から図8を参照して説明する。先ず図1の符号1は、本発明の適用された流し台である。流し台1は、キャビネット2の上面に、水槽としてのシンク本体4を固設するとともに、シンク本体4の周囲にワークトップ3を覆設して成る。
【0016】
シンク本体4は、平面視幅広の略矩形状に形成され、その手前(前面)側にシンク本体4の上端縁よりも低い段部4aに形成されるとともに、その後面側に段部4aと略同じ高さで且つ段部4aよりも奥行方向に長寸の段部4bに形成されている。また段部4bに水栓14が固設されている。
【0017】
図1,2に示されるように、段部4bの幅方向略中央部には、段部4bを形成する側壁4cがシンク本体4の内方側を開放とする開放部Kに形成されている。開放部Kの底部には、排水口5に導水する排水凹部4eが設けられ、シンク本体4の底面4dは、この排水凹部4eに向けて緩やかに下方に傾斜する傾斜面に形成されている。排水口5は、図示しない排水管に接続されている。
【0018】
図3に示されるように、開放部K内すなわち排水凹部4eの上方には、上部開口部M(図4参照)を備えた収納容器10が、後述のように略水平方向を向く支軸回りに回動可能に配設されている。収納容器10と排水口5との間に、細目の網目状に形成され異物を捕捉するストレーナ9が配置され、更に収納容器10の上方には、開放部Kの左右両側壁に架けて、通水孔8aを有するトレー8が架設されている。トレー8は凹形状を成し、例えばスポンジ等の水気を含む物品を載置でき、この物品の水分を通水孔8aを介して下方の収納容器10に向けて排出できる。
【0019】
尚、収納容器が設けられる開放部の形成箇所は、必ずしも本実施例に限られず、例えば開放部は、シンク本体の奥側壁の左右側何れか端部箇所に形成されてもよいし、あるいは左右何れか側壁の所定箇所に形成されても構わない。
【0020】
更に尚、流し台における排水口は、必ずしも本実施例のように開放部Kに形成されているに限られず、開放部とは異なる所定箇所に形成されていてもよい。
【0021】
次に、収納容器10の構造及びその回動動作について詳述する。
【0022】
図5に示されるように、収納容器10が設けられている開放部Kの左右各側壁4f,4fには、略水平方向に各々が中央側に突出する略円柱形状の支軸6,6が、略同軸線上に固設されるとともに、各支軸6,6の上方位置に、同様に突出する保持部7,7が固設されている。
【0023】
図4に示されるように、収納容器10は、前後左右の各側面10a,10d,10b,10bと下底面10eとから成り、内部に調理屑等を収納するための収納空間を備えた略箱形状であり、各側面10a,10d,10b,10bの上端縁により、収納空間に連通する左右方向に幅広の上部開口部Mが形成されている。下底面10eには、スリット状の水切り孔10fが形成されている。図3に示されるように、収納容器10の左右両側面10b,10bは、上部開口部Mを形成する上端縁が前側面10a側から後側面10d側に向けて下方に傾斜する傾斜縁10c,10cに形成されている。
【0024】
尚、収納容器の形状若しくは上部開口部の形状は、必ずしも本実施例に限られず、例えば収納容器は、平面視半円形状あるいは三角形状の上部開口部を備えた略柱形状に形成されていてもよい。
【0025】
図3及び図4に示されるように、収納容器10の左右両外側面には、略円弧状に突出形成された軸受部11,11が設けられている。更に、各軸受部11,11の上後方位置に、前上方から後下方に向く直線状部12aと直線状部12aに連続する円弧状部12bとから成る被保持部12,12が突出形成されている。詳しくは、略円弧状の軸受部11,11の内径は、略円柱形状の支軸6,6の外径と略同径に形成されている。
【0026】
収納容器10は、各軸受部11,11が開放部Kの各支軸6,6に嵌合することで軸支されている。収納容器10は、略円弧形状の各軸受部11,11の開放部分を介して各支軸6,6に容易に着脱可能に成っている。
【0027】
図1及び図3に示されるように、収納容器10は、収納容器10全体が開放部K内に収まる縦立位置において、上部開口部Mの全部がトレー8により被覆され流し台1外部から遮蔽されるとともに、前側面10aが段部4bの側壁4cと略面一に形成されるように成っている。
【0028】
このように、収納容器10の縦立位置において、前側面10aが段部4bの側壁4cと略面一に形成されることで、収納容器10の外観を目立たせることなく、外観上、シンク本体4に一体化できる。
【0029】
また図5に示されるように、収納容器10は、例えば流し台1の使用者が前記した縦立位置から前側面10a上端を手前側に引き出すことで、略円弧状の各軸受部11,11が支軸6,6に沿って周方向に移動し、支軸6,6回りに回動可能に成っている。
【0030】
収納容器10を回動するとともに、上部開口部Mが手前側を向くように漸次開放される。収納容器10を任意に回動した任意回動位置では、収納容器10の被保持部12,12が前方に移動し、被保持部12の直線状部12aが先ず保持部7に載置することで、収納容器10がこの任意回動位置で保持される。
【0031】
更に、図6及び図7に示されるように、収納容器10を、上部開口部Mが全て開放されるまで回動した最大回動位置では、被保持部12の円弧状部12bが保持部7に嵌合することで、収納容器10がこの最大回動位置で安定的に保持される。
【0032】
すなわち流し台1の使用者は、収納容器10を前記した縦立位置と最大回動位置とにかけて自在に回動操作し、上部開口部Mを介して収納容器10内に調理屑等を投入処理できるように成っている。
【0033】
任意回動位置若しくは最大回動位置の上部開口部Mは、水平面よりも流し台1の手前側を向くように斜め上方に開口することに成る。このように、収納容器10の上部開口部Mが、略水平方向を向く支軸6,6回りに開放部K外の手前側に回動可能で、且つ任意に回動した回動位置で保持可能であるため、収納容器10の上部開口部Mを流し台1手前側の投入者に向けて開放することで、投入者が調理屑等を投入整理し易い。
【0034】
また、収納容器10が開放部K内に着脱可能であるため、調理屑等を収納容器10ごと取り出して外部に廃棄し易い。
【0035】
収納容器10の下底面10eに水切り孔10fが設けられているため、収納容器10内の調理屑等を下方の排水口5に向けて水切りして、収納容器10内を衛生に保つことができるばかりか、開放部K内に収納容器10を納めた状態ではシンク本体4の内側面が面一で見栄えがよい。
【0036】
また収納容器10の上端縁が後方に向けて下方に傾斜しているため上部開口部Mの開口領域が大きく形成されているので、収納容器10の回動時には調理屑等を投入し易いばかりか、収納容器10を手前側に回動しても、上部開口部Mの後方側が上部開口部Mを被覆するトレー8に当接してしまうことを回避できる。
【0037】
また、シンク本体4の開放部Kの各側壁4f,4fに設けられた支軸6及び保持部7と、収納容器10の左右各側面10b,10bに設けられた軸受部11及び被保持部12とによる簡単な構造で、収納容器10の傾動及び保持が可能となる。
【0038】
更に、開放部Kを遮蔽するトレー8が着脱可能に配設されているため、収納容器10内の調理屑等が外方から見えず、外観体裁が良い。
【0039】
また、排水口5内への異物の混入を防止するストレーナ9を、収納容器10と排水口5との間に配設することで、外方から見え難く見栄えが良い。収納容器10と排水口5との間には、ストレーナ9を配設若しくは取り外しに十分な間隙が上下方向に形成されている。
【0040】
上述した実施態様に加えて、図8に示されるように、上面に食材等を載置可能なプレート13を、流し台1の使用者の任意でシンク本体4の前後方向に架設してもよい。詳述するとプレート13は、前後方向に長辺であって多数の水切り用の孔部13cが穿設された矩形状の板状体13aと、この板状体13aの左右側の周縁に固着した枠状体13bとから構成されている。プレート13は、シンク本体4の前側の段部4aと後側の段部4bとに架けて、左右幅方向にスライド移動可能に架設されている。
【0041】
枠状体13bの各前後辺には、下方に向けて落下防止部13d,13eが延設されており、これ等落下防止部13d,13eがシンク本体4の各側壁に当接係合することで、両段部4a,4bに架設したプレート13の落下を防止している。
【0042】
プレート13を構成する板状体13aの後辺と枠状体13bの後辺との間は、上述した最大回動位置における収納容器10の上部開口部Mに連通する連通開口Hが形成されている。上記したプレート13によれば、シンク本体4の両側壁上縁にプレート13を架設することで、調理等の作業スペースを別段に確保できるばかりか、プレート13上面の調理屑等を連通開口Hを介して収納容器10の上部開口部Mに向けて投入できる。
【実施例2】
【0043】
次に、実施例2に係る流し台につき、図9から図11を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する構成を省略する。
【0044】
図9に示されるように、実施例2の収納容器20が設けられている開放部Kの左右各側壁4f,4fには、各々が中央側に突出する突出部16,16が、互いに対向して固設されている。図に示されるように、各突出部16の側面視形状は、具体的には、略円弧状に形成された上端部16aから下方に向けて延び、下端部前縁16bが前方に向けて延びる湾曲形状に形成されている。
【0045】
図10に示されるように、収納容器20は、前後左右の各側面20a,20d,20b,20bと下底面20eとから成り、内部に調理屑等を収納するための収納空間を備えた略箱形状であり、各側面20a,20d,20b,20bの上端縁により、収納空間に連通する左右方向に幅広の上部開口部Mが形成されている。下底面20eには、図示しない水切り孔が形成されている。
【0046】
収納容器20の左右両外側面20b,20bの下縁に、突出部16,16と係合する係合部21,21が下方に向けて湾曲して形成されている。係合部21の側面視形状は、具体的には、後下方に向けて略円弧状に湾曲した前側の係合縁21aから後下方に向けて略直線状に連続して延び、前下方に向けて略円弧状に湾曲した後側の係合縁21bが形成され、更に後端が前下方に向けて突出した鍔部21cに形成されている。詳しくは、略円弧状に湾曲した係合縁21a,21bの内径は、これ等係合縁21a,21bに係合する突出部16の上端部16aの外径と略同径に形成されている。
【0047】
また、収納容器20の前側面20aの下端部は、この係合部21,21よりも下方に延設されている。
【0048】
尚、係合部は、必ずしも収納容器の側面に形成されている構造に限られず、例えば、収納容器の左右外側面に、係合部が形成された別体の係合片を組付ける構造であっても構わない。
【0049】
収納容器20は、各係合部21,21が開放部Kの各突出部16,16に嵌合することで支持されている。収納容器20は、各係合部21,21の湾曲部分を介して各突出部16,16に容易に着脱可能に成っている。
【0050】
図10に示されるように、収納容器20は、収納容器20全体が開放部K内に収まる縦立位置において、係合部21の係合縁21aが突出部16の上端部16aと係合しており、上部開口部Mの全部がトレー8により被覆され流し台1外部から遮蔽されるとともに、前側面20aが段部4bの側壁4cと略面一に形成されるように成っている。
【0051】
このように、収納容器20の縦立位置において、前側面20aが段部4bの側壁4cと略面一に形成されることで、収納容器20の外観を目立たせることなく、外観上、シンク本体4に一体化できる。
【0052】
また、収納容器20は、例えば流し台1の使用者が前記した縦立位置から前側面20a上端を手前側に引き出すことで、各係合部21の係合箇所が突出部16の上端部16aに沿って移動し、回動可能に成っている(図11参照)。
【0053】
収納容器20を回動するとともに、上部開口部Mが手前側を向くように漸次開放される。収納容器20を任意に回動した任意回動位置では、特に図示しないが、係合部21における係合縁21aと係合縁21bとの間の直線状部が突出部16の上端部16aに載置することで、収納容器20がこの任意回動位置で保持される。
【0054】
更に、図11に示されるように、収納容器20を、上部開口部Mが全て開放されるまで回動した最大回動位置では、係合部21の係合縁21bが突出部16の上端部16aに嵌合するとともに、略垂直方向を向く鍔部21cが突出部16の後縁に沿って当接し、更に収納容器20の前側面20aの下端縁が突出部16の下端部前縁16bに当接することで、収納容器20がこの最大回動位置で、前方への過度の回動が防止され、安定的に保持される。
【0055】
すなわち流し台1の使用者は、収納容器20を前記した縦立位置と最大回動位置とにかけて自在に回動操作し、上部開口部Mを介して収納容器20内に調理屑等を投入処理できるように成っている。
【0056】
任意回動位置若しくは最大回動位置の上部開口部Mは、水平面よりも流し台1の手前側を向くように斜め上方に開口することに成る。このように、収納容器20の上部開口部Mが、開放部K外の手前側に回動可能で、且つ任意に回動した回動位置で保持可能であるため、収納容器20の上部開口部Mを流し台1手前側の投入者に向けて開放することで、投入者が調理屑等を投入整理し易い。
【0057】
また、収納容器20が開放部K内に着脱可能であるため、調理屑等を収納容器20ごと取り出して外部に廃棄し易い。
【0058】
また、シンク本体4の開放部Kの各側壁4f,4fに設けられた突出部16と、収納容器20の左右各側面20b,20bに設けられた係合部21とによる簡単な構造で、収納容器20の傾動及び保持が可能となるばかりか、収納容器20を取外すことで清掃等も容易となる。
【0059】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0060】
例えば、前記実施例1,2では、収納容器10,20が、開放部K内に着脱可能に設けられているが、収納容器は、回動可能に且つ回動位置で保持可能に設けられていれば、シンク本体に対し取外し不能に組み付けられていてもよい。
【0061】
また例えば、前記実施例1,2では、収納容器10,20の前側面10a,20aが、縦立位置において両側壁4c,4cと略面一に形成されているが、収納容器の前面は、縦立位置において両側壁よりも凸形状に膨出してもよいし、あるいは凹形状に窪んでいてもよい。
【0062】
また例えば、前記実施例1,2では、収納容器10,20の上方にトレー8が着脱可能に配設されているが、トレーが特段に設けられず、すなわち収納容器の上方が常時開放されるようにしてもよいし、あるいは収納容器の上方箇所に、収納容器を遮蔽する遮蔽部材が両側の段部に架け渡して固設されていても構わない。
【0063】
更に例えば、前記実施例1,2では、収納容器10,20を支持する支持部である支軸6,突出部16が、開放部の内側面に設けられていたが、前記支持部は、収納容器を回動可能に、且つ所定の回動位置で保持可能に支持するものであれば、例えば開放部の内底面に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 流し台
4 シンク本体(水槽)
4a,4b 段部
4c,4f 側壁
5 排水口
6 支軸
7 保持部
8 トレー
9 ストレーナ
10 収納容器
10a 前側面
10b,10b 左右側面
10c 傾斜縁
10d 後側面
11 軸受部
12 被保持部
13 プレート
16 突出部
20 収納容器
21 係合部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽の一側壁に該水槽の内方側を開放とする開放部が形成されるとともに、該開放部の底面に排水口が設けられ、前記開放部内における前記排水口の上方に、上部開口部を備えた収納容器が配設されており、該収納容器の上部開口部が、前記開放部外の手前側に向けて回動可能で、且つ任意に回動した回動位置で保持可能であることを特徴とする流し台。
【請求項2】
前記収納容器は、前記開放部内に着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の流し台。
【請求項3】
前記収納容器は、前後左右の各側面と下底面とから成る略箱形状であり、前記下底面には水切り孔が設けられ、前記開放部内に前記収納容器が縦立した位置では該収納容器の前側面が前記水槽の開放部外の内側面に略面一となり、前記収納容器の上部開口部を形成する左右両側面の上端縁が、前側面側から後側面側に向けて下方に傾斜する傾斜縁に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の流し台。
【請求項4】
前記水槽の開放部の両側壁に、略水平方向を向く支軸と、該収納容器を前記回動位置で保持する保持部とが設けられており、前記収納容器の左右側面に、前記支軸に嵌合する軸受部と、前記保持部に係止可能な被保持部とが設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の流し台。
【請求項5】
前記水槽の互いに対向する前後側壁上縁に、幅方向にスライド移動可能なプレートが架設され、該プレートに、前記収納容器の上部開口部に連通する連通開口が形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の流し台。
【請求項6】
前記開放部の上部に、該開放部を遮蔽するトレーが着脱可能に配設されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の流し台。
【請求項7】
前記収納容器と前記排水口との間に、異物を捕捉可能なストレーナが配設されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の流し台。
【請求項1】
水槽の一側壁に該水槽の内方側を開放とする開放部が形成されるとともに、該開放部の底面に排水口が設けられ、前記開放部内における前記排水口の上方に、上部開口部を備えた収納容器が配設されており、該収納容器の上部開口部が、前記開放部外の手前側に向けて回動可能で、且つ任意に回動した回動位置で保持可能であることを特徴とする流し台。
【請求項2】
前記収納容器は、前記開放部内に着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の流し台。
【請求項3】
前記収納容器は、前後左右の各側面と下底面とから成る略箱形状であり、前記下底面には水切り孔が設けられ、前記開放部内に前記収納容器が縦立した位置では該収納容器の前側面が前記水槽の開放部外の内側面に略面一となり、前記収納容器の上部開口部を形成する左右両側面の上端縁が、前側面側から後側面側に向けて下方に傾斜する傾斜縁に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の流し台。
【請求項4】
前記水槽の開放部の両側壁に、略水平方向を向く支軸と、該収納容器を前記回動位置で保持する保持部とが設けられており、前記収納容器の左右側面に、前記支軸に嵌合する軸受部と、前記保持部に係止可能な被保持部とが設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の流し台。
【請求項5】
前記水槽の互いに対向する前後側壁上縁に、幅方向にスライド移動可能なプレートが架設され、該プレートに、前記収納容器の上部開口部に連通する連通開口が形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の流し台。
【請求項6】
前記開放部の上部に、該開放部を遮蔽するトレーが着脱可能に配設されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の流し台。
【請求項7】
前記収納容器と前記排水口との間に、異物を捕捉可能なストレーナが配設されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の流し台。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−111875(P2011−111875A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272472(P2009−272472)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000002222)サンウエーブ工業株式会社 (196)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000002222)サンウエーブ工業株式会社 (196)
【Fターム(参考)】
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