流体処理エレメント及び異なる流体処理特性を有する流体処理エレメントを備えた流体処理装置、並びにそれらエレメントと装置を製造及び使用する方法
流体処理装置及びエレメント、並びに流体処理装置及びエレメントを製造及び使用する方法を開示する。透過性流体処理メディアを含むリボンが複数の巻回数で螺旋状に巻かれて、ディスク形の本体を有する流体処理エレメントを形成する。少なくとも2つの流体処理エレメントを、いくつかの隣接する流体処理エレメント間に空間を備えるようにしてコアアセンブリに沿って配置して、流体処理装置を形成する。流体処理装置の外部とコアアセンブリの内部との間を流れる流体は、第1流体処理特性を有する透過性流体処理メディアと、異なる第2流体処理特性を有する透過性流体処理メディアとを通って流れてもよい。また、流体処理装置の外部とコアアセンブリの内部との間を流れる流体は、第1流体処理特性を有する流体処理エレメントと、異なる第2流体処理特性を有する機能物質とを通って流れてもよい。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
[0001]本願は2007年3月19日出願の米国特許仮出願番号第60/907,069号に基づく優先権を主張し、この仮出願の全開示内容は、参照により本明細書に引用したものとする。
【発明の開示】
【0002】
[0002]本発明は、流体処理装置及び流体処理エレメント、並びにそれら流体処理装置及び流体処理エレメントを製造及び使用する方法に関する。具体的には、本発明は、流体処理装置と、1つ以上の螺旋状に巻かれた流体処理エレメントを含む流体処理装置を製造及び使用する方法とに関する。流体処理エレメントは、リボンを複数の巻回数で螺旋状に巻くことにより、略ディスク形の本体を形成するものとすることができる。リボンは、対向する第1及び第2主面と第1及び第2の対向する側端とを有する、透過性の流体処理メディアの細長いストリップ(strip)を含む。ディスク形の本体、は一方向に向く1つの端面と、反対方向に向く別の端面と、外端とを有するとよい。流体処理装置を形成するために、これらの流体処理エレメントのいくつかは、少なくともいくつかの流体処理エレメント間に空間を有する中空のコアアセンブリに沿って配置されるとよい。
【0003】
[0003]流体は、流体処理エレメントを通して、すなわち流体処理エレメントの一方の端面から反対側の端面に誘導されうる。流体は、端面に隣接する1つの空間から流体処理エレメントの一方の端面に入り、及び/又は流体は、流体処理エレメントの他方の端面から他方の端面に隣接する別の空間に出る。流体が流体処理エレメントを通過するとき、流体は概して、各巻回部の透過性流体処理メディアの端に沿って通過しうる。すなわち、流体は通常、第1及び第2の対向する主面とほぼ平行に透過性メディア内を横方向に流れうる。例えば、流体はリボンの1つの側端を通って透過性メディアに入り、透過性メディア内を横方向にリボンの反対側端にまで流れ、反対側の側縁を通って透過性メディアから出る。流体が流体処理エレメントを通過するとき、流体はまた、1つの巻回部の透過性流体処理エレメントから、1つ以上の隣接する又は近傍の巻回部の透過性メディア内に半径方向に流れ込み、その後にそのメディアに沿って横方向に流れる。
【0004】
[0004]本発明の1つ以上の態様を具体化する流体処理装置を使用して、気体、液体、又は気体、液体の混合物及び/又は固体を含む、流体を処理することができる。流体が流体処理エレメントを通過するとき、流体は、流体処理エレメントの流体処理特性に応じて、多くの方法のうちのいずれかで処理されてもよく、また多くの異なる流体処理特性が存在する。例えば、流体処理特性は、流体が流体処理エレメントを通って流れるときに、ある一定のサイズを超える粒子又は分子の通過を遅らせるか又は防ぎ、これらの粒子又は分子を流体から濾過する、流体処理メディアの細孔構造又は除去率に関係することもある。別の例として、流体処理特性は、流体内の1つ以上の物質(例えば、分子、タンパク質及び/又は核酸)を結合し、流体が流体処理エレメントを通って流れるときに、それら物質を流体から分離する流体処理メディア上又は流体処理メディア内の化学的又は生化学的薬剤に関係することもある。さらに別の例として、流体処理特性は、1つ以上の物質(例えば、分子又は化合物)を流体から吸収又は吸着し、流体が流体処理エレメントを通って流れるときに、それら物質を流体から分離する流体処理メディア内又は流体処理メディア上の吸着剤に関係することもある。別の例として、流体処理特性は、流体に混入した液体の小滴を凝集し、流体からより簡単に除去できる、より大きな液滴を生成する流体処理メディアの表面の化学的性質に関係することもある。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本発明の一態様によれば、流体処理装置は、中空のコアアセンブリと、そのコアアセンブリに沿って取り付けられた少なくとも第1及び第2流体処理エレメントと、第1及び第2流体処理エレメントを通る流体流路とを備えるものとすることかできる。コアアセンブリは、内部と軸線とを有する。各流体処理エレメントは、透過性の流体処理メディアを有するリボンを含み、このリボンは、複数の巻回数で螺旋状に巻かれて、半径方向の寸法を有する略ディスク形の本体を形成する。このディスク形の本体はまた、本体の一方の側面に第1端面と、本体の他方の側面に第2端面と、外端とを有する。第1流体処理エレメントは第1流体処理特性を有し、第2流体処理エレメントは、第1流体処理特性とは異なる第2流体処理特性を有する。流体流路は、両方の流体処理エレメントの第1端面と第2端面との間で、透過性流体処理メディアの概ね端に沿って通過して、コアアセンブリの内部へ、又はコアアセンブリの内部から延びる。
【0006】
[0006]本発明の別の態様によれば、流体処理装置は、中空のコアアセンブリと、複数のディスク形の流体処理エレメントとを備えるものとすることができる。中空のコアアセンブリは内部と軸線とを有する。各流体処理エレメントは、第1と第2の対向する側端を有する、少なくとも1つの透過性流体処理メディアのストリップを有するリボンを含む。このリボンは、複数の巻回数で螺旋状に巻かれており、透過性流体処理メディアのストリップの第1側端の複数の巻回数を備える軸線方向に向いた第1端面と、透過性流体処理メディアのストリップの第2側端の複数の巻回数を備える軸線方向に向いた第2端面と、外端とを有する。複数の流体処理エレメントは、第1流体処理特性を有する複数の第1流体処理エレメントと、第1流体処理特性とは異なる第2流体処理特性を有する複数の第2流体処理エレメントとを含む。流体処理エレメントはコアアセンブリに沿って配置され、少なくともいくつかの隣接する流体処理エレメント間で複数の空間を画定している。複数の空間は、コアアセンブリの内部に直接開いている複数の第1空間と、流体処理装置の外部に直接開いている複数の第2空間とを含んでいる。
【0007】
[0007]本発明の別の態様によれば、流体処理装置を製造する方法は、螺旋状に巻かれたディスク形の第1流体処理エレメントと、螺旋状に巻かれたディスク形の第2流体処理エレメントとを中空のコアアセンブリに沿って配置することを含むものとすることができる。第1流体処理エレメントは第1流体処理特性を有し、第2流体処理エレメントは、第1流体処理特性とは異なる第2流体処理特性を有する。第1及び第2流体処理エレメントをコアアセンブリに沿って配置することは、第1及び第2流体処理エレメントを流体流路内に配置することを含み、流体流路は、第1及び第2流体処理エレメントの巻回部の概ね端に沿って通過して、コアアセンブリの内部へ、又はコアアセンブリの内部から直列に延びる。
【0008】
[0008]本発明の別の態様によれば、流体処理エレメントはリボンを備えてもよく、リボンは複数の巻回数で螺旋状に巻かれて、略ディスク形の本体を形成しており、この本体は半径方向の寸法と、本体の一方の側面に第1端面と、本体の他方の側面に第2端面と、外端とを有する。リボンは、第1及び第2重ね合わせ層を備える多層複合体を含む。第1層は、第2層に沿って配置された、略同一平面上の第1及び第2流体処理メディアのストリップを少なくとも備えている。第1流体処理メディアのストリップは第1流体処理特性を有する。第2流体処理メディアのストリップは、第1流体処理特性とは異なる第2流体処理特性を有する。
【0009】
[0009]本発明の別の態様によれば、流体処理エレメントを製造する方法は、第1及び第2層を重ね合わせてリボンを形成することを含んでもよく、この方法には、透過性の第1流体処理メディアのストリップを透過性の第2流体処理メディアのストリップと略同一平面上に配置して、第1層を形成することを含む。第1流体処理メディアのストリップは第1流体処理特性を有し、第2流体処理メディアのストリップは、第1流体処理特性とは異なる第2流体処理特性を有している。この方法には、複数の巻回数でリボンを巻いて、軸線方向に向く第1及び第2端面と外端とを有するディスク形の流体処理エレメントを形成することを含んでもよい。
【0010】
[0010]本発明の別の態様によれば、流体を処理する方法は、第1流体処理特性を有する、螺旋状に巻かれた透過性の第1流体処理メディアのストリップの巻回部の概ね端に沿って通過するように流体を誘導することを含んでもよい。この方法は、次に、第2流体処理特性を有する、螺旋状に巻かれた透過性の第2流体処理メディアのストリップの巻回部の概ね端に沿って通過するように流体を誘導することをさらに含む。第2流体処理特性は、第1流体処理特性とは異なる。
【0011】
[0011]本発明の別の態様によれば、流体処理装置はコアアセンブリと、少なくとも第1及び第2流体処理エレメントと、空間と、空間内に置かれた機能物質と、流体流路とを備えてもよい。コアアセンブリは内部と軸線とを有する。各流体処理エレメントは、透過性流体処理メディアを有するリボンを含み、このリボンは、複数の巻回数で螺旋状に巻かれて、半径方向の寸法を有する略ディスク形の本体を画定している。このディスク形の本体はまた、本体の一方の側面に第1端面と、本体の他方の側面に第2端面と、外端とを有する。第1及び第2流体処理エレメントのうちの少なくとも一方は、第1流体処理特性を有する。空間は、第1及び第2流体処理エレメントのうちの少なくとも一方に隣接している。空間は、コアアセンブリの内部と流体処理装置の外部から隔離されている。空間内に置かれる機能物質は、第1流体処理特性とは異なる第2流体処理特性を有する。流体流路は、第1流体処理特性を有する流体処理エレメントと第2流体処理特性を有する機能物質とを直列に通って、コアアセンブリの内部へ、又は、コアアセンブリの内部から延びている。
【0012】
[0012]本発明の実施形態は多くの利点を提供する。例えば、流体処理エレメント、メディア及び/又は異なる流体処理特性を有する機能物質を提供することによって、本発明の実施形態は汎用性及び有効性が高くなる。流体は、2つ、3つ、4つ又はそれ以上の流体処理特性を有する単一の流体処理装置によって様々な方法で処理することができる。さらに、特定の流体を一緒に最も効果的に処理する複数の流体処理特性を組み合わせることによって、流体処理装置を用途に合わせて調整して多数の特定の流体をそれぞれ最適に処理することができる。
【0013】
[0013]多くの特定の実施形態は特に有効である。例えば、流体処理装置は、流体から粒子を除去するフィルタとして機能してもよく、第1流体処理特性としてより粗い細孔構造又は除去率を有する第1流体処理メディアと、第2流体処理特性としてより細かい細孔構造又は除去率を有する第2流体処理メディアとを含んでもよい。より粗い除去率を有する流体処理メディアは、より細かい除去率を有する流体処理メディアの上流の流体処理装置を通る流路内に配置されてもよい。次に、流体は最初に、より粗い除去率を有するメディアを通って流れ、そこでより粗い粒子がまず流体から除去される。その後、より細かい除去率を有するメディアを通って流れ、そこでより細かい粒子が次に流体から除去される。第1流体処理特性としてより粗い上流での除去率を有し、第2流体処理特性としてより細かい下流での除去率を有する流体処理装置は、大きい収塵容量及び/又は長い使用期間を有してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】流体処理装置の4分の1断面図である。
【図2】図1の流体処理エレメントの正面図である。
【図3】リボンの斜投影図である。
【図4】別の流体処理エレメントの正面図である。
【図5】別の流体処理エレメントの正面図である。
【図6】別の流体処理エレメントの正面図である。
【図7】周辺部材を有する流体処理装置を含む流体処理アセンブリの4分の1断面図である。
【図8】別の流体処理装置の4分の1断面図である。
【図9】別の流体処理装置の一部の断面図である。
【図10】別のリボンの斜投影図である。
【図11】別の流体処理装置の一部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0025]本発明の1つ以上の態様を具体化する流体処理装置は、様々な方法で構成されうる。図1及び2には流体処理装置の1つの例を示しているが、流体処理装置は、これらの図のいずれに示した特徴にも限定されない。図1及び2に示すように、流体処理装置10は、コアアセンブリ11と、コアアセンブリ11に沿って配置された螺旋状に巻かれた複数の流体処理エレメントとを備える。複数の流体処理エレメントは、第1流体処理特性を有する複数の第1流体処理エレメント12Aと、第2流体処理特性を有する複数の第2流体処理エレメント12Bとを含むものとすることができる。例えば、各流体処理エレメントは、図1に示すように、少なくとも第1流体処理エレメント12Aと第2流体処理エレメント12Bとを含んでもよい。流体処理エレメントの幅及び/又は半径方向寸法は、同等、例えば実質的に等しいか、又はコアアセンブリ11に沿って変化させてもよい。いくつかの流体処理エレメントをコアアセンブリに沿って相互に軸線方向に分離して配置して、隣接する流体処理エレメント間に空間13、14を画定してもよい。いくつかの流体処理エレメントは、相互に近接又は接触してコアアセンブリに沿って軸線方向に並列に配置されてもよい。
【0016】
[0026]コアアセンブリ11は、軸線と、内部15を含む略中空構造とを有するパイプ又はチューブなどのコアを備える。コアアセンブリ11は2つの開放端、又は1つの開放端と閉鎖端又は盲端とを有するとよい。コアアセンブリ11はまた、開口16、例えば軸線方向に分離された開口、例えば空間14のいくつかをコアアセンブリ11の内部15と流体的に連通させるスロット又は他の貫通孔を有してもよい。コアアセンブリ11の内部15と流体連通する空間14は、流体処理エレメントの外部から、例えば流体処理エレメントを半径方向に超える領域から、様々な方法で流体的に隔離されてもよい。他の空間13は、例えば、開口を有しておらず、また空間の内端を横切って延び、且つ内端を閉鎖する、コアアセンブリ11の堅固な壁部分によって、コアアセンブリ11の内部15から流体的に隔離されてもよく、これらの空間13は流体処理エレメントの外部と流体的に連通してもよい。さらに他の空間はコアアセンブリの内部及び流体処理エレメントの外部の両方から隔離されてもよい。
【0017】
[0027]流体は流体処理エレメント10の外部、例えば流体処理装置を半径方向に越えた領域と、コアアセンブリ11の内部15との間で、流体流路に沿って、第1流体処理エレメント12Aと第2流体処理エレメント12Bを通って、概ね内側方向又は外側方向に誘導される。例えば、図1に示す実施形態を含む多くの実施形態では、供給流体は流体処理装置10の外部から供給空間13内に略半径方向内向きに、流体の流路に沿って誘導される。この供給空間13は、流体処理エレメントの外部と流体的に連通しているが、コアアセンブリ11の内部15から隔離されている。流体は、供給空間13から、1つ以上の隣供給空間13から流体流路に沿って、隣接する流体処理エレメントの第1及び第2流体処理エレメント12A、12Bを通って略軸線方向に流れて、透過空間14内に流入する。透過空間14は、流体処理エレメント12の外部からは流体的に隔離されているが、コアアセンブリ11の内部15とはコアアセンブリ11の開口16を通して流体連通している。流体は第1及び第2流体処理エレメント12A、12Bを通って流れるとき、処理エレメント12A、12Bのそれぞれの流体処理特性に従って、種々の方法で処理されてもよい。流体は、透過空間14から流体流路に沿って略半径方向内向きにコアアセンブリ11の内部15に流れ込み、このアセンブリ11に沿って軸線方向に流れてもよい。
【0018】
[0028]あるいは、供給流体は、コアアセンブリの内部に導入されてもよく、またコアアセンブリの開口を通ってコアアセンブリの内部から流体流路に沿って半径方向外側に誘導されて、流体処理装置の外部から流体的に隔離された供給空間内に流入してもよい。流体は供給空間から、第1及び第2流体処理エレメントを通って流体流路に沿って略軸線方向に流れて、流体処理装置の内部からは流体的に隔離されているが、流体処理装置の外部と流体連通している透過空間に流入してもよい。流体は透過空間から、流路に沿って外向きに、流体処理装置の外部まで流れてもよい。
【0019】
[0029]これらの実施形態のそれぞれにおいて、流体は、流体流路に沿って、それぞれが異なる流体処理特性を有する第1及び第2流体処理エレメントだけを通って流れる。他の実施形態では、流体は、流体処理装置の外部とコアアセンブリの内部との間の流路に沿って、3つ以上の(例えば、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上)流体処理エレメントを通って流れてもよく、各流体処理エレメントは、異なる流体処理特性を有してもよい。
【0020】
[0030]図2には、第1流体処理エレメント又は第2流体処理エレメントである流体処理エレメント12の一例を示しているが、流体処理エレメントはこの図に示す特徴に限定されない。図2に示すように、流体処理エレメント12は、複数の巻回数で螺旋状に巻かれて略ディスク形の本体21を形成するリボン20を備えるとよい。リボンは、様々な方法で構成されてもよい。図3にはリボンの1つの例を示しているが、リボンはこの図に示す特徴に限定されない。図3に示すように、リボン20は、対向する主面22、23と対向する側端24、25とを有する長くて幅の狭い構造を備えてもよい。リボン20は、同じく対向する主面22a、23a及び対向する側端24a、25aを有する、透過性流体処理メディアのストリップ26を含む。多孔性流体処理メディアを含むリボン20は、透過性であるが孔をあけられていなくてもよく、すなわち、対向する主面22、23;22a、23aの間に延びる貫通孔又は貫通口はいずれも存在しなくてもよい。
【0021】
[0031]透過性流体処理メディアは、例えば、天然又は合成高分子、ガラス、金属、炭素及び/又はセラミックを含む様々な材料のうちのいずれかで形成されてもよい。透過性流体処理メディアは、例えば、織り繊維又は不織繊維状ストリップなどの繊維構造;織られた、押し出された又は伸張された網状ストリップなどの網目;支持又は非支持膜ストリップなどの透過性膜;多孔性の発泡性ストリップ;又は多孔性の焼結繊維金属又は粉末金属ストリップなどの多孔性金属を含む、様々な構造体のうちのいずれで形成されてもよい。
【0022】
[0032]透過性流体処理メディアは、無数の処理特性のいずれかを有してもよい。例えば、透過性流体処理メディアは、これらに限定されないが、正又は負の電荷;例えば、疎水性もしくは親水性又は疎油性もしくは親油性の表面特性を含む疎液性又は親液性の表面特性;流体内の物質と化学的に結合できる、リガンド又は任意の他の反応性モイエティなどの付着官能基;又は、化学的もしくは物理的に結合することにより、これらに限定されないが、吸収剤、反応物及び触媒を含む流体内の物質及び/又は流体自体、並びにすべての種類のクロマトグラフィー媒体と反応、触媒作用、送達作用するか又は影響を与える、組み込み機能物質を含む様々な流体処理特性のいずれかを有してもよく、又は有するように改質されてもよい。より具体的には、機能物質には、活性炭素、シリカ、ゼオライト、モレキュラーシーブ、粘土、アルミナ、重曹、イオン交換樹脂、触媒、金属酸化物、酸化剤、還元剤、緩衝剤、殺生剤、殺真菌剤、殺ウイルス剤、消臭剤及び芳香剤が含まれてもよい。機能物質は、流体処理メディアに組み込まれ(例えば結合され、被膜され、固定され)てもよく、及び/又は流体処理メディアとして形成されてもよい。いくつかの実施形態では、機能物質は、流体処理メディア内で固定された粒子又は繊維の形であってもよい。さらに、透過性流体処理メディアの流体処理特性には、例えば、超多孔性又はナノ多孔性又はそれ以下から、微小孔又はそれ以上を含む、任意の広範囲の除去率又は細孔構造を含んでもよい。例えば、流体処理特性は、サブミクロン範囲以下(例えば、最大約0.02μm以上、又は最大約0.1μm以上)、あるいはミクロン範囲以上(例えば、最大約1μm以上、又は約5μm以上、又は10μm以上、又は約50μm以上、又は75μm以上、又は約100μm以上、又は約200μm以上、又は約300μm以上、又は約500μm以上、又は約1000μm以上)の除去率を含んでもよい。いくつかの実施形態では、透過性流体処理メディアは、不織ガラス又は高分子ファイバのフィルタ媒体を含んでもよく、透過性流体処理メディアの流体処理特性は、約0.02μm以上の除去率を有してもよい。
【0023】
[0033]透過性流体処理メディアのストリップを含むリボンは様々な長さ、厚み及び幅を有してもよい。多くの実施形態では、リボンは連続的であり、十分な数の巻回数を提供するのに必要な全長に延びることにより、任意の所望の半径方向寸法を有する流体処理エレメントを形成してもよい。他の実施形態では、リボンのより短いセグメントの端と端を連結して全長を延ばしてもよい。さらに、多くの実施形態では、リボンは、ストリップの長さに沿って略直線であってもよい。しかし、リボンは曲げられてもよい。例えば、リボンは、ストリップの長さに沿って延びる、周期的、例えば正弦曲線又はのこぎり歯状のパターンを有してもよい。
【0024】
[0034]透過性流体処理メディアのストリップを含むリボンの厚み、すなわち一方の主面から反対側の主面までのリボンを通過する距離は、例えば、多孔性の流体処理メディアの構造に応じて、リボンごとに及び/又は流体処理エレメントごとに変化させてもよい。厚みは、例えば薄い透過性の高分子膜では、1インチの約1000分の2以下から、例えば厚い繊維材料又は多孔性発泡体では、1インチの約1000分の250以上の範囲内にあってもよい。厚みは、リボンの長さに沿って均一でなくてもよいが、多くの実施形態については、厚みはリボンの長さに沿って均一である。
【0025】
[0035]透過性流体処理メディアのストリップの幅を含むリボンの幅、すなわち、一方の端から反対側の側端までのリボンを通過する距離もまた、リボンごとに、及び/又は流体処理エレメントごとに変化させてもよい。流体が流体処理エレメント12を通って流れるとき、流体は、一方の側端24、25から反対側の側端25、24まで、リボン20と透過性流体処理メディアのストリップ26との端に沿って通過してもよい。したがって、リボンの幅は流体が受ける圧力降下及び処理の度合いに影響を与える可能性がある。例えば、リボンの幅は濾過効率に影響を与える可能性がある。多くの実施形態では、幅は、約16分の1インチ以下から、約1インチ又は2インチ又は3インチ又はそれ以上の範囲であってもよい。例えば、幅は、約2インチ以下(例えば1インチ以下)から、約8分の1インチ以上から約2分の1インチ以下を含む、約16分の1インチ以上の範囲であってもよい。さらに、幅はリボンの長さに沿って均一であって、流体が流体処理エレメントを通って流れるとき、流体のより均一な処理を提供してもよい。あるいは、リボンの幅はストリップの長さに沿って不均一であってもよい。例えば、リボンの幅は、全長に沿った、より短い距離にわたって変化して、例えば1つ又は2つのギザギザの縁部を備えるリボンを提供してもよく、あるいはより長い距離にわたって変化して、例えば狭い縁部に先細りする又は幅広い縁部に広がる、流体処理エレメントを提供してもよい。ギザギザの縁部並びに縁の付いた又は縮小した縁部を有するリボンは、例えば、発明者としてThomas Welch, Jr.、 Stephen Geibel及びTanweer ul Haqが記載された、2007年3月19日出願の発明の名称「流体処理エレメント及び不均一な表面を有する流体処理エレメントを備える流体処理装置並びにそれらを製造及び使用する方法(Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Fluid Treatment Elements Having Uneven Surfaces and Methods for Making and Using Them)」である米国特許仮出願番号第60/907,065号と、この仮出願に基づいて優先権を主張するPCT国際出願に開示されており、これら両方の出願の全開示内容は参照により本明細書に引用してこれら及び他の特徴を支持するものとする。
【0026】
[0036]リボン20は、リボンの単体構成要素として透過性流体処理メディアのストリップ26を含んでもよく、流体処理メディアの主面は隣接する巻回部に沿って接触してもよい。あるいは、リボンは複数の構成要素を含んでもよい。例えば、リボンは、図3に示すように、相互の上面に配置された複数の層を備える多層複合体30の1つの層として透過性流体処理メディアを含んでもよい。透過性流体処理メディア26aの追加層のような様々な追加層が含まれてもよい。流体処理メディア26、26aは、同一又は相互に異なっていてもよい。例えば、透過性流体処理メディア層26、26aは、同一の流体処理特性又は異なる流体処理特性を有してもよく、これにより、相互に平行な異なる流体処理特性を有する流体処理メディア26、26aを流体処理エレメントに提供してもよい。別の追加層は、リボンの構造的な強度を強化する補強ストリップ31であってもよい。リボンは、複数の巻回数で巻かれて流体処理エレメントを形成するとき、引張り状態になることもあり、透過性流体処理メディアのストリップが張力に耐えるには十分の強度を有していない場合もある。したがって、高分子フィルムのストリップなどの、張力に耐えることができる補強ストリップ31が、流体処理メディアに積み重ねられてもよい。別の追加層は、リボンの隣接する巻回部の隣接する表面を接着するための接着ストリップ32であってもよい。複合リボンの複数の層のすべてが、同一幅を有さなくても、又は一致していなくてもよいが、多くの実施形態では、図3に示すように、複数の層すべては実質的に同一幅を有し、側端は一致する。層の端部は一致するか又はジグザグであってもよい。多くの実施形態では、任意の追加の流体処理メディア層以外の追加層の厚みは、流体処理エレメント内の流体処理メディアの相対容積を増加するために、流体処理メディア層の厚みより小さくてもよい。流体が流体処理エレメントを通って流れるときの、流体処理メディアを迂回する流体の量を低減するために、追加層の端に沿って通過する流体流れに対する抵抗は、流体処理メディア層の端に沿って通過する流体流れに対する抵抗に、少なくとも実質的に等しいか又はより大きくてもよい。いくつかの実施形態では、追加層の端に沿って通過する透過率は、高くても流体処理メディア層の端に沿って通過する透過率に実質的に等しいか、又はより小さく、及び/又は追加層の端に沿って通過する除去率は、流体処理メディア層の端に沿って通過する除去率に実質的に等しいか又はより細かくてもよい。いくつかの実施形態では、流体処理メディア層以外の複合リボンの層のうちのいくつか又はすべては、不透過性であってもよい。あるいは、追加層の端に沿って通過する流体流れに対する抵抗は、流体処理メディア層を通り端に沿って流れる流体流れに対する抵抗より小さくてもよい。いくつかの実施形態では、追加層の端に沿って通過する透過率は、流体処理メディア層の端に沿って通過する透過率より大きくてもよく、及び/又は追加層の端に沿って通過する除去率は流体処理メディア層の端に沿って通過する除去率より粗くてもよい。
【0027】
[0037]複数の巻回数でリボン20を螺旋状に巻くことにより形成される流体処理エレメント12は、任意の多数の不規則又は規則的な形状を有してもよい。例えば、流体処理エレメント12の螺旋状に巻かれたディスク形状の本体21並びにコアアセンブリ11は、図2に示すように略円形であってもよく、又は図4、5及び6にそれぞれ示すように、略楕円、三角形又は長方形であってもよい。流体処理エレメント12の半径方向寸法すなわち、コアアセンブリ11の軸線に対して略垂直の寸法、例えば最内側の巻回部から最外側の巻回部までの寸法は、例えば、巻回数及びリボンの厚みに応じて、変化させてよい。例えば、半径方向寸法は、最大約1/4インチ又は最大約1/8インチ又はそれ以下から、最大約1インチ又は最大約2インチ又は最大約6インチ又は最大約10インチ又は最大約25インチ又はそれ以上までの範囲であってもよい。流体処理エレメント12の容積は、例えば、リボンの幅及びディスク形状の本体の半径方向寸法に従って変化させてよい。いくつかの実施形態では、流体処理装置の流体処理エレメントのすべては同一容積を有してもよい。いくつかの実施形態では、流体処理エレメントは異なる容積を有してもよい。例えば、各第1流体処理エレメント12Aは各第2流体処理エレメント12Bとは異なる容積を有してもよい。
【0028】
[0038]図1に示すように、各ディスク形の本体21は、1つの軸線方向に向く供給又は流入面33を備える端面と、反対の軸線方向に向く流出又は透過面34を備える端面と、流体処理エレメント12の外部に沿った外端35と、内端35a有してもよい。各供給面33は、透過性流体処理メディアのストリップ26の供給側端24aを含む、リボン20の一方の側端(例えば供給側端24)の複数の巻回部を備えてもよい。各透過面34は、透過性流体処理メディアのストリップ26の透過側端25aを含む、リボン20の他方の外側の側端(例えば透過性側端25)の複数の巻回部を備えてもよい。流体経路27は、各流体処理エレメント12A、12Bの一方の端面から他方の端面に、多孔性の流体処理ストリップ26を通って、側端24a、25aの間で概ね端に沿って延びる。一方又は両方の端面は、例えば、以前に参照した発明の名称「流体処理エレメント及び不均一な表面を有する流体処理エレメントを備える流体処理装置並びにその装置を製造及び使用する方法(Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Fluid Treatment Elements Having Uneven Surfaces and Methods for Making and Using Them)」である米国特許仮出願番号第60/907,065号及びこの仮出願に基づいて優先権を主張するPCT国際出願に開示されているように、均一な表面であっても、又は不均一な表面であってもよい。
【0029】
[0039]流体処理エレメントは、隣接するエレメントが相互に間隔を空けて、又は境界面に沿って相互に極めて接近(例えば、接触)した状態で、コアアセンブリ11に沿って配置されてもよい。さらに、隣接する流体処理エレメントは、構造的に相互に分離されていてもよい。多くの実施形態では、いくつかの隣接する流体処理エレメント12Aの供給面33は、相互に対向して、これらの間の供給空間13を画定し、いくつかの隣接するエレメント12Bの透過面34は相互に対向して、これらの間の透過空間14を画定してもよい。図1に示す実施形態では、透過空間14は、コアアセンブリ11の開口16を通してコアアセンブリ11の内部15と流体連通してもよく、供給空間13は、コアアセンブリの堅固な壁部分によって、コアアセンブリ11の内部から流体的に隔離されていてもよい。隣接する流体処理エレメント間の距離が各空間13、14の幅を画確定してもよく、この空間13、14の幅は均一又は不均一であってもよい。例えば、隣接する供給面33の間の距離及び供給空間13の幅、並びに隣接する透過面34の間の距離及び透過空間14の幅と、相互に実質的に等しいか、又は異なっていてもよい。さらに、隣接する供給面33の間の距離及び供給空間13の幅は、隣接する透過面34の間の距離及び透過空間14の幅と実質的に等しいか、又は異なっていてもよい。
【0030】
[0040]空間13、14は、流体処理エレメント12の半径方向の寸法の少なくとも約85%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%、又は約100%に沿って隣接する流体処理エレメント12間に広がっていてもよい。例えば、空間13、14は、エレメントの外部においてコアアセンブリから外端35までの距離の少なくとも約85%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%又は約100%に広がっていてもよい。さらに、例えば、発明者としてThomas Welch, Jr.、 Tanweer ul Haq、Joseph Verschneiderが記載された、2007年3月19日付けで出願された、発明の名称「流体処理エレメント間に空間を有する流体処理エレメント及び流体処理装置並びにそれらを製造及び使用する方法(Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Spaces Between Fluid Treatment Elements and Methods for Making and Using Them)」である米国特許仮出願番号第60/907,068号と、この仮出願に基づいて優先権を主張したPCT国際出願とにおいて開示されているように、空間13、14の多く又はすべてには実質的に構造物が存在しなくてもよい。これら両方の出願は参照により本明細書に引用して、これら及び他の特徴を支持するものとする。あるいは、これらの空間のいくつか又はすべては、スペーサ及び/又は支持体として機能する構造を含む任意の様々な構造体を含むか、又はその構造体によって占有されてもよい。これらの構造体は、空間を通って流体を案内するための溝、リブ及び/又は開口を有する、剛性もしくは柔軟なプレート又は格子が含まれてもよい。あるいは、これらの構造体は、流体が通過して空間に流れ込むか又は空間から流れ出ることができる、一層以上のメッシュ又は粗い繊維素材を含んでもよい。さらに別の代替例として、これらの構造体は、例えば、発明者としてThomas Welch, Jr.、 Tanweer ul Haq及びJoseph Verschneiderが記載され、2007年3月19日に出願された、発明の名称「流体処理エレメント及び流体処理エレメント間にポスト及び/又はバンドを有する流体処理装置並びにその装置を製造する方法(Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Posts and/or Bands Between Fluid Treatment Elements and Methods for Making Them)」である米国特許仮出願番号第60/907,078号及びこの仮出願に基づいて優先権を主張するPCT国際出願に開示されているように、空間内に突き出る1つ以上のポストを含んでもよい。これら両方の出願は参照により本明細書に引用して、これら及び他の特徴を支持するものとする。
【0031】
[0041]流体処理装置はさらに、例えば、間隔の空いた流体処理エレメント間の空間及び/又は近接もしくは接触する流体処理エレメント間の境界面に結合された周辺部材を含む追加の構成要素を備え、この周辺部材によって、1つ以上の空間及び/又は境界面を、例えば、流体処理エレメントの外部から流体的に隔離してもよい。周辺部材は様々な方法で、例えば、流体処理エレメントから隔離しているが結合されている1つ以上の構成要素として構成されてもよい。図7には周辺部材36の多くの様々な例のうちの1つが示されている。図7に示す流体処理エレメント12A、12Bとコアアセンブリ11とは、先に説明した流体処理エレメントとコアアセンブリと同一であってもよいが、周辺部材、流体処理エレメント及びコアアセンブリはいずれも、図7に示す特徴に限定されない。図示した周辺部材36は軸線方向に間隔を空けた複数のバンド37Aを備え、このバンド37Aは供給空間13を取り囲み、隣接する流体処理エレメント12Aの外端35をブリッジし、供給空間13と流体処理エレメント12Aの外部との間を流体連通する開口を有する。多くの実施形態では、バンド37Aは供給空間13にまたがるが、隣接する第1流体処理エレメント12Aの外端35の少なくとも一部を露出したままにするよう配置されてもよい。他の実施形態では、バンドは空間をまたぎ、隣接する第1流体処理エレメントの外端を完全に覆ってもよく、又は空間をまたぐが、隣接する第1流体処理エレメントの外端に沿って延びていなくてもよい。周辺部材36はさらに、透過空間14を取り囲み、各透過空間14に隣接する第2流体処理エレメント12Bの外端35をブリッジする、軸線方向に間隔を空けた複数のバンド37Bを備えてもよい。多くの実施形態では、各供給空間13に隣接する流体処理エレメント12Aは、第1流体処理特性を有してもよく、一方で、各透過空間14と隣接する流体処理エレメント12Bは、第2の異なる流体処理特性を有してもよく、またその逆であってもよい。流体が第1流体処理特性を有する流体処理エレメント12Aを迂回するのを防ぐために、周辺部材は、第2流体処理特性を有する流体処理エレメント12Bの外端35を完全に横断し、且つ、第2流体処理特性を有する流体処理エレメント12Bと第1流体処理特性を有する流体処理エレメント12Aとの間のすべての空間又は境界面を完全に横断して延びてもよい。例えば、図7に示すように、透過空間14を取り囲むバンド37Bは、隣接する第2流体処理エレメント12Bの外端35と、第2及び第1流体処理エレメント12B、12Aの間の境界面の半径方向外側端を完全に覆う距離だけ軸線方向に延びてもよい。
【0032】
[0042]あるいは、周辺部材は、空間(例えば、透過空間)のうちの少なくともいくつかの外端、境界面及び第2流体処理エレメントの外端を流体的に閉鎖し、他の空間(例えば、供給空間)と流体連通することを可能にする任意の構成を有してもよい。例えば、周辺部材は、空間、境界面及び流体処理エレメントのすべてを取り囲むスリーブ、又は第2流体処理エレメントと流体処理エレメントの空間と境界面と外端のすべてを取り囲んで、空間のうちのいくつかの外端を流体的に閉鎖し、他の空間の外端での流体連通(例えば、外端と流体処理エレメントの外部と他の空間との間の流体連通)を可能にする開口を有する螺旋状のラップを備えてもよい。
【0033】
[0043]周辺部材は、様々な方法で流体処理エレメントを封止してもよい。多くの実施形態では、周辺部材36は不透過性であってもよく、流体処理エレメント12のディスク形の本体21に結合されてもよい。例えば、バンド37は不透過性のストリップ(例えば、不透過性の高分子ストリップ)を備えてもよく、流体処理エレメント12の外端35に接着結合、溶剤接着、又は熱接着されてもよい。あるいは、バンドは、例えば、先に参照した、発明の名称「流体処理エレメント及び流体処理エレメント間にポスト及び/又はバンドを有する流体処理装置並びにその装置を製造する方法(Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Posts and/or Bands Between Fluid Treatment Elements and Methods for Making Them)」である米国特許仮出願番号第60/907,078号及びこの仮出願に基づいて優先権を主張するPCT国際出願に開示されているように、硬化性材料(例えば、ホットメルト接着剤、ポリウレタン、エポキシ)を含んでもよい。
【0034】
[0044]流体処理装置は、いくつかの異なる方法のうちのいずれかで製造されてもよい。一般的な1つの例によれば、流体処理装置を製造する方法は、異なる流体処理特性を有する、螺旋状に巻かれたディスク形の第1及び第2流体処理要素を少なくとも中空のコアアセンブリに沿って配置することを含んでもよい。第1及び第2流体処理エレメントは、コアアセンブリの内部へ又はコアアセンブリの内部から、第1及び第2流体処理エレメントの巻回部の概ね端に沿って延びる流体流路内に直列に配置されてもよい。
【0035】
[0045]流体処理エレメントは、様々な方法でコアアセンブリに沿って配置されてもよい。例えば、少なくとも2つの、及び少なくとも10以上、又は少なくとも25以上、又は少なくとも50以上、又は少なくとも100以上のリボンをコアアセンブリ周りに複数の巻回数で螺旋状に巻くことにより、コアアセンブリに沿ったそれぞれ異なる軸線方向の位置に流体処理エレメントを形成してもよい。リボンのいくつかは、第1流体処理特性を有する流体処理メディアを含んでもよく、また螺旋状に巻かれて1つ以上の第1流体処理エレメントを形成してもよい。リボンのいくつかは、第2流体処理特性を有する流体処理メディアを含んでもよく、また螺旋状に巻かれて1つ以上の第2流体処理エレメントを形成してもよい。流体処理エレメントのすべては、空間で分離されてもよく、又はいくつかの隣接する流体処理エレメントは、並列に極めて接近(例えば、接触)してもよく、一方、他の流体処理エレメントは、隣接する流体処理エレメントから間隔を空けていてもよい。例えば、リボンを螺旋状に巻くことにより、ディスク形の本体21を有する第1及び第2流体処理エレメント12A、12Bを、並列に近接したペアで(例えば接触して)配置してもよい。図1及び図7の実施形態においては、第1流体処理エレメント12Aの流出側又は透過面34は、第2流体処理装置エレメント12Bの流入側又は供給面33に近接して対向し、及び/又は接触してもよい。さらに、リボンを螺旋状に巻くことにより、隣接する第1流体処理エレメント12Aを相互に間隔を空けて配置して、例えばそれらエレメント12Aの間に供給空間13を画定してもよく、また隣接する第2流体処理エレメント12Bを相互に間隔を空けて配置して、例えばそれらエレメント12Bの間に供給空間14を画定してもよい。
【0036】
[0046]リボンは、1個ずつ、数個ずつ又は同時にすべて、例えば順次又は同時のいずれかでコアアセンブリの周囲に巻かれてもよい。リボンの内端領域、例えば第1の1、2又は3つの巻回部を画定する領域は、流体処理エレメントの迂回を防止するためにコアアセンブリを完全に封止してもよい。例えば、内端領域は、コアアセンブリに、内端領域を、熱接着、接着剤結合又は溶剤接着することによりコアアセンブリに固定されてもよい。あるいは、内端領域はコアアセンブリに結合されなくもよいが、例えば、コアアセンブリの周囲に最初の巻回部を堅く巻き付けることにより、コアアセンブリに対して圧力を加えて結合されてもよい。さらに、内端領域は先細りの厚みを有してもよく、又は十分に堅く巻かれてもよく、これにより第1巻回部の終端部と第2巻回部の始端部と間の移行部に形成される段差がなくなる。
【0037】
[0047]各リボンに張力を加えて複数の巻回数で螺旋状に巻き、任意の望ましい半径方向寸法の流体処理エレメントを形成してもよい。張力は一定であってもよく、又は流体処理エレメントの半径の増加に伴って変化させてよく、張力は多数の要因に基づいて経験的に選択されてもよい。例えば、リボンが損傷を受けるまで伸長する最大張力、例えば、流体処理メディアが過度に引き伸ばされるか、又は引き裂きを開始する張力が、決定されてもよい。リボンは次に、最大張力未満の張力、例えばこの最大張力の約80%以下又は約65%以下又は50%以下を用いて螺旋状に巻かれてもよい。さらに、リボンは、同様の圧縮、例えば、流体処理エレメントの半径方向寸法の大部分又はすべてに沿って、1つの巻回部から次の巻回部にまで、流体処理メディアの実質的に均一の圧縮を提供する張力を用いて、螺旋状に巻かれてもよい。1つの巻回部から次の巻回部まで同様の圧縮を提供することにより、流体処理エレメントは、流体処理メディアの複数の巻回部の端に沿って流れる流体をより均一に処理してもよい。例えば、流体処理メディアが濾過メディアを含む場合、流体処理エレメントをエレメントの半径方向寸法に沿ってより均一に装填して、処理エレメントの収塵容量及び/又は使用期間を増加してもよい。加えて、リボンは十分な張力で螺旋状に巻かれて、隣接する巻回部の隣接面とリボンの隣接層との間の横方向の流体流れを抑制又は防止してもよい。例えば、流体が隣接面と隣接層間で横平方向に実質的通過しないだけの十分な張力を加えるか、又はリボンの隣接面と隣接層の間の横方向のすべての流体経路が、流体処理メディアの端に沿って通過する流体経路の透過率及び/又は除去率より実質的に大きくなく、または粗くない透過率及び/又は除去率を有するだけの十分は張力を加えることにより、リボンが螺旋状に巻かれてもよい。またリボンは十分な張力で巻かれて、安定性のある、堅固なディスク形状の本体を有する実質的に自立流体処理エレメントを形成してもよい。例えば、リボンは十分な張力で巻かれて、隣接する巻回部及び隣接層を相互に十分に堅く保持することにより、流体処理エレメントが受ける圧力差で、隣接する巻回部及び隣接層の横方向の滑り及び/又は半径方向の分離を防止してもよい。
【0038】
[0048]第1リボンの幅及び/又は第1リボンを螺旋状に巻くことによって形成される流体処理エレメントの半径方向の寸法を、第2リボンの幅及び/又は第2リボンを螺旋状に巻くことによって形成される流体処理エレメントの半径方向の寸法と異なる寸法にすることにより、流体処理エレメントの容積を変えてもよい。例えば、図1及び図7に示すように、第1及び第2流体処理エレメント12A、12Bの半径方向の寸法を実質的に等しくして、周辺部材36の取付けを容易にしてもよい。しかし、第1流体処理特性を有する各第1流体処理エレメント12Aのリボンは、第2流体処理特性を有する各第2流体処理エレメント12Bのリボンよりも狭くてもよく、又はその逆であってもよい。このように、第1及び第2流体処理エレメントの一方(例えば、第1流体処理エレメント12A)は、第1及び第2流体処理エレメントの他方(例えば、第2流体処理エレメント12B)と異なる容積(例えば、小さい容積)で形成されてもよい。
【0039】
[0049]各リボンが所望の半径方向寸法に螺旋状に巻かれた後、リボンの外端領域は任意の様々な方法で所定の位置に保持されてもよい。例えば、外端領域は、例えば、熱接着、接着剤結合又は溶剤接着によって、隣接する巻回部に結合されてもよい。代替的又は追加的に、リボンの外端領域は他の巻回部に結合されてもよい。例えば、高温の金属ピンがリボンの外端領域及び外側の巻回部を通して略半径方向に挿入され、ピンと接触するリボンの部分を溶融してもよい。ピンが取り外されると、溶融した部分は相互に固体化し、リボンの任意の複数の層及び所定の位置に外側の巻回部を含む、外端領域を保持する略半径方向のステーク(stake)を形成する。代替的又は追加的に、高温であってもそうでなくてもよい中空の針が、外端領域及び外側の巻回部を通して略半径方向に挿入されるか、又は隣接する巻回部の間の空間に挿入されてもよい。例えば、ポリウレタン、エポキシ又はホットメルト接着を含む、液体の硬化接着合成物又は材料を、針が取り除かれると巻回部内に注入して、所定の位置に外端領域及び巻回部を保持する略半径方向のステークを形成してもよい。さらに別の代替方法として、溶着ビード又は硬化接着材料のビード形のステークは、リボンの外端領域及び外側の巻回部の片方又は両方の側端に沿って引き抜かれてもよい。
【0040】
[0050]螺旋状に巻かれた流体処理エレメントの安定性は、ディスク形の本体の大部分又はすべてを補強することによってさらに強化されてもよい。例えば、略半径方向に延びるステーク(stake)が、巻回部の大部分又はほぼすべてわたり、及び/又はディスク形の本体周りに様々な角度で間隔を空けた位置に形成されてもよい。同様に、ステークは、流体処理エレメントの一方又は両方の端面に沿って、及び/又は第1及び第2流体処理エレメントの間の境界面における表面を含む、各表面の周りに様々に角度で間隔を空けた位置に形成されてもよい。各ステークは、流体処理要素を大部分又は完全に貫通して、又は流体処理エレメントに沿って、例えばコアアセンブリまで延び、それによって流体処理エレメントをコアアセンブリに固定してもよい。
【0041】
[0051]螺旋状に巻かれた流体処理エレメントの安定性はまた、螺旋状に巻かれたリボンの長さに沿って、連続的又は不連続に、隣接する巻回部及び/又はリボンの隣接層を相互に結合することにより強化されてもよい。隣接する巻回部及び/又は層は様々な方法で結合されてもよい。例えば、リボンは、上述のように、接着層を含んでもよい。接着層は、リボンが螺旋状に巻かれるとき、隣接する巻回部及び/又は層を結合する接着剤を含んでもよい。あるいは、接着層は、エレメントが形成された後、流体処理エレメントに溶剤又は熱を加えることにより活性化されてもよい。さらに別の代替方法として、リボンが螺旋状に巻かれるとき、隣接する巻回部及び/又は層の間にホットメルト接着又は熱接着が、例えば不連続に適用されてもよい。
【0042】
[0052]流体処理エレメントは、エレメントのいくつかの間に空間を設けて、コアアセンブリに沿って配置されてもよい。空間のいくつか(例えば、供給空間13)は、流体処理装置の外部と流体連通して配置されてもよく、また空間のいくつか(例えば、透過空間14)は、流体処理装置の外部と流体的に隔離されてもよい。さらに、空間のいくつか(例えば、透過空間14)は、コアアセンブリの開口と流体連通して配置されてもよく、また他の空間(例えば、供給空間13)は、コアアセンブリの内部から流体的に隔離されてもよい。流体処理エレメントがコアアセンブリに沿って配置される前、その間、又はその後に、様々な構造体がコアアセンブリに沿って、処理エレメント間の空間のうちのいくつか又は全部の内部に、又はそれら空間に対応する位置に配置されてもよい。例えば、メッシュ、繊維素材、プレート、格子及び/又はポストが、これら処理エレメント間の空間のいくつか又はすべての内部に配置されてもよい。
【0043】
[0053]周辺部材は、様々な方法で、流体処理エレメント、境界面及び空間に結合されてもよい。例えば、複数のバンドを備えた周辺部材が、境界面及び空間周りに配置されてもよく、バンドは隣接する流体処理エレメントを、例えば外端を封止してもよい。あるいは、流体処理エレメントと境界面と空間とにまたがるシートを備えた周辺部材が、処理エレメントと境界面と空間周りで円周方向に覆われ、スリーブに形成されてもよく、又は、事前成形されたスリーブを備えた周辺部材が、流体処理エレメントと境界面と空間の上を軸線方向に摺動してもよい。スリーブは、流体処理エレメントを、例えば外端を封止してもよい。開口をスリーブ内に形成し、それにより、コアアセンブリから流体的に隔離された空間を流体処理エレメントの外部と流体連通可能にしてもよい。さらに別の代替例として、幅広のストリップを備えた周辺部材を、隣接する螺旋状巻回部が相互に重なるようにして、流体処理エレメントと空間周りに螺旋状に巻いてもよい。ラップが流体処理エレメントを封止してもよく、またそのラップに開口を形成し、それにより、コアアセンブリから流体的に隔離された空間を流体処理エレメントの外部と流体連通可能にしてもよい。
【0044】
[0054]流体処理装置が形成された後、これら装置は各種のハウジング内に収納され、流体処理アセンブリを提供してもよい。流体処理アセンブリは単一流体処理装置のみを収納するハウジング、又はハウジング内に直列又は並列に配置された複数の流体処理装置を収納するハウジングを備えてもよい。例えば、ハウジングは1つ以上のチューブ状シートを含んでもよく、複数の流体処理装置は管板に連結されてもよい。ハウジングは永続的に流体処理装置を収納して、例えば使い捨ての流体処理装置を形成してもよく、又は、ハウジングは流体処理装置を着脱可能に収納することにより、使用済みの流体処理装置を再利用可能なハウジング内の新しい流体処理装置に交換できるようにしてもよい。
【0045】
[0055]ハウジングは、プロセスパラメータ(例えば、流体の圧力及び温度及び化学組成)に適合する任意の不透過性材料(例えば、金属材料又は高分子材料)から形成されてもよい。ハウジングは、2つ以上の主ポート(例えば、処理又は供給流体入口ポートと濾過すなわち透過出口ポート)を有してもよい。ハウジングは、ポート間に流体流路を画定してもよく、流体処理装置は、第1及び第2流体処理エレメントを流体流路に直列に配置するようにして、ハウジング内に配置されてもよい。ポートは、直列型構成、T形構成又はL形構成を含む、任意の様々な構成でハウジング上に位置してもよく、ポートは任意の様々な付属品を備えてもよい。ハウジングはさらに、例えば、保持又は濃縮出口ポートと、排水、排気又は洗浄(例えば逆洗)に関連する1つ以上のポートとを含む、追加のポートを含んでもよい。
【0046】
[0056]図7には、流体処理アセンブリ40及び少なくとも1つの流体処理装置10を収納するハウジング41の多くの例の1つを示すが、流体処理アセンブリ及びハウジングは図7に示した特徴に限定されない。ハウジング41はカバー42及びシェル43を含んでもよい。カバー42はシェル43の一端において、シェル43に永続的に又は着脱可能に取り付けられてもよい。シェル43の他端は供給入口ポート44(例えば偏心供給入口ポート)及び透過出口ポート45(例えば中心透過出口ポート)を有してもよい。流体処理アセンブリ40の図示した実施形態は、2つのポート44、45だけを有し、これらポートはハウジング41の一端上に配置される。他の実施形態では3つ以上ポートを含んでもよく、ポートはハウジングに沿ったどの位置にも、例えばハウジングの両端及び/又は側面に配置されてもよい。
【0047】
[0057]流体処理装置10は、シェル43が流体処理エレメント12A、12Bを取り囲むようにして、供給入口ポート44と透過出口ポート45との間の流体流路50を横切って、ハウジング41内に封止されてもよい。入口ポート44と出口ポート45の間の流体流路50の一部は、第1流体処理特性を有する第1流体処理エレメント12Aの流体処理メディアと、第2流体処理特性を有する第2流体処理エレメント12Bの流体処理メディアとの概ね端に沿って通過して直列に延びる、流体経路を含む。流体処理装置10は、多くの方法のうちのいずれかでハウジング41内に封止されてもよい。例えば、中空のコアアセンブリ11の一端はカバー42を閉鎖して封止してもよい。中空のコアアセンブリ11の反対端は開放され、透過出口ポート45においてシェル43を封止し、これによりコアアセンブリ11の内部15と透過出口ポート45と間の流体連通を可能にしてもよい。多くの実施形態では、流体処理エレメントはハウジング41に対して封止されなくてもよい。例えば、コアアセンブリ11だけをハウジング41に対して封止して、封止部を最小化し、信頼性の高い流体処理アセンブリを提供してもよい。
【0048】
[0058]流体は、本発明を具体化する流体処理アセンブリ、装置及びエレメントによって多くの方法のうちのいずれかで処理されてもよい。動作の1つモードにおいては、供給流体は、螺旋状に巻かれた透過性の第1流体処理メディアのストリップの巻回部の概ね端を通して流体を誘導し、次に、螺旋状に巻かれた透過性の第2流体処理メディアのストリップの巻回部の概ね端を通して流体を誘導することによって処理されてもよい。第1ストリップの透過性メディアは、第1流体処理特性を有し、第2ストリップの透過性メディアは、第1流体処理特性とは異なる第2流体処理特性を有する。例えば、供給流体は流体流路50に沿って、流体処理アセンブリ40を通して誘導されてもよく、この場合、流体は流体処理エレメント12A、12Bによって、処理エレメントの異なる流体処理特性に従って処理されてもよい。図示した流体処理アセンブリ40では、供給流体は、流体処理装置10を通して、流体処理エレメント12A、12Bの外部からコアアセンブリ11の内部15へ、外側から内側へ誘導されてもよい。しかし、他の実施形態では、供給流体は、流体処理装置を通して、コアアセンブリの内部から流体処理エレメントの外部へ、内側から外側へ誘導されてもよい。
【0049】
[0059]図7の実施形態では、供給流体は、供給入口ポート44を通ってハウジング41に入り、流体流路50に沿って透過出口ポート45まで流れてもよい。供給流体は、供給入口ポート44から、流体処理エレメント12A、12Bの外部とシェル43の内部との間でハウジング41に沿って略軸線方向に流れてもよい。その後、供給流体は、第1流体処理エレメント12Aの供給面33の間の供給空間13内に略半径方向に内向き流れ込み、供給空間内に存在する可能性のある任意の構造体に沿って流れる。供給流体は、供給空間13から、第1流体処理特性を有する各隣接する第1流体処理エレメント12Aを通り、その後、異なる第2流体処理特性を有する隣接する又は近傍の第2流体処理エレメント12Bを通って、略軸線方向に流れてもよい。例えば、供給流体は略軸線方向に流れて、第1流体処理エレメント12Aのディスク形の本体21の供給面33内に流れ込み、各巻回部のリボン20(流体処理メディア26を含む)の概ね端を通過して流れてもよい。流体はまた、1つの巻回部の流体処理メディアから半径方向に流れて、1つ以上の隣接する巻回部のメディアに流れ込み、そのメディアに沿って横方向に流れてもよい。流体が第1流体処理特性を有する流体処理メディアを通過するとき、流体は第1流体処理特性に従って処理される。流体処理メディア26から、流体は第1流体処理エレメント12Aを出て、ディスク形の本体21の透過面34を通って流れてもよい。第1流体処理エレメント12Aの透過面34から、流体は第2流体処理エレメント12Bのディスク形の本体21の供給面33へ直接流れ込んでもよい。あるいは、流体は、第2流体処理エレメントの供給面に流れ込む前に、例えば、介在空間などの介在領域を通って流れてもよい。供給面33から、流体は各巻回部のリボン20(流体処理メディア26を含む)の概ね端に沿って通過して流れてもよい。流体はまた、1つの巻回部の流体処理メディアから半径方向に流れて、1つ以上の隣接する巻回部のメディアの流れ込み、そのメディアに沿って横方向に流れてもよい。流体が第2流体処理特性を有する流体処理メディアを通過するとき、流体は第2流体処理特性に従って異なって処理される。流体処理メディア26から、流体は第2流体処理メディア12Bを出て、ディスク形の本体21の透過面34を通って流れてもよい。
【0050】
[0060]処理された流体が第2流体処理エレメント12Bの透過面34から現れ、隣接する第2流体処理エレメント12Bの透過面34の間の透過空間14に流れ込む。処理された流体は、透過空間14から開口16を通って、コアアセンブリ11の内部15まで略半径方向に内向きに流れてもよい。処理された流体は次に、コアアセンブリ11の内部15に沿って軸線方向にハウジング41の透過出口ポート45まで流れて、そのポートを通って流れる。
【0051】
[0061]流体が、第1及び第2流体処理エレメント12A、12Bを直列に通過するとき、流体は、処理エレメントの第1及び第2流体処理特性に従って、任意の異なる方法の組み合わせで処理されてもよい。例えば、第1流体処理特性は、第1流体処理エレメントの流体処理メディアのより粗い除去率に関係していてもよく、流体は最初に、より粗い粒子を流体から除去することによって処理されてもよい。第2流体処理特性は、第2流体処理エレメントの流体処理メディアのより細かい除去率に関係していてもよく、流体は次に、より細かい粒子を流体から除去することによって、異なって処理されてもよい。別の例としては、第1流体処理特性は、第1流体処理エレメントの流体処理メディアの除去率に関係していてもよく、流体は最初に、粒子を流体から除去することによって処理されてもよい。第2流体処理特性は、第2流体処理エレメントの流体処理メディア中の吸着剤又は反応成分などの結合機構に関係していてもよく、流体は次に、流体中の1つ以上の物質を第2流体処理エレメントに物理的又は化学的に結合させ、それによってそれらの物質を流体から除去することにより、異なって処理されてもよい。さらに別の例として、第1及び第2流体処理特性は、第1及び第2流体処理エレメントの流体処理メディア中の異なる反応成分などの異なる結合機構に関係していてもよい。流体は最初に、流体内の第1物質を第1流体処理エレメントに結合することによって処理され、流体は次に、流体内の第2物質を第2流体処理エレメントと結合することによって異なって処理され、それによって両方の物質を流体から除去してもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の物質が、第1及び/又は第2流体処理エレメントに結合又はそれらエレメント内に捕捉された後に、溶離剤(例えば、有機溶剤、水又は酸もしくは塩基の水溶液)が、エレメントから物質を取り除くために、流体処理エレメントを通して導入されてもよい。
【0052】
[0062]第1及び第2流体処理エレメントを直列に通過することによって流体が処理される種々の方法のいくつかの例について説明してきたが、本発明を具体化する流体処理エレメント、装置及びアセンブリにおいて採用できる流体処理特性並びに対応する流体処理には無数の組み合わせがある。さらに、これらの流体処理エレメント、装置及びアセンブリに関係する多くの利点がある。例えば、異なる流体処理特性を有する流体処理エレメント又はメディアを提供することによって、本発明の実施形態は汎用性及び有効性が高くなる。流体は、2つ、3つ、4つ又はそれ以上の流体処理特性を有する単一の流体処理装置によって様々な方法で処理することができる。さらに、流体処理装置を用途に合わせて簡単に調整して、特定の流体を一緒に最も効果的に処理する複数の流体処理特性を組み合わせることによって、多数の特定の流体をそれぞれ最適に処理することができる。
【0053】
[0063]加えて、複数の流体処理エレメントのそれぞれを分離して形成する、螺旋状の巻回部の個別のリボンは、様々な構成の流体処理装置及びエレメントの製造を容易にする。各エレメントの半径方向寸法はコアアセンブリ周りにより多く又はより少なくリボンを巻くことにより容易に変更されてもよい。コアアセンブリに沿って設けられる流体処理エレメントの数は、コアアセンブリ周りにより多く又はより少なくリボンを巻くことにより容易に変更できる。コアアセンブリに沿った流体処理エレメントの位置は、コアアセンブリ周りに巻かれるリボンの間の間隔を簡単に調整することにより容易に変更できる。異なる流体処理特性を有する流体処理エレメントは、異なる流体処理特性を有するリボンを簡単に巻くことによって、容易に提供できる。さらに、コアアセンブリの周りに螺旋状にリボンを高速で巻いて、製造時間を速めてもよい。例えば、シートにスロット又は他の貫通孔を備える単一の幅広シートの代わりに、複数の個別の幅の狭いリボンを使用することにより、次に製造の柔軟性及び効率を大幅に向上させ、様々な数のエレメント及びエレメントの間の間隔を備える流体処理装置を、シートを異なる幅又は異なる貫通孔の構成に変更する必要なく形成できる。加えて、製造中に透過性流体処理メディアに孔又は引き裂きといった不具合が発生する場合、シート全体ではなく不具合のあるリボンだけを交換して、より高速のより有効な製造を可能にしてもよい。
【0054】
[0064]本発明の様々な態様を、いくつかの実施形態に関してこれまでに説明、及び/又は図示してきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。例えば、これらの実施形態の1つ以上の特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく削除されてもよい。例えば、上述のように、周辺部材36は、供給空間13を取り囲み、流体処理エレメント12Aの外部と供給空間13の間で流体的に連通する開口を有する、1つ以上のバンド37Aを含んでもよい。これらのバンド37Aは本発明の範囲から逸脱することなく全体に削除されてもよい。供給空間は単に、流体処理エレメントの外部に開いていてもよい。
【0055】
[0065]さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、実施形態の1つ以上の特徴は変更されてもよく、又はいずれかの実施形態の1つ以上の特徴は、他の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせられてもよい。例えば、周辺部材はより硬質の構造体を備えることにより、流体処理エレメントの外端において追加の支持を提供してもよい。1つの実施形態では、周辺部材36は、図8に示すように、接合される半円筒形部分51、52を備えることにより、より硬質なケージ53を形成してもよい。図8に示す流体処理エレメント12A、12B及びコアアセンブリ11は、上述のものと同一であってもよいが、周辺部材、流体処理エレメント又はコアアセンブリはいずれも、図8に示す特徴に限定されない。各流体処理エレメント12A、12Bは、流体処理メディア26のストリップを含む、螺旋状に巻かれたリボン20を含んでもよい。周辺部材36の一部51、52は、流体処理エレメント12A、12Bの外端35周りに取り付けられ、相互に永続的に又は着脱可能に結合されて、ケージ53を形成してもよい。流体処理エレメント12A、12Bのディスク形の本体21の外端35は、様々な方法でケージ53に接して封止されてもよい。例えば、外端35は、ケージ53に接着結合又は熱接着されてもよい。代替的又は追加的に、外端35は、緊密な機械的結合により、ケージ53に接して封止されてもよい。例えば、ペアの周辺リブ54は各部分51、52から短い距離だけ内向きに突出してもよく、近接もしくは接触する流体処理エレメント12A、12Bの外端35の幅と等しい又はわずかに短い距離だけ離れて間隔を空けられてもよい。各部分51、52は、外端35が対応するペアのリブ54間に位置するようにして、流体処理装置10周りに設けられてもよい。ケージ53は、空間、例えば供給空間13のいくつかを流体処理エレメント12A、12Bの外部と流体的に連通させる、開口55を含んでもよい。ケージ53は、他の空間、例えば透過空間14を流体処理エレメント12A、12Bの外部から流体的に隔離してもよい。
【0056】
[0066]さらに別の例として、第1及び第2流体処理エレメントは、事前成形されたエレメントをコアアセンブリに沿って略軸線方向に摺動させることによって、コアアセンブリに沿って配置されてもよい。例えば、第1流体処理特性を有する流体処理メディアを含むリボンと、第2流体処理特性を有する流体処理メディアを含むリボンとが、コアアセンブリの周りではなく別個の中心ハブの周りで、所望の半径方向寸法に複数の巻回数で螺旋状に巻かれて、流体処理エレメントを形成してもよい。次に、事前成形された第1及び第2流体処理エレメントは、ハブの有無によらず、コアアセンブリに沿って所望の位置まで軸線方向に摺動され、定位置に固定されてもよい。
【0057】
[0067]さらに、異なる特徴を有する実施形態は、それでもなお、本発明の範囲内である。例えば、第1流体処理特性を有する流体処理メディアを含むリボンと、第2流体処理特性を有する流体処理メディアを含むリボンとが、別個のハブの周りで螺旋状に巻かれて、第1及び第2流体処理エレメントを形成してもよい。各ハブは、コアアセンブリの1つの部分を含んでもよく、隣接するエレメントのハブ部分が相互に連結されて、中空のコアアセンブリと流体処理装置を形成してもよい。ハブ部分は、相互に機械的に連結及び/又は相互に結合され、ハブ部分のいくつかは、コアアセンブリの内部との流体連通を可能にする開口を含んでもよい。
【0058】
[0068]別の例として、第1シートアセンブリは、第1流体処理特性を有する多孔性の流体処理メディアのシートを備えてもよく、シートは単体構成要素であってもよく、又は、例えばリボンの多層複合体と同様の多層複合体の1つの層であってもよい。同様に、第2シートアセンブリは、第2流体処理特性を有する多孔性の流体処理メディアのシートを備えてもよく、シートは単体構成要素であってもよく、又は多層複合体の1つの層であってもよい。シートアセンブリは複数の巻回数で螺旋状に巻かれて、所望の半径方向の寸法を有するロールを形成してもよい。次に、所望の幅を有する各部分を、ロールからロールの軸線に対して垂直な方向に切断して(例えば薄く切り取って)、第1及び第2流体処理エレメントを形成してもよい。第1及び第2流体処理エレメントは次に、例えば、事前生成されたエレメントをコアアセンブリに沿って軸線方向に摺動することによって、コアアセンブリに沿って配置されてもよく、又は第1及び第2流体処理エレメントはハブ部分上に配置されてもよく、ハブ部分を相互に連結して、中空のコアアセンブリを含む流体処理装置を形成してもよい。
【0059】
[0069]さらに別の例として、流体処理装置は、例えば、発明者としてThomas Welch, Jr.、 Tanweer ul Haq及びJoseph Verschneiderが記載された、2007年3月19日出願の、発明の名称「流体処理エレメントのセットを備える流体処理装置並びにそれらを製造及び使用する方法(Fluid Treatment Arrangements with Sets of Fluid Treatment Elements and Methods for Making and Using Them)」である米国特許仮出願番号第60/907,066号及びこの仮出願に基づいて優先権を主張するPCT国際出願に開示されているのと同様の方法で、相互に半径方向にずれたコアアセンブリに沿って取り付けられた、流体処理エレメントの複数のセット(例えば2、3、4以上のセット)を含んでもよく、これら両方の全開示内容は参照により本明細書に引用してこれら及び他の特徴を支持するものとする。各セットは複数の流体処理エレメントを含んでもよく、各要素はリボンを含み、リボンは複数の巻回数で螺旋状に巻かれて、半径方向寸法を有する略ディスク形の本体を形成している。各セットは、複数の第1及び第2流体処理エレメントを含んでもよい。あるいは、一方のセットが複数の第1流体処理エレメントを含み、第2流体処理エレメントは含まず、他方のセットが複数の第2流体処理エレメントを含み、第1流体処理エレメントを含まなくてもよい。流体処理エレメントの外側セットは、内側及び外側セットの処理エレメントを半径方向及び/又は軸線方向に整列又はずらせるようにして、流体処理エレメントの内側セットの上に置かれてもよい。例えば、外側セットの処理エレメントは、内側セットの処理要素間の空間の少なくともいくつかにまたがってもよい。さらに、流体処理エレメントの外側セットのサイズ(例えば幅及び半径方向寸法)及び/又は容積は、流体処理エレメントの内側セットと同一又は異なっていてもよい。
【0060】
[0070]図9に示す実施形態では、流体処理装置10は、コアアセンブリ11に沿って設けられた流体処理エレメントの少なくとも内側及び外側セット60、61を含んでもよい。例えば、外側セット61は、第1流体処理特性を有する螺旋状に巻かれた複数の第1流体処理エレメント12Aを備えてもよいが、第2流体処理特性を有する第2流体処理エレメントは備えなくてもよい。内側セット60は、第2流体処理特性を有する螺旋状に巻かれた複数の第2流体処理エレメント12Bを備えてもよいが、第1流体処理特性を有する第1流体処理エレメントは含まなくてもよい。各セット60、61の流体処理エレメント12A、12Bはリボン20を備えてもよく、このリボンは流体処理メディアのストリップ26を含み、螺旋状に巻かれてディスク形の本体21を形成している。
【0061】
[0071]第2流体処理エレメント12Bの内側セット60は、隣接する内側の第2流体処理エレメント12Bの少なくともいくつか又はすべての間に空間62を備え、上述のように、コアアセンブリ11に沿って、コアアセンブリ11の周辺のすぐ近くに配置されてもよい。例えば、複数の内側バンド63を備える内側の周辺部材は、隣接する内側の第2流体処理エレメント12B間の内側空間62の少なくともいくつかにまたがってもよい。コアアセンブリ11と、内側のセット60の流体処理エレメント12Bと、内側空間62及び内側バンド63の特徴は、前に説明した特徴と同様であってもよい。外側セット61の第1流体処理エレメント12Aは、内側セット60の流体処理エレメント12Bから半径方向にずれて、外側の第1流体処理エレメント12Aの少なくともいくつか又はすべての間に空間64を備えて、コアアセンブリ11に沿って配置されてもよい。外側の第1流体処理エレメント12Aは、内側の第2流体処理エレメント12B及び/又は内側周辺部材(例えば、内側バンド63)の周りに螺旋状に巻かれてもよい。各外側第1流体処理エレメント12Aのリボンの内端領域は、各流体処理エレメント12のリボンの内側端部領域と図1の実施形態のコアアセンブリ11に関して先に説明したように、内側第2流体処理エレメント12B又は内側バンド63とに対して封止されてもよい。各外側第1流体処理エレメント12Aのサイズ及び/又は容積は、各内側第2流体処理エレメント12Bのサイズ及び/又は容積と同一又は異なっていてもよい。例えば、複数の外側バンド65を備える外側周辺部材は、隣接する外側第1流体処理エレメント12Aの間の外側空間64の少なくともいくつかにまたがってもよい。第1流体処理エレメント12A、外側空間64及び外側バンド65の特徴は、前に説明した特徴と同様であってもよい。内側空間62及び/又は外側空間64は、前に説明したように、実質的に構造体を含んでいなくてもよく、又は1つ以上の構造要素を含んでもよい。
【0062】
[0072]流体処理エレメントの内側及び外側セットと内側及び外側周辺部材とは、流体が、流体処理装置の外部からコアアセンブリの内部に流れるか又はその逆に流れるとき、1つ以上の外側流体処理エレメントを通って略軸線方向に、及び1つ以上の内側流体処理エレメントを通って略軸線方向に直列に流体を誘導するよう配置されてもよい。例えば、図9に示す実施形態においては、外側の空間64Aのいくつかは、流体処理装置10の外部に開いており、内側バンド63により外側第1流体処理エレメント12Aの内径に沿って閉じられていてもよい。他の外側空間64Bは、外側バンド65により流体処理装置10の外部から隔離され、外側の第1流体処理エレメント12Aの内径に沿って内側空間62Bに開いていてもよい。外側空間64Bに開いている内側空間62Bは、コアアセンブリ11の堅固な壁により内側空間62Bの内径に沿って閉じられていてもよい。内側のバンド63によって閉じられた内側空間62Aは、コアアセンブリ11の開口16を通してコアアセンブリ11の内部15に開いていてもよい。
【0063】
[0073]複数の半径方向にずれた流体処理エレメントのセットを有する流体処理装置は、図1から9の実施形態に関して前に説明したように、様々なハウジング内に収納されて流体処理アセンブリを提供してもよい。
【0064】
[0074]動作の1つのモードでは、供給流体は、流体処理装置10の外部とコアアセンブリ11の内部15との間をハウジング内の流体流路50に沿って、流体処理装置10を通して誘導されてもよい。例えば、図9の実施形態では、供給流体は、開いている外側空間64A内に略半径方向に誘導され、さらに半径方向の流れは内側バンド63により遮断されてもよい。供給流体は、開いている外側空間64Aから、外側バンド65により流体処理装置10の外部から隔離されている外側空間64B内に外側の流体処理エレメント12Aを通って略軸線方向に流れてもよい。流体が外側の第1流体処理エレメント12Aを通って軸線方向に流れるとき、流体は各巻回部のリボン20(流体処理メディア26を含む)の概ね端に沿って通過してもよく、1つの巻回部の流体処理メディアから、1つ以上の隣接又は近傍の巻回部の流体処理メディア内に半径方向に流れ込み、次にその処理メディアに沿って横方向に流れてもよい。流体が第1流体処理特性を有する流体処理メディアを通って流れるとき、流体は、第1流体処理特性に従って処理される。流体は、隔離された外側空間64Bから外側空間64Bと流体連通する内側空間62B内に略半径方向に流れ込み、さらに半径方向の流れはコアアセンブリ11の堅固な壁によって遮断されてもよい。流体は、これらの内側空間62Bから内側の第2流体処理エレメント12Bを通って略軸線方向に流れて、内側バンド63により外側空間64Aから隔離された内側空間62Aに流れ込んでもよい。流体が内側の第2流体処理エレメント12Bを通って軸線方向に流れるとき、流体は、各巻回部のリボン20(流体処理メディア26を含む)の概ね端に沿って通過し、1つの巻回部の流体処理メディアから、1つ以上の隣接又は近傍の巻回部の流体処理メディア内に半径方向に流れ込み、次にそのメディアに沿って横方向に流れてもよい。流体が第2流体処理特性を有する流体処理メディアを通って流れるとき、流体は次に第2流体処理特性に従って処理される。流体は、外側空間64Aから隔離された内側空間62Aから、開口16を通して略半径方向に流れて、コアアセンブリ11の内部15に流れ込んでもよい。
【0065】
[0075]別の例として、単一のリボンは、異なる流体処理特性を有する複数の透過性流体処理メディアのストリップを含んでもよい。例えば、リボンは、第1流体処理特性を有する透過性流体処理メディアの第1ストリップと、第2流体処理特性を有する透過性流体処理メディアの第2ストリップとを含んでもよい。複数のメディアストリップはそれぞれ、前に説明した透過性流体処理メディアのいずれかと同様であってもよく、前に説明した流体処理特性のうちのいずれかを含んでもよい。複数のストリップは、リボンを複数の巻回数で螺旋状に巻くことによって形成された単一の流体処理エレメント内に直列に配置されてもよい。例えば、図10に示すように、リボン20は、相互に重ね合わせた支持層70と流体処理層71とを少なくとも含む多層複合体を備えてもよい。支持層70は不透過性又は流体処理層71に比べて透過性を小さくし、これにより流体処理層71の迂回を防止してもよい。流体処理層71は、第1及び第2の透過性流体処理メディアのストリップ72、73を備えてもよく、第1ストリップ72のメディアは第1流体処理特性を有し、第2ストリップ73のメディアは第2流体処理特性を有している。各ストリップは、図3の実施形態の流体処理メディア26と同様の、対向する主面と対向する側端とを有してもよい。第1及び第2ストリップ72、73は、支持層70に沿って相互に同一平面上に配置されてもよい。図示した実施形態では、第1ストリップ72は、第2ストリップ73に極めて近接して(例えば、接して)、側端を並列に配置されてもよい。他の実施形態では、同一平面上のストリップの間に、空間又は介在構造が存在してもよい。多くの実施形態では、第1及び第2ストリップ72、73の厚みは実質的に等しくてもよい。第1及び第2ストリップ72、73のうちの一方の幅は、他方のストリップの幅と同一又は異なっていてもよい。各ストリップ72、73の幅は、支持層70の幅よりも小さくてもよく、ストリップ72、73の結合された幅は、支持層70の幅よりも小さいか、ほぼ等しいか、又は大きくてもよい。
【0066】
[0076]第1及び第2ストリップ72、73は、これらストリップの概ね端に沿って通過する連続した流体経路27を画定するために、支持層70に沿って配置されてもよい。流体経路は、第1ストリップ72の第1側端から、第1ストリップ72の概ね端に沿って通過して第2側端にまで延び、次に、第2ストリップ73の第1側端に入り、第2ストリップ73の概ね端に沿って第2側端に達する(これは、図3の流体処理メディア26を通る流体経路27と類似している)。いくつかの実施形態では、一方のストリップ(例えば、第1ストリップ72)の流体処理特性は、より粗い除去率又は細孔構造を含んでもよく、他方のストリップ(例えば、第2ストリップ73)の流体処理特性は、より細かい除去率又は細孔構造を備えてもよい。第1ストリップ72は、第2ストリップ73の上流でリボン20内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、一方のストリップ(例えば、第1ストリップ72)の流体処理特性は、流体から粒子を除去するための除去率又は細孔構造を備えてもよい。他方のストリップ(例えば、第2ストリップ73)の流体処理特性には、流体から1つ以上の物質を吸着するための吸着剤を含んでもよい。第1及び第2ストリップ72、73は、支持層70と直接接触していてもよく、支持層70に接着されていても、されていなくてもよい。あるいは、リボンは別個の接着層及び/又は他の層を含んでもよい。
【0067】
[0077]リボンは、図1の実施形態に関して前に説明したように、複数の巻回数で螺旋状に巻かれて、任意の所望の半径方向寸法を有するディスク形の本体を含む流体処理エレメントを形成してもよい。ディスク形の本体は、例えば、図2、4、5及び6に示す実施形態のいずれかと同様に、供給側と透過側と外端とを含んでもよい。供給側は、流体処理層71を含む流体処理メディアの一方のストリップの側端の複数の巻回数を備えてもよく、透過側は、流体処理層71を含む流体処理メディアの他方のストリップの側端の複数の巻回数を備えてもよい。
【0068】
[0078]直列に配置された、各処理エレメントが異なる流体処理特性を有する複数の流体処理ストリップを組み込んだ流体処理エレメントがコアアセンブリに沿って配置されて、様々な方法(例えば、図1又は図9の実施形態と同様の方法)で流体処理装置を形成してもよい。流体処理装置はハウジング内に収納されて、様々な方法(例えば、図7に示す実施形態と同様の方法)で流体処理アセンブリを形成してもよい。流体処理アセンブリを通って流れる流体は、流体処理装置の外部とコアアセンブリの内部との間の流体流路に沿って流体処理エレメントを通って軸線方向に流れてもよい。流体が、各流体処理エレメントの供給側から透過側に流れるとき、流体は少なくとも、第1流体処理特性を有する第1の透過性流体処理メディアと(この場合、流体は最初に第1流体処理特性に従って基づいて処理される)、第2流体処理特性を有する第2の透過性流体処理メディアと(この場合、流体は次に、第2流体処理特性に基づいて処理される)を直列に、概ね端に沿って流れてもよい。
【0069】
[0079]さらに別の例として、隣接する流体処理エレメント間の空間のうちのいくつかは、コアアセンブリの内部と、隣接する流体処理エレメントの外部との両方から流体的に隔離されるように配置されてもよい。いくつかの実施形態では、これらの介在又は中間空間は、隣接する流体処理エレメントのいずれか又は両方の流体処理特性とは異なる流体処理特性を有する機能物質によって占有されてもよい。例えば、図11には、螺旋状に巻かれたディスク形の本体21とコアアセンブリ11とを有する、間隔の空いた隣接する流体処理エレメント12を含む流体処理装置10の一部を示している。流体処理装置10は、図1に示す流体処理装置10と同様であってもよい。図11では、流体処理エレメント12はそれぞれ、単一の流体処理メディア26を有するリボン20を備えてもよく、流体処理エレメント12のすべてが、同一の流体処理特性を提供してもよい。あるいは、1つ以上の流体処理エレメントが図10に示すリボンと同様のリボンを備えてもよい。次に、流体処理エレメントは、第1及び第2の異なる流体処理特性を順次に提供してもよい。さらに別の代替例として、1つ以上の流体処理エレメントは、図3に示すように、複合体として積層された異なる流体処理特性を備える第1及び第2流体処理メディアを有するリボンを備えてもよい。次に、流体処理エレメントは、第1及び第2の異なる流体処理特性を同時に提供してもよい。
【0070】
[0080]図11の流体処理装置10はさらに、供給空間13と透過空間14との間の流体流路内に、少なくとも1つの介在又は中間空間80を含んでもよい。中間空間80は、例えば、コアアセンブリ11の堅固な壁によって、コアアセンブリ11の内部15から隔離されてもよい。中間空間80は、周辺部材36により、流体処理エレメント12の外部から流体的に隔離されてもよい。例えば、供給空間13を取り囲む、孔の空いたバンド37Aと、透過空間14を取り囲む不透過性の孔のないバンド37Bに加えて、周辺部材36は、バンド37C(例えば、中間空間80の外側端部を取り囲み、隣接する流体処理エレメント12の外端35を封止する不透過性の無孔バンド)を含んでもよい。少なくとも透過空間バンド37Bと中間空間バンド37Cとは、相互に軸線方向に当接していてもよい。
【0071】
[0081]図11に示す実施形態においては、処理エレメント12はすべて、コアアセンブリ11に直接隣接する単一セットで配置されてもよく、中間空間80は、その単一セット内の隣接するエレメント12の間に位置してもよい。他の実施形態(例えば、図9に示す実施形態と同様の実施形態)においては、流体処理エレメントは、複数の半径方向にずれたセット内に配置されてもよく、中間空間は、半径方向にずれた、隣接するペアの流体処理エレメントの間に位置してもよい。例えば、各外側空間64Bと、図9の実施形態では外側空間が通じている内側空間62Bとの組み合わせは、流体処理装置の外部とコアアセンブリの内部との間の流体流路内で、半径方向にずれた、隣接するペアの流体処理エレメントの間に位置する中間空間であってもよい。
【0072】
[0082]中間空間80は、隣接する流体処理エレメントの一方又は両方とは異なる流体処理特性を有する機能物質81で占有されてもよい。例えば、機能物質は、図1に示す実施形態の透過性流体処理メディアに関して前に説明した流体処理特性のいずれかを有してもよい。さらに、機能物質は、例えば、空間を充填する粒子床又は空間に挿入された繊維構造体として、繊維素材、シート又はディスクなどを含む、様々な方法で構造化されてもよい。機能物質81は、様々な方法で中間空間80内に配置されてもよい。例えば、機能物質81は、空間80の外周の一部のみ(例えば、50%以上)の周りにバンド37Cを備えるようにして空間80内に配置されてもよい。機能物質81が空間80内の定位置にあるとき、バンド37Cは空間80の周りに完全に固定され、それによって空間80内に機能物質81を封止してもよい。次に、流体処理装置を通って流れる流体は、第1流体処理特性を有する少なくとも1つの流体処理エレメントと、第2の異なる流体処理特性を有する中間空間内の機能物質とを、少なくとも順次に通って、流体処理装置の外部とコアアセンブリの内部との間で、外側から内側に、又は内側から外側に流体流路に沿って流れてもよい。
【0073】
[0083]本発明は、本明細書に説明及び/又は図示した特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲に包含されるすべての実施形態及び変更形態を含むものとする。
【関連出願】
【0001】
[0001]本願は2007年3月19日出願の米国特許仮出願番号第60/907,069号に基づく優先権を主張し、この仮出願の全開示内容は、参照により本明細書に引用したものとする。
【発明の開示】
【0002】
[0002]本発明は、流体処理装置及び流体処理エレメント、並びにそれら流体処理装置及び流体処理エレメントを製造及び使用する方法に関する。具体的には、本発明は、流体処理装置と、1つ以上の螺旋状に巻かれた流体処理エレメントを含む流体処理装置を製造及び使用する方法とに関する。流体処理エレメントは、リボンを複数の巻回数で螺旋状に巻くことにより、略ディスク形の本体を形成するものとすることができる。リボンは、対向する第1及び第2主面と第1及び第2の対向する側端とを有する、透過性の流体処理メディアの細長いストリップ(strip)を含む。ディスク形の本体、は一方向に向く1つの端面と、反対方向に向く別の端面と、外端とを有するとよい。流体処理装置を形成するために、これらの流体処理エレメントのいくつかは、少なくともいくつかの流体処理エレメント間に空間を有する中空のコアアセンブリに沿って配置されるとよい。
【0003】
[0003]流体は、流体処理エレメントを通して、すなわち流体処理エレメントの一方の端面から反対側の端面に誘導されうる。流体は、端面に隣接する1つの空間から流体処理エレメントの一方の端面に入り、及び/又は流体は、流体処理エレメントの他方の端面から他方の端面に隣接する別の空間に出る。流体が流体処理エレメントを通過するとき、流体は概して、各巻回部の透過性流体処理メディアの端に沿って通過しうる。すなわち、流体は通常、第1及び第2の対向する主面とほぼ平行に透過性メディア内を横方向に流れうる。例えば、流体はリボンの1つの側端を通って透過性メディアに入り、透過性メディア内を横方向にリボンの反対側端にまで流れ、反対側の側縁を通って透過性メディアから出る。流体が流体処理エレメントを通過するとき、流体はまた、1つの巻回部の透過性流体処理エレメントから、1つ以上の隣接する又は近傍の巻回部の透過性メディア内に半径方向に流れ込み、その後にそのメディアに沿って横方向に流れる。
【0004】
[0004]本発明の1つ以上の態様を具体化する流体処理装置を使用して、気体、液体、又は気体、液体の混合物及び/又は固体を含む、流体を処理することができる。流体が流体処理エレメントを通過するとき、流体は、流体処理エレメントの流体処理特性に応じて、多くの方法のうちのいずれかで処理されてもよく、また多くの異なる流体処理特性が存在する。例えば、流体処理特性は、流体が流体処理エレメントを通って流れるときに、ある一定のサイズを超える粒子又は分子の通過を遅らせるか又は防ぎ、これらの粒子又は分子を流体から濾過する、流体処理メディアの細孔構造又は除去率に関係することもある。別の例として、流体処理特性は、流体内の1つ以上の物質(例えば、分子、タンパク質及び/又は核酸)を結合し、流体が流体処理エレメントを通って流れるときに、それら物質を流体から分離する流体処理メディア上又は流体処理メディア内の化学的又は生化学的薬剤に関係することもある。さらに別の例として、流体処理特性は、1つ以上の物質(例えば、分子又は化合物)を流体から吸収又は吸着し、流体が流体処理エレメントを通って流れるときに、それら物質を流体から分離する流体処理メディア内又は流体処理メディア上の吸着剤に関係することもある。別の例として、流体処理特性は、流体に混入した液体の小滴を凝集し、流体からより簡単に除去できる、より大きな液滴を生成する流体処理メディアの表面の化学的性質に関係することもある。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本発明の一態様によれば、流体処理装置は、中空のコアアセンブリと、そのコアアセンブリに沿って取り付けられた少なくとも第1及び第2流体処理エレメントと、第1及び第2流体処理エレメントを通る流体流路とを備えるものとすることかできる。コアアセンブリは、内部と軸線とを有する。各流体処理エレメントは、透過性の流体処理メディアを有するリボンを含み、このリボンは、複数の巻回数で螺旋状に巻かれて、半径方向の寸法を有する略ディスク形の本体を形成する。このディスク形の本体はまた、本体の一方の側面に第1端面と、本体の他方の側面に第2端面と、外端とを有する。第1流体処理エレメントは第1流体処理特性を有し、第2流体処理エレメントは、第1流体処理特性とは異なる第2流体処理特性を有する。流体流路は、両方の流体処理エレメントの第1端面と第2端面との間で、透過性流体処理メディアの概ね端に沿って通過して、コアアセンブリの内部へ、又はコアアセンブリの内部から延びる。
【0006】
[0006]本発明の別の態様によれば、流体処理装置は、中空のコアアセンブリと、複数のディスク形の流体処理エレメントとを備えるものとすることができる。中空のコアアセンブリは内部と軸線とを有する。各流体処理エレメントは、第1と第2の対向する側端を有する、少なくとも1つの透過性流体処理メディアのストリップを有するリボンを含む。このリボンは、複数の巻回数で螺旋状に巻かれており、透過性流体処理メディアのストリップの第1側端の複数の巻回数を備える軸線方向に向いた第1端面と、透過性流体処理メディアのストリップの第2側端の複数の巻回数を備える軸線方向に向いた第2端面と、外端とを有する。複数の流体処理エレメントは、第1流体処理特性を有する複数の第1流体処理エレメントと、第1流体処理特性とは異なる第2流体処理特性を有する複数の第2流体処理エレメントとを含む。流体処理エレメントはコアアセンブリに沿って配置され、少なくともいくつかの隣接する流体処理エレメント間で複数の空間を画定している。複数の空間は、コアアセンブリの内部に直接開いている複数の第1空間と、流体処理装置の外部に直接開いている複数の第2空間とを含んでいる。
【0007】
[0007]本発明の別の態様によれば、流体処理装置を製造する方法は、螺旋状に巻かれたディスク形の第1流体処理エレメントと、螺旋状に巻かれたディスク形の第2流体処理エレメントとを中空のコアアセンブリに沿って配置することを含むものとすることができる。第1流体処理エレメントは第1流体処理特性を有し、第2流体処理エレメントは、第1流体処理特性とは異なる第2流体処理特性を有する。第1及び第2流体処理エレメントをコアアセンブリに沿って配置することは、第1及び第2流体処理エレメントを流体流路内に配置することを含み、流体流路は、第1及び第2流体処理エレメントの巻回部の概ね端に沿って通過して、コアアセンブリの内部へ、又はコアアセンブリの内部から直列に延びる。
【0008】
[0008]本発明の別の態様によれば、流体処理エレメントはリボンを備えてもよく、リボンは複数の巻回数で螺旋状に巻かれて、略ディスク形の本体を形成しており、この本体は半径方向の寸法と、本体の一方の側面に第1端面と、本体の他方の側面に第2端面と、外端とを有する。リボンは、第1及び第2重ね合わせ層を備える多層複合体を含む。第1層は、第2層に沿って配置された、略同一平面上の第1及び第2流体処理メディアのストリップを少なくとも備えている。第1流体処理メディアのストリップは第1流体処理特性を有する。第2流体処理メディアのストリップは、第1流体処理特性とは異なる第2流体処理特性を有する。
【0009】
[0009]本発明の別の態様によれば、流体処理エレメントを製造する方法は、第1及び第2層を重ね合わせてリボンを形成することを含んでもよく、この方法には、透過性の第1流体処理メディアのストリップを透過性の第2流体処理メディアのストリップと略同一平面上に配置して、第1層を形成することを含む。第1流体処理メディアのストリップは第1流体処理特性を有し、第2流体処理メディアのストリップは、第1流体処理特性とは異なる第2流体処理特性を有している。この方法には、複数の巻回数でリボンを巻いて、軸線方向に向く第1及び第2端面と外端とを有するディスク形の流体処理エレメントを形成することを含んでもよい。
【0010】
[0010]本発明の別の態様によれば、流体を処理する方法は、第1流体処理特性を有する、螺旋状に巻かれた透過性の第1流体処理メディアのストリップの巻回部の概ね端に沿って通過するように流体を誘導することを含んでもよい。この方法は、次に、第2流体処理特性を有する、螺旋状に巻かれた透過性の第2流体処理メディアのストリップの巻回部の概ね端に沿って通過するように流体を誘導することをさらに含む。第2流体処理特性は、第1流体処理特性とは異なる。
【0011】
[0011]本発明の別の態様によれば、流体処理装置はコアアセンブリと、少なくとも第1及び第2流体処理エレメントと、空間と、空間内に置かれた機能物質と、流体流路とを備えてもよい。コアアセンブリは内部と軸線とを有する。各流体処理エレメントは、透過性流体処理メディアを有するリボンを含み、このリボンは、複数の巻回数で螺旋状に巻かれて、半径方向の寸法を有する略ディスク形の本体を画定している。このディスク形の本体はまた、本体の一方の側面に第1端面と、本体の他方の側面に第2端面と、外端とを有する。第1及び第2流体処理エレメントのうちの少なくとも一方は、第1流体処理特性を有する。空間は、第1及び第2流体処理エレメントのうちの少なくとも一方に隣接している。空間は、コアアセンブリの内部と流体処理装置の外部から隔離されている。空間内に置かれる機能物質は、第1流体処理特性とは異なる第2流体処理特性を有する。流体流路は、第1流体処理特性を有する流体処理エレメントと第2流体処理特性を有する機能物質とを直列に通って、コアアセンブリの内部へ、又は、コアアセンブリの内部から延びている。
【0012】
[0012]本発明の実施形態は多くの利点を提供する。例えば、流体処理エレメント、メディア及び/又は異なる流体処理特性を有する機能物質を提供することによって、本発明の実施形態は汎用性及び有効性が高くなる。流体は、2つ、3つ、4つ又はそれ以上の流体処理特性を有する単一の流体処理装置によって様々な方法で処理することができる。さらに、特定の流体を一緒に最も効果的に処理する複数の流体処理特性を組み合わせることによって、流体処理装置を用途に合わせて調整して多数の特定の流体をそれぞれ最適に処理することができる。
【0013】
[0013]多くの特定の実施形態は特に有効である。例えば、流体処理装置は、流体から粒子を除去するフィルタとして機能してもよく、第1流体処理特性としてより粗い細孔構造又は除去率を有する第1流体処理メディアと、第2流体処理特性としてより細かい細孔構造又は除去率を有する第2流体処理メディアとを含んでもよい。より粗い除去率を有する流体処理メディアは、より細かい除去率を有する流体処理メディアの上流の流体処理装置を通る流路内に配置されてもよい。次に、流体は最初に、より粗い除去率を有するメディアを通って流れ、そこでより粗い粒子がまず流体から除去される。その後、より細かい除去率を有するメディアを通って流れ、そこでより細かい粒子が次に流体から除去される。第1流体処理特性としてより粗い上流での除去率を有し、第2流体処理特性としてより細かい下流での除去率を有する流体処理装置は、大きい収塵容量及び/又は長い使用期間を有してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】流体処理装置の4分の1断面図である。
【図2】図1の流体処理エレメントの正面図である。
【図3】リボンの斜投影図である。
【図4】別の流体処理エレメントの正面図である。
【図5】別の流体処理エレメントの正面図である。
【図6】別の流体処理エレメントの正面図である。
【図7】周辺部材を有する流体処理装置を含む流体処理アセンブリの4分の1断面図である。
【図8】別の流体処理装置の4分の1断面図である。
【図9】別の流体処理装置の一部の断面図である。
【図10】別のリボンの斜投影図である。
【図11】別の流体処理装置の一部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0025]本発明の1つ以上の態様を具体化する流体処理装置は、様々な方法で構成されうる。図1及び2には流体処理装置の1つの例を示しているが、流体処理装置は、これらの図のいずれに示した特徴にも限定されない。図1及び2に示すように、流体処理装置10は、コアアセンブリ11と、コアアセンブリ11に沿って配置された螺旋状に巻かれた複数の流体処理エレメントとを備える。複数の流体処理エレメントは、第1流体処理特性を有する複数の第1流体処理エレメント12Aと、第2流体処理特性を有する複数の第2流体処理エレメント12Bとを含むものとすることができる。例えば、各流体処理エレメントは、図1に示すように、少なくとも第1流体処理エレメント12Aと第2流体処理エレメント12Bとを含んでもよい。流体処理エレメントの幅及び/又は半径方向寸法は、同等、例えば実質的に等しいか、又はコアアセンブリ11に沿って変化させてもよい。いくつかの流体処理エレメントをコアアセンブリに沿って相互に軸線方向に分離して配置して、隣接する流体処理エレメント間に空間13、14を画定してもよい。いくつかの流体処理エレメントは、相互に近接又は接触してコアアセンブリに沿って軸線方向に並列に配置されてもよい。
【0016】
[0026]コアアセンブリ11は、軸線と、内部15を含む略中空構造とを有するパイプ又はチューブなどのコアを備える。コアアセンブリ11は2つの開放端、又は1つの開放端と閉鎖端又は盲端とを有するとよい。コアアセンブリ11はまた、開口16、例えば軸線方向に分離された開口、例えば空間14のいくつかをコアアセンブリ11の内部15と流体的に連通させるスロット又は他の貫通孔を有してもよい。コアアセンブリ11の内部15と流体連通する空間14は、流体処理エレメントの外部から、例えば流体処理エレメントを半径方向に超える領域から、様々な方法で流体的に隔離されてもよい。他の空間13は、例えば、開口を有しておらず、また空間の内端を横切って延び、且つ内端を閉鎖する、コアアセンブリ11の堅固な壁部分によって、コアアセンブリ11の内部15から流体的に隔離されてもよく、これらの空間13は流体処理エレメントの外部と流体的に連通してもよい。さらに他の空間はコアアセンブリの内部及び流体処理エレメントの外部の両方から隔離されてもよい。
【0017】
[0027]流体は流体処理エレメント10の外部、例えば流体処理装置を半径方向に越えた領域と、コアアセンブリ11の内部15との間で、流体流路に沿って、第1流体処理エレメント12Aと第2流体処理エレメント12Bを通って、概ね内側方向又は外側方向に誘導される。例えば、図1に示す実施形態を含む多くの実施形態では、供給流体は流体処理装置10の外部から供給空間13内に略半径方向内向きに、流体の流路に沿って誘導される。この供給空間13は、流体処理エレメントの外部と流体的に連通しているが、コアアセンブリ11の内部15から隔離されている。流体は、供給空間13から、1つ以上の隣供給空間13から流体流路に沿って、隣接する流体処理エレメントの第1及び第2流体処理エレメント12A、12Bを通って略軸線方向に流れて、透過空間14内に流入する。透過空間14は、流体処理エレメント12の外部からは流体的に隔離されているが、コアアセンブリ11の内部15とはコアアセンブリ11の開口16を通して流体連通している。流体は第1及び第2流体処理エレメント12A、12Bを通って流れるとき、処理エレメント12A、12Bのそれぞれの流体処理特性に従って、種々の方法で処理されてもよい。流体は、透過空間14から流体流路に沿って略半径方向内向きにコアアセンブリ11の内部15に流れ込み、このアセンブリ11に沿って軸線方向に流れてもよい。
【0018】
[0028]あるいは、供給流体は、コアアセンブリの内部に導入されてもよく、またコアアセンブリの開口を通ってコアアセンブリの内部から流体流路に沿って半径方向外側に誘導されて、流体処理装置の外部から流体的に隔離された供給空間内に流入してもよい。流体は供給空間から、第1及び第2流体処理エレメントを通って流体流路に沿って略軸線方向に流れて、流体処理装置の内部からは流体的に隔離されているが、流体処理装置の外部と流体連通している透過空間に流入してもよい。流体は透過空間から、流路に沿って外向きに、流体処理装置の外部まで流れてもよい。
【0019】
[0029]これらの実施形態のそれぞれにおいて、流体は、流体流路に沿って、それぞれが異なる流体処理特性を有する第1及び第2流体処理エレメントだけを通って流れる。他の実施形態では、流体は、流体処理装置の外部とコアアセンブリの内部との間の流路に沿って、3つ以上の(例えば、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上)流体処理エレメントを通って流れてもよく、各流体処理エレメントは、異なる流体処理特性を有してもよい。
【0020】
[0030]図2には、第1流体処理エレメント又は第2流体処理エレメントである流体処理エレメント12の一例を示しているが、流体処理エレメントはこの図に示す特徴に限定されない。図2に示すように、流体処理エレメント12は、複数の巻回数で螺旋状に巻かれて略ディスク形の本体21を形成するリボン20を備えるとよい。リボンは、様々な方法で構成されてもよい。図3にはリボンの1つの例を示しているが、リボンはこの図に示す特徴に限定されない。図3に示すように、リボン20は、対向する主面22、23と対向する側端24、25とを有する長くて幅の狭い構造を備えてもよい。リボン20は、同じく対向する主面22a、23a及び対向する側端24a、25aを有する、透過性流体処理メディアのストリップ26を含む。多孔性流体処理メディアを含むリボン20は、透過性であるが孔をあけられていなくてもよく、すなわち、対向する主面22、23;22a、23aの間に延びる貫通孔又は貫通口はいずれも存在しなくてもよい。
【0021】
[0031]透過性流体処理メディアは、例えば、天然又は合成高分子、ガラス、金属、炭素及び/又はセラミックを含む様々な材料のうちのいずれかで形成されてもよい。透過性流体処理メディアは、例えば、織り繊維又は不織繊維状ストリップなどの繊維構造;織られた、押し出された又は伸張された網状ストリップなどの網目;支持又は非支持膜ストリップなどの透過性膜;多孔性の発泡性ストリップ;又は多孔性の焼結繊維金属又は粉末金属ストリップなどの多孔性金属を含む、様々な構造体のうちのいずれで形成されてもよい。
【0022】
[0032]透過性流体処理メディアは、無数の処理特性のいずれかを有してもよい。例えば、透過性流体処理メディアは、これらに限定されないが、正又は負の電荷;例えば、疎水性もしくは親水性又は疎油性もしくは親油性の表面特性を含む疎液性又は親液性の表面特性;流体内の物質と化学的に結合できる、リガンド又は任意の他の反応性モイエティなどの付着官能基;又は、化学的もしくは物理的に結合することにより、これらに限定されないが、吸収剤、反応物及び触媒を含む流体内の物質及び/又は流体自体、並びにすべての種類のクロマトグラフィー媒体と反応、触媒作用、送達作用するか又は影響を与える、組み込み機能物質を含む様々な流体処理特性のいずれかを有してもよく、又は有するように改質されてもよい。より具体的には、機能物質には、活性炭素、シリカ、ゼオライト、モレキュラーシーブ、粘土、アルミナ、重曹、イオン交換樹脂、触媒、金属酸化物、酸化剤、還元剤、緩衝剤、殺生剤、殺真菌剤、殺ウイルス剤、消臭剤及び芳香剤が含まれてもよい。機能物質は、流体処理メディアに組み込まれ(例えば結合され、被膜され、固定され)てもよく、及び/又は流体処理メディアとして形成されてもよい。いくつかの実施形態では、機能物質は、流体処理メディア内で固定された粒子又は繊維の形であってもよい。さらに、透過性流体処理メディアの流体処理特性には、例えば、超多孔性又はナノ多孔性又はそれ以下から、微小孔又はそれ以上を含む、任意の広範囲の除去率又は細孔構造を含んでもよい。例えば、流体処理特性は、サブミクロン範囲以下(例えば、最大約0.02μm以上、又は最大約0.1μm以上)、あるいはミクロン範囲以上(例えば、最大約1μm以上、又は約5μm以上、又は10μm以上、又は約50μm以上、又は75μm以上、又は約100μm以上、又は約200μm以上、又は約300μm以上、又は約500μm以上、又は約1000μm以上)の除去率を含んでもよい。いくつかの実施形態では、透過性流体処理メディアは、不織ガラス又は高分子ファイバのフィルタ媒体を含んでもよく、透過性流体処理メディアの流体処理特性は、約0.02μm以上の除去率を有してもよい。
【0023】
[0033]透過性流体処理メディアのストリップを含むリボンは様々な長さ、厚み及び幅を有してもよい。多くの実施形態では、リボンは連続的であり、十分な数の巻回数を提供するのに必要な全長に延びることにより、任意の所望の半径方向寸法を有する流体処理エレメントを形成してもよい。他の実施形態では、リボンのより短いセグメントの端と端を連結して全長を延ばしてもよい。さらに、多くの実施形態では、リボンは、ストリップの長さに沿って略直線であってもよい。しかし、リボンは曲げられてもよい。例えば、リボンは、ストリップの長さに沿って延びる、周期的、例えば正弦曲線又はのこぎり歯状のパターンを有してもよい。
【0024】
[0034]透過性流体処理メディアのストリップを含むリボンの厚み、すなわち一方の主面から反対側の主面までのリボンを通過する距離は、例えば、多孔性の流体処理メディアの構造に応じて、リボンごとに及び/又は流体処理エレメントごとに変化させてもよい。厚みは、例えば薄い透過性の高分子膜では、1インチの約1000分の2以下から、例えば厚い繊維材料又は多孔性発泡体では、1インチの約1000分の250以上の範囲内にあってもよい。厚みは、リボンの長さに沿って均一でなくてもよいが、多くの実施形態については、厚みはリボンの長さに沿って均一である。
【0025】
[0035]透過性流体処理メディアのストリップの幅を含むリボンの幅、すなわち、一方の端から反対側の側端までのリボンを通過する距離もまた、リボンごとに、及び/又は流体処理エレメントごとに変化させてもよい。流体が流体処理エレメント12を通って流れるとき、流体は、一方の側端24、25から反対側の側端25、24まで、リボン20と透過性流体処理メディアのストリップ26との端に沿って通過してもよい。したがって、リボンの幅は流体が受ける圧力降下及び処理の度合いに影響を与える可能性がある。例えば、リボンの幅は濾過効率に影響を与える可能性がある。多くの実施形態では、幅は、約16分の1インチ以下から、約1インチ又は2インチ又は3インチ又はそれ以上の範囲であってもよい。例えば、幅は、約2インチ以下(例えば1インチ以下)から、約8分の1インチ以上から約2分の1インチ以下を含む、約16分の1インチ以上の範囲であってもよい。さらに、幅はリボンの長さに沿って均一であって、流体が流体処理エレメントを通って流れるとき、流体のより均一な処理を提供してもよい。あるいは、リボンの幅はストリップの長さに沿って不均一であってもよい。例えば、リボンの幅は、全長に沿った、より短い距離にわたって変化して、例えば1つ又は2つのギザギザの縁部を備えるリボンを提供してもよく、あるいはより長い距離にわたって変化して、例えば狭い縁部に先細りする又は幅広い縁部に広がる、流体処理エレメントを提供してもよい。ギザギザの縁部並びに縁の付いた又は縮小した縁部を有するリボンは、例えば、発明者としてThomas Welch, Jr.、 Stephen Geibel及びTanweer ul Haqが記載された、2007年3月19日出願の発明の名称「流体処理エレメント及び不均一な表面を有する流体処理エレメントを備える流体処理装置並びにそれらを製造及び使用する方法(Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Fluid Treatment Elements Having Uneven Surfaces and Methods for Making and Using Them)」である米国特許仮出願番号第60/907,065号と、この仮出願に基づいて優先権を主張するPCT国際出願に開示されており、これら両方の出願の全開示内容は参照により本明細書に引用してこれら及び他の特徴を支持するものとする。
【0026】
[0036]リボン20は、リボンの単体構成要素として透過性流体処理メディアのストリップ26を含んでもよく、流体処理メディアの主面は隣接する巻回部に沿って接触してもよい。あるいは、リボンは複数の構成要素を含んでもよい。例えば、リボンは、図3に示すように、相互の上面に配置された複数の層を備える多層複合体30の1つの層として透過性流体処理メディアを含んでもよい。透過性流体処理メディア26aの追加層のような様々な追加層が含まれてもよい。流体処理メディア26、26aは、同一又は相互に異なっていてもよい。例えば、透過性流体処理メディア層26、26aは、同一の流体処理特性又は異なる流体処理特性を有してもよく、これにより、相互に平行な異なる流体処理特性を有する流体処理メディア26、26aを流体処理エレメントに提供してもよい。別の追加層は、リボンの構造的な強度を強化する補強ストリップ31であってもよい。リボンは、複数の巻回数で巻かれて流体処理エレメントを形成するとき、引張り状態になることもあり、透過性流体処理メディアのストリップが張力に耐えるには十分の強度を有していない場合もある。したがって、高分子フィルムのストリップなどの、張力に耐えることができる補強ストリップ31が、流体処理メディアに積み重ねられてもよい。別の追加層は、リボンの隣接する巻回部の隣接する表面を接着するための接着ストリップ32であってもよい。複合リボンの複数の層のすべてが、同一幅を有さなくても、又は一致していなくてもよいが、多くの実施形態では、図3に示すように、複数の層すべては実質的に同一幅を有し、側端は一致する。層の端部は一致するか又はジグザグであってもよい。多くの実施形態では、任意の追加の流体処理メディア層以外の追加層の厚みは、流体処理エレメント内の流体処理メディアの相対容積を増加するために、流体処理メディア層の厚みより小さくてもよい。流体が流体処理エレメントを通って流れるときの、流体処理メディアを迂回する流体の量を低減するために、追加層の端に沿って通過する流体流れに対する抵抗は、流体処理メディア層の端に沿って通過する流体流れに対する抵抗に、少なくとも実質的に等しいか又はより大きくてもよい。いくつかの実施形態では、追加層の端に沿って通過する透過率は、高くても流体処理メディア層の端に沿って通過する透過率に実質的に等しいか、又はより小さく、及び/又は追加層の端に沿って通過する除去率は、流体処理メディア層の端に沿って通過する除去率に実質的に等しいか又はより細かくてもよい。いくつかの実施形態では、流体処理メディア層以外の複合リボンの層のうちのいくつか又はすべては、不透過性であってもよい。あるいは、追加層の端に沿って通過する流体流れに対する抵抗は、流体処理メディア層を通り端に沿って流れる流体流れに対する抵抗より小さくてもよい。いくつかの実施形態では、追加層の端に沿って通過する透過率は、流体処理メディア層の端に沿って通過する透過率より大きくてもよく、及び/又は追加層の端に沿って通過する除去率は流体処理メディア層の端に沿って通過する除去率より粗くてもよい。
【0027】
[0037]複数の巻回数でリボン20を螺旋状に巻くことにより形成される流体処理エレメント12は、任意の多数の不規則又は規則的な形状を有してもよい。例えば、流体処理エレメント12の螺旋状に巻かれたディスク形状の本体21並びにコアアセンブリ11は、図2に示すように略円形であってもよく、又は図4、5及び6にそれぞれ示すように、略楕円、三角形又は長方形であってもよい。流体処理エレメント12の半径方向寸法すなわち、コアアセンブリ11の軸線に対して略垂直の寸法、例えば最内側の巻回部から最外側の巻回部までの寸法は、例えば、巻回数及びリボンの厚みに応じて、変化させてよい。例えば、半径方向寸法は、最大約1/4インチ又は最大約1/8インチ又はそれ以下から、最大約1インチ又は最大約2インチ又は最大約6インチ又は最大約10インチ又は最大約25インチ又はそれ以上までの範囲であってもよい。流体処理エレメント12の容積は、例えば、リボンの幅及びディスク形状の本体の半径方向寸法に従って変化させてよい。いくつかの実施形態では、流体処理装置の流体処理エレメントのすべては同一容積を有してもよい。いくつかの実施形態では、流体処理エレメントは異なる容積を有してもよい。例えば、各第1流体処理エレメント12Aは各第2流体処理エレメント12Bとは異なる容積を有してもよい。
【0028】
[0038]図1に示すように、各ディスク形の本体21は、1つの軸線方向に向く供給又は流入面33を備える端面と、反対の軸線方向に向く流出又は透過面34を備える端面と、流体処理エレメント12の外部に沿った外端35と、内端35a有してもよい。各供給面33は、透過性流体処理メディアのストリップ26の供給側端24aを含む、リボン20の一方の側端(例えば供給側端24)の複数の巻回部を備えてもよい。各透過面34は、透過性流体処理メディアのストリップ26の透過側端25aを含む、リボン20の他方の外側の側端(例えば透過性側端25)の複数の巻回部を備えてもよい。流体経路27は、各流体処理エレメント12A、12Bの一方の端面から他方の端面に、多孔性の流体処理ストリップ26を通って、側端24a、25aの間で概ね端に沿って延びる。一方又は両方の端面は、例えば、以前に参照した発明の名称「流体処理エレメント及び不均一な表面を有する流体処理エレメントを備える流体処理装置並びにその装置を製造及び使用する方法(Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Fluid Treatment Elements Having Uneven Surfaces and Methods for Making and Using Them)」である米国特許仮出願番号第60/907,065号及びこの仮出願に基づいて優先権を主張するPCT国際出願に開示されているように、均一な表面であっても、又は不均一な表面であってもよい。
【0029】
[0039]流体処理エレメントは、隣接するエレメントが相互に間隔を空けて、又は境界面に沿って相互に極めて接近(例えば、接触)した状態で、コアアセンブリ11に沿って配置されてもよい。さらに、隣接する流体処理エレメントは、構造的に相互に分離されていてもよい。多くの実施形態では、いくつかの隣接する流体処理エレメント12Aの供給面33は、相互に対向して、これらの間の供給空間13を画定し、いくつかの隣接するエレメント12Bの透過面34は相互に対向して、これらの間の透過空間14を画定してもよい。図1に示す実施形態では、透過空間14は、コアアセンブリ11の開口16を通してコアアセンブリ11の内部15と流体連通してもよく、供給空間13は、コアアセンブリの堅固な壁部分によって、コアアセンブリ11の内部から流体的に隔離されていてもよい。隣接する流体処理エレメント間の距離が各空間13、14の幅を画確定してもよく、この空間13、14の幅は均一又は不均一であってもよい。例えば、隣接する供給面33の間の距離及び供給空間13の幅、並びに隣接する透過面34の間の距離及び透過空間14の幅と、相互に実質的に等しいか、又は異なっていてもよい。さらに、隣接する供給面33の間の距離及び供給空間13の幅は、隣接する透過面34の間の距離及び透過空間14の幅と実質的に等しいか、又は異なっていてもよい。
【0030】
[0040]空間13、14は、流体処理エレメント12の半径方向の寸法の少なくとも約85%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%、又は約100%に沿って隣接する流体処理エレメント12間に広がっていてもよい。例えば、空間13、14は、エレメントの外部においてコアアセンブリから外端35までの距離の少なくとも約85%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%又は約100%に広がっていてもよい。さらに、例えば、発明者としてThomas Welch, Jr.、 Tanweer ul Haq、Joseph Verschneiderが記載された、2007年3月19日付けで出願された、発明の名称「流体処理エレメント間に空間を有する流体処理エレメント及び流体処理装置並びにそれらを製造及び使用する方法(Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Spaces Between Fluid Treatment Elements and Methods for Making and Using Them)」である米国特許仮出願番号第60/907,068号と、この仮出願に基づいて優先権を主張したPCT国際出願とにおいて開示されているように、空間13、14の多く又はすべてには実質的に構造物が存在しなくてもよい。これら両方の出願は参照により本明細書に引用して、これら及び他の特徴を支持するものとする。あるいは、これらの空間のいくつか又はすべては、スペーサ及び/又は支持体として機能する構造を含む任意の様々な構造体を含むか、又はその構造体によって占有されてもよい。これらの構造体は、空間を通って流体を案内するための溝、リブ及び/又は開口を有する、剛性もしくは柔軟なプレート又は格子が含まれてもよい。あるいは、これらの構造体は、流体が通過して空間に流れ込むか又は空間から流れ出ることができる、一層以上のメッシュ又は粗い繊維素材を含んでもよい。さらに別の代替例として、これらの構造体は、例えば、発明者としてThomas Welch, Jr.、 Tanweer ul Haq及びJoseph Verschneiderが記載され、2007年3月19日に出願された、発明の名称「流体処理エレメント及び流体処理エレメント間にポスト及び/又はバンドを有する流体処理装置並びにその装置を製造する方法(Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Posts and/or Bands Between Fluid Treatment Elements and Methods for Making Them)」である米国特許仮出願番号第60/907,078号及びこの仮出願に基づいて優先権を主張するPCT国際出願に開示されているように、空間内に突き出る1つ以上のポストを含んでもよい。これら両方の出願は参照により本明細書に引用して、これら及び他の特徴を支持するものとする。
【0031】
[0041]流体処理装置はさらに、例えば、間隔の空いた流体処理エレメント間の空間及び/又は近接もしくは接触する流体処理エレメント間の境界面に結合された周辺部材を含む追加の構成要素を備え、この周辺部材によって、1つ以上の空間及び/又は境界面を、例えば、流体処理エレメントの外部から流体的に隔離してもよい。周辺部材は様々な方法で、例えば、流体処理エレメントから隔離しているが結合されている1つ以上の構成要素として構成されてもよい。図7には周辺部材36の多くの様々な例のうちの1つが示されている。図7に示す流体処理エレメント12A、12Bとコアアセンブリ11とは、先に説明した流体処理エレメントとコアアセンブリと同一であってもよいが、周辺部材、流体処理エレメント及びコアアセンブリはいずれも、図7に示す特徴に限定されない。図示した周辺部材36は軸線方向に間隔を空けた複数のバンド37Aを備え、このバンド37Aは供給空間13を取り囲み、隣接する流体処理エレメント12Aの外端35をブリッジし、供給空間13と流体処理エレメント12Aの外部との間を流体連通する開口を有する。多くの実施形態では、バンド37Aは供給空間13にまたがるが、隣接する第1流体処理エレメント12Aの外端35の少なくとも一部を露出したままにするよう配置されてもよい。他の実施形態では、バンドは空間をまたぎ、隣接する第1流体処理エレメントの外端を完全に覆ってもよく、又は空間をまたぐが、隣接する第1流体処理エレメントの外端に沿って延びていなくてもよい。周辺部材36はさらに、透過空間14を取り囲み、各透過空間14に隣接する第2流体処理エレメント12Bの外端35をブリッジする、軸線方向に間隔を空けた複数のバンド37Bを備えてもよい。多くの実施形態では、各供給空間13に隣接する流体処理エレメント12Aは、第1流体処理特性を有してもよく、一方で、各透過空間14と隣接する流体処理エレメント12Bは、第2の異なる流体処理特性を有してもよく、またその逆であってもよい。流体が第1流体処理特性を有する流体処理エレメント12Aを迂回するのを防ぐために、周辺部材は、第2流体処理特性を有する流体処理エレメント12Bの外端35を完全に横断し、且つ、第2流体処理特性を有する流体処理エレメント12Bと第1流体処理特性を有する流体処理エレメント12Aとの間のすべての空間又は境界面を完全に横断して延びてもよい。例えば、図7に示すように、透過空間14を取り囲むバンド37Bは、隣接する第2流体処理エレメント12Bの外端35と、第2及び第1流体処理エレメント12B、12Aの間の境界面の半径方向外側端を完全に覆う距離だけ軸線方向に延びてもよい。
【0032】
[0042]あるいは、周辺部材は、空間(例えば、透過空間)のうちの少なくともいくつかの外端、境界面及び第2流体処理エレメントの外端を流体的に閉鎖し、他の空間(例えば、供給空間)と流体連通することを可能にする任意の構成を有してもよい。例えば、周辺部材は、空間、境界面及び流体処理エレメントのすべてを取り囲むスリーブ、又は第2流体処理エレメントと流体処理エレメントの空間と境界面と外端のすべてを取り囲んで、空間のうちのいくつかの外端を流体的に閉鎖し、他の空間の外端での流体連通(例えば、外端と流体処理エレメントの外部と他の空間との間の流体連通)を可能にする開口を有する螺旋状のラップを備えてもよい。
【0033】
[0043]周辺部材は、様々な方法で流体処理エレメントを封止してもよい。多くの実施形態では、周辺部材36は不透過性であってもよく、流体処理エレメント12のディスク形の本体21に結合されてもよい。例えば、バンド37は不透過性のストリップ(例えば、不透過性の高分子ストリップ)を備えてもよく、流体処理エレメント12の外端35に接着結合、溶剤接着、又は熱接着されてもよい。あるいは、バンドは、例えば、先に参照した、発明の名称「流体処理エレメント及び流体処理エレメント間にポスト及び/又はバンドを有する流体処理装置並びにその装置を製造する方法(Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Posts and/or Bands Between Fluid Treatment Elements and Methods for Making Them)」である米国特許仮出願番号第60/907,078号及びこの仮出願に基づいて優先権を主張するPCT国際出願に開示されているように、硬化性材料(例えば、ホットメルト接着剤、ポリウレタン、エポキシ)を含んでもよい。
【0034】
[0044]流体処理装置は、いくつかの異なる方法のうちのいずれかで製造されてもよい。一般的な1つの例によれば、流体処理装置を製造する方法は、異なる流体処理特性を有する、螺旋状に巻かれたディスク形の第1及び第2流体処理要素を少なくとも中空のコアアセンブリに沿って配置することを含んでもよい。第1及び第2流体処理エレメントは、コアアセンブリの内部へ又はコアアセンブリの内部から、第1及び第2流体処理エレメントの巻回部の概ね端に沿って延びる流体流路内に直列に配置されてもよい。
【0035】
[0045]流体処理エレメントは、様々な方法でコアアセンブリに沿って配置されてもよい。例えば、少なくとも2つの、及び少なくとも10以上、又は少なくとも25以上、又は少なくとも50以上、又は少なくとも100以上のリボンをコアアセンブリ周りに複数の巻回数で螺旋状に巻くことにより、コアアセンブリに沿ったそれぞれ異なる軸線方向の位置に流体処理エレメントを形成してもよい。リボンのいくつかは、第1流体処理特性を有する流体処理メディアを含んでもよく、また螺旋状に巻かれて1つ以上の第1流体処理エレメントを形成してもよい。リボンのいくつかは、第2流体処理特性を有する流体処理メディアを含んでもよく、また螺旋状に巻かれて1つ以上の第2流体処理エレメントを形成してもよい。流体処理エレメントのすべては、空間で分離されてもよく、又はいくつかの隣接する流体処理エレメントは、並列に極めて接近(例えば、接触)してもよく、一方、他の流体処理エレメントは、隣接する流体処理エレメントから間隔を空けていてもよい。例えば、リボンを螺旋状に巻くことにより、ディスク形の本体21を有する第1及び第2流体処理エレメント12A、12Bを、並列に近接したペアで(例えば接触して)配置してもよい。図1及び図7の実施形態においては、第1流体処理エレメント12Aの流出側又は透過面34は、第2流体処理装置エレメント12Bの流入側又は供給面33に近接して対向し、及び/又は接触してもよい。さらに、リボンを螺旋状に巻くことにより、隣接する第1流体処理エレメント12Aを相互に間隔を空けて配置して、例えばそれらエレメント12Aの間に供給空間13を画定してもよく、また隣接する第2流体処理エレメント12Bを相互に間隔を空けて配置して、例えばそれらエレメント12Bの間に供給空間14を画定してもよい。
【0036】
[0046]リボンは、1個ずつ、数個ずつ又は同時にすべて、例えば順次又は同時のいずれかでコアアセンブリの周囲に巻かれてもよい。リボンの内端領域、例えば第1の1、2又は3つの巻回部を画定する領域は、流体処理エレメントの迂回を防止するためにコアアセンブリを完全に封止してもよい。例えば、内端領域は、コアアセンブリに、内端領域を、熱接着、接着剤結合又は溶剤接着することによりコアアセンブリに固定されてもよい。あるいは、内端領域はコアアセンブリに結合されなくもよいが、例えば、コアアセンブリの周囲に最初の巻回部を堅く巻き付けることにより、コアアセンブリに対して圧力を加えて結合されてもよい。さらに、内端領域は先細りの厚みを有してもよく、又は十分に堅く巻かれてもよく、これにより第1巻回部の終端部と第2巻回部の始端部と間の移行部に形成される段差がなくなる。
【0037】
[0047]各リボンに張力を加えて複数の巻回数で螺旋状に巻き、任意の望ましい半径方向寸法の流体処理エレメントを形成してもよい。張力は一定であってもよく、又は流体処理エレメントの半径の増加に伴って変化させてよく、張力は多数の要因に基づいて経験的に選択されてもよい。例えば、リボンが損傷を受けるまで伸長する最大張力、例えば、流体処理メディアが過度に引き伸ばされるか、又は引き裂きを開始する張力が、決定されてもよい。リボンは次に、最大張力未満の張力、例えばこの最大張力の約80%以下又は約65%以下又は50%以下を用いて螺旋状に巻かれてもよい。さらに、リボンは、同様の圧縮、例えば、流体処理エレメントの半径方向寸法の大部分又はすべてに沿って、1つの巻回部から次の巻回部にまで、流体処理メディアの実質的に均一の圧縮を提供する張力を用いて、螺旋状に巻かれてもよい。1つの巻回部から次の巻回部まで同様の圧縮を提供することにより、流体処理エレメントは、流体処理メディアの複数の巻回部の端に沿って流れる流体をより均一に処理してもよい。例えば、流体処理メディアが濾過メディアを含む場合、流体処理エレメントをエレメントの半径方向寸法に沿ってより均一に装填して、処理エレメントの収塵容量及び/又は使用期間を増加してもよい。加えて、リボンは十分な張力で螺旋状に巻かれて、隣接する巻回部の隣接面とリボンの隣接層との間の横方向の流体流れを抑制又は防止してもよい。例えば、流体が隣接面と隣接層間で横平方向に実質的通過しないだけの十分な張力を加えるか、又はリボンの隣接面と隣接層の間の横方向のすべての流体経路が、流体処理メディアの端に沿って通過する流体経路の透過率及び/又は除去率より実質的に大きくなく、または粗くない透過率及び/又は除去率を有するだけの十分は張力を加えることにより、リボンが螺旋状に巻かれてもよい。またリボンは十分な張力で巻かれて、安定性のある、堅固なディスク形状の本体を有する実質的に自立流体処理エレメントを形成してもよい。例えば、リボンは十分な張力で巻かれて、隣接する巻回部及び隣接層を相互に十分に堅く保持することにより、流体処理エレメントが受ける圧力差で、隣接する巻回部及び隣接層の横方向の滑り及び/又は半径方向の分離を防止してもよい。
【0038】
[0048]第1リボンの幅及び/又は第1リボンを螺旋状に巻くことによって形成される流体処理エレメントの半径方向の寸法を、第2リボンの幅及び/又は第2リボンを螺旋状に巻くことによって形成される流体処理エレメントの半径方向の寸法と異なる寸法にすることにより、流体処理エレメントの容積を変えてもよい。例えば、図1及び図7に示すように、第1及び第2流体処理エレメント12A、12Bの半径方向の寸法を実質的に等しくして、周辺部材36の取付けを容易にしてもよい。しかし、第1流体処理特性を有する各第1流体処理エレメント12Aのリボンは、第2流体処理特性を有する各第2流体処理エレメント12Bのリボンよりも狭くてもよく、又はその逆であってもよい。このように、第1及び第2流体処理エレメントの一方(例えば、第1流体処理エレメント12A)は、第1及び第2流体処理エレメントの他方(例えば、第2流体処理エレメント12B)と異なる容積(例えば、小さい容積)で形成されてもよい。
【0039】
[0049]各リボンが所望の半径方向寸法に螺旋状に巻かれた後、リボンの外端領域は任意の様々な方法で所定の位置に保持されてもよい。例えば、外端領域は、例えば、熱接着、接着剤結合又は溶剤接着によって、隣接する巻回部に結合されてもよい。代替的又は追加的に、リボンの外端領域は他の巻回部に結合されてもよい。例えば、高温の金属ピンがリボンの外端領域及び外側の巻回部を通して略半径方向に挿入され、ピンと接触するリボンの部分を溶融してもよい。ピンが取り外されると、溶融した部分は相互に固体化し、リボンの任意の複数の層及び所定の位置に外側の巻回部を含む、外端領域を保持する略半径方向のステーク(stake)を形成する。代替的又は追加的に、高温であってもそうでなくてもよい中空の針が、外端領域及び外側の巻回部を通して略半径方向に挿入されるか、又は隣接する巻回部の間の空間に挿入されてもよい。例えば、ポリウレタン、エポキシ又はホットメルト接着を含む、液体の硬化接着合成物又は材料を、針が取り除かれると巻回部内に注入して、所定の位置に外端領域及び巻回部を保持する略半径方向のステークを形成してもよい。さらに別の代替方法として、溶着ビード又は硬化接着材料のビード形のステークは、リボンの外端領域及び外側の巻回部の片方又は両方の側端に沿って引き抜かれてもよい。
【0040】
[0050]螺旋状に巻かれた流体処理エレメントの安定性は、ディスク形の本体の大部分又はすべてを補強することによってさらに強化されてもよい。例えば、略半径方向に延びるステーク(stake)が、巻回部の大部分又はほぼすべてわたり、及び/又はディスク形の本体周りに様々な角度で間隔を空けた位置に形成されてもよい。同様に、ステークは、流体処理エレメントの一方又は両方の端面に沿って、及び/又は第1及び第2流体処理エレメントの間の境界面における表面を含む、各表面の周りに様々に角度で間隔を空けた位置に形成されてもよい。各ステークは、流体処理要素を大部分又は完全に貫通して、又は流体処理エレメントに沿って、例えばコアアセンブリまで延び、それによって流体処理エレメントをコアアセンブリに固定してもよい。
【0041】
[0051]螺旋状に巻かれた流体処理エレメントの安定性はまた、螺旋状に巻かれたリボンの長さに沿って、連続的又は不連続に、隣接する巻回部及び/又はリボンの隣接層を相互に結合することにより強化されてもよい。隣接する巻回部及び/又は層は様々な方法で結合されてもよい。例えば、リボンは、上述のように、接着層を含んでもよい。接着層は、リボンが螺旋状に巻かれるとき、隣接する巻回部及び/又は層を結合する接着剤を含んでもよい。あるいは、接着層は、エレメントが形成された後、流体処理エレメントに溶剤又は熱を加えることにより活性化されてもよい。さらに別の代替方法として、リボンが螺旋状に巻かれるとき、隣接する巻回部及び/又は層の間にホットメルト接着又は熱接着が、例えば不連続に適用されてもよい。
【0042】
[0052]流体処理エレメントは、エレメントのいくつかの間に空間を設けて、コアアセンブリに沿って配置されてもよい。空間のいくつか(例えば、供給空間13)は、流体処理装置の外部と流体連通して配置されてもよく、また空間のいくつか(例えば、透過空間14)は、流体処理装置の外部と流体的に隔離されてもよい。さらに、空間のいくつか(例えば、透過空間14)は、コアアセンブリの開口と流体連通して配置されてもよく、また他の空間(例えば、供給空間13)は、コアアセンブリの内部から流体的に隔離されてもよい。流体処理エレメントがコアアセンブリに沿って配置される前、その間、又はその後に、様々な構造体がコアアセンブリに沿って、処理エレメント間の空間のうちのいくつか又は全部の内部に、又はそれら空間に対応する位置に配置されてもよい。例えば、メッシュ、繊維素材、プレート、格子及び/又はポストが、これら処理エレメント間の空間のいくつか又はすべての内部に配置されてもよい。
【0043】
[0053]周辺部材は、様々な方法で、流体処理エレメント、境界面及び空間に結合されてもよい。例えば、複数のバンドを備えた周辺部材が、境界面及び空間周りに配置されてもよく、バンドは隣接する流体処理エレメントを、例えば外端を封止してもよい。あるいは、流体処理エレメントと境界面と空間とにまたがるシートを備えた周辺部材が、処理エレメントと境界面と空間周りで円周方向に覆われ、スリーブに形成されてもよく、又は、事前成形されたスリーブを備えた周辺部材が、流体処理エレメントと境界面と空間の上を軸線方向に摺動してもよい。スリーブは、流体処理エレメントを、例えば外端を封止してもよい。開口をスリーブ内に形成し、それにより、コアアセンブリから流体的に隔離された空間を流体処理エレメントの外部と流体連通可能にしてもよい。さらに別の代替例として、幅広のストリップを備えた周辺部材を、隣接する螺旋状巻回部が相互に重なるようにして、流体処理エレメントと空間周りに螺旋状に巻いてもよい。ラップが流体処理エレメントを封止してもよく、またそのラップに開口を形成し、それにより、コアアセンブリから流体的に隔離された空間を流体処理エレメントの外部と流体連通可能にしてもよい。
【0044】
[0054]流体処理装置が形成された後、これら装置は各種のハウジング内に収納され、流体処理アセンブリを提供してもよい。流体処理アセンブリは単一流体処理装置のみを収納するハウジング、又はハウジング内に直列又は並列に配置された複数の流体処理装置を収納するハウジングを備えてもよい。例えば、ハウジングは1つ以上のチューブ状シートを含んでもよく、複数の流体処理装置は管板に連結されてもよい。ハウジングは永続的に流体処理装置を収納して、例えば使い捨ての流体処理装置を形成してもよく、又は、ハウジングは流体処理装置を着脱可能に収納することにより、使用済みの流体処理装置を再利用可能なハウジング内の新しい流体処理装置に交換できるようにしてもよい。
【0045】
[0055]ハウジングは、プロセスパラメータ(例えば、流体の圧力及び温度及び化学組成)に適合する任意の不透過性材料(例えば、金属材料又は高分子材料)から形成されてもよい。ハウジングは、2つ以上の主ポート(例えば、処理又は供給流体入口ポートと濾過すなわち透過出口ポート)を有してもよい。ハウジングは、ポート間に流体流路を画定してもよく、流体処理装置は、第1及び第2流体処理エレメントを流体流路に直列に配置するようにして、ハウジング内に配置されてもよい。ポートは、直列型構成、T形構成又はL形構成を含む、任意の様々な構成でハウジング上に位置してもよく、ポートは任意の様々な付属品を備えてもよい。ハウジングはさらに、例えば、保持又は濃縮出口ポートと、排水、排気又は洗浄(例えば逆洗)に関連する1つ以上のポートとを含む、追加のポートを含んでもよい。
【0046】
[0056]図7には、流体処理アセンブリ40及び少なくとも1つの流体処理装置10を収納するハウジング41の多くの例の1つを示すが、流体処理アセンブリ及びハウジングは図7に示した特徴に限定されない。ハウジング41はカバー42及びシェル43を含んでもよい。カバー42はシェル43の一端において、シェル43に永続的に又は着脱可能に取り付けられてもよい。シェル43の他端は供給入口ポート44(例えば偏心供給入口ポート)及び透過出口ポート45(例えば中心透過出口ポート)を有してもよい。流体処理アセンブリ40の図示した実施形態は、2つのポート44、45だけを有し、これらポートはハウジング41の一端上に配置される。他の実施形態では3つ以上ポートを含んでもよく、ポートはハウジングに沿ったどの位置にも、例えばハウジングの両端及び/又は側面に配置されてもよい。
【0047】
[0057]流体処理装置10は、シェル43が流体処理エレメント12A、12Bを取り囲むようにして、供給入口ポート44と透過出口ポート45との間の流体流路50を横切って、ハウジング41内に封止されてもよい。入口ポート44と出口ポート45の間の流体流路50の一部は、第1流体処理特性を有する第1流体処理エレメント12Aの流体処理メディアと、第2流体処理特性を有する第2流体処理エレメント12Bの流体処理メディアとの概ね端に沿って通過して直列に延びる、流体経路を含む。流体処理装置10は、多くの方法のうちのいずれかでハウジング41内に封止されてもよい。例えば、中空のコアアセンブリ11の一端はカバー42を閉鎖して封止してもよい。中空のコアアセンブリ11の反対端は開放され、透過出口ポート45においてシェル43を封止し、これによりコアアセンブリ11の内部15と透過出口ポート45と間の流体連通を可能にしてもよい。多くの実施形態では、流体処理エレメントはハウジング41に対して封止されなくてもよい。例えば、コアアセンブリ11だけをハウジング41に対して封止して、封止部を最小化し、信頼性の高い流体処理アセンブリを提供してもよい。
【0048】
[0058]流体は、本発明を具体化する流体処理アセンブリ、装置及びエレメントによって多くの方法のうちのいずれかで処理されてもよい。動作の1つモードにおいては、供給流体は、螺旋状に巻かれた透過性の第1流体処理メディアのストリップの巻回部の概ね端を通して流体を誘導し、次に、螺旋状に巻かれた透過性の第2流体処理メディアのストリップの巻回部の概ね端を通して流体を誘導することによって処理されてもよい。第1ストリップの透過性メディアは、第1流体処理特性を有し、第2ストリップの透過性メディアは、第1流体処理特性とは異なる第2流体処理特性を有する。例えば、供給流体は流体流路50に沿って、流体処理アセンブリ40を通して誘導されてもよく、この場合、流体は流体処理エレメント12A、12Bによって、処理エレメントの異なる流体処理特性に従って処理されてもよい。図示した流体処理アセンブリ40では、供給流体は、流体処理装置10を通して、流体処理エレメント12A、12Bの外部からコアアセンブリ11の内部15へ、外側から内側へ誘導されてもよい。しかし、他の実施形態では、供給流体は、流体処理装置を通して、コアアセンブリの内部から流体処理エレメントの外部へ、内側から外側へ誘導されてもよい。
【0049】
[0059]図7の実施形態では、供給流体は、供給入口ポート44を通ってハウジング41に入り、流体流路50に沿って透過出口ポート45まで流れてもよい。供給流体は、供給入口ポート44から、流体処理エレメント12A、12Bの外部とシェル43の内部との間でハウジング41に沿って略軸線方向に流れてもよい。その後、供給流体は、第1流体処理エレメント12Aの供給面33の間の供給空間13内に略半径方向に内向き流れ込み、供給空間内に存在する可能性のある任意の構造体に沿って流れる。供給流体は、供給空間13から、第1流体処理特性を有する各隣接する第1流体処理エレメント12Aを通り、その後、異なる第2流体処理特性を有する隣接する又は近傍の第2流体処理エレメント12Bを通って、略軸線方向に流れてもよい。例えば、供給流体は略軸線方向に流れて、第1流体処理エレメント12Aのディスク形の本体21の供給面33内に流れ込み、各巻回部のリボン20(流体処理メディア26を含む)の概ね端を通過して流れてもよい。流体はまた、1つの巻回部の流体処理メディアから半径方向に流れて、1つ以上の隣接する巻回部のメディアに流れ込み、そのメディアに沿って横方向に流れてもよい。流体が第1流体処理特性を有する流体処理メディアを通過するとき、流体は第1流体処理特性に従って処理される。流体処理メディア26から、流体は第1流体処理エレメント12Aを出て、ディスク形の本体21の透過面34を通って流れてもよい。第1流体処理エレメント12Aの透過面34から、流体は第2流体処理エレメント12Bのディスク形の本体21の供給面33へ直接流れ込んでもよい。あるいは、流体は、第2流体処理エレメントの供給面に流れ込む前に、例えば、介在空間などの介在領域を通って流れてもよい。供給面33から、流体は各巻回部のリボン20(流体処理メディア26を含む)の概ね端に沿って通過して流れてもよい。流体はまた、1つの巻回部の流体処理メディアから半径方向に流れて、1つ以上の隣接する巻回部のメディアの流れ込み、そのメディアに沿って横方向に流れてもよい。流体が第2流体処理特性を有する流体処理メディアを通過するとき、流体は第2流体処理特性に従って異なって処理される。流体処理メディア26から、流体は第2流体処理メディア12Bを出て、ディスク形の本体21の透過面34を通って流れてもよい。
【0050】
[0060]処理された流体が第2流体処理エレメント12Bの透過面34から現れ、隣接する第2流体処理エレメント12Bの透過面34の間の透過空間14に流れ込む。処理された流体は、透過空間14から開口16を通って、コアアセンブリ11の内部15まで略半径方向に内向きに流れてもよい。処理された流体は次に、コアアセンブリ11の内部15に沿って軸線方向にハウジング41の透過出口ポート45まで流れて、そのポートを通って流れる。
【0051】
[0061]流体が、第1及び第2流体処理エレメント12A、12Bを直列に通過するとき、流体は、処理エレメントの第1及び第2流体処理特性に従って、任意の異なる方法の組み合わせで処理されてもよい。例えば、第1流体処理特性は、第1流体処理エレメントの流体処理メディアのより粗い除去率に関係していてもよく、流体は最初に、より粗い粒子を流体から除去することによって処理されてもよい。第2流体処理特性は、第2流体処理エレメントの流体処理メディアのより細かい除去率に関係していてもよく、流体は次に、より細かい粒子を流体から除去することによって、異なって処理されてもよい。別の例としては、第1流体処理特性は、第1流体処理エレメントの流体処理メディアの除去率に関係していてもよく、流体は最初に、粒子を流体から除去することによって処理されてもよい。第2流体処理特性は、第2流体処理エレメントの流体処理メディア中の吸着剤又は反応成分などの結合機構に関係していてもよく、流体は次に、流体中の1つ以上の物質を第2流体処理エレメントに物理的又は化学的に結合させ、それによってそれらの物質を流体から除去することにより、異なって処理されてもよい。さらに別の例として、第1及び第2流体処理特性は、第1及び第2流体処理エレメントの流体処理メディア中の異なる反応成分などの異なる結合機構に関係していてもよい。流体は最初に、流体内の第1物質を第1流体処理エレメントに結合することによって処理され、流体は次に、流体内の第2物質を第2流体処理エレメントと結合することによって異なって処理され、それによって両方の物質を流体から除去してもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の物質が、第1及び/又は第2流体処理エレメントに結合又はそれらエレメント内に捕捉された後に、溶離剤(例えば、有機溶剤、水又は酸もしくは塩基の水溶液)が、エレメントから物質を取り除くために、流体処理エレメントを通して導入されてもよい。
【0052】
[0062]第1及び第2流体処理エレメントを直列に通過することによって流体が処理される種々の方法のいくつかの例について説明してきたが、本発明を具体化する流体処理エレメント、装置及びアセンブリにおいて採用できる流体処理特性並びに対応する流体処理には無数の組み合わせがある。さらに、これらの流体処理エレメント、装置及びアセンブリに関係する多くの利点がある。例えば、異なる流体処理特性を有する流体処理エレメント又はメディアを提供することによって、本発明の実施形態は汎用性及び有効性が高くなる。流体は、2つ、3つ、4つ又はそれ以上の流体処理特性を有する単一の流体処理装置によって様々な方法で処理することができる。さらに、流体処理装置を用途に合わせて簡単に調整して、特定の流体を一緒に最も効果的に処理する複数の流体処理特性を組み合わせることによって、多数の特定の流体をそれぞれ最適に処理することができる。
【0053】
[0063]加えて、複数の流体処理エレメントのそれぞれを分離して形成する、螺旋状の巻回部の個別のリボンは、様々な構成の流体処理装置及びエレメントの製造を容易にする。各エレメントの半径方向寸法はコアアセンブリ周りにより多く又はより少なくリボンを巻くことにより容易に変更されてもよい。コアアセンブリに沿って設けられる流体処理エレメントの数は、コアアセンブリ周りにより多く又はより少なくリボンを巻くことにより容易に変更できる。コアアセンブリに沿った流体処理エレメントの位置は、コアアセンブリ周りに巻かれるリボンの間の間隔を簡単に調整することにより容易に変更できる。異なる流体処理特性を有する流体処理エレメントは、異なる流体処理特性を有するリボンを簡単に巻くことによって、容易に提供できる。さらに、コアアセンブリの周りに螺旋状にリボンを高速で巻いて、製造時間を速めてもよい。例えば、シートにスロット又は他の貫通孔を備える単一の幅広シートの代わりに、複数の個別の幅の狭いリボンを使用することにより、次に製造の柔軟性及び効率を大幅に向上させ、様々な数のエレメント及びエレメントの間の間隔を備える流体処理装置を、シートを異なる幅又は異なる貫通孔の構成に変更する必要なく形成できる。加えて、製造中に透過性流体処理メディアに孔又は引き裂きといった不具合が発生する場合、シート全体ではなく不具合のあるリボンだけを交換して、より高速のより有効な製造を可能にしてもよい。
【0054】
[0064]本発明の様々な態様を、いくつかの実施形態に関してこれまでに説明、及び/又は図示してきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。例えば、これらの実施形態の1つ以上の特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく削除されてもよい。例えば、上述のように、周辺部材36は、供給空間13を取り囲み、流体処理エレメント12Aの外部と供給空間13の間で流体的に連通する開口を有する、1つ以上のバンド37Aを含んでもよい。これらのバンド37Aは本発明の範囲から逸脱することなく全体に削除されてもよい。供給空間は単に、流体処理エレメントの外部に開いていてもよい。
【0055】
[0065]さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、実施形態の1つ以上の特徴は変更されてもよく、又はいずれかの実施形態の1つ以上の特徴は、他の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせられてもよい。例えば、周辺部材はより硬質の構造体を備えることにより、流体処理エレメントの外端において追加の支持を提供してもよい。1つの実施形態では、周辺部材36は、図8に示すように、接合される半円筒形部分51、52を備えることにより、より硬質なケージ53を形成してもよい。図8に示す流体処理エレメント12A、12B及びコアアセンブリ11は、上述のものと同一であってもよいが、周辺部材、流体処理エレメント又はコアアセンブリはいずれも、図8に示す特徴に限定されない。各流体処理エレメント12A、12Bは、流体処理メディア26のストリップを含む、螺旋状に巻かれたリボン20を含んでもよい。周辺部材36の一部51、52は、流体処理エレメント12A、12Bの外端35周りに取り付けられ、相互に永続的に又は着脱可能に結合されて、ケージ53を形成してもよい。流体処理エレメント12A、12Bのディスク形の本体21の外端35は、様々な方法でケージ53に接して封止されてもよい。例えば、外端35は、ケージ53に接着結合又は熱接着されてもよい。代替的又は追加的に、外端35は、緊密な機械的結合により、ケージ53に接して封止されてもよい。例えば、ペアの周辺リブ54は各部分51、52から短い距離だけ内向きに突出してもよく、近接もしくは接触する流体処理エレメント12A、12Bの外端35の幅と等しい又はわずかに短い距離だけ離れて間隔を空けられてもよい。各部分51、52は、外端35が対応するペアのリブ54間に位置するようにして、流体処理装置10周りに設けられてもよい。ケージ53は、空間、例えば供給空間13のいくつかを流体処理エレメント12A、12Bの外部と流体的に連通させる、開口55を含んでもよい。ケージ53は、他の空間、例えば透過空間14を流体処理エレメント12A、12Bの外部から流体的に隔離してもよい。
【0056】
[0066]さらに別の例として、第1及び第2流体処理エレメントは、事前成形されたエレメントをコアアセンブリに沿って略軸線方向に摺動させることによって、コアアセンブリに沿って配置されてもよい。例えば、第1流体処理特性を有する流体処理メディアを含むリボンと、第2流体処理特性を有する流体処理メディアを含むリボンとが、コアアセンブリの周りではなく別個の中心ハブの周りで、所望の半径方向寸法に複数の巻回数で螺旋状に巻かれて、流体処理エレメントを形成してもよい。次に、事前成形された第1及び第2流体処理エレメントは、ハブの有無によらず、コアアセンブリに沿って所望の位置まで軸線方向に摺動され、定位置に固定されてもよい。
【0057】
[0067]さらに、異なる特徴を有する実施形態は、それでもなお、本発明の範囲内である。例えば、第1流体処理特性を有する流体処理メディアを含むリボンと、第2流体処理特性を有する流体処理メディアを含むリボンとが、別個のハブの周りで螺旋状に巻かれて、第1及び第2流体処理エレメントを形成してもよい。各ハブは、コアアセンブリの1つの部分を含んでもよく、隣接するエレメントのハブ部分が相互に連結されて、中空のコアアセンブリと流体処理装置を形成してもよい。ハブ部分は、相互に機械的に連結及び/又は相互に結合され、ハブ部分のいくつかは、コアアセンブリの内部との流体連通を可能にする開口を含んでもよい。
【0058】
[0068]別の例として、第1シートアセンブリは、第1流体処理特性を有する多孔性の流体処理メディアのシートを備えてもよく、シートは単体構成要素であってもよく、又は、例えばリボンの多層複合体と同様の多層複合体の1つの層であってもよい。同様に、第2シートアセンブリは、第2流体処理特性を有する多孔性の流体処理メディアのシートを備えてもよく、シートは単体構成要素であってもよく、又は多層複合体の1つの層であってもよい。シートアセンブリは複数の巻回数で螺旋状に巻かれて、所望の半径方向の寸法を有するロールを形成してもよい。次に、所望の幅を有する各部分を、ロールからロールの軸線に対して垂直な方向に切断して(例えば薄く切り取って)、第1及び第2流体処理エレメントを形成してもよい。第1及び第2流体処理エレメントは次に、例えば、事前生成されたエレメントをコアアセンブリに沿って軸線方向に摺動することによって、コアアセンブリに沿って配置されてもよく、又は第1及び第2流体処理エレメントはハブ部分上に配置されてもよく、ハブ部分を相互に連結して、中空のコアアセンブリを含む流体処理装置を形成してもよい。
【0059】
[0069]さらに別の例として、流体処理装置は、例えば、発明者としてThomas Welch, Jr.、 Tanweer ul Haq及びJoseph Verschneiderが記載された、2007年3月19日出願の、発明の名称「流体処理エレメントのセットを備える流体処理装置並びにそれらを製造及び使用する方法(Fluid Treatment Arrangements with Sets of Fluid Treatment Elements and Methods for Making and Using Them)」である米国特許仮出願番号第60/907,066号及びこの仮出願に基づいて優先権を主張するPCT国際出願に開示されているのと同様の方法で、相互に半径方向にずれたコアアセンブリに沿って取り付けられた、流体処理エレメントの複数のセット(例えば2、3、4以上のセット)を含んでもよく、これら両方の全開示内容は参照により本明細書に引用してこれら及び他の特徴を支持するものとする。各セットは複数の流体処理エレメントを含んでもよく、各要素はリボンを含み、リボンは複数の巻回数で螺旋状に巻かれて、半径方向寸法を有する略ディスク形の本体を形成している。各セットは、複数の第1及び第2流体処理エレメントを含んでもよい。あるいは、一方のセットが複数の第1流体処理エレメントを含み、第2流体処理エレメントは含まず、他方のセットが複数の第2流体処理エレメントを含み、第1流体処理エレメントを含まなくてもよい。流体処理エレメントの外側セットは、内側及び外側セットの処理エレメントを半径方向及び/又は軸線方向に整列又はずらせるようにして、流体処理エレメントの内側セットの上に置かれてもよい。例えば、外側セットの処理エレメントは、内側セットの処理要素間の空間の少なくともいくつかにまたがってもよい。さらに、流体処理エレメントの外側セットのサイズ(例えば幅及び半径方向寸法)及び/又は容積は、流体処理エレメントの内側セットと同一又は異なっていてもよい。
【0060】
[0070]図9に示す実施形態では、流体処理装置10は、コアアセンブリ11に沿って設けられた流体処理エレメントの少なくとも内側及び外側セット60、61を含んでもよい。例えば、外側セット61は、第1流体処理特性を有する螺旋状に巻かれた複数の第1流体処理エレメント12Aを備えてもよいが、第2流体処理特性を有する第2流体処理エレメントは備えなくてもよい。内側セット60は、第2流体処理特性を有する螺旋状に巻かれた複数の第2流体処理エレメント12Bを備えてもよいが、第1流体処理特性を有する第1流体処理エレメントは含まなくてもよい。各セット60、61の流体処理エレメント12A、12Bはリボン20を備えてもよく、このリボンは流体処理メディアのストリップ26を含み、螺旋状に巻かれてディスク形の本体21を形成している。
【0061】
[0071]第2流体処理エレメント12Bの内側セット60は、隣接する内側の第2流体処理エレメント12Bの少なくともいくつか又はすべての間に空間62を備え、上述のように、コアアセンブリ11に沿って、コアアセンブリ11の周辺のすぐ近くに配置されてもよい。例えば、複数の内側バンド63を備える内側の周辺部材は、隣接する内側の第2流体処理エレメント12B間の内側空間62の少なくともいくつかにまたがってもよい。コアアセンブリ11と、内側のセット60の流体処理エレメント12Bと、内側空間62及び内側バンド63の特徴は、前に説明した特徴と同様であってもよい。外側セット61の第1流体処理エレメント12Aは、内側セット60の流体処理エレメント12Bから半径方向にずれて、外側の第1流体処理エレメント12Aの少なくともいくつか又はすべての間に空間64を備えて、コアアセンブリ11に沿って配置されてもよい。外側の第1流体処理エレメント12Aは、内側の第2流体処理エレメント12B及び/又は内側周辺部材(例えば、内側バンド63)の周りに螺旋状に巻かれてもよい。各外側第1流体処理エレメント12Aのリボンの内端領域は、各流体処理エレメント12のリボンの内側端部領域と図1の実施形態のコアアセンブリ11に関して先に説明したように、内側第2流体処理エレメント12B又は内側バンド63とに対して封止されてもよい。各外側第1流体処理エレメント12Aのサイズ及び/又は容積は、各内側第2流体処理エレメント12Bのサイズ及び/又は容積と同一又は異なっていてもよい。例えば、複数の外側バンド65を備える外側周辺部材は、隣接する外側第1流体処理エレメント12Aの間の外側空間64の少なくともいくつかにまたがってもよい。第1流体処理エレメント12A、外側空間64及び外側バンド65の特徴は、前に説明した特徴と同様であってもよい。内側空間62及び/又は外側空間64は、前に説明したように、実質的に構造体を含んでいなくてもよく、又は1つ以上の構造要素を含んでもよい。
【0062】
[0072]流体処理エレメントの内側及び外側セットと内側及び外側周辺部材とは、流体が、流体処理装置の外部からコアアセンブリの内部に流れるか又はその逆に流れるとき、1つ以上の外側流体処理エレメントを通って略軸線方向に、及び1つ以上の内側流体処理エレメントを通って略軸線方向に直列に流体を誘導するよう配置されてもよい。例えば、図9に示す実施形態においては、外側の空間64Aのいくつかは、流体処理装置10の外部に開いており、内側バンド63により外側第1流体処理エレメント12Aの内径に沿って閉じられていてもよい。他の外側空間64Bは、外側バンド65により流体処理装置10の外部から隔離され、外側の第1流体処理エレメント12Aの内径に沿って内側空間62Bに開いていてもよい。外側空間64Bに開いている内側空間62Bは、コアアセンブリ11の堅固な壁により内側空間62Bの内径に沿って閉じられていてもよい。内側のバンド63によって閉じられた内側空間62Aは、コアアセンブリ11の開口16を通してコアアセンブリ11の内部15に開いていてもよい。
【0063】
[0073]複数の半径方向にずれた流体処理エレメントのセットを有する流体処理装置は、図1から9の実施形態に関して前に説明したように、様々なハウジング内に収納されて流体処理アセンブリを提供してもよい。
【0064】
[0074]動作の1つのモードでは、供給流体は、流体処理装置10の外部とコアアセンブリ11の内部15との間をハウジング内の流体流路50に沿って、流体処理装置10を通して誘導されてもよい。例えば、図9の実施形態では、供給流体は、開いている外側空間64A内に略半径方向に誘導され、さらに半径方向の流れは内側バンド63により遮断されてもよい。供給流体は、開いている外側空間64Aから、外側バンド65により流体処理装置10の外部から隔離されている外側空間64B内に外側の流体処理エレメント12Aを通って略軸線方向に流れてもよい。流体が外側の第1流体処理エレメント12Aを通って軸線方向に流れるとき、流体は各巻回部のリボン20(流体処理メディア26を含む)の概ね端に沿って通過してもよく、1つの巻回部の流体処理メディアから、1つ以上の隣接又は近傍の巻回部の流体処理メディア内に半径方向に流れ込み、次にその処理メディアに沿って横方向に流れてもよい。流体が第1流体処理特性を有する流体処理メディアを通って流れるとき、流体は、第1流体処理特性に従って処理される。流体は、隔離された外側空間64Bから外側空間64Bと流体連通する内側空間62B内に略半径方向に流れ込み、さらに半径方向の流れはコアアセンブリ11の堅固な壁によって遮断されてもよい。流体は、これらの内側空間62Bから内側の第2流体処理エレメント12Bを通って略軸線方向に流れて、内側バンド63により外側空間64Aから隔離された内側空間62Aに流れ込んでもよい。流体が内側の第2流体処理エレメント12Bを通って軸線方向に流れるとき、流体は、各巻回部のリボン20(流体処理メディア26を含む)の概ね端に沿って通過し、1つの巻回部の流体処理メディアから、1つ以上の隣接又は近傍の巻回部の流体処理メディア内に半径方向に流れ込み、次にそのメディアに沿って横方向に流れてもよい。流体が第2流体処理特性を有する流体処理メディアを通って流れるとき、流体は次に第2流体処理特性に従って処理される。流体は、外側空間64Aから隔離された内側空間62Aから、開口16を通して略半径方向に流れて、コアアセンブリ11の内部15に流れ込んでもよい。
【0065】
[0075]別の例として、単一のリボンは、異なる流体処理特性を有する複数の透過性流体処理メディアのストリップを含んでもよい。例えば、リボンは、第1流体処理特性を有する透過性流体処理メディアの第1ストリップと、第2流体処理特性を有する透過性流体処理メディアの第2ストリップとを含んでもよい。複数のメディアストリップはそれぞれ、前に説明した透過性流体処理メディアのいずれかと同様であってもよく、前に説明した流体処理特性のうちのいずれかを含んでもよい。複数のストリップは、リボンを複数の巻回数で螺旋状に巻くことによって形成された単一の流体処理エレメント内に直列に配置されてもよい。例えば、図10に示すように、リボン20は、相互に重ね合わせた支持層70と流体処理層71とを少なくとも含む多層複合体を備えてもよい。支持層70は不透過性又は流体処理層71に比べて透過性を小さくし、これにより流体処理層71の迂回を防止してもよい。流体処理層71は、第1及び第2の透過性流体処理メディアのストリップ72、73を備えてもよく、第1ストリップ72のメディアは第1流体処理特性を有し、第2ストリップ73のメディアは第2流体処理特性を有している。各ストリップは、図3の実施形態の流体処理メディア26と同様の、対向する主面と対向する側端とを有してもよい。第1及び第2ストリップ72、73は、支持層70に沿って相互に同一平面上に配置されてもよい。図示した実施形態では、第1ストリップ72は、第2ストリップ73に極めて近接して(例えば、接して)、側端を並列に配置されてもよい。他の実施形態では、同一平面上のストリップの間に、空間又は介在構造が存在してもよい。多くの実施形態では、第1及び第2ストリップ72、73の厚みは実質的に等しくてもよい。第1及び第2ストリップ72、73のうちの一方の幅は、他方のストリップの幅と同一又は異なっていてもよい。各ストリップ72、73の幅は、支持層70の幅よりも小さくてもよく、ストリップ72、73の結合された幅は、支持層70の幅よりも小さいか、ほぼ等しいか、又は大きくてもよい。
【0066】
[0076]第1及び第2ストリップ72、73は、これらストリップの概ね端に沿って通過する連続した流体経路27を画定するために、支持層70に沿って配置されてもよい。流体経路は、第1ストリップ72の第1側端から、第1ストリップ72の概ね端に沿って通過して第2側端にまで延び、次に、第2ストリップ73の第1側端に入り、第2ストリップ73の概ね端に沿って第2側端に達する(これは、図3の流体処理メディア26を通る流体経路27と類似している)。いくつかの実施形態では、一方のストリップ(例えば、第1ストリップ72)の流体処理特性は、より粗い除去率又は細孔構造を含んでもよく、他方のストリップ(例えば、第2ストリップ73)の流体処理特性は、より細かい除去率又は細孔構造を備えてもよい。第1ストリップ72は、第2ストリップ73の上流でリボン20内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、一方のストリップ(例えば、第1ストリップ72)の流体処理特性は、流体から粒子を除去するための除去率又は細孔構造を備えてもよい。他方のストリップ(例えば、第2ストリップ73)の流体処理特性には、流体から1つ以上の物質を吸着するための吸着剤を含んでもよい。第1及び第2ストリップ72、73は、支持層70と直接接触していてもよく、支持層70に接着されていても、されていなくてもよい。あるいは、リボンは別個の接着層及び/又は他の層を含んでもよい。
【0067】
[0077]リボンは、図1の実施形態に関して前に説明したように、複数の巻回数で螺旋状に巻かれて、任意の所望の半径方向寸法を有するディスク形の本体を含む流体処理エレメントを形成してもよい。ディスク形の本体は、例えば、図2、4、5及び6に示す実施形態のいずれかと同様に、供給側と透過側と外端とを含んでもよい。供給側は、流体処理層71を含む流体処理メディアの一方のストリップの側端の複数の巻回数を備えてもよく、透過側は、流体処理層71を含む流体処理メディアの他方のストリップの側端の複数の巻回数を備えてもよい。
【0068】
[0078]直列に配置された、各処理エレメントが異なる流体処理特性を有する複数の流体処理ストリップを組み込んだ流体処理エレメントがコアアセンブリに沿って配置されて、様々な方法(例えば、図1又は図9の実施形態と同様の方法)で流体処理装置を形成してもよい。流体処理装置はハウジング内に収納されて、様々な方法(例えば、図7に示す実施形態と同様の方法)で流体処理アセンブリを形成してもよい。流体処理アセンブリを通って流れる流体は、流体処理装置の外部とコアアセンブリの内部との間の流体流路に沿って流体処理エレメントを通って軸線方向に流れてもよい。流体が、各流体処理エレメントの供給側から透過側に流れるとき、流体は少なくとも、第1流体処理特性を有する第1の透過性流体処理メディアと(この場合、流体は最初に第1流体処理特性に従って基づいて処理される)、第2流体処理特性を有する第2の透過性流体処理メディアと(この場合、流体は次に、第2流体処理特性に基づいて処理される)を直列に、概ね端に沿って流れてもよい。
【0069】
[0079]さらに別の例として、隣接する流体処理エレメント間の空間のうちのいくつかは、コアアセンブリの内部と、隣接する流体処理エレメントの外部との両方から流体的に隔離されるように配置されてもよい。いくつかの実施形態では、これらの介在又は中間空間は、隣接する流体処理エレメントのいずれか又は両方の流体処理特性とは異なる流体処理特性を有する機能物質によって占有されてもよい。例えば、図11には、螺旋状に巻かれたディスク形の本体21とコアアセンブリ11とを有する、間隔の空いた隣接する流体処理エレメント12を含む流体処理装置10の一部を示している。流体処理装置10は、図1に示す流体処理装置10と同様であってもよい。図11では、流体処理エレメント12はそれぞれ、単一の流体処理メディア26を有するリボン20を備えてもよく、流体処理エレメント12のすべてが、同一の流体処理特性を提供してもよい。あるいは、1つ以上の流体処理エレメントが図10に示すリボンと同様のリボンを備えてもよい。次に、流体処理エレメントは、第1及び第2の異なる流体処理特性を順次に提供してもよい。さらに別の代替例として、1つ以上の流体処理エレメントは、図3に示すように、複合体として積層された異なる流体処理特性を備える第1及び第2流体処理メディアを有するリボンを備えてもよい。次に、流体処理エレメントは、第1及び第2の異なる流体処理特性を同時に提供してもよい。
【0070】
[0080]図11の流体処理装置10はさらに、供給空間13と透過空間14との間の流体流路内に、少なくとも1つの介在又は中間空間80を含んでもよい。中間空間80は、例えば、コアアセンブリ11の堅固な壁によって、コアアセンブリ11の内部15から隔離されてもよい。中間空間80は、周辺部材36により、流体処理エレメント12の外部から流体的に隔離されてもよい。例えば、供給空間13を取り囲む、孔の空いたバンド37Aと、透過空間14を取り囲む不透過性の孔のないバンド37Bに加えて、周辺部材36は、バンド37C(例えば、中間空間80の外側端部を取り囲み、隣接する流体処理エレメント12の外端35を封止する不透過性の無孔バンド)を含んでもよい。少なくとも透過空間バンド37Bと中間空間バンド37Cとは、相互に軸線方向に当接していてもよい。
【0071】
[0081]図11に示す実施形態においては、処理エレメント12はすべて、コアアセンブリ11に直接隣接する単一セットで配置されてもよく、中間空間80は、その単一セット内の隣接するエレメント12の間に位置してもよい。他の実施形態(例えば、図9に示す実施形態と同様の実施形態)においては、流体処理エレメントは、複数の半径方向にずれたセット内に配置されてもよく、中間空間は、半径方向にずれた、隣接するペアの流体処理エレメントの間に位置してもよい。例えば、各外側空間64Bと、図9の実施形態では外側空間が通じている内側空間62Bとの組み合わせは、流体処理装置の外部とコアアセンブリの内部との間の流体流路内で、半径方向にずれた、隣接するペアの流体処理エレメントの間に位置する中間空間であってもよい。
【0072】
[0082]中間空間80は、隣接する流体処理エレメントの一方又は両方とは異なる流体処理特性を有する機能物質81で占有されてもよい。例えば、機能物質は、図1に示す実施形態の透過性流体処理メディアに関して前に説明した流体処理特性のいずれかを有してもよい。さらに、機能物質は、例えば、空間を充填する粒子床又は空間に挿入された繊維構造体として、繊維素材、シート又はディスクなどを含む、様々な方法で構造化されてもよい。機能物質81は、様々な方法で中間空間80内に配置されてもよい。例えば、機能物質81は、空間80の外周の一部のみ(例えば、50%以上)の周りにバンド37Cを備えるようにして空間80内に配置されてもよい。機能物質81が空間80内の定位置にあるとき、バンド37Cは空間80の周りに完全に固定され、それによって空間80内に機能物質81を封止してもよい。次に、流体処理装置を通って流れる流体は、第1流体処理特性を有する少なくとも1つの流体処理エレメントと、第2の異なる流体処理特性を有する中間空間内の機能物質とを、少なくとも順次に通って、流体処理装置の外部とコアアセンブリの内部との間で、外側から内側に、又は内側から外側に流体流路に沿って流れてもよい。
【0073】
[0083]本発明は、本明細書に説明及び/又は図示した特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲に包含されるすべての実施形態及び変更形態を含むものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空のコアアセンブリと、少なくとも第1流体処理エレメント及び第2流体処理エレメントと、流体流路とを備える流体処理装置であって、
前記コアアセンブリは、内部及び軸線を有し、
前記少なくとも第1流体処理エレメント及び第2流体処理エレメントは、前記コアアセンブリに沿って取り付けられ、前記流体処理エレメントの各々がリボンを含み、前記リボンが、透過性の流体処理メディアを有し、複数の巻回数で螺旋状に巻かれることにより、半径方向寸法を有する略ディスク形の本体を画定し、前記本体が、該本体の一方の側面に第1端面と、該本体の他方の側面に第2端面と、外端とを有し、前記第1流体処理エレメントが第1流体処理特性を有し、前記第2流体処理エレメントが第2流体処理特性を有し、前記第2流体処理特性が前記第1流体処理特性とは異なっており、
前記流体流路は、前記両方の流体処理エレメントの前記第1端面と前記第2端面との間を、前記透過性流体処理メディアを通って、前記コアアセンブリの前記内部へ、又は前記コアアセンブリの前記内部から、概ね端に沿って延びている、流体処理装置。
【請求項2】
前記透過性流体処理メディアが、前記第1流体処理エレメントの前記リボンの単体構成要素である、請求項1に記載の流体処理装置。
【請求項3】
前記第1流体処理エレメントの前記リボンが、多層複合体を備え、前記透過性流体処理メディアが、前記複合体の1つの層である、請求項1に記載の流体処理装置。
【請求項4】
前記第1流体処理エレメントの前記透過性流体処理メディアが、前記第1流体処理特性を有し、前記第2流体処理エレメントの前記透過性流体処理メディアが、前記第2流体処理特性を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項5】
前記第1流体処理エレメントが、前記第2流体処理エレメントから軸線方向にずれている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項6】
前記第1流体処理エレメントが、前記第2流体処理エレメントから半径方向にずれている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項7】
前記コアアセンブリに沿って取り付けられた複数の第1流体処理エレメントと、前記コアアセンブリに沿って取り付けられた複数の第2流体処理エレメントと、少なくともいくつかの隣接する流体処理エレメントの間における空間とをさらに含み、前記コアアセンブリが開口を有し、前記空間のうち少なくとも1つが、前記開口を通して前記コアアセンブリの前記内部に直接開いており、前記流体処理装置が、前記空間を取り囲み、前記空間の外側端部を流体的に閉鎖する周辺部材をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項8】
前記コアアセンブリに沿って取り付けられた複数の第1流体処理エレメントと、前記コアアセンブリに沿って取り付けられた複数の第2流体処理エレメントと、少なくともいくつかの隣接する流体処理エレメントの間の空間とをさらに含み、前記空間のうちの少なくとも1つが、前記隣接する流体処理エレメントの外部に向かって直接開いている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項9】
流体処理エレメントの第1セット及び第2セットをさらに備え、前記第1セットが前記第2セットから半径方向にずれており、前記第1セットが前記第1流体処理エレメントを含み、前記第2セットが前記第2流体処理エレメントを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項10】
前記第1流体処理特性が第1除去率であり、前記第2流体処理特性が第2除去率である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項11】
前記第2除去率が前記第1除去率よりも細かく、前記第2流体処理エレメントが、前記第1流体処理装置から下流の前記流体流路内に配置されている、請求項10に記載の流体処理装置。
【請求項12】
前記第1流体処理特定及び前記第2流体処理特性のうちの一方が除去率であり、前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理特性のうちの他方が機能物質である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項13】
前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントのうちの一方の容積が、前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントのうちの他方の容積よりも小さい、請求項1〜12のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項14】
ハウジングと、この前記ハウジングの内側に配置された、請求項1〜13のいずれか一項に記載の流体処理装置とを備えた流体処理アセンブリであって、前記ハウジングが、第1ポート及び第2ポートを有し、前記第1ポートと前記第2ポートとの間に流体流路を画定し、前記流体処理装置が前記ハウジング内の前記第1ポート及び前記第2ポートとの間で、前記流体流路を横切って配置され、前記流体処理装置の前記流体流路が、前記第1ポートと前記第2ポートとの間の前記流体流路の一部を含む、流体処理アセンブリ。
【請求項15】
中空のコアアセンブリと、複数のディスク形の流体処理エレメントとを備える流体処理装置であって、
前記コアアセンブリは、内部及び軸線を有し、
前記複数の流体処理エレメントの各々は、第1及び第2の対向する側端を有する、少なくとも1本の透過性流体処理メディアのストリップを有するリボンを含み、前記リボンが、複数の巻回数で螺旋状に巻かれ、前記透過性流体処理メディアのストリップの前記第1側端の複数の巻回部を備える第1の軸線方向に対向する端面と、前記透過性流体処理メディアのストリップの前記第2側端の複数の巻回部を備える第2の軸線方向に対向する端面と、外端とを画定し、前記複数の流体処理エレメントが、第1流体処理特性を有する複数の第1流体処理エレメントと、前記第1流体処理特性とは異なる第2流体処理特性を有する複数の第2流体処理エレメントとを含み、前記複数の流体処理エレメントが前記コアアセンブリに沿って配置されて、少なくともいくつかの隣接する流体処理エレメント間に複数の空間を画定し、前記複数の空間が、前記コアアセンブリの前記内部に直接開いている複数の第1空間と、前記流体処理装置の外部に直接開いている複数の第2空間とを含む、流体処理装置。
【請求項16】
前記多孔性流体処理メディアのストリップが、前記リボンの単体構成要素である、請求項15に記載の流体処理装置。
【請求項17】
前記リボンが多層複合体を含み、前記多孔性流体処理メディアのストリップが、前記複合体の1つの層である、請求項15に記載の流体処理装置。
【請求項18】
前記第1流体処理エレメントの各々の前記透過性流体処理メディアのストリップが、前記第1流体処理特性を含み、前記第2流体処理エレメントの各々の前記透過性流体処理メディアのストリップが、前記第2流体処理特性を含む、請求項15、16又は17に記載の流体処理装置。
【請求項19】
前記第1流体処理エレメントの各々が、前記第2流体処理エレメントの各々から軸線方向にずれている、請求項15〜18のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項20】
前記第1流体処理エレメントの各々が、前記第2流体処理エレメントの各々から半径方向にずれている、請求項15〜19のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項21】
前記第1流体処理特性が第1除去率であり、前記第2流体処理特性が第2除去率である、請求項15〜20のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項22】
前記第2除去率が前記第1除去率よりも細かい、請求項21に記載の流体処理装置。
【請求項23】
前記第1流体処理特定及び前記第2流体処理特性のうちの一方が除去率であり、前記第1及び第2流体処理特性のうちの他方が機能物質を含む、請求項15〜20のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項24】
前記第1及び第2流体処理エレメントのうちの一方の容積が、前記第1及び第2流体処理エレメントのうちの他方の容積よりも小さい、請求項15〜23のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項25】
前記第1空間の前記外側端部を閉鎖するために、前記第1空間周りに配置された周辺部材をさらに備える、請求項15〜24のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項26】
ハウジングと、前記ハウジング内に配置された、請求項15〜25のいずれか一項に記載の流体処理装置とを備えた流体処理アセンブリであって、前記ハウジングが、第1及び第2ポートを有し、前記第1及び第2ポートの間の流体流路を画定し、前記流体処理装置が、前記流体流路を横切って前記流体処理エレメントが配置された、前記ハウジング内に置かれている、流体処理アセンブリ。
【請求項27】
複数の巻回数で螺旋状に巻かれることにより、半径方向寸法を有する略ディスク形の本体を画定するリボンを含む流体処理エレメントであって、前記本体が、本体の一方の側面に第1端面と、本体の他方の側面に第2端面と、外端とを有し、前記リボンが、第1及び第2の重ね合わせ層を備える多層複合体を含み、前記第1層が、前記第2層に沿って配置された、略同一平面上の第1及び第2流体処理メディアのストリップを少なくとも含み、前記第1流体処理メディアのストリップが第1流体処理特性を有し、前記第2流体処理メディアのストリップが、前記第1流体処理特性とは異なる第2流体処理特性を有する、流体処理エレメント。
【請求項28】
前記各第1及び第2ストリップの幅が、前記第2層の幅よりも小さい、請求項27に記載の流体処理エレメント。
【請求項29】
前記第1及び第2ストリップが、相互に接して並列に配置されている、請求項27又は28に記載の流体処理エレメント。
【請求項30】
前記第1流体処理特性が第1除去率であり、前記第2流体処理特性が、前記第1除去率とは異なる第2除去率である、請求項27〜29のいずれか一項に記載の流体処理エレメント。
【請求項31】
前記第1流体処理特性と前記第2流体処理特性がより細かい除去率とより粗い除去率をそれぞれ含む、請求項27〜30のいずれか一項に記載の流体処理エレメント。
【請求項32】
内部を有する中空のコアアセンブリと、前記コアアセンブリに沿って取り付けられた、少なくとも第1流体処理エレメント及び第2流体処理エレメントとを備えた流体処理装置であって、前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントのうちの少なくとも一方が、請求項27〜31のいずれか一項に記載の流体処理エレメントを含む、流体処理装置。
【請求項33】
ハウジングと、前記ハウジングの内側に配置された請求項32に記載の流体処理装置とを含んだ流体処理アセンブリであって、前記ハウジングが、第1ポート及び第2ポートを有し、前記第1ポートと前記第2ポートとの間の流体流路を画定し、前記流体処理装置が、前記ハウジング内に前記流体流路を横切って配置されている、流体処理アセンブリ。
【請求項34】
第1流体処理特性を有する、螺旋状に巻かれたディスク形の第1流体処理エレメントと、前記第1流体処理特性とは異なる第2流体処理特性を有する、螺旋状に巻かれたディスク形の第2流体処理エレメントとを、中空のコアアセンブリに沿って配置するステップであり、前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントを前記コアアセンブリに沿って配置するステップを含む、 流体処理装置を製造する方法であって、
前記ステップが、前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントの前記巻回部の概ね端に沿って順次に通過し、前記コアアセンブリの内部へ、また、前記コアアセンブリの内部から延びている流体流路内に、前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントを配置する工程を含む、方法。
【請求項35】
前記第1流体処理エレメントを形成するために、複数の巻回数の前記第1流体処理特性を有する透過性流体処理メディアを含む第1リボンを螺旋状に巻くステップと、
前記第2流体処理エレメントを形成するために、複数の巻回数の前記第2流体処理特性を有する透過性流体処理メディアを含む第2リボンを螺旋状に巻くステップと、をさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第1リボンを螺旋状に巻くステップと、前記第2リボンを螺旋状に巻くステップと、前記第1及び第2流体処理エレメントを前記コアアセンブリの周りに配置するステップとは、前記コアアセンブリに沿った第1位置において、前記コアアセンブリ周りに前記第1リボンを螺旋状に巻く工程と、前記コアアセンブリに沿った第2位置において、前記コアアセンブリ周りに前記第2リボンを螺旋状に巻く工程とを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
複数の巻回数の前記第1流体処理特性を有する前記透過性流体処理メディアを含む、シートアセンブリを螺旋状に巻くステップと、前記螺旋状に巻かれたシートアセンブリから前記第1流体処理エレメントを切断するステップとをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記コアアセンブリに沿って前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントを配置するステップが、前記コアアセンブリに沿って前記第1流体処理エレメントを第1位置まで軸線方向に摺動させる工程と、前記コアアセンブリに沿って前記第2流体処理エレメントを第2位置まで軸線方向に摺動させる工程とを含む、請求項34、35及び37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントを前記コアアセンブリに沿って配置するステップが、複数の第1流体処理エレメントと複数の第2流体処理エレメントとを、中空の前記コアアセンブリに沿って、相互に軸線方向にずらせて配置する工程を含む、請求項34〜38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントを前記コアアセンブリに沿って配置するステップが、複数の第1流体処理エレメントと複数の第2流体処理エレメントとを、前記中空のコアアセンブリに沿って、相互に半径方向にずらせて配置する工程を含む、請求項34〜39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
第1層及び第2層を重ね合わせてリボンを形成するステップであって、第1流体処理特性を有する、透過性の第1流体処理メディアストリップを、前記第1流体処理特性とは異なる第2流体処理特性を有する、透過性の第2流体処理メディアストリップと略同一平面上に配置して、前記第1層を形成する工程を含む、ステップと、
複数の巻回数で前記リボンを巻くことにより、第1及び第2の軸線方向に向く端面と外端とを有するディスク形の流体処理エレメントを形成するステップと、
を含む、流体処理エレメントを製造する方法。
【請求項42】
前記第1ストリップを前記第2ストリップと同一平面上に配置するステップが、前記ストリップの側端を接触させる工程を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
第1流体処理特性を有する、螺旋状に巻かれた透過性の第1流体処理メディアのストリップの巻回部の概ね端に沿って通過するように流体を誘導するステップと、次いで、
前記第1流体処理特性とは異なる第2流体処理特性を有する、螺旋状に巻かれた透過性の第2流体処理メディアのストリップの巻回部の概ね端に沿って通過するように前記流体を誘導するステップと、
を含む、流体を処理する方法。
【請求項44】
前記螺旋状に巻かれた第1ストリップの前記巻回部を通して前記流体を誘導するステップが、螺旋状に巻かれた第1流体処理エレメントの前記巻回部を通して前記流体を誘導する工程を含み、前記螺旋状に巻かれた第2ストリップの前記巻回部を通して前記流体を誘導するステップが、螺旋状に巻かれた第2流体処理エレメントの前記巻回部を通して前記流体を誘導する工程を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
内部及び軸線を有する中空のコアアセンブリと、
前記コアアセンブリに沿って取り付けられた、少なくとも第1流体処理エレメント及び第2流体処理エレメントであり、前記流体処理エレメントの各々が、透過性流体処理メディアを有し、複数の巻回数で螺旋状に巻かれて、半径方向の寸法と、一方の側面に第1端面と、他方の側面に第2端面と、外端とを有する略ディスク形の本体を画定するリボンを含み、当該第1流体処理エレメント及び当該第2流体処理エレメントのうちの少なくとも一方が第1流体処理特性を有する、第1流体処理エレメント及び第2流体処理エレメントと、
前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントのうちの少なくとも一方に隣接する空間であり、前記空間が、前記コアアセンブリの内部と前記流体処理装置の外部から隔離されている、空間と、
前記空間内に配置された機能物質であり、前記機能物質が、前記第1流体処理特性とは異なる第2流体処理特性を有する、機能物質と、
前記第1流体処理特性を有する前記流体処理エレメントと、前記第2流体処理特性を有する前記機能物質とを順次通過して、前記コアアセンブリの前記内部へ、又は前記コアアセンブリの前記内部から延びる流体流路と、
を備える、流体処理装置。
【請求項46】
前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントが相互に隣接し、前記空間が前記第1流体処理エレメントと前記第2流体処理エレメントとの間に配置されている、請求項45に記載の流体処理装置。
【請求項47】
前記第2流体処理エレメントが前記第1流体処理エレメントから半径方向にずれている、請求項45に記載の流体処理装置。
【請求項48】
前記機能物質が粒子床を含む、請求項45〜47のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項49】
前記機能物質が繊維構造を含む、請求項45〜47のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項1】
中空のコアアセンブリと、少なくとも第1流体処理エレメント及び第2流体処理エレメントと、流体流路とを備える流体処理装置であって、
前記コアアセンブリは、内部及び軸線を有し、
前記少なくとも第1流体処理エレメント及び第2流体処理エレメントは、前記コアアセンブリに沿って取り付けられ、前記流体処理エレメントの各々がリボンを含み、前記リボンが、透過性の流体処理メディアを有し、複数の巻回数で螺旋状に巻かれることにより、半径方向寸法を有する略ディスク形の本体を画定し、前記本体が、該本体の一方の側面に第1端面と、該本体の他方の側面に第2端面と、外端とを有し、前記第1流体処理エレメントが第1流体処理特性を有し、前記第2流体処理エレメントが第2流体処理特性を有し、前記第2流体処理特性が前記第1流体処理特性とは異なっており、
前記流体流路は、前記両方の流体処理エレメントの前記第1端面と前記第2端面との間を、前記透過性流体処理メディアを通って、前記コアアセンブリの前記内部へ、又は前記コアアセンブリの前記内部から、概ね端に沿って延びている、流体処理装置。
【請求項2】
前記透過性流体処理メディアが、前記第1流体処理エレメントの前記リボンの単体構成要素である、請求項1に記載の流体処理装置。
【請求項3】
前記第1流体処理エレメントの前記リボンが、多層複合体を備え、前記透過性流体処理メディアが、前記複合体の1つの層である、請求項1に記載の流体処理装置。
【請求項4】
前記第1流体処理エレメントの前記透過性流体処理メディアが、前記第1流体処理特性を有し、前記第2流体処理エレメントの前記透過性流体処理メディアが、前記第2流体処理特性を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項5】
前記第1流体処理エレメントが、前記第2流体処理エレメントから軸線方向にずれている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項6】
前記第1流体処理エレメントが、前記第2流体処理エレメントから半径方向にずれている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項7】
前記コアアセンブリに沿って取り付けられた複数の第1流体処理エレメントと、前記コアアセンブリに沿って取り付けられた複数の第2流体処理エレメントと、少なくともいくつかの隣接する流体処理エレメントの間における空間とをさらに含み、前記コアアセンブリが開口を有し、前記空間のうち少なくとも1つが、前記開口を通して前記コアアセンブリの前記内部に直接開いており、前記流体処理装置が、前記空間を取り囲み、前記空間の外側端部を流体的に閉鎖する周辺部材をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項8】
前記コアアセンブリに沿って取り付けられた複数の第1流体処理エレメントと、前記コアアセンブリに沿って取り付けられた複数の第2流体処理エレメントと、少なくともいくつかの隣接する流体処理エレメントの間の空間とをさらに含み、前記空間のうちの少なくとも1つが、前記隣接する流体処理エレメントの外部に向かって直接開いている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項9】
流体処理エレメントの第1セット及び第2セットをさらに備え、前記第1セットが前記第2セットから半径方向にずれており、前記第1セットが前記第1流体処理エレメントを含み、前記第2セットが前記第2流体処理エレメントを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項10】
前記第1流体処理特性が第1除去率であり、前記第2流体処理特性が第2除去率である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項11】
前記第2除去率が前記第1除去率よりも細かく、前記第2流体処理エレメントが、前記第1流体処理装置から下流の前記流体流路内に配置されている、請求項10に記載の流体処理装置。
【請求項12】
前記第1流体処理特定及び前記第2流体処理特性のうちの一方が除去率であり、前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理特性のうちの他方が機能物質である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項13】
前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントのうちの一方の容積が、前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントのうちの他方の容積よりも小さい、請求項1〜12のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項14】
ハウジングと、この前記ハウジングの内側に配置された、請求項1〜13のいずれか一項に記載の流体処理装置とを備えた流体処理アセンブリであって、前記ハウジングが、第1ポート及び第2ポートを有し、前記第1ポートと前記第2ポートとの間に流体流路を画定し、前記流体処理装置が前記ハウジング内の前記第1ポート及び前記第2ポートとの間で、前記流体流路を横切って配置され、前記流体処理装置の前記流体流路が、前記第1ポートと前記第2ポートとの間の前記流体流路の一部を含む、流体処理アセンブリ。
【請求項15】
中空のコアアセンブリと、複数のディスク形の流体処理エレメントとを備える流体処理装置であって、
前記コアアセンブリは、内部及び軸線を有し、
前記複数の流体処理エレメントの各々は、第1及び第2の対向する側端を有する、少なくとも1本の透過性流体処理メディアのストリップを有するリボンを含み、前記リボンが、複数の巻回数で螺旋状に巻かれ、前記透過性流体処理メディアのストリップの前記第1側端の複数の巻回部を備える第1の軸線方向に対向する端面と、前記透過性流体処理メディアのストリップの前記第2側端の複数の巻回部を備える第2の軸線方向に対向する端面と、外端とを画定し、前記複数の流体処理エレメントが、第1流体処理特性を有する複数の第1流体処理エレメントと、前記第1流体処理特性とは異なる第2流体処理特性を有する複数の第2流体処理エレメントとを含み、前記複数の流体処理エレメントが前記コアアセンブリに沿って配置されて、少なくともいくつかの隣接する流体処理エレメント間に複数の空間を画定し、前記複数の空間が、前記コアアセンブリの前記内部に直接開いている複数の第1空間と、前記流体処理装置の外部に直接開いている複数の第2空間とを含む、流体処理装置。
【請求項16】
前記多孔性流体処理メディアのストリップが、前記リボンの単体構成要素である、請求項15に記載の流体処理装置。
【請求項17】
前記リボンが多層複合体を含み、前記多孔性流体処理メディアのストリップが、前記複合体の1つの層である、請求項15に記載の流体処理装置。
【請求項18】
前記第1流体処理エレメントの各々の前記透過性流体処理メディアのストリップが、前記第1流体処理特性を含み、前記第2流体処理エレメントの各々の前記透過性流体処理メディアのストリップが、前記第2流体処理特性を含む、請求項15、16又は17に記載の流体処理装置。
【請求項19】
前記第1流体処理エレメントの各々が、前記第2流体処理エレメントの各々から軸線方向にずれている、請求項15〜18のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項20】
前記第1流体処理エレメントの各々が、前記第2流体処理エレメントの各々から半径方向にずれている、請求項15〜19のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項21】
前記第1流体処理特性が第1除去率であり、前記第2流体処理特性が第2除去率である、請求項15〜20のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項22】
前記第2除去率が前記第1除去率よりも細かい、請求項21に記載の流体処理装置。
【請求項23】
前記第1流体処理特定及び前記第2流体処理特性のうちの一方が除去率であり、前記第1及び第2流体処理特性のうちの他方が機能物質を含む、請求項15〜20のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項24】
前記第1及び第2流体処理エレメントのうちの一方の容積が、前記第1及び第2流体処理エレメントのうちの他方の容積よりも小さい、請求項15〜23のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項25】
前記第1空間の前記外側端部を閉鎖するために、前記第1空間周りに配置された周辺部材をさらに備える、請求項15〜24のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項26】
ハウジングと、前記ハウジング内に配置された、請求項15〜25のいずれか一項に記載の流体処理装置とを備えた流体処理アセンブリであって、前記ハウジングが、第1及び第2ポートを有し、前記第1及び第2ポートの間の流体流路を画定し、前記流体処理装置が、前記流体流路を横切って前記流体処理エレメントが配置された、前記ハウジング内に置かれている、流体処理アセンブリ。
【請求項27】
複数の巻回数で螺旋状に巻かれることにより、半径方向寸法を有する略ディスク形の本体を画定するリボンを含む流体処理エレメントであって、前記本体が、本体の一方の側面に第1端面と、本体の他方の側面に第2端面と、外端とを有し、前記リボンが、第1及び第2の重ね合わせ層を備える多層複合体を含み、前記第1層が、前記第2層に沿って配置された、略同一平面上の第1及び第2流体処理メディアのストリップを少なくとも含み、前記第1流体処理メディアのストリップが第1流体処理特性を有し、前記第2流体処理メディアのストリップが、前記第1流体処理特性とは異なる第2流体処理特性を有する、流体処理エレメント。
【請求項28】
前記各第1及び第2ストリップの幅が、前記第2層の幅よりも小さい、請求項27に記載の流体処理エレメント。
【請求項29】
前記第1及び第2ストリップが、相互に接して並列に配置されている、請求項27又は28に記載の流体処理エレメント。
【請求項30】
前記第1流体処理特性が第1除去率であり、前記第2流体処理特性が、前記第1除去率とは異なる第2除去率である、請求項27〜29のいずれか一項に記載の流体処理エレメント。
【請求項31】
前記第1流体処理特性と前記第2流体処理特性がより細かい除去率とより粗い除去率をそれぞれ含む、請求項27〜30のいずれか一項に記載の流体処理エレメント。
【請求項32】
内部を有する中空のコアアセンブリと、前記コアアセンブリに沿って取り付けられた、少なくとも第1流体処理エレメント及び第2流体処理エレメントとを備えた流体処理装置であって、前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントのうちの少なくとも一方が、請求項27〜31のいずれか一項に記載の流体処理エレメントを含む、流体処理装置。
【請求項33】
ハウジングと、前記ハウジングの内側に配置された請求項32に記載の流体処理装置とを含んだ流体処理アセンブリであって、前記ハウジングが、第1ポート及び第2ポートを有し、前記第1ポートと前記第2ポートとの間の流体流路を画定し、前記流体処理装置が、前記ハウジング内に前記流体流路を横切って配置されている、流体処理アセンブリ。
【請求項34】
第1流体処理特性を有する、螺旋状に巻かれたディスク形の第1流体処理エレメントと、前記第1流体処理特性とは異なる第2流体処理特性を有する、螺旋状に巻かれたディスク形の第2流体処理エレメントとを、中空のコアアセンブリに沿って配置するステップであり、前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントを前記コアアセンブリに沿って配置するステップを含む、 流体処理装置を製造する方法であって、
前記ステップが、前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントの前記巻回部の概ね端に沿って順次に通過し、前記コアアセンブリの内部へ、また、前記コアアセンブリの内部から延びている流体流路内に、前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントを配置する工程を含む、方法。
【請求項35】
前記第1流体処理エレメントを形成するために、複数の巻回数の前記第1流体処理特性を有する透過性流体処理メディアを含む第1リボンを螺旋状に巻くステップと、
前記第2流体処理エレメントを形成するために、複数の巻回数の前記第2流体処理特性を有する透過性流体処理メディアを含む第2リボンを螺旋状に巻くステップと、をさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第1リボンを螺旋状に巻くステップと、前記第2リボンを螺旋状に巻くステップと、前記第1及び第2流体処理エレメントを前記コアアセンブリの周りに配置するステップとは、前記コアアセンブリに沿った第1位置において、前記コアアセンブリ周りに前記第1リボンを螺旋状に巻く工程と、前記コアアセンブリに沿った第2位置において、前記コアアセンブリ周りに前記第2リボンを螺旋状に巻く工程とを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
複数の巻回数の前記第1流体処理特性を有する前記透過性流体処理メディアを含む、シートアセンブリを螺旋状に巻くステップと、前記螺旋状に巻かれたシートアセンブリから前記第1流体処理エレメントを切断するステップとをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記コアアセンブリに沿って前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントを配置するステップが、前記コアアセンブリに沿って前記第1流体処理エレメントを第1位置まで軸線方向に摺動させる工程と、前記コアアセンブリに沿って前記第2流体処理エレメントを第2位置まで軸線方向に摺動させる工程とを含む、請求項34、35及び37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントを前記コアアセンブリに沿って配置するステップが、複数の第1流体処理エレメントと複数の第2流体処理エレメントとを、中空の前記コアアセンブリに沿って、相互に軸線方向にずらせて配置する工程を含む、請求項34〜38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントを前記コアアセンブリに沿って配置するステップが、複数の第1流体処理エレメントと複数の第2流体処理エレメントとを、前記中空のコアアセンブリに沿って、相互に半径方向にずらせて配置する工程を含む、請求項34〜39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
第1層及び第2層を重ね合わせてリボンを形成するステップであって、第1流体処理特性を有する、透過性の第1流体処理メディアストリップを、前記第1流体処理特性とは異なる第2流体処理特性を有する、透過性の第2流体処理メディアストリップと略同一平面上に配置して、前記第1層を形成する工程を含む、ステップと、
複数の巻回数で前記リボンを巻くことにより、第1及び第2の軸線方向に向く端面と外端とを有するディスク形の流体処理エレメントを形成するステップと、
を含む、流体処理エレメントを製造する方法。
【請求項42】
前記第1ストリップを前記第2ストリップと同一平面上に配置するステップが、前記ストリップの側端を接触させる工程を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
第1流体処理特性を有する、螺旋状に巻かれた透過性の第1流体処理メディアのストリップの巻回部の概ね端に沿って通過するように流体を誘導するステップと、次いで、
前記第1流体処理特性とは異なる第2流体処理特性を有する、螺旋状に巻かれた透過性の第2流体処理メディアのストリップの巻回部の概ね端に沿って通過するように前記流体を誘導するステップと、
を含む、流体を処理する方法。
【請求項44】
前記螺旋状に巻かれた第1ストリップの前記巻回部を通して前記流体を誘導するステップが、螺旋状に巻かれた第1流体処理エレメントの前記巻回部を通して前記流体を誘導する工程を含み、前記螺旋状に巻かれた第2ストリップの前記巻回部を通して前記流体を誘導するステップが、螺旋状に巻かれた第2流体処理エレメントの前記巻回部を通して前記流体を誘導する工程を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
内部及び軸線を有する中空のコアアセンブリと、
前記コアアセンブリに沿って取り付けられた、少なくとも第1流体処理エレメント及び第2流体処理エレメントであり、前記流体処理エレメントの各々が、透過性流体処理メディアを有し、複数の巻回数で螺旋状に巻かれて、半径方向の寸法と、一方の側面に第1端面と、他方の側面に第2端面と、外端とを有する略ディスク形の本体を画定するリボンを含み、当該第1流体処理エレメント及び当該第2流体処理エレメントのうちの少なくとも一方が第1流体処理特性を有する、第1流体処理エレメント及び第2流体処理エレメントと、
前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントのうちの少なくとも一方に隣接する空間であり、前記空間が、前記コアアセンブリの内部と前記流体処理装置の外部から隔離されている、空間と、
前記空間内に配置された機能物質であり、前記機能物質が、前記第1流体処理特性とは異なる第2流体処理特性を有する、機能物質と、
前記第1流体処理特性を有する前記流体処理エレメントと、前記第2流体処理特性を有する前記機能物質とを順次通過して、前記コアアセンブリの前記内部へ、又は前記コアアセンブリの前記内部から延びる流体流路と、
を備える、流体処理装置。
【請求項46】
前記第1流体処理エレメント及び前記第2流体処理エレメントが相互に隣接し、前記空間が前記第1流体処理エレメントと前記第2流体処理エレメントとの間に配置されている、請求項45に記載の流体処理装置。
【請求項47】
前記第2流体処理エレメントが前記第1流体処理エレメントから半径方向にずれている、請求項45に記載の流体処理装置。
【請求項48】
前記機能物質が粒子床を含む、請求項45〜47のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項49】
前記機能物質が繊維構造を含む、請求項45〜47のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2010−522074(P2010−522074A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554665(P2009−554665)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【国際出願番号】PCT/US2008/057016
【国際公開番号】WO2008/115800
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(596064112)ポール・コーポレーション (70)
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【国際出願番号】PCT/US2008/057016
【国際公開番号】WO2008/115800
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(596064112)ポール・コーポレーション (70)
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
【Fターム(参考)】
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