流体分注器
シャワー室の囲壁を液体洗剤で噴霧するための自動噴霧装置が提供される。噴霧装置は、液体を収納するのに適したボトルと、ハウジングと、ボトルと流体的に連通しハウジング内に配置されたポンプと、ハウジング表面の開口から延伸する回転可能なドーム型噴霧ヘッドと、その出口が回転可能な噴霧ヘッドの側壁の開口内に位置するように配置され、ポンプの出口と流体的に連通する、噴霧ノズルと、ハウジング内に配置されたモータとモータ軸と回転可能な噴霧ヘッドとポンプとに操作可能に連結された変速機と、を含む。変速機は、モータ軸の回転運動を伝動してポンプを駆動し、回転可能な噴霧ヘッドを回転させ、液体がハウジングの周りに放射状に噴霧されるようにする。これによりシャワー室の囲壁に接触する円形の噴霧パターンが提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国特許仮出願第61/043,921号に基づく優先権を主張する。
【0002】
本発明は、物質を分注、分配、送出する装置、システム、及び方法に関する。特に、本発明は、液体(例えば、洗剤、消毒薬、脱臭剤など)を分注する装置及び方法に関する。更には、本発明は、操作者がいる場合またはいない場合、及び/又は操作者を必要としない場合または望まれる場合を含めて、閉ざされた領域又は画定された境界内で液体を分注することに関する。一実施形態において、本発明は、家庭に一般的にあるようなタイプの、シャワー室/浴室の囲壁の自動洗浄に特に好適である。
【背景技術】
【0003】
シャワー室の囲壁/ドアは、通常の使用をしている間に、カビが生えたり、石鹸垢や、水垢及び/又は無機堆積物で覆われたり、或いはそれ以外で汚れたりすることがある。このような堆積物や汚れを取り去るには、従来、特に掃除をしてからかなりの時間が経ってしまった場合には、壁やドアを手でこすり洗いする必要があった。
【0004】
この作業を補助するために、洗浄する面に洗浄用薬品を噴霧したり、吹き付けたり、或いは別の方法で塗布したりすることが行われてきた。そうして、壁を布、ブラシ、スポンジタワシ等でこすり洗いした後に、水で洗い流していた。
【0005】
最近になって、これらの洗剤の中に、特に毎日噴霧すれば、洗浄効果を損なうことなしに、こすり洗いの量が少なくて済むか、又はこすり洗いをしなくて済む、というようなものが作られてきた。これらの洗剤は、塗布した後に何時間か、又は何日間か洗い流さなかったとしても、それ自身が斑点や、その他の目につくシミになったりしないようになっている。
【0006】
「こすり洗いなし」の洗剤は、好ましくは、シャワーの使用後に塗布される。これは、ユーザが、洗剤の入ったポンプ式噴霧ボトルをシャワー室の囲壁の中かその近くに置いておき、噴霧することを忘れないでいて(これはユーザが目を覚ましたばかりのときには困難かもしれないが)、かつ囲壁の噴霧に要する時間を割くつもりがある(又は割くことができる)場合に、達成される。
【0007】
これに替わるこすり洗いなしの方法は、シャワー室用の自動噴霧装置を提供することである。例えば、特許文献1〜4は、内部ポンプを利用して、タンク内の洗浄液を回転ノズルを通して囲壁に噴霧する、自動洗浄噴霧装置を開示している。ユーザは、起動ボタンを押してシャワー室を出て、装置に噴霧サイクルを行わせる。囲壁をこすり洗いする必要も、洗浄液を洗い流す必要もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,820,821号
【特許文献2】米国特許第7,021,494号
【特許文献3】米国特許第7,308,990号
【特許文献4】米国特許第7,337,989号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この種々の自動噴霧装置があるにもかかわらず、囲壁に液体を噴霧するのに利用できる、別の自動噴霧装置の必要性がまだある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前述の自動噴霧装置に対する要求を満たすものである。一態様において、本発明は、囲壁に液体を噴霧するための自動噴霧装置を提供する。噴霧装置は、液体を収納するのに好適なボトルと、ハウジングと、ハウジング内に配置されボトルと流体的に連通したポンプと、ハウジング表面の開口から延伸する回転可能なドーム型の噴霧ヘッドと、その出口が回転可能な噴霧ヘッドの開口内に位置するように配置され、ポンプの出口と流体的に連通している噴霧ノズルと、ハウジング内に配置されたモータと、モータの軸と回転可能な噴霧ヘッドとポンプとに操作可能に連結された変速機と、を含む。変速機は、モータの軸の回転運動を伝動してポンプを駆動し、回転可能な噴霧ヘッドを回転させ、液体がハウジングの周りに放射状に噴霧されるようにする。
【0011】
伝動装置は、一形態としてはギア変速機である。ポンプは、ギア変速機のポンプ駆動ギアと操作可能に連結でき、また、ポンプ駆動ギアは、ポンプのシリンダ内でピストンを往復させるプッシュロッドと操作可能に連結できる。ギア変速機はケースで囲まれ、噴霧ノズルは、ポンプの出口と流体的に連通している管状の流体入口を含み、管状流体入口は、ケースの開口を貫通して延伸することが可能である。管状流体入口は、ギア変速機の噴霧ノズル駆動ギアの中央開口に取り付けることができる。
【0012】
噴霧装置の一タイプにおいては、回転可能な噴霧ヘッドは、ハウジングの上部表面の開口の上へ軸方向に延伸する。囲壁中に噴霧装置を取り付けるためのフックも含まれ、噴霧装置が囲壁の内部に取り付けられる場合には、伝動装置はモータとポンプの上方に配置される。噴霧装置が囲壁中に取り付けられる場合、ハウジングと回転可能な噴霧ヘッドは、ボトルの上方に配置される。
【0013】
自動噴霧装置のハウジングは、ボトルのくびにある合体用ねじ山に係合するための内部ねじ山を有するボトル継ぎ手を含むことができる。ボトル継ぎ手は、ポンプの入口と流体的に連通している液体通路と、ハウジングの内部と流体的に連通している通気路と、を含むことができる。通気路の一形態は、逆止弁と流体的に連通している。ハウジングの下端は、ボトルのくびに係合するためのボトルインタフェースを含み、ボトルインタフェースは、モータの動力源用の少なくとも1つの隔室を含んでいる。
【0014】
自動噴霧装置は、電源及びモータと電気的に導通している制御回路を含むことができ、
制御回路は、アクチュエータの動きにより、電源からモータへ電力を供給して噴霧装置の噴霧サイクルを始動させる。制御回路は又、電源からモータへの電力供給を停止して噴霧サイクルを自動的に終了させる。制御回路は、アクチュエータが動いた後、所定の時間だけ、電源からモータへの電力供給を遅延させるタイマを含むことができる。
【0015】
本発明の別の態様においては、囲壁に液体を噴霧するための自動噴霧装置が提供される。噴霧装置は、液体を収納するのに好適なボトルと、ハウジングと、ボトルと流体的に連通しハウジング内に配置されたポンプと、ハウジングの上部表面の開口の上へ軸方向に延伸する回転可能なドーム型の噴霧ヘッドと、その出口が回転可能な噴霧ヘッドの開口内に位置するように配置され、ポンプの出口と流体的に連通している噴霧ノズルと、ハウジング内に配置されたモータと、モータと電気的に導通しハウジング内に配置された動力源と、ハウジング内に配置されたギア変速機と、を含む。ギア変速機の第1のギアは、モータの軸と操作可能に連結し、ギア変速機の第2のギアは、前記回転可能な噴霧ヘッドと操作可能に連結し、ギア変速機の第3のギアは、ポンプと操作可能に連結する。ギア変速機は、モータの軸の回転運動を伝動してポンプを駆動し、回転可能な噴霧ヘッドを回転させ、液体がハウジングの周りに放射状に噴霧されるようにする。
【0016】
自動噴霧装置の1つのタイプでは、ギア変速機はケースで囲まれ、噴霧ノズルは、ポンプの出口と流体的に連通している管状の流体入口を含み、管状流体入口は、ケースの開口を貫通して延伸する。管状流体入口は、ギア変速機の第2のギアの中央開口に取り付けられてもよい。自動噴霧装置は、囲壁中に噴霧装置を取り付けるためのフックも含むことが可能で、噴霧装置が囲壁の内部に取り付けられる場合には、ギア変速機はモータとポンプの上方に配置されてもよい。噴霧装置が囲壁中に取り付けられる場合、ハウジングと回転可能な噴霧ヘッドもまた、ボトルの上方に配置されてもよい。
【0017】
本発明の利点は、以下の説明で明確となるであろう。その説明においては、説明の一部を構成する添付の図面を参照する。そして図面は、本発明の例示的な実施形態を例として示す。これらの例示的実施形態は本発明の全範囲を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明による、シャワーパイプに吊るされた自動噴霧装置の斜視図である。
【図2】図1の自動噴霧装置の分解斜視図である
【図3】図1の自動噴霧装置の噴霧ヘッド及び上部ハウジングの部分分解斜視図である。
【図4】図1の自動噴霧装置の噴霧ヘッド及び上部ハウジングの部分斜視図である。
【図5】図1の自動噴霧装置の噴霧ヘッド(上部ハウジングは省略されている)の部分斜視図である。
【図6】図1の自動噴霧装置の、モータ、ポンプ、及びギア変速機(上部ギアケースが省略されている)の斜視図である。
【図7】図6の線7−7に沿った断面図である。
【図8】図6の線8−8に沿った断面図である。
【図9】図6の線9−9に沿った断面図である。
【図10】本発明による自動噴霧装置の別の実施形態の正面斜視図である。
【図11】図10の自動噴霧装置の背面斜視図である
【図12】本発明による自動噴霧装置での使用に好適な通気バルブの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の詳細な説明においては、各図における同様な部品を同じ参照番号で参照する。
【0020】
図1〜9と図12を参照すると、本発明による自動噴霧装置10の実施形態の一例が示されている。噴霧装置10は、図1に示すように、シャワーパイプ14から噴霧装置10を吊るすためのフック12を含んでいる。噴霧装置10は、シャワー室/浴室の囲壁に、リンスの必要なしに、洗浄、及び/又はフレッシュ化、及び/又は消毒に適した液体を、自動噴霧するのに特に好適である。
【0021】
図2を参照すると、噴霧装置10は、外側にねじ山18のある中空のくび17を有するボトル16を含んでいる。ボトル16は、シャワー室/浴室の囲壁のような硬質表面の、洗浄、及び/又はフレッシュ化、及び/又は消毒用の液体を収納するのに好適である。シャワー室の囲壁に使用する液体組成の例は、米国特許第6,471,974号及び第6,162,371号に記載されており、それらを本願に引用して援用する。ボトル16は、くび17にねじ込まれたふた(表示せず)の付いた状態で供給されてもよい。このふたは、ボトル16を噴霧装置10に取り付けるまで、ボトル16に収納された液体を保持する。一般的にボトル16は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の好適なポリマー材料で形成されている。ねじ山は、「通常型」ねじ山、又はいわゆる「ベイオネット」型ねじ山のいずれであってもよい。
【0022】
図1〜2を参照すると、噴霧装置10は、円形の底壁23とその底壁23から上方向へ延伸する外壁24とを備えた下部ハウジング部22を有するハウジング20を含んでいる。下部ハウジング部22は、噴霧装置10用の動力源としての電池を収納するための、上方向に延伸した中空の電池隔室25a、25bを含んでいる。電池は、任意のタイプの任意の本数を使用してもよい。取り外し可能なカバー26は、電池隔室25a、25bへのアクセスを提供し、放電済みの電池をユーザが交換できるようにする。カバー26は、ねじのような好適な締め具によって下部ハウジング部22の底壁23に固定することができる。そして、Oリング27a、27bが、カバー26と下部ハウジング部22の底壁23との間の水密シールを提供する。下部ハウジング部22は、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリマー材料から形成することができる。
【0023】
噴霧装置10は、外壁31と頂壁32と頂壁32の反対側の開放端33とを有する、ボトル連結器30もまた含んでいる。外壁31と頂壁32とは、ボトル連結器30の中に、ほぼ円筒形の内部空間を画定する。ボトル連結器30は、第1の導管35と第2の導管36とを含む。第1の導管35は、ボトル連結器30の内部空間と流体的に連通している液体通路を画定する。第2の導管36は、ボトル連結器30の内部空間と流体的に連通している通気路を画定する。ボトル連結器30は、下部ハウジング部22の底壁23にある穴の中に取り付けられる。ボトル連結器30の外壁31の内部表面はねじ山を含んでおり、ボトル16のくび17がボトル連結器30の内部空間にねじ込まれた場合に、ボトル16のくび17の外側にあるねじ山18と、係合して合体する寸法となっている。任意選択として、ボトル連結器30は、ボトル16中に設けられた浸漬チューブと合体してもよい。
【0024】
次に図1、2、12を参照すると、噴霧装置10は、外気からボトル16を通気する逆止弁40も含んでいる。噴霧装置のポンプ中に引き込まれた液体の体積を空気が置き替え、ボトル16がつぶれるのを防ぐ。逆止弁40は、逆止弁40の内部空間43を画定する外壁42を有するバルブハウジング41を含む。第1の導管44は、内部空間43への空気の流路を提供する。逆止弁40は開放端45を有し、又、概ね漏斗状の端部形状をして、開放端45へ圧入される、第2の導管46を有している。環状の弁座47が、第2の導管の漏斗状端部に設けられる。逆止弁40は、可撓性の環状シール48を含み、図12に示すように逆止弁40がノーマルクローズの位置にある場合には、環状弁座47に当接している。逆止弁40は、螺旋形の圧縮ばね49を含み、それが、傘型のバルブ要素50を付勢してバルブシール48に押しあてて、バルブシール48をノーマルクローズの位置に保持する。逆止弁40の形態の例として、バルブシール48はエラストマ材料から作られ、ばねはカーボン又はステンレススチールから作られ、逆止弁40の残りの部品は、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリマー材料から作られてもよい。
【0025】
逆止弁40の第1の導管44は、ボトル連結器30の第2の導管36の中へ圧入することができ、この第1の導管44は、ボトル連結器30の内部空間と、ボトル連結器30に取り付けられているボトル16とに流体的に連通するように配置される。液体がボトル16から引出されると、ボトル16内に負圧が発生する。負圧が、ばね49の付勢力、及び/又は環状弁座47に対する環状バルブシール48のシール力に勝ると、大気が環状バルブシール48と環状弁座47との間を流れて逆止弁40の内部空間43に入り込み、第1の導管44を通って、ボトル連結器30の内部空間及びボトル16の内部へ流れ込んで通気する。代替方法として、ボトル16への空気の吸引に好適な、その他の任意のタイプの逆止弁が利用されてもよい。
【0026】
図1、2では、噴霧装置10のハウジング20は、概ね円形の中間ハウジング部56も含む。これは、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリマー材料からできていてもよい。中間ハウジング部56は、フック12(図4参照)の下端を係合するための、取付ブラケット57を有する。中間ハウジング部56の壁60には、アクチュエータボタン59が組み込まれている。中間ハウジング部56の下部リム61が下部ハウジング部22に締りばめで係合する圧入によって、中間ハウジング部56は、下部ハウジング部22に組み込まれる。Oリング65が、中間ハウジング部56と下部ハウジング部22との間の水密シールを与える。制御回路機構63が中間ハウジング部56内に配置される。制御回路機構63の制御回路の機能に関しては、以下で説明する。
【0027】
次に図2、8、9を参照すると、噴霧装置10はポンプ70も含む。図示したポンプ70はピストンポンプであるが、膜ポンプ、蠕動ポンプ、又は歯車ポンプ等の他の種類のポンプを噴霧装置10に使用することも可能である。ポンプ70は、入口導管72と開放端74と出口導管75とを有するポンプハウジング71を含んでいる。一方向逆止弁が、入口導管72の上流に設けられている。一方向逆止弁は、液体が入口導管72の他へは流れないようにして、ポンプを動作可能な状態に維持し、液体がボトル16へ逆流しないようにする。中空の管53が、ボトル連結器30の第1の導管35と、ポンプ70の入口導管72とを流体的に連通させる。ポンプのシリンダ77は、図8と9に示すように、ポンプハウジング71の中に配置される。ピストン79はポンプシリンダ77の中を往復し、ピストンシール80は、ポンプ70の動作時において、ポンプシリンダ77の内表面との密閉を確保する。カバー81は、流体に対する密閉シールを提供するOリング82で、ポンプ70の開放端74を密閉する。ポンプ70は、下方に延びるピン87を備えた偏心体86を有する、ポンプ駆動軸85を含んでいる。ポンプ70は、開口91を持つ横長の端部90を有し、その横長端部90をピストン79に連結するステム92を有する、プッシュロッド89も含んでいる。
【0028】
図2、5、6を参照すると、ポンプ70は、単一駆動軸95を有する直流モータ94を有している。好適な配線(図示せず)により、モータ94は制御回路機構63と電気的に導通している。配線(図示せず)はまた、電池隔室25a、25b中の電池を制御回路機構63に電気的に導通させる。配線(図示せず)はまた、アクチュエータボタン59を制御回路機構63に電気的に導通させる。制御回路機構63の制御回路の機能は、以下で説明する。
【0029】
次に図2、5、6、7を参照すると、噴霧装置10はまた、モータ94からポンプ70へ機械的な力を伝達するためのギア変速機101も含んでいる。ギア変速機101は、下部ケース部102と、それに合体する上部ケース部103とを含んでいる。ギア駆動列105はケース中に収納されている。図6を見ると、ギア駆動列105は、モータ94の駆動軸95に連結したピニオンギア107を含んでいる。ギア109a、109b、109c、109d、109e、109fは、ピニオンギア107の回転を噴霧ノズル駆動ギア111に伝達する。ギア駆動列105は、軸114に連結されたポンプ駆動ギア113も含んでいる。ギア115a、115bは、噴霧ノズル駆動ギア111から、ポンプ駆動ギア113へ、回転を伝達する。ギア変速機101は、突起117を持つ中空の流体入口116も含んでいる。流体入口116は、ギア変速機101の下部ケース部102の中の開口の中に配置されている。中空の管118は、流体入口116とポンプ70の出口導管75とを連結し流体入口116とポンプ70とを流体的に連通させる(図7、9を参照)。
【0030】
ギア変速機101は、噛合関係にある異なる数のギアを含んでもよいし、軸はギアに操作可能に連結される。ギア変速機101は、モータ94の駆動軸95の回転運動を、ポンプ70、及び/又は回転するドーム型噴霧ヘッド137へ伝達するための連繋機構を提供する。ギア/軸の好適な構成の一例が図6に示されているが、モータの駆動軸95の運動を、自動噴霧装置10の部品へ伝達するために、他の任意の好適なギア及び連繋機構が設けられてもよいことを理解されたい。
【0031】
図1〜4と図7とを参照すると、噴霧装置10は上部ハウジング部119を含み、これは、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリマー材料からできていてよい。上部ハウジング部119は、底壁には開口123を持った窪み122を有し、またドームの頂壁125には締付け穴124を有する。円形の側壁126が、上部ハウジング部119の頂壁125から下へ垂れ下っている。中間ハウジング部56の上部リムが上部ハウジング部119に締りばめで係合する圧入によって、中間ハウジング部56は、上部ハウジング部119に組み込まれる。Oリング127が、中間ハウジング部56と上部ハウジング部119との間の水密シールを与える。締め具13は、フック12を、締付け穴124を形成する壁に係合させることにより、上部ハウジング部119へ連結する。
【0032】
次に図2〜4と図7を参照すると、噴霧装置10はまた、上部ハウジング部119の窪み122中の開口123を貫通し、ギア変速機101の上部ケース部103中の開口を貫通する、回転可能な中空軸129も含んでいる。軸129は連結リング112によって、噴霧ノズル駆動ギア111に連結されている。円盤130が軸129に連結されている。円盤130は、上部ハウジング部119の窪み122の中に配置される。噴霧装置10はまた、液体を噴霧するためのノズル132を含む。ノズル132は、管状の流体入口133と噴霧アーム134とを有する。管状流体入口133は、噴霧アーム134の放出開口135と流体的に連通している。流体入口133の底部は、軸129の頂部へ圧入される。更に、噴霧装置10は、回転するドーム型噴霧ヘッド137を含んでおり、この噴霧ヘッドの側壁138には、窓139があって、側壁138に開口140を形成している。頂壁142は、回転ドーム型噴霧ヘッド137の側壁138から下方向に伸びている。ノズル132の噴霧アーム134は、回転ドーム型噴霧ヘッド137の側壁138中の開口140の中へ圧入される。
【0033】
次に図10〜11を見ると、本発明による自動噴霧装置10aの別の実施形態が示されている。自動噴霧装置10aは、図1〜9の噴霧装置10と同様に、中間ハウジング部56、上部ハウジング部119、回転ドーム型噴霧ヘッド137を含んでいる。しかし、自動噴霧装置10aは、上部リッジに位置決めこぶ19aを有するボトル16aを含んでいる。下部ハウジング部22aは、下部ハウジング部22aの円形底壁に切り欠き28aを有する。噴霧装置10aでは、ボトル16aは、位置決めこぶ19aと切り欠き28aとを位置合わせして、ボトル16aを上方向に移動させ、ボトルのくびがボトル連結器にスナップフィットで係合するようにして、下部ハウジング部22aに連結される。位置決めこぶ19aのないボトルは、下部ハウジング部22aと合わず係合できないので、位置決めこぶ19aと切り欠き28aにより、不適切な液体の入ったボトルの使用を防ぐことができる。
【0034】
自動噴霧装置10の構造を説明したので、噴霧装置10内での液体の流路を説明する。ポンプ70が起動されると、液体は、ボトル16から(もし浸漬チューブが使用されていればそれを介して)上方向へ流れる。くび17を通ってボトル連結器30の内部空間に入り、第1の導管35へ入ってゆく。第1の導管35を出た液体は、一方向逆止弁を通って中空の管53を通り、ポンプ70の入口導管72の中へ入ってゆく。図8においては、プッシュロッド89と付随するピストン79は、実線で示す位置から、破線で示す位置まで往復する。プッシュロッド89と付随するピストン79が、破線で示す位置から実線で示す位置まで移動すると、液体はポンプのシリンダ77内部へ引き込まれる(図9の上向きの矢印と、上の右向きの矢印がこれを示す)。プッシュロッド89と付随するピストン79が、図8の実線で示す位置から破線で示す位置まで移動すると、液体はポンプシリンダ77から押出される(図9の下の右向きの矢印がこれを示す)。それから液体は、ポンプ70の出口導管75を通って、中空の管118に入る。管118を通った後液体は、突起117を経由して中空の流体入口116に入る(図7と9を参照)。液体は流体入口116を通って、中空軸129を通過する。液体は、管状流体入口133を通り、噴霧アーム134へ流れる。そうして液体は、噴霧アーム134の放出開口135から出る。これにより噴霧装置10から液体が噴霧される。
【0035】
自動噴霧装置10の部品と流路を説明したので、噴霧装置10の操作を更に説明する。ユーザが囲壁(例えば、シャワー室の囲壁)に液体を噴霧しようとする場合、ユーザは、噴霧装置10の正面にあるボタン59を単純に押すだけでよい。これが制御回路機構63のタイミング回路へ信号を送り、噴霧に所定の時間、例えば20秒の遅延を掛けるための秒読みを開始する。これにより、ユーザは、シャワー室の囲壁から出て、ドア又はカーテンを閉める時間がもてる。これはまた、噴霧サイクルを中止するために、ボタン59を2回目に押す時間も、ユーザに与える。ユーザがキャンセルしない限り、秒読みが終了すると、噴霧サイクルが自動的に開始される。モータ94が通電されて駆動軸95と付随するピニオンギア107を回転させ、これが同時にポンプ駆動ギア113を(ギア駆動列105を介して(図6参照))回転させ、噴霧ノズル駆動ギア111を(ギア駆動列105を介して(図6参照))回転させる。
【0036】
図8及び図9を見ると、ポンプ駆動ギア113が回転すると、軸114が回転し、これによりポンプ駆動軸85とそれに付随する偏心体86とピン87が回転する。プッシュロッド89の横長端部90の開口91中をピン87が動くことにより、プッシュロッド89と付随するピストン79は、図8の実線の位置から破線の位置へ、前後に往復運動をする。これによって、上で説明したように、液体流がポンプ70へ出入りする。ボトル16からノズル132の放出開口135への液体の流れは前述したように進行する。このように、ギア変速機101は、単一のモータ駆動軸95の回転運動をポンプ70を駆動するポンプ駆動軸85へ伝達する伝達装置を構成する。
【0037】
図7を参照すると、噴霧ノズル駆動ギア111がポンプ駆動ギア113と同時に回転すると、軸129(これは連結リング112によって噴霧ノズル駆動ギア111に連結されている)が回転する。軸129の回転により、管状流体入口133とそれに付随するノズル132の噴霧アーム134が回転する。ノズル132の噴霧アーム134は、回転ドーム型噴霧ヘッド137の側壁138内の開口140中へ圧入されているので、軸129によってノズル132が回転すると、回転ドーム型噴霧ヘッド137も回転する。このように、ギア変速機101は、単一のモータ駆動軸95の回転運動を回転ドーム型噴霧ヘッド137の回転へ伝達する伝達装置を構成する。結果として、液体が噴霧アーム134の放出開口135から出ているときに、回転ドーム型噴霧ヘッド137が回転されることにより、噴霧装置10の周りに液体が放射状に噴霧され、その結果、円形状の噴霧パターンが提供される。放出開口135の形状を選択することで、円形噴霧パターンの縦方向の広がりと、ハウジング20に対する噴霧パターンの平均角度とを制御することが可能である。
【0038】
モータは、タイミング回路により行われる第2の秒読みが終了するまでは通電され続ける。この第2の秒読みは、好ましくは、別の20秒の時間であり、タイマにより自動的に開始される。秒読みが終了すると、モータ94は切断され、ポンプ70が停止されて、回転ドーム型の噴霧ヘッド137の回転が停止される。噴霧装置10はこうして、ユーザの介入なしにスタンバイモードに戻り、ユーザの次の噴霧サイクルの要求に備える。別の実施形態において、徐放作動、即ち設定又は選択された時間での作動が、好適なプログラムされたタイマ又はプログラム可能なタイマ、即ち徐放装置によって提供されてもよいし、及び/又は実施形態によっては、作動が遠隔操作されてもよい。
【0039】
このように、本発明は、囲壁に液体を噴霧するための、自動噴霧装置を提供する。本発明の態様は、液体洗剤及び/又は消毒液を、本明細書で説明した浴槽/シャワー以外の囲壁に分注するの利用可能であることを理解されたい。例として、便器カバーの下側に取り付けられるようにした本発明の一実施形態は、ボトルの液体を便器へ送出することが可能である。そのような構造は、本適用の目的とする「囲壁」であるとみなされるべきである。
【0040】
本発明のある実施形態に従って、自動噴霧装置、又はその部品を形成するために、本発明の部品を、結合、取付、付随、又は連結させることに関しては、特に断らない限り、ねじ山、ねじ、止め輪、デテント装置、クランプ、ピン等の通常の締め具が包含されるものとする。部品はまた、接着剤、糊、溶接、超音波溶接、及び摩擦フィット又は摩擦変形、の適切なものにより連結されてもよい。そして、適切な水密及び/又は気密の密閉又は密閉装置が使用されてもよい。本発明による任意の電子部分は、好適な配線、コネクタ、プリント回路基板、マイクロチップ、センサ、入力装置、出力装置、等の通常の市販電子部品、コネクタ及び装置を使用してよい。本発明の電気部品とその他の部品は、例えば、腐食、漏えい、汚染等を防止、又は最小化するために、環境又は分注の要求(例えば、分注する場所、分注する物質、等)に基づいて、1つまたは複数の、水及び/又は流体に対して密閉できる、チャンバ、被膜、又は構造に、分離、収納、及び/又は密閉されてもよい。特にそれ以外の開示又は教示がない限り、本発明を形成する材料、及び/又はその部品は、金属材料、セラミックス材料、プラスチック材料等から選択されてよい。又、鋳造、プレス、押し出し、成形、及び機械加工を含む適切な製造方法又は生産方法が利用されてよい。
【0041】
以上の説明において、例示的な実施形態を含めて本発明の実施形態は、例証及び説明のために提示されたものである。上記の実施形態は、全てを網羅し、かつ開示した形態に本発明を限定することを意図するものではない。上記の教示を参考にすれば、明らかな修正及び変形が可能である。実施形態は、本発明の原理およびその実用的な用途の最良の例示を与えるため、そして当業者が種々の実施形態において個々の使用に適した種々の変更と共に本発明を利用できるようにするために、選択し説明されたものである。このような変更や変形は全て、適正、合法、公平に与えられた権利の大きさに応じて解釈する場合に、添付の特許請求の範囲により決定される、本発明の範囲内にあるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、浴室及びシャワー室の囲壁及びそれに類似するものへ自動噴霧するための噴霧装置を提供する。
【技術分野】
【0001】
本願は、米国特許仮出願第61/043,921号に基づく優先権を主張する。
【0002】
本発明は、物質を分注、分配、送出する装置、システム、及び方法に関する。特に、本発明は、液体(例えば、洗剤、消毒薬、脱臭剤など)を分注する装置及び方法に関する。更には、本発明は、操作者がいる場合またはいない場合、及び/又は操作者を必要としない場合または望まれる場合を含めて、閉ざされた領域又は画定された境界内で液体を分注することに関する。一実施形態において、本発明は、家庭に一般的にあるようなタイプの、シャワー室/浴室の囲壁の自動洗浄に特に好適である。
【背景技術】
【0003】
シャワー室の囲壁/ドアは、通常の使用をしている間に、カビが生えたり、石鹸垢や、水垢及び/又は無機堆積物で覆われたり、或いはそれ以外で汚れたりすることがある。このような堆積物や汚れを取り去るには、従来、特に掃除をしてからかなりの時間が経ってしまった場合には、壁やドアを手でこすり洗いする必要があった。
【0004】
この作業を補助するために、洗浄する面に洗浄用薬品を噴霧したり、吹き付けたり、或いは別の方法で塗布したりすることが行われてきた。そうして、壁を布、ブラシ、スポンジタワシ等でこすり洗いした後に、水で洗い流していた。
【0005】
最近になって、これらの洗剤の中に、特に毎日噴霧すれば、洗浄効果を損なうことなしに、こすり洗いの量が少なくて済むか、又はこすり洗いをしなくて済む、というようなものが作られてきた。これらの洗剤は、塗布した後に何時間か、又は何日間か洗い流さなかったとしても、それ自身が斑点や、その他の目につくシミになったりしないようになっている。
【0006】
「こすり洗いなし」の洗剤は、好ましくは、シャワーの使用後に塗布される。これは、ユーザが、洗剤の入ったポンプ式噴霧ボトルをシャワー室の囲壁の中かその近くに置いておき、噴霧することを忘れないでいて(これはユーザが目を覚ましたばかりのときには困難かもしれないが)、かつ囲壁の噴霧に要する時間を割くつもりがある(又は割くことができる)場合に、達成される。
【0007】
これに替わるこすり洗いなしの方法は、シャワー室用の自動噴霧装置を提供することである。例えば、特許文献1〜4は、内部ポンプを利用して、タンク内の洗浄液を回転ノズルを通して囲壁に噴霧する、自動洗浄噴霧装置を開示している。ユーザは、起動ボタンを押してシャワー室を出て、装置に噴霧サイクルを行わせる。囲壁をこすり洗いする必要も、洗浄液を洗い流す必要もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,820,821号
【特許文献2】米国特許第7,021,494号
【特許文献3】米国特許第7,308,990号
【特許文献4】米国特許第7,337,989号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この種々の自動噴霧装置があるにもかかわらず、囲壁に液体を噴霧するのに利用できる、別の自動噴霧装置の必要性がまだある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前述の自動噴霧装置に対する要求を満たすものである。一態様において、本発明は、囲壁に液体を噴霧するための自動噴霧装置を提供する。噴霧装置は、液体を収納するのに好適なボトルと、ハウジングと、ハウジング内に配置されボトルと流体的に連通したポンプと、ハウジング表面の開口から延伸する回転可能なドーム型の噴霧ヘッドと、その出口が回転可能な噴霧ヘッドの開口内に位置するように配置され、ポンプの出口と流体的に連通している噴霧ノズルと、ハウジング内に配置されたモータと、モータの軸と回転可能な噴霧ヘッドとポンプとに操作可能に連結された変速機と、を含む。変速機は、モータの軸の回転運動を伝動してポンプを駆動し、回転可能な噴霧ヘッドを回転させ、液体がハウジングの周りに放射状に噴霧されるようにする。
【0011】
伝動装置は、一形態としてはギア変速機である。ポンプは、ギア変速機のポンプ駆動ギアと操作可能に連結でき、また、ポンプ駆動ギアは、ポンプのシリンダ内でピストンを往復させるプッシュロッドと操作可能に連結できる。ギア変速機はケースで囲まれ、噴霧ノズルは、ポンプの出口と流体的に連通している管状の流体入口を含み、管状流体入口は、ケースの開口を貫通して延伸することが可能である。管状流体入口は、ギア変速機の噴霧ノズル駆動ギアの中央開口に取り付けることができる。
【0012】
噴霧装置の一タイプにおいては、回転可能な噴霧ヘッドは、ハウジングの上部表面の開口の上へ軸方向に延伸する。囲壁中に噴霧装置を取り付けるためのフックも含まれ、噴霧装置が囲壁の内部に取り付けられる場合には、伝動装置はモータとポンプの上方に配置される。噴霧装置が囲壁中に取り付けられる場合、ハウジングと回転可能な噴霧ヘッドは、ボトルの上方に配置される。
【0013】
自動噴霧装置のハウジングは、ボトルのくびにある合体用ねじ山に係合するための内部ねじ山を有するボトル継ぎ手を含むことができる。ボトル継ぎ手は、ポンプの入口と流体的に連通している液体通路と、ハウジングの内部と流体的に連通している通気路と、を含むことができる。通気路の一形態は、逆止弁と流体的に連通している。ハウジングの下端は、ボトルのくびに係合するためのボトルインタフェースを含み、ボトルインタフェースは、モータの動力源用の少なくとも1つの隔室を含んでいる。
【0014】
自動噴霧装置は、電源及びモータと電気的に導通している制御回路を含むことができ、
制御回路は、アクチュエータの動きにより、電源からモータへ電力を供給して噴霧装置の噴霧サイクルを始動させる。制御回路は又、電源からモータへの電力供給を停止して噴霧サイクルを自動的に終了させる。制御回路は、アクチュエータが動いた後、所定の時間だけ、電源からモータへの電力供給を遅延させるタイマを含むことができる。
【0015】
本発明の別の態様においては、囲壁に液体を噴霧するための自動噴霧装置が提供される。噴霧装置は、液体を収納するのに好適なボトルと、ハウジングと、ボトルと流体的に連通しハウジング内に配置されたポンプと、ハウジングの上部表面の開口の上へ軸方向に延伸する回転可能なドーム型の噴霧ヘッドと、その出口が回転可能な噴霧ヘッドの開口内に位置するように配置され、ポンプの出口と流体的に連通している噴霧ノズルと、ハウジング内に配置されたモータと、モータと電気的に導通しハウジング内に配置された動力源と、ハウジング内に配置されたギア変速機と、を含む。ギア変速機の第1のギアは、モータの軸と操作可能に連結し、ギア変速機の第2のギアは、前記回転可能な噴霧ヘッドと操作可能に連結し、ギア変速機の第3のギアは、ポンプと操作可能に連結する。ギア変速機は、モータの軸の回転運動を伝動してポンプを駆動し、回転可能な噴霧ヘッドを回転させ、液体がハウジングの周りに放射状に噴霧されるようにする。
【0016】
自動噴霧装置の1つのタイプでは、ギア変速機はケースで囲まれ、噴霧ノズルは、ポンプの出口と流体的に連通している管状の流体入口を含み、管状流体入口は、ケースの開口を貫通して延伸する。管状流体入口は、ギア変速機の第2のギアの中央開口に取り付けられてもよい。自動噴霧装置は、囲壁中に噴霧装置を取り付けるためのフックも含むことが可能で、噴霧装置が囲壁の内部に取り付けられる場合には、ギア変速機はモータとポンプの上方に配置されてもよい。噴霧装置が囲壁中に取り付けられる場合、ハウジングと回転可能な噴霧ヘッドもまた、ボトルの上方に配置されてもよい。
【0017】
本発明の利点は、以下の説明で明確となるであろう。その説明においては、説明の一部を構成する添付の図面を参照する。そして図面は、本発明の例示的な実施形態を例として示す。これらの例示的実施形態は本発明の全範囲を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明による、シャワーパイプに吊るされた自動噴霧装置の斜視図である。
【図2】図1の自動噴霧装置の分解斜視図である
【図3】図1の自動噴霧装置の噴霧ヘッド及び上部ハウジングの部分分解斜視図である。
【図4】図1の自動噴霧装置の噴霧ヘッド及び上部ハウジングの部分斜視図である。
【図5】図1の自動噴霧装置の噴霧ヘッド(上部ハウジングは省略されている)の部分斜視図である。
【図6】図1の自動噴霧装置の、モータ、ポンプ、及びギア変速機(上部ギアケースが省略されている)の斜視図である。
【図7】図6の線7−7に沿った断面図である。
【図8】図6の線8−8に沿った断面図である。
【図9】図6の線9−9に沿った断面図である。
【図10】本発明による自動噴霧装置の別の実施形態の正面斜視図である。
【図11】図10の自動噴霧装置の背面斜視図である
【図12】本発明による自動噴霧装置での使用に好適な通気バルブの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の詳細な説明においては、各図における同様な部品を同じ参照番号で参照する。
【0020】
図1〜9と図12を参照すると、本発明による自動噴霧装置10の実施形態の一例が示されている。噴霧装置10は、図1に示すように、シャワーパイプ14から噴霧装置10を吊るすためのフック12を含んでいる。噴霧装置10は、シャワー室/浴室の囲壁に、リンスの必要なしに、洗浄、及び/又はフレッシュ化、及び/又は消毒に適した液体を、自動噴霧するのに特に好適である。
【0021】
図2を参照すると、噴霧装置10は、外側にねじ山18のある中空のくび17を有するボトル16を含んでいる。ボトル16は、シャワー室/浴室の囲壁のような硬質表面の、洗浄、及び/又はフレッシュ化、及び/又は消毒用の液体を収納するのに好適である。シャワー室の囲壁に使用する液体組成の例は、米国特許第6,471,974号及び第6,162,371号に記載されており、それらを本願に引用して援用する。ボトル16は、くび17にねじ込まれたふた(表示せず)の付いた状態で供給されてもよい。このふたは、ボトル16を噴霧装置10に取り付けるまで、ボトル16に収納された液体を保持する。一般的にボトル16は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の好適なポリマー材料で形成されている。ねじ山は、「通常型」ねじ山、又はいわゆる「ベイオネット」型ねじ山のいずれであってもよい。
【0022】
図1〜2を参照すると、噴霧装置10は、円形の底壁23とその底壁23から上方向へ延伸する外壁24とを備えた下部ハウジング部22を有するハウジング20を含んでいる。下部ハウジング部22は、噴霧装置10用の動力源としての電池を収納するための、上方向に延伸した中空の電池隔室25a、25bを含んでいる。電池は、任意のタイプの任意の本数を使用してもよい。取り外し可能なカバー26は、電池隔室25a、25bへのアクセスを提供し、放電済みの電池をユーザが交換できるようにする。カバー26は、ねじのような好適な締め具によって下部ハウジング部22の底壁23に固定することができる。そして、Oリング27a、27bが、カバー26と下部ハウジング部22の底壁23との間の水密シールを提供する。下部ハウジング部22は、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリマー材料から形成することができる。
【0023】
噴霧装置10は、外壁31と頂壁32と頂壁32の反対側の開放端33とを有する、ボトル連結器30もまた含んでいる。外壁31と頂壁32とは、ボトル連結器30の中に、ほぼ円筒形の内部空間を画定する。ボトル連結器30は、第1の導管35と第2の導管36とを含む。第1の導管35は、ボトル連結器30の内部空間と流体的に連通している液体通路を画定する。第2の導管36は、ボトル連結器30の内部空間と流体的に連通している通気路を画定する。ボトル連結器30は、下部ハウジング部22の底壁23にある穴の中に取り付けられる。ボトル連結器30の外壁31の内部表面はねじ山を含んでおり、ボトル16のくび17がボトル連結器30の内部空間にねじ込まれた場合に、ボトル16のくび17の外側にあるねじ山18と、係合して合体する寸法となっている。任意選択として、ボトル連結器30は、ボトル16中に設けられた浸漬チューブと合体してもよい。
【0024】
次に図1、2、12を参照すると、噴霧装置10は、外気からボトル16を通気する逆止弁40も含んでいる。噴霧装置のポンプ中に引き込まれた液体の体積を空気が置き替え、ボトル16がつぶれるのを防ぐ。逆止弁40は、逆止弁40の内部空間43を画定する外壁42を有するバルブハウジング41を含む。第1の導管44は、内部空間43への空気の流路を提供する。逆止弁40は開放端45を有し、又、概ね漏斗状の端部形状をして、開放端45へ圧入される、第2の導管46を有している。環状の弁座47が、第2の導管の漏斗状端部に設けられる。逆止弁40は、可撓性の環状シール48を含み、図12に示すように逆止弁40がノーマルクローズの位置にある場合には、環状弁座47に当接している。逆止弁40は、螺旋形の圧縮ばね49を含み、それが、傘型のバルブ要素50を付勢してバルブシール48に押しあてて、バルブシール48をノーマルクローズの位置に保持する。逆止弁40の形態の例として、バルブシール48はエラストマ材料から作られ、ばねはカーボン又はステンレススチールから作られ、逆止弁40の残りの部品は、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリマー材料から作られてもよい。
【0025】
逆止弁40の第1の導管44は、ボトル連結器30の第2の導管36の中へ圧入することができ、この第1の導管44は、ボトル連結器30の内部空間と、ボトル連結器30に取り付けられているボトル16とに流体的に連通するように配置される。液体がボトル16から引出されると、ボトル16内に負圧が発生する。負圧が、ばね49の付勢力、及び/又は環状弁座47に対する環状バルブシール48のシール力に勝ると、大気が環状バルブシール48と環状弁座47との間を流れて逆止弁40の内部空間43に入り込み、第1の導管44を通って、ボトル連結器30の内部空間及びボトル16の内部へ流れ込んで通気する。代替方法として、ボトル16への空気の吸引に好適な、その他の任意のタイプの逆止弁が利用されてもよい。
【0026】
図1、2では、噴霧装置10のハウジング20は、概ね円形の中間ハウジング部56も含む。これは、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリマー材料からできていてもよい。中間ハウジング部56は、フック12(図4参照)の下端を係合するための、取付ブラケット57を有する。中間ハウジング部56の壁60には、アクチュエータボタン59が組み込まれている。中間ハウジング部56の下部リム61が下部ハウジング部22に締りばめで係合する圧入によって、中間ハウジング部56は、下部ハウジング部22に組み込まれる。Oリング65が、中間ハウジング部56と下部ハウジング部22との間の水密シールを与える。制御回路機構63が中間ハウジング部56内に配置される。制御回路機構63の制御回路の機能に関しては、以下で説明する。
【0027】
次に図2、8、9を参照すると、噴霧装置10はポンプ70も含む。図示したポンプ70はピストンポンプであるが、膜ポンプ、蠕動ポンプ、又は歯車ポンプ等の他の種類のポンプを噴霧装置10に使用することも可能である。ポンプ70は、入口導管72と開放端74と出口導管75とを有するポンプハウジング71を含んでいる。一方向逆止弁が、入口導管72の上流に設けられている。一方向逆止弁は、液体が入口導管72の他へは流れないようにして、ポンプを動作可能な状態に維持し、液体がボトル16へ逆流しないようにする。中空の管53が、ボトル連結器30の第1の導管35と、ポンプ70の入口導管72とを流体的に連通させる。ポンプのシリンダ77は、図8と9に示すように、ポンプハウジング71の中に配置される。ピストン79はポンプシリンダ77の中を往復し、ピストンシール80は、ポンプ70の動作時において、ポンプシリンダ77の内表面との密閉を確保する。カバー81は、流体に対する密閉シールを提供するOリング82で、ポンプ70の開放端74を密閉する。ポンプ70は、下方に延びるピン87を備えた偏心体86を有する、ポンプ駆動軸85を含んでいる。ポンプ70は、開口91を持つ横長の端部90を有し、その横長端部90をピストン79に連結するステム92を有する、プッシュロッド89も含んでいる。
【0028】
図2、5、6を参照すると、ポンプ70は、単一駆動軸95を有する直流モータ94を有している。好適な配線(図示せず)により、モータ94は制御回路機構63と電気的に導通している。配線(図示せず)はまた、電池隔室25a、25b中の電池を制御回路機構63に電気的に導通させる。配線(図示せず)はまた、アクチュエータボタン59を制御回路機構63に電気的に導通させる。制御回路機構63の制御回路の機能は、以下で説明する。
【0029】
次に図2、5、6、7を参照すると、噴霧装置10はまた、モータ94からポンプ70へ機械的な力を伝達するためのギア変速機101も含んでいる。ギア変速機101は、下部ケース部102と、それに合体する上部ケース部103とを含んでいる。ギア駆動列105はケース中に収納されている。図6を見ると、ギア駆動列105は、モータ94の駆動軸95に連結したピニオンギア107を含んでいる。ギア109a、109b、109c、109d、109e、109fは、ピニオンギア107の回転を噴霧ノズル駆動ギア111に伝達する。ギア駆動列105は、軸114に連結されたポンプ駆動ギア113も含んでいる。ギア115a、115bは、噴霧ノズル駆動ギア111から、ポンプ駆動ギア113へ、回転を伝達する。ギア変速機101は、突起117を持つ中空の流体入口116も含んでいる。流体入口116は、ギア変速機101の下部ケース部102の中の開口の中に配置されている。中空の管118は、流体入口116とポンプ70の出口導管75とを連結し流体入口116とポンプ70とを流体的に連通させる(図7、9を参照)。
【0030】
ギア変速機101は、噛合関係にある異なる数のギアを含んでもよいし、軸はギアに操作可能に連結される。ギア変速機101は、モータ94の駆動軸95の回転運動を、ポンプ70、及び/又は回転するドーム型噴霧ヘッド137へ伝達するための連繋機構を提供する。ギア/軸の好適な構成の一例が図6に示されているが、モータの駆動軸95の運動を、自動噴霧装置10の部品へ伝達するために、他の任意の好適なギア及び連繋機構が設けられてもよいことを理解されたい。
【0031】
図1〜4と図7とを参照すると、噴霧装置10は上部ハウジング部119を含み、これは、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリマー材料からできていてよい。上部ハウジング部119は、底壁には開口123を持った窪み122を有し、またドームの頂壁125には締付け穴124を有する。円形の側壁126が、上部ハウジング部119の頂壁125から下へ垂れ下っている。中間ハウジング部56の上部リムが上部ハウジング部119に締りばめで係合する圧入によって、中間ハウジング部56は、上部ハウジング部119に組み込まれる。Oリング127が、中間ハウジング部56と上部ハウジング部119との間の水密シールを与える。締め具13は、フック12を、締付け穴124を形成する壁に係合させることにより、上部ハウジング部119へ連結する。
【0032】
次に図2〜4と図7を参照すると、噴霧装置10はまた、上部ハウジング部119の窪み122中の開口123を貫通し、ギア変速機101の上部ケース部103中の開口を貫通する、回転可能な中空軸129も含んでいる。軸129は連結リング112によって、噴霧ノズル駆動ギア111に連結されている。円盤130が軸129に連結されている。円盤130は、上部ハウジング部119の窪み122の中に配置される。噴霧装置10はまた、液体を噴霧するためのノズル132を含む。ノズル132は、管状の流体入口133と噴霧アーム134とを有する。管状流体入口133は、噴霧アーム134の放出開口135と流体的に連通している。流体入口133の底部は、軸129の頂部へ圧入される。更に、噴霧装置10は、回転するドーム型噴霧ヘッド137を含んでおり、この噴霧ヘッドの側壁138には、窓139があって、側壁138に開口140を形成している。頂壁142は、回転ドーム型噴霧ヘッド137の側壁138から下方向に伸びている。ノズル132の噴霧アーム134は、回転ドーム型噴霧ヘッド137の側壁138中の開口140の中へ圧入される。
【0033】
次に図10〜11を見ると、本発明による自動噴霧装置10aの別の実施形態が示されている。自動噴霧装置10aは、図1〜9の噴霧装置10と同様に、中間ハウジング部56、上部ハウジング部119、回転ドーム型噴霧ヘッド137を含んでいる。しかし、自動噴霧装置10aは、上部リッジに位置決めこぶ19aを有するボトル16aを含んでいる。下部ハウジング部22aは、下部ハウジング部22aの円形底壁に切り欠き28aを有する。噴霧装置10aでは、ボトル16aは、位置決めこぶ19aと切り欠き28aとを位置合わせして、ボトル16aを上方向に移動させ、ボトルのくびがボトル連結器にスナップフィットで係合するようにして、下部ハウジング部22aに連結される。位置決めこぶ19aのないボトルは、下部ハウジング部22aと合わず係合できないので、位置決めこぶ19aと切り欠き28aにより、不適切な液体の入ったボトルの使用を防ぐことができる。
【0034】
自動噴霧装置10の構造を説明したので、噴霧装置10内での液体の流路を説明する。ポンプ70が起動されると、液体は、ボトル16から(もし浸漬チューブが使用されていればそれを介して)上方向へ流れる。くび17を通ってボトル連結器30の内部空間に入り、第1の導管35へ入ってゆく。第1の導管35を出た液体は、一方向逆止弁を通って中空の管53を通り、ポンプ70の入口導管72の中へ入ってゆく。図8においては、プッシュロッド89と付随するピストン79は、実線で示す位置から、破線で示す位置まで往復する。プッシュロッド89と付随するピストン79が、破線で示す位置から実線で示す位置まで移動すると、液体はポンプのシリンダ77内部へ引き込まれる(図9の上向きの矢印と、上の右向きの矢印がこれを示す)。プッシュロッド89と付随するピストン79が、図8の実線で示す位置から破線で示す位置まで移動すると、液体はポンプシリンダ77から押出される(図9の下の右向きの矢印がこれを示す)。それから液体は、ポンプ70の出口導管75を通って、中空の管118に入る。管118を通った後液体は、突起117を経由して中空の流体入口116に入る(図7と9を参照)。液体は流体入口116を通って、中空軸129を通過する。液体は、管状流体入口133を通り、噴霧アーム134へ流れる。そうして液体は、噴霧アーム134の放出開口135から出る。これにより噴霧装置10から液体が噴霧される。
【0035】
自動噴霧装置10の部品と流路を説明したので、噴霧装置10の操作を更に説明する。ユーザが囲壁(例えば、シャワー室の囲壁)に液体を噴霧しようとする場合、ユーザは、噴霧装置10の正面にあるボタン59を単純に押すだけでよい。これが制御回路機構63のタイミング回路へ信号を送り、噴霧に所定の時間、例えば20秒の遅延を掛けるための秒読みを開始する。これにより、ユーザは、シャワー室の囲壁から出て、ドア又はカーテンを閉める時間がもてる。これはまた、噴霧サイクルを中止するために、ボタン59を2回目に押す時間も、ユーザに与える。ユーザがキャンセルしない限り、秒読みが終了すると、噴霧サイクルが自動的に開始される。モータ94が通電されて駆動軸95と付随するピニオンギア107を回転させ、これが同時にポンプ駆動ギア113を(ギア駆動列105を介して(図6参照))回転させ、噴霧ノズル駆動ギア111を(ギア駆動列105を介して(図6参照))回転させる。
【0036】
図8及び図9を見ると、ポンプ駆動ギア113が回転すると、軸114が回転し、これによりポンプ駆動軸85とそれに付随する偏心体86とピン87が回転する。プッシュロッド89の横長端部90の開口91中をピン87が動くことにより、プッシュロッド89と付随するピストン79は、図8の実線の位置から破線の位置へ、前後に往復運動をする。これによって、上で説明したように、液体流がポンプ70へ出入りする。ボトル16からノズル132の放出開口135への液体の流れは前述したように進行する。このように、ギア変速機101は、単一のモータ駆動軸95の回転運動をポンプ70を駆動するポンプ駆動軸85へ伝達する伝達装置を構成する。
【0037】
図7を参照すると、噴霧ノズル駆動ギア111がポンプ駆動ギア113と同時に回転すると、軸129(これは連結リング112によって噴霧ノズル駆動ギア111に連結されている)が回転する。軸129の回転により、管状流体入口133とそれに付随するノズル132の噴霧アーム134が回転する。ノズル132の噴霧アーム134は、回転ドーム型噴霧ヘッド137の側壁138内の開口140中へ圧入されているので、軸129によってノズル132が回転すると、回転ドーム型噴霧ヘッド137も回転する。このように、ギア変速機101は、単一のモータ駆動軸95の回転運動を回転ドーム型噴霧ヘッド137の回転へ伝達する伝達装置を構成する。結果として、液体が噴霧アーム134の放出開口135から出ているときに、回転ドーム型噴霧ヘッド137が回転されることにより、噴霧装置10の周りに液体が放射状に噴霧され、その結果、円形状の噴霧パターンが提供される。放出開口135の形状を選択することで、円形噴霧パターンの縦方向の広がりと、ハウジング20に対する噴霧パターンの平均角度とを制御することが可能である。
【0038】
モータは、タイミング回路により行われる第2の秒読みが終了するまでは通電され続ける。この第2の秒読みは、好ましくは、別の20秒の時間であり、タイマにより自動的に開始される。秒読みが終了すると、モータ94は切断され、ポンプ70が停止されて、回転ドーム型の噴霧ヘッド137の回転が停止される。噴霧装置10はこうして、ユーザの介入なしにスタンバイモードに戻り、ユーザの次の噴霧サイクルの要求に備える。別の実施形態において、徐放作動、即ち設定又は選択された時間での作動が、好適なプログラムされたタイマ又はプログラム可能なタイマ、即ち徐放装置によって提供されてもよいし、及び/又は実施形態によっては、作動が遠隔操作されてもよい。
【0039】
このように、本発明は、囲壁に液体を噴霧するための、自動噴霧装置を提供する。本発明の態様は、液体洗剤及び/又は消毒液を、本明細書で説明した浴槽/シャワー以外の囲壁に分注するの利用可能であることを理解されたい。例として、便器カバーの下側に取り付けられるようにした本発明の一実施形態は、ボトルの液体を便器へ送出することが可能である。そのような構造は、本適用の目的とする「囲壁」であるとみなされるべきである。
【0040】
本発明のある実施形態に従って、自動噴霧装置、又はその部品を形成するために、本発明の部品を、結合、取付、付随、又は連結させることに関しては、特に断らない限り、ねじ山、ねじ、止め輪、デテント装置、クランプ、ピン等の通常の締め具が包含されるものとする。部品はまた、接着剤、糊、溶接、超音波溶接、及び摩擦フィット又は摩擦変形、の適切なものにより連結されてもよい。そして、適切な水密及び/又は気密の密閉又は密閉装置が使用されてもよい。本発明による任意の電子部分は、好適な配線、コネクタ、プリント回路基板、マイクロチップ、センサ、入力装置、出力装置、等の通常の市販電子部品、コネクタ及び装置を使用してよい。本発明の電気部品とその他の部品は、例えば、腐食、漏えい、汚染等を防止、又は最小化するために、環境又は分注の要求(例えば、分注する場所、分注する物質、等)に基づいて、1つまたは複数の、水及び/又は流体に対して密閉できる、チャンバ、被膜、又は構造に、分離、収納、及び/又は密閉されてもよい。特にそれ以外の開示又は教示がない限り、本発明を形成する材料、及び/又はその部品は、金属材料、セラミックス材料、プラスチック材料等から選択されてよい。又、鋳造、プレス、押し出し、成形、及び機械加工を含む適切な製造方法又は生産方法が利用されてよい。
【0041】
以上の説明において、例示的な実施形態を含めて本発明の実施形態は、例証及び説明のために提示されたものである。上記の実施形態は、全てを網羅し、かつ開示した形態に本発明を限定することを意図するものではない。上記の教示を参考にすれば、明らかな修正及び変形が可能である。実施形態は、本発明の原理およびその実用的な用途の最良の例示を与えるため、そして当業者が種々の実施形態において個々の使用に適した種々の変更と共に本発明を利用できるようにするために、選択し説明されたものである。このような変更や変形は全て、適正、合法、公平に与えられた権利の大きさに応じて解釈する場合に、添付の特許請求の範囲により決定される、本発明の範囲内にあるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、浴室及びシャワー室の囲壁及びそれに類似するものへ自動噴霧するための噴霧装置を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
囲壁に液体を噴霧する自動噴霧装置であって、
前記液体を収納するのに好適なボトルと、
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記ボトルと流体的に連通するポンプと、
前記ハウジング表面の開口から延伸する、回転可能な噴霧ヘッドと、
噴霧ノズルであって、前記噴霧ノズルの出口は、前記回転可能な噴霧ヘッドの開口内に位置するように配置され、前記噴霧ノズルは前記ポンプの出口と流体的に連通する、噴霧ノズルと、
前記ハウジング内に配置されたモータと、
前記モータの軸に操作可能に連結された伝動装置であって、前記伝動装置は前記回転可能な噴霧ヘッドにも連結され、かつ前記伝動装置は前記ポンプにも操作可能に連結されていて、前記伝動装置が前記軸の回転運動を伝動して前記ポンプを駆動し、かつ前記回転可能な噴霧ヘッドを回転させるようになった、伝動装置と、
を含む、噴霧装置。
【請求項2】
前記回転可能な噴霧ヘッドは、前記開口の上に軸方向に延伸し、
前記開口は、前記ハウジングの上部表面内にある、
請求項1に記載の自動噴霧装置。
【請求項3】
前記伝動装置はギア変速機である、請求項1に記載の自動噴霧装置。
【請求項4】
前記ポンプは、前記ギア変速機のポンプ駆動ギアに操作可能に連結されている、請求項3に記載の自動噴霧装置。
【請求項5】
前記ポンプ駆動ギアは、前記ポンプのシリンダ内でピストンを往復させるプッシュロッドに操作可能に連結されている、請求項4に記載の自動噴霧装置。
【請求項6】
前記ギア変速機はケースに入れられており、
前記噴霧ノズルは、前記ポンプの前記出口と流体的に連通する管状入口を含み、
前記管状入口は、前記ケースの開口を貫通して延伸している、
請求項3に記載の自動噴霧装置。
【請求項7】
前記管状流体入口は、前記ギア変速機の噴霧ノズル駆動ギアの中央開口に取り付けられている、請求項6に記載の自動噴霧装置。
【請求項8】
前記噴霧装置を前記囲壁中に取り付けるためのフックを更に含み、
前記噴霧装置が前記囲壁の中に取り付けられている場合には、前記伝動装置は前記モータと前記ポンプの上方に配置されている、
請求項1に記載の自動噴霧装置。
【請求項9】
前記噴霧装置を前記囲壁中に取り付けるためのフックを更に含み、
前記噴霧装置が前記囲壁中に取り付けられた場合、前記ハウジングと前記回転可能な噴霧ヘッドは、前記ボトルの上方に配置される、
請求項1に記載の自動噴霧装置。
【請求項10】
前記ハウジングは、前記ボトルのくびにある合体用ねじ山に係合するための内部ねじ山を有するボトル継ぎ手を含む、請求項1に記載の自動噴霧装置。
【請求項11】
前記ボトル継ぎ手は、前記ポンプの入口と流体的に連通する液体通路を画定する第1導管と、前記ハウジングの内部と流体的に連通する通気路を画定する第2導管と、を含む、請求項10に記載の自動噴霧装置。
【請求項12】
前記通気路は、逆止弁と流体的に連通している、請求項11に記載の自動噴霧装置。
【請求項13】
電源及び前記モータと電気的に導通している制御回路を更に含み、
前記制御回路は、アクチュエータの動きにより、前記電源から前記モータへ電力を供給して前記噴霧装置の噴霧サイクルを始動し、前記制御回路は、前記電源から前記モータへの電力供給を停止して前記噴霧サイクルを自動的に終了させる、請求項1に記載の自動噴霧装置。
【請求項14】
前記制御回路は、前記アクチュエータが動いた後、所定の時間だけ、前記電源から前記モータへの電力供給を遅延させるタイマを含む、請求項13に記載の自動噴霧装置。
【請求項15】
前記ハウジングの下端は、前記ボトルのくびに係合するためのボトルインタフェースを含み、前記ボトルインタフェースは、前記モータへの動力源用の少なくとも1つの隔室を含んでいる、請求項1に記載の自動噴霧装置。
【請求項16】
囲壁に液体を噴霧する自動噴霧装置であって、
前記液体を収納するのに好適なボトルと、
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記ボトルと流体的に連通するポンプと、
前記ハウジングの上部表面の開口の上へ軸方向に延伸する、回転可能な噴霧ヘッドと、
噴霧ノズルであって、前記噴霧ノズルの出口は、前記回転可能な噴霧ヘッドの開口内に位置するように配置され、前記噴霧ノズルは前記ポンプの出口と流体的に連通する、噴霧ノズルと、
前記ハウジング内に配置されたモータと、
前記モータと電気的に導通し、前記ハウジング内に配置された、動力源と、
前記ハウジング内に配置されたギア変速機と、を含み、前記ギア変速機の第1のギアは、前記モータの軸と操作可能に連結し、前記ギア変速機の第2のギアは、前記回転可能な噴霧ヘッドと操作可能に連結し、前記ギア変速機の第3のギアは、前記ポンプと操作可能に連結し、前記ギア変速機は前記軸の回転運動を伝動して前記ポンプを駆動し、かつ前記回転可能な噴霧ヘッドを回転させるようにする、自動噴霧装置。
【請求項17】
前記ギア変速機はケースに入れられており、
前記噴霧ノズルは、前記ポンプの前記出口と流体的に連通する管状流体入口を含み、
前記管状流体入口は、前記ケースの開口を貫通して延伸している、請求項16に記載の自動噴霧装置。
【請求項18】
前記管状流体入口は、前記ギア変速機の第2のギアの中央開口に取り付けられている、請求項17に記載の自動噴霧装置。
【請求項19】
前記噴霧装置を前記囲壁中に取り付けるためのフックを更に含み、
前記噴霧装置が前記囲壁の中に取り付けられている場合には、前記ギア変速機は前記モータと前記ポンプの上方に配置されている、請求項16に記載の自動噴霧装置。
【請求項20】
前記噴霧装置を前記囲壁中に取り付けるためのフックを更に含み、
前記噴霧装置が前記囲壁中に取り付けられている場合、前記ハウジングと前記回転可能な噴霧ヘッドは、前記ボトルの上方に配置される、請求項16に記載の自動噴霧装置。
【請求項1】
囲壁に液体を噴霧する自動噴霧装置であって、
前記液体を収納するのに好適なボトルと、
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記ボトルと流体的に連通するポンプと、
前記ハウジング表面の開口から延伸する、回転可能な噴霧ヘッドと、
噴霧ノズルであって、前記噴霧ノズルの出口は、前記回転可能な噴霧ヘッドの開口内に位置するように配置され、前記噴霧ノズルは前記ポンプの出口と流体的に連通する、噴霧ノズルと、
前記ハウジング内に配置されたモータと、
前記モータの軸に操作可能に連結された伝動装置であって、前記伝動装置は前記回転可能な噴霧ヘッドにも連結され、かつ前記伝動装置は前記ポンプにも操作可能に連結されていて、前記伝動装置が前記軸の回転運動を伝動して前記ポンプを駆動し、かつ前記回転可能な噴霧ヘッドを回転させるようになった、伝動装置と、
を含む、噴霧装置。
【請求項2】
前記回転可能な噴霧ヘッドは、前記開口の上に軸方向に延伸し、
前記開口は、前記ハウジングの上部表面内にある、
請求項1に記載の自動噴霧装置。
【請求項3】
前記伝動装置はギア変速機である、請求項1に記載の自動噴霧装置。
【請求項4】
前記ポンプは、前記ギア変速機のポンプ駆動ギアに操作可能に連結されている、請求項3に記載の自動噴霧装置。
【請求項5】
前記ポンプ駆動ギアは、前記ポンプのシリンダ内でピストンを往復させるプッシュロッドに操作可能に連結されている、請求項4に記載の自動噴霧装置。
【請求項6】
前記ギア変速機はケースに入れられており、
前記噴霧ノズルは、前記ポンプの前記出口と流体的に連通する管状入口を含み、
前記管状入口は、前記ケースの開口を貫通して延伸している、
請求項3に記載の自動噴霧装置。
【請求項7】
前記管状流体入口は、前記ギア変速機の噴霧ノズル駆動ギアの中央開口に取り付けられている、請求項6に記載の自動噴霧装置。
【請求項8】
前記噴霧装置を前記囲壁中に取り付けるためのフックを更に含み、
前記噴霧装置が前記囲壁の中に取り付けられている場合には、前記伝動装置は前記モータと前記ポンプの上方に配置されている、
請求項1に記載の自動噴霧装置。
【請求項9】
前記噴霧装置を前記囲壁中に取り付けるためのフックを更に含み、
前記噴霧装置が前記囲壁中に取り付けられた場合、前記ハウジングと前記回転可能な噴霧ヘッドは、前記ボトルの上方に配置される、
請求項1に記載の自動噴霧装置。
【請求項10】
前記ハウジングは、前記ボトルのくびにある合体用ねじ山に係合するための内部ねじ山を有するボトル継ぎ手を含む、請求項1に記載の自動噴霧装置。
【請求項11】
前記ボトル継ぎ手は、前記ポンプの入口と流体的に連通する液体通路を画定する第1導管と、前記ハウジングの内部と流体的に連通する通気路を画定する第2導管と、を含む、請求項10に記載の自動噴霧装置。
【請求項12】
前記通気路は、逆止弁と流体的に連通している、請求項11に記載の自動噴霧装置。
【請求項13】
電源及び前記モータと電気的に導通している制御回路を更に含み、
前記制御回路は、アクチュエータの動きにより、前記電源から前記モータへ電力を供給して前記噴霧装置の噴霧サイクルを始動し、前記制御回路は、前記電源から前記モータへの電力供給を停止して前記噴霧サイクルを自動的に終了させる、請求項1に記載の自動噴霧装置。
【請求項14】
前記制御回路は、前記アクチュエータが動いた後、所定の時間だけ、前記電源から前記モータへの電力供給を遅延させるタイマを含む、請求項13に記載の自動噴霧装置。
【請求項15】
前記ハウジングの下端は、前記ボトルのくびに係合するためのボトルインタフェースを含み、前記ボトルインタフェースは、前記モータへの動力源用の少なくとも1つの隔室を含んでいる、請求項1に記載の自動噴霧装置。
【請求項16】
囲壁に液体を噴霧する自動噴霧装置であって、
前記液体を収納するのに好適なボトルと、
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記ボトルと流体的に連通するポンプと、
前記ハウジングの上部表面の開口の上へ軸方向に延伸する、回転可能な噴霧ヘッドと、
噴霧ノズルであって、前記噴霧ノズルの出口は、前記回転可能な噴霧ヘッドの開口内に位置するように配置され、前記噴霧ノズルは前記ポンプの出口と流体的に連通する、噴霧ノズルと、
前記ハウジング内に配置されたモータと、
前記モータと電気的に導通し、前記ハウジング内に配置された、動力源と、
前記ハウジング内に配置されたギア変速機と、を含み、前記ギア変速機の第1のギアは、前記モータの軸と操作可能に連結し、前記ギア変速機の第2のギアは、前記回転可能な噴霧ヘッドと操作可能に連結し、前記ギア変速機の第3のギアは、前記ポンプと操作可能に連結し、前記ギア変速機は前記軸の回転運動を伝動して前記ポンプを駆動し、かつ前記回転可能な噴霧ヘッドを回転させるようにする、自動噴霧装置。
【請求項17】
前記ギア変速機はケースに入れられており、
前記噴霧ノズルは、前記ポンプの前記出口と流体的に連通する管状流体入口を含み、
前記管状流体入口は、前記ケースの開口を貫通して延伸している、請求項16に記載の自動噴霧装置。
【請求項18】
前記管状流体入口は、前記ギア変速機の第2のギアの中央開口に取り付けられている、請求項17に記載の自動噴霧装置。
【請求項19】
前記噴霧装置を前記囲壁中に取り付けるためのフックを更に含み、
前記噴霧装置が前記囲壁の中に取り付けられている場合には、前記ギア変速機は前記モータと前記ポンプの上方に配置されている、請求項16に記載の自動噴霧装置。
【請求項20】
前記噴霧装置を前記囲壁中に取り付けるためのフックを更に含み、
前記噴霧装置が前記囲壁中に取り付けられている場合、前記ハウジングと前記回転可能な噴霧ヘッドは、前記ボトルの上方に配置される、請求項16に記載の自動噴霧装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2011−520591(P2011−520591A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503997(P2011−503997)
【出願日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/002214
【国際公開番号】WO2009/126283
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/002214
【国際公開番号】WO2009/126283
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】
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