説明

流体加熱装置

【解決手段】流体供給口部22と流体吐出口部23とを有するケース1内で回転可能に支持した回転体12,13を複数並べて配設している。互いに近接して相対動する回転体12,13の外周面18,19とケース1の内周面10,11との間に流体加熱通路20を設けている。互いに隣接する両回転体12,13の外周面18,19は流体加熱間隙20aをあけて互いに近接して相対動する近接面を有している。流体供給口部22に供給された流体はこの流体加熱通路20及び流体加熱間隙20aを通って流体吐出口部23から吐出する。
【効果】各回転体12,13ごとの流体加熱通路20以外に、両回転体12,13の近接面間の流体加熱間隙20aでも、流体が加熱されて流体に対する摩擦熱の発生度合を向上させることができる。従って、加熱効率を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体供給口部に供給された水等の流体が流体加熱通路を通って加熱された後に流体吐出口部から吐出される流体加熱装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の流体加熱装置においては、流体供給口部と流体吐出口部とを有するケース内で回転可能に支持された回転体が設けられているとともに、互いに近接して相対動する回転体の外周面とケースの内周面との間に流体加熱通路が設けられ、流体供給口部に供給された流体がこの流体加熱通路を通って流体吐出口部から吐出するようになっている(特許文献1及び特許文献2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−49152号公報
【特許文献2】特開2004−239494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の流体加熱装置においては、互いに近接して相対動する回転体の外周面とケースの内周面との間の流体加熱通路でのみ流体に対する摩擦熱が発生し、この流体加熱装置を複数互いに直列接続したとしても、上流側の流体加熱装置により加熱された流体を下流側の流体加熱装置に送って再加熱する以上の加熱効率を期待できない。
【0005】
この発明は、流体加熱装置において加熱効率を高めることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
後記実施形態の図面(図1〜3及び図6(a)に示す第1実施形態、図4に示す第2実施形態、図5に示す第3実施形態、図6(b)(c)(d)に示す別例)の符号を援用して本発明を説明する。
【0007】
請求項1の発明にかかる流体加熱装置は、第1〜3実施形態及び別例に関し、下記のように構成されている。
この流体加熱装置においては、流体供給口部22と流体吐出口部23とを有するケース1内で回転可能に支持した回転体12,13を設けるとともに、互いに近接して相対動する回転体12,13の外面とケース1の内面との間に流体加熱通路20を設け、流体供給口部22に供給された流体がこの流体加熱通路20を通って流体吐出口部23から吐出する。前記回転体12,13は複数並べて配設され、互いに隣接する両回転体12,13の外面には流体加熱間隙20aをあけて互いに近接して相対動する近接面18a,19aを設けている。
【0008】
請求項1の発明では、ケース1内で複数の回転体12,13を並べて配設した際、各回転体12,13ごとの流体加熱通路20以外に、互いに隣接する両回転体12,13の近接面18a,19a間の流体加熱間隙20aでも、流体が加熱されて流体に対する摩擦熱の発生度合を向上させることができる。
【0009】
請求項1の発明を前提とする請求項2の発明(第1〜3実施形態に対応)においては、近接面18a,19aで互いに近接する両回転体12,13のうち一方の回転体12の回転向きと他方の回転体13の回転向きとを近接面18a,19aで互いに逆向きにして一方の回転体12の近接面18aと他方の回転体13の近接面19aとを相対動させている。請求項2の発明では、両回転体12,13の回転向きの相違により、流体に対する摩擦熱の発生度合を向上させることができる。
【0010】
請求項1または請求項2の発明を前提とする請求項3の発明(第1〜3実施形態に対応)においては、近接面18a,19aで互いに近接する両回転体12,13のうち一方の回転体12の回転速度と他方の回転体13の回転速度とを近接面18a,19aで互いに異なる回転速度にして一方の回転体12の近接面18aと他方の回転体13の近接面19aとを相対動させている。請求項3の発明では、両回転体12,13の回転速度の相違により、流体に対する摩擦熱の発生度合を向上させることができる。
【0011】
請求項1または請求項2または請求項3の発明を前提とする請求項4の発明(第1〜2実施形態に対応)において、近接面18a,19aで互いに近接する両回転体12,13の外面のうち、一方の回転体12の外面において一方の回転体12の回転中心12aを中心とする外周面18は外径を回転中心12aの一端部側から他端部側に向うに従い次第に大きくするように傾斜し、他方の回転体13の外面において他方の回転体13の回転中心13aを中心とする外周面19は外径を回転中心13aの一端部側から他端部側に向うに従い次第に小さくなるように傾斜し、一方の回転体12の近接面18aと他方の回転体13の近接面19aとを互いに沿って傾斜させている。請求項4の発明では、一方の回転体12の外周面18及び近接面18aと他方の回転体13の外周面19及び近接面19aの傾斜により、それらの間の流体加熱通路20及び流体加熱間隙20aに沿う流体の動きが活発になり、流体に対する摩擦熱の発生度合を向上させることができる。
【0012】
請求項4の発明を前提とする請求項5の発明(第2実施形態に対応)においては、近接面18a,19aで互いに近接する両回転体12,13をそれらの回転中心12a,13aの方向Xへ相対移動調節可能に支持して、一方の回転体12の近接面18aと他方の回転体13の近接面19aとの間隔を変更可能にしている。請求項5の発明では、その間隔を変更すると、必要に応じて、両近接面18a,19a間の流体加熱間隙20aで流体に対する摩擦熱の発生度合を変更することができる。
【0013】
請求項4または請求項5の発明を前提とする請求項6の発明(第2実施形態に対応)においては、近接面18a,19aで互いに近接する両回転体12,13のうち少なくとも一つの回転体13はケース1に対し回転中心13aの方向Xへ移動可能に支持され、ケース1は回転体13の外周面19に沿って傾斜させた内周面11を有し、回転体13を回転中心13aの方向Xへ移動させることによりケース1の内周面11と回転体13の外周面19との間隔を変更可能にしている。請求項6の発明では、その間隔を変更すると、必要に応じて、ケース1の内周面11と回転体13の外周面19との間の流体加熱通路20で流体に対する摩擦熱の発生度合を変更することができる。また、ケース1の内周面11及び回転体13の外周面19の傾斜により、それらの間の流体加熱通路20に沿う流体の動きが活発になり、流体に対する摩擦熱の発生度合を向上させることができる。
【0014】
請求項1から請求項6のうちいずれか一つの請求項の発明を前提とする請求項7の発明(第1〜3実施形態に対応)においては、前記流体加熱通路20で回転体12,13の外面とケース1の内面とのうち少なくとも一方には他方に面する複数の凹部21を回転方向と回転中心12a,13aの方向Xとに並設している。請求項7の発明では、凹部21により、流体加熱通路20や流体加熱間隙20aで流体に対する摩擦熱の発生度合を向上させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、流体加熱装置において加熱効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(a)は第1実施形態にかかる流体加熱装置を概略的に示す平面図であり、(b)は同じく流体加熱装置を概略的に示す正面図であり、(c)は同じく流体加熱装置を概略的に示す背面図である。
【図2】図1(a)を平面側から見て概略的に示す断面図である。
【図3】図1(b)を正面側から見て概略的に示す断面図である。
【図4】第2実施形態にかかる流体加熱装置を平面側から見て概略的に示す断面図である。
【図5】第3実施形態にかかる流体加熱装置を平面側から見て概略的に示す断面図である。
【図6】(a)は第1〜3実施形態にかかる流体加熱装置を正面側から見た模式図であり、(b)(c)(d)はそれぞれ別例にかかる流体加熱装置を正面側から見た模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
まず、本発明の第1実施形態にかかる流体加熱装置について図1〜3を参照して説明する。
ケース1はケース本体2と両側板3,4とからなる。ケース本体2内には略円錐台形状の空間を有する両収容孔5,6が並設され、その両収容孔5,6の中心5a,6aの方向Xの両側にはそれぞれ端口7,8がその中心5a,6aの方向Xへ開放されて形成されているとともに、両収容孔5,6の一部にはその中心5a,6aに対し直交する並設方向Yで互いに繋がる連通口9が形成されている。両収容孔5,6のうち第一の収容孔5における両端口7,8では一方の側板3により閉塞された円形状の端口7の内径が他方の側板4により閉塞された円形状の端口8の内径より小さく設定され、その両端口7,8間で第一の収容孔5においてその内面の一部である円形状の内周面10が前記連通口9で分断されて一方の側板3から他方の側板4に向うに従い内径を次第に大きくして広げるように傾斜している。両収容孔5,6のうち第二の収容孔6における両端口7,8では一方の側板3により閉塞された円形状の端口7の内径が他方の側板4により閉塞された円形状の端口8の内径より大きく設定され、その両端口7,8間で第二の収容孔6においてその内面の一部である円形状の内周面11が前記連通口9で分断されて一方の側板3から他方の側板4に向うに従い内径を次第に小さくして狭めるように傾斜している。前記側板3,4は両収容孔5,6の両端口7,8を閉塞するようにケース本体2の両側に対し着脱可能に取着されている。
【0018】
前記ケース本体2内の両収容孔5,6にはそれぞれ略円錐台形状の回転体12,13が嵌め込まれ、それらの回転体12,13の両端面14,15から延設された軸部16がそれぞれ前記両側板3,4で軸受17により前記両収容孔5,6の中心5a,6aと一致する回転中心12a,13aを中心に回転可能に支持されている。両回転体12,13のうち第一の回転体12における両端面14,15では一方の側板3の内面に対し僅かな空隙をあけて面する円形状の端面14の外径が他方の側板4の内面に対し僅かな空隙をあけて面する円形状の端面15の外径より小さく設定され、その両端面14,15間で第一の回転体12においてその外面の一部である円形状の外周面18が回転中心12aの一端部側から他端部側に向うに従い外径を次第に大きくして広げるように前記第一の収容孔5の円形状の内周面10に沿って傾斜している。両回転体12,13のうち第二の回転体13における両端面14,15では一方の側板3の内面に対し僅かな空隙をあけて面する円形状の端面14の外径が他方の側板4の内面に対し僅かな空隙をあけて面する円形状の端面15の外径より大きく設定され、その両端面14,15間で第二の回転体13においてその外面の一部である円形状の外周面19が回転中心13aの一端部側から他端部側に向うに従い外径を次第に小さくして狭めるように前記第二の収容孔6の円形状の内周面11に沿って傾斜している。
【0019】
前記回転体12,13の外周面18,19と収容孔5,6の内周面10,11との間には僅かな隙間Gを有する流体加熱通路20が生じるようになっている。この両収容孔5,6間の連通口9において互いに隣接する両回転体12,13の外周面18,19は流体加熱通路20の一部としての流体加熱間隙20aをあけて互いに近接して相対動する近接面18a,19aを有している。この回転体12,13の外周面18,19には収容孔5,6の内周面10,11に面する複数の凹部21が配設されている。各凹部21がその外周面18,19の傾斜に沿って回転中心12a,13aの方向Xに並設された複数列の凹部群は、外周面18,19の外径が大きくなるに従い互いに間隔を広げて回転方向に並設されている。各凹部21においては、その外周面18,19で前記流体加熱通路20やその一部である流体加熱間隙20aに連通するように開放された円形状の開口21aから内側面21bが回転中心12a,13a側へ延びて同じ深さの底面21cを有している。他方の側板4には第一の回転体12の端面15の外周で流体加熱通路20に連通する口部22が形成されているとともに、一方の側板3には第二の回転体13の端面14の外周で流体加熱通路20に連通する口部23が形成され、この両口部22,23のうち一方を流体供給口部(例えば口部22)として利用するとともに他方を流体吐出口部(例えば口部23)として利用する。
【0020】
前記両回転体12,13の両軸部16のうち一方の軸部16は、一方の側板3の外側へ突出し、図示しないが、共通の駆動モータに対し歯車列を介して連結されている。これらの軸部16が同じ向きへ回転すると、両収容孔5,6間の連通口9において近接面18a,19aで互いに近接する両回転体12,13のうち第一の回転体12の回転向きと第二の回転体13の回転向きとが近接面18a,19aで互いに逆向きになって第一の回転体12の近接面18aと第二の回転体13の近接面19aとが相対動する。その際、第一の回転体12の回転速度と第二の回転体13の回転速度とを近接面18a,19aで互いに異なる回転速度にしたり互いに同じ回転速度にしたりしてもよい。
【0021】
流体供給口部22に供給された流体(例えば水)は、第一の回転体12における流体加熱通路20を通って両回転体12,13間の流体加熱間隙20aに至り、さらに第二の回転体13における流体加熱通路20を通って流体吐出口部23から吐出する。それらの流体加熱通路20で狭い隙間Gを通過する際や、各凹部21内で乱流を生じる際に、流体(例えば水)が摩擦熱により加熱されて湯や蒸気になる。しかも、両回転体12,13間の流体加熱間隙20aで両回転体12,13の近接面18a,19aが相対動し、摩擦熱が発生し易くなる。
【0022】
次に、本発明の第2実施形態にかかる流体加熱装置について第1実施形態との相違点を中心に図4を参照して説明する。
前記ケース1の両側板3,4において第二の回転体13の両軸部16のうち、一方の軸部16は一方の側板3に対し回転中心13aの方向Xへ移動可能に支持された可動体24に軸受17により支持されているとともに、他方の軸部16は他方の側板4に対し回転中心13aの方向Xへ移動可能に支持された可動体25に軸受17により支持されている。他方の側板4側においては、可動体25の外周に形成された鍔部26と側板4との間に複数枚の間隔調節シート27が嵌め込まれ、その鍔部26及び各間隔調節シート27に挿通された複数の調節ねじ28が周方向へ並設されて側板4に螺合され、その鍔部26と側板4との間で各調節ねじ28の外周に圧縮コイルばね29が巻装されている。各調節ねじ28を圧縮コイルばね29の弾性力に抗して締め付けると、鍔部26が各間隔調節シート27を介して側板4に圧接され、両可動体24,25が第二の回転体13とともに回転中心13aの方向Xに移動してケース1に位置決めされる。側板4における可動体25の位置は各間隔調節シート27の枚数に応じて変化する。従って、第一の回転体12の近接面18aに対し第二の回転体13の近接面19aを接近または離間させてそれらの間の流体加熱間隙20aで両近接面18a,19a間の間隔を変更するとともに、第二の収容孔6の内周面11に対し第二の回転体13の外周面19を接近または離間させてそれらの間の隙間Gで内周面11と外周面19との間の間隔を変更することができる。それらの間隔を変更すると、流体(例えば水)に対する摩擦熱の発生度合も変更することができる。なお、前記口部23はケース本体2に形成されている。
【0023】
図5に示す本発明の第3実施形態にかかる流体加熱装置については、第一の回転体12及び第二の回転体13が略円柱形状をなし、第一の収容孔5の内周面10に沿う第一の回転体12の外周面18が回転中心12aに対し傾斜せずに回転中心12aの方向Xに沿って延び、第二の収容孔6の内周面11に沿う第二の回転体13の外周面19が回転中心13aに対し傾斜せずに回転中心13aの方向Xに沿って延びている点で、第1実施形態と異なる。
【0024】
本実施形態は下記の効果を有する。
(1) ケース1内で二個の回転体12,13を並べて配設した際、各回転体12,13ごとの流体加熱通路20以外に、両回転体12,13の近接面18a,19a間の流体加熱間隙20aでも、流体が加熱されて流体に対する摩擦熱の発生度合を向上させることができる。
【0025】
(2) 両回転体12,13の回転向きの相違や、両回転体12,13の回転速度の相違や、第一の回転体12の外周面18及び近接面18aの傾斜と第二の回転体13の外周面19及び近接面19aの傾斜とケース1の内周面10,11の傾斜や、両回転体12,13の外周面18,19の凹部21により、流体の動きが活発になり、流体に対する摩擦熱の発生度合を向上させることができる。
【0026】
(3) 第一の回転体12の近接面18aと第二の回転体13の近接面19aとの間隔や、ケース1の内周面11と回転体13の外周面19との間隔を変更すると、必要に応じて、両近接面18a,19a間の流体加熱間隙20aや、ケース1の内周面11と回転体13の外周面19との間の流体加熱通路20で、流体に対する摩擦熱の発生度合を変更することができる。
【0027】
前記実施形態以外にも例えば下記のように構成してもよい。
・ 前述した第1〜3実施形態では、いずれも、図6(a)に示すように、ケース1内で二個の回転体12,13が両回転体12,13間の流体加熱間隙20aを介して直列に接続して並べられている。これに代えて、図6(b)に示すように三個の回転体12,30,13を互いに隣接する両回転体12,30と30,13間の流体加熱間隙20aを介して直列に接続して並べたり、図6(c)に示すように三個の回転体12,12,13を互いに隣接する両回転体12,13と12,13間の流体加熱間隙20aを介して並列に接続して並べたり、図6(d)に示すように四個の回転体12,30,30,13を互いに隣接する両回転体12,30と12,30と30,13と30,13間の流体加熱間隙20aを介して並列に接続して並べたりしてもよい。
【0028】
・ 前述した第1〜3実施形態では、両回転体12,13の両軸部16のうち駆動側の軸部16が互いに反対向きへ回転すると、両収容孔5,6間の連通口9において近接面18a,19aで互いに近接する両回転体12,13のうち一方の回転体12の回転向きと他方の回転体13の回転向きとが近接面18a,19aで互いに同じ向きになる。その際に、一方の回転体12の回転速度と他方の回転体13の回転速度とを近接面18a,19aで互いに異なる回転速度にすると、一方の回転体12の近接面18aと他方の回転体13の近接面19aとが相対動する。
【0029】
・ 前述した第1〜3実施形態において、凹部21は両回転体12,13の外周面18,19にのみ形成されたが、両収容孔5,6の内周面10,11にのみ凹部を形成したり、それらの外周面18,19と内周面10,11とにそれぞれ凹部を形成してもよい。また、両回転体12,13の凹部21の形状を変更してもよい。
【0030】
・ 前述した第2実施形態においては、第一の回転体12の近接面18aと第二の回転体13の近接面19aとの間の流体加熱間隙20aで両近接面18a,19a間の間隔の変更を間隔調節シート27の枚数の変化により行っているが、第二の回転体を電磁ソレノイドや雌雄ねじ機構などにより移動させてその間隔を変更するようにしてもよい。また、第一の回転体も第二の回転体と同様に移動調節可能にしてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1…ケース、10,11…ケースの内周面、12,13…回転体、12a,13a…回転体の回転中心、18,19…回転体の外周面、18a,19a…回転体の近接面、20…流体加熱通路、20a…流体加熱間隙、21…回転体の凹部、22…ケースの流体供給口部、23…ケースの流体吐出口部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体供給口部と流体吐出口部とを有するケース内で回転可能に支持した回転体を設けるとともに、互いに近接して相対動する回転体の外面とケースの内面との間に流体加熱通路を設け、流体供給口部に供給された流体がこの流体加熱通路を通って流体吐出口部から吐出する流体加熱装置において、前記回転体は複数並べて配設され、互いに隣接する両回転体の外面は流体加熱間隙をあけて互いに近接して相対動する近接面を有していることを特徴とする流体加熱装置。
【請求項2】
近接面で互いに近接する両回転体のうち一方の回転体の回転向きと他方の回転体の回転向きとを近接面で互いに逆向きにして一方の回転体の近接面と他方の回転体の近接面とを相対動させたことを特徴とする請求項1に記載の流体加熱装置。
【請求項3】
近接面で互いに近接する両回転体のうち一方の回転体の回転速度と他方の回転体の回転速度とを近接面で互いに異なる回転速度にして一方の回転体の近接面と他方の回転体の近接面とを相対動させたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流体加熱装置。
【請求項4】
近接面で互いに近接する両回転体の外面において両回転体の回転中心を中心とする外周面は、それらの外周面の直径が回転中心の一端部側から他端部側に向うに従い次第に小さくなるように傾斜し、一方の回転体の近接面と他方の回転体の近接面とを互いに沿って傾斜させたことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3に記載の流体加熱装置。
【請求項5】
近接面で互いに近接する両回転体をそれらの回転中心の方向へ相対移動調節可能に支持して、一方の回転体の近接面と他方の回転体の近接面との間隔を変更可能にしたことを特徴とする請求項4に記載の流体加熱装置。
【請求項6】
近接面で互いに近接する両回転体のうち少なくとも一つの回転体はケースに対し回転中心の方向へ移動可能に支持され、ケースは回転体の外周面に沿って傾斜させた内周面を有し、回転体を回転中心の方向へ移動させることによりケースの内周面と回転体の外周面との間隔を変更可能にしたことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の流体加熱装置。
【請求項7】
前記流体加熱通路で回転体の外面とケースの内面とのうち少なくとも一方には他方に面する複数の凹部を回転方向と回転中心の方向とに並設したことを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか一つの請求項に記載の流体加熱装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−271003(P2010−271003A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−125011(P2009−125011)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(509145819)株式会社 プロスワン (3)