流体放出装置
【課題】流体製品を放出するための流体放出装置を提供する。
【解決手段】流体製品を放出可能な放出出口1411;流体製品の供給物;第1の位置から第2の位置に軸X−Xに沿った放出方向に動くように取りつけられ、供給物中の流体製品1用量を放出出口1411から放出させる放出部材1430;および軸X−Xに対しておおまかに横方向である作動方向に移動するよう取りつけられた指操作型アクチュエータ部材1420を有する流体放出装置に関する。アクチュエータ部材1420は、少なくとも1個のカム表面1422を有し、放出部材1430は少なくとも1個のカム従動子表面1492を有する。少なくとも1個のカム表面は、軸X−Xに対して第1の角度の方向に向いている掛かり区画および第1の角度より大きい軸に対する第2の角度の方向に向いている隣接する駆動区画を有する。
【解決手段】流体製品を放出可能な放出出口1411;流体製品の供給物;第1の位置から第2の位置に軸X−Xに沿った放出方向に動くように取りつけられ、供給物中の流体製品1用量を放出出口1411から放出させる放出部材1430;および軸X−Xに対しておおまかに横方向である作動方向に移動するよう取りつけられた指操作型アクチュエータ部材1420を有する流体放出装置に関する。アクチュエータ部材1420は、少なくとも1個のカム表面1422を有し、放出部材1430は少なくとも1個のカム従動子表面1492を有する。少なくとも1個のカム表面は、軸X−Xに対して第1の角度の方向に向いている掛かり区画および第1の角度より大きい軸に対する第2の角度の方向に向いている隣接する駆動区画を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体製品、例えば医薬を投与するための流体放出装置に関するものであり、特には経鼻投薬装置に関するものであるが、それに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
ユーザーがポンプディスペンサーに力を加えるとノズルまたはオリフィスから流体が放出される流体ディスペンサーを提供することが知られている。そのような装置は、順次定量ポンプ駆動を行うことで放出される数用量の流体製剤が入った貯留部を有する配置となっている。米国特許第4946069号に、ポンプ駆動噴霧器の例が示され、説明されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
手持ち式の手動型経鼻流体医薬ディスペンサーがWO−A−03/095007に開示されており、その全内容は参照によって本明細書に組み込まれる。そのディスペンサーは、医薬が入った容器上に取りつけられた加圧ポンプを有する流体放出装置を収容する筐体を有する。その筐体は少なくとも1個の指操作型サイドレバーを有し、それは筐体に関して内側方向に移動可能であることで、筐体中の容器を上方向にカム送りして、それによってポンプが加圧を行い、筐体の鼻ノズルを通ってポンプステムから1用量の医薬がポンプ送りされる。図19、19aおよび19bに示した実施形態では、一対の対向するサイドレバーが、容器の頸部に取りつけられたカラーと共動する。そのカラーは、レバーが内側方向に動いた時に、レバーのカム表面を乗り越えるカム従動子表面を提供する。カム従動子表面は、流体放出装置のカムの運動の方向(軸)に対して異なる角度で傾斜した区画を有する。相対的に急勾配の区画が、掛かり部を提供する。すなわち、少なくとも最小の指の力をサイドレバーに加えた場合にのみ、レバーは相対的に急勾配のカム従動子表面区画を越えることができる。相対的に浅い区画へのカム従動子表面の角度変化と相まって、この力の大きさにより、相対的に急勾配のカム従動子表面区画を越えると、各レバーは急速にスライドしてカム従動子表面を超えるようになり、それによって加圧ポンプの加圧と医薬の霧化が確実に行われる。
【0004】
本発明の目的は、流体放出装置、特には経鼻用の装置および/またはサイドアクチュエータで動作する装置を改良することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、本発明の請求項1による流体放出装置、本発明の請求項30による流体放出装置、本発明の請求項37による流体放出装置、本発明の請求項42による流体ディスペンサー、本発明の請求項48によるセットおよび本発明の請求項52による流体ディスペンサーが提供される。
【0006】
本発明の有用な特徴は、本発明の他の請求項に記載されている。
【0007】
「指操作型」という用語は、代表的なユーザー(例えば、成人もしくは小児の患者)の指もしくは親指、またはそれらの組み合わせの作用によって動作可能であることを意味している。
【0008】
代表的には、最小駆動力は、5〜30N、よりより代表的には10〜25Nの範囲である。そのような値は、弱い、不明なもしくは意図しない指の動きに対して好適な「障壁力」を提供しながら、ユーザーの確固とした指(もしくは親指)の操作によって容易に超えられる力に相当する傾向にある。小児もしくは高齢者の患者による使用に向けて装置を設計する場合、その装置が成人による使用向けに設計されるより小さい最低駆動力を有するようにする場合があることは明らかであろう。
【0009】
理想的には、特に医薬用の場合、本発明のディスペンサーは、定量用量の流体製品を放出する。
【0010】
理想的には、そのディスペンサーは、流体製品の各用量を霧化噴霧剤として放出するように構成および配置されている。
【0011】
好適には本発明の流体ディスペンサーには、流体製品用量をディスペンサーからポンプ送りするためのポンプが組み込まれている。そのポンプは、バロイス社(Valois SA)製造のVP3もしくはVP7モデルまたはそれらの改変型などの予圧ポンプを有していても良い。代表的には、そのような予圧ポンプは、流体製品8〜50mLを保持することができる瓶(ガラスもしくはプラスチック)容器とともに用いるのが普通である。各駆動によって代表的には、流体製品25〜150mL、特には50〜100mL(すなわち、定量用量)が放出されることから、その装置は代表的には、少なくとも50(例えば60もしくは100)定量用量を提供する能力を有する。
【0012】
他の好適な投薬容器には、エリック・プファイファー社(Erich Pfeiffer GmbH)、レキサム−ゾファブ(Rexam-Sofab)およびセイント−コバイン・カルマー社(Saint-Cobain Calmar GmbH)が販売しているものなどがある。
【0013】
明瞭を期すため、本発明の各種態様に変更を加えて、他の態様または他の態様の1以上の特徴を組み込むことが可能である。
【0014】
本発明のさらに別の態様および特徴を、添付の図面を参照して行う本発明の例示的実施形態についての下記説明に記載している。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の流体放出装置の側面図である。
【図2】ディスペンサーの縦断面図である。
【図3】ディスペンサーの部分縦断面図である。
【図4】図3中の領域Aの拡大図である。
【図5】図3中の領域Bの拡大図である。
【図6】装置の筐体に入っている流体放出装置のノズルの部分拡大底部平面図である。
【図7】図7Aは、流体放出装置のアクチュエータレバーの模式的平面図であり;図7Bは、図7A中の矢印Aで切ったレバーの側面図である。
【図8】ノズルの側面図である。
【図9】流体放出装置のガイド機構の模式的表示である。
【図10】カムの輪郭を提供するレバーの一対のビークのうちの一方の拡大図である。
【図11】流体放出装置の筐体に対して外側の位置にあるレバーの部分模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1〜11は、本発明に従ってヒトユーザーの鼻腔内に流体を噴霧する流体放出装置1405を示す図である。
【0017】
流体放出装置1405は、プラスチック筐体1409(例えば、ABS製)、筐体1409の上端で鼻腔に挿入するためのノズル1411およびそれの縦軸X−X方向の並進移動を行うための筐体1409内に収容された流体放出装置1408を有する。図1〜5に示したように、流体放出装置1408を筐体1409に入れると、それの縦軸X−Xがノズル1411と一列に並ぶ。
【0018】
ノズル1411の外側表面またはその外側表面の一部を、ソフトタッチのプラスチック材料製とすることができる。しかしながら、本実施形態では、ノズル1411はポリプロピレン(PP)製である。
【0019】
流体放出装置1408は、複数の定量用量の流体を放出するだけの量の流体を貯蔵するための容器1430および容器1430に取りつけられた加圧ポンプ1429を有する。容器1430は半透明もしくは透明プラスチック材料製であるが、それをガラスのような他の半透明もしくは透明材料製としても良いことは明らかであろう。ポンプ1429は、容器1430内に配置された浸漬管の形での吸入口1461、およびポンプ1429からノズル1411に流体を移動させるためのポンプステムの形態での排出口1463を有する。
【0020】
筐体1409には、容器1430中の流体のレベルをチェックできる窓1450が設けられている。
【0021】
縦軸X−Xに対して横向きの方向で容器1430に力を加えるための指操作手段1420が、筐体にピボット式に取りつけられている。この横方向の力によって、容器1430が縦軸X−Xに沿ってノズル1411に向かって移動することで、ポンプ1429が駆動される。指操作手段は、下端で筐体1409にピボット式につながったレバー1420(例えば、ABS製)の形態であり、容器1430に作用して、ユーザーの指もしくは親指によって内側方向に旋回すると、容器1430をノズル1411の方に押すような配置となっている。
【0022】
保護エンドキャップ1407が、ノズル1411保護用に設けられている。第1および第2の突起1449a、1449bが、保護エンドキャップ1407から突出して、筐体1409内に設けられた好適に配置されている流路1451a、1451b内に収容するようになっていることで、エンドキャップ1407の筐体1409への確実な取りつけが行えるようになっている。そのように収容されると、第1の突起1449aはさらに、レバー1420の動きを妨害して、例えばエンドキャップ1407および突起1449a、1449bが所定位置(すなわち、ノズルで覆われる位置)に来た時に駆動を防ぐようになっている(すなわち動きをロックするため)。
【0023】
エンドキャップ1407にはさらに、ノズル1411の放出オリフィス1415との密閉係合を行って、ノズルオリフィス1415に対して実質的に気密封止を行うことで、ストッパー1460が所定位置に来た時に流体が逆流するのを防止するよう配置された凸状の弾性末端形状1461を有する突出ストッパー1460を有する。
【0024】
エンドキャップは好適には、筐体と同じ材料、例えばプラスチック材料、好適にはABS製である。
【0025】
図3、5および7Aを参照することで明らかなように、レバー1420は一対のビークもしくはノーズ1421を有し、それらはそれぞれ、容器1430の頸部を中心として固定されたカラー1490(例えば、アセタール製)上に設けられた一対のカム従動子表面1492の一方と相互作用するよう配置されたカム表面1422を提供する。レバー1420に加わる横方向の力(すなわち、流体放出装置1408の縦軸X−Xに対して実質的に横方向)によって、カム従動子表面1492がカム表面1422を乗り越えることで、流体放出装置1408が上方向に(すなわち、縦軸X−Xに沿って)移動するようになることは明らかであろう。
【0026】
より詳細には、ビーク1421は、対向する側面上のレバー1420の上端に位置している。平面図では、レバー1420の上端は、図7Aに示したようにU字断面となっている。ビーク1421は、流体放出装置1408の対向する側面にまたがっていることで、カラー1490上の全く反対にあるカム従動子表面1492と共動するようになっている。流体放出装置1405はアクチュエータレバー1420を1個のみ有することに留意すると、一対のビーク1421を用いることで、レバー1420が縦軸X−Xに沿って上方向に流体放出装置1408をカム送りする能力が向上する。
【0027】
レバー1420の各カム表面1422は、所定の力がレバー1420に加わるまで、容器1430に対してほとんど力が移動しないように調整された可変の機械比を有する。より詳細には、各カム表面1422は、流体放出装置1408の縦軸X−Xに対して第1の角度で傾いている掛かり部分1423aと第1の角度より大きい第2の角度で縦軸X−Xに対して傾いている駆動部分1423bとを有する。第1の角度は、約20°以上であるべきであり、好適には約20〜35°、より好適には約20〜26°、さらに好適には約22〜26°の範囲である。第2の角度は、約40〜60°の範囲、好適には約40〜50°、より好適には約45°であることができる。
【0028】
従って、最初に内向きの力がレバー1420に加わると、それは流体放出装置1408の縦軸X−Xに対して実質的に法線方向に加わり、流体放出装置1408の縦軸X−X方向の力に変換される力は実質的にはないことから、ビーク1421の掛かり部分1423aとカム従動子表面1492の間の静止摩擦は、レバー1420を効果的に静止状態に維持する上で十分である。しかしながら、所定の負荷がレバー1420に加わると、静止摩擦を超え、カム従動子表面1492が掛かり部分1423aの上に乗り始める。
【0029】
カム従動子表面1492が掛かり部分1423aの末端に達すると、カム表面の縦軸X−Xに対する傾斜の増加が、加わる力の大きさと相まって、カム従動子表面1490が突然かつ急速に駆動部分1423bに沿ってスライドし、それによって容器1430のノズル1411方向への急速な移動が起こって、加圧ポンプが動作されるようになる。これによって、十分な力が加わっている場合のみポンプが作動されて、ノズル1411から効果的な噴霧の発生が確実に行われるようになる。
【0030】
図10について説明すると、掛かり部分1423aはカム表面1422の平面区画であるが、駆動部分1423bは弓形であることがわかる。より具体的には、駆動部分1423bは、関連する掛かり部分1423aと隣接している短い円形の移行区画1423cを有する。移行区画1423cは、駆動部分1423bの残りの部分の曲率半径R2より大きい曲率半径R1を有し、半径R2は駆動部分1423bの残りの部分の長さにわたって一定である。移行部分1423cは、カム表面1422の掛かり部分1423aから駆動部分1423bへのカム従動子表面1492の移動を滑らかにするものである。それらはまた、カム表面1422の摩耗を減らすものでもある。
【0031】
本実施形態におけるR1は約3mmであり、R2は約25mmである。そうではあっても、当業者には明らかなように、他の半径を用いることも可能であると考えられる。
【0032】
図3について説明すると、カム従動子表面1492は、プラスチックカラー1490上の全く反対にある盛り上がり部1493の円形縁部である。これによって、カム従動子表面1492のカム表面1422上への乗り上げが容易になり、個々の表面の摩耗も減る。
【0033】
図5および10に示したように、ビーク1421は、流体放出装置1408のカラー1490上の盛り上がり部1493が乗るための受け台1424を形成する先端部を有する。受け台1424は、盛り上がり部1493を支持することができる縦軸X−Xに対して横方向に延在する支持表面1424aを提供する。受け台1424は、受け台1424が盛り上がり部1493と係合する点を超えて流体放出装置1408が下方向に移動するのを防止する限りにおいて、流体放出装置1408用の逆転防止装置として作用する。図5からわかる通り、これによって、カム従動子表面1492を、カム表面1422の掛かり部分1423aと確実に位置合わせされる。
【0034】
レバー1420が内側方向に旋回することに留意すると、レバー1420が内側方向に旋回するに連れて、平面掛かり部分1423aが縦軸X−Xと作る傾斜角が小さくなっていき(相対的に急勾配になる)、それによって流体放出装置1408の抵抗が上昇して、上方向にカム送りされることがわかる。
【0035】
しかしながら、駆動部分1423b、特には移行区画1423c後のその部分の弓状性は、レバー1420が内側方向に旋回していっても、それが縦軸X−Xと作る傾斜角が同じままであるか、実質的に同じとなるようなものである。より具体的には、レバー1420が内側方向に旋回するに連れて、カム従動子表面1492と接触している曲率半径R2を有する駆動部分1423bの区画上の点がカム表面1422を上に移動することが考えられる。レバー1420が内側方向に旋回していても、この変化する接触点に対する接線が縦軸X−Xと作る角度は同じままであるか、実質的に同じままであることで、流体放出装置1408がノズル1411から定量用量の流体製品を噴霧するようになる。この特徴は、レバー1420が内側方向に旋回するに連れて縦軸X−Xに対する角度が上昇すると思われることから、駆動部分1423bが平面表面である場合に起こると考えられるように、掛かり部を越えた後にはレバー1420の内向きの運動に対する抵抗が決して増加しないことを意味する。
【0036】
カム輪郭の上記の特徴は、レバー1420を作動させて、流体放出装置1408に対して、ノズル1411から定量用量の流体製品を噴霧させるようにした時に、操作者が装置1405から滑らかな触覚的な応答を受けることを意味している。
【0037】
流体放出装置1405を用いるためには、ユーザーは最初に、ストッパー端1460を外すことで保護キャップ1407を外すことによって、ノズルオリフィス1415を開放しなければならない。次にユーザーは、流体放出装置1405を把持し、親指および/または指をレバー1420上に置く。
【0038】
ごく軽い圧力をレバー1420に加えた場合は、流体は放出されず、ユーザーは流体放出装置1405の放出ノズル1411を操作して一方の鼻孔に入れることができることから、流体を鼻腔に放出することができる。
【0039】
次に、ユーザーが力を強くしてレバー1420を内側方向に押すと、カム従動子表面1492とカム表面1422の掛かり部分1423aとの相互作用によって規定される閾値力が超えられて、容器1430がノズル1411の方へ急速に移動して、ポンプ1429が作動し、流体が放出オリフィス1415に送られることになる。レバー1420に加わっている圧力を緩めると、ポンプがそれの内部伸縮バネによって元の位置に戻る。さらに、レバー1420には板バネ1465(図2)があり、それは筐体内壁1467に対して作用して、図1〜3および5に示した休止位置にレバー1420を付勢する。
【0040】
次に、容器1430中の全ての流体が使用されるまで、前記作動手順を繰り返すことができる。しかしながら、1回では、1用量もしくは2用量のみの流体を投与するのが普通である。
【0041】
図5および9について説明すると、レバー1420が流体放出装置1408に加える横力に対抗し、レバー操作に応じての流体放出装置1408の軸方向変位をガイドするため、カラー1490は、一対の全く反対に位置する行路1469を有しており、それらは縦軸X−Xに平行に配置されている。これらの行路1469は、盛り上がり部1493によって提供される。各行路1469は、流体放出装置1408が下端にある(下側)開口部1471を通って筐体1409中に挿入される時に(下側開口部はその後、キャップ1472によって閉じられる)、筐体1409の内側表面上に設けられた相補的な軸方向に延在するランナー上に行路1469を自己ガイドするため、上端で漏斗形状を有する。さらに、行路−ランナー機構によって、カラー1490は縦軸X−Xを中心とした正確な角度方向に配置されることから、カム従動子表面1492がカム表面1422に対向するようになることも明らかであろう。
【0042】
使用時には、レバー1420がカム表面1422の掛かり部分1423aが提供する閾値力を超えた時に、行路1469がランナー1467の上に乗る。明らかなように、行路1469とランナー1467との共動によって、カラー1490が回転して筐体1409に入るのが防止される。
【0043】
行路1469に加えて、カラーはポンプステム1463用の鞘部1473も有しており、それは、ノズル出口通路1477が形成されているノズル1411の内部中空ポスト1475上に滑りばめを形成している。図2に示したように、ポンプステム1463は、締まりばめによって出口通路の下側の広がった部分に配置されている。従って、容器1430およびカラー1490がレバー1420によって上方向に移動する間、ポンプステム1463は筐体1409中で固定状態に留まる、すなわち容器−カラーユニットとポンプステムとの間には相対的な動きがあることがわかる。このようにして、ポンプ1429が加圧され、ポンプステム1463から定量用量の流体製品が排出されて出口通路1477に入って、出口通路1477の末端でノズルオリフィス1415から吐出される。レバー1420上の掛かり部は、ポンプ送り力がノズル1411からの流体製品を霧化する上で十分なものとなるようにするものである。
【0044】
図8に示したように、本実施形態におけるノズル1411は、筐体1409とは別個の部品として形成されている。それによって医薬と接触するようになる装置の唯一の部分が切り離されることから、これは放出される流体製品が医薬である場合に有利である。従って、筐体1409を用いる必要なく、ノズル1411の医薬的な性能の試験を実施することが可能である。そこで、ノズル1411が完成したら、筐体1409の開発および設計を継続しながら、それの試験を開始することができる。従って、仮にノズル1411が筐体1409と一体形成された場合に考えられるような、装置開発における停滞がない。筐体の成形における変更では、その新たな成型品がノズル性能に悪影響を与えていないことを確認するのに、ノズル1411の再試験が必要であると考えられる。
【0045】
さらに、別個のノズル1411があるということは、異なる市場および/または異なる製品用に筐体1409をカスタマイズできるということを意味する。例を挙げると、ノズル1411は、異なる形状、異なる色などを有する一組の筐体用の汎用ノズルとすることができると考えられる。
【0046】
別個のノズル1411が有する別の利点は、筐体1409と比較して、それが異なる材料、例えば鼻孔への挿入および/または流体製品(特に、それが医薬の場合)との接触に関してより許容度が高いが、筐体1409全体を形成するには高価すぎる可能性がある材料から、より容易に形成可能であるという点である。
【0047】
そのために、図2に示したように、筐体1409には、その上端にノズル1411を挿入可能な(上側)開口部1480がある。図2、6および8について説明すると、ノズル1411には、それの下端に上側開口部1480の内側マウスを係合するフランジ1481があることから、ノズル1411の先端部が、鼻での使用に必要な距離だけ、上側開口1480から突出している。図2および6からわかるように、上側開口部1480の内側マウスは、縦軸X−Xを中心として角度的に間隔を開けて配置された一連のカラー断片1485から形成されるカラー1483によって画定されている。カラー断片1485は、かしめ工具によってノズルフランジ1481を越えて曲げられていることで、ノズルフランジ1481を内側マウスに対してクランプ留めして、ノズル1411を上側開口部1480で固定している。
【0048】
流体放出装置1405の組立を容易にするため、レバー1420に、筐体1409に関して外側の位置にそれを配置することができる手段が設けられていることで、流体放出装置1408を下側開口1471を通って筐体1409に挿入させて、図1、3および5に示したそれの休止位置および図1〜3に示した筐体1409に関して内側の位置に配置することができる。
【0049】
図7A、7Bおよび11について説明すると、レバー1420の上端に、レバー1420の上側縁部1502の上に突出したタブ1501が設けられている。タブ1501は、レバー1420にある切欠部1505によって形成される弾性ブリッジ要素1503から突出している。弾性ブリッジ要素1503は、タブ1501を図7A、7Bおよび11に示したそれの延在位置に付勢するものであるが、タブ1501を押すことができることから、それはレバー上側縁部1502と同一面またはその下となる。
【0050】
図1からわかるように、レバー1420は筐体1409の側面に形成された溝部1507に取りつけられている。筐体1409とは別個に形成されているが同じプラスチック材料製であるレバー1420は、最初に板バネ1465を有するそれの下端1509を溝部1507から挿入して、軸方向の流路1511に収容させることで筐体に取りつけられる。こうして、図11に模式的に示したように、レバー1420はそれの外側位置に配置され、タブ1501が溝部1507の縁部を圧迫していることで、レバー1420が溝部1507を通ってそれの内側位置に移動するのを防止している。
【0051】
レバー1420がそれの外側位置にある時、レバー1420、および特にはそれのビーク1422が流体放出装置1408の載置を妨害しないことから、流体放出装置1408を下側筐体開口部1471から筐体1409に挿入してそれの休止位置に配置することができる。
【0052】
流体放出装置1408がそれの休止位置に載せられた後、例えば、タブ1501を押すことでスロット1507の縁部を取り除き、次にレバー1420を内側に押して図2に示したそれの位置に配置することで、レバー1420をそれの内側位置に移動させる。流体放出装置1408が筐体1409中に載置される前に、レバー1420がそれの内側位置にあった場合、いずれにしてもレバー1420に損傷を与えることなく、流体放出装置を筐体1409中に載置して、それの休止位置に配置することはできないと考えられる。
【0053】
図2に示したように、例えば、レバー1420がそれの内側位置まで移動したら、タブ1501がそれの延在位置に戻り、筐体1409の内側表面を圧迫することで、レバー1420は内側位置に維持される。この点に関して、レバー板バネ1465がレバー1420を外方向に付勢している。
【0054】
より詳細には、タブ1501が筐体1409における流路1451aの一つの内側表面を圧迫しており、そこではキャップ突起1449a、1449bがスナップ留めされていることで、保護キャップ1407が筐体1409上に着脱可能に捕捉された状態で保持されている。図2に示したように、流路1451aに収容された突起1449aは、タブ1501の前に配置されている。従って、レバータブ1501の内側移動を遮断する突起1449aによって、キャップ1407が所定位置にある時には、レバー1420が内側に動くことで流体放出装置1405が作動するのが防止されることが推測される。
【0055】
プラスチック材料製である流体放出装置1405の部品は、成形法によって形成される。
【0056】
この例示的な実施形態の他の特徴が、添付の請求項および上記の「課題を解決するための手段」のセクションにおける説明など(これらに限定されるものではない)、本明細書の他のセクションにある。
【0057】
流体放出装置1408は、例えば軽度、中等度または重度の急性もしくは慢性症状の治療、または予防処置用の医薬製剤を含むことができる。投与される正確な用量は、患者の年齢および状態、使用される特定の医薬および投与回数によって決まるものであり、最終的には担当医の裁量によって決まる。医薬を併用する場合、その組み合わせの各成分の用量は通常、単独で使用される場合に各成分について用いられるものである。
【0058】
適切な医薬は、例えばコデイン、ジヒドロモルヒネ、エルゴタミン、フェンタニルまたはモルヒネなどの鎮痛薬;ジルチアゼムなどの狭心症薬;クロモグリク酸化合物(例:ナトリウム塩)、ケトチフェンまたはネドクロミル(例:ナトリウム塩として)などの抗アレルギー薬;セファロスポリン類、ペニシリン類、ストレプトマイシン、スルホンアミド類、テトラサイクリン類およびペンタミジンなどの抗感染薬;メタピリレンなどの抗ヒスタミン薬;ベクロメタゾン(例:ジプロピオン酸エステルとして)、フルチカゾン(例:プロピオン酸エステルとして)、フルニソリド、ブデソニド、ロフレポニド(rofleponide)、モメタゾン(mometasone)(例:フランカルボン酸エステルとして)、シクレソニド(ciclesonide)、トリアムシノロン(例:アセトニドとして)、6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−(2−オキソテトラヒドロ−フラン−3−イル)エステルまたは6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオン酸S−フルオロメチルエステルなどの抗炎症剤;ノスカピンなどの鎮咳薬;アルブテロール(例:遊離塩基または硫酸塩として)、サルメテロール(例:キシナホ酸塩として)、エフェドリン、アドレナリン、フェノテロール(例:臭化水素酸塩として)、ホルモテロール(例:フマル酸塩として)、イソプレナリン、メタプロテレノール、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピルブテロール(例:酢酸塩として)、レプロテロール(例:塩酸塩として)、リミテロール、テルブタリン(例:硫酸塩として)、イソエタリン、ツロブテロールまたは4−ヒドロキシ−7−[2−[[2−[[3−(2−フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル]エチル]アミノ]エチル−2(3H)−ベンゾチアゾロンなどの気管支拡張薬;シロミラストまたはロフルミラストなどのPDE4阻害薬;モンテルカスト、プランルカストおよびザフィルルカストなどのロイコトリエン拮抗薬;[2R,3R,4S,5R)−2−[6−アミノ−2−(1S−ヒドロキシメチル−2−フェニル−エチルアミノ)−プリン−9−イル]−5−(2−エチル−2H−テトラゾール−5−イル)−テトラヒドロ−フラン−3,4−ジオール(例:マレイン酸塩として)などのアデノシン2a作働薬]*;[(2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロパン酸(例:遊離酸またはカリウム塩として)などのα4インテグリン阻害薬]*;アミロリドなどの利尿薬;イプラトロピウム(例:臭化物として)、チオトロピウム(tiotropium)、アトロピンまたはオキシトロピウム(oxitropium)などの抗コリン作働薬;コルチゾン、ハイドロコルチゾンまたはプレドニゾロンなどのホルモン類;アミノフィリン、コリン・テオフィリネート、リジンテオフィリネートまたはテオフィリンなどのキサンチン類;インシュリンまたはグルカゴンなどの治療タンパク質およびペプチドから選択することができる。当業者には、適宜に医薬を、塩の形で(例:アルカリ金属塩またはアミン塩あるいは酸付加塩として)、またはエステルとして(例:低級アルキルエステル)、または溶媒和物として(例:水和物)用いて、その医薬の活性および/または安定性を至適化し、ないしは推進剤中での医薬の溶解度を低下させることができることは明らかであろう。
【0059】
好ましくは前記医薬は、喘息および鼻炎などの炎症性の障害または疾患の治療のための抗炎症化合物である。
【0060】
1態様において前記医薬は、抗炎症特性を有する糖質コルチコイド化合物である。ある好適な糖質コルチコイド化合物は、6α,9α−ジフルオロ−17α−(1−オキソプロポキシ)−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−フルオロメチルエステル(プロピオン酸フルチカゾン)という化学名を有する。別の好適な糖質コルチコイド化合物は、6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオン酸S−フルオロメチルエステルという化学名を有する。さらに別の好適な糖質コルチコイド化合物は、6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−17α−[(4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボニル)オキシ]−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−フルオロメチルエステルという化学名を有する。
【0061】
他の好適な抗炎症化合物には、NSAID類、例えばPDE4阻害薬、ロイコトリエン拮抗薬、iNOS阻害薬、トリプターゼおよびエラスターゼ阻害薬、β−2インテグリン拮抗薬およびアデノシン2a作働薬などがある。
【0062】
医薬は、好適な流体製剤、特には他の製薬上許容される添加成分を含んでいても良い溶液(例:水溶液)製剤もしくは懸濁液製剤として製剤される。
【0063】
好適には、本発明における流体医薬製剤は、25℃で10〜2000mPa・s(10〜2000センチポアズ)、特には20〜1000mPa・s(20〜1000センチポアズ)、例えば50〜1000mPa・s(50〜1000センチポアズ)の粘度を有する。
【0064】
好適な製剤(例:溶液または懸濁液)は、pHを適切に選択することで安定化させることができる(例えば、塩酸または水酸化ナトリウムを使用)。代表的にはpHは、4.5〜7.5、好ましくは5.0〜7.0、特には約6〜6.5に調節する。
【0065】
好適な製剤(例:溶液または懸濁液)は、1以上の賦形剤を含むことができる。本明細書において「賦形剤」という用語は、無毒性で有害な形で組成物の他の成分と相互作用しない実質的に不活性な材料を意味し、医薬用の炭水化物、有機および無機塩、ポリマー、アミノ酸、リン脂質、湿潤剤、乳化剤、界面活性剤、ポロキサマー類、プルロニック類(pluronics)およびイオン交換樹脂ならびにこれらの組合せなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0066】
好適な炭化水素には、果糖などの単糖類;乳糖など(それに限定されるものではない)の二糖類ならびにそれらの組合せおよび誘導体;セルロースなど(それに限定されるものではない)の多糖類ならびにそれらの組合せおよび誘導体;デキストリン類など(それに限定されるものではない)のオリゴ糖類ならびにそれらの組合せおよび誘導体;ソルビトールなど(それに限定されるものではない)の多価アルコール類ならびにそれらの組合せおよび誘導体などがある。
【0067】
好適な有機および無機塩には、リン酸ナトリウムもしくはカルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ならびにそれらの組合せおよび誘導体などがある。
【0068】
好適なポリマーには、ゼラチンなど(それらに限定されるものではない)の天然生体分解性タンパク質ポリマー類ならびにそれらの組合せおよび誘導体;キチンおよびデンプン、架橋デンプンなど(それらに限定されるものではない)の天然生体分解性多糖類ポリマー類ならびにそれらの組合せおよび誘導体;キトサンの誘導体など(それらに限定されるものではない)の半合成生体分解性ポリマー類;ならびにポリエチレングリコール類(PEG)、ポリ乳酸(PLA)など(それらに限定されるものではない)の合成生体分解性ポリマー類、ポリビニルアルコールなど(それに限定されるものではない)の合成ポリマーならびにそれらの組合せおよび誘導体などがある。
【0069】
好適なアミノ酸には、ロイシンなどの非極性アミノ酸類ならびにそれらの組合せおよび誘導体などがある。好適なリン脂質には、レシチン類ならびにそれらの組合せおよび誘導体などがある。
【0070】
好適な湿潤剤、界面活性剤および/または乳化剤には、アカシアガム、コレステロール、脂肪酸類(それらに組合せおよび誘導体を含む)などがある。好適なポロキサマー類および/またはプルロニク類には、ポロキサマー188、プルロニク(登録商標)F−108ならびにそれらの組合せおよび誘導体などがある。好適なイオン交換樹脂には、アンバーライトIR120ならびにそれらの組合せおよび誘導体などがある。
【0071】
好適な溶液製剤は、界面活性剤などの可溶化剤を含むことができる。好適な界面活性剤には、α−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−ω−ヒドロキシポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)ポリマー類、例えばトリトン(Triton)シリーズのもの、例えばトリトンX−100、トリトンX−114およびトリトンX−305(X数は、広くポリマー中のエトキシ繰り返し単位の平均数(代表的には7〜70、特には約7〜30、特には約7〜10)を示す)など、ならびに相対分子量が3500〜5000、特には4000〜4700(特定のものとしてはチロキサポール(Tyloxapol))を有するものなどのホルムアルデヒドおよびオキシランとの4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールポリマー類などがある。界面活性剤は代表的には、製剤の重量に基づいて約0.5〜10重量%、好ましくは約2〜5重量%の濃度で用いる。
【0072】
好適な溶液製剤はまた、ヒドロキシ含有有機共溶媒和剤を含むこともでき、それにはポリエチレングリコール類(例:PEG200)およびプロピレングリコールなどのグリコール類;デキストロースなどの糖類;ならびにエタノールなどがある。デキストロースおよびポリエチレングリコール(例:PEG200)が好ましく、特にはデキストロースである。プロピレングリコールは好ましくは、20%以下、特には10%以下の量で使用し、最も好ましくは全く使用しない。エタノールは好ましくは使用しない。ヒドロキシル含有有機共溶媒和剤は代表的には、製剤の重量に基づいて約0.1〜20重量%、例えば約0.5〜10重量%、例えば約1〜5重量%の濃度で用いる。
【0073】
好適な溶液製剤はまた、ポリソルベート、グリセリン、ベンジルアルコール、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリエチレングリコールおよびポリオキシエチレンアルキルエーテル類(例:クレモフォル類(Cremophors)、ブリジ(Brij))などの可溶化剤を含むことができる。
【0074】
好適な溶液製剤はまた、増粘剤;保存剤;ならびに等張性調節剤という1以上の成分を含むことができる。
【0075】
好適な増粘剤には、カルボキシメチルセルロース、ビーガム(veegum)、トラガカント、ベントナイト、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポロキサマー類(例:ポロキサマー407)、ポリエチレングリコール類、アルギン酸キサンチムガム類(alginates xanthym gums)、カラギーナン類およびカルボポール類などがある。
【0076】
好適な保存剤には、4級アンモニウム化合物(例:塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、セトリミドおよび塩化セチルピリジニウム)、水銀剤(例:硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀およびチメロサール)、アルコール剤(例:クロロブタノール、フェニルエチルアルコールおよびベンジルアルコール)、抗菌エステル類(例:パラ−ヒドロキシ安息香酸のエステル類)、エデト酸二ナトリウム(EDTA)などのキレート剤、ならびにクロルヘキシジン、クロロクレゾール、ソルビン酸およびそれの塩およびポリミキシンなどの他の抗細菌剤などがある。
【0077】
好適な等張性調節剤は、体液(例:鼻腔の液)との等張性を得ることで、多くの鼻製剤に関連する刺激のレベルを低下させる等の作用を行うものである。好適な等張性調節剤の例には、塩化ナトリウム、デキストロースおよび塩化カルシウムがある。
【0078】
好適な懸濁液製剤は、粒子状医薬ならびに適宜に懸濁剤、保存剤、湿潤剤または等張性調節剤の水系懸濁液を含む。
【0079】
粒子状医薬は好適には、20μm未満、好ましくは0.5〜10μm、特には1〜5μmの質量平均直径(MMD)を有する。粒径の低下が必要な場合、それは微粉化および/または微小流動化などの技術によって行うことができる。
【0080】
好適な懸濁剤には、カルボキシメチルセルロース、ビーガム、トラガカント、ベントナイト、メチルセルロースおよびポリエチレングリコール類などがある。
【0081】
好適な湿潤剤は、医薬粒子を濡らして、それの組成物の水相での分散を促進するように機能する。使用可能な湿潤剤の例には、脂肪族アルコール類、エステル類およびエーテル類がある。好ましくは,湿潤剤は、親水性のノニオン系界面活性剤であり、最も好ましくはポリオキシエチレン(20)ソルビタン・モノオレエート(ポリソルベート80という製品名で販売)である。
【0082】
好適な保存剤および等張性調節剤は、溶液製剤に関して上記で説明した通りである。
【0083】
本発明における投薬装置は、鼻炎(例えば、季節性鼻炎および通年性鼻炎)などの鼻道の炎症状態および/またはアレルギー状態ならびに喘息、COPDおよび皮膚炎などの他の局所炎症状態の治療のために流体医薬製剤を投薬する上で好適である。
【0084】
好適な投与方法は、鼻腔をきれいにした後に患者が鼻からゆっくり吸入するというものであると考えられる。吸入の際、製剤は片方の鼻孔に投与し、他方は手で圧迫することになると考えられる。この方法を他方の鼻孔で繰り返すことになろう。代表的には、一つの鼻孔当たり1回または2回の吸入量を、1日3回以下、理想的には1日1回、上記の方法によって投与することになると考えられる。例えば各用量は、活性医薬5μg、50μg、100μg、200μgまたは250μgを送達させることができる。正確な用量は、公知であるか当業者には容易に明らかになろう。
【0085】
本開示は説明のみを目的とするものであり、本発明はそれに対する修正、変更および改良にも拡大されることは明らかであろう。
【0086】
パラメータおよび特性に関する「約」、「ほぼ」、「実質的に」などの用語の本明細書での使用はいずれも、その正確なパラメータもしくは特性ならびにそれらからの重要でない変動を包含するものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体製品、例えば医薬を投与するための流体放出装置に関するものであり、特には経鼻投薬装置に関するものであるが、それに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
ユーザーがポンプディスペンサーに力を加えるとノズルまたはオリフィスから流体が放出される流体ディスペンサーを提供することが知られている。そのような装置は、順次定量ポンプ駆動を行うことで放出される数用量の流体製剤が入った貯留部を有する配置となっている。米国特許第4946069号に、ポンプ駆動噴霧器の例が示され、説明されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
手持ち式の手動型経鼻流体医薬ディスペンサーがWO−A−03/095007に開示されており、その全内容は参照によって本明細書に組み込まれる。そのディスペンサーは、医薬が入った容器上に取りつけられた加圧ポンプを有する流体放出装置を収容する筐体を有する。その筐体は少なくとも1個の指操作型サイドレバーを有し、それは筐体に関して内側方向に移動可能であることで、筐体中の容器を上方向にカム送りして、それによってポンプが加圧を行い、筐体の鼻ノズルを通ってポンプステムから1用量の医薬がポンプ送りされる。図19、19aおよび19bに示した実施形態では、一対の対向するサイドレバーが、容器の頸部に取りつけられたカラーと共動する。そのカラーは、レバーが内側方向に動いた時に、レバーのカム表面を乗り越えるカム従動子表面を提供する。カム従動子表面は、流体放出装置のカムの運動の方向(軸)に対して異なる角度で傾斜した区画を有する。相対的に急勾配の区画が、掛かり部を提供する。すなわち、少なくとも最小の指の力をサイドレバーに加えた場合にのみ、レバーは相対的に急勾配のカム従動子表面区画を越えることができる。相対的に浅い区画へのカム従動子表面の角度変化と相まって、この力の大きさにより、相対的に急勾配のカム従動子表面区画を越えると、各レバーは急速にスライドしてカム従動子表面を超えるようになり、それによって加圧ポンプの加圧と医薬の霧化が確実に行われる。
【0004】
本発明の目的は、流体放出装置、特には経鼻用の装置および/またはサイドアクチュエータで動作する装置を改良することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、本発明の請求項1による流体放出装置、本発明の請求項30による流体放出装置、本発明の請求項37による流体放出装置、本発明の請求項42による流体ディスペンサー、本発明の請求項48によるセットおよび本発明の請求項52による流体ディスペンサーが提供される。
【0006】
本発明の有用な特徴は、本発明の他の請求項に記載されている。
【0007】
「指操作型」という用語は、代表的なユーザー(例えば、成人もしくは小児の患者)の指もしくは親指、またはそれらの組み合わせの作用によって動作可能であることを意味している。
【0008】
代表的には、最小駆動力は、5〜30N、よりより代表的には10〜25Nの範囲である。そのような値は、弱い、不明なもしくは意図しない指の動きに対して好適な「障壁力」を提供しながら、ユーザーの確固とした指(もしくは親指)の操作によって容易に超えられる力に相当する傾向にある。小児もしくは高齢者の患者による使用に向けて装置を設計する場合、その装置が成人による使用向けに設計されるより小さい最低駆動力を有するようにする場合があることは明らかであろう。
【0009】
理想的には、特に医薬用の場合、本発明のディスペンサーは、定量用量の流体製品を放出する。
【0010】
理想的には、そのディスペンサーは、流体製品の各用量を霧化噴霧剤として放出するように構成および配置されている。
【0011】
好適には本発明の流体ディスペンサーには、流体製品用量をディスペンサーからポンプ送りするためのポンプが組み込まれている。そのポンプは、バロイス社(Valois SA)製造のVP3もしくはVP7モデルまたはそれらの改変型などの予圧ポンプを有していても良い。代表的には、そのような予圧ポンプは、流体製品8〜50mLを保持することができる瓶(ガラスもしくはプラスチック)容器とともに用いるのが普通である。各駆動によって代表的には、流体製品25〜150mL、特には50〜100mL(すなわち、定量用量)が放出されることから、その装置は代表的には、少なくとも50(例えば60もしくは100)定量用量を提供する能力を有する。
【0012】
他の好適な投薬容器には、エリック・プファイファー社(Erich Pfeiffer GmbH)、レキサム−ゾファブ(Rexam-Sofab)およびセイント−コバイン・カルマー社(Saint-Cobain Calmar GmbH)が販売しているものなどがある。
【0013】
明瞭を期すため、本発明の各種態様に変更を加えて、他の態様または他の態様の1以上の特徴を組み込むことが可能である。
【0014】
本発明のさらに別の態様および特徴を、添付の図面を参照して行う本発明の例示的実施形態についての下記説明に記載している。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の流体放出装置の側面図である。
【図2】ディスペンサーの縦断面図である。
【図3】ディスペンサーの部分縦断面図である。
【図4】図3中の領域Aの拡大図である。
【図5】図3中の領域Bの拡大図である。
【図6】装置の筐体に入っている流体放出装置のノズルの部分拡大底部平面図である。
【図7】図7Aは、流体放出装置のアクチュエータレバーの模式的平面図であり;図7Bは、図7A中の矢印Aで切ったレバーの側面図である。
【図8】ノズルの側面図である。
【図9】流体放出装置のガイド機構の模式的表示である。
【図10】カムの輪郭を提供するレバーの一対のビークのうちの一方の拡大図である。
【図11】流体放出装置の筐体に対して外側の位置にあるレバーの部分模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1〜11は、本発明に従ってヒトユーザーの鼻腔内に流体を噴霧する流体放出装置1405を示す図である。
【0017】
流体放出装置1405は、プラスチック筐体1409(例えば、ABS製)、筐体1409の上端で鼻腔に挿入するためのノズル1411およびそれの縦軸X−X方向の並進移動を行うための筐体1409内に収容された流体放出装置1408を有する。図1〜5に示したように、流体放出装置1408を筐体1409に入れると、それの縦軸X−Xがノズル1411と一列に並ぶ。
【0018】
ノズル1411の外側表面またはその外側表面の一部を、ソフトタッチのプラスチック材料製とすることができる。しかしながら、本実施形態では、ノズル1411はポリプロピレン(PP)製である。
【0019】
流体放出装置1408は、複数の定量用量の流体を放出するだけの量の流体を貯蔵するための容器1430および容器1430に取りつけられた加圧ポンプ1429を有する。容器1430は半透明もしくは透明プラスチック材料製であるが、それをガラスのような他の半透明もしくは透明材料製としても良いことは明らかであろう。ポンプ1429は、容器1430内に配置された浸漬管の形での吸入口1461、およびポンプ1429からノズル1411に流体を移動させるためのポンプステムの形態での排出口1463を有する。
【0020】
筐体1409には、容器1430中の流体のレベルをチェックできる窓1450が設けられている。
【0021】
縦軸X−Xに対して横向きの方向で容器1430に力を加えるための指操作手段1420が、筐体にピボット式に取りつけられている。この横方向の力によって、容器1430が縦軸X−Xに沿ってノズル1411に向かって移動することで、ポンプ1429が駆動される。指操作手段は、下端で筐体1409にピボット式につながったレバー1420(例えば、ABS製)の形態であり、容器1430に作用して、ユーザーの指もしくは親指によって内側方向に旋回すると、容器1430をノズル1411の方に押すような配置となっている。
【0022】
保護エンドキャップ1407が、ノズル1411保護用に設けられている。第1および第2の突起1449a、1449bが、保護エンドキャップ1407から突出して、筐体1409内に設けられた好適に配置されている流路1451a、1451b内に収容するようになっていることで、エンドキャップ1407の筐体1409への確実な取りつけが行えるようになっている。そのように収容されると、第1の突起1449aはさらに、レバー1420の動きを妨害して、例えばエンドキャップ1407および突起1449a、1449bが所定位置(すなわち、ノズルで覆われる位置)に来た時に駆動を防ぐようになっている(すなわち動きをロックするため)。
【0023】
エンドキャップ1407にはさらに、ノズル1411の放出オリフィス1415との密閉係合を行って、ノズルオリフィス1415に対して実質的に気密封止を行うことで、ストッパー1460が所定位置に来た時に流体が逆流するのを防止するよう配置された凸状の弾性末端形状1461を有する突出ストッパー1460を有する。
【0024】
エンドキャップは好適には、筐体と同じ材料、例えばプラスチック材料、好適にはABS製である。
【0025】
図3、5および7Aを参照することで明らかなように、レバー1420は一対のビークもしくはノーズ1421を有し、それらはそれぞれ、容器1430の頸部を中心として固定されたカラー1490(例えば、アセタール製)上に設けられた一対のカム従動子表面1492の一方と相互作用するよう配置されたカム表面1422を提供する。レバー1420に加わる横方向の力(すなわち、流体放出装置1408の縦軸X−Xに対して実質的に横方向)によって、カム従動子表面1492がカム表面1422を乗り越えることで、流体放出装置1408が上方向に(すなわち、縦軸X−Xに沿って)移動するようになることは明らかであろう。
【0026】
より詳細には、ビーク1421は、対向する側面上のレバー1420の上端に位置している。平面図では、レバー1420の上端は、図7Aに示したようにU字断面となっている。ビーク1421は、流体放出装置1408の対向する側面にまたがっていることで、カラー1490上の全く反対にあるカム従動子表面1492と共動するようになっている。流体放出装置1405はアクチュエータレバー1420を1個のみ有することに留意すると、一対のビーク1421を用いることで、レバー1420が縦軸X−Xに沿って上方向に流体放出装置1408をカム送りする能力が向上する。
【0027】
レバー1420の各カム表面1422は、所定の力がレバー1420に加わるまで、容器1430に対してほとんど力が移動しないように調整された可変の機械比を有する。より詳細には、各カム表面1422は、流体放出装置1408の縦軸X−Xに対して第1の角度で傾いている掛かり部分1423aと第1の角度より大きい第2の角度で縦軸X−Xに対して傾いている駆動部分1423bとを有する。第1の角度は、約20°以上であるべきであり、好適には約20〜35°、より好適には約20〜26°、さらに好適には約22〜26°の範囲である。第2の角度は、約40〜60°の範囲、好適には約40〜50°、より好適には約45°であることができる。
【0028】
従って、最初に内向きの力がレバー1420に加わると、それは流体放出装置1408の縦軸X−Xに対して実質的に法線方向に加わり、流体放出装置1408の縦軸X−X方向の力に変換される力は実質的にはないことから、ビーク1421の掛かり部分1423aとカム従動子表面1492の間の静止摩擦は、レバー1420を効果的に静止状態に維持する上で十分である。しかしながら、所定の負荷がレバー1420に加わると、静止摩擦を超え、カム従動子表面1492が掛かり部分1423aの上に乗り始める。
【0029】
カム従動子表面1492が掛かり部分1423aの末端に達すると、カム表面の縦軸X−Xに対する傾斜の増加が、加わる力の大きさと相まって、カム従動子表面1490が突然かつ急速に駆動部分1423bに沿ってスライドし、それによって容器1430のノズル1411方向への急速な移動が起こって、加圧ポンプが動作されるようになる。これによって、十分な力が加わっている場合のみポンプが作動されて、ノズル1411から効果的な噴霧の発生が確実に行われるようになる。
【0030】
図10について説明すると、掛かり部分1423aはカム表面1422の平面区画であるが、駆動部分1423bは弓形であることがわかる。より具体的には、駆動部分1423bは、関連する掛かり部分1423aと隣接している短い円形の移行区画1423cを有する。移行区画1423cは、駆動部分1423bの残りの部分の曲率半径R2より大きい曲率半径R1を有し、半径R2は駆動部分1423bの残りの部分の長さにわたって一定である。移行部分1423cは、カム表面1422の掛かり部分1423aから駆動部分1423bへのカム従動子表面1492の移動を滑らかにするものである。それらはまた、カム表面1422の摩耗を減らすものでもある。
【0031】
本実施形態におけるR1は約3mmであり、R2は約25mmである。そうではあっても、当業者には明らかなように、他の半径を用いることも可能であると考えられる。
【0032】
図3について説明すると、カム従動子表面1492は、プラスチックカラー1490上の全く反対にある盛り上がり部1493の円形縁部である。これによって、カム従動子表面1492のカム表面1422上への乗り上げが容易になり、個々の表面の摩耗も減る。
【0033】
図5および10に示したように、ビーク1421は、流体放出装置1408のカラー1490上の盛り上がり部1493が乗るための受け台1424を形成する先端部を有する。受け台1424は、盛り上がり部1493を支持することができる縦軸X−Xに対して横方向に延在する支持表面1424aを提供する。受け台1424は、受け台1424が盛り上がり部1493と係合する点を超えて流体放出装置1408が下方向に移動するのを防止する限りにおいて、流体放出装置1408用の逆転防止装置として作用する。図5からわかる通り、これによって、カム従動子表面1492を、カム表面1422の掛かり部分1423aと確実に位置合わせされる。
【0034】
レバー1420が内側方向に旋回することに留意すると、レバー1420が内側方向に旋回するに連れて、平面掛かり部分1423aが縦軸X−Xと作る傾斜角が小さくなっていき(相対的に急勾配になる)、それによって流体放出装置1408の抵抗が上昇して、上方向にカム送りされることがわかる。
【0035】
しかしながら、駆動部分1423b、特には移行区画1423c後のその部分の弓状性は、レバー1420が内側方向に旋回していっても、それが縦軸X−Xと作る傾斜角が同じままであるか、実質的に同じとなるようなものである。より具体的には、レバー1420が内側方向に旋回するに連れて、カム従動子表面1492と接触している曲率半径R2を有する駆動部分1423bの区画上の点がカム表面1422を上に移動することが考えられる。レバー1420が内側方向に旋回していても、この変化する接触点に対する接線が縦軸X−Xと作る角度は同じままであるか、実質的に同じままであることで、流体放出装置1408がノズル1411から定量用量の流体製品を噴霧するようになる。この特徴は、レバー1420が内側方向に旋回するに連れて縦軸X−Xに対する角度が上昇すると思われることから、駆動部分1423bが平面表面である場合に起こると考えられるように、掛かり部を越えた後にはレバー1420の内向きの運動に対する抵抗が決して増加しないことを意味する。
【0036】
カム輪郭の上記の特徴は、レバー1420を作動させて、流体放出装置1408に対して、ノズル1411から定量用量の流体製品を噴霧させるようにした時に、操作者が装置1405から滑らかな触覚的な応答を受けることを意味している。
【0037】
流体放出装置1405を用いるためには、ユーザーは最初に、ストッパー端1460を外すことで保護キャップ1407を外すことによって、ノズルオリフィス1415を開放しなければならない。次にユーザーは、流体放出装置1405を把持し、親指および/または指をレバー1420上に置く。
【0038】
ごく軽い圧力をレバー1420に加えた場合は、流体は放出されず、ユーザーは流体放出装置1405の放出ノズル1411を操作して一方の鼻孔に入れることができることから、流体を鼻腔に放出することができる。
【0039】
次に、ユーザーが力を強くしてレバー1420を内側方向に押すと、カム従動子表面1492とカム表面1422の掛かり部分1423aとの相互作用によって規定される閾値力が超えられて、容器1430がノズル1411の方へ急速に移動して、ポンプ1429が作動し、流体が放出オリフィス1415に送られることになる。レバー1420に加わっている圧力を緩めると、ポンプがそれの内部伸縮バネによって元の位置に戻る。さらに、レバー1420には板バネ1465(図2)があり、それは筐体内壁1467に対して作用して、図1〜3および5に示した休止位置にレバー1420を付勢する。
【0040】
次に、容器1430中の全ての流体が使用されるまで、前記作動手順を繰り返すことができる。しかしながら、1回では、1用量もしくは2用量のみの流体を投与するのが普通である。
【0041】
図5および9について説明すると、レバー1420が流体放出装置1408に加える横力に対抗し、レバー操作に応じての流体放出装置1408の軸方向変位をガイドするため、カラー1490は、一対の全く反対に位置する行路1469を有しており、それらは縦軸X−Xに平行に配置されている。これらの行路1469は、盛り上がり部1493によって提供される。各行路1469は、流体放出装置1408が下端にある(下側)開口部1471を通って筐体1409中に挿入される時に(下側開口部はその後、キャップ1472によって閉じられる)、筐体1409の内側表面上に設けられた相補的な軸方向に延在するランナー上に行路1469を自己ガイドするため、上端で漏斗形状を有する。さらに、行路−ランナー機構によって、カラー1490は縦軸X−Xを中心とした正確な角度方向に配置されることから、カム従動子表面1492がカム表面1422に対向するようになることも明らかであろう。
【0042】
使用時には、レバー1420がカム表面1422の掛かり部分1423aが提供する閾値力を超えた時に、行路1469がランナー1467の上に乗る。明らかなように、行路1469とランナー1467との共動によって、カラー1490が回転して筐体1409に入るのが防止される。
【0043】
行路1469に加えて、カラーはポンプステム1463用の鞘部1473も有しており、それは、ノズル出口通路1477が形成されているノズル1411の内部中空ポスト1475上に滑りばめを形成している。図2に示したように、ポンプステム1463は、締まりばめによって出口通路の下側の広がった部分に配置されている。従って、容器1430およびカラー1490がレバー1420によって上方向に移動する間、ポンプステム1463は筐体1409中で固定状態に留まる、すなわち容器−カラーユニットとポンプステムとの間には相対的な動きがあることがわかる。このようにして、ポンプ1429が加圧され、ポンプステム1463から定量用量の流体製品が排出されて出口通路1477に入って、出口通路1477の末端でノズルオリフィス1415から吐出される。レバー1420上の掛かり部は、ポンプ送り力がノズル1411からの流体製品を霧化する上で十分なものとなるようにするものである。
【0044】
図8に示したように、本実施形態におけるノズル1411は、筐体1409とは別個の部品として形成されている。それによって医薬と接触するようになる装置の唯一の部分が切り離されることから、これは放出される流体製品が医薬である場合に有利である。従って、筐体1409を用いる必要なく、ノズル1411の医薬的な性能の試験を実施することが可能である。そこで、ノズル1411が完成したら、筐体1409の開発および設計を継続しながら、それの試験を開始することができる。従って、仮にノズル1411が筐体1409と一体形成された場合に考えられるような、装置開発における停滞がない。筐体の成形における変更では、その新たな成型品がノズル性能に悪影響を与えていないことを確認するのに、ノズル1411の再試験が必要であると考えられる。
【0045】
さらに、別個のノズル1411があるということは、異なる市場および/または異なる製品用に筐体1409をカスタマイズできるということを意味する。例を挙げると、ノズル1411は、異なる形状、異なる色などを有する一組の筐体用の汎用ノズルとすることができると考えられる。
【0046】
別個のノズル1411が有する別の利点は、筐体1409と比較して、それが異なる材料、例えば鼻孔への挿入および/または流体製品(特に、それが医薬の場合)との接触に関してより許容度が高いが、筐体1409全体を形成するには高価すぎる可能性がある材料から、より容易に形成可能であるという点である。
【0047】
そのために、図2に示したように、筐体1409には、その上端にノズル1411を挿入可能な(上側)開口部1480がある。図2、6および8について説明すると、ノズル1411には、それの下端に上側開口部1480の内側マウスを係合するフランジ1481があることから、ノズル1411の先端部が、鼻での使用に必要な距離だけ、上側開口1480から突出している。図2および6からわかるように、上側開口部1480の内側マウスは、縦軸X−Xを中心として角度的に間隔を開けて配置された一連のカラー断片1485から形成されるカラー1483によって画定されている。カラー断片1485は、かしめ工具によってノズルフランジ1481を越えて曲げられていることで、ノズルフランジ1481を内側マウスに対してクランプ留めして、ノズル1411を上側開口部1480で固定している。
【0048】
流体放出装置1405の組立を容易にするため、レバー1420に、筐体1409に関して外側の位置にそれを配置することができる手段が設けられていることで、流体放出装置1408を下側開口1471を通って筐体1409に挿入させて、図1、3および5に示したそれの休止位置および図1〜3に示した筐体1409に関して内側の位置に配置することができる。
【0049】
図7A、7Bおよび11について説明すると、レバー1420の上端に、レバー1420の上側縁部1502の上に突出したタブ1501が設けられている。タブ1501は、レバー1420にある切欠部1505によって形成される弾性ブリッジ要素1503から突出している。弾性ブリッジ要素1503は、タブ1501を図7A、7Bおよび11に示したそれの延在位置に付勢するものであるが、タブ1501を押すことができることから、それはレバー上側縁部1502と同一面またはその下となる。
【0050】
図1からわかるように、レバー1420は筐体1409の側面に形成された溝部1507に取りつけられている。筐体1409とは別個に形成されているが同じプラスチック材料製であるレバー1420は、最初に板バネ1465を有するそれの下端1509を溝部1507から挿入して、軸方向の流路1511に収容させることで筐体に取りつけられる。こうして、図11に模式的に示したように、レバー1420はそれの外側位置に配置され、タブ1501が溝部1507の縁部を圧迫していることで、レバー1420が溝部1507を通ってそれの内側位置に移動するのを防止している。
【0051】
レバー1420がそれの外側位置にある時、レバー1420、および特にはそれのビーク1422が流体放出装置1408の載置を妨害しないことから、流体放出装置1408を下側筐体開口部1471から筐体1409に挿入してそれの休止位置に配置することができる。
【0052】
流体放出装置1408がそれの休止位置に載せられた後、例えば、タブ1501を押すことでスロット1507の縁部を取り除き、次にレバー1420を内側に押して図2に示したそれの位置に配置することで、レバー1420をそれの内側位置に移動させる。流体放出装置1408が筐体1409中に載置される前に、レバー1420がそれの内側位置にあった場合、いずれにしてもレバー1420に損傷を与えることなく、流体放出装置を筐体1409中に載置して、それの休止位置に配置することはできないと考えられる。
【0053】
図2に示したように、例えば、レバー1420がそれの内側位置まで移動したら、タブ1501がそれの延在位置に戻り、筐体1409の内側表面を圧迫することで、レバー1420は内側位置に維持される。この点に関して、レバー板バネ1465がレバー1420を外方向に付勢している。
【0054】
より詳細には、タブ1501が筐体1409における流路1451aの一つの内側表面を圧迫しており、そこではキャップ突起1449a、1449bがスナップ留めされていることで、保護キャップ1407が筐体1409上に着脱可能に捕捉された状態で保持されている。図2に示したように、流路1451aに収容された突起1449aは、タブ1501の前に配置されている。従って、レバータブ1501の内側移動を遮断する突起1449aによって、キャップ1407が所定位置にある時には、レバー1420が内側に動くことで流体放出装置1405が作動するのが防止されることが推測される。
【0055】
プラスチック材料製である流体放出装置1405の部品は、成形法によって形成される。
【0056】
この例示的な実施形態の他の特徴が、添付の請求項および上記の「課題を解決するための手段」のセクションにおける説明など(これらに限定されるものではない)、本明細書の他のセクションにある。
【0057】
流体放出装置1408は、例えば軽度、中等度または重度の急性もしくは慢性症状の治療、または予防処置用の医薬製剤を含むことができる。投与される正確な用量は、患者の年齢および状態、使用される特定の医薬および投与回数によって決まるものであり、最終的には担当医の裁量によって決まる。医薬を併用する場合、その組み合わせの各成分の用量は通常、単独で使用される場合に各成分について用いられるものである。
【0058】
適切な医薬は、例えばコデイン、ジヒドロモルヒネ、エルゴタミン、フェンタニルまたはモルヒネなどの鎮痛薬;ジルチアゼムなどの狭心症薬;クロモグリク酸化合物(例:ナトリウム塩)、ケトチフェンまたはネドクロミル(例:ナトリウム塩として)などの抗アレルギー薬;セファロスポリン類、ペニシリン類、ストレプトマイシン、スルホンアミド類、テトラサイクリン類およびペンタミジンなどの抗感染薬;メタピリレンなどの抗ヒスタミン薬;ベクロメタゾン(例:ジプロピオン酸エステルとして)、フルチカゾン(例:プロピオン酸エステルとして)、フルニソリド、ブデソニド、ロフレポニド(rofleponide)、モメタゾン(mometasone)(例:フランカルボン酸エステルとして)、シクレソニド(ciclesonide)、トリアムシノロン(例:アセトニドとして)、6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−(2−オキソテトラヒドロ−フラン−3−イル)エステルまたは6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオン酸S−フルオロメチルエステルなどの抗炎症剤;ノスカピンなどの鎮咳薬;アルブテロール(例:遊離塩基または硫酸塩として)、サルメテロール(例:キシナホ酸塩として)、エフェドリン、アドレナリン、フェノテロール(例:臭化水素酸塩として)、ホルモテロール(例:フマル酸塩として)、イソプレナリン、メタプロテレノール、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピルブテロール(例:酢酸塩として)、レプロテロール(例:塩酸塩として)、リミテロール、テルブタリン(例:硫酸塩として)、イソエタリン、ツロブテロールまたは4−ヒドロキシ−7−[2−[[2−[[3−(2−フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル]エチル]アミノ]エチル−2(3H)−ベンゾチアゾロンなどの気管支拡張薬;シロミラストまたはロフルミラストなどのPDE4阻害薬;モンテルカスト、プランルカストおよびザフィルルカストなどのロイコトリエン拮抗薬;[2R,3R,4S,5R)−2−[6−アミノ−2−(1S−ヒドロキシメチル−2−フェニル−エチルアミノ)−プリン−9−イル]−5−(2−エチル−2H−テトラゾール−5−イル)−テトラヒドロ−フラン−3,4−ジオール(例:マレイン酸塩として)などのアデノシン2a作働薬]*;[(2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロパン酸(例:遊離酸またはカリウム塩として)などのα4インテグリン阻害薬]*;アミロリドなどの利尿薬;イプラトロピウム(例:臭化物として)、チオトロピウム(tiotropium)、アトロピンまたはオキシトロピウム(oxitropium)などの抗コリン作働薬;コルチゾン、ハイドロコルチゾンまたはプレドニゾロンなどのホルモン類;アミノフィリン、コリン・テオフィリネート、リジンテオフィリネートまたはテオフィリンなどのキサンチン類;インシュリンまたはグルカゴンなどの治療タンパク質およびペプチドから選択することができる。当業者には、適宜に医薬を、塩の形で(例:アルカリ金属塩またはアミン塩あるいは酸付加塩として)、またはエステルとして(例:低級アルキルエステル)、または溶媒和物として(例:水和物)用いて、その医薬の活性および/または安定性を至適化し、ないしは推進剤中での医薬の溶解度を低下させることができることは明らかであろう。
【0059】
好ましくは前記医薬は、喘息および鼻炎などの炎症性の障害または疾患の治療のための抗炎症化合物である。
【0060】
1態様において前記医薬は、抗炎症特性を有する糖質コルチコイド化合物である。ある好適な糖質コルチコイド化合物は、6α,9α−ジフルオロ−17α−(1−オキソプロポキシ)−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−フルオロメチルエステル(プロピオン酸フルチカゾン)という化学名を有する。別の好適な糖質コルチコイド化合物は、6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオン酸S−フルオロメチルエステルという化学名を有する。さらに別の好適な糖質コルチコイド化合物は、6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−17α−[(4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボニル)オキシ]−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−フルオロメチルエステルという化学名を有する。
【0061】
他の好適な抗炎症化合物には、NSAID類、例えばPDE4阻害薬、ロイコトリエン拮抗薬、iNOS阻害薬、トリプターゼおよびエラスターゼ阻害薬、β−2インテグリン拮抗薬およびアデノシン2a作働薬などがある。
【0062】
医薬は、好適な流体製剤、特には他の製薬上許容される添加成分を含んでいても良い溶液(例:水溶液)製剤もしくは懸濁液製剤として製剤される。
【0063】
好適には、本発明における流体医薬製剤は、25℃で10〜2000mPa・s(10〜2000センチポアズ)、特には20〜1000mPa・s(20〜1000センチポアズ)、例えば50〜1000mPa・s(50〜1000センチポアズ)の粘度を有する。
【0064】
好適な製剤(例:溶液または懸濁液)は、pHを適切に選択することで安定化させることができる(例えば、塩酸または水酸化ナトリウムを使用)。代表的にはpHは、4.5〜7.5、好ましくは5.0〜7.0、特には約6〜6.5に調節する。
【0065】
好適な製剤(例:溶液または懸濁液)は、1以上の賦形剤を含むことができる。本明細書において「賦形剤」という用語は、無毒性で有害な形で組成物の他の成分と相互作用しない実質的に不活性な材料を意味し、医薬用の炭水化物、有機および無機塩、ポリマー、アミノ酸、リン脂質、湿潤剤、乳化剤、界面活性剤、ポロキサマー類、プルロニック類(pluronics)およびイオン交換樹脂ならびにこれらの組合せなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0066】
好適な炭化水素には、果糖などの単糖類;乳糖など(それに限定されるものではない)の二糖類ならびにそれらの組合せおよび誘導体;セルロースなど(それに限定されるものではない)の多糖類ならびにそれらの組合せおよび誘導体;デキストリン類など(それに限定されるものではない)のオリゴ糖類ならびにそれらの組合せおよび誘導体;ソルビトールなど(それに限定されるものではない)の多価アルコール類ならびにそれらの組合せおよび誘導体などがある。
【0067】
好適な有機および無機塩には、リン酸ナトリウムもしくはカルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ならびにそれらの組合せおよび誘導体などがある。
【0068】
好適なポリマーには、ゼラチンなど(それらに限定されるものではない)の天然生体分解性タンパク質ポリマー類ならびにそれらの組合せおよび誘導体;キチンおよびデンプン、架橋デンプンなど(それらに限定されるものではない)の天然生体分解性多糖類ポリマー類ならびにそれらの組合せおよび誘導体;キトサンの誘導体など(それらに限定されるものではない)の半合成生体分解性ポリマー類;ならびにポリエチレングリコール類(PEG)、ポリ乳酸(PLA)など(それらに限定されるものではない)の合成生体分解性ポリマー類、ポリビニルアルコールなど(それに限定されるものではない)の合成ポリマーならびにそれらの組合せおよび誘導体などがある。
【0069】
好適なアミノ酸には、ロイシンなどの非極性アミノ酸類ならびにそれらの組合せおよび誘導体などがある。好適なリン脂質には、レシチン類ならびにそれらの組合せおよび誘導体などがある。
【0070】
好適な湿潤剤、界面活性剤および/または乳化剤には、アカシアガム、コレステロール、脂肪酸類(それらに組合せおよび誘導体を含む)などがある。好適なポロキサマー類および/またはプルロニク類には、ポロキサマー188、プルロニク(登録商標)F−108ならびにそれらの組合せおよび誘導体などがある。好適なイオン交換樹脂には、アンバーライトIR120ならびにそれらの組合せおよび誘導体などがある。
【0071】
好適な溶液製剤は、界面活性剤などの可溶化剤を含むことができる。好適な界面活性剤には、α−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−ω−ヒドロキシポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)ポリマー類、例えばトリトン(Triton)シリーズのもの、例えばトリトンX−100、トリトンX−114およびトリトンX−305(X数は、広くポリマー中のエトキシ繰り返し単位の平均数(代表的には7〜70、特には約7〜30、特には約7〜10)を示す)など、ならびに相対分子量が3500〜5000、特には4000〜4700(特定のものとしてはチロキサポール(Tyloxapol))を有するものなどのホルムアルデヒドおよびオキシランとの4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールポリマー類などがある。界面活性剤は代表的には、製剤の重量に基づいて約0.5〜10重量%、好ましくは約2〜5重量%の濃度で用いる。
【0072】
好適な溶液製剤はまた、ヒドロキシ含有有機共溶媒和剤を含むこともでき、それにはポリエチレングリコール類(例:PEG200)およびプロピレングリコールなどのグリコール類;デキストロースなどの糖類;ならびにエタノールなどがある。デキストロースおよびポリエチレングリコール(例:PEG200)が好ましく、特にはデキストロースである。プロピレングリコールは好ましくは、20%以下、特には10%以下の量で使用し、最も好ましくは全く使用しない。エタノールは好ましくは使用しない。ヒドロキシル含有有機共溶媒和剤は代表的には、製剤の重量に基づいて約0.1〜20重量%、例えば約0.5〜10重量%、例えば約1〜5重量%の濃度で用いる。
【0073】
好適な溶液製剤はまた、ポリソルベート、グリセリン、ベンジルアルコール、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリエチレングリコールおよびポリオキシエチレンアルキルエーテル類(例:クレモフォル類(Cremophors)、ブリジ(Brij))などの可溶化剤を含むことができる。
【0074】
好適な溶液製剤はまた、増粘剤;保存剤;ならびに等張性調節剤という1以上の成分を含むことができる。
【0075】
好適な増粘剤には、カルボキシメチルセルロース、ビーガム(veegum)、トラガカント、ベントナイト、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポロキサマー類(例:ポロキサマー407)、ポリエチレングリコール類、アルギン酸キサンチムガム類(alginates xanthym gums)、カラギーナン類およびカルボポール類などがある。
【0076】
好適な保存剤には、4級アンモニウム化合物(例:塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、セトリミドおよび塩化セチルピリジニウム)、水銀剤(例:硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀およびチメロサール)、アルコール剤(例:クロロブタノール、フェニルエチルアルコールおよびベンジルアルコール)、抗菌エステル類(例:パラ−ヒドロキシ安息香酸のエステル類)、エデト酸二ナトリウム(EDTA)などのキレート剤、ならびにクロルヘキシジン、クロロクレゾール、ソルビン酸およびそれの塩およびポリミキシンなどの他の抗細菌剤などがある。
【0077】
好適な等張性調節剤は、体液(例:鼻腔の液)との等張性を得ることで、多くの鼻製剤に関連する刺激のレベルを低下させる等の作用を行うものである。好適な等張性調節剤の例には、塩化ナトリウム、デキストロースおよび塩化カルシウムがある。
【0078】
好適な懸濁液製剤は、粒子状医薬ならびに適宜に懸濁剤、保存剤、湿潤剤または等張性調節剤の水系懸濁液を含む。
【0079】
粒子状医薬は好適には、20μm未満、好ましくは0.5〜10μm、特には1〜5μmの質量平均直径(MMD)を有する。粒径の低下が必要な場合、それは微粉化および/または微小流動化などの技術によって行うことができる。
【0080】
好適な懸濁剤には、カルボキシメチルセルロース、ビーガム、トラガカント、ベントナイト、メチルセルロースおよびポリエチレングリコール類などがある。
【0081】
好適な湿潤剤は、医薬粒子を濡らして、それの組成物の水相での分散を促進するように機能する。使用可能な湿潤剤の例には、脂肪族アルコール類、エステル類およびエーテル類がある。好ましくは,湿潤剤は、親水性のノニオン系界面活性剤であり、最も好ましくはポリオキシエチレン(20)ソルビタン・モノオレエート(ポリソルベート80という製品名で販売)である。
【0082】
好適な保存剤および等張性調節剤は、溶液製剤に関して上記で説明した通りである。
【0083】
本発明における投薬装置は、鼻炎(例えば、季節性鼻炎および通年性鼻炎)などの鼻道の炎症状態および/またはアレルギー状態ならびに喘息、COPDおよび皮膚炎などの他の局所炎症状態の治療のために流体医薬製剤を投薬する上で好適である。
【0084】
好適な投与方法は、鼻腔をきれいにした後に患者が鼻からゆっくり吸入するというものであると考えられる。吸入の際、製剤は片方の鼻孔に投与し、他方は手で圧迫することになると考えられる。この方法を他方の鼻孔で繰り返すことになろう。代表的には、一つの鼻孔当たり1回または2回の吸入量を、1日3回以下、理想的には1日1回、上記の方法によって投与することになると考えられる。例えば各用量は、活性医薬5μg、50μg、100μg、200μgまたは250μgを送達させることができる。正確な用量は、公知であるか当業者には容易に明らかになろう。
【0085】
本開示は説明のみを目的とするものであり、本発明はそれに対する修正、変更および改良にも拡大されることは明らかであろう。
【0086】
パラメータおよび特性に関する「約」、「ほぼ」、「実質的に」などの用語の本明細書での使用はいずれも、その正確なパラメータもしくは特性ならびにそれらからの重要でない変動を包含するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体製品を放出するための流体放出装置において、
前記流体製品を放出可能な放出出口、
前記流体製品の供給物、
第1の位置から第2の位置に軸に沿った放出方向に動くように取りつけられ、前記供給物中の前記流体製品1用量を前記放出出口から放出させる放出部材、および
前記軸に対しておおまかに横方向である作動方向に移動するよう取りつけられた指操作型アクチュエータ部材
を有し;
前記アクチュエータ部材が少なくとも1個のカム表面を有し、前記放出部材が少なくとも1個のカム従動子表面を有し、
前記アクチュエータ部材が前記作動方向で移動可能であることで、前記少なくとも1個のカム表面が前記少なくとも1個のカム従動子表面を押すようになって、前記少なくとも1個のカム従動子表面が前記カム表面を乗り越えるようにして、前記放出部材を前記放出方向で前記第1の位置から前記第2の位置にカム送りするものであり、
前記少なくとも1個のカム表面が、前記軸に対して第1の角度の方向に向いている掛かり区画および前記第1の角度より大きい前記軸に対する第2の角度の方向に向いている隣接する駆動区画を有し、
使用時に、前記作動方向に前記アクチュエータ部材が動いた時、前記少なくとも1個のカム従動子表面が前記少なくとも1個のカム表面の前記掛かり区画および駆動区画を継続的に乗り越えて、前記放出部材を前記第1の位置から前記第2の位置にカム送りさせるように、前記装置が構造および配置を有しており、
前記少なくとも1個のカム従動子表面を前記掛かり区画を乗り越えて前記駆動区画に至らしめる上で、最小の動作力を前記アクチュエータ部材に付与する必要があるように、前記第1の角度を選択することを特徴とする流体放出装置。
【請求項2】
前記第1の角度が約20〜35°の範囲である請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記掛かり区画が平面である請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記最小動作力が約20〜45Nの範囲である請求項1、2または3に記載の装置。
【請求項5】
前記第2の角度が約40〜60°の範囲である請求項1〜4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記駆動区画が前記掛かり区画と隣接する弓形移行部分を有する請求項1〜5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記移行部分が約1〜5mmの範囲の曲率半径を有する請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記駆動区画が弓形である請求項1〜6のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記駆動区画が、前記掛かり区画と隣接する第1の曲率半径の第1の部分および前記第1の曲率半径より大きい第2の曲率半径の、前記第1の部分に隣接する第2の部分を有する請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記駆動区画が前記第1および第2の部分からなる請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記掛かり区画が第1の長さのものであり、前記駆動区画が前記第1の長さより大きい第2の長さのものである請求項1〜10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記最小動作力が約25〜40Nの範囲である請求項1〜11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1個のカム従動子表面が弓形である請求項1〜12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記第2の部分が約15〜40mmの範囲の曲率半径を有する請求項9または該請求項のいずれかの従属項に記載の装置。
【請求項15】
前記アクチュエータ部材が前記作動方向で弓形通路上を動くように前記装置に取りつけられている請求項1〜14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
前記アクチュエータ部材が前記作動方向に移動するに連れて、前記軸に対する前記第1の角度が相対的に急勾配になるような構造および配置となっている請求項1〜15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
前記アクチュエータ部材が前記作動方向に移動していく際に、前記軸に対する前記第2の角度が一定または実質的に一定のままとなるような構造および配置となっている請求項1〜16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記アクチュエータ部材が、それの第1の末端を中心に旋回運動するよう取りつけられており、前記少なくとも1個のカム表面が前記第1の末端から離れた前記アクチュエータ部材上に配置されている請求項1〜17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
前記放出部材が、前記流体製品の前記供給物が入った放出容器である請求項1〜18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
前記放出方向が上向きの方向であり、前記アクチュエータ部材の前記第1の末端が該部材の下端である請求項18または請求項18および19の装置。
【請求項21】
前記少なくとも1個のカム従動子表面が、前記放出部材の上端に向いて配置さされている請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記放出容器が、前記アクチュエータ部材による前記放出容器の前記放出方向での移動に応答して前記放出出口から前記用量の前記流体製品をポンプ送りするポンプを有する請求項19または該請求項のいずれかの従属項に記載の装置。
【請求項23】
前記アクチュエータ部材が前記単一のアクチュエータ部材である請求項1〜22のいずれかに記載の装置。
【請求項24】
前記放出出口が、身体腔部へ挿入する大きさおよび形状のノズルにある請求項1〜23のいずれかに記載の装置。
【請求項25】
前記ノズルがヒトもしくは動物身体の鼻孔へ挿入するためのものである請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記流体製品が医薬である請求項1〜25のいずれかに記載の装置。
【請求項27】
前記放出部材および筐体が、前記軸に沿って前記放出部材の動きをガイドするための共動ガイド部材を有する請求項1〜26のいずれかに記載の装置。
【請求項28】
前記共動ガイド部材が前記軸を中心とする前記放出部材の回転を防止する請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記ガイド部材のうちの一方がランナーを有し、他方のガイド部材が前記ランナー用の行路を有する請求項27または28に記載の装置。
【請求項30】
流体製品を放出するための流体放出装置において、
前記流体製品を放出可能な放出出口、
前記流体製品の供給物、
軸に沿った放出方向に動くように取りつけられ、前記供給物中の前記流体製品1用量を前記放出出口から放出させる放出部材、および
前記軸に対しておおまかに横方向である作動方向に移動するよう取りつけられた指操作型アクチュエータ部材
を有し;
前記アクチュエータ部材が少なくとも1個のカム表面を有し、前記放出部材が少なくとも1個のカム従動子表面を有し、
前記アクチュエータ部材が前記作動方向で移動可能であることで、前記少なくとも1個のカム表面が前記少なくとも1個のカム従動子表面を押すようになって、前記放出部材を前記放出方向でカム送りすることにより、前記放出出口からの前記流体製品用量の放出を生じさせるものであり、
前記アクチュエータ部材がさらに、所定の軸方向の位置を越えて前記放出方向と反対の向きに前記軸に沿って移動するのを停止するための停止部を有することで、前記少なくとも1個のカム表面および前記少なくとも1個のカム従動子表面を整列させていることを特徴とする流体放出装置。
【請求項31】
前記停止部が、前記放出部材の個々の表面と係合し得る少なくとも1個の停止表面を有する請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記少なくとも1個の停止表面が前記軸に対しておおまかに横方向に延在する請求項31の装置。
【請求項33】
前記少なくとも1個の停止表面が、前記少なくとも1個のカム表面の連続部を形成している請求項31または32に記載の装置。
【請求項34】
前記放出部材の前記少なくとも1個の表面が、前記少なくとも1個のカム従動子表面の連続部を形成している請求項31、32または33に記載の装置。
【請求項35】
前記少なくとも1個のカム表面が、前記アクチュエータ部材のノーズ区画によって提供される請求項30〜34のいずれかに記載の装置。
【請求項36】
前記少なくとも1個の停止表面が、前記ノーズ区画の先端部部分によって提供される請求項31〜34のいずれかに従属する場合の請求項35に記載の装置。
【請求項37】
流体製品を放出するための流体放出装置において、
放出出口を有する筐体であって、該筐体が、前記流体製品の入った放出容器を内部に収容するよう作成されていることで、前記筐体に対する休止位置から前記筐体に対する放出位置まで軸に沿って前記放出容器を動かすことにより、前記放出容器が前記放出出口から1用量の前記流体製品を放出するようにし;前記筐体が、前記放出容器を前記軸に沿って前記筐体中に挿入して前記休止位置に至らしめることが可能なアクセス開口部を有する筐体、および
前記筐体に関して内側方向で、前記軸に対して横方向に動かすことで、前記放出容器を前記休止位置から前記放出位置まで移動させるための前記筐体中に取りつけられた少なくとも1個の指操作型アクチュエータ部材
を有し、
前記アクチュエータ部材が、前記放出容器を前記アクセス開口部を通って前記筐体中の前記休止位置まで挿入できる前記筐体に関して外側位置から、前記筐体に関して内側の位置に移動可能であり、該内側位置は前記放出容器が前記アクセス開口部を通って前記筐体中の前記休止位置に挿入されるのを防止するが、該内側位置から、前記アクチュエータ部材は前記筐体に関して内側に移動可能であることで、前記休止位置に配置された放出容器の前記放出位置への移動を引き起こし、
前記装置は、前記アクチュエータ部材をそれの外側位置および内側位置に選択的に保持するための解除式戻り止め機構を有することを特徴とする流体放出装置。
【請求項38】
前記戻り止め機構が前記筐体および/または前記アクチュエータ部材上にある請求項37に記載のディスペンサー。
【請求項39】
前記戻り止め機構が、前記外側位置と内側位置の間で前記アクチュエータ部材が動くのを防止する第1の位置から、前記外側位置と内側位置の間での前記アクチュエータ部材の動きを可能とする第2の位置まで移動可能である前記筐体または前記アクチュエータ部材上の停止要素を含む請求項37または38に記載のディスペンサー。
【請求項40】
前記戻り止め機構が、前記停止要素をそれの第1の位置に付勢するための偏りを有する請求項39に記載のディスペンサー。
【請求項41】
前記停止要素が前記アクチュエータ部材上にあり、前記筐体をそれの第1の位置に当接している請求項39または40に記載のディスペンサー。
【請求項42】
ユーザーの鼻腔中に流体製品を放出するよう作成された流体ディスペンサーであって、前記ユーザーの鼻孔中に挿入するような大きさおよび形状のノズルおよび前記流体製品を収容可能な筐体を有し;前記筐体が、前記ノズルを収容する開口部および前記ノズルを前記開口部に固定する固定機構を有する流体ディスペンサー。
【請求項43】
前記筐体が、前記流体製品が入っており放出部材を有する放出容器を収容し;前記ノズルが、使用時に前記流体製品が前記ディスペンサーから放出される出口通路を有しており;前記容器が、前記放出部材および前記出口通路が直接流体連通するように前記筐体中で配置されている請求項42に記載のディスペンサー。
【請求項44】
前記放出部材が前記出口通路と係合している請求項43に記載のディスペンサー。
【請求項45】
前記固定機構が、前記ノズルを前記開口部でクランプ留めするクランプ部材を有する請求項42〜44のいずれかに記載のディスペンサー。
【請求項46】
前記ノズルが、前記筐体の内側表面に当接するフランジを有し;前記固定機構が、前記内側表面に前記フランジを固定することで、前記ノズルを前記開口部に保持している請求項42〜45のいずれかに記載のディスペンサー。
【請求項47】
前記クランプ部材が、前記筐体の前記内側表面上に設けられたカラー構造であり;該カラー構造は、前記フランジの上に湾曲または折り曲がっていることで、前記フランジを前記内側表面にクランプ留めしている請求項45または請求項45および46に記載のディスペンサー。
【請求項48】
流体製品をユーザーの鼻腔に放出するための複数の流体ディスペンサーを製造するための構成部品のセットであって、該セットがユーザーの鼻孔中に挿入するような大きさおよび形状の複数のノズルおよび前記流体製品の供給物を収容するための複数の筐体を有し;各ノズルが同一のものであり;各筐体は、前記ノズルのうちの1個を収容する開口部を有しており;各筐体はさらに、他のものとは異なる特徴を有するセット。
【請求項49】
各筐体が異なる色のものである請求項48に記載のセット。
【請求項50】
各筐体が異なる形状のものである請求項48または49に記載のセット。
【請求項51】
各ディスペンサーに1個で複数の容器をさらに有し、各容器には同一もしくは異なる流体医薬製剤が入っている請求項48、49または50に記載のセット。
【請求項52】
ユーザーの鼻孔中に挿入するような大きさおよび形状のノズルおよび流体製品を収容可能で前記ノズルを収容可能な開口部を有する筐体を有する、ユーザーの鼻腔中に流体製品を放出するよう作成された流体ディスペンサーにおいて、前記ノズルが前記筐体とは異なる材料製であることを特徴とする流体ディスペンサー。
【請求項53】
前記ノズルおよび前記筐体が異なるプラスチック材料製である請求項52に記載のディスペンサー。
【請求項1】
流体製品を放出するための流体放出装置において、
前記流体製品を放出可能な放出出口、
前記流体製品の供給物、
第1の位置から第2の位置に軸に沿った放出方向に動くように取りつけられ、前記供給物中の前記流体製品1用量を前記放出出口から放出させる放出部材、および
前記軸に対しておおまかに横方向である作動方向に移動するよう取りつけられた指操作型アクチュエータ部材
を有し;
前記アクチュエータ部材が少なくとも1個のカム表面を有し、前記放出部材が少なくとも1個のカム従動子表面を有し、
前記アクチュエータ部材が前記作動方向で移動可能であることで、前記少なくとも1個のカム表面が前記少なくとも1個のカム従動子表面を押すようになって、前記少なくとも1個のカム従動子表面が前記カム表面を乗り越えるようにして、前記放出部材を前記放出方向で前記第1の位置から前記第2の位置にカム送りするものであり、
前記少なくとも1個のカム表面が、前記軸に対して第1の角度の方向に向いている掛かり区画および前記第1の角度より大きい前記軸に対する第2の角度の方向に向いている隣接する駆動区画を有し、
使用時に、前記作動方向に前記アクチュエータ部材が動いた時、前記少なくとも1個のカム従動子表面が前記少なくとも1個のカム表面の前記掛かり区画および駆動区画を継続的に乗り越えて、前記放出部材を前記第1の位置から前記第2の位置にカム送りさせるように、前記装置が構造および配置を有しており、
前記少なくとも1個のカム従動子表面を前記掛かり区画を乗り越えて前記駆動区画に至らしめる上で、最小の動作力を前記アクチュエータ部材に付与する必要があるように、前記第1の角度を選択することを特徴とする流体放出装置。
【請求項2】
前記第1の角度が約20〜35°の範囲である請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記掛かり区画が平面である請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記最小動作力が約20〜45Nの範囲である請求項1、2または3に記載の装置。
【請求項5】
前記第2の角度が約40〜60°の範囲である請求項1〜4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記駆動区画が前記掛かり区画と隣接する弓形移行部分を有する請求項1〜5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記移行部分が約1〜5mmの範囲の曲率半径を有する請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記駆動区画が弓形である請求項1〜6のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記駆動区画が、前記掛かり区画と隣接する第1の曲率半径の第1の部分および前記第1の曲率半径より大きい第2の曲率半径の、前記第1の部分に隣接する第2の部分を有する請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記駆動区画が前記第1および第2の部分からなる請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記掛かり区画が第1の長さのものであり、前記駆動区画が前記第1の長さより大きい第2の長さのものである請求項1〜10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記最小動作力が約25〜40Nの範囲である請求項1〜11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1個のカム従動子表面が弓形である請求項1〜12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記第2の部分が約15〜40mmの範囲の曲率半径を有する請求項9または該請求項のいずれかの従属項に記載の装置。
【請求項15】
前記アクチュエータ部材が前記作動方向で弓形通路上を動くように前記装置に取りつけられている請求項1〜14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
前記アクチュエータ部材が前記作動方向に移動するに連れて、前記軸に対する前記第1の角度が相対的に急勾配になるような構造および配置となっている請求項1〜15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
前記アクチュエータ部材が前記作動方向に移動していく際に、前記軸に対する前記第2の角度が一定または実質的に一定のままとなるような構造および配置となっている請求項1〜16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記アクチュエータ部材が、それの第1の末端を中心に旋回運動するよう取りつけられており、前記少なくとも1個のカム表面が前記第1の末端から離れた前記アクチュエータ部材上に配置されている請求項1〜17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
前記放出部材が、前記流体製品の前記供給物が入った放出容器である請求項1〜18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
前記放出方向が上向きの方向であり、前記アクチュエータ部材の前記第1の末端が該部材の下端である請求項18または請求項18および19の装置。
【請求項21】
前記少なくとも1個のカム従動子表面が、前記放出部材の上端に向いて配置さされている請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記放出容器が、前記アクチュエータ部材による前記放出容器の前記放出方向での移動に応答して前記放出出口から前記用量の前記流体製品をポンプ送りするポンプを有する請求項19または該請求項のいずれかの従属項に記載の装置。
【請求項23】
前記アクチュエータ部材が前記単一のアクチュエータ部材である請求項1〜22のいずれかに記載の装置。
【請求項24】
前記放出出口が、身体腔部へ挿入する大きさおよび形状のノズルにある請求項1〜23のいずれかに記載の装置。
【請求項25】
前記ノズルがヒトもしくは動物身体の鼻孔へ挿入するためのものである請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記流体製品が医薬である請求項1〜25のいずれかに記載の装置。
【請求項27】
前記放出部材および筐体が、前記軸に沿って前記放出部材の動きをガイドするための共動ガイド部材を有する請求項1〜26のいずれかに記載の装置。
【請求項28】
前記共動ガイド部材が前記軸を中心とする前記放出部材の回転を防止する請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記ガイド部材のうちの一方がランナーを有し、他方のガイド部材が前記ランナー用の行路を有する請求項27または28に記載の装置。
【請求項30】
流体製品を放出するための流体放出装置において、
前記流体製品を放出可能な放出出口、
前記流体製品の供給物、
軸に沿った放出方向に動くように取りつけられ、前記供給物中の前記流体製品1用量を前記放出出口から放出させる放出部材、および
前記軸に対しておおまかに横方向である作動方向に移動するよう取りつけられた指操作型アクチュエータ部材
を有し;
前記アクチュエータ部材が少なくとも1個のカム表面を有し、前記放出部材が少なくとも1個のカム従動子表面を有し、
前記アクチュエータ部材が前記作動方向で移動可能であることで、前記少なくとも1個のカム表面が前記少なくとも1個のカム従動子表面を押すようになって、前記放出部材を前記放出方向でカム送りすることにより、前記放出出口からの前記流体製品用量の放出を生じさせるものであり、
前記アクチュエータ部材がさらに、所定の軸方向の位置を越えて前記放出方向と反対の向きに前記軸に沿って移動するのを停止するための停止部を有することで、前記少なくとも1個のカム表面および前記少なくとも1個のカム従動子表面を整列させていることを特徴とする流体放出装置。
【請求項31】
前記停止部が、前記放出部材の個々の表面と係合し得る少なくとも1個の停止表面を有する請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記少なくとも1個の停止表面が前記軸に対しておおまかに横方向に延在する請求項31の装置。
【請求項33】
前記少なくとも1個の停止表面が、前記少なくとも1個のカム表面の連続部を形成している請求項31または32に記載の装置。
【請求項34】
前記放出部材の前記少なくとも1個の表面が、前記少なくとも1個のカム従動子表面の連続部を形成している請求項31、32または33に記載の装置。
【請求項35】
前記少なくとも1個のカム表面が、前記アクチュエータ部材のノーズ区画によって提供される請求項30〜34のいずれかに記載の装置。
【請求項36】
前記少なくとも1個の停止表面が、前記ノーズ区画の先端部部分によって提供される請求項31〜34のいずれかに従属する場合の請求項35に記載の装置。
【請求項37】
流体製品を放出するための流体放出装置において、
放出出口を有する筐体であって、該筐体が、前記流体製品の入った放出容器を内部に収容するよう作成されていることで、前記筐体に対する休止位置から前記筐体に対する放出位置まで軸に沿って前記放出容器を動かすことにより、前記放出容器が前記放出出口から1用量の前記流体製品を放出するようにし;前記筐体が、前記放出容器を前記軸に沿って前記筐体中に挿入して前記休止位置に至らしめることが可能なアクセス開口部を有する筐体、および
前記筐体に関して内側方向で、前記軸に対して横方向に動かすことで、前記放出容器を前記休止位置から前記放出位置まで移動させるための前記筐体中に取りつけられた少なくとも1個の指操作型アクチュエータ部材
を有し、
前記アクチュエータ部材が、前記放出容器を前記アクセス開口部を通って前記筐体中の前記休止位置まで挿入できる前記筐体に関して外側位置から、前記筐体に関して内側の位置に移動可能であり、該内側位置は前記放出容器が前記アクセス開口部を通って前記筐体中の前記休止位置に挿入されるのを防止するが、該内側位置から、前記アクチュエータ部材は前記筐体に関して内側に移動可能であることで、前記休止位置に配置された放出容器の前記放出位置への移動を引き起こし、
前記装置は、前記アクチュエータ部材をそれの外側位置および内側位置に選択的に保持するための解除式戻り止め機構を有することを特徴とする流体放出装置。
【請求項38】
前記戻り止め機構が前記筐体および/または前記アクチュエータ部材上にある請求項37に記載のディスペンサー。
【請求項39】
前記戻り止め機構が、前記外側位置と内側位置の間で前記アクチュエータ部材が動くのを防止する第1の位置から、前記外側位置と内側位置の間での前記アクチュエータ部材の動きを可能とする第2の位置まで移動可能である前記筐体または前記アクチュエータ部材上の停止要素を含む請求項37または38に記載のディスペンサー。
【請求項40】
前記戻り止め機構が、前記停止要素をそれの第1の位置に付勢するための偏りを有する請求項39に記載のディスペンサー。
【請求項41】
前記停止要素が前記アクチュエータ部材上にあり、前記筐体をそれの第1の位置に当接している請求項39または40に記載のディスペンサー。
【請求項42】
ユーザーの鼻腔中に流体製品を放出するよう作成された流体ディスペンサーであって、前記ユーザーの鼻孔中に挿入するような大きさおよび形状のノズルおよび前記流体製品を収容可能な筐体を有し;前記筐体が、前記ノズルを収容する開口部および前記ノズルを前記開口部に固定する固定機構を有する流体ディスペンサー。
【請求項43】
前記筐体が、前記流体製品が入っており放出部材を有する放出容器を収容し;前記ノズルが、使用時に前記流体製品が前記ディスペンサーから放出される出口通路を有しており;前記容器が、前記放出部材および前記出口通路が直接流体連通するように前記筐体中で配置されている請求項42に記載のディスペンサー。
【請求項44】
前記放出部材が前記出口通路と係合している請求項43に記載のディスペンサー。
【請求項45】
前記固定機構が、前記ノズルを前記開口部でクランプ留めするクランプ部材を有する請求項42〜44のいずれかに記載のディスペンサー。
【請求項46】
前記ノズルが、前記筐体の内側表面に当接するフランジを有し;前記固定機構が、前記内側表面に前記フランジを固定することで、前記ノズルを前記開口部に保持している請求項42〜45のいずれかに記載のディスペンサー。
【請求項47】
前記クランプ部材が、前記筐体の前記内側表面上に設けられたカラー構造であり;該カラー構造は、前記フランジの上に湾曲または折り曲がっていることで、前記フランジを前記内側表面にクランプ留めしている請求項45または請求項45および46に記載のディスペンサー。
【請求項48】
流体製品をユーザーの鼻腔に放出するための複数の流体ディスペンサーを製造するための構成部品のセットであって、該セットがユーザーの鼻孔中に挿入するような大きさおよび形状の複数のノズルおよび前記流体製品の供給物を収容するための複数の筐体を有し;各ノズルが同一のものであり;各筐体は、前記ノズルのうちの1個を収容する開口部を有しており;各筐体はさらに、他のものとは異なる特徴を有するセット。
【請求項49】
各筐体が異なる色のものである請求項48に記載のセット。
【請求項50】
各筐体が異なる形状のものである請求項48または49に記載のセット。
【請求項51】
各ディスペンサーに1個で複数の容器をさらに有し、各容器には同一もしくは異なる流体医薬製剤が入っている請求項48、49または50に記載のセット。
【請求項52】
ユーザーの鼻孔中に挿入するような大きさおよび形状のノズルおよび流体製品を収容可能で前記ノズルを収容可能な開口部を有する筐体を有する、ユーザーの鼻腔中に流体製品を放出するよう作成された流体ディスペンサーにおいて、前記ノズルが前記筐体とは異なる材料製であることを特徴とする流体ディスペンサー。
【請求項53】
前記ノズルおよび前記筐体が異なるプラスチック材料製である請求項52に記載のディスペンサー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−87954(P2011−87954A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287195(P2010−287195)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【分割の表示】特願2007−502404(P2007−502404)の分割
【原出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【分割の表示】特願2007−502404(P2007−502404)の分割
【原出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
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