説明

流路閉塞用工具及び供給管の更新工法

【課題】 従来よりも簡素化された構造を有する流路閉塞用工具を提供する。
【解決手段】 ガスが流動する第1の供給管1の内部にガスの流動方向と逆方向から挿入され一端が密閉された複合管5と、複合管5の他端側に装着される流体圧送手段とを備え、複合管5は可撓性を有するガイド管51と、その表面を覆う中間層52と、中間層52に被着された被覆層53とを有し、かつ被覆層53は軸方向に沿って所定間隔をおいて円周方向に剥離された一対の切欠部54a、54bを有するとともに、切欠部54a、54bはガイド管51の内部と連通している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス等の流体が流動する供給管を更新するために使用される流路閉塞用工具及びそれを用いた供給管の更新工法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス配管においては、都市ガスや天然ガスなどの燃料ガスは、道路と並行して地中に埋設された本支管とそこから分岐された供給管を経て需要家に供給されている。本支管としては、ガス圧や外圧(土圧など)に強く耐久性が大であり、また穿孔作業により容易に分岐取出しが行えるなどの利点を有する鋳鉄管が使用されてきたが、軽量で施工性に優れまた耐震性にも優れた樹脂管(例えばPE管)への切換えが増加している。鋳鉄管から樹脂管への切換えは、例えば、既設の本支管(鋳鉄管等)に接続された供給管の下流側へのガスの供給を遮断し、次いで供給管を切断、分解、撤去した後に、新設された本支管(PE管等)に新規の供給管を接続する作業を行うといった手順で施工される。しかるに、この供給管の結び替え作業が行われると、作業中は需要家でガスを使用できないという不便さを伴う。また結び替え作業完了後も、需要家の施設内に立ち入って点火試験を含む安全確認を行う必要があるので、需要家の都合で結び替え作業が予定通り実施できないことがある。
【0003】
そこで供給管から需要家へのガスの供給を遮断せずに、結び替え作業を行うために、供給管の一定区間を、継手を介してバイパス管で接続した後に、その区間のガスの遮断と供給管の切断を行った後に、供給管を新設された本支管に接続する工法が検討されている(図7を参照)。すなわち、この工法によれば図7に示すように、既設の本支管10から分岐され需要家20へ接続される供給管30に2箇所の分岐口401、402を有する継手40が装着され、2箇所の分岐口の内1箇所同士をバイパス管50により接続して、既設の本支管10から需要家20へのガスの供給を確保する。次いで各継手40において分岐口402よりガス遮断用バック(不図示)を供給管30に挿入して区間A−Bを遮断する。このとき、既設の本支管10からはバイパス管50を介して需要家20にガスが供給されている。次いで区間A−Bの供給管(図中破線)が切断、撤去され、需要家側の継手40に、新設の本支管10’から分岐された新設の供給管30’が接続される。その後、ガス遮断用バックが撤去された後にバイパス管50を取り外して、新設の本支管10’から需要家20へのガスの供給へ切り替えられる。この活管分岐遮断工法によれば、需要家へのガスの供給を停止せずに、また需要家の施設内に立ち入らずに結び替え工事を行うことができるという利点があるが、2箇所の分岐口を備えた特殊な構造の継手が複数必要となり、また一つの継手に対して供給管30に複数(2箇所)の穿孔を行う必要があり、施工コストが増大するという難点がある。
【0004】
供給管から需要家へのガスの供給を遮断せずに、結び替え作業を行う別の方法も提案されている。例えば特許文献1には、ガスの供給を確保した状態で既設管路の一部を補修するために、遮断対象の両端部に、既設管路の内部と外部とが連通する連通孔を形成し、これらの連通孔からガス遮断装置が接続された2連式バッグを挿入し、ガス遮断装置をバイパス管で連結してから、バッグに膨張用空気を導入することにより、上記区間内のガスの流通を遮断できることが記載されている。
【0005】
また特許文献2には、ガスの供給を確保した状態で既設管路の一部を補修するために、遮断対象の両端部に、既設管路の内部と外部とが連通する連通孔を形成し、これらの連通孔からガス遮断装置が接続されかつ多重管構造からなるエアー通路を介して接続された2連式バッグを挿入し、ガス遮断装置をバイパス管で連結してから、バッグに膨張用空気を導入することが記載されている。多重管構造からなるエアー通路は、第1エアーバッグの内部に臨む第1エアー通路と第2エアーバッグの内部に臨む第2エアー通路と両バッグの間に位置する空間部に一端部が臨む第3エアー通路を有する。特許文献2では、この補修工法によれば、高圧管路に適用し、ガス圧が高く、バックでシールしきれない場合でも、バッグ同士の間に位置する空間に浸入したガスを、第3のエアー通路を介して外部に排出することが可能となるとされている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−271983号公報(第3〜5頁、図1、図2、図3)
【特許文献2】特開2001−50471号公報(第3〜4頁、図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のガス遮断装置は、2組の2連式のエアーバッグを必要とするので、構造が複雑化して、高コストになる。また上記の補修工法によれば、2連式のエアーバッグを補修遮断区間の両側に設置するように構成するので、補修区間の両側(2箇所)にエアーバッグを挿入させるための孔を穿孔することが必要とされ、しかもこの穿孔作業はピット内で行われるので、施工工数の増大を招来する。
【0008】
本発明の目的は上記の問題点を解消して、従来よりも簡素化された構造を有する流路閉塞用工具を提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は上記の問題点を解消して、従来よりも施工工数を短縮できる供給管の更新工法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の流路閉塞用工具は、ガスが流動する第1の供給管の内部にガスの流動方向と逆方向から挿入され一端が密閉された複合管と、前記複合管の他端側に装着される流体圧送手段とを備え、前記複合管は可撓性を有するガイド管と、その表面を覆う中間層と、前記中間層に被着された被覆層とを有し、前記被覆層は軸方向に沿って所定間隔をおいて円周方向に剥離された一対の切欠部を有し、前記切欠部の内周側は前記ガイド管の内部と連通していることを特徴とする。
【0011】
本発明において、前記ガイド管はポリオレフィン系樹脂からなり、前記中間層はエラストマーからなり、かつ前記被覆層は熱収縮性チューブからなることが好ましい。
【0012】
また本発明の流路閉塞用工具は、ガスが流動する第1の供給管の内部にガスの流動方向と逆方向から挿入され一端が密閉された複合管と、前記複合管の他端側に、ガスの流動を遮断する封止部材を形成する原料を注入する注入手段とを備え、前記複合管は可撓性を有するガイド管と、前記ガイド管に支持されかつ前記第1の供給管の内面に密着してガスの流動を遮断する区間を定める一対の規制部材とを有し、前記区間の一部で前記ガイド管の内外が貫通している構成とすることができる。
【0013】
本発明の流路閉塞用工具において、前記封止部材は2液型の発泡性樹脂で形成するとともに、前記案内部材はパラソル状の部材であり、そのネック部は前記ガイド管の表面に被着された被覆層で挟着されていることができる。
【0014】
上記他の目的を達成するために、本発明の供給管の更新工法は、第1の供給管に合流継手を装着してそこに第2の供給管を接続し、前記合流継手の少なくとも内部を外気と遮断してから前記第1の供給管に穿孔し、この開口を通して前記複合管を前記第1の供給管の内部に送り込み、前記流体圧送手段から前記複合管の内部に加圧流体を供給して前記中間層の一部を前記切欠部から膨張させ、その膨張した部分を前記第1の供給管の内面に密着させてから、前記第1の供給管の前記膨張部分で挟まれた区間を切り離すことを特徴とする。
【0015】
また本発明の供給管の更新工法は、第1の供給管に合流継手を装着してこの合流継手に第2の供給管を接続し、前記合流継手の少なくとも内部を外気と遮断してから前記第1の供給管に穿孔し、この孔を通して前記複合管を前記第1の供給管の内部に送り込み、前記注入手段から前記複合管の内部に発泡性樹脂組成物を充填することにより、ガスの流動を遮断する封止部材を形成してから、前記第1の供給管の前記封止部材が形成された区間を切り離すようにした構成でもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の流路閉塞用工具は、多層構造を有する複合管と、複合管の内部に加圧流体を供給する手段又は封止部材形成用原料を注入する手段とで構成されるので、従来よりも大幅に簡略化された工具とすることができる。したがって本発明によれば、工具の低コスト化を達成することができる。
【0017】
また本発明の供給管の更新工法は、第1の供給管に合流継手を装着し次いでこの継手に第2の供給管を接続してから穿孔し、その孔から複合管を所定長さだけ挿入し、複合管の内部に加圧流体又は注入部材形成用原料を供給後、所定区間だけ切り離すだけの作業で、第1の供給管の下流側へのガスの流動を確実に遮断することができる。したがって本発明によれば、従来よりも少ない工数で結び替え工事を行うことができる。
【0018】
特に、本発明においては、供給管の穿孔が一回で済むので、結び替え工数を従来よりも大幅に低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の詳細を添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係わる流路閉塞用工具を備えた供給管の断面図、図2は流路閉塞用工具の使用状態を示す断面図、図3は図2のA部を拡大して示す断面図、図4は本発明の第2の実施の形態に係わる流路閉塞用工具を備えた供給管の断面図、図5は図4に示す流路閉塞用工具の使用状態を示す断面図、図6は図5のC部を拡大した断面図であり、図4〜6において図1と同一機能部分は同一の参照符号で示す。
【0020】
図1に示すように、地中に埋設された既設管である第1の供給管1(以下既設管という)は、本支管(図示を省略)から分岐され、矢印方向にガスGが流動している。既設管1と並行して新設される第2の供給管(図示を省略、以下新設管という)は例えばEF継手(図示を省略)を介して接続された連結管2の端部が合流継手3に差し込まれることにより、矢印方向から流動したガスGを既設管1に流入させることができる。EF継手は、ポレエチレンなどの熱可塑製樹脂からなる継手本体の内部に電熱線が埋め込まれ、電熱線に通電することにより、継手本体の内径部と樹脂管(新設管及び連結管2)とが融着して樹脂管の接続が行われように構成されている。
【0021】
合流継手3は、既設管1に固定される上クランプ31及び下クランプ32、並びに上クランプ31にねじ込むことなどにより固定されるチーズ部33を有する。上クランプ31及び下クランプ32は、例えば可鍛鋳鉄などの鉄鋼材料からなる本体311、321の外面に塩化ビニールなどの耐食性を有する樹脂からなるライニング312、322で被覆して形成され、またチーズ部33もこれらと同様に、鉄鋼材料からなる本体331の外面に耐食性を有する樹脂からなるライニング332が被覆されている。このチーズ部33は、新設管2の端部が挿入される分岐部34を有し、連結管2の端部内面にスティフナー35が装着された後バルジ加工などの手法で拡径されることにより、連結管2と分岐部34が接続されるとともに、連結管2と分岐部34との間に介装されたパッキン36によってシールが行われている。
【0022】
合流継手3を介して既設管に挿入される流路閉塞用工具4は、合流継手3のチーズ部33から既設管1の内部に向って挿入される複合管5と、その一方の端部(上端部)に接続される手押しエアーポンプなどの加圧手段(図示を省略)と、加圧手段により圧送される流体の圧力を監視する圧力計(図示を省略)と、複合管5の他方の端部を密閉する密閉部材6を備えている。
【0023】
複合管5は、ガイド管51とその表面に装着された中間層52とその表面を覆う被覆層53を有する。
【0024】
ガイド管51は、合流継手3に挿入後所定角度(例えば直角)だけ折り曲げられて、既設管1に挿入できるようにするために、例えばポリエチレンやポリブテン等のポリオレフィン系樹脂で形成されて、可撓性が付与されている。
【0025】
中間層52は、ガイド管51の全体が既設管1に差し込まれたときに、合流継手3の上端部から所定長さだけ延出するような長さを有するとともに、内圧を受けたときに膨張しうる(伸びる)ようにするために、天然ゴムやブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム等のオレフィン系ゴムなどのエラストマー(ゴム弾性体)で形成される。
【0026】
被覆層53は、中間層52の略全長にわたって形成されているが、その途中には、2箇所において中間層52が露出するようにするために、円周方向に沿って連続する切欠部54a、54bが設けられている。すなわち、被覆層53は、加圧手段側(図1の上部)から伸びる第1被覆層531と、その端部内面に一部が差込まれる第2被覆層532と、切欠部54aを挟んで第2被覆層532と隣接する第3被覆層533と、切欠部54bを挟んで第3被覆層533と隣接する第4被覆層534とに分割されている。被覆層53は、中間層52に、例えば塩化ビニール、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、フッ素樹脂(PFA、FEPなど)で形成された熱収縮性チューブを被着させて形成することができる。またガイド管51の途中であって、切欠部54a及び切欠部54bの近傍には、それぞれ管軸方向に沿って少なくとも一つの連通穴511が設けられている(図3参照)。
【0027】
密閉部材6は、複合管5の他方の端部を密閉するために、ガイド管51の内面に装着される円柱状のキャップ61を止め具62及び先端が楔状に形成されたピン63でガイド管51に固定するとともに、第4被覆層534に外嵌されて複合管5の端部を締付けるためのリング64を有する(図3参照)。
【0028】
次に図2及び図3も参照して上記の流路閉塞用工具4を使用して既設管1の内部のガスの流動を遮断する作業を含む、下記1)〜6)の工程からなる供給管の結び替え作業を説明する。なお、図1及び図2は供給管の結び替えを行うために必要な大きさのピット(図示を省略)が形成された状態を示している。
【0029】
1)既設管1の所定位置に合流継手3を組付け、電気融着継手(ソケット)の両端部に、分岐部34に装着された連結管2の端部および新設の本支管から分岐された新設管の端部を挿入し、電気融着により連結管2と新設管とが融着接合される。
【0030】
2)合流継手3にノーブローバッグ(図示を省略)を被せて大気から遮断した後、チーズ部33にカッター(図示を省略)をセットし、既設管1の所定位置に穿孔した後、チーズ部33からカッターを取出す。
【0031】
3)チーズ部33の上端から複合管5を差込み(図1の矢印X方向)、ガイド管51がその全長にわたって既設管1の内部に位置するまで複合管5を押し込む。
【0032】
4)複合管5の端部に加圧手段(例えば手押しエアーポンプ)と圧力計を接続し、加圧手段を作動させることにより、複合管2の内部に加圧流体(例えば150〜180kPaの圧縮空気)を供給する。加圧流体を供給する前は、中間層52はその弾性と第4被覆層534(第2被覆層532)による締め付け力によりガイド管51の外面に密着しているが、加圧流体が連通穴511からガイド管の外周部に供給されると、加圧流体の圧力によって押し拡げられガイド管51の外面と中間層52の内面に加圧流体が流動可能な隙間が形成される。そこで加圧流体Aは、図2及び図3に示すようにガイド管51の連通穴511からガイド管51と中間層52との隙間を流動して、切欠部54a及び切欠部54bに吹き出し、中間層52を外周側に膨出させる。すなわち切欠部54aと切欠部54bには、既設管1の内面に密着した膨張部521及び522が形成される。その後、加圧流体の供給を停止すると、ガイド管51の外面と中間層52の内面は、中間層52の弾性及び第4被覆層(第2被覆層)による締め付け力によって密着し連通穴511が塞がれるので、膨張部521及び522が形成された状態が保持される。
【0033】
5)前述の通り加圧流体の供給を停止した後も既設管1の内面に密着した状態が保持され、これらの膨張部521及び522の間ではガスの流動が遮断されるので、膨張部521及び522で挟まれた区間の既設管1を複合管5とともに切断、撤去する。
【0034】
6)チーズ部33の上端部を密閉することにより、合流継手3を介して既設管1下流の需要家側にガスを供給することが可能となる。
【0035】
本発明の流路閉塞用工具4は、上記に限らず、例えば次のように構成することができる。
図4に示す流路閉塞用工具4は、可撓性を有する複合管5と、その一方の端部(上端部)に接続される封止部材用原料を注入する手段(図示を省略)と、複合管5の他方の端部を密閉する密閉部材6を備えている。なお、密閉部材6は図1と同様に構成されているので、その説明を省略する。
【0036】
複合管5は、その一端側が所定長さだけ既設管1に差し込まれたときに、合流継手3の上端部から所定長さだけ延出するような長さを有するガイド管55と、その表面に長さLの内の一部の長さだけ被着された被覆層56を有する。被覆層56の両端部側には、一般ゴム(例えばIR又はSBR)などの弾性体からなり既設管1の内面に密着するパラソル状の規制部材57a、57bが装着され、そのネック部の両端面が被覆層56により挟着されている。パラソル状の規制部材57a、57bの間において、所定長さLだけ被覆層56が引き剥されてガイド管55が露出するよう構成されるとともに、露出した部分には、円周方向及び軸方向に沿って複数の開孔551が設けられている。これらの開孔551を利用して既設管1の内部に封止部材58が形成される。
【0037】
上記の封止部材は例えば硬質ポリウレタンフォームで形成されるが、その原液としては、有機ポリイソシアネート(TDI、MDI等)及び低沸点化合物(ジメチルエーテル等)を主成分とする第1溶液(イソシアネート液)とポリオール(グリセリンやプロピレングリコール等の多価アルコール類など)及び低沸点化合物(ジメチルエーテル等)を主成分とし、触媒(トリメチルアミン等)や整泡剤(有機珪素界面活性剤等)などを必要に応じて添加した第2溶液からなる2液型樹脂組成物を使用することができる。
【0038】
上記原液の注入手段としては、2種類の溶液を各々充填した容器を使用し、これらの容器を同時に開口して、各容器に接続されかつ複合管内で連結された導管(図示を省略)から流し込み、複合管内で混合することにより発泡が行われて、封止部材(硬質ポリウレタンフォーム)を形成することができる。
【0039】
上記の流路閉塞用工具4によれば、次の手順で供給管の結び替えを行うことができる。まず、上記1)、2)と同様の工程を実施することにより、既設管1の所定位置に穿孔した後、チーズ部33の上端から複合管5を差込み、総ての開孔551が既設管1の内部に位置するまで複合管5を押し込む。
【0040】
次いで複合管5の端部に封止部材の原液を注入する手段を接続し、この注入手段を作動させることにより、複合管5の内部に原液を供給する。複合管5の内部で混合された原液は、各開孔551から発泡して流出し、図5及び6に示すように、規制部材57a、57bの間において既設管1の内部に、発泡樹脂からなる封止部材58が形成され既設管1の上流側と下流側が遮断される。
【0041】
そして上記5)、6)と同様の工程を実施することにより、供給管の結び替えを行うことができる。
【0042】
本発明は、種々の口径を有する供給管に適用できるが、複合管の挿入作業を考慮すると、折り曲げが容易な小口径(例えば20A〜30A)の供給管の結び替えに特に有効である。
【0043】
本発明は、上記に限らず、種々の変更が可能であり、例えば合流継手はチーズ部と上クランプを一体化した構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1実施の形態に係わる流路閉塞用工具を備えた供給管の断面図である。
【図2】図1の流路閉塞用工具の使用状態を示す断面図である。
【図3】図2のB部を拡大して示す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係わる流路閉塞用工具を備えた供給管の断面図である。
【図5】図4の流路閉塞用工具の使用状態を示す断面図である。
【図6】図5のC部を拡大して示す断面図である。
【図7】従来技術の工法を模式的に示す配管図である。
【符号の説明】
【0045】
1:既設管、
2:連結管
3:合流継手、31:上クランプ、311:本体、312:被覆層、32:下クランプ、321:本体、322:被覆層、33:チーズ部、331:本体、332:被覆層、34:分岐部、35:スティフナー、36:パッキン
4:流路閉塞用工具、
5:複合管、51:ガイド管、511:連通穴、52:中間層、521、522:膨張部、53:被覆層、531:第1被覆層、532:第2被覆層、533:第3被覆層、534:第4被覆層、54a、54b:切欠部、
55:ガイド管、551:開孔、56:被覆層、57a、57b:規制部材、58:封止部材
6:密閉部材、61:キャップ、62:止め具、63:ピン、64:リング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスが流動する第1の供給管の内部にガスの流動方向と逆方向から挿入され一端が密閉された複合管と、前記複合管の他端側に装着される流体圧送手段とを備え、前記複合管は可撓性を有するガイド管と、その表面を覆う中間層と、前記中間層に被着された被覆層とを有し、前記被覆層は軸方向に沿って所定間隔をおいて円周方向に剥離された一対の切欠部を有し、前記切欠部の内周側は前記ガイド管の内部と連通していることを特徴とする流路閉塞用工具。
【請求項2】
前記ガイド管はポリオレフィン系樹脂からなり、前記中間層はエラストマーからなり、かつ前記被覆層は熱収縮性チューブからなることを特徴とする請求項1に記載の流路閉塞用工具。
【請求項3】
ガスが流動する第1の供給管の内部にガスの流動方向と逆方向から挿入され一端が密閉された複合管と、前記複合管の他端側に、ガスの流動を遮断する封止部材を形成する原料を注入する注入手段とを備え、前記複合管は可撓性を有するガイド管と、前記ガイド管に支持されかつ前記第1の供給管の内面に密着してガスの流動を遮断する区間を定める一対の規制部材とを有し、前記区間の一部で前記ガイド管の内外が貫通していることを特徴とする流路閉塞用工具。
【請求項4】
前記封止部材は2液混合型の発泡性樹脂からなるとともに、前記規制部材はパラソル状の部材であり、そのネック部は前記ガイド管の表面に被着された被覆層で挟着されていることを特徴とする請求項3に記載の流路閉塞用工具。
【請求項5】
第1の供給管に合流継手を装着してこの合流継手に第2の供給管を接続し、前記合流継手の少なくとも内部を外気と遮断してから前記第1の供給管に穿孔し、この孔を通して前記複合管を前記第1の供給管の内部に送り込み、前記流体圧送手段から前記複合管の内部に加圧流体を供給して前記中間層の一部を前記切欠部から膨張させ、その膨張した部分を前記第1の供給管の内面に密着させてから、前記第1の供給管の前記膨張部分で挟まれた区間を切り離すことを特徴とする供給管の更新工法。
【請求項6】
第1の供給管に合流継手を装着してこの合流継手に第2の供給管を接続し、前記合流継手の少なくとも内部を外気と遮断してから前記第1の供給管に穿孔し、この孔を通して前記複合管を前記第1の供給管の内部に送り込み、前記複合管の内部に発泡性樹脂組成物を充填することにより、前記第1の供給管の内部にガスの流動を遮断する封止部材を形成してから、前記第1の供給管の前記封止部材が形成された区間だけ切り離すことを特徴とする供給管の更新工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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