説明

浄化器

【課題】 簡単な構造で品質劣化がほとんどなく交換せずに長期間使用でき、しかも水・液体ばかりか空気の浄化も行える浄化器を提供する。
【解決手段】 南方系果実の果汁を混練して焼成した内部が中空1aの土鈴状セラミックス製中空体1の一部にスリット2を設け、同スリットの対向する周縁の一部に釉薬4を施す。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、飲料水・水道水・井戸水等の飲料水・生活水を浄化する為、及び空気を浄化するための器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水の浄化を行う器具・材料としては活性炭を使用する方法が広く知られている。この方法は、活性炭によって水中の不純物・汚れを吸着除去して水を浄化するものであるが、使用していると活性炭に吸着物が多量に吸着していき、活性炭の浄化機能が低下するとともに、逆に水を汚すようになる。活性炭を使用するときは、活性炭を所要期間使用すると交換して使用する必要がある。又、活性炭の働きは吸着による不純物・汚れの除去であり、水質の改質作用は弱いものであった。
【0003】
【考案が解決使用とする課題】
本考案が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、簡単な構造で品質劣化がほとんどなく交換せずに長期間使用でき、しかも水・液体ばかりでなく空気の浄化も行える浄化器を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決した本考案の構成は、1) 内部に中空室を有するセラミックス製中空体の一部に中空体と連通するスリットを設け、同スリットの対向する周縁の一部に釉薬を施したことを特徴とする浄化器2) 内部に中空室を有するセラミックス製中空体の一部に中空室と連通するスリットを設け、同スリットの対向する周縁にプラチナ・金等の導伝体を付着したことを特徴とする浄化器3) 中空体が粘土に南方系果実の果汁を混練して焼成して製作される前記1)
又は前記2)記載の浄化器4)中空体の外形が土鈴状で、しかも釉薬を施す位置がスリットの中間のスリット周縁であり、スリットと反対側の中空体に孔を開口した前記1)記載の浄化器5) 中空体が粘土に南方系果実の果汁を混練して焼成して製作され、しかも釉薬にも南方系果実の果汁を混入したものを使用する前記4)記載の浄化器にある。
【0005】
【作用】
この考案では、浄化器の中空体のスリットを介して水・空気等の流体が出入し、複雑な停滞流が生じる。中空体はセラミックス製であって、セラミックスの持っている遠赤外線等特性と、スリットの周縁の対向する位置に設けた釉薬部分又は導電体との間で発生する放電効果によって、停滞流の水・空気等の流体を清浄にする。セラミックスの遠赤外線等の特性と釉薬又は導電体の部分間の放電効果によって流体が清浄化する現象は、本発明者らによって発見された現象である。
本考案はかかる知見に基いてなされたものである。
特に、中空体の粘土及び釉薬に南方系果実の果汁成分(果汁酵素性の成分)を混入すればその効果が良好のものとなる。特に浄化器の形状が土鈴状としたとき、果実液をセラミックスに混入して混練・焼成したものでは良好な効果がみられた。
【0006】
【考案の実施の形態】
本考案の浄化器の中空体の形状は、土鈴状,ベルボール状,テトラシボリ状,パイプ状等のものがあるが、土鈴状のものが効果的であり、又その大きさは5〜200ミリのものが良好である。釉薬としては酵素性釉薬がよく、又セラミックス、釉薬には南方系果実の果汁の成分を混入して混練して焼成するのが効果的である。
又、スリットは直線状のもの、曲線状のものもあり、かならずしも一個に限るものでもない。
スリットの周縁に付着させる導電体としては、プラチナ・金が錆、劣化がなく長期間使用出来るので好ましい。
【0007】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は実施例の正面図、図2は実施例の平面図、図3は実施例の縦断面図、図4は実施例の使用状態を示す説明図である。
;実施例(図1,2,3,4参照)
図1,2,3で示す実施例は、土鈴状の直径25ミリの球体の中空体1に25ミリ長さ程で間隔3ミリ程のスリット2を設け、同スリットと反対側の中空体1に直径2ミリ程の孔3を設けている。又中空体は南方系果実(パイナップル,パパイヤ,マンゴ等)の果汁成分をセラミックスの粘土100部に対して0.001部(1万分の1)を混入して混練して成形した後乾燥させ、更に上記酵素を混入した果汁酵素性釉薬4を点状にスリット2の周縁に付着する。その後、400℃程で2回焼成する。図中1aは中空体1の内部の中空空間である。
このように製造された本実施例の浄水器Aを飲料水の水路Bに複数個置いた所水の浄化、水質の改善が良好になった。又空気中に置くだけでも空気を浄化できた。この効果は12か月の期間でもさして劣化なく空気を持続できた。
尚、図5,6は本考案の他の形状例を示す図面であり、実施例の如く土鈴状に限ることなく、図4,5,6の形状のものでも実施例に近い効果が得られた。本考案の浄水器は図1〜6のものが好ましいがパイプ状のものでも可能であり、又釉薬を施さず金・プラチナのスリット周縁への付着でも可能である。
【0008】
【考案の効果】
以上の様に、本考案によれば小型で簡単な構造でもって、交換の必要もなく、又電気等のエネルギー源を消費することもなく長期間水等の液体及び空気を浄化・改質する効果が認められ、安価に水・空気等を浄化することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の正面図である。
【図2】実施例の平面図である。
【図3】実施例の縦断面図である。
【図4】実施例の使用状態を示す説明図である。
【図5】本考案の他の形状例を示す斜視図である。
【図6】本考案の他の形状例を示す斜視図である。
【符号の説明】
A 浄水器
B 水路
1 中空体
1a 中空空間
2 スリット
3 孔
4 釉薬

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 内部に中空室を有するセラミックス製中空体の一部に中空室と連通するスリットを設け、同スリットの対向する周縁の一部に釉薬を施したことを特徴とする浄化器。
【請求項2】 内部に中空室を有するセラミックス製中空体の一部に中空室と連通するスリットを設け、同スリットの対向する周縁にプラチナ・金等の導伝体を付着したことを特徴とする浄化器。
【請求項3】 中空体が粘土に南方系果実の果汁を混練して焼成して製作される請求項1又は2記載の浄化器。
【請求項4】 中空体の外形が土鈴状で、しかも釉薬を施す位置がスリットの中間のスリット周縁であり、スリットと反対側の中空体に孔を開口した請求項1記載の浄化器。
【請求項5】 中空体が粘土に南方系果実の果汁を混練して焼成して製作され、しかも釉薬にも南方系果実の果汁を混入したものを使用する請求項4記載の浄化器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【登録番号】第3035933号
【登録日】平成9年(1997)1月16日
【発行日】平成9年(1997)4月8日
【考案の名称】浄化器
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平8−10310
【出願日】平成8年(1996)9月19日
【出願人】(596148272)古川製陶有限会社 (1)
【出願人】(593064227)
【出願人】(595078057)ナガオテック有限会社 (1)