説明

浄水用濾過体とその製造装置

【課題】 浄水用濾過体とその製造方法の提供。
【解決手段】 浄水用濾過体の製造方法において、適宜網目のスクリーンネットを用いて適量の麦飯石2、活性炭3或いは活性煤4或いはこれら三者をいずれも包含する原料をスクリーニングし、さらに清水で原料を十分に洗浄して汚物を取り除き、さらに60℃〜100℃で高温乾燥し水分を除去し、続いてこれらの原料或いは少なくとも単一成分を含む原料に接着剤を加え80℃〜120℃の高温で混合し泥状となし、泥状とした原料混合体を成形機に送り100℃〜160℃で加熱圧縮し軟性固体となし、さらに冷却定型して濾過体となすことを特徴とする。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は一種の浄水用濾過体とその製造方法に係り、特に水中の不純物の濾過、除味、除色、活性化のプロセスを同時に処理する浄水用濾過体とその製造方法であって、並びにその整合された濾過機能の全体構造により大幅に体積が縮小され、それにより浄水設備の体積の縮小を行うことができる、浄水用濾過体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
工業、科学技術の進歩は環境の汚染と破壊ももたらした。周知のとおり、現在の汚染、環境破壊程度は相当に厳重であり、多くの都市で底の見えない川が流れ人々は自己の製造した汚染の環境中に生活している。環境の汚染、破壊において最も厳重であるのは水源の汚染、破壊であり、すべての生命は皆水に頼っており、もしきれいな水が得られなくなると、人類の生命の存続は難しい。このため、人類は水が清浄であるか否かを次第に重視するようになり、このため、多くの浄水設備が研究開発されてきた。
【0003】
例えば図1に示されるのは、逆浸透原理を利用した浄水器であり、初期に水を清浄化した後に逆浸透処理を進行する。これは若干の濾過容器12にそれぞれろ芯13、粗粒状活性炭14が装填され、ろ芯13で不純物、汚物をろ過し、さらに後続の濾過容器12内部に充満させた粗粒状活性炭14で除味、除色、除臭を行っている。この浄水設備の構造とプロセスから分かるように、この浄水設備は相当大きな体積を有し、この体積の大きさが使用の場合と浄水量を決定し、このため体積を有効に縮減できない状況にあって、占有する面積が大きいため、メリット、デメリットを較べると、このような浄水設備は改善の必要を有していた。
周知の濾過設備は、特定の段階に分かれた処理プロセスを行う必要のためにその体積を縮小することができなかった。即ち、これらの処理プロセスの簡素化或いは浄化の経路の短縮を行わねば、浄水設備を縮小することはできない。本考案では浄化経路を短縮するために、濾過体の設計を改善し、濾過体の体積を縮小化する。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ゆえに、本考案の主要な目的は、不純物、汚物の除去、除臭、除味、除色及び水質活性化の作用と機能を同時に達成可能であり、浄水設備の体積過大の欠点を有効に解決できる一種の浄水用濾過体の製造方法を提供することにある。本考案の次の目的は、特定の製造工程と金型製造の許容範囲により、製造する濾過体の応用範囲を広げ、各種の浄水場面での応用ができるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の考案は、浄水用濾過体の製造方法において、適宜網目のスクリーンネットを用いて適量の麦飯石2、活性炭3或いは活性煤4或いはこれら三者をいずれも包含する原料をスクリーニングし、さらに清水で原料を十分に洗浄して汚物を取り除き、さらに60℃〜100℃で高温乾燥し水分を除去し、続いてこれらの原料或いは少なくとも単一成分を含む原料に接着剤を加え80℃〜120℃の高温で混合し泥状となし、泥状とした原料混合体を成形機に送り100℃〜160℃で加熱圧縮し軟性固体となし、さらに冷却定型して濾過体となすことを特徴とする、浄水用濾過体の製造方法としている。請求項2の考案は、前記浄水用濾過体の製造方法において、セラミックを原料としてセラミックろ芯を製造し、さらに該セラミックろ芯を前記濾過体の内層に設置して、内部にセラミックろ芯を具えた濾過体を製造することを特徴とする、請求項1に記載の浄水用濾過体の製造方法としている。請求項3の考案は、前記原料が、麦飯石、活性炭及び活性煤を包括することを特徴とする、請求項1に記載の浄水用濾過体の製造方法としている。請求項4の考案は、前記原料が、麦飯石、活性炭及び活性煤のうち、いずれか2種類とされることを特徴とする、請求項1に記載の浄水用濾過体の製造方法としている。請求項5の考案は、濾過層とセラミックろ芯で組成され、該セラミックろ芯が濾過層の内層に設けられ、並びに蓋体でカバーされて濾過層とセラミックろ芯が結合され、該濾過層が麦飯石、活性炭或いは活性煤のうちの一つの原料とすることを特徴とする、濾過体としている。請求項6の考案は、前記濾過層或いはセラミックろ芯がハニカム状構造を有することを特徴とする、請求項5に記載の濾過体としている。請求項7の考案は、前記濾過層が麦飯石、活性炭、活性煤のいずれか2種類を原料とする二層構造とされたことを特徴とする、請求項5に記載の濾過体としている。請求項8の考案は、前記濾過層が麦飯石、活性炭、活性煤をそれぞれ原料とする三層構造とされたことを特徴とする、請求項5に記載の濾過体としている。
【0006】
【考案の実施の形態】
図2と図3は本考案の製造工程とスクリーニング表示図である。図示されるように、本考案の浄水用濾過体の製造方法は、以下のステップを含む。
(1)原料スクリーニング:12−18メッシュのスクリーンネット1で選別をふるい分けする。そのうちこの原料は適量の麦飯石2、活性炭3或いは活性煤4或いはこれら三者をいずれも包含する。
(2)原料洗浄:清水でこれら原料を十分に洗浄して汚物を取り除く。
(3)高温乾燥:60℃〜100℃で高温乾燥し水分を除去する。
(4)接着剤混合:これらの原料或いは少なくとも単一成分を含む原料に接着剤を加え高温で混合し泥状となす。その温度は約80℃〜120℃である。
(5)加熱圧縮:すでに泥状とした原料混合体を成形機に送り加熱圧縮し軟性固体となす。その温度は100℃〜160℃とし、成形するのに有利とする。
(6)冷却定型:特定形状を有する軟性固体を水或いは空気で冷却定型する。
【0007】
以上の製造方法により図4に示されるような円筒状或いはその他の適用する形状の濾過体5を製造できる。図4中に提示された濾過体5は一つの実施例に過ぎず、使用者が使用する金型によりその形は定まり、図5に示される形状に限定される訳ではない。
【0008】
図4及び図5は、本考案で成形した濾過体の構造実施例図及びその局部拡大図である。図示されるように、本考案で製造した濾過体5は、僅かな適量の接着剤により原料6を凝結させるが、しかしその凝結の実態は密接に結合した形態ではなく、複数の微小な孔7を有する形態とされる。そしてこれら孔7の形成により、一般に使用されているフィルタネットのように、水中に含まれる汚物、不純物を濾過して除去することができ、並びに麦飯石2、活性炭3、活性煤4により、水中の不純物を濾過し、除臭、除味、除色、活性化の浄水プロセスを達成できる。こうして伝統的な浄水における段階処理の方式を使用しないようにし、相対的に浄水設備の体積の縮小と、各種の浄水場面への広い適用性を達成している。
【0009】
また、本考案の製造方法で製造した濾過体は、各種の浄水場面に適用され、濾過体5成形の応用を指す。言い換えると、前述の製造工程及びその後の成形機による成形ステップにより、金型製造の許容の範囲内であれば、任意の形状、大きさの濾過体を製造できる。例えば図6には製造された濾過体8とセラミックろ芯9のいずれもが対応する方形構造とされて重ね合わされ、並びに四隅の蓋体10により接着固定されている。応用場面として、ウォータークーラーから水道局までいずれも適用可能である。特に、マンションやビルの貯水タンク、工業区域、工場或いは公共場所の貯水池等に適用できる。
【0010】
前述の濾過体の製造方法に使用される原料は、適量の麦飯石2、活性炭3或いは活性煤4とされ、当然、実際の応用においては、異なる原料を用いた単一濾過体を製造することができる(セラミック原料は必ず単独でセラミックろ芯の製造に用いられる)。図7、図8に示される実施例によると、濾過体が原料により区分して麦飯石濾過体8A、活性炭濾過体8B、活性煤濾過体8Cとされ、実際の応用においては、それぞれ弯曲濾過経路11中に配置可能であり、並びにセラミック濾芯9が濾過プロセス中の最後の経路に配置され(これはその微細な濾過効果によるものであり、水中の不純物が形成する詰まりを防止する効果を有する。
ゆえにそれは水がすでに多重の濾過を経た後に設置される。)、このように必要に応じた設置により一つの浄水設備を完成するか、或いは複数の経路を設置して多重防水設備を完成する。そのうちの一つの濾過体或いはセラミックろ芯が詰まった時には即時交換でき、実際の応用の利便性を提供している。当然これらの構造の応用として、図9に示されるように、麦飯石濾過体8A、活性炭濾過体8B、活性煤濾過体8C及びセラミックろ芯9を相互に重ね合わせ、並びに四隅の蓋体10により接合固定することにより、浄水設備を縮小して各種応用場面に有利とする。
【0011】
同様に、前述の濾過体製造の技術、及び浄水設備縮小の技術は、一般のウォータークーラー、逆浸透浄水器にも運用可能である。図10及び図11に示される実施例では、濾過体を円筒状とし、それは麦飯石2、活性炭3、活性煤4を原料とし、個別に異なる円筒状の単一濾過体となし、それぞれ麦飯石濾過体5A、活性炭濾過体5B、活性煤濾過体5Cとなして相互に套設し、セラミックろ芯9Aを最内層として挿入し、並びに上下をそれぞれ一つの蓋体10Aで結合固定している。
【0012】
上述の各種の濾過体及びセラミックろ芯は、成形機で成形製造する過程で、直接、直接濾過体或いはセラミックろ芯内部のハニカム状構造15(図10参照)
を形成し、これにより浄水プロセス中の濾過速度を加速し、即ちこれらの麦飯石濾過体5A、活性炭濾過体5B、活性煤濾過体5Cの構成する濾過体により、浄水設備の体積を縮小するだけでなく、微細化濾過効果を向上し、さらに、濾過速度を加速する機能を達成する。
【0013】
前述の製造方法で形成したセラミックろ芯は単層或いは多層の濾過体内層に設置することにより、有効に、細かな泥、微生物を除去する機能を達成することができ、それは直径0.3mmの不純物を除去でき、水中の泥、微生物、鉄錆及び0.3mm直径の不純物を取り除くことができ、濾過体全体の微細濾過機能を増進して、大幅に浄水設備の全体濾過機能を向上できる。
【0014】
【考案の効果】
以上から分かるように、本考案の技術思想は伝統的な技術手段と異なり、有効に浄水設備の体積を縮小できるほか、水中の不純物、微生物、泥の濾過、除味、除臭、除色等の浄水プロセスを同時に達成でき、且つ各種の浄水場面に適用可能で、高い実用性と利用の価値を有し、考案の高度な技術思想に符合する。
【提出日】平成13年9月14日(2001.9.14)

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 浄水用濾過体の製造方法において、適宜網目のスクリーンネットを用いて適量の麦飯石2、活性炭3或いは活性煤4或いはこれら三者をいずれも包含する原料をスクリーニングし、さらに清水で原料を十分に洗浄して汚物を取り除き、さらに60℃〜100℃で高温乾燥し水分を除去し、続いてこれらの原料或いは少なくとも単一成分を含む原料に接着剤を加え80℃〜120℃の高温で混合し泥状となし、泥状とした原料混合体を成形機に送り100℃〜160℃で加熱圧縮し軟性固体となし、さらに冷却定型して濾過体となすことを特徴とする、浄水用濾過体の製造方法。
【請求項2】 前記浄水用濾過体の製造方法において、セラミックを原料としてセラミックろ芯を製造し、さらに該セラミックろ芯を前記濾過体の内層に設置して、内部にセラミックろ芯を具えた濾過体を製造することを特徴とする、請求項1に記載の浄水用濾過体の製造方法。
【請求項3】 前記原料が、麦飯石、活性炭及び活性煤を包括することを特徴とする、請求項1に記載の浄水用濾過体の製造方法。
【請求項4】 前記原料が、麦飯石、活性炭及び活性煤のうち、いずれか2種類とされることを特徴とする、請求項1に記載の浄水用濾過体の製造方法。
【請求項5】 濾過層とセラミックろ芯で組成され、該セラミックろ芯が濾過層の内層に設けられ、並びに蓋体でカバーされて濾過層とセラミックろ芯が結合され、該濾過層が麦飯石、活性炭或いは活性煤のうちの一つの原料とすることを特徴とする、濾過体。
【請求項6】 前記濾過層或いはセラミックろ芯がハニカム状構造を有することを特徴とする、請求項5に記載の濾過体。
【請求項7】 前記濾過層が麦飯石、活性炭、活性煤のいずれか2種類を原料とする二層構造とされたことを特徴とする、請求項5に記載の濾過体。
【請求項8】 前記濾過層が麦飯石、活性炭、活性煤をそれぞれ原料とする三層構造とされたことを特徴とする、請求項5に記載の濾過体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【登録番号】実用新案登録第3084352号(U3084352)
【登録日】平成13年12月19日(2001.12.19)
【発行日】平成14年3月22日(2002.3.22)
【考案の名称】浄水用濾過体とその製造装置
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2001−4887(U2001−4887)
【出願変更の表示】特願平11−352701の変更
【出願日】平成11年12月13日(1999.12.13)
【出願人】(599174591)