説明

浄水装置及び浄水方法

【課題】薬液槽内の薬液の濃度低下を補償し、良好に浄水できるようにする。
【解決手段】原水を供給する水中ポンプ2と、この水中ポンプ2によって供給される原水を流入させて原水に含まれる不純物を除去するろ過槽6と、薬液を収容する薬液槽5aを有し、この薬液槽5aからろ過槽6内に薬液を注入する薬液注入装置5と、薬液槽5aへの薬液の補充時からの経過時間を計測する時間計測部29と、この時間計測部29が一定時間を計測するごとに薬液の注入比率を増加するように制御する制御部32とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、井戸などの水源から取水した原水に含まれる鉄やマンガンなどの不純物を除去して浄化する浄水装置及び浄水方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の浄水装置は、井戸水に含まれる鉄・マンガンイオンなどを除去するとともに、除菌するためにセラミック製ろ過砂や、その表面に二酸化マンガンをコーティングした除マンガン用ろ過材などを内部に充填したろ過槽を使用して、井戸水を飲用水として利用できるようにしている。
【0003】
また、ろ過槽の1次側には、除菌・酸化剤としての次亜塩素酸ナトリウムを注入する塩素注入装置を設置している。塩素注入装置は、次亜塩素酸ナトリウムを貯留しておく薬液槽と液位計、ろ過流量を検出するための磁石付き回転翼を有する流量比例注入用の流量検出部、ろ過流量に比例した一定量の次亜塩素酸ナトリウムを注入するダイヤフラムポンプ、原水が通過する配管及び薬液注入部などから構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
そして、塩素注入装置により注入された次亜塩素酸により、原水に含まれる鉄イオンを酸化して不溶性の水酸化第二鉄にすることにより、ろ過材にて捕捉している。
【0005】
また、原水中のマンガンイオンは、次亜塩素酸によって酸化・析出することはなく、ろ過槽内部のマンガンコーティングろ過材の自触媒作用により接触酸化され、水和二酸化マンガンとしてろ過材に凝着することが知られている。
【0006】
ろ過材表面の水和二酸化マンガンは、残留している次亜塩素酸によって常に活性化されており、原水に適正な濃度の次亜塩素酸ナトリウムを注入することが極めて重要である。
【0007】
ところで、次亜塩素酸ナトリウムは、不安定な気化性液体であり、保存温度(30℃以上では顕著)や、紫外線などにより自己分解し、下記の化学式のように主に酸素ガスを発生して、有効塩素濃度が低下していくことが知られている。2NaClO→2NaCl+O
【特許文献1】特開2003−164710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来においては、上記した塩素注入装置に使用されているダイヤフラムポンプは、小型で装置内に組込みやすく、そのポンプ特性は精密注入に適しているが、あくまでも初期に設定された一定の注入量を維持するものであったため、薬液槽内の次亜塩素酸ナトリウムの濃度低下を補償することができないという不都合があった。
【0009】
これらの問題は、原水の鉄・マンガン濃度が高い場合やアンモニアが存在する場合など、薬液槽に貯留する薬液に12%原液を使用したり、注入濃度を高く設定する必要がある場合に顕著であった。
【0010】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、薬液槽内の薬液の濃度低下を補償し、良好に浄水できるようにした浄水装置及び浄水方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、原水を供給する原水ポンプと、この原水ポンプによって供給される原水を流入させて前記原水に含まれる不純物を除去するろ過槽と、薬液を収容する薬液槽を有し、この薬液槽から前記ろ過槽内に薬液を注入する薬液注入手段と、前記薬液槽への薬液の補充時からの経過時間を計測する時間計測部と、この時間計測部が一定時間を計測するごとに前記薬液の注入比率を増加するように制御する制御手段とを具備することを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明は、原水ポンプによって原水を供給し、前記原水ポンプによって供給される原水をろ過槽内に流入させて前記原水に含まれる不純物を除去し、前記ろ過槽内に薬液注入手段により薬液槽内から薬液を注入し、前記薬液槽への薬液の補充時からの経過時間を計測し、一定時間ごとに前記薬液の注入比率を増加するように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、薬液槽内の薬液の濃度低下を補償し、良好に浄水できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態である浄水装置の通水径路を示す構成図である。
【0015】
図中1は水源としての井戸で、この井戸1には水中ポンプ2が投入されている。水中ポンプ2の吐出口2aには通水管3を介してろ過槽6が接続されている。通水管3の中途部には逆洗排水弁33、及び次亜塩素酸ナトリウム(以下、薬液という)を注入するための注入口部9が設けられている。
【0016】
ろ過槽6の内部にはアンスラサイトやろ過砂、表面に二酸化マンガンをコーティングしたセラミック製のろ過砂などのろ過材11が一定の高さの層をなして収容されている。さらに、ろ過槽6内の下部側には、スリット状の孔を有する樹脂製のフィルタ14が設けられている。
【0017】
また、ろ過槽6の側面部には流出管15を介して受水槽17が接続され、流出管15の中途部には逆洗切替弁22、流量検出部8、及び洗浄水を排出するための洗浄排水弁34が設けられている。
【0018】
流量検出部8は磁石付き回転翼(図示せず)を備え、この磁石付き回転翼が流出管15内を流通する水量に応じて回転し、その回転に応じて前記磁石の移動で生じるパルスを読み取って流量を検出するようになっている。なお、流量検出部8は、ろ過槽の流入側に設けるものであってもよい。
【0019】
また、受水槽17には、給水管を介して給水設備(図示しない)が接続され、給水できるようになっている。さらに、受水槽17は、通水管23、逆洗ポンプ24、電動弁22を介してろ過槽6に接続されている。
【0020】
一方、上記したろ過槽6の近傍には、薬液をろ過槽6に注入するための薬液注入手段としての薬液注入装置5が設けられている。薬液注入装置5は、薬液を収容する薬液槽5aと、この薬液槽5a内の薬液を注入管25、注入口部9を介してろ過槽6の一次側に供給するダイヤフラムポンプ5bを備えている。
【0021】
また、薬液注入装置5の近傍には外気温度を検出する温度検出部28が設けられている。
【0022】
図2は上記した浄水装置の制御系26を示すブロック図である。
【0023】
上記した流量検出部8、及び温度検出部28は送信回路を介して制御手段としての制御部32に接続されている。
【0024】
また、制御部32には制御回路を介して上記した薬液注入装置5のダイヤフラムポンプ5b、水中ポンプ2、逆洗切替弁22、逆洗ポンプ24、逆洗排水弁33、及び洗浄排水弁34が接続されている。
【0025】
次に、上記した浄水装置の動作について説明する。
【0026】
(浄化運転)
浄化運転時には、制御部32により、水中ポンプ2が駆動され、井戸1の原水(井戸水)が汲み上げられる。この原水は通水管3を介してろ過槽6内に送られ、ろ過材11を通過する。これにより原水中に含まれる鉄やマンガンなどの不純成分が捕捉除去され、清澄な浄化水となってろ過槽6の内底部に至る。浄化された浄化水はフィルタ14を通して流出管15内に流出され、この流出管15を介して受水槽17に送られる。受水槽17内に収容された浄化水は給水管を介して給水設備(図示しない)に送られ、各種の用途に使用される。この浄化運転時には、ろ過槽6から流出管15に流出される浄化水の流量が流量検出部8によって検出され、その検出流量値に応じた注入比率で薬液が薬液注入装置5からろ過槽6内に注入される。
【0027】
この浄化運転が継続されると、ろ過材11に鉄やマンガンなどの不純成分が徐々に蓄積され、所定量以上蓄積されると、正常にろ過できなくなるため、浄化運転から逆洗運転に切替えられる。不純成分が所定量以上蓄積されたか否かの判断は、制御部32によって行なわれ、不純成分が所定量以上蓄積された場合には、浄化運転から逆洗運転に切替えられる。
【0028】
(逆洗運転)
逆洗運転時には、制御手段32により水中ポンプ2の運転が停止され、逆洗切替弁22が切替り逆洗排水弁33が開放されて逆洗ポンプ24が運転される。この逆洗ポンプ24の運転により受水槽17内の浄化済みの清澄水が通水管23を介してろ過槽6に送られる。この清澄水は、フィルタ14を介してろ過槽6の内底部に噴出される。噴出された清澄水は、ろ過材11の下層から上層に向って流通して逆洗排水弁33から排出される。
【0029】
この逆洗運転時には、清澄水が浄化運転時とは逆にろ過材11の下層から上層に向って逆流するように流通し、その清澄水でろ過材11がすすがれ、不純成分のほとんどが分離除去される。そして清澄水は、不純成分を含むことにより汚水となり、この汚水が逆洗排水弁33から捨て水として外部に排出され、所定の廃棄部に廃棄される。
【0030】
この逆洗運転は、制御手段32による制御により所定時間行なわれて終了するが、この逆洗運転の直後には、ろ過槽6内に汚濁水が残留しているため、洗浄運転に切替えられる。
【0031】
(洗浄運転)
洗浄運転時には、制御手段32により逆洗ポンプ24の運転が停止されて洗浄排水弁34が開放され、水中ポンプ2が運転される。水中ポンプ2の駆動により井戸水が過槽6に送られる。この井戸水は、ろ過材11及びフィルタ14を介してろ過槽6の内底部に流されたのち、流出管15を介して洗浄排水弁34から排出される。
【0032】
ところで、上記した浄水装置の制御系26には、時間計測部29、及び手動設定部30が設けられ、これら時間計測部29、及び手動設定部30は送信回路を介して制御部32に接続されている。
【0033】
時間計測部29は薬液槽5a内への薬液の補充時からの経過時間を計測するもので、手動設定部30は薬液の注入比率を設定するものである。
【0034】
制御部32は、時間計測部29が一定時間を計測するごとに薬液の注入比率が増加するようにダイヤフラムポンプ5bの動作を制御するようになっている。
【0035】
また、制御部32は、注入比率を増加させるための初期設定時間を設定可能とするとともに(初期設定時間を固定値としてもよい)、その注入比率の初期値を設定する。
【0036】
なお、制御部32は、原水の流量比例制御のために薬液の注入比率を設定する機能を有しており、この設定された注入比率によって増加すべき薬液の注入比率の増加間隔または増加率が異なってくる。
【0037】
そこで、制御部32では、薬液の注入比率を増加するために設定した初期設定時間を、手動設定された注入比率で除算して得られる一定時間ごとに薬液の注入比率を増加するように制御するようになっている。
【0038】
上記した浄化運転時には、薬液注入装置5から薬液がろ過槽6内に注入されるが、この薬液の注入比率は、薬液槽5a内への薬液補充時から一定時間ごとに増加されたものであるため、薬液槽5a内の薬液の濃度が時間経過にともなって低下した場合でも、ろ過槽6内の薬液の濃度を適正に維持でき、良好な浄水が可能となる。
【0039】
なお、上記した薬液槽5a内の薬液の濃度低下率は、気温≒液温により異なり、周囲温度が30℃以上でその濃度低下が顕著となるため、制御部32により、温度検出部28が検出した検出温度に基づいて一定温度(例えば30℃)以上の時間を積算計測して一定の積算時間ごとに薬液の注入比率を増加するように制御するようにしてもよい。
【0040】
図3は、薬液注入比率を増加させる具体例を示すものである。
【0041】
この図3は、24×100/P時間前に、薬液注入比率Pを1%アップさせる場合を示している。
【0042】
例えば、12%薬液の初期注入比率Pを50%に設定した場合には、流量検出部8とダイヤフラムポンプ5bの流量特性によって定まる希釈比率(原水流量に対するダイヤフラムポンプの流入流量)が1/2500と仮定すると、流入比率が100%で、12%×10000×1/2500=48mg/Lとなるため、注入比率が1%アップすると、「48×1/100=0.48mg/L」注入濃度がアップすることになる。
【0043】
一方、制御部32により、薬液の注入比率が増加された回数を計測し、計測回数が所定回数以上になった場合には、注入比率の増加(温度補償)を停止するようにしてもよい。さらに、薬液槽5a内の薬液が渇水したことを検出するか、または、手動設定部30で注入比率が設定されるのに基づいて注入比率を元の初期設定値に戻すとともに、積算時間をリセットしてリセット毎に経過時間を再度、積算計測して注入比率の増加可能な上限値を設定するようにしてもよい。これにより、過剰に注入比率を増加させることがなく、次の薬液補充までの期間において、残留塩素濃度を適正に維持することが可能となる。
【0044】
図4は本発明の第2の実施の形態である浄水装置を示すものである。
【0045】
なお、上記した第1の実施の形態で説明した部分と同一部分については、同一番号を付してその詳細な説明は省略する。
【0046】
井戸1には投入された水中ポンプ2の吐出口2aには通水管103a,103b,103cを介してろ過槽106が接続されている。通水管103aの中途部には原水の流量を検出する流量検出部108、及び薬品注入手段としての薬液注入装置105が設けられている。薬液注入装置105は、薬液を収容する薬液槽105aと、この薬液槽105a内の薬液を通水管103aに注入するダイヤフラムポンプ105bを備えている。また、薬液注入装置5の近傍には外気温度を検出する温度検出部128が設けられている。
【0047】
また、上記した通水管103bと通水管103cとの間には逆洗排水弁133が設けられている。ろ過槽106の側壁には給水管115a,115b,115cが接続され、給水管115cの中途部には、洗浄排水弁134が設けられている。
【0048】
ろ過槽106の内部にはアンスラサイトやろ過砂、表面に二酸化マンガンをコーティングしたセラミック製のろ過砂などのろ過材111が一定の高さの層をなして収容されている。さらに、ろ過槽106内の下部側には、スリット状の孔を有する樹脂製のフィルタ114が設けられている。
【0049】
次に、上記した浄水装置の動作について説明する。
【0050】
(浄化運転)
浄化運転時には、制御部32により、水中ポンプ2が駆動され、井戸1の原水(井戸水)が汲み上げられる。この原水は通水管103a,103b,103cを介してろ過槽6内に送られ、ろ過材111を通過する。これにより原水中に含まれる鉄やマンガンなどの不純成分が捕捉除去され、清澄な浄化水となってろ過槽106の内底部に至る。浄化された浄化水はフィルタ114を通して流出され、給水管115a,115b,115cを介して給水設備(図示しない)に送られ、各種の用途に使用される。
【0051】
この浄化運転時には、通水管103aを流れる原水の流量が流量検出部108によって検出され、その検出流量値に応じて薬液が薬液注入装置5から通水管103に送られろ過槽6内に注入される。
【0052】
この浄化運転が継続されると、ろ過材111に鉄やマンガンなどの不純成分が徐々に蓄積され、所定量以上蓄積されると、正常にろ過できなくなるため、浄化運転から逆洗運転に切替えられる。不純成分が所定量以上蓄積されたか否かの判断は、制御部32によって行なわれ、不純成分が所定量以上蓄積された場合には、浄化運転から逆洗運転に切替えられる。
【0053】
(逆洗運転)
逆洗運転時には、制御部32により水中ポンプ2が運転され、原水が通水管103a,逆洗切替弁122、給水管115aを介してろ過槽106に送られる。この原水は、フィルタ114を介してろ過槽6の内底部に噴出される。噴出された清澄水は、ろ過材111の下層から上層に向って流通して通水管103c、及び逆洗排水弁133を介して排水される。
【0054】
この逆洗運転時には、原水が浄化運転時とは逆にろ過材111の下層から上層に向って逆流するように流通し、その原水でろ過材111がすすがれ、不純成分のほとんどが分離除去される。そして、この不純成分を含んだ原水は逆洗排水弁133から捨て水として外部に排出され、所定の廃棄部に廃棄される。
【0055】
この逆洗運転は、所定時間行なわれて終了するが、この逆洗運転の直後には、ろ過槽106内に汚濁水が残留しているため、洗浄運転に切替えられる。
【0056】
(洗浄運転)
洗浄運転時には、水中ポンプ2が運転されて井戸水が通水管103a,103b,103cを介してろ過槽6に送られる。この井戸水は、ろ過材111、フィルタ14を介してろ過槽6の内底部に流されたのち、給水管115a、逆洗切替弁122、給水管115b,115cを介して洗浄排水弁134から排出される。
【0057】
この第2の実施の形態では、薬液注入装置105が制御部132を備え、この制御部132が上記した第1の実施の形態における制御部32と同様の制御機能を有している。
【0058】
即ち、制御部132は、計測部29が一定時間を計測するごとに薬液の注入比率が増加するようにダイヤフラムポンプ105bの動作を制御するようになっている。
【0059】
また、制御部132は、温度検出部128が検出した検出温度に基づいて一定温度(例えば30℃)以上の時間を積算計測して一定の積算時間ごとに薬液の注入比率を増加するように制御するようにしてもよい。
【0060】
さらに、制御部132は、薬液の注入比率が増加された回数を計測し、計測回数が所定回数以上になった場合には、注入比率の増加(温度補償)を停止するようにしてもよい。さらに、薬液槽105a内の薬液が渇水したことを検出するか、または、手動設定部30で注入比率が設定された場合には、注入比率を元の初期設定値に戻すとともに、積算時間をリセットして、リセット毎に経過時間を再度、積算計測して注入比率の増加可能な上限値を設定するようにしてもよい。
【0061】
この第2の実施の形態によっても、上記した第1の実施の形態と同様な作用効果を奏する。
【0062】
なお、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1の実施の形態である浄水装置を示す概略的構成図。
【図2】図1の浄水装置の制御系を示すブロック図。
【図3】薬液の注入比率を一定時間ごとに増加させる具体例を示す図。
【図4】本発明の第2の実施の形態である浄水装置を示す概略的構成図。
【符号の説明】
【0064】
2…水中ポンプ(原水ポンプ)、5…薬液注入装置(薬液注入手段)、5a…薬液槽、5
b…注入ポンプ(注入ポンプ)、6…ろ過槽、8…流量検出部、28…温度検出部、29
…時間計測部、30…手動設定部、32…制御部(制御手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水を供給する原水ポンプと、
この原水ポンプによって供給される原水を流入させて前記原水に含まれる不純物を除去するろ過槽と、
薬液を収容する薬液槽を有し、この薬液槽から前記ろ過槽内に薬液を注入する薬液注入手段と、
前記薬液槽への薬液の補充時からの経過時間を計測する時間計測部と、
この時間計測部が一定時間を計測するごとに前記薬液の注入比率を増加するように制御
する制御手段と
を具備することを特徴とする浄水装置。
【請求項2】
前記薬液の温度を検出する温度検出部を備え、
前記制御手段は、前記温度検出部によって検出される一定温度以上の時間を積算計測
し、一定の積算時間ごとに前記薬液の注入比率を増加するように制御することを特徴と
する請求項1記載の浄水装置。
【請求項3】
前記薬液の注入比率を設定する手動設定部を備え、
前記制御手段は、前記薬液の注入比率を増加させるための初期設定時間及び初期注入比率を設定し、前記初期設定時間を前記手動設定部で設定された薬液の注入比率で除算して得られる一定時間ごとに前記薬液の注入比率を増加するように制御することを特徴とする請求項1または2記載の浄水装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記薬液の注入比率が増加された回数を計測し、所定回数以上を計数
するのに基づいて前記注入比率の増加を停止するように制御することを特徴とする請求項
1乃至3のいずれか一項に記載の浄水装置。
【請求項5】
前記制御手段は前記薬液の残量がないことを検出し、または、前記手動設定部で薬液
の注入比率が変更されるのに基づいて増加される薬液の注入比率を元の初期設定値に戻す
とともに、積算時間をリセットすることを特徴とする請求項3または4のいずれか一項に
記載の浄水装置。
【請求項6】
原水ポンプによって原水を供給し、
前記原水ポンプによって供給される原水をろ過槽内に流入させて前記原水に含まれる不純物を除去し、
前記ろ過槽内に薬液注入手段により薬液槽内から薬液を注入し、
前記薬液槽への薬液の補充時からの経過時間を計測し、一定時間ごとに前記薬液の注入
比率を増加するように制御することを特徴とする浄水方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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