浴室の洗い場用カウンター
【課題】排水口の左右両端に隣接するカウンター本体の部分に大きな力が伝達しても、この部分に損傷等の問題を生じさせないこと。
【解決手段】壁面Wに取付けて手前へ張り出した左右のブラケット6,6にカウンター本体3を連結し、カウンター本体3は、その上面3aの手前側に左右へ延びる縁部3gが設けられ、縁部3gの内側の左右中央寄りに左右方向へ延びる排水口2bが設けられ、この排水口2bの左右両端に隣接する部分3m,3nが各ブラケット6で支持されていること。カウンター本体3は、縁部3gの内側に縁部3gに沿ってカウンター本体上面より低い横長排水路2が凹設され、横長排水路2に排水口2bが設けられ、横長排水路2の排水口2bに沿う手前の側壁2cと縁部3gの下垂片3bの間に挟み込まれて補強具22が配置され、補強具22をカウンター本体3に固定した。
【解決手段】壁面Wに取付けて手前へ張り出した左右のブラケット6,6にカウンター本体3を連結し、カウンター本体3は、その上面3aの手前側に左右へ延びる縁部3gが設けられ、縁部3gの内側の左右中央寄りに左右方向へ延びる排水口2bが設けられ、この排水口2bの左右両端に隣接する部分3m,3nが各ブラケット6で支持されていること。カウンター本体3は、縁部3gの内側に縁部3gに沿ってカウンター本体上面より低い横長排水路2が凹設され、横長排水路2に排水口2bが設けられ、横長排水路2の排水口2bに沿う手前の側壁2cと縁部3gの下垂片3bの間に挟み込まれて補強具22が配置され、補強具22をカウンター本体3に固定した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室に設けられる洗い場用カウンターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、浴室の洗い場用カウンターは、カウンター上面が壁面側から手前下がりに傾斜し、カウンター手前側に左右に長い縁部が設けられると共に、この縁部の内側に、この縁部に沿って湯水を案内し、排出する溝部が設けられ、上記縁部自身が湯水の水返しを形成するものであり、上記縁部がカウンターの一端から他端にかけて設けられるとともに、この縁部の内側に形成された溝部の一方の端部に洗い場に排水する排出口が設けられている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−52310号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記洗い場用カウンターは、溝部の端部に排出口が設けられているため、排水の能力に限界があり、カウンター上面に多量の水が流れ込んだとき、カウンター上面の水下側に水が溜まりやすい。この問題の解決策としては、縁部の内側の左右中央寄りに左右方向へ延びる排水口を設けて排水能力を大きくしすることが考えられる。
【0004】
しかし、上記解決策では、縁部のうち排水口に沿った部分に使用者等による押圧力が加わったとき、排水口の両端に隣接するカウンターの部分に大きな力が伝達するため、この部分に損傷等の問題を生じさせないための新たな対処が必要になる。
そこで、本発明は、簡単な構造で新たな対処ができる構造の浴室の洗い場用カウンターを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
簡単な構造で対処できるようにするために請求項1記載の本発明が採用した手段は、壁面に取付けて手前へ張り出した左右のブラケットにカウンター本体を連結し、カウンター本体は、その上面の手前側に左右へ延びる縁部が設けられ、縁部の内側の左右中央寄りに左右方向へ延びる排水口が設けられ、この排水口の左右両端に隣接する部分が各ブラケットで支持されていることを特徴とする浴室の洗い場用カウンターである。
【0006】
縁部の内の排水口に沿って延びる部分の近辺を簡単な構造で補強するために請求項2記載の本発明が採用した手段は、前記カウンター本体は、前記縁部の内側に縁部に沿ってカウンター本体上面より低い横長排水路が凹設され、横長排水路に前記排水口が設けられ、横長排水路の排水口に沿う手前の側壁と縁部の下垂片の間に挟み込まれて補強具が配置され、補強具をカウンター本体に固定した請求項1記載の浴室の洗い場用カウンターである。なお、補強具の固定は、補強具の左右両端側を、カウンター本体の下面側に設けたリブと前記ブラケットで挟んで行なうとよい。
【0007】
排水口の周囲を簡単な構造で補強するために請求項3記載の本発明が採用した手段は、前記カウンター本体は、その下面側の前記排水口の回りの部分にリブが設けられ、その下面側に排水口の回りの部分を覆う大きさの補強具がリブに当接させて配置され、補強具をカウンター本体に固定した請求項1記載の浴室の洗い場用カウンターである。なお、補強具の前記固定は、補強具の左右両端側をリブとブラケットで挟んで行なうとよい。
【0008】
縁部の内の排水口に沿って延びる部分の近辺、及び排水口の周囲を簡単な構造で補強するために請求項4記載の本発明が採用した手段は、前記カウンター本体は、前記縁部の内側に縁部に沿ってカウンター本体上面より低い横長排水路が凹設され、横長排水路に前記排水口が設けられ、カウンター本体下面側の排水口の回りの部分にリブが設けられ、カウンター本体下面側に補強具がリブに当接させて配置され、この補強具は、横長排水路の排水口に沿う手前の側壁と縁部の下垂片の間に挟み込んだ部分と、排水口の回りの部分を覆う部分とを備え、カウンター本体に固定してある請求項1記載の浴室の洗い場用カウンターである。なお、補強具の前記固定は、補強具をリブとブラケットで挟んで行なうとよい。
【0009】
見栄えよくカウンターを構成するために請求項5記載の本発明が採用した手段は、前記カウンター本体の下方に配置して手前側をカウンター本体に接合したカバーを備え、前記ブラケット及び前記補強具をカウンター本体及びカバーで覆い隠した請求項2、3又は4記載の浴室の洗い場用カウンターである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の本発明に係る浴室の洗い場用カウンターは、排水口の左右両端に隣接するカウンター本体の部分に大きな力が伝達しても、その大きな力をブラケットで支持して壁面へ伝達するので、この部分に損傷等の問題を生じさせることはない。その結果、本発明は、排水口の左右両端に隣接しする部分をブラケットで支持する簡単な構造で対処することができる。
【0011】
請求項2記載の本発明に係る浴室の洗い場用カウンターは、縁部の内の排水口に沿って延びる部分の近辺を補強具で簡単に補強することができる。
【0012】
請求項3記載の本発明に係る浴室の洗い場用カウンターは、排水口の周囲を補強具で簡単に補強することができる。
【0013】
請求項4記載の本発明に係る浴室の洗い場用カウンターは、縁部の内の排水口に沿って延びる部分の近辺及び排水口の周囲を補強具で簡単に補強することができる。
【0014】
請求項5記載の本発明に係る浴室の洗い場用カウンターは、ブラケット及び補強具がカウンター本体及びカバーで覆い隠されて露出しないため見栄えがよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係る浴室の洗い場用カウンター(以下、「本発明カウンター」と言う。)を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0016】
(第1の実の形態)
図1乃至図10は本発明カウンターの第1の実施の形態を示すものであって、図1はカウンター本体3の一部を破断して本発明カウンター1の全体を示す平面図、図2は本発明カウンター1の全体の底面図である。図3は上方のカウンター本体3、下方のカバー4及び端キャップ5を示すものであって、図(A)は三者3,4,5を分離した状態の正面図、図(B)は三者3,4,5を連結した状態の正面図である。図4は図2のIV−IV線で断面し拡大して示す左側面図、図5は図2のV−V線で断面し拡大して示す左側面図、図6は図2のVI−VI線で断面した一部を拡大して示す左側面図、図7は図2のVII−VII線で断面した一部を拡大して示す左側面図、図8は図2のVIII−VIII線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。図9はカウンター本体3の底面図である。図10はカウンター本体3及びブラケット6,6,7を分離して示す斜視図である。
【0017】
本発明カウンター1は、図1及び図4示す如く、取付壁面Wに強固に取付けて手前へ張り出したブラケット6,6,7にカウンター本体3を連結し、カウンター本体3の上面3a(以下、「カウンター上面3a」と言う。)の手前側に左右へ延びる縁部3gが領域Gに設けられ、この縁部3gの内側の左右中央寄りに、左右方向へ延びる排水口2bが設けられ、この排水口2bの左右両端に隣接する部分3m,3n(図9、図4参照)が各ブラケット6で支持されている。従って、本発明カウンター1は、縁部3gの内の排水口2bに沿って延びる部分に使用者の寄り掛かり等で大きな力が加わって、その大き力が排水口2bの左右両端に隣接するカウンター本体3の部分3m,3nに伝達しても、その伝達した大きな力をブラケット6,6で支持するので、この部分3m,3nに損傷等の問題を生じさせることはない。上記縁部3gは、カウンター上面1aの手前側よりも上方へ突出する堤状に形成することで、カウンター上面3aを手前側へ流れてきた湯水を受け止める水返しの機能と、カウンター上面3aに載置した湯桶R(図1参照)等が手前側から落下するのを防止する機能とを発揮するようにしてある。
【0018】
本発明カウンター1は、図1及び図5に示す如く、カウンター上面3aが後側(取付壁面W側)から手前下がりに傾斜し、縁部3gの内側に縁部3gに沿ってカウンター上面3aより低い横長排水路2が凹設されている共に、縁部3gに沿って延びると共に上下方向へ延びる縦排水路12が設けられている。横長排水路2は、縦排水路12に連なる排水口2bを開設した開口領域Jと、開口領域Jへ向かって下る排水勾配を形成した底面2aのある有底領域Kとが形成され、開口領域Jの縁部3gに沿う長さ寸法T(図1参照)が、有底領域Kと開口領域Jの境界における有底領域Kの横断方向に沿う横長排水路2の幅寸法U(両領域J,Kの境界における有底領域Kの部分を示す図6も参照)よりも大きくなっている。また、開口領域Jの開口部2bの開口平面積M(図1参照)は、有底領域Kと開口領域Jとの境界の有底領域Kにおける横長排水路2の横断面積N(図6参照)よりも大きくなっている。本例の本発明カウンター1は、図1に示す如く、縁部3gを手前へ張り出させるように手前外側面を湾曲状に形成すると共に、縁部3gの内側の横長排水路2も手前へ張り出させるように湾曲状に形成しある。また、本発明カウンター1は、左側領域Hが水栓取付域又はシャンプー等の載置域となっており、右側領域Lがシャンプー等の載置域となっている。
【0019】
本発明カウンター1は、図1に示す如く、カウンター上面3aを流れて横長排水路2の開口領域Jへ向かった水を縦排水路12から排出する直接排水経路Pと、カウンター上面3aを流れて横長排水路2の有底領域Kへ向かった水を排水勾配のある底面2aで一旦受けた後に縦排水路12へ導いて排出する迂回排水経路Qとの二通りの排水経路P,Qが形成されるので、カウンター上面3aを下って流れる水を二通りの排水経路P,Qへ分散させて排出することができると共に、開口領域Jの縁部3gに沿う長さ寸法Tを横長排水路2の有底領域Kにおける横断方向に沿う幅寸法U(図6参照)よりも大きくし(例えば、TをUの5〜15倍)、また開口部2bの開口平面積M(図1参照)を横長排水路2の有底領域Kにおける横断面積N(図6参照)よりも大きく(例えば、MをNの4〜14倍)することで、二通りの排水経路P,Qの各々を流れる水を迅速に排出することが可能となり、排水能力を従来に比べて増大させることができる。
【0020】
本発明カウンター1は、図1に示す如く、横長排水路2の左右中央寄りに開口領域Jを形成すると共に開口領域Jの左右両外側の各々に有底領域Kを形成することで、中央寄り直接排水経路Pと左右に形成される二つの迂回排水経路Q,Qとが相まって水を円滑に排出するので、カウンター上面3aの水下側の領域G(横長排水路2を形成した左右領域)の全域にわたって水を溜まり難くすることができる。
【0021】
本発明カウンター1は、図1乃至図4及び図10に示す如く、カウンター上面3aを形成したカウンター本体3と、カウンター本体3を支持するブラケット6,6,7と、カウンター本体3の下方に配置してカウンター本体3へ接合したカバー4とを備え、カウンター本体3の下面側に横長排水路2の排水口2bと連なる縦排水接合部3dを形成すると共にカバー4の内側に縦排水路形成部4dを形成し、これら排水口2bと縦排水接合部3dを接合して縦排水路12を形成し、ブラケット6(7)及び縦排水路形成部4dの外側面4d−1をカウンター本体3及びカバー4で覆い隠してカウンター手前外側から見えないようにしてある。このように、本発明カウンター1は、ブラケット6(7)及び縦排水路形成部4dの外側面4d−1がカウンター本体3及びカバー4で覆い隠されて露出しないため、見栄えがよい。本発明カウンター1は、湯桶R(図1参照)等を載置する等して利用されるものであって、一方の端(本例は左端)を浴槽(図示略)に接近さて塞ぐと共に他方の端(本例は右端)に端キャツプ5を取付けて見栄えよくしてある。
【0022】
前記上方のカウンター本体3は、図1、図4及び図9に示す如く、合成樹脂素材を射出成型する等して成形され、上方表面3aに載置面が形成され、周縁の適所に下垂片3bが形成され、下方裏面に前後及び左右へ延びる補強用リブ3c、柱状のネジ螺着部3e及び後側の係止片3fが形成され、下方裏面の手前側に横長排水路2の開口部2bに連なる縦排水路接合部3dが形成されている。ネジ螺着部3eは、その大きさが、止め付けるネジの大きさに対応するようになっている。カウンター本体3は、補強用リブ3cを形成することで軽量化して曲げ剛性を大きくしてある。
【0023】
前記下方のカバー4は、図2及び図4に示す如く、合成樹脂素材を射出成型する等して成形され、下方表面4aで覆い面が形成され、周縁の適所に形成した起立片4bと、上方内面に形成して前後及び左右へ延びる補強用リブ4cと、取付壁面W側寄りに形成した壁側接合部4fと、手前側中央寄りに形成した縦排水路形成部4dとを備えている。縦排水路形成部4dは、内側に上下貫通する縦排水路12を形成すると共に、その外側面4d−1をカバー4の内側に露出させてある。カバー4は、上記壁側接合部4fを形成するために、底面壁側寄りに側面形状が三角形の凹部4gが凹設され、凹部4gの後側を接合片4f−1で形成し、接合片4f−1を壁側へ向かって下り傾斜させ、接合片4f−1に取付具用挿通孔4f−2を設けてある。カバー4は、凹部4gの上側を形成する傾斜片4hを壁側へ向かって上り傾斜させ、螺子やねじ込み式ジョイン部材等からなる取付具8をねじ込みむドライバーやソケットレンチ等からなるねじ込み作業工具(図示略)を傾斜片4hと接触させないようにしてある。カバー4は、補強用リブ4cを形成することで軽量化して曲げ剛性を大きくしてある。
【0024】
前記ブラケット6は、図10に示す如く、金属板を折曲げ等して板金加工で成形され、起立接合片6aと、起立接合片6aの壁側の側縁から折曲げて延設した垂直な壁取付片6bと、起立接合片6aの上方側縁から折曲げて延設した水平なカウンター本体取付片6cと、壁取付片6bの上方から延設した弾性変形する押圧片6dと、壁取付片6bの下方から手前側へ延設した壁側取付部6fの取付片6f−1とを備え、壁取付片6b及びカウンター本体取付片6cの各々にネジ挿通孔6eを設けると共に、取付片6f−1に雌ネジ孔等からなる取付具部6f−2を設けてある。起立接合片6aは、内側に開口部を成形して軽量化を図っている。前記ブラケット7は、上記ブラケット6よりも張出寸法を短くしたものであり、上記ブラケット6と同様に成形され、起立接合片7aと、起立接合片7aの壁側の側縁から折曲げて延設した壁取付片7bと、起立接合片7aの上方側縁から折曲げて延設したカウンター本体取付片7cと、壁取付片7bの上方から延設した弾性変形する押圧片7dと、壁取付片7bの下方から手前側へ延設した壁側取付部7fの取付片7f−1とを備え、壁取付片7b及びカウンター本体取付片7cの各々にネジ挿通孔7eを設けてある。ブラケット6(7)は、図4に示す如く、壁パネル等からなる取付壁面Wにネジ14で取付固定される。
【0025】
前記カウンター本体3、カバー4及びブラケット6(7)からなる本発明カウンター1の組立ては、壁面Wにネジ14で強固に取付け固定したブラケット6(7)にカウンター本体3を載置してネジ9(本例は図4に示す蝶ボルト)で連結し、カウンター本体3の周縁の下垂片3bに下方のカバー4の周縁の起立片4bを重ね合わせて接合すると共に、カウンター本体3及びカバー4の手前側の適所をネジ10(本例は図5及び図7に示す頭部付きボルト)及び係合手段11(図8参照)で連結すると共に、カバー4の壁側接合部4fに形成した接合片4f−1を各ブラケット6(7)の壁側取付部6f(7f)に形成した取付片6f−1(7f−1)に取付具8(本例は図4に示す頭部付きボルト)で連結し、カウンター本体3の縦排水路接合部3d及びカバー4の縦排水形成部4dで上下に貫通した前記縦排水路12を形成する。上記係合手段11は、図3(A)及び図8に示す如く、カバー4の周縁の起立片4bの適所から突出した係止孔付き係止片13aと、カウンター本体3の周縁の下垂片3bの裏側に突設した突起13gとからなり、係止片13aの係止孔に突起13gを係入してある。なお、カバー4は、その手前側をカウンター本体3にの手前側に連結する以外に、図示は省略したが、ブラケット6(7)に連結することもある。
【0026】
(第2の実施の形態)
図11乃至図14は、本発明カウンターの第2の実施の形態を示すものであって、図11(A)は本実施の形態に係る本発明カウンター21のカバー4を破断して示す底面図、同図(B)は補強具22の底面図、同図(C)は補強具22の正面図である。図12は図11(A)のXII−XII線で断面した一部を拡大して示す左側面図、図13は図11(A)のXIII−XIII線で断面した一部を拡大して示す左側面図、図14は図11(A)のXIV−XIV線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【0027】
本実施の形態に係る本発明カウンター21が前記第1の実施の形態に係る本発明カウンター1(図1乃至図10参照)と大きく異なる点は、カウンター本体3における横長排水路2の排水口2bに沿う手前の側壁2cと縁部3gを形成する手前の下垂片3bの間に補強具22を挟み込んで配置し、補強具22をカウンター本体3に固定したことであり、その他の構成等については第1の実施の形態と実質的に同一であり、図11乃至図14において図1乃至図10と同一符号は相当部分を示す。
【0028】
上記補強具22は、図11(B)、(C)に示す如く、ステンレススチール等の金属板材等から成形され、起立状態で湾曲した帯板状の主体部22aと、主体部22aの両端寄りから後側へ延設した水平板状の端側固定部22b,22bと、主体部22aの中央寄りから後側へ延設した水平板状の中央側固定部22cからなり、各端側固定部22bに外嵌孔22dを設けると共に中央側固定部22cにビス孔22eを設けてある。補強具22は、図11(A)及び図13に示す如く、カウンター本体3における横長排水路2の手前の側壁2cと下垂片3bの間に主体部22aを挟み込み、中央側固定部22cをカウンター本体3のネジ螺着部3eにビス23で連結し、図12に示す如く、各端側固定部22bの外嵌孔22dをカウンター本体3のネジ螺着部3eに外嵌すると共に、各端側固定部22bをリブ3cとブラケット6の取付片6cの手前側で挟んで固定してある。補強具22の前記挟み込みは、図11(A)及び図13に示す如く、横長排水路2の手前の側壁2cに接合した複数個のネジ螺着部3eに補強具22の主体部22aの後側面を当接させて行われ、縁部3gに加わった力を主体部22aへ伝達させるようにしてある。なお、横長排水路2の手前の側壁2cは、縁部3gの後側に連なっている(図13参照)。
【0029】
カウンター本体3は、図11(A)に示す如く、壁面Wに取付け固定したブラケット6,6,7(図中に二点鎖線で示す)に載置する前に、下面側に配置した補強具22をネジ23で連結して脱落させないようにしてある。カウンター本体3は、図12に示す如く、下面側に設けた補強用リブ3cに段部3c−1を形成し、段部3c−1に沈め込ませた補強具22の端側固定部22bを、ネジ9で連結したブラケット6と段部3c−1とで挟持して、補強具22を強固に固定してある。
【0030】
本発明カウンター21は、第1の実施の形態と同様にカウンター本体3における排水口2bの左右両端に隣接する部分3m,3n(図11(A)及び図12参照)が各ブラケット6で支持されている。また、本発明カウンター21は、カウンター本体3における縁部3gの内の排水口2bに沿って延びる下垂片3bの部分の近辺を補強具22でバックアップされて、排水口2bに沿った縁部3gの部分が補強されている。従って、本発明カウンター21は、縁部3gの内の排水口2bに沿って延びる部分に使用者の寄り掛かり等で大きな力が加わったとしても、その大きな力が縁部3g及び補強具22を伝達して排水口2bの左右両端に隣接するカウンター本体3の部分3m,3nへ至ってブラケット6,6で支持されるので、排水口2bに沿った縁部3gの部分及び排水口2bの左右両端に隣接する部分3m,3nに損傷等の問題を生じさせることはない。
【0031】
(第3の実施の形態)
図15乃至図17は、本発明カウンターの第3の実施の形態を示すものであって、図15(A)は本実施の形態に係る本発明カウンター31のカウンター本体3の中央寄り部分を示す底面図、同図(B)は補強具32の底面図である。図16は図15(A)のXVI−XVI線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。図17は図15(A)のXVII−XVII線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【0032】
本実施の形態に係る本発明カウンター31が前記第1の実施の形態に係る本発明カウンター1と大きく異なる点は、カウンター本体3の下面側の排水口2bの回りの部分にリブ3cを設け、カウンター本体3の下面側に排水口2bの回りの部分を覆う大きさの補強具32をリブに当接させて配置し、補強具32をカウンター本体3に固定したことであり、その他の構成等については第1の実施の形態と実質的に同一であり、図15乃至図17において図1乃至図10と同一符号は相当部分を示す。
【0033】
上記補強具32は、図15(A)(B)に示す如く、ステンレススチール等の金属板材等から平板状に成形され、カウンター本体3の手前側の下垂片3bの内側に沿うように湾曲形成した手前縁32fと、カウンター本体3の下面側に形成した湾曲長口状の縦排水路接合部3d(横長排水路2の開口部2bに連なるもの)に外嵌する湾曲長孔32gと、湾曲長孔32gの左右外側に形成した端固定部32h,32hと、カウンター本体3の下面側に形成した各ネジ螺着部3eに対応する位置に設けた複数個の外嵌孔32dと、手前左右両側寄りに設けたビス孔32e,32eとを備えている。補強具32の配置は、カウンター本体3の縦排水路接合部3dに湾曲長孔32gを外嵌させると共に、カウンター本体3の下面側のネジ螺着部3eに対応する外嵌孔32dを外嵌させ、カウンター本体3の下面側のリブ3cに当接させて行われる。
【0034】
カウンター本体3は、図15(A)に示す如く、壁面W(図1参照)に強固に取付け固定したブラケット6,6(図中に二点鎖線で示す)に載置する前に、下面側に配置した補強具32をネジ33,33で連結して脱落させないようにしてある。カウンター本体3は、図16に示す如く、下面側に設けた補強用リブ3cに段部3c−1を形成し、段部3c−1に沈め込ませた補強具32の端側固定部32hを、ネジ9で連結したブラケット6とリブ3cで挟持してある。このように補強具32は、カウンター本体3に対して、ネジ33,33による取付け、及びネジ9で連結した左右の各ブラケット6とリブ3cの挟持で固定が行われると、カウンター本体3の下面側の排水口2bの回りの部分に設けたリブ3cに当接して、排水口2bの回りを補強する。
【0035】
本発明カウンター31は、第1の実施の形態と同様にカウンター本体3における排水口2bの左右両端に隣接する部分3m,3n(図15(A)及び図16参照)が各ブラケット6で支持されている。また、本発明カウンター31は、カウンター本体3に補強具32を固定することで、カウンター本体3の排水口2bの回りの部分が補強具32で補強されることになる。従って、本発明カウンター31は、縁部3gの内の排水口2bに沿って延びる部分に使用者の寄り掛かり等で大きな力が加わったとしても、その大きな力がカウンター本体3における排水口2bの回りの部分及び補強具22を伝達して排水口2bの左右両端に隣接するカウンター本体3の部分3m,3n(図15(A)及び図16参照)へ至ってブラケット6,6で支持されるので、排水口2bの回りの部分及び排水口2bの左右両端に隣接する部分3m,3nに損傷等の問題を生じさせることはない。
【0036】
(第4の実施の形態)
図18乃至図20は、本発明カウンターの第4の実施の形態を示すものであって、図18(A)は本発明カウンター41のカウンター本体3の中央寄り部分を示す底面図、同図(B)は補強具42の底面図、同図(C)は補強具42の正面図である。図19は図18(A)のXIX−XIX線で断面した一部を拡大して示す左側面図である図20は図18(A)のXX−XX線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【0037】
本実施の形態に係る本発明カウンター41が前記第1の実施の形態に係る本発明カウンター1と大きく異なる点は、カウンター本体3の下面側の排水口2bの回りの部分にリブ3cを設け、カウンター本体3の下面側に排水口2bの回りの部分を覆う大きさの補強具42をリブに当接させて配置し、この補強具42が、カウンター本体3における横長排水路2の排水口2bに沿う手前の側壁2cと縁部3gを形成する手前の下垂片3bの間に挟み込んだ部分である手前湾曲板部42kと、排水口2bの回りの部分を覆う部分である平板部42iとを備え、カウンター本体3に固定されていることであり、その他の構成等については第1の実施の形態と実質的に同一であり、図18乃至図20において図1乃至図10と同一符号は相当部分を示す。
【0038】
上記補強具42は、図18(A)(B)に示す如く、ステンレススチール等の金属板材等から成形され、排水口2bの回りの部分を覆う大きさの平板部42iと、平板部42iの手前縁から起立状態で延設し、カウンター本体3の手前側の下垂片3bの内側に沿うように湾曲形成した手前湾曲板部42kとを備えている。そして平板部42iは、カウンター本体3の下面側に形成した湾曲長口状の縦排水路接合部3d(横長排水路2の開口部2bに連なるもの)に外嵌する湾曲長孔42gと、湾曲長孔42gの左右外側に形成した端固定部42h,42hと、カウンター本体3の下面側に形成した各ネジ螺着部3eに対応する位置に設けた複数個の外嵌孔42dと、手前左右両側寄りに設けたビス孔42e,42eとを備えている。
【0039】
補強具42の配置は、図18(A)及び図20に示す如く、カウンター本体3における横長排水路2の手前の側壁2cと下垂片3bの間に手前湾曲板部42kを挟み込ませ、カウンター本体3の縦排水路接合部3dに湾曲長孔42gを外嵌させ、カウンター本体3の下面側のネジ螺着部3eに対応する外嵌孔42dを外嵌させ、そしてカウンター本体3の下面側のリブ3cに当接させて行う。手前湾曲板部42kの前記挟み込みは、図18(A)及び図20に示す如く、横長排水路2の手前の側壁2cに直接若しくはリブ3cを介して接合した複数個のネジ螺着部3e、及び側壁2cに接合したリブ3cに補強具22の主体部22aの後側面を当接させて行われ、縁部3gに加わった力を手前湾曲板部42kへ伝達させるようにしてある。
【0040】
カウンター本体3は、図18(A)に示す如く、壁面W(図1参照)に取付け固定したブラケット6,6(図中に二点鎖線で示す)に載置する前に、下面側に配置した補強具42をネジ43,43で連結して脱落させないようにしてある。カウンター本体3は、図19に示す如く、下面側に設けた補強用リブ3cに段部3c−1を形成し、段部3c−1に沈め込ませた補強具42の端側固定部42hを、ネジ9で連結したブラケット6とリブ3cで挟持してある。このように補強具42は、カウンター本体3に対して、ネジ43,43による固定と、ネジ9で連結した左右の各ブラケット6とリブ3cの挟持による固定とが行われ、カウンター本体3の下面側の排水口2bの回りの部分に設けたリブ3cに当接して、排水口2bの回りを補強する。
【0041】
本発明カウンター41は、第1の実施の形態と同様にカウンター本体3における排水口2bの左右両端に隣接する部分3m,3n(図18(A)及び図19参照)が各ブラケット6で支持されている。また、本発明カウンター41は、カウンター本体3に補強具42を固定することで、カウンター本体3における縁部3gの内の排水口2bに沿って延びる下垂片3bの部分の近辺を補強具42の手前湾曲板部42kでバックアップして排水口2bに沿った縁部3gの部分が補強されると共に、カウンター本体3の排水口2bの回りの部分が補強具42の平板部42iで補強されている。従って、本発明カウンター41は、縁部3gの内の排水口2bに沿って延びる部分に使用者の寄り掛かり等で大きな力が加わったとしても、その力が、排水口2bに沿った縁部3gの部分、カウンター本体3における排水口2bの回りの部分及び補強具42を伝達して排水口2bの左右両端に隣接するカウンター本体3の部分3m,3n(図18(A)及び図19参照)へ至ってブラケット6,6で支持されるので、排水口2bの回りの部分及び排水口2bの左右両端に隣接する部分3m,3nに損傷等の問題を生じさせることはない。
【0042】
(その他の実施の形態)
なお、本発明カウンターは、図示は省略したが、カバー4を省略して、カウンター本体3の下面側に排水口2bに通じる適宜長さの縦排水路成形部を設けると共に、手前側の下垂片3bの高さ寸法を大きくして、ブラケット6(7)、補強具22(32,42)及び縦排水路成形部を見え難く構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、本発明カウンターを一部破断して示す全体の平面図である。
【図2】第1の実施の形態に係る本発明カウンターの全体の底面図である。
【図3】第1の実施の形態のカウンター本体、カバー及び端キャップを示すものであって、図(A)は三者を分離した状態の正面図、図(B)は三者を連結した状態の正面図である。
【図4】図2のIV−IV線で断面し拡大して示す左側面図である。
【図5】図2のV−V線で断面し拡大して示す左側面図である。
【図6】図2のVI−VI線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【図7】図2のVII−VII線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【図8】図2のVIII−VIII線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【図9】第1の実施の形態のカウンター本体の底面図である。
【図10】第1の実施の形態のカウンター本体及びブラケットを分離して示す斜視図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態を示すものであって、図(A)は本実施の形態に係る本発明カウンターのカバーを破断して示す底面図、図(B)は補強具の底面図、図(C)は補強具の正面図である。
【図12】図11(A)のXII−XII線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【図13】図11(A)のXIII−XIII線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【図14】図11(A)のXIV−XIV線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態を示すものであって、図(A)は本実施の形態に係る本発明カウンターのカウンター本体の中央寄り部分を示す底面図、図(B)は補強具の底面図である。
【図16】図15(A)のXVI−XVI線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【図17】図15(A)のXVII−XVII線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【図18】本発明の第4の実施の形態を示すものであって、図(A)は本実施の形態に係る本発明カウンターのカウンター本体の中央寄り部分を示す底面図、図(B)は補強具の底面図、図(C)は補強具の正面図である。
【図19】図18(A)のXIX−XIX線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【図20】図18(A)のXX−XX線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【符号の説明】
【0044】
1…本発明カウンター、2…横長排水路、2b…排水口、2c…手前の側壁、3…カウンター本体、3a…カウンター本体の上面、3b…下垂片、3g…縁部、3m,3n…排水口2bの左右両端に隣接する部分、6…ブラケット、22(32,42)…補強具、W…壁面
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室に設けられる洗い場用カウンターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、浴室の洗い場用カウンターは、カウンター上面が壁面側から手前下がりに傾斜し、カウンター手前側に左右に長い縁部が設けられると共に、この縁部の内側に、この縁部に沿って湯水を案内し、排出する溝部が設けられ、上記縁部自身が湯水の水返しを形成するものであり、上記縁部がカウンターの一端から他端にかけて設けられるとともに、この縁部の内側に形成された溝部の一方の端部に洗い場に排水する排出口が設けられている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−52310号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記洗い場用カウンターは、溝部の端部に排出口が設けられているため、排水の能力に限界があり、カウンター上面に多量の水が流れ込んだとき、カウンター上面の水下側に水が溜まりやすい。この問題の解決策としては、縁部の内側の左右中央寄りに左右方向へ延びる排水口を設けて排水能力を大きくしすることが考えられる。
【0004】
しかし、上記解決策では、縁部のうち排水口に沿った部分に使用者等による押圧力が加わったとき、排水口の両端に隣接するカウンターの部分に大きな力が伝達するため、この部分に損傷等の問題を生じさせないための新たな対処が必要になる。
そこで、本発明は、簡単な構造で新たな対処ができる構造の浴室の洗い場用カウンターを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
簡単な構造で対処できるようにするために請求項1記載の本発明が採用した手段は、壁面に取付けて手前へ張り出した左右のブラケットにカウンター本体を連結し、カウンター本体は、その上面の手前側に左右へ延びる縁部が設けられ、縁部の内側の左右中央寄りに左右方向へ延びる排水口が設けられ、この排水口の左右両端に隣接する部分が各ブラケットで支持されていることを特徴とする浴室の洗い場用カウンターである。
【0006】
縁部の内の排水口に沿って延びる部分の近辺を簡単な構造で補強するために請求項2記載の本発明が採用した手段は、前記カウンター本体は、前記縁部の内側に縁部に沿ってカウンター本体上面より低い横長排水路が凹設され、横長排水路に前記排水口が設けられ、横長排水路の排水口に沿う手前の側壁と縁部の下垂片の間に挟み込まれて補強具が配置され、補強具をカウンター本体に固定した請求項1記載の浴室の洗い場用カウンターである。なお、補強具の固定は、補強具の左右両端側を、カウンター本体の下面側に設けたリブと前記ブラケットで挟んで行なうとよい。
【0007】
排水口の周囲を簡単な構造で補強するために請求項3記載の本発明が採用した手段は、前記カウンター本体は、その下面側の前記排水口の回りの部分にリブが設けられ、その下面側に排水口の回りの部分を覆う大きさの補強具がリブに当接させて配置され、補強具をカウンター本体に固定した請求項1記載の浴室の洗い場用カウンターである。なお、補強具の前記固定は、補強具の左右両端側をリブとブラケットで挟んで行なうとよい。
【0008】
縁部の内の排水口に沿って延びる部分の近辺、及び排水口の周囲を簡単な構造で補強するために請求項4記載の本発明が採用した手段は、前記カウンター本体は、前記縁部の内側に縁部に沿ってカウンター本体上面より低い横長排水路が凹設され、横長排水路に前記排水口が設けられ、カウンター本体下面側の排水口の回りの部分にリブが設けられ、カウンター本体下面側に補強具がリブに当接させて配置され、この補強具は、横長排水路の排水口に沿う手前の側壁と縁部の下垂片の間に挟み込んだ部分と、排水口の回りの部分を覆う部分とを備え、カウンター本体に固定してある請求項1記載の浴室の洗い場用カウンターである。なお、補強具の前記固定は、補強具をリブとブラケットで挟んで行なうとよい。
【0009】
見栄えよくカウンターを構成するために請求項5記載の本発明が採用した手段は、前記カウンター本体の下方に配置して手前側をカウンター本体に接合したカバーを備え、前記ブラケット及び前記補強具をカウンター本体及びカバーで覆い隠した請求項2、3又は4記載の浴室の洗い場用カウンターである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の本発明に係る浴室の洗い場用カウンターは、排水口の左右両端に隣接するカウンター本体の部分に大きな力が伝達しても、その大きな力をブラケットで支持して壁面へ伝達するので、この部分に損傷等の問題を生じさせることはない。その結果、本発明は、排水口の左右両端に隣接しする部分をブラケットで支持する簡単な構造で対処することができる。
【0011】
請求項2記載の本発明に係る浴室の洗い場用カウンターは、縁部の内の排水口に沿って延びる部分の近辺を補強具で簡単に補強することができる。
【0012】
請求項3記載の本発明に係る浴室の洗い場用カウンターは、排水口の周囲を補強具で簡単に補強することができる。
【0013】
請求項4記載の本発明に係る浴室の洗い場用カウンターは、縁部の内の排水口に沿って延びる部分の近辺及び排水口の周囲を補強具で簡単に補強することができる。
【0014】
請求項5記載の本発明に係る浴室の洗い場用カウンターは、ブラケット及び補強具がカウンター本体及びカバーで覆い隠されて露出しないため見栄えがよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係る浴室の洗い場用カウンター(以下、「本発明カウンター」と言う。)を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0016】
(第1の実の形態)
図1乃至図10は本発明カウンターの第1の実施の形態を示すものであって、図1はカウンター本体3の一部を破断して本発明カウンター1の全体を示す平面図、図2は本発明カウンター1の全体の底面図である。図3は上方のカウンター本体3、下方のカバー4及び端キャップ5を示すものであって、図(A)は三者3,4,5を分離した状態の正面図、図(B)は三者3,4,5を連結した状態の正面図である。図4は図2のIV−IV線で断面し拡大して示す左側面図、図5は図2のV−V線で断面し拡大して示す左側面図、図6は図2のVI−VI線で断面した一部を拡大して示す左側面図、図7は図2のVII−VII線で断面した一部を拡大して示す左側面図、図8は図2のVIII−VIII線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。図9はカウンター本体3の底面図である。図10はカウンター本体3及びブラケット6,6,7を分離して示す斜視図である。
【0017】
本発明カウンター1は、図1及び図4示す如く、取付壁面Wに強固に取付けて手前へ張り出したブラケット6,6,7にカウンター本体3を連結し、カウンター本体3の上面3a(以下、「カウンター上面3a」と言う。)の手前側に左右へ延びる縁部3gが領域Gに設けられ、この縁部3gの内側の左右中央寄りに、左右方向へ延びる排水口2bが設けられ、この排水口2bの左右両端に隣接する部分3m,3n(図9、図4参照)が各ブラケット6で支持されている。従って、本発明カウンター1は、縁部3gの内の排水口2bに沿って延びる部分に使用者の寄り掛かり等で大きな力が加わって、その大き力が排水口2bの左右両端に隣接するカウンター本体3の部分3m,3nに伝達しても、その伝達した大きな力をブラケット6,6で支持するので、この部分3m,3nに損傷等の問題を生じさせることはない。上記縁部3gは、カウンター上面1aの手前側よりも上方へ突出する堤状に形成することで、カウンター上面3aを手前側へ流れてきた湯水を受け止める水返しの機能と、カウンター上面3aに載置した湯桶R(図1参照)等が手前側から落下するのを防止する機能とを発揮するようにしてある。
【0018】
本発明カウンター1は、図1及び図5に示す如く、カウンター上面3aが後側(取付壁面W側)から手前下がりに傾斜し、縁部3gの内側に縁部3gに沿ってカウンター上面3aより低い横長排水路2が凹設されている共に、縁部3gに沿って延びると共に上下方向へ延びる縦排水路12が設けられている。横長排水路2は、縦排水路12に連なる排水口2bを開設した開口領域Jと、開口領域Jへ向かって下る排水勾配を形成した底面2aのある有底領域Kとが形成され、開口領域Jの縁部3gに沿う長さ寸法T(図1参照)が、有底領域Kと開口領域Jの境界における有底領域Kの横断方向に沿う横長排水路2の幅寸法U(両領域J,Kの境界における有底領域Kの部分を示す図6も参照)よりも大きくなっている。また、開口領域Jの開口部2bの開口平面積M(図1参照)は、有底領域Kと開口領域Jとの境界の有底領域Kにおける横長排水路2の横断面積N(図6参照)よりも大きくなっている。本例の本発明カウンター1は、図1に示す如く、縁部3gを手前へ張り出させるように手前外側面を湾曲状に形成すると共に、縁部3gの内側の横長排水路2も手前へ張り出させるように湾曲状に形成しある。また、本発明カウンター1は、左側領域Hが水栓取付域又はシャンプー等の載置域となっており、右側領域Lがシャンプー等の載置域となっている。
【0019】
本発明カウンター1は、図1に示す如く、カウンター上面3aを流れて横長排水路2の開口領域Jへ向かった水を縦排水路12から排出する直接排水経路Pと、カウンター上面3aを流れて横長排水路2の有底領域Kへ向かった水を排水勾配のある底面2aで一旦受けた後に縦排水路12へ導いて排出する迂回排水経路Qとの二通りの排水経路P,Qが形成されるので、カウンター上面3aを下って流れる水を二通りの排水経路P,Qへ分散させて排出することができると共に、開口領域Jの縁部3gに沿う長さ寸法Tを横長排水路2の有底領域Kにおける横断方向に沿う幅寸法U(図6参照)よりも大きくし(例えば、TをUの5〜15倍)、また開口部2bの開口平面積M(図1参照)を横長排水路2の有底領域Kにおける横断面積N(図6参照)よりも大きく(例えば、MをNの4〜14倍)することで、二通りの排水経路P,Qの各々を流れる水を迅速に排出することが可能となり、排水能力を従来に比べて増大させることができる。
【0020】
本発明カウンター1は、図1に示す如く、横長排水路2の左右中央寄りに開口領域Jを形成すると共に開口領域Jの左右両外側の各々に有底領域Kを形成することで、中央寄り直接排水経路Pと左右に形成される二つの迂回排水経路Q,Qとが相まって水を円滑に排出するので、カウンター上面3aの水下側の領域G(横長排水路2を形成した左右領域)の全域にわたって水を溜まり難くすることができる。
【0021】
本発明カウンター1は、図1乃至図4及び図10に示す如く、カウンター上面3aを形成したカウンター本体3と、カウンター本体3を支持するブラケット6,6,7と、カウンター本体3の下方に配置してカウンター本体3へ接合したカバー4とを備え、カウンター本体3の下面側に横長排水路2の排水口2bと連なる縦排水接合部3dを形成すると共にカバー4の内側に縦排水路形成部4dを形成し、これら排水口2bと縦排水接合部3dを接合して縦排水路12を形成し、ブラケット6(7)及び縦排水路形成部4dの外側面4d−1をカウンター本体3及びカバー4で覆い隠してカウンター手前外側から見えないようにしてある。このように、本発明カウンター1は、ブラケット6(7)及び縦排水路形成部4dの外側面4d−1がカウンター本体3及びカバー4で覆い隠されて露出しないため、見栄えがよい。本発明カウンター1は、湯桶R(図1参照)等を載置する等して利用されるものであって、一方の端(本例は左端)を浴槽(図示略)に接近さて塞ぐと共に他方の端(本例は右端)に端キャツプ5を取付けて見栄えよくしてある。
【0022】
前記上方のカウンター本体3は、図1、図4及び図9に示す如く、合成樹脂素材を射出成型する等して成形され、上方表面3aに載置面が形成され、周縁の適所に下垂片3bが形成され、下方裏面に前後及び左右へ延びる補強用リブ3c、柱状のネジ螺着部3e及び後側の係止片3fが形成され、下方裏面の手前側に横長排水路2の開口部2bに連なる縦排水路接合部3dが形成されている。ネジ螺着部3eは、その大きさが、止め付けるネジの大きさに対応するようになっている。カウンター本体3は、補強用リブ3cを形成することで軽量化して曲げ剛性を大きくしてある。
【0023】
前記下方のカバー4は、図2及び図4に示す如く、合成樹脂素材を射出成型する等して成形され、下方表面4aで覆い面が形成され、周縁の適所に形成した起立片4bと、上方内面に形成して前後及び左右へ延びる補強用リブ4cと、取付壁面W側寄りに形成した壁側接合部4fと、手前側中央寄りに形成した縦排水路形成部4dとを備えている。縦排水路形成部4dは、内側に上下貫通する縦排水路12を形成すると共に、その外側面4d−1をカバー4の内側に露出させてある。カバー4は、上記壁側接合部4fを形成するために、底面壁側寄りに側面形状が三角形の凹部4gが凹設され、凹部4gの後側を接合片4f−1で形成し、接合片4f−1を壁側へ向かって下り傾斜させ、接合片4f−1に取付具用挿通孔4f−2を設けてある。カバー4は、凹部4gの上側を形成する傾斜片4hを壁側へ向かって上り傾斜させ、螺子やねじ込み式ジョイン部材等からなる取付具8をねじ込みむドライバーやソケットレンチ等からなるねじ込み作業工具(図示略)を傾斜片4hと接触させないようにしてある。カバー4は、補強用リブ4cを形成することで軽量化して曲げ剛性を大きくしてある。
【0024】
前記ブラケット6は、図10に示す如く、金属板を折曲げ等して板金加工で成形され、起立接合片6aと、起立接合片6aの壁側の側縁から折曲げて延設した垂直な壁取付片6bと、起立接合片6aの上方側縁から折曲げて延設した水平なカウンター本体取付片6cと、壁取付片6bの上方から延設した弾性変形する押圧片6dと、壁取付片6bの下方から手前側へ延設した壁側取付部6fの取付片6f−1とを備え、壁取付片6b及びカウンター本体取付片6cの各々にネジ挿通孔6eを設けると共に、取付片6f−1に雌ネジ孔等からなる取付具部6f−2を設けてある。起立接合片6aは、内側に開口部を成形して軽量化を図っている。前記ブラケット7は、上記ブラケット6よりも張出寸法を短くしたものであり、上記ブラケット6と同様に成形され、起立接合片7aと、起立接合片7aの壁側の側縁から折曲げて延設した壁取付片7bと、起立接合片7aの上方側縁から折曲げて延設したカウンター本体取付片7cと、壁取付片7bの上方から延設した弾性変形する押圧片7dと、壁取付片7bの下方から手前側へ延設した壁側取付部7fの取付片7f−1とを備え、壁取付片7b及びカウンター本体取付片7cの各々にネジ挿通孔7eを設けてある。ブラケット6(7)は、図4に示す如く、壁パネル等からなる取付壁面Wにネジ14で取付固定される。
【0025】
前記カウンター本体3、カバー4及びブラケット6(7)からなる本発明カウンター1の組立ては、壁面Wにネジ14で強固に取付け固定したブラケット6(7)にカウンター本体3を載置してネジ9(本例は図4に示す蝶ボルト)で連結し、カウンター本体3の周縁の下垂片3bに下方のカバー4の周縁の起立片4bを重ね合わせて接合すると共に、カウンター本体3及びカバー4の手前側の適所をネジ10(本例は図5及び図7に示す頭部付きボルト)及び係合手段11(図8参照)で連結すると共に、カバー4の壁側接合部4fに形成した接合片4f−1を各ブラケット6(7)の壁側取付部6f(7f)に形成した取付片6f−1(7f−1)に取付具8(本例は図4に示す頭部付きボルト)で連結し、カウンター本体3の縦排水路接合部3d及びカバー4の縦排水形成部4dで上下に貫通した前記縦排水路12を形成する。上記係合手段11は、図3(A)及び図8に示す如く、カバー4の周縁の起立片4bの適所から突出した係止孔付き係止片13aと、カウンター本体3の周縁の下垂片3bの裏側に突設した突起13gとからなり、係止片13aの係止孔に突起13gを係入してある。なお、カバー4は、その手前側をカウンター本体3にの手前側に連結する以外に、図示は省略したが、ブラケット6(7)に連結することもある。
【0026】
(第2の実施の形態)
図11乃至図14は、本発明カウンターの第2の実施の形態を示すものであって、図11(A)は本実施の形態に係る本発明カウンター21のカバー4を破断して示す底面図、同図(B)は補強具22の底面図、同図(C)は補強具22の正面図である。図12は図11(A)のXII−XII線で断面した一部を拡大して示す左側面図、図13は図11(A)のXIII−XIII線で断面した一部を拡大して示す左側面図、図14は図11(A)のXIV−XIV線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【0027】
本実施の形態に係る本発明カウンター21が前記第1の実施の形態に係る本発明カウンター1(図1乃至図10参照)と大きく異なる点は、カウンター本体3における横長排水路2の排水口2bに沿う手前の側壁2cと縁部3gを形成する手前の下垂片3bの間に補強具22を挟み込んで配置し、補強具22をカウンター本体3に固定したことであり、その他の構成等については第1の実施の形態と実質的に同一であり、図11乃至図14において図1乃至図10と同一符号は相当部分を示す。
【0028】
上記補強具22は、図11(B)、(C)に示す如く、ステンレススチール等の金属板材等から成形され、起立状態で湾曲した帯板状の主体部22aと、主体部22aの両端寄りから後側へ延設した水平板状の端側固定部22b,22bと、主体部22aの中央寄りから後側へ延設した水平板状の中央側固定部22cからなり、各端側固定部22bに外嵌孔22dを設けると共に中央側固定部22cにビス孔22eを設けてある。補強具22は、図11(A)及び図13に示す如く、カウンター本体3における横長排水路2の手前の側壁2cと下垂片3bの間に主体部22aを挟み込み、中央側固定部22cをカウンター本体3のネジ螺着部3eにビス23で連結し、図12に示す如く、各端側固定部22bの外嵌孔22dをカウンター本体3のネジ螺着部3eに外嵌すると共に、各端側固定部22bをリブ3cとブラケット6の取付片6cの手前側で挟んで固定してある。補強具22の前記挟み込みは、図11(A)及び図13に示す如く、横長排水路2の手前の側壁2cに接合した複数個のネジ螺着部3eに補強具22の主体部22aの後側面を当接させて行われ、縁部3gに加わった力を主体部22aへ伝達させるようにしてある。なお、横長排水路2の手前の側壁2cは、縁部3gの後側に連なっている(図13参照)。
【0029】
カウンター本体3は、図11(A)に示す如く、壁面Wに取付け固定したブラケット6,6,7(図中に二点鎖線で示す)に載置する前に、下面側に配置した補強具22をネジ23で連結して脱落させないようにしてある。カウンター本体3は、図12に示す如く、下面側に設けた補強用リブ3cに段部3c−1を形成し、段部3c−1に沈め込ませた補強具22の端側固定部22bを、ネジ9で連結したブラケット6と段部3c−1とで挟持して、補強具22を強固に固定してある。
【0030】
本発明カウンター21は、第1の実施の形態と同様にカウンター本体3における排水口2bの左右両端に隣接する部分3m,3n(図11(A)及び図12参照)が各ブラケット6で支持されている。また、本発明カウンター21は、カウンター本体3における縁部3gの内の排水口2bに沿って延びる下垂片3bの部分の近辺を補強具22でバックアップされて、排水口2bに沿った縁部3gの部分が補強されている。従って、本発明カウンター21は、縁部3gの内の排水口2bに沿って延びる部分に使用者の寄り掛かり等で大きな力が加わったとしても、その大きな力が縁部3g及び補強具22を伝達して排水口2bの左右両端に隣接するカウンター本体3の部分3m,3nへ至ってブラケット6,6で支持されるので、排水口2bに沿った縁部3gの部分及び排水口2bの左右両端に隣接する部分3m,3nに損傷等の問題を生じさせることはない。
【0031】
(第3の実施の形態)
図15乃至図17は、本発明カウンターの第3の実施の形態を示すものであって、図15(A)は本実施の形態に係る本発明カウンター31のカウンター本体3の中央寄り部分を示す底面図、同図(B)は補強具32の底面図である。図16は図15(A)のXVI−XVI線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。図17は図15(A)のXVII−XVII線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【0032】
本実施の形態に係る本発明カウンター31が前記第1の実施の形態に係る本発明カウンター1と大きく異なる点は、カウンター本体3の下面側の排水口2bの回りの部分にリブ3cを設け、カウンター本体3の下面側に排水口2bの回りの部分を覆う大きさの補強具32をリブに当接させて配置し、補強具32をカウンター本体3に固定したことであり、その他の構成等については第1の実施の形態と実質的に同一であり、図15乃至図17において図1乃至図10と同一符号は相当部分を示す。
【0033】
上記補強具32は、図15(A)(B)に示す如く、ステンレススチール等の金属板材等から平板状に成形され、カウンター本体3の手前側の下垂片3bの内側に沿うように湾曲形成した手前縁32fと、カウンター本体3の下面側に形成した湾曲長口状の縦排水路接合部3d(横長排水路2の開口部2bに連なるもの)に外嵌する湾曲長孔32gと、湾曲長孔32gの左右外側に形成した端固定部32h,32hと、カウンター本体3の下面側に形成した各ネジ螺着部3eに対応する位置に設けた複数個の外嵌孔32dと、手前左右両側寄りに設けたビス孔32e,32eとを備えている。補強具32の配置は、カウンター本体3の縦排水路接合部3dに湾曲長孔32gを外嵌させると共に、カウンター本体3の下面側のネジ螺着部3eに対応する外嵌孔32dを外嵌させ、カウンター本体3の下面側のリブ3cに当接させて行われる。
【0034】
カウンター本体3は、図15(A)に示す如く、壁面W(図1参照)に強固に取付け固定したブラケット6,6(図中に二点鎖線で示す)に載置する前に、下面側に配置した補強具32をネジ33,33で連結して脱落させないようにしてある。カウンター本体3は、図16に示す如く、下面側に設けた補強用リブ3cに段部3c−1を形成し、段部3c−1に沈め込ませた補強具32の端側固定部32hを、ネジ9で連結したブラケット6とリブ3cで挟持してある。このように補強具32は、カウンター本体3に対して、ネジ33,33による取付け、及びネジ9で連結した左右の各ブラケット6とリブ3cの挟持で固定が行われると、カウンター本体3の下面側の排水口2bの回りの部分に設けたリブ3cに当接して、排水口2bの回りを補強する。
【0035】
本発明カウンター31は、第1の実施の形態と同様にカウンター本体3における排水口2bの左右両端に隣接する部分3m,3n(図15(A)及び図16参照)が各ブラケット6で支持されている。また、本発明カウンター31は、カウンター本体3に補強具32を固定することで、カウンター本体3の排水口2bの回りの部分が補強具32で補強されることになる。従って、本発明カウンター31は、縁部3gの内の排水口2bに沿って延びる部分に使用者の寄り掛かり等で大きな力が加わったとしても、その大きな力がカウンター本体3における排水口2bの回りの部分及び補強具22を伝達して排水口2bの左右両端に隣接するカウンター本体3の部分3m,3n(図15(A)及び図16参照)へ至ってブラケット6,6で支持されるので、排水口2bの回りの部分及び排水口2bの左右両端に隣接する部分3m,3nに損傷等の問題を生じさせることはない。
【0036】
(第4の実施の形態)
図18乃至図20は、本発明カウンターの第4の実施の形態を示すものであって、図18(A)は本発明カウンター41のカウンター本体3の中央寄り部分を示す底面図、同図(B)は補強具42の底面図、同図(C)は補強具42の正面図である。図19は図18(A)のXIX−XIX線で断面した一部を拡大して示す左側面図である図20は図18(A)のXX−XX線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【0037】
本実施の形態に係る本発明カウンター41が前記第1の実施の形態に係る本発明カウンター1と大きく異なる点は、カウンター本体3の下面側の排水口2bの回りの部分にリブ3cを設け、カウンター本体3の下面側に排水口2bの回りの部分を覆う大きさの補強具42をリブに当接させて配置し、この補強具42が、カウンター本体3における横長排水路2の排水口2bに沿う手前の側壁2cと縁部3gを形成する手前の下垂片3bの間に挟み込んだ部分である手前湾曲板部42kと、排水口2bの回りの部分を覆う部分である平板部42iとを備え、カウンター本体3に固定されていることであり、その他の構成等については第1の実施の形態と実質的に同一であり、図18乃至図20において図1乃至図10と同一符号は相当部分を示す。
【0038】
上記補強具42は、図18(A)(B)に示す如く、ステンレススチール等の金属板材等から成形され、排水口2bの回りの部分を覆う大きさの平板部42iと、平板部42iの手前縁から起立状態で延設し、カウンター本体3の手前側の下垂片3bの内側に沿うように湾曲形成した手前湾曲板部42kとを備えている。そして平板部42iは、カウンター本体3の下面側に形成した湾曲長口状の縦排水路接合部3d(横長排水路2の開口部2bに連なるもの)に外嵌する湾曲長孔42gと、湾曲長孔42gの左右外側に形成した端固定部42h,42hと、カウンター本体3の下面側に形成した各ネジ螺着部3eに対応する位置に設けた複数個の外嵌孔42dと、手前左右両側寄りに設けたビス孔42e,42eとを備えている。
【0039】
補強具42の配置は、図18(A)及び図20に示す如く、カウンター本体3における横長排水路2の手前の側壁2cと下垂片3bの間に手前湾曲板部42kを挟み込ませ、カウンター本体3の縦排水路接合部3dに湾曲長孔42gを外嵌させ、カウンター本体3の下面側のネジ螺着部3eに対応する外嵌孔42dを外嵌させ、そしてカウンター本体3の下面側のリブ3cに当接させて行う。手前湾曲板部42kの前記挟み込みは、図18(A)及び図20に示す如く、横長排水路2の手前の側壁2cに直接若しくはリブ3cを介して接合した複数個のネジ螺着部3e、及び側壁2cに接合したリブ3cに補強具22の主体部22aの後側面を当接させて行われ、縁部3gに加わった力を手前湾曲板部42kへ伝達させるようにしてある。
【0040】
カウンター本体3は、図18(A)に示す如く、壁面W(図1参照)に取付け固定したブラケット6,6(図中に二点鎖線で示す)に載置する前に、下面側に配置した補強具42をネジ43,43で連結して脱落させないようにしてある。カウンター本体3は、図19に示す如く、下面側に設けた補強用リブ3cに段部3c−1を形成し、段部3c−1に沈め込ませた補強具42の端側固定部42hを、ネジ9で連結したブラケット6とリブ3cで挟持してある。このように補強具42は、カウンター本体3に対して、ネジ43,43による固定と、ネジ9で連結した左右の各ブラケット6とリブ3cの挟持による固定とが行われ、カウンター本体3の下面側の排水口2bの回りの部分に設けたリブ3cに当接して、排水口2bの回りを補強する。
【0041】
本発明カウンター41は、第1の実施の形態と同様にカウンター本体3における排水口2bの左右両端に隣接する部分3m,3n(図18(A)及び図19参照)が各ブラケット6で支持されている。また、本発明カウンター41は、カウンター本体3に補強具42を固定することで、カウンター本体3における縁部3gの内の排水口2bに沿って延びる下垂片3bの部分の近辺を補強具42の手前湾曲板部42kでバックアップして排水口2bに沿った縁部3gの部分が補強されると共に、カウンター本体3の排水口2bの回りの部分が補強具42の平板部42iで補強されている。従って、本発明カウンター41は、縁部3gの内の排水口2bに沿って延びる部分に使用者の寄り掛かり等で大きな力が加わったとしても、その力が、排水口2bに沿った縁部3gの部分、カウンター本体3における排水口2bの回りの部分及び補強具42を伝達して排水口2bの左右両端に隣接するカウンター本体3の部分3m,3n(図18(A)及び図19参照)へ至ってブラケット6,6で支持されるので、排水口2bの回りの部分及び排水口2bの左右両端に隣接する部分3m,3nに損傷等の問題を生じさせることはない。
【0042】
(その他の実施の形態)
なお、本発明カウンターは、図示は省略したが、カバー4を省略して、カウンター本体3の下面側に排水口2bに通じる適宜長さの縦排水路成形部を設けると共に、手前側の下垂片3bの高さ寸法を大きくして、ブラケット6(7)、補強具22(32,42)及び縦排水路成形部を見え難く構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、本発明カウンターを一部破断して示す全体の平面図である。
【図2】第1の実施の形態に係る本発明カウンターの全体の底面図である。
【図3】第1の実施の形態のカウンター本体、カバー及び端キャップを示すものであって、図(A)は三者を分離した状態の正面図、図(B)は三者を連結した状態の正面図である。
【図4】図2のIV−IV線で断面し拡大して示す左側面図である。
【図5】図2のV−V線で断面し拡大して示す左側面図である。
【図6】図2のVI−VI線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【図7】図2のVII−VII線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【図8】図2のVIII−VIII線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【図9】第1の実施の形態のカウンター本体の底面図である。
【図10】第1の実施の形態のカウンター本体及びブラケットを分離して示す斜視図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態を示すものであって、図(A)は本実施の形態に係る本発明カウンターのカバーを破断して示す底面図、図(B)は補強具の底面図、図(C)は補強具の正面図である。
【図12】図11(A)のXII−XII線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【図13】図11(A)のXIII−XIII線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【図14】図11(A)のXIV−XIV線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態を示すものであって、図(A)は本実施の形態に係る本発明カウンターのカウンター本体の中央寄り部分を示す底面図、図(B)は補強具の底面図である。
【図16】図15(A)のXVI−XVI線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【図17】図15(A)のXVII−XVII線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【図18】本発明の第4の実施の形態を示すものであって、図(A)は本実施の形態に係る本発明カウンターのカウンター本体の中央寄り部分を示す底面図、図(B)は補強具の底面図、図(C)は補強具の正面図である。
【図19】図18(A)のXIX−XIX線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【図20】図18(A)のXX−XX線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【符号の説明】
【0044】
1…本発明カウンター、2…横長排水路、2b…排水口、2c…手前の側壁、3…カウンター本体、3a…カウンター本体の上面、3b…下垂片、3g…縁部、3m,3n…排水口2bの左右両端に隣接する部分、6…ブラケット、22(32,42)…補強具、W…壁面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に取付けて手前へ張り出した左右のブラケットにカウンター本体を連結し、カウンター本体は、その上面の手前側に左右へ延びる縁部が設けられ、縁部の内側の左右中央寄りに左右方向へ延びる排水口が設けられ、この排水口の左右両端に隣接する部分が各ブラケットで支持されていることを特徴とする浴室の洗い場用カウンター。
【請求項2】
前記カウンター本体は、前記縁部の内側に縁部に沿ってカウンター本体上面より低い横長排水路が凹設され、横長排水路に前記排水口が設けられ、横長排水路の排水口に沿う手前の側壁と縁部の下垂片の間に挟み込まれて補強具が配置され、補強具をカウンター本体に固定した請求項1記載の浴室の洗い場用カウンター。
【請求項3】
前記カウンター本体は、その下面側の前記排水口の回りの部分にリブが設けられ、その下面側に排水口の回りの部分を覆う大きさの補強具がリブに当接させて配置され、補強具をカウンター本体に固定した請求項1記載の浴室の洗い場用カウンター。
【請求項4】
前記カウンター本体は、前記縁部の内側に縁部に沿ってカウンター本体上面より低い横長排水路が凹設され、横長排水路に前記排水口が設けられ、カウンター本体下面側の排水口の回りの部分にリブが設けられ、カウンター本体下面側に補強具がリブに当接させて配置され、この補強具は、横長排水路の排水口に沿う手前の側壁と縁部の下垂片の間に挟み込んだ部分と、排水口の回りの部分を覆う部分とを備え、カウンター本体に固定してある請求項1記載の浴室の洗い場用カウンター。
【請求項5】
前記カウンター本体の下方に配置して手前側をカウンター本体に接合したカバーを備え、前記ブラケット及び前記補強具をカウンター本体及びカバーで覆い隠した請求項2、3又は4記載の浴室の洗い場用カウンター。
【請求項1】
壁面に取付けて手前へ張り出した左右のブラケットにカウンター本体を連結し、カウンター本体は、その上面の手前側に左右へ延びる縁部が設けられ、縁部の内側の左右中央寄りに左右方向へ延びる排水口が設けられ、この排水口の左右両端に隣接する部分が各ブラケットで支持されていることを特徴とする浴室の洗い場用カウンター。
【請求項2】
前記カウンター本体は、前記縁部の内側に縁部に沿ってカウンター本体上面より低い横長排水路が凹設され、横長排水路に前記排水口が設けられ、横長排水路の排水口に沿う手前の側壁と縁部の下垂片の間に挟み込まれて補強具が配置され、補強具をカウンター本体に固定した請求項1記載の浴室の洗い場用カウンター。
【請求項3】
前記カウンター本体は、その下面側の前記排水口の回りの部分にリブが設けられ、その下面側に排水口の回りの部分を覆う大きさの補強具がリブに当接させて配置され、補強具をカウンター本体に固定した請求項1記載の浴室の洗い場用カウンター。
【請求項4】
前記カウンター本体は、前記縁部の内側に縁部に沿ってカウンター本体上面より低い横長排水路が凹設され、横長排水路に前記排水口が設けられ、カウンター本体下面側の排水口の回りの部分にリブが設けられ、カウンター本体下面側に補強具がリブに当接させて配置され、この補強具は、横長排水路の排水口に沿う手前の側壁と縁部の下垂片の間に挟み込んだ部分と、排水口の回りの部分を覆う部分とを備え、カウンター本体に固定してある請求項1記載の浴室の洗い場用カウンター。
【請求項5】
前記カウンター本体の下方に配置して手前側をカウンター本体に接合したカバーを備え、前記ブラケット及び前記補強具をカウンター本体及びカバーで覆い隠した請求項2、3又は4記載の浴室の洗い場用カウンター。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2009−100903(P2009−100903A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−274833(P2007−274833)
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]