説明

浴室カウンターにおける化粧カバーの取付け構造及び浴室カウンター並びに浴室ユニット

【課題】意匠的外観が良く、そのうえ、化粧カバーの着脱が容易な浴室カウンターにおける化粧カバーの取付け構造を提供する。
【解決手段】カウンター天板41には、その外側縁部近傍の裏側に、入り口周囲に下方に向って拡径するテーパ状の案内面11bが形成されたボルト穴11cを有する化粧ボルト支持部としてのサポートピース11,・・・が設けられており、化粧カバー42には、その外側縁部近傍に、カウンター天板41の外側縁部近傍と略平行なサポートピース11,・・・のボルト穴11c,・・・の下方の対応する位置にボルト孔42a,・・・を有する化粧ボルト係止部42Aが形成されており、化粧ボルト43,・・・が、化粧ボルト係止部42Aのボルト孔42a,・・・からサポートピース11,・・・のボルト穴11c,・・・へそれぞれ螺合されて、化粧カバー42が、カウンター天板41の下方側面に着脱自在に取付けられた構成とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カウンター天板の下方側面に化粧カバーを着脱自在に取付けて成る浴室カウンターにおける化粧カバーの取付け構造及び同取付け構造を備えた浴室カウンター並びに同浴室カウンターを備えた浴室ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、浴室内に、洗体、洗髪などを行うことが容易なように、シャンプーやリンスなどの浴用品を置くための浴室カウンターが設置されることがなされている。
【0003】
この浴室カウンターは、通常、カウンター天板と、その下方側面に化粧カバーを取り付けた構成とされている(特許文献1等を参照)。
【0004】
このような従来の浴室カウンターでは、特に意匠的外観を良くするために、例えば、カウンター天板と化粧カバーとの間の継ぎ目をしっかりと塞ぐ構造とされていた。
【特許文献1】特開2000−325252号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来の浴室カウンターでは、カウンター天板と化粧カバーとの間の継ぎ目などがしっかりと塞がれ、意匠的外観は良いが、化粧カバーの着脱が容易ではなかった。
【0006】
すなわち、化粧カバーを着脱して、この浴室カウンターの内部を掃除したいという需要者の要求に沿ったものではなかった。
【0007】
そこで、本発明は、意匠的外観が良く、そのうえ、化粧カバーの着脱が容易な浴室カウンターにおける化粧カバーの取付け構造及び同取付け構造を備えた浴室カウンター並びに同浴室カウンターを備えた浴室ユニットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の化粧カバーの取付け構造は、カウンター天板の下方側面に化粧カバーを着脱自在に取付けて成る浴室カウンターにおける化粧カバーの取付け構造であって、前記カウンター天板には、その外側縁部近傍の裏側に、入り口周囲に下方に向って拡径するテーパ状の案内面が形成されたボルト穴を有する化粧ボルト支持部が設けられており、前記化粧カバーには、その外側縁部近傍に、前記カウンター天板の外側縁部近傍と略平行な前記化粧ボルト支持部の前記ボルト穴の下方の対応する位置にボルト孔を有する化粧ボルト係止部が形成されており、化粧ボルトが、前記化粧ボルト係止部のボルト孔から前記化粧ボルト支持部のボルト穴へ螺合されて、前記化粧カバーが、前記カウンター天板の下方側面に着脱自在に取付けられていることを特徴とする。
【0009】
ここで、前記カウンター天板に、その外側縁部又は外側縁部近傍から下方に外壁部が設けられており、前記化粧カバーに、その外側縁部又は外側縁部近傍から立ち上がる立ち上がり外壁部が設けられ、さらに該立ち上がり外壁部から内側へ突出する突出部が設けられており、前記外壁部の下端と前記立ち上がり外壁部の上端とが当接するとともに、前記突出部の先端が、前記化粧ボルト支持部の側面に当接して、前記化粧カバーの上端部が位置決めされているとよい。
【0010】
本発明の浴室カウンターは、上記した浴室カウンターにおける化粧カバーの取付け構造を備えていることを特徴とする。
【0011】
本発明の浴室ユニットは、上記した浴室カウンターを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
このような本発明の浴室カウンターにおける化粧カバーの取付け構造は、カウンター天板には、その外側縁部近傍の裏側に、入り口周囲に下方に向って拡径するテーパ状の案内面が形成されたボルト穴を有する化粧ボルト支持部が設けられている。
【0013】
また、化粧カバーには、その外側縁部近傍に、カウンター天板の外側縁部近傍と略平行な化粧ボルト支持部のボルト穴の下方の対応する位置にボルト孔を有する化粧ボルト係止部が形成されている。
【0014】
そして、化粧ボルトが、化粧ボルト係止部のボルト孔から化粧ボルト支持部のボルト穴へ螺合されて、化粧カバーが、カウンター天板の下方側面に着脱自在に取付けられた構成とされている。
【0015】
こうした構成なので、化粧カバーを取り外す際は、化粧カバーの外側の化粧ボルトの頭部を手で持って緩めて化粧ボルトを外し、化粧カバーを容易に取り外すことができる。
【0016】
また、化粧カバーを取り付ける際には、化粧ボルトを、その頭部を手で持って、化粧カバーの化粧ボルト係止部のボルト孔から挿入すれば、化粧ボルトのボルト部が多少傾いていても、テーパ状の案内面に案内されて、カウンター天板の裏側の化粧ボルト支持部のボルト穴へ容易にねじ込むことができ、化粧カバーを容易に取り付けることができる。
【0017】
要するに、化粧カバーの外側に露出するのは、化粧ボルトの頭部だけなので、意匠的外観は良く、そのうえ、化粧カバーの着脱が容易であるため、浴室カウンターの内部を掃除したいという需要者の要求に応えることができる。
【0018】
ここで、カウンター天板に、その外側縁部又は外側縁部近傍から下方に外壁部が設けられており、化粧カバーに、その外側縁部又は外側縁部近傍から立ち上がる立ち上がり外壁部が設けられ、さらに立ち上がり外壁部から内側へ突出する突出部が設けられており、外壁部の下端と立ち上がり外壁部の上端とが当接するとともに、突出部の先端が、化粧ボルト支持部の側面に当接して、化粧カバーの上端部が位置決めされている場合は、カウンター天板と化粧カバーとの間の継ぎ目が規定した位置でしっかりと塞がれ、より意匠的外観が良い。
【0019】
こうした本発明の浴室カウンターは、上記した浴室カウンターにおける化粧カバーの取付け構造を備えた構成とされているので、上記した浴室カウンターにおける化粧カバーの取付け構造の効果を奏する浴室カウンターを実現することができる。
【0020】
こうした本発明の浴室ユニットは、上記した浴室カウンターを備えた構成とされているので、上記した浴室カウンターの効果を奏する浴室ユニットを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の最良の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0022】
図1は、本実施の形態の浴室ユニット1の概略構成を示している。
【0023】
まず、このような浴室ユニット1は、浴槽2と、浴室床3と、浴室カウンター4とから主に構成されている。
【0024】
ここで、浴槽2は、水位調整センサー(図示せず)及び水温調整センサー(図示せず)が設けられており、給湯口2aからお湯が給湯され、所望の水位・温度でお湯をはれる。
【0025】
また、浴室床3は、網状の蓋5aが設けられた排水口5に向って若干の傾斜が設けられている。
【0026】
そして、浴室カウンター4は、浴槽2の横の浴室壁6に内側縁部を固定されたカウンター天板41の下方側面に化粧カバー42が、4本の化粧ボルト43,・・・で取り付けられて成る。
【0027】
ここで、カウンター天板41は、合成樹脂製であり、その内側(浴室壁6側)には、外側(浴室壁6の反対側)に向って下るように傾斜した傾斜部41aが設けられており、カウンター天板41上に水が溜まらないようにされている。
【0028】
また、このカウンター天板41の傾斜部41aには、図1及び図2に示したように、浴室カウンター4内にホース7aを収納可能なシャワー7と、給水用のハンドル8aと、給湯用のハンドル8bとが設けられている。
【0029】
さらに、カウンター天板41の外側縁部近傍の裏側には、図3に示したように、インサートナット13がそれぞれ埋め込まれた4つの基部9,・・・が設けられている。
【0030】
また、各基部9のインサートナット13のボルト穴には、スプリングワッシャー10を介して、化粧ボルト支持部としてのサポートピース11が、その上端部に設けたボルト部11aが螺合され固定されている。
【0031】
ここで、化粧ボルト支持部としてのサポートピース11は、その下部に、入り口周囲に下方に向って拡径するテーパ状(すり鉢状)の案内面11bが形成されたボルト穴11cを有する。
【0032】
また、サポートピース11の略中間部には、拡径した円筒形の側面部11dが形成されている。
【0033】
さらに、カウンター天板41の外側縁部から下方に略垂下する外壁部41Aがサポートピース11の側面部11dの下端部近傍の高さ位置まで形成されている。
【0034】
また、化粧カバー42は、合成樹脂製であり、その外側縁部近傍に、カウンター天板41の外側縁部近傍と略平行なサポートピース11,・・・のボルト穴11c,・・・の下方の対応する位置にボルト孔42a,・・・を有する化粧ボルト係止部42Aが形成されている。
【0035】
さらに、化粧カバー42には、その外側縁部から略垂直に、カウンター天板41の外壁部41の下端の高さ位置まで立ち上がる立ち上がり外壁部42Bが形成されている。
【0036】
また、この立ち上がり外壁部の上端から内側へ突出する突出部42Cが形成されている。
【0037】
そして、化粧ボルト43のボルト部43bが、化粧カバー42の化粧ボルト係止部42Aの各ボルト孔42aから各サポートピース11のボルト穴11cへそれぞれ螺合され、化粧ボルト43,・・・の頭部43a,・・・だけが外側に露出している。
【0038】
なお、化粧ボルト43を抜き易く、そのうえ、化粧カバー42をガタツキなく取り付けられるように、化粧カバー42の化粧ボルト係止部42Aの各ボルト孔42aの径は、化粧ボルト43のボルト部43bの径より約1mm大きく設定されている。
【0039】
また、この化粧ボルト43が螺合されることで、カウンター天板41の外壁部41Aの下端と化粧カバー42の立ち上がり外壁部42Bの上端とが当接されている。
【0040】
さらに、化粧カバー42の突出部42C,・・・は、サポートピース11,・・・の側面部11d,・・・に当接され、化粧カバー42の上端部が位置決めされている。
【0041】
また、化粧カバー42の内側縁部は、図4に示したように、下方に略垂下するように形成され、浴室壁6にネジ12,・・・で固定された係止部材44に形成された溝44aに嵌め込み固定されている。
【0042】
なお、給水・給湯用の配管Pは、図2に示したように、浴室カウンター4内に収納されており、外側からは見えないようになっている。
【0043】
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
【0044】
このような本実施の形態の浴室カウンターにおける化粧カバーの取付け構造は、カウンター天板41には、その外側縁部近傍の裏側に、入り口周囲に下方に向って拡径するテーパ状の案内面11bが形成されたボルト穴11cを有する化粧ボルト支持部としてのサポートピース11,・・・が設けられている。
【0045】
また、化粧カバー42には、その外側縁部近傍に、カウンター天板41の外側縁部近傍と略平行なサポートピース11,・・・のボルト穴11c,・・・の下方の対応する位置にボルト孔42a,・・・を有する化粧ボルト係止部42Aが形成されている。
【0046】
そして、化粧ボルト43,・・・が、化粧ボルト係止部42Aのボルト孔42a,・・・からサポートピース11,・・・のボルト穴11c,・・・へそれぞれ螺合されて、化粧カバー42が、カウンター天板41の下方側面に着脱自在に取付けられた構成とされている。
【0047】
こうした構成なので、化粧カバー42を取り外す際は、化粧カバー42の外側の化粧ボルト43の頭部43aを手で持って緩めて化粧ボルト43,・・・を外し、化粧カバー42を容易に取り外すことができる。
【0048】
また、化粧カバー42を取り付ける際には、化粧ボルト43を、その頭部43aを手で持って、化粧カバー42の化粧ボルト係止部42Aのボルト孔42aから挿入すれば、化粧ボルト43のボルト部43bが多少傾いていても、テーパ状の案内面11bに案内されて、カウンター天板の裏側のサポートピース11のボルト穴11cへそれぞれ容易にねじ込むことができ、化粧カバー42を容易に取り付けることができる。
【0049】
要するに、化粧カバー42の外側に露出するのは、化粧ボルト43,・・・の頭部43a,・・・だけなので、意匠的外観は良く、そのうえ、化粧カバー42の着脱が容易であるため、浴室カウンター4の内部を掃除したいという需要者の要求に応えることができる。
【0050】
ここで、カウンター天板41に、その外側縁部から下方に外壁部41Aが設けられている。
【0051】
また、化粧カバー42に、その外側縁部から立ち上がる立ち上がり外壁部42Bが設けられ、さらに立ち上がり外壁部42Bから内側へ突出する突出部42Cが設けられている。
【0052】
そして、外壁部41Aの下端と立ち上がり外壁部42Bの上端とが当接するとともに、突出部42Cの先端が、サポートピース11の側面部11dに当接して、化粧カバー42の上端部が位置決めされている。
【0053】
このため、カウンター天板41と化粧カバー42との間の継ぎ目が規定した位置でしっかりと塞がれ、より意匠的外観が良い。
【0054】
こうした本実施の形態の浴室カウンター4は、上記した浴室カウンターにおける化粧カバーの取付け構造を備えた構成とされているので、本実施の形態の浴室カウンターにおける化粧カバーの取付け構造の作用効果を奏する浴室カウンターを実現することができる。
【0055】
こうした本実施の形態の浴室ユニット1は、上記した浴室カウンター4を備えた構成とされているので、本実施の形態の浴室カウンターの作用効果を奏する浴室ユニットを実現することができる。
【0056】
以上、図面を参照して、本発明の最良の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0057】
例えば、前記実施の形態では、4本の化粧ボルト43,・・・により、カウンター天板41に化粧カバー42を取り付けた構造としたが、これに限定されず、様々な本数の化粧ボルト43で取り付けた構造としてもよい。
【0058】
また、浴室カウンター4の形状・配置は、前記実施の形態のものに限定されず、様々な形態で実施できる。
【0059】
さらに、浴室カウンター4を構成するカウンター天板41と化粧カバー42は、合成樹脂製として実施したが、これに限定されず、例えば、防錆加工を施した金属製などで実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本実施の形態の浴室ユニットの概略構成を示した斜視図である。
【図2】図1におけるA−A線矢視断面図である。
【図3】図2のB部における拡大図である。
【図4】図2のC部における拡大図である。
【符号の説明】
【0061】
1 浴室ユニット
4 浴室カウンター
41 カウンター天板
41A 外壁部
42 化粧カバー
42a ボルト孔
42A 化粧ボルト係止部
42B 立ち上がり外壁部
42C 突出部
43 化粧ボルト
43a 頭部
43b ボルト部
11 サポートピース(化粧ボルト支持部)
11b テーパ状の案内面
11c ボルト穴
11d 側面部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カウンター天板の下方側面に化粧カバーを着脱自在に取付けて成る浴室カウンターにおける化粧カバーの取付け構造であって、
前記カウンター天板には、その外側縁部近傍の裏側に、入り口周囲に下方に向って拡径するテーパ状の案内面が形成されたボルト穴を有する化粧ボルト支持部が設けられており、
前記化粧カバーには、その外側縁部近傍に、前記カウンター天板の外側縁部近傍と略平行な前記化粧ボルト支持部の前記ボルト穴の下方の対応する位置にボルト孔を有する化粧ボルト係止部が形成されており、
化粧ボルトが、前記化粧ボルト係止部のボルト孔から前記化粧ボルト支持部のボルト穴へ螺合されて、前記化粧カバーが、前記カウンター天板の下方側面に着脱自在に取付けられていることを特徴とする浴室カウンターにおける化粧カバーの取付け構造。
【請求項2】
前記カウンター天板に、その外側縁部又は外側縁部近傍から下方に外壁部が設けられており、前記化粧カバーに、その外側縁部又は外側縁部近傍から立ち上がる立ち上がり外壁部が設けられ、さらに該立ち上がり外壁部から内側へ突出する突出部が設けられており、前記外壁部の下端と前記立ち上がり外壁部の上端とが当接するとともに、前記突出部の先端が、前記化粧ボルト支持部の側面に当接して、前記化粧カバーの上端部が位置決めされていることを特徴とする請求項1に記載の浴室カウンターにおける化粧カバーの取付け構造。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の浴室カウンターにおける化粧カバーの取付け構造を備えていることを特徴とする浴室カウンター。
【請求項4】
請求項3に記載の浴室カウンターを備えていることを特徴とする浴室ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−169(P2010−169A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−160199(P2008−160199)
【出願日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(501362906)積水ホームテクノ株式会社 (89)
【Fターム(参考)】