説明

浴室収納装置

【課題】 浴室内から掃除用具等を見えないように収納でき、且つ、入浴者に圧迫感を感じさせない浴室収納装置を提供する。
【解決手段】 浴室のコーナー部分に収納スペースSを設け、この収納スペースSの前側に開口部を設け、この開口部を開閉する扉1を設けた浴室収納装置において、扉1の横断面を室内側に凹の略R形状とし、又、浴室のコーナー部分の壁面2に当接固定される横断面略L字型の後壁部3と、後壁部3の開口側を塞ぎ少なくとも上方の横断面が室内側に凹の略R形状の前壁部4とを備えてなり、前壁部の横断面が略R形状の部分に開口部を設け、この開口部に略R形状の扉を設けた浴室収納装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室内に設けられる浴室収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、浴室内のコーナー部分に収納スペースを設けることがなされていた。この例としては、特開平5−231013号公報に示す如く、浴室のコーナーに、横断面三角で縦長の収納ユニットを設けたものがある。この場合には、壁パネルの角に収納ユニットを設けているため、収納ユニットの設置による浴室スペースの減少を防止することができるが、扉が設けられていないために掃除用具や洗剤等、入浴時に不必要なものを隠すことはできない。又、収納パネルに扉を設けたとしても、収納パネルの横断面が三角形であるために扉も平面になってしまい、特に洗い場スペースの狭い浴室においては入浴者が圧迫感を感じてしまう可能性があった。
【特許文献1】特開平5−231013号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願発明は、上記背景技術に鑑みて発明されたものであり、その課題は、浴室内から掃除用具等を見えないように収納でき、且つ、入浴者に圧迫感を感じさせない浴室収納装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本願発明は、浴室のコーナー部分に収納スペースを設け、この収納スペースの前側に開口部を設け、この開口部を開閉する扉を設けた浴室収納装置において、扉の横断面を室内側に凹の略R形状としたものである。
【発明の効果】
【0005】
本願発明の浴室収納装置においては、収納スペースの前面に扉を設けているため、収納スペースに収納した掃除用具等が浴室から見えなくなり、又、扉の横断面を略R形状としているため、入浴者に圧迫感を感じさせない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1及び図2は、本願の請求項1及び請求項2に対応した実施形態である浴室収納装置を示している。この実施形態の浴室収納装置は、図1及び図2に示す如く、浴室のコーナー部分に収納スペースSを設け、この収納スペースSの前側に開口部を設け、この開口部を開閉する扉1を設けた浴室収納装置において、扉1の横断面を室内側に凹の略R形状としている。
【0007】
又、浴室のコーナー部分の壁面2に当接固定される横断面略L字型の後壁部3と、後壁部3の開口側を塞ぎ少なくとも上方の横断面が室内側に凹の略R形状の前壁部4とを備えてなり、前壁部4の横断面が略R形状の部分に開口部を設け、この開口部に略R形状の扉1を設けている。
【0008】
以下、この実施形態の浴室収納装置を、より具体的詳細に説明する。この実施形態の浴室収納装置は、図1に示すような、浴槽5や折戸6等を備えた一般的な浴室のコーナー部分に設けられる浴室収納装置である。この浴室収納装置は樹脂製で、図2に示す如く、横断面略L字型の後壁部3と、横断面が略R形状の前壁部4とを備えてなり、後壁部3の開口を前壁部4が塞いでいる。このとき、前壁部4は、後壁部3に対して凸、すなわち浴室側に凹になるように設けられている。この場合、前壁部4の全面に断面略矩形の開口部を設け、この開口部に横断面が前壁面4に対応した略R形状の扉1を設けている。この扉1の片側にヒンジ部7を設け、扉1を前後方向に開閉自由に取り付けている。又、扉1のヒンジ部7とは逆側には取っ手8を設けており、この場合、扉1の前面に凹部を設け、取っ手8としている。
【0009】
又、この浴室収納装置の内部は、図2(b)に示す如く、後壁部3の内側面には取付孔9が設けられており、取付孔9から壁面2に対して釘やビスなどの取付具を取り付けることで、壁面2に固定されるようになっている。又、後壁部3には板状で略直角三角形の棚10を取り付けられており、棚10の斜辺部分は扉1の形状に合わせて略R形状としている。この棚10の下側には支持片10aが設けられ、棚10を支持している。又、後壁部3と前壁部4の上方及び下方を閉塞する上壁部11a及び下壁部11bが設けられている。この場合、後壁部3、前壁部4、上壁部11a及び下壁部11bが1つのユニットとして形成されており、このユニットを浴室のコーナー部分にはめ込むことで、浴室収納設置が設置できるようになっている。この場合、浴室収納装置を浴室のコーナー部の床から天井までの全長にわたって設けているが、本願発明はこれに限るものではなく、床から天井までの高さの途中までの高さとしても良い。
【0010】
従って、この実施形態の浴室収納装置においては、浴室のコーナー部分に収納スペースSを設けているため、浴室の洗い場に十分な空間を残しながら収納スペースSを設けることができ、狭い浴槽空間を有効に使用できる。又、収納スペースSの前側に横断面が室内側に凹の略R形状の扉1を設けているため、収納スペースSに掃除用具等の入浴時には不必要なものを片付けたとき、扉1を閉めておけば入浴者にはこれらが見えず、すっきりした浴室を提供できる。又、扉1がR形状であるため、扉1を設けているにもかかわらず、入浴者に圧迫感を与えることがない。
【0011】
又、後壁部3と、前壁部4とを備えているため、浴室のコーナー部にあらかじめ組み上げておいた浴室収納装置を設置するだけで施工が完了するため、施工が非常に容易である。それに加え、前壁部4が略R形状であるため、直角のコーナーに比べて、清掃がしやすい。
【0012】
なお、この実施例においては、後壁部3と前壁部4により収納ペースSを形成しているが、浴室のコーナー部分に前壁部4を直接設け、この前壁部4に開口部を設けるとともに、この開口部に扉1を設け、その背面側を収納スペースSとしてもよい。
【0013】
図3は、本願の請求項1〜4のすべてに対応した他の実施形態である浴室収納装置を示している。この実施形態の浴室収納装置は、図3に示す如く、前壁部4の下方に浴室内に突出したカウンター12を設けている。
【0014】
又、前壁部4のカウンター12の下方を開口させ、この開口を開閉する横断面略直線状の下扉13を設けている。
【0015】
以下、この実施形態の浴室収納装置を、より具体的詳細に説明する。この実施形態の浴室収納装置は、図3に示す如く、前壁部4の下方に浴室側に突出したカウンター12を設けている。又、前壁部4のカウンター12よりも下方は、全面にわたって開口しており、その開口を塞ぐ下扉13を設けている。下扉13の横断面は略直線状で、左右2つに分かれており、ヒンジ部7を介して開閉自由に固定された観音開き式の扉である。又、下扉13のそれぞれには取っ手8が設けられている。又、前壁部4のカウンター12よりも上方は、前述実施形態と同様、横断面R形状であり、これに設けられる扉1も横断面R形状となっている。
【0016】
従って、この実施形態の浴室収納装置においては、前壁部4の下方に浴室内に突出したカウンター12を設けているため、このカウンター12にシャンプーや石鹸など、入浴時に必要な道具を置くこともでき、又、入浴者が腰掛けるための椅子としても使用できる。それに加え、カウンター12の上方に設けられた前壁部4及び扉1の横断面が略R形状であるため、これらの横断面が直線状のときに比べて、カウンター12上のスペースを広く確保できる。
【0017】
又、前壁部4のカウンター12の下方を開口させ、扉13を設けているため、カウンター12の下方も収納スペースとして有効に使え、又、下扉13を設けているために、収納用品が浴室から見えることがない。又、扉13の横断面を略直線状としているため、横断面を略R形状としたときよりも収納スペースSを広く確保できるとともに、カウンター12の上方は横断面R形状の扉1及び前壁部4であるため、入浴者に圧迫感を与えることがない。
【0018】
なお、その他の構成については前述の実施形態と同じであり、同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本願発明の実施形態である浴室収納装置を設けた浴室内の平面図。
【図2】本願発明の実施形態である浴室収納装置を示す斜視図で、(a)は扉を閉塞したとき、(b)は扉を開放したとき。
【図3】本願発明の他の実施形態である浴室収納装置が設けられた部位を示す斜視図。
【符号の説明】
【0020】
1 扉
2 壁面
3 後壁部
4 前壁部
5 浴槽
6 折戸
7 ヒンジ部
8 取っ手
9 取付孔
10 棚
10a 支持片
11a 上壁部
11b 下壁部
12 カウンター
13 下扉
S 収納スペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室のコーナー部分に収納スペースを設け、この収納スペースの前側に開口部を設け、この開口部を開閉する扉を設けた浴室収納装置において、扉の横断面を室内側に凹の略R形状としたことを特徴とする浴室収納装置。
【請求項2】
浴室のコーナー部分の壁面に当接固定される横断面略L字型の後壁部と、後壁部の開口側を塞ぎ少なくとも上方の横断面が室内側に凹の略R形状の前壁部とを備えてなり、前壁部の横断面が略R形状の部分に開口部を設け、この開口部に略R形状の扉を設けたことを特徴とする請求項1記載の浴室収納装置。
【請求項3】
前壁部の下方に浴室内に突出したカウンターを設けたことを特徴とする請求項2記載の浴室収納装置。
【請求項4】
前壁部のカウンターの下方を開口させ、この開口を開閉する横断面略直線状の下扉を設けたことを特徴とする請求項3記載の浴室収納装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−230534(P2006−230534A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−46528(P2005−46528)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】