説明

浴室用パーティション

【課題】浴槽側および洗い場側で使用する物品を効率良く収納できる浴室用パーティションを提供する。
【解決手段】浴室壁2aに固設されたポール部材6,7a,7b,7cに支持されて浴槽4側と洗い場3側の境にパーティション板11が立設され、このパーティション板11には、洗い場3側の面と浴槽4側の面のそれぞれに物品収納具12,13を取り付けるダボ14,14が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室用パーティションに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、浴槽側と洗い場側の境の浴槽のフランジ上面に、起立状に仕切り部材を立設させた浴室用パーティションがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−192941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されている浴室用パーティションでは、浴槽側と洗い場側を単に仕切るだけのものであり、物品を収納できる機能はなく、空間を有効利用することはできないものであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、浴槽側で使用する物品と、洗い場側で使用する物品を効率良く収納できる機能を備えた浴室用パーティションの提供を目的とし、この目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の浴室用パーティションは、浴槽側と洗い場側の境にパーティション板が立設され、該パーティション板には、前記洗い場側の面と前記浴槽側の面のそれぞれに物品収納具を取り付けるダボが設けられていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明のパーティション板には、洗い場側の面と浴槽側の面のそれぞれにダボが設けられているため、ダボに物品収納具を引掛け状に取り付けることができ、浴槽側の物品収納具には、浴槽に浸かってくつろぐ時用のペットボトルや乾いたタオル等を収納しておくことができ、また、洗い場側の物品収納具には、シャンプーやリンスなど身体を洗う時に使用する物品等を収納しておくことができ、浴槽側と洗い場側のそれぞれの空間で使用する物品を効率良く収納できるものとなる。また、パーティション板で区切られていることにより、洗い場側でシャワーを使用しても浴槽側の物品収納具には水がかかりにくく、濡らしたくない本等の物品を浴槽側に収納するのに適している。
【0007】
また、本発明の浴室用パーティションにおいて、前記パーティション板の洗い場側面および浴槽側面には、同じ位置に上下に間隔をおいて複数のダボが突出されているものとすることもできる。
こうすれば、突出されたダボに物品収納具を引掛け状に取り付けることができ、また、ダボには直接ボディブラシ等を引掛けて掛止させることもできる。
また、ダボは上下方向に複数形成されているため、高さ位置の異なるダボを選択して物品収納具等を引掛けて取り付けることができ、濡らしたくない物品を収納する際には、上方側のダボに物品収納具等を取り付けることができる。
なお、ダボは、洗い場側と浴槽側においてそれぞれ同じ高さ位置に設けられているため、パーティション板が透明である場合においても、各ダボの裏面は隠されることとなり、ダボは正面のみが視認され、良好な意匠性が確保される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】浴室内に設置されたパーティション板の設置状態の斜視構成図である。
【図2】パーティション板の拡大斜視構成図である。
【図3】パーティション板の正面拡大構成図である。
【図4】パーティション板の洗い場側には浅型バスケットを設け、浴槽側には深型バスケットを設けた場合の斜視構成図である。
【図5】図4の正面構成図である。
【図6】図4の側面構成図である。
【図7】浅型バスケットの斜視構成図である。
【図8】浅型バスケットの底板と樹脂玉を取り除いたフレーム構造を示す斜視図である。
【図9】深型バスケットの斜視構成図である。
【図10】浅型バスケットと深型バスケットをそれぞれダボに取り付けた状態の側面拡大構成図である。
【図11】バスケットは、下から手が当たっただけでは外れないことを示す説明図である。
【図12】バスケットは、片側のダボを軸として回転させることにより、取り外せることを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、浴室内に設置されたパーティション板の斜視構成図である。
浴室1は、交差する壁パネル2a,2bの内側に浴槽4が設置され、浴槽4のエプロン4a側には洗い場3が形成されている。この洗い場3側の壁パネル2aには鏡5が取り付けられており、鏡5の浴槽4側にパーティション板11が立設状に配置されて、このパーティション板11により浴槽4側と洗い場3側が仕切られている。
【0010】
このパーティション板11は、透明あるいは半透明のポリカーボネートやアクリル等で構成されたものであり、図2の斜視図において、また図3の正面図で示すように、上下の支持ポール7a,7b間に固定状に立設されて、洗い場3側の面および浴槽4側の面には複数のダボ14,14が突出されており、このダボ14に掛止状に浅型バスケット12あるいは深型バスケット13を取り付けることができるように構成されている。
パーティション板11は、支持ポール7a,7bにそれぞれ固設された断面略コの字状の金具10,10内に嵌め込まれて固定されており、また、壁パネル2a側には縦方向にレール9が固設されており、このレール9にパーティション板11の端縁部が嵌め込まれて固定されている。
【0011】
支持ポール7a,7bは、縦方向に長い縦ポール6から水平に突出されたものであり、縦ポール6には、更に支持ポール7bの下方にも水平に突出して支持ポール7cが形成されている。
この縦ポール6から上下に間隔をおいて突出する3本の支持ポール7a,7b,7cの先端側には、それぞれ固定部8a,8b,8cが設けられており、この固定部8a,8b,8cを壁パネル2aにビス等を用いて取り付け固定することで、縦ポール6および3本の支持ポール7a,7b,7cは壁パネル2aに固定される。
なお、縦ポール6の上端にはキャップ6aが設けられ、このキャップ6aを上下方向に位置合わせして、キャップ6aを浴室1の天井面に当接させ、天井面との隙間を埋めることにより、意匠性を高めることができるものである。
【0012】
この縦ポール6には、上下方向にスライドできるようにスライドフック23が取り付けられ、このスライドフック23には、ハンドシャワー22を掛止して使用することができるものである。
ハンドシャワー22に接続されたシャワーホース21は、壁パネル2aの鏡5の下方に設置された水栓17に接続されている。また、この水栓17と鏡5との間には、棚籠16が設けられており、この棚籠16は鏡5の下端に引掛けて取り付けられたものである。
また、水栓17の下方には、配管ボックス18が設置されており、この配管ボックス18は、壁パネル2aと浴槽のエプロン4aに固定されて、内部に配管を通すことができ、良好に内部の配管を隠蔽させることができるものである。
【0013】
この配管ボックス18の上面には、水切り籠19が設置されており、この水切り籠19上には石鹸等を載せて良好に水切りを行うことができるものであるが、この水切り籠19は、ひっくり返すことで、上面が開放された収納ボックスとしても使用できる。
また、配管ボックス18の下方の壁パネル2aには、足元を照らす足元照明20が設置されている。
なお、縦ポール6,支持ポール7a,7b,7cおよび浅型バスケット12,深型バスケット13,棚籠16,水切り籠19等はステンレス製である。
【0014】
なお、パーティション板11は、前述した如く、支持ポール7a,7bにそれぞれ固設された金具10,10に挟まれ、かつ壁パネル2aに固設されたレール9に嵌め込んで、強固に支持されており、パーティション板11の洗い場3側の面および浴槽4側の面には、それぞれダボ14,14が突出されているが、このダボ14は、横並びの一対のダボ14,14が上下に間隔をおいて2個所に突出されており、この横並び一対のダボ14,14に浅型バスケット12あるいは深型バスケット13を掛止して取り付けることができる。
図4では、パーティション板11の上方のダボ14,14の洗い場3側の面に浅型バスケット12を取り付け、浴槽4側の面には深型バスケット13を取り付けた場合を例示している。
【0015】
なお、図5は、図4の正面図であり、図6は、図4の側面図である。
即ち、ダボ14は、洗い場3側の面と浴槽4側の面の同じ高さ位置にそれぞれ表裏に突出して形成されており、洗い場3側の面と浴槽4側の面の同じ高さ位置に浅型バスケット12と深型バスケット13をそれぞれダボ14に引掛けて、同位置に設置することができるものである。
【0016】
ダボ14は、図10の側面拡大図で示すように、突出方向中央部を凹ませて凹溝14aが形成され、ダボ14は全体としてプーリーのような形状に形成されており、この中央部に凹ませた凹溝14aに、浅型バスケット12あるいは深型バスケット13を良好に掛止することができるものである。
なお、ダボ14,14は、洗い場3側と浴槽4側においてそれぞれ同じ高さ位置に設けられているため、パーティション板11が透明である場合においても、各ダボ14の裏面は隠されることとなり、ダボ14は正面のみが視認され、良好な意匠性が確保されている。
【0017】
さらに、洗い場3側と浴槽4側のダボ14,14は同じ高さ位置であるため、図10のように、洗い場3側と浴槽4側にそれぞれ浅型バスケット12と深型バスケット13を配置させた時にも、各バスケット12,13は同じ高さ位置であるため、各バスケット12,13の裏側は隠されることとなり、各バスケット12,13の設置状態の意匠性も良好に確保されるものである。
なお、ダボ14には、バスケット12,13を取り付ける他に、直接ボディブラシなどを引掛けて取り付けることができ、ボディブラシ等の紐をダボ14に引掛けて良好にパーティション板11に沿ってボディブラシ等を収納できるものである。
【0018】
なお、図7は、浅型バスケット12の斜視図を示し、図8は、底板と樹脂玉を取り外した状態の浅型バスケット12のフレーム構造を示す。
図7および図8において、浅型バスケット12は全体がステンレス製であり、長方形の枠状に形成した上枠フレーム12aと、下方の下枠フレーム12bが配置され、引掛け片121の左右両端側から垂下状に垂下片122,122が形成され、各垂下片122の下端では、前方側へ略水平に延びる底片123,123がそれぞれ形成され、各底片123の前端では、上方へ立ち上がる立上片124が形成され、左右の立上片124,124の上端は水平片125で連結されている。
【0019】
左右の垂下片122,122と左右の立上片124,124および水平片125に、それぞれ溶接等で前記上枠フレーム12aと下枠フレーム12bが上下に間隔をおいて固定されており、下枠フレーム12b内には左右の底片123,123上にポリカーボネート製の底板12cが嵌め込まれて設置され、また、ABS製の樹脂玉12dが下枠フレーム12bの側面側および背面側に嵌め込まれて取り付けられている。
このように形成された浅型バスケット12は、引掛け片121をダボ14の凹溝14aに引掛けて、良好にダボ14に取り付けることができるものであり、樹脂玉12dがパーティション板11に当接して傷付きが防がれるように構成されている。
【0020】
また、図9には、深型バスケット13の斜視図を示す。
この深型バスケット13もステンレス製であり、長方形枠状に形成された上枠フレーム13aと下枠フレーム13bが上下に広い間隔をおいて配置され、下枠フレーム13bには、略コの字状に形成した3本の門型底片13c,13cの左右端部がそれぞれ溶接で底側に固定されている。
【0021】
また、引掛け片131の左右端から垂下する垂下片132の各下端には、前方側へ略水平状に底片133が形成され、各底片133の前端から上方へ立ち上げて左右の立上片134,134が形成され、左右の立上片134,134の上端間が水平片135で連結されている。この水平片135を上枠フレーム13aの内側に当接させて溶接等で固定することができ、また、左右の垂下片132,132と左右の立上片134,134に、それぞれ溶接等で上枠フレーム13aおよび下枠フレーム13bが上下に間隔をおいて固定されたものである。
また、下枠フレーム13bの左右側面および背面側にはABS製の樹脂玉13d,13dが取り付けられて構成されている。
この深型バスケット13においても、引掛け片131をダボ14,14に引掛けて、着脱可能に深型バスケット13をパーティション板11に取り付けることができるものであり、樹脂玉13dがパーティション板11に当接して傷付きが防がれるものである。
【0022】
なお、図1のように、上方側に浅型バスケット12を配置し、下方側に深型バスケット13を配置したような場合には、浅型バスケット12内に濡らしたくない物、例えばメガネや乾いたタオル等を収納させることができ、下方の深型バスケット13には、シャンプーやリンスなどを収納させることができるものである。
なお、浅型バスケット12および深型バスケット13は、下から手が当たっただけでは、図11のような状態となるだけで、外れず、落下しにくい構造になっており、取り外す際は、図12のように、横並びの一対のダボ14,14の内の片側のダボ14を軸として回転させることにより、取り外せるようになっている。
【0023】
また、図4に示すように、洗い場3側の面に浅型バスケット12を配置し、浴槽4側の面に深型バスケット13を配置したような場合には、深型バスケット13内には、浴槽4に浸かってくつろぐ時に使用する物、例えばペットボトルとか本とか乾いたタオル等を良好に収納させておくことができ、また、洗い場3側の浅型バスケット12には、洗い場側で身体を洗う時に使用するような物を収納させておくことができる。
また、ダボ14には、前述した如くボディブラシ等を掛止して、良好に収納させておくことができ、パーティション板11の表側の面と裏側の面でそれぞれ効率良く種々の物品を収納させることができて、空間を有効に利用することができるものとなる。
【符号の説明】
【0024】
1 浴室
2a,2b 壁パネル
3 洗い場
4 浴槽
4a エプロン
5 鏡
6 縦ポール
7a,7b,7c 支持ポール
8a,8b,8c 固定部
9 レール
10 金具
11 パーティション板
12 浅型バスケット(物品収納具)
12a,13a 上枠フレーム
12b,13b 下枠フレーム
12c 底板
12d,13d 樹脂玉
13 深型バスケット(物品収納具)
14 ダボ
14a 凹溝
16 棚籠
17 水栓
18 配管ボックス
19 水切り籠
20 足元照明
121,131 引掛け片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽側と洗い場側の境にパーティション板が立設され、該パーティション板には、前記洗い場側の面と前記浴槽側の面のそれぞれに物品収納具を取り付けるダボが設けられていることを特徴とする浴室用パーティション。
【請求項2】
前記パーティション板の洗い場側面および浴槽側面には、同じ位置に上下に間隔をおいて複数のダボが突出されていることを特徴とする請求項1に記載の浴室用パーティション。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−157594(P2012−157594A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20121(P2011−20121)
【出願日】平成23年2月1日(2011.2.1)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【Fターム(参考)】