説明

浴室用ベンチの支持構造

【課題】補強手段に依存することなく簡単かつ強固に支持することができる浴室用ベンチの支持構造を提供する。
【解決手段】浴室1において浴槽2のリム21と洗い場3の床パン31との間をエプロン22により塞ぎ、このエプロン22の一端側を浴槽2及び洗い場3に沿って延びる一方の第1浴室壁面11に、第2浴室壁面12から浴槽2側に延びる浴室用ベンチ5を沿って設ける。この浴室用ベンチ5に、一方の第1浴室壁面11に沿って浴槽2側に延出され、かつその浴槽2側端がエプロン22の内側に位置する支持材51と、この支持材51の上側に設けられ、浴槽側端が浴槽2のリム21とほぼ面一状に接する着座材52と、支持材51の延出方向両端より垂下して当該延出方向両端をそれぞれ支持するベンチ脚53,54とを設ける。そして、支持材51の浴槽側端の支持脚53を、エプロン22の内側に収容している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室の洗い場に設置される浴室用ベンチの支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、浴室においては、互いに隣接する浴槽及び洗い場と、前記浴槽の上縁より外側に張り出すリムと前記洗い場の床との間を塞ぐエプロンと、このエプロンの一端側を浴槽及び洗い場に沿って延びる浴室壁面とを備えている。
また、前記浴室壁面に沿って浴槽側に延びる長尺な略矩形状の浴室用ベンチを備えたものもある。
【0003】
そして、前記浴室用ベンチの支持構造としては、例えば特許文献1に示すように、基端を前記浴室壁面に所定間隔おきにそれぞれ取り付けて他端を反浴室壁面側(洗い場側)へ向かって略水平に延ばした複数の片持ち支持材によって浴室用ベンチを片持ち支持するようにしたものが知られている。また、このものでは、各片持ち支持材の先端を第2壁面と平行に延びる支持材によって支持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−34184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、前記従来のものでは、浴室用ベンチを複数の片持ち支持材により片持ち支持しているため、複数、例えば3つ以上の片持ち支持材の一端をそれぞれ第2壁面に取り付ける際には、その取り付け作業に熟練を要し、各片持ち支持材の箇々の取付位置にバラツキつまり高低差が生じるおそれがあり、各片持ち支持材に高低差が生じていると、各片持ち支持材によって浴室用ベンチを均等に支えることができず、浴室用ベンチを強固に支持することができない。また、壁面自体の剛性では十分な支持強度が得られないため、支持材などの補強手段が別途必要となり、浴室用ベンチの支持構造が複雑なものとなる。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、補強手段に依存することなく簡単かつ強固に支持することができる浴室用ベンチの支持構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明では、浴室用ベンチの支持構造として、浴室において互いに隣接する浴槽及び洗い場と、前記浴槽のリムと前記洗い場の床との間を塞ぐエプロンと、このエプロンの一端側を前記浴槽及び前記洗い場に沿って延びる浴室壁面と、この浴室壁面に沿って前記浴槽側に延びる浴室用ベンチとを備え、前記浴室用ベンチが、前記浴室壁面に沿って前記浴槽側に延出され、かつその延出方向の浴槽側端が前記エプロンの内側に位置する支持材と、この支持材の上側に設けられ、浴槽側端が前記浴槽のリムとほぼ面一状に接する着座材と、前記支持材の延出方向両端より垂下して当該延出方向両端をそれぞれ支持する支持脚と、を有している。そして、前記支持材の浴槽側端の支持脚が、前記エプロンの内側に収容されていることを特徴としている。
この特定事項により、支持材の延出方向両端より垂下する支持脚によって当該支持材の両端が床面に対し支持され、浴室壁面に対し支持したもののように箇々の取付位置にバラツキつまり高低差が生じることがなく、浴室用ベンチを強固に支持することが可能となる。しかも、浴室用ベンチを支持するに当たって補強手段に依存する必要がなく、浴室用ベンチの支持構造を簡単なものにすることが可能となる。
また、支持材の浴槽側端の支持脚が、エプロンの内側に位置する支持材の浴槽側端より垂下し、エプロンの内側に収容されている。これにより、支持脚によって洗い場が狭くなることがなく、洗い場を広くして有効利用することが可能となる。
【0008】
また、前記支持材の反浴槽側端の支持脚が、化粧カバーの内側に収容されていることが好ましい。
この場合には、支持材の延出方向両端よりそれぞれ垂下する支持脚が化粧カバー及びエプロンにより円滑に遮蔽されて見栄えを向上させることができる。
【0009】
また、前記支持材の反浴槽側端が、前記洗い場を隔てて前記浴槽に向き合う浴室壁面まで延出されているとともに、前記化粧カバーが前記浴槽に向き合う浴室壁面に接していることが好ましい。
この場合には、浴槽に向き合う浴室壁面まで延出された支持材の反浴槽側端より垂下する反浴室側の支持脚が、当該浴室壁面に接する化粧カバーの内側に収容されているので、化粧カバー自体が浴槽に向き合う浴室壁面とほぼ一体化し、反浴室側の支持脚の見栄えをより一層向上させることができる。
【0010】
前記化粧カバーが、前記浴槽に向き合う浴室壁面を上下方向へ延びる給湯管を遮蔽するために供されたものであることが好ましい。
この場合には、反浴槽側の支持脚を内側に収容する化粧カバーとして、浴槽に向き合う浴室壁面を上下方向へ延びる給湯管を遮蔽するための化粧カバーが適用されるので、反浴槽側の支持脚を隠すための化粧カバーを別途設けなくとも兼用でき、部品点数の削減化を図ることができる。
【0011】
更に、前記各支持脚には、高さを調整する高さ調整機構がそれぞれ設けられていることが好ましい。
この場合には、各支持脚の高さ調整機構によって、支持材の浴槽側端とこれをエプロンの内側に通す孔との位置合わせが円滑に行える。これにより、エプロンの孔に対する支持材の位置合わせ作業が簡単に行われ、浴室用ベンチの取付作業を効率よく図ることができる。
しかも、各支持脚に高低差が存在していてもその高低差が高さ調整機構によって簡単に解消され、支持材の水平度を確実に得ることができる。
【発明の効果】
【0012】
以上、要するに、支持材の延出方向両端より垂下する支持脚によって当該支持材の両端を支持することで、各支持脚によって支持材を床面に対し強固に支持し、箇々の取付位置に高低差を生じさせることなく浴室用ベンチを強固に支持することができる。また、浴室用ベンチを支持するに当たって補強手段に依存する必要がなく、浴室用ベンチの支持構造を簡単なものにすることができる。しかも、支持材の浴槽側端より垂下する支持脚をエプロンの内側に収容することで、支持脚によって洗い場が狭くなることがなく、洗い場を広くして有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係る支持構造を用いた浴室用ベンチ付近を浴槽側から見た浴室の斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る支持構造を用いた浴室用ベンチ付近を浴槽及び洗い場に沿って延びる浴室壁面側から見た浴室の斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る支持構造を用いた浴室用ベンチ付近を洗い場側から見た浴室の斜視図である。
【図4】図3のエプロン、ベンチ配管カバー及びベンチ横桟前カバーを取り外した状態で浴室用ベンチ付近を洗い場側から見た浴室の斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る支持構造を用いた浴室用ベンチの支持材及び着座材を下側から見た底面図である。
【図6】図5の浴室用ベンチを第2浴室壁面側から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0015】
図1及び図2において、1は本発明の実施の形態に係る浴室用ベンチの支持構造が適用される浴室であって、この浴室は、平面視で略矩形状を呈し、その周囲が4枚の浴室壁面11,12(図1では2枚のみ示す)により覆われている。また、浴室1には、浴槽2及び洗い場3が互いに隣接して設けられている。前記浴槽2は、その上縁より外側に張り出すリム21によって平面視で略長方形状に形成されている。この場合、浴槽2は、洗い場3に対し長尺なリム21側の面が隣接している。
【0016】
前記浴室1は、前記浴槽2のリム21と前記洗い場3の床としての床パン31との間を塞ぐ樹脂製(例えばABS樹脂など)のエプロン22を備えている。前記床パン31の浴槽2側端には、上方へ起立する起立部位32が一体的に設けられている。そして、前記エプロン22は、浴槽2の長尺なリム21の両端側において短尺なリム21に沿って延びる2枚の第1浴室壁面11(図1及び図2では一方のみ示す)の間に亘って浴槽2の洗い場3側面を遮蔽するものであり、洗い場3側からの水の侵入を防いでいる。この場合、エプロン22は、洗い場3側の長尺なリム21の外方端に上端を係合させた状態で当該上端を支点にして洗い場3側から浴槽2側へ下端を揺動させることによって、床パン31の起立部位32に取り付けた係合具(図示せず)に下端が係合して保持されるようになっている。
【0017】
そして、図3及び図4に示すように、前記各第1浴室壁面11の反浴槽2側端(図3及び図4では左端)同士を連結する第2浴室壁面12の一方の第1浴室壁面11側となる一端側(図3及び図4では紙面奥側)には、樹脂製(例えばABS樹脂など)の水栓ボックス4が取り付けられている。前記第2浴室壁面12は、前記エプロン22の一端側を浴槽2の短尺なリム21及び洗い場3に沿って延びている。また、前記浴室1は、前記一方の第1浴室壁面11に沿って浴槽2側に延びる浴室用ベンチ5を備えている。この場合、浴室用ベンチ5は、第2浴室壁面12から浴槽2まで延設されている。
【0018】
この浴室用ベンチ5は、前記一方の第1浴室壁面11に沿って前記第2浴室壁面12から浴槽2側に延出された支持材51と、この支持材51の上側に設けられた樹脂製(例えばABS樹脂など)の着座材52と、前記支持材51の延出方向両端より垂下して当該延出方向両端をそれぞれ支持する支持脚としてのベンチ脚53,54とを備えている。前記支持材51は、第2浴室壁面12と浴槽2との間に亘って延びている。
【0019】
前記支持材51は、図5及び図6にも示すように、前記第2浴室壁面12から浴槽2側(図5では右側)に延出された断面略ハット状の一対のベンチ横桟511,511と、この各ベンチ横桟511の両端を連結する断面略L字状の連結アングル512と、各ベンチ横桟511同士を所定間隔おきに連結する3つの連結金具513,513,…とを備えている。この各ベンチ横桟511は、一方の第1浴室壁面11側に位置するベンチ横桟511と、洗い場3側に位置するベンチ横桟511とからなる。
【0020】
また、前記着座材52は、前記第2浴室壁面12から浴槽2側に延出された一対のベンチ材521,522よりなる。この各ベンチ材521,522は、前記一方の第1浴室壁面11側に位置するベンチ材521と、洗い場3側に位置するベンチ材522とからなる。そして、前記各ベンチ材521,522は、それぞれ連結アングル512,512の上端フランジ(図示せず)に対しベンチ材521,522同士の間に微小な隙間を存してビス止めされている。そして、前記各ベンチ材521,522の浴槽2側端は、前記洗い場3側の長尺なリム21に対しほぼ面一状に接している。また、ベンチ材521,522の上面は、その両者521,522間の隙間に近付くに従い下方に位置するようなテーパ面に形成され、着座材52上に溜まった水を前記隙間を介して積極的に排水できるようにしている。この場合、各ベンチ材521,522の浴槽2側端が洗い場3側の長尺なリム21に対しほぼ面一状に接していることで、浴室用ベンチ5に着座した状態で浴槽2側へ移動すれば、浴槽2へ安易に入水することができるようになっている。
【0021】
前記各ベンチ脚53,54は、前記洗い場3側のベンチ横桟511の両端と交差する前記各連結アングル512の洗い場3側端よりそれぞれ下方に突出するボルト材50,50に上端が螺着されて取り付けられている。また、前記各ベンチ脚53,54の下端には、浴室用ベンチ5の延出方向両端においてそれぞれ高さを調整する高さ調整機構55がそれぞれ設けられている。この高さ調整機構55は、正回転方向(例えば時計回りの方向)への回動により各ベンチ脚53,54の長さを上下方向に伸長させる一方、逆回転方向(例えば反時計回りの方向)への回動により各ベンチ脚53,54の長さを上下方向に収縮させるようにしている。
【0022】
そして、前記各ベンチ横桟511の浴槽2側端は、前記エプロン22の上縁にそれぞれ切り欠いた切欠孔221,221を介して当該エプロン22の内側に位置している。この切欠孔221,221の周囲にはパッキン(図示せず)が設けられ、各ベンチ横桟511の浴槽2側端に対するシール性を確保している。また、前記洗い場3側のベンチ横桟511の浴槽2側端に連結アングル512を介して取り付けられたベンチ脚53の下端、つまり浴室用ベンチ5の浴槽2側端より垂下するベンチ脚53の下端(高さ調整機構55)は、前記床パン31の起立部位32の上面に固定具34を介して固定されている。この場合、浴室用ベンチ5の浴槽2側端より垂下するベンチ脚53は、エプロン22によって洗い場3側から遮蔽されている。
【0023】
一方、前記一方の第1浴室壁面11側のベンチ横桟511の第2浴室壁面12側端に連結アングル512を介して取り付けられたベンチ脚54の下端、つまり浴室用ベンチ5の第2浴室壁面12側端より垂下するベンチ脚54の下端(高さ調整機構55)は、洗い場3の床パン31に接地されている。そして、浴室用ベンチ5の第2浴室壁面12側端のベンチ脚54は、その第2浴室壁面12に沿って取り付けられた化粧カバーとしてのベンチ配管カバー56の内側に収容されて洗い場3側から遮蔽されている。このベンチ配管カバー56は、浴室用ベンチ5の第2浴室壁面12側端の下方に位置する床パン31より導出されて第2浴室壁面12に沿って上方へ延びる給水管501及び給湯管502を浴室用ベンチ5の下側において遮蔽するために供された樹脂製(例えばABS樹脂など)のものである。そして、前記ベンチ配管カバー56には、前記浴室用ベンチ5の第2浴室壁面12側端より垂下するベンチ脚54を内側に挿通させる挿通孔(図示せず)が設けられている。
【0024】
また、前記一方の第1浴室壁面11と第2浴室壁面12との角部には、前記浴室用ベンチ5より上方へ延びる樹脂製(例えばABS樹脂など)の配管カバー57が取り付けられている。この配管カバー57は、前記一方の第1浴室壁面11側のベンチ材521の第2浴室壁面12側端に切り欠かれた切欠部122を介して前記浴室用ベンチ5より上方へ延設され、その延設端が前記水栓ボックス4に接続されている。そして、前記ベンチ配管カバー56の内側において纏められた給水管501及び給湯管502が、前記配管カバー57の内側に収容されて前記水栓ボックス4まで導かれている。この水栓ボックス4には、先端にシャワーノズル(図示せず)が設けられたシャワーホース62の基端が取り付けられている。また、前記第2浴室壁面12には、前記シャワーノズルを係止するシャワーフック(図示せず)が取り付けられている。この場合、浴室用ベンチ5に着座した状態でシャワーノズルからのシャワー水を浴びることが可能となり、このシャワーノズルが第2浴室壁面12のシャワーフックに係止されていることで、浴槽2との距離が確保されてシャワーノズルからのシャワー水が浴槽2に入り難くしている。
【0025】
そして、前記一方のベンチ横桟511は、前記一方の第1浴室壁面11に取り付けられた断面略L字状の支持金具58によって支持されている。また、前記洗い場3側のベンチ横桟511には、浴室用ベンチ5の下部つまり洗い場3側のベンチ横桟511を洗い場3から遮蔽するための樹脂(例えばABS樹脂など)よりなる断面略L字状のカバーステー59が取り付けられている。更に、前記一方の第1浴室壁面11には、第2浴室壁面12側から浴槽2側に向かって略水平に延びる手摺り66が設けられ、浴室用ベンチ5に着座した状態での浴槽2側への移動がスムーズに行えるようにしている。
【0026】
したがって、本実施の形態では、浴室用ベンチ5の浴槽2側端より垂下するベンチ脚53によって支持材51(ベンチ横桟511,511)の浴槽2側端が床パン31の起立部位32の上面に支持されている一方、浴室用ベンチ5の第2洋室壁面12側端より垂下するベンチ脚54によって支持材51の第2浴室壁面12側端が洗い場3の床パン31に対し支持され、一方の第1浴室壁面に対し片持ち支持したもののように箇々の取付位置にバラツキつまり高低差が生じることがなく、浴室用ベンチ5を強固に支持することができる。しかも、浴室用ベンチ5を支持するに当たって補強手段に依存する必要がなく、浴室用ベンチ5の支持構造を簡単なものにすることができる。
【0027】
また、浴室用ベンチ5の浴槽2側のベンチ脚53が、エプロン22の内側に位置する浴室用ベンチ5の浴槽2側端より垂下し、エプロン22の内側に収容されている。これにより、浴室用ベンチ5の浴槽2側のベンチ脚53によって洗い場3が狭くなることがなく、洗い場3を広くして有効利用することができる。
【0028】
また、浴室用ベンチ5の第2浴室壁面12側端より垂下するベンチ脚54が、第2浴室壁面12まで延設された支持材51の第2浴室壁面12側端より垂下し、第2浴室壁面12に沿って取り付けられたベンチ配管カバー56の内側に収容されているので、第2浴室壁面12側のベンチ脚54がベンチ配管カバー56により円滑に遮蔽され、エプロン22の内側に収容された浴槽2側端のベンチ脚53と相俟って見栄えを向上させることができる。
しかも、ベンチ配管カバー56が、浴槽2に向き合う第2浴室壁面12を上下方向へ延びる給水管501及び給湯管502を遮蔽するために供されたものであるので、ベンチ配管カバー56自体が浴槽2に向き合う第2浴室壁面12とほぼ一体化し、第2浴室壁面12側のベンチ脚54の見栄えをより一層向上させることができる。更に、第2浴室壁面12側のベンチ脚54を隠すための化粧カバーなどを別途設けなくとも兼用でき、部品点数の削減化を図ることができる。
【0029】
更に、前記各ベンチ脚53,54には、各ベンチ脚53,54の長さを上下方向に伸縮させて高さを調整する高さ調整機構55がそれぞれ設けられているので、各ベンチ脚53,54の高さ調整機構55によって、支持材51の各ベンチ横桟511の浴槽2側端とこれをエプロン22の内側に通す切欠孔221,221との位置合わせが円滑に行える。これにより、エプロン22の各切欠孔221に対する各ベンチ横桟511の浴槽2側端の位置合わせ作業が簡単に行われ、浴室用ベンチ5の取付作業を効率よく図ることができる。
しかも、各ベンチ脚53,54に高低差が存在していてもその高低差が高さ調整機構55によって簡単に解消され、支持材51の水平度を確実に得ることができる。
【0030】
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。例えば、前記実施の形態では、支持材51を第2浴室壁面12まで延設したが、支持材が第2浴室壁面まで延設されていなくてもよく、その場合には、支持材の第2浴室壁面側端より垂下するベンチ脚が専用の化粧カバーの内側に収容されるようにしてもよい。
【0031】
また、前記実施の形態では、浴室用ベンチ5の浴槽2側端より垂下するベンチ脚53をエプロン22の内側に収容したが、この浴槽側のベンチ脚がエプロンの内側に対し弾性材などを介して接するようにしてもよい。この場合には、エプロンがベンチ脚によって効率よく支えられ、エプロンの剛性を効果的に高めることが可能となる。
【0032】
また、前記実施の形態では、着座材52を一対のベンチ材521,522により構成したが、3枚以上のベンチ材、または単一のベンチ材により着座材が構成されていてもよい。その場合、単一のベンチ材よりなる着座材では、この着座材上に溜まった水を排水するための孔を設けておくことが好ましい。
【符号の説明】
【0033】
1 浴室
11 第1浴室壁面(エプロンの一端側を浴槽及び洗い場に沿って延びる浴室壁面)
12 第2浴室壁面(浴槽に向き合う浴室壁面)
2 浴槽
21 リム
22 エプロン
3 洗い場
31 床パン(床)
5 浴室用ベンチ
502 給湯管
51 支持材
52 着座材
53,54 ベンチ脚(支持脚)
55 高さ調整機構
56 ベンチ配管カバー(化粧カバー)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室において互いに隣接する浴槽及び洗い場と、前記浴槽のリムと前記洗い場の床との間を塞ぐエプロンと、このエプロンの一端側を前記浴槽及び前記洗い場に沿って延びる浴室壁面と、この浴室壁面に沿って前記浴槽側に延びる浴室用ベンチとを備え、
前記浴室用ベンチが、
前記浴室壁面に沿って前記浴槽側に延出され、かつその延出方向の浴槽側端が前記エプロンの内側に位置する支持材と、
この支持材の上側に設けられ、浴槽側端が前記浴槽のリムとほぼ面一状に接する着座材と、
前記支持材の延出方向両端より垂下して当該延出方向両端をそれぞれ支持する支持脚と、
を有しており、
前記支持材の浴槽側端の支持脚が、前記エプロンの内側に収容されていることを特徴とする浴室用ベンチの支持構造。
【請求項2】
前記支持材の反浴槽側端の支持脚が、化粧カバーの内側に収容されている請求項1に記載の浴室用ベンチの支持構造。
【請求項3】
前記支持材の反浴槽側端が、前記洗い場を隔てて前記浴槽に向き合う浴室壁面まで延出されているとともに、
前記化粧カバーが前記浴槽に向き合う浴室壁面に接している請求項2に記載の浴室用ベンチの支持構造。
【請求項4】
前記化粧カバーが、前記浴槽に向き合う浴室壁面を上下方向へ延びる給湯管を遮蔽するために供されたものである請求項3に記載の浴室用ベンチの支持構造。
【請求項5】
前記各支持脚には、高さを調整する高さ調整機構がそれぞれ設けられている請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の浴室用ベンチの支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−229805(P2011−229805A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104806(P2010−104806)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(501362906)積水ホームテクノ株式会社 (89)
【Fターム(参考)】