説明

浴室用椅子

【課題】 本発明は、浴槽内で使用される椅子として用途が限定されることなく、また天然鉱物によって、水の性質を改質させることができる浴室用椅子を提供することを目的とする。
【解決手段】浴室用椅子(以下、単に椅子と称する)1は、椅子部2と、その椅子部2の座部20下に取付けられるタンク3からなる。タンク3は、流入出部としての第1の口30及び第2の口31と、これらの口30、31から流入する水を天然鉱物に通してその水の性質を改質させる水質改質部32を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本物品は、風呂場等に配置するもので、例えば給湯装置からの給湯水の水質を改質させて、そのシャワーを楽しむことができる浴室用椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、水の性質を改質させ、その水を種々の用途に利用する技術が開発されている。その一例は、温泉場に出向かなくても温泉につかることができるような効果を奏するものとして、水に温泉効果を与える考案である。
例えば、特許文献1では、業務用又は家庭用の水処理装置及び水処理方法に関し、詳しくは、温泉成分を含有する擬似温泉水の製造装置及び擬似温泉水製造方法が開示されている。
しかし、この擬似温泉水の製造装置では、陰極4と陽極5の間に、陽イオン濃縮室1、陽イオン交換体6が充填されている軟化処理室Dc、添加剤含有水溶液通水室R、陰イオン濃縮室2及び陽極室3が、陰極4側からこの順に配置されており、陽イオン濃縮室1と軟化処理室Dcの間には陽イオン交換膜8aが、軟化処理室Dcと添加剤含有水溶液通水室Rの間には陽イオン交換膜8bが、添加剤含有水溶液通水室Rと陰イオン濃縮室2の間には陰イオン交換膜9aが、陰イオン濃縮室2と陽極室3の間には陽イオン交換膜8cが配設されてなるもので、装置自体が複雑である。従ってそのメンテナンスも手間がかかることが推測される。
【0003】
一方、特許文献2では、浴槽内に配置して、浴湯に有効成分を溶出させたり浴湯水に相応の刺激を与えて、家庭の浴湯に優れた温泉効果を有せしめる温泉器が開示されている。
この温泉器は、内箱体1、内蓋体2、外箱体3、外蓋体4からなり、内箱体1は、その内部に接触物質Aとしてトルマリン鉱石(電気石の一種)の微粉末を適宜なセラミックス粉末と混合して焼結したペレットを配置している。かかる温泉器ではメンテナンスも手間がからず、更に外箱は浴槽内椅子として使用できる大きさとしたものであるから、任意の接触物質を使用しての温泉効果を満喫でき、而も浴槽内椅子として使用すると、半身浴(腰湯)を容易に行うことができる等の利点がある。
【特許文献1】特開20006−35025号公報
【特許文献2】実用新案登録第3036815号公報
【0004】
しかし、この温泉器では、浴槽内で使用される椅子として用途が限定されているというデメリットがあり、また接触物質の種類も限定されるものであった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、浴槽内で使用される椅子として用途が限定されることなく、また各種天然鉱物によって水の性質を改質させることができる浴室用椅子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、水を天然鉱物に通してその水質に変化を与える水質改質部並びにこの水質改質部に対し水が流入及流出可能な、少なくとも2つの流入出部を備えたタンクと、このタンクを座部下に配置した椅子部からなる浴室用椅子である(請求項1の発明)。
【0007】
上記発明において、前記タンクの流入出部は、いずれか一方が給湯装置に接続され、他方がシャワーヘッドに接続されていることを特徴とする浴室用椅子とした(請求項2の発明)。
【0008】
上記発明において、前記椅子部は檜で作製されていることを特徴とする浴室用椅子とした(請求項3の発明)。
【0009】
上記発明において、前記椅子部の左右の脚には、給湯装置からの給湯ホースを脚間に通過させる孔が設けられていることを特徴とする浴室用椅子とした(請求項4の発明)。
【発明の効果】
【0010】
上記発明によれば、タンクの水質改質部により改質される水と、椅子部の「檜」により放出される木の香りにより、浴室をリラクセーションの場に変えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明に係る浴室用椅子を図面に基づき説明する。
図1は実施形態に係る浴室用椅子の斜視図、図2は同椅子の分解側面図、図3は同椅子のタンク部の断面図、図4は同椅子の使用状態説明図である。
なお、前記各図において、同一の符号は同一の構成を示すものとし、重複した説明は避けることとする。
【0012】
図1に示したように、浴室用椅子(以下、単に「椅子」とも称する)1は、椅子部2と、その椅子部2の座部20下に取付けられるタンク3からなる。
タンク3は、流入出部としての第1の口30及び第2の口31と、これらの口30、31から流入する水を天然鉱物に通してその水の性質を改質させる水質改質部32を備えている。
【0013】
前記椅子部2は、座部20と脚部21と桟部22からなり、図2に図示したように、脚部21が上下に分割されて、上椅子部2Aと下椅子部2Bに分割可能に構成されている。
前記下椅子部2Bの両脚部21、21には上椅子部2Aとの分割面23に設けられた固定突起24、24と、これらの固定突起24、24の中間にその中心が略位置する上開きの半円形の窓25と、この窓25の下方に円窓26、26が設けられている。
一方、上椅子部2Aの脚部21、21には前記固定突起24、24に対応する固定孔27、27と、前記窓25、25に対応する下開きの半円形の窓28、28が設けられている。
前記固定突起24、24が固定孔27、27に嵌め込まれると共に、前記窓25、25、28、28により形成される円形の開口に、前記タンク3の両端部33、33が挟まれるように取付けられている。
【0014】
前記円窓26、26は、給湯装置からの給湯ホース4を脚部21、21間に通過させるもので、これらの孔26、26を介して給湯ホース4をタンク3の第1の口30又は第2の口31に取付けることにより、入浴者がホースに煩わされないようになっている。
【0015】
以上のように構成された椅子部2は、木材の「檜」で作製されている。椅子部2を檜で作製することで、この椅子1を例えば現代の無機質なバスユニット等の浴室内に配置することによって、椅子1が檜独特の香りを放ち入浴者をリラックスさせることができる。
また、檜の「ヒノキチオール」は、抗菌作用を持ち、浴室内で菌を繁殖させない等の作用があるので、椅子1を浴室内に配置することで、浴室を清潔に保つことができる。
【0016】
前記タンク3の水質改質部32は円筒状に形成され、その内部には図3に図示したように、天然鉱物Gを中心に略左右対称に、A〜Fの各天然鉱物が配置されている。
A〜Gの各鉱物を例示すれば、天然鉱物Aはトルマリン原石、同Bは戸室石、同Cは雲母、同Dは抗菌セラミック、同Eは医王石、同Fは活性炭、同Gは水晶となっている。
これらの天然鉱物A〜Gに水を通すことで、水の原子の正電荷(+)と負電荷(−)、その磁性(N極と、S極)がバランスよく融合し合う、安定した性質に改質させる(本書において水の初期化と表現する)ことができる。
【0017】
トルマリン原石には、これが含有するミネラル成分を水に溶出させる作用かある。
戸室石は、水に含まれている塩素、硝酸、亜硝酸、大腸菌等を吸着する吸着作用、PH調整作用、酸化・還元等の触媒作用がある。
雲母は、酸化チタンを多く含んだルチン雲母が好ましい。このルチン雲母は、UVカット等にも広く用いられるもので、水の屈折率を変えることができ、水を雲母に通すことで、改質された水により日焼けを抑える効果が期待される。
医王石は戸室石と同様の作用を奏するほか、人体に有用なミネラル成分を水の中に溶出させることができる。
活性炭は、有機物質等に対する吸着作用に優れた作用を奏する。
水晶は、古代より祈祷や儀式あるいは病気治療などに使用され、すべてに対しての調和を生み出し、それらを結合、強化して更なる力を発揮するように導く。具体的には新陳代謝を活発にして細胞の再生を促し、免疫力を高めて体内に蓄積された毒素を排泄する作用があるとされている。
また、水晶は、アルファ波を出すという特性があり、これを利用して水を滑らかにし、また水の持つ特性を水晶の持つ特性に組合わせることにより、水の浄化作用と水の初期化に有効に作用させることができる。
【0018】
なお、天然鉱物A〜Gの各鉱物は上記の構成に限定されるものではなく、その取捨選択により、種々の効果を得ることができる。その他の例として、天然鉱物Gの水晶に、ローズクォークとガーネットを加えてもよい。
ローズクォークは、慈悲、優しさ、和やかさを象徴する鉱物とされ、持つ人を柔らかな波動で包み、感情面での安定を促し、みずみずしい若さと健康を保つ力があるとされている。具体的には内分泌の働きを良くして肌のハリをもたせ、シワを減らす作用があるとされている。
ガーネットは、古くは「燃える石炭」と呼ばれ、身を守り優れた治療薬として用いられた宝石で、持つ人に変わらぬ愛情が保証され、忠実さや貞操を守る力があるとされている。具体的には血管の循環を良くすると共に、体内の毒素排泄する作用があるとされている。
【0019】
このように、天然鉱物Gを中心に略左右対称にA〜Fの各天然鉱物を配置したことにより、椅子1の全体の重量のバランスを図ることができ、使い勝手が向上するという効果を奏する。また、人体のツボである「チャクラ」の一つの肛門に作用するアルファ波を出す水晶が、タンク3の中心の天然鉱物Gに配置される。
【0020】
前記円筒状の水質改質部32の両側部のフランジ33、33は、円形に形成されており、また前記フランジ33、33内側と、EとF間にそれぞれ中敷アミ34が設けられている。
なお、前記フランジ33内側に水を濾過する各種フィルターを設けても良い。
【0021】
前記各口30、31は、前記フランジ33の円形の略中心に設けられたもので、各口にはネジが切られ、それぞれ給湯ホース4又はシャワーホース5を接続できるようになっている。
【0022】
この椅子1を使用するには、図4のように、前記口30、31のいずれかにシャワーホース5を接続し、他方の前記口30、31に給湯ホース4を接続した後、給湯部から給湯して、シャワーホース5のヘッド50から温泉水を噴出させる。
【0023】
以上のように構成された浴室用椅子1によれば、次のような作用効果を奏する。
1) この浴室用椅子1をシャワー用椅子として使用することで、手軽に温泉気分を味わうことができる。
2) 浴室用椅子1のタンク3に収容されている天然鉱物に水を通し、その水に含まれる有機物質等に対する吸着作用等が奏され、またミネラル成分が水に溶出することで、水の性質を改質させることができる。
また、この浴室用椅子1のタンク3を通した水には、水道水や蒸留水と比較して、電気伝導度が高く、より多くの電解質が含まれているという特質がある。
3) 椅子部2の「檜」の香りが浴室内に立ち上ることで、温泉気分を高めることができる。
4) 椅子部2の「檜」の「ヒノキチオール」により、浴室を清潔に保つことができる。
5) タンク3は、椅子部2の座部20下に配置されているので、使用に際し、煩わしさがない。
【0024】
その他、浴室用椅子1をそのまま湯船に沈めて使用することもできる。この場合には水圧や水中で発生する水流により各口30、31から水が流入したり流出することで上記効果を得ることができる。
また、浴室用椅子1をそのまま湯船に沈めて使用する場合には、入浴者の毛穴や皮脂線から脂が溶け出して、美肌効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施形態に係る浴室用椅子の斜視図、
【図2】同椅子の椅子部の分解側面図、
【図3】同椅子の断面図、
【図4】同椅子の使用状態説明図である。
【符号の説明】
【0026】
1 浴室用椅子 2 椅子部
3 タンク 4 シャワーホース
20 座部
21 脚部 22 桟部
30 第1の口 31 第2の口
32 水質改質部 33 フランジ
34 中敷アミ

2A 上椅子部 2B 下椅子部
24、24 固定突起 25 窓
26 円窓 27 固定孔
28、28 窓 30 第1の口
31 第2の口
4 ヘッド
5 給湯ホース
A〜F 各天然鉱物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を天然鉱物に通してその水質に変化を与える水質改質部並びにこの水質改質部に対し水が流入及流出可能な少なくとも2つの流入出部を備えたタンクと、
このタンクを座部下に配置した椅子部からなる浴室用椅子。
【請求項2】
前記タンクの流入出部は、いずれか一方が給湯装置に接続され、他方がシャワーヘッドに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の浴室用椅子。
【請求項3】
前記椅子部は檜で作製されていることを特徴とする請求項1に記載の浴室用椅子。
【請求項4】
前記椅子部の左右の脚には、給湯装置からの給湯ホースを脚間に通過させる孔が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の浴室用椅子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−207510(P2009−207510A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−50340(P2008−50340)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(504097926)
【Fターム(参考)】