説明

浴室用椅子

【課題】
一つの浴室用椅子で親子等、座高に差がある人同士が、背中を洗い合う動作を楽にする事ができ、小さな子供が座って浴室床に足が届かなくても、椅子に付いている足置きに足を置くことで安定させる事ができる。
【解決手段】
座面2、3が上下2段に連設されており、上方の座面2と下方の座面3が結合されている。このように座面が大きく上下に2段連設し、結合しているので親子等での利用が可能になり、座高に差がある人同士が、背中を洗い合う動作を楽にする事ができ、側壁5から段差60が結合されているので、その段差を足置きとして利用し、身体を安定させる事ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公衆浴場、一般家庭浴室の複数人で座るための椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の浴室用椅子には、一人で体を洗う際に利用する事を目的として、親子等、複数人で利用できるよう大小複数の浴室用椅子を収容できるよう施したものがある。(出願番号 特願平9−298340参照)。
【0003】
また、高齢者が身体を洗浄する動作を容易に行える事を目的として、上下2段の座面をなだらかな傾斜面によって結合したものがある。(出願番号 特願平9−104888参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−128103号公報
【特許文献2】特開平10−295575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、親子等で背中を洗い合う(体を洗い合う)際に大小複数の浴室用椅子を用意すると、座りながら背中を洗い合うことは可能となるが、従来の浴室用椅子に、二人以上で座る座面スペースが無いので、一つの椅子に親子で座り、背中を洗い合う事が出来なかった。また、公衆浴場では、各洗い場に一つの浴室用椅子しか置いてない為、一箇所の洗い場を複数人で使用したい時に、他の洗い場の浴室用椅子を持って来る事になり、他人に迷惑が掛かった。そして、座高の違う親子等が、背中(体)を洗い合う際、従来の浴室用椅子では、お互いに洗いずらく、椅子の種類にもよるが、子供が椅子に座ったときに足が浴室床に届かなく、不安定で危険性があった。
【0006】
したがって、この発明の目的は、一つの浴室用椅子に、親子等、複数人で座り、座高が違っても、背中(体)を洗いやすくし、小さな子供が安定して座る事が可能となる浴室用椅子を提供する事である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明の浴室用椅子は、座面が上下2段に連設され、結合していて、側面周りには、段差が付いている。
【0008】
このように、一つの浴室用椅子で上下2段に連設、結合されているので、親子等の座高の差に関係なく背中を洗い合う事ができ、側面周りには、段差が付いているので、子供の足を置くことができる。
【0009】
また、前の人の背中を洗いやすくするため、上の座面を前後、左右、上下自由にスライドできる様に上下の座面の結合部を危険性の無い止め具で固定する事も好ましく、下段の座面の高さ調節も同じ止め具で自由に固定できると、より良い。
【0010】
上の座面に座った時の安定、安全性を考えると、上座面の背凭れを付ける事や、椅子と浴室床の接する面に滑り止めをつける事、浴室用椅子の側壁をピラミッド状に斜めにして安定感を出す事もできる。
【0011】
複数人が座れて収納性も考えると、コンパクトにする時は、上段と下段をスライドさせて、上段座面の下に下段座面が入るようにすると、より便利である。
【0012】
請求項1の発明の浴室用椅子の材質は、特に限定されず、例えば、肌触りが柔らかで、身体への接触時に冷たさを感じさせない高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性合成樹脂、繊維強化不飽和ポリエステル樹脂(FRP)等が挙げられる。
【0013】
請求項1の座面の形状は、特に限定されないが、安定して腰をかける事が出来るよう、楕円、曲面状に凹んでいるのが好ましく、汚水等が溜まらないよう、中央に水抜き孔を付けるのが好ましい。また、座面の面積をそれぞれ変えても体格により座りやすい。
【0014】
請求項1の上下2段の結合部の形状は、特に限定されないが、傾斜であれば、背凭れとして用いる事により姿勢が楽になる。
【発明の効果】
【0015】
この発明の浴室用椅子によれば、叙上の通り構成されているので複数人でも座れると同時に、親子等で入浴し、背中を洗い合う際に便利に使用することができる。また、上段に座る子供が、浴室床に足が届かなくても身体が安定するように、足も置く事ができ、安全である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】請求項1の発明の浴室用椅子の1例を示す図。
【図2】図1に示されている請求項1の発明の浴室用椅子の使用状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下請求項1の発明の浴室用椅子の実施例を図面に基いて説明する。図1は請求項1の発明の浴室用椅子の1例を示す図、図2は図1に示されている請求項1の発明の浴室用椅子の使用状態を示す図である。
【0018】
図1に於いて、1は座面2,3が上下2段に連設された浴室用椅子である。
【0019】
上方の座面2と下方の座面3の中央には、水抜き孔21、31があり、上方の座面2と下方の座面3とは、なだらかな傾斜面4によって結合されている。
【0020】
座面2、3の周囲には側壁5が垂設されており、側壁5には、水抜き孔21、31から滴下された汚水が側壁5内に滞留されないよう、水抜き用切欠51が設けられている。
【0021】
側壁5には座面2に座った人の足が掛けられる段差60が設けられている。
【0022】
浴室用椅子1に2人で座って背中を洗う際には、座面2に1人、座面3に1人座り、お互いの背中の洗浄動作を交互に行う。
【符号の説明】
【0023】
1 浴室用椅子
2 上方の座部
3 下方の座部
4 2、3の結合部(傾斜面)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座面が上下2段に連設されており、結合されていて、側面周りに子供の足置きになる段差のついた浴室用椅子。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−192135(P2012−192135A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60347(P2011−60347)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(711003185)
【Fターム(参考)】