説明

浴室鏡

【課題】側端部から、鏡部の背面の発熱部や、背面と浴室壁との間の隙間が見えることがなく、見栄えのよい浴室鏡を提供する。
【解決手段】背面に発熱部が設けられた鏡部1と、浴室壁5に固定される固定片21と、前記固定片21の側端部から前方に連設され前記鏡部の側端部を覆う覆い片22と、を備えた一対のカバー2と、前記浴室壁5に固定される下固定片31と、前記下固定片31から前方に連設され前記鏡部を支持する下支持片32と、前記下支持片32に設けられ前記鏡部1の前面下端部を押さえる下押さえ部33と、を備えた下フレーム3と、前記浴室壁5に固定される上固定片41と、前記上固定片41に設けられ前記鏡部1の前面上端部を押さえる上押さえ部42と、を備えた上フレーム4と、で構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鏡部の背面に発熱部を備え浴室壁に取り付けられる浴室鏡に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、浴室壁に取り付けられる浴室鏡は、鏡部と、浴室壁に固定される下フレームと上フレームと、を備え、下フレームと上フレームで鏡部が浴室壁に固定されている。
【0003】
下フレームは、浴室壁に固定される下固定片と、下固定片から前方に連設され浴室鏡を支持する下支持片と、下支持片に設けられ鏡部の前面下端部を押さえる下押さえ部とを備えている。上フレームは、浴室壁に固定される上固定片と、上固定片に設けられ鏡部の前面上端部を押さえる上押さえ部とを備えている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−327995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、浴室鏡が鏡部の背面に発熱部を備えた防曇鏡である場合、上記従来の浴室鏡における下フレーム及び上フレームで浴室壁に鏡部が取り付けられると、側端部から、鏡部の背面の発熱部や、背面と浴室壁との間の隙間が見えて、見栄えが悪いものであった。
【0006】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、側端部から、鏡部の背面の発熱部や、背面と浴室壁との間の隙間が見えることがなく、見栄えのよい浴室鏡を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような構成とする。
【0008】
背面に発熱部が設けられた鏡部と、浴室壁に固定される固定片と前記固定片の側端部から前方に連設され前記鏡部の側端部を覆う覆い片とを備えた一対のカバーと、前記浴室壁に固定される下固定片と前記下固定片から前方に連設され前記鏡部を支持する下支持片と前記下支持片に設けられ前記鏡部の前面下端部を押さえる下押さえ部とを備えた下フレームと、前記浴室壁に固定される上固定片と前記上固定片に設けられ前記鏡部の前面上端部を押さえる上押さえ部とを備えた上フレームと、で構成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の浴室鏡は、側端部から、鏡部の背面の発熱部や、背面と浴室壁との間の隙間が見えることがなく、見栄えがよいものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態の分解斜視図である。
【図2】同上の鏡部の背面側から見た斜視図である。
【図3】同上の浴室鏡の断面図である。
【図4】同上の浴室鏡が設けられた浴室の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0012】
本発明の浴室鏡は、図1、図4に示されるように、鏡部1と、カバー2と、下フレーム3と、上フレーム4と、で構成される。
【0013】
鏡部1は、図2に示されるように、前面が反射面10となると共に、背面に発熱部11が設けられるもので、本実施形態では正面視略矩形状をしたものである。発熱部11は充電部(図示せず)を内蔵すると共にその防水処理が施されており、充電部には電源線12が接続されている。
【0014】
カバー2は対をなすもので、図1に示されるように、浴室壁5に固定される固定片21と、他方の固定片21と対向する側と反対側の側端部から前方に連設され、浴室鏡の側端部を覆う覆い片22と、を備えた対をなすものである。すなわち、浴室壁5に向かって左側のカバー2は、固定片21の左側の側端部から前方に覆い片22が連設され、浴室壁5に向かって右側のカバー2は、固定片21の右側の側端部から前方に覆い片22が連設される。覆い片22は、鏡部1の上下長さと略同じ長さの縦片であり、固定片21は、本実施形態では一繋がりの縦片であるが、覆い片22の上下に部分的に連設されるものであってもよい。覆い片22の幅(すなわち短手方向となる前後長さ)は、浴室鏡の厚み(すなわち鏡部1の前面から発熱部11の背面までの厚み)と略同じに形成される。
【0015】
固定片21には、浴室壁5へ固定される固定手段が設けられるものである。本実施形態では固定手段として固着具挿通孔23が穿設されており、固着具挿通孔23を介して釘やビス等の固着具(図示せず)が浴室壁5に固着されて、固定片21が浴室壁5に固定されるが、接着剤等により固定されるものでもよく、固定手段は特に限定されない。また固着具挿通孔23の個数も限定されない。
【0016】
下フレーム3は、図1、図3に示されるように、浴室壁5に固定される下固定片31と、下固定片31から前方に連設される下支持片32と、を備えたものである。下固定片31は、鏡部1の左右長さと略同じ長さの横片であり、本実施形態ではその下端部から前方に下支持片32が連設されている。
【0017】
下支持片32は、上面に鏡部1が載置され、浴室鏡の荷重を支持するものである。下支持片32の幅(すなわち短手方向となる前後長さ)は、浴室鏡の厚み(すなわち鏡部1の前面から発熱部11の背面までの厚み)と略同じに形成される。下支持片32には、鏡部1の前面下端部を押さえて鏡部1の脱落を防止する下押さえ部33が設けられるもので、本実施形態では下支持片32の下端部から上方に連設されている。
【0018】
下固定片31には、浴室壁5へ固定される固定手段として固着具挿通孔34が穿設されており、固着具挿通孔34を介して釘やビス等の固着具35が浴室壁5に固着されて、下固定片31が浴室壁5に固定される。本実施形態では、固着具挿通孔34は左右二箇所に穿設されているが、個数は特に限定されない。
【0019】
上フレーム4は、図1、図3に示されるように、浴室壁5に固定される上固定片41と、上固定片41に設けられ鏡部1の前面上端部を押さえる上押さえ部42と、を備えたものである。上固定片41は、鏡部1の左右長さと略同じ長さの横片である。上押さえ部42は、鏡部1の脱落を防止するもので、本実施形態では上固定片41の上端部から前方に連設される水平片43及び該水平片43の前端部から下方に垂下される垂下片44とからなる。水平片43の幅(すなわち短手方向となる前後長さ)は、浴室鏡の厚み(すなわち鏡部1の前面から発熱部11の背面までの厚み)と略同じに形成される。
【0020】
上固定片41には、浴室壁5へ固定される固定手段として上下に長い長孔からなる固着具挿通孔45が穿設されており、固着具挿通孔45を介して釘やビス等の固着具46が浴室壁5に固着されて、上固定片41が浴室壁5に固定される。本実施形態では、固着具挿通孔45は左右二箇所に穿設されているが、個数は特に限定されない。
【0021】
浴室鏡の浴室壁5への取り付けにあたっては、カバー2と下フレーム3と上フレーム4とが浴室壁5に固定され、その後で鏡部1が取り付けられる。
【0022】
左右一対のカバー2は、両覆い片22の間隔が鏡部1の左右長さとなるように、あるいは、両覆い片22の間隔が鏡部1の左右長さよりも若干短くなるように、浴室壁5に固定される。
【0023】
下フレーム3が固着具35により浴室壁5へ固定されると共に、上フレーム4が固着具46により浴室壁5に固着される。ここで、上フレーム4の固着具挿通孔45は上下に長い長孔であり、上フレーム4は上下に移動可能となるもので、上フレーム4は水平片43が下フレーム3の下支持片32から鏡部1の上下長さよりも長い距離をおいて配置される。
【0024】
そして、鏡部1の下端部が下支持片32に載置されて鏡部1の前面下端部が下押さえ部33により押さえられ、鏡部1の側端部がカバー2の覆い片22により覆われる。電源線12は、浴室壁5に形成された開口51を介して浴室外に導出される。
【0025】
最後に、上押さえ部42の垂下片44により鏡部1の前面上端部が押さえられるように、上フレーム4が押し下げられる。
【0026】
上記浴室鏡にあっては、左右の側端部に設けられたカバー2により遮られて、側端部から、鏡部1の背面の発熱部11や、背面と浴室壁5との間の隙間が見えることがなく、見栄えがよいものである。また、特に図示しないが、カバー2により背面と浴室壁5との間の隙間が完全に隠されず、若干の隙間が見えても、隙間の大部分が隠されるものであれば見栄えはよいものである。
【0027】
また、左右のカバー2が、両覆い片22の間隔が鏡部1の左右長さよりも若干短くなるように浴室壁5に取り付けられると、正面視においてカバー2が見えず、より一層、見栄えが向上する。
【符号の説明】
【0028】
1 鏡部
11 発熱部
2 カバー
21 固定片
22 覆い片
23 固着具挿通孔
3 下フレーム
31 下固定片
32 下支持片
33 下押さえ部
34 固着具挿通孔
4 上フレーム
41 上固定片
42 上押さえ部
45 固着具挿通孔
5 浴室壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背面に発熱部が設けられた鏡部と、
浴室壁に固定される固定片と、前記固定片の側端部から前方に連設され前記鏡部の側端部を覆う覆い片と、を備えた一対のカバーと、
前記浴室壁に固定される下固定片と、前記下固定片から前方に連設され前記鏡部を支持する下支持片と、前記下支持片に設けられ前記鏡部の前面下端部を押さえる下押さえ部と、を備えた下フレームと、
前記浴室壁に固定される上固定片と、前記上固定片に設けられ前記鏡部の前面上端部を押さえる上押さえ部と、を備えた上フレームと、
で構成されることを特徴とする浴室鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−130441(P2012−130441A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283636(P2010−283636)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】