説明

浴槽用循環具

【課題】外部筒体と継手との間の接続部分の構成を簡易にすることができ、組付けが容易であるとともに、接続部分における漏水を防止することができる浴槽用循環具を提供する。
【解決手段】浴槽用循環具10は、浴槽の側壁12外面に配置される外部筒体11と、側壁12内面に配置されて前記外部筒体11に組付けられる内部筒体50とにより構成されている。前記外部筒体11には、給湯器で加熱された加熱水を浴槽内へ送る往き側配管15が接続される接続筒部16及び浴槽水を給湯器へ戻す戻り側配管に接続される連結筒部が設けられている。前記接続筒部16及び連結筒部には各々往き側配管15及び戻り側配管の差し込み操作だけで接続を行うワンプッシュ式の第1継手及び第2継手18の継手本体23が一体に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽の側壁外面に配置される外部筒体と、側壁内面に配置されて外部筒体に組付けられる内部筒体とにより構成された浴槽用循環具に関する。さらに詳しくは、外部筒体の配管接続部にワンプッシュ式継手の継手本体が一体に形成されている浴槽用循環具に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の浴槽用循環具においては、浴槽の側壁に設けられた貫通孔に浴槽内から挿通された内部筒体が浴槽外の外部筒体に締付けられて側壁に固定されている。外部筒体には一対の継手が設けられ、一方の継手が給湯器からの加熱水を浴槽内へ供給する往き側配管に接続され、他方の継手が浴槽水を給湯器へ戻す戻り側配管に接続されている。そして、浴槽水は内部筒体の吸入用流路から戻り側配管を通って給湯器へ戻され、給湯器で加熱された加熱水が往き側配管から内部筒体の吐出用流路を流れて浴槽内へ吐出されるように構成されている。
【0003】
具体的には、本願出願人が特許文献1に記載されているような浴槽用一口循環具を提案した。すなわち、この浴槽用一口循環具は、加熱器に取付けられる吐出パイプと導入パイプを接続する一対のパイプ接続筒部を有するとともに、流出通路と流入通路を有する循環口本体を備えている。該循環口本体は、浴槽の側壁に循環口本体を取付けるための取付部と、同取付部に接続される継手部とに分割して構成されている。前記取付部は、鍔部を備え浴槽側壁の取付孔に嵌挿されるスリーブと、浴槽側壁の外側からスリーブの雄ねじに螺合されるナットと、フランジを備え浴槽側壁の内側からスリーブ内に嵌挿される基体とより構成されている。一方、継手部はパイプ接続筒部を有し、浴槽側壁の外側から取付部の基体に連結されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−50594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された従来構成では、継手部としての後面ケースがクリップによって取付部の基体に連結されるとともに、後面ケース内に隔壁が設けられて一対のパイプ接続筒部が形成され、パイプを抜け止めするロックリングが介装された状態で押圧体がパイプ接続筒部に螺合されている。このため、継手部の構成が複雑であり、各部材の組付けが煩雑であるとともに、各部材の連結部分から漏水するおそれがあるという問題があった。
【0006】
そこで本発明の目的とするところは、外部筒体と継手との間の接続部分の構成を簡易にすることができ、組付けが容易であるとともに、接続部分における漏水を防止することができる浴槽用循環具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明の浴槽用循環具は、浴槽の側壁外面に配置される外部筒体と、側壁内面に配置されて前記外部筒体に組付けられる内部筒体とを備え、前記外部筒体には、給湯器で加熱された加熱水を浴槽内へ送る往き側配管が接続される接続筒部及び浴槽水を給湯器へ戻す戻り側配管に接続される連結筒部が設けられるとともに、前記接続筒部及び連結筒部には各々往き側配管及び戻り側配管の差し込み操作だけで接続を行うワンプッシュ式継手の継手本体が一体に形成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に係る発明において、前記継手本体は外筒部と内筒部で構成され、これらの外筒部と内筒部との間の差込空間に往き側配管又は戻り側配管が差し込まれるように構成されるとともに、外筒部と差込空間に差し込まれる往き側配管又は戻り側配管との間にはシール機構が設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に係る発明において、前記シール機構は、外筒部の内周に形成された係止段部と、該係止段部に装着されるシールリングと、該シールリングを押えるシールリング押えとにより構成されていることを特徴とする、
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に係る発明において、前記継手本体の外筒部にはキャップが嵌挿されるとともに、外筒部とキャップとの間には差込空間に差し込まれた往き側配管又は戻り側配管を抜け止めする抜け止め機構を備えていることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に係る発明において、前記外部筒体、継手本体及びキャップはガラス繊維強化樹脂により形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
請求項1に係る発明の浴槽用循環具において、外部筒体には給湯器で加熱された加熱水を浴槽内へ送る往き側配管が接続される接続筒部及び浴槽水を給湯器へ戻す戻り側配管に接続される連結筒部が設けられている。そして、これらの接続筒部及び連結筒部には各々往き側配管及び戻り側配管の差し込み操作だけで往き側配管及び戻り側配管の接続を行うワンプッシュ式継手の継手本体が一体に形成されている。
【0012】
このため、外部筒体と継手本体を別個に成形する必要がなく、さらに外部筒体の接続筒部及び連結筒部に対して継手本体を組付ける必要もない。加えて、外部筒体の接続筒部及び連結筒部と継手本体との間における漏水のおそれもない。
【0013】
従って、本発明の浴槽用循環具によれば、外部筒体と継手との間の接続部分の構成を簡易にすることができ、組付けが容易であるとともに、接続部分における漏水を防止することができるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態における浴槽用循環具を浴槽の側壁に固定した状態を示す断面図。
【図2】外部筒体に対する継手の連結部分を示す要部拡大断面図。
【図3】(a)は外部筒体に対して組付けられる継手を分解して示す断面図、(b)は外部筒体内及び継手内に継手部品を組付けた状態を示す断面図。
【図4】浴槽用循環具全体を示す分解斜視図。
【図5】外部筒体を外端側から見た状態の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図5に従って詳細に説明する。
図4及び図5に示すように、本実施形態の浴槽用循環具10を構成する外部筒体11は浴槽の側壁12外面に配置され、その外端部には図示しない給湯器への戻り側配管13に接続される連結筒部14及び給湯器からの往き側配管15に接続される接続筒部16が設けられている。前記連結筒部14及び接続筒部16にはワンプッシュ式(ワンタッチ式)の第1継手17及び第2継手18が連結されている。戻り側配管13又は往き側配管15は、ポリオレフィン(架橋ポリエチレン、ポリブテン等)などの合成樹脂により形成されている。
【0016】
そして、浴槽水を連結筒部14から第1継手17、戻り側配管13を介して給湯器に送り、給湯器で加熱された加熱水(湯)を往き側配管15から第2継手18、接続筒部16へ循環するように構成されている。本実施形態の浴槽用循環具10は無極性のものであり、外部筒体11の第1継手17及び第2継手18と給湯器の配管接続部分との間の配管の接続は制限されない。
【0017】
外部筒体11の開口端部には拡径筒部19が設けられ、その拡径筒部19にはゴム製のシール部材20が被せられ、側壁12の外面に密着されて外部筒体11と浴槽の側壁12との間の水密が保たれている。外部筒体11の内周面には雌ねじ21が刻設されるとともに、外部筒体11内には往き側筒22が外部筒体11の軸線方向に突出形成されている。往き側筒22内の流路は接続筒部16に通じ、外部筒体11と往き側筒22との間の流路が連結筒部14に通じている。
【0018】
ここで、前記第1継手17及び第2継手18について説明する。図1及び図2に示すように、第1継手17及び第2継手18の継手本体23は外部筒体11の連結筒部14及び接続筒部16に一体形成されるとともに、その基端側にはフランジ24が突設されている。継手本体23は外周側の外筒部25と内周側の内筒部26とにより構成され、これら外筒部25と内筒部26との間の差込空間27に往き側配管15又は戻り側配管13が挿入されるようになっている。外筒部25の外周面には、2条の係合突条28が一定間隔をおいて突出形成されている。外筒部25内周の開口側には係止段部29が設けられ、該係止段部29にはシールリング30が装着されている。
【0019】
外筒部25の内周には位置決め用段差31が形成され、該位置決め用段差31に係合するようにシールリング押え32が配置され、シールリング30の抜け落ちを防止している。前記係止段部29、シールリング30及びシールリング押え32等により、往き側配管15又は戻り側配管13の外周面と外筒部25との間を水密に保持するシール機構33が構成されている。図3(b)に示すように、内筒部26の外周面にはCリング状をなし拡縮可能に形成された差し込みガイド34が配置され、往き側配管15又は戻り側配管13が差込空間27に差し込まれたとき往き側配管15又は戻り側配管13の先端部を案内するようになっている。
【0020】
図2に示すように、前記外筒部25の外周にはキャップ35が嵌挿され、キャップ35内周面に設けられた2条の係合凹条36が外筒部25の係合突条28に係合してキャップ35が外筒部25に連結されるように構成されている。キャップ35が外筒部25に連結された状態で、その外端部には往き側配管15又は戻り側配管13が差し込まれる差込用開口37が形成されている。キャップ35内周面の保持用段差38と外筒部25の外端面との間には保持環39が介装され、抜け止めリング40を保持するように構成されている。該抜け止めリング40は、キャップ35の差込用開口37から差込空間27に差し込まれた往き側配管15又は戻り側配管13を抜け止めするもので、ステンレス鋼等の金属で形成されている。この抜け止めリング40の内周部には抜け止め片40aが斜め方向に突出形成され、往き側配管15又は戻り側配管13の外周部に食い込んで抜け止めするようになっている。
【0021】
この抜け止めリング40とキャップ35内周の第1斜面41との間には、傾斜面43を有する割りリング44が介在され、抜け止め片40aの傾斜角度を保持するようになっている。また、割りリング44にはキャップ35の第1斜面41と同じ傾斜角度を有する第2斜面45が形成され、往き側配管15又は戻り側配管13の引抜き方向への力により抜け止めリング40を介して軸線方向の外方への力を受けたとき、割りリング44を縮径させるように構成されている。この場合、割りリング44の内周面に形成された締付面46が往き側配管15又は戻り側配管13を締付けるようになっている。往き側配管15又は戻り側配管13の抜け止め機構47は、前記抜け止めリング40、保持環39、割りリング44等により構成されている。
【0022】
前記外部筒体11、継手本体23及びキャップ35は、ガラス繊維強化樹脂、例えばガラス繊維強化ポリフェニレンサルファイド(PPS)により形成され、強度向上が図られている。
【0023】
図1及び図4に示すように、浴槽の側壁12内面には内部筒体50が配置され、浴槽の側壁12を挟んで前記外部筒体11に組付けられている。内部筒体50を構成する締付筒体51はポリフェニレンサルファイド等の合成樹脂により円筒状に形成され、その内端部(図1の左端部)にはフランジ部52が突設されている。締付筒体51の外周面には雄ねじ53が螺刻されている。
【0024】
前記フランジ部52の外周面には、端部側が雄ねじ53側より高くなるように形成された被係合段部54が環状に形成されている。締付筒体51の内周面には回り止め突条55が設けられている。この締付筒体51は浴槽の側壁12の内側に配置され、ポリエチレン(PE)製のパッキン56とゴム製のシール部材57が介装された状態で側壁12の貫通孔12aに挿通される。そして、締付筒体51の雄ねじ53が側壁12の外部に配置された外部筒体11の雌ねじ21に螺合固定されるとともに、締付筒体51と浴槽の側壁12との間の水密が保たれるようになっている。
【0025】
内部筒体50を構成する区画部材58はポリアセタール等の合成樹脂により形成され、区画部材本体59とその中心より締付筒体51側へ延びる筒部60とにより構成されている。区画部材本体59の外周部には締付筒体51側に延びる係合爪61が突設され、締付筒体51の被係合段部54に係合され、締付筒体51から区画部材58の抜け出しが防止されている。
【0026】
前記区画部材本体59及びその筒部60により、前記外部筒体11の接続筒部16に接続される吐出用流路62が形成されるとともに、その周囲には外部筒体11の連結筒部14に接続される吸入用流路63が区画形成されている。これら吐出用流路62及び吸入用流路63は、それらの方向が90度変更されるとともに、正面ハの字状をなすように斜め下方へ延びている。斯かる吐出用流路62及び吸入用流路63の流路を変更する流路方向変更部64は、区画部材本体59と一体成形されている。流路方向が変更された吐出用流路62及び吸入用流路63の吐出用開口部65には、開閉弁66が開閉可能に支持されるとともに、該開閉弁66を保持する弁体カバー67が装着されている。この弁体カバー67には、浴槽水を吸入する吸入用開口部68が設けられている。
【0027】
この区画部材58において、浴槽水は一方(図4中の左側)の弁体カバー67の吸入用開口部68から吸入され、流路方向変更部64の吸入用流路63へ流れるとともに、加熱水は流路方向変更部64の吐出用流路62から開閉弁66を通って浴槽内へ吐出されるようになっている。
【0028】
図4に示すように、区画部材58の外周部には、区画部材本体59に片持ち支持された弾性変形部69が突設され、その外周面には内部筒体50を構成するフィルターカバー70の係合突起71を案内、保持する案内保持部72が設けられている。フィルターカバー70はステンレス鋼により有底円筒状に形成され、前面に多数の流通孔73を有している。フィルターカバー70の周壁の2箇所には吐出孔74が開口され、区画部材58の吐出用開口部65に連通されている。以上のように内部筒体50は締付筒体51、区画部材58及びフィルターカバー70等により構成され、浴槽用循環具10は第1継手17と第2継手18を有する外部筒体11及び内部筒体50等により構成されている。
【0029】
上記のように構成された浴槽用循環具10を浴槽の側壁12に取付固定する場合には、浴槽の側壁12の貫通孔12aに内側から締付筒体51をパッキン56及びシール部材57が嵌挿された状態で挿通し、その雄ねじ53を側壁12外面に位置する外部筒体11の雌ねじ21に螺合して締付け固定する。次いで、区画部材58の筒部60を締付筒体51内に挿入して区画部材58の係合爪61を締付筒体51の被係合段部54に係合させる。このようにして、区画部材58の吸入用流路63が外部筒体11の連結筒部14に接続されると同時に、吐出用流路62が外部筒体11の接続筒部16に連通される。続いて、フィルターカバー70を区画部材58に固定することにより、浴槽用循環具10が浴槽の側壁12に取付固定される。
【0030】
その状態において、浴槽水を強制循環させると、浴槽水はフィルターカバー70前面の流通孔73から吸い込まれ、区画部材58の吸入用開口部68から吸入用流路63を通って外部筒体11の連結筒部14及び第1継手17に流れ、さらに戻り側配管13を経て給湯器に到る。給湯器で加熱された加熱水は往き側配管15から第2継手18及び外部筒体11の接続筒部16を介して区画部材58の吐出用流路62、吐出用開口部65からフィルターカバー70の吐出孔74を経て浴槽内へ吐出される。
【0031】
次に、本実施形態の浴槽用循環具10について作用を説明する。
さて、図5に示すように、外部筒体11の連結筒部14及び接続筒部16には各々戻り側配管13及び往き側配管15の接続を行うワンプッシュ式の第1継手17及び第2継手18の継手本体23が一体に形成されている。このため、第1継手17及び第2継手18を有する外部筒体11をガラス繊維強化ポリフェニレンサルファイドで樹脂成形を行うときに、同時に継手本体23を成形することができる。従って、継手本体23にシール機構33及び抜け止め機構47を組み込んでキャップ35を圧入し、連結することにより、第1継手17及び第2継手18を形成することができる。
【0032】
さらに、連結筒部14と第1継手17の継手本体23との間及び接続筒部16と第2継手18の継手本体23との間には接続部分がないことから、浴槽水は連結筒部14から第1継手17の継手本体23へ漏れることなく円滑に流れ、加熱水は第2継手18の継手本体23から接続筒部16へ漏れることなく円滑に流れる。
【0033】
以上の実施形態によって発揮される効果について、以下にまとめて記載する。
(1)この実施形態における浴槽用循環具10において、外部筒体11の連結筒部14及び接続筒部16には各々戻り側配管13及び往き側配管15の接続を行うワンプッシュ式の第1継手17及び第2継手18の継手本体23が一体に形成されている。このため、外部筒体11と継手本体23を別個に成形する必要がなく、さらに外部筒体11の連結筒部14及び接続筒部16に対して継手本体23を組付ける必要もない。加えて、外部筒体11の連結筒部14及び接続筒部16と継手本体23との間における漏水のおそれもない。
【0034】
従って、この実施形態の浴槽用循環具10によれば、外部筒体11と第1継手17及び第2継手18との間の接続部分の構成を簡易にすることができ、組付けが容易であるとともに、接続部分における漏水を防止することができるという効果を発揮する。
(2)前記継手本体23は外筒部25と内筒部26で構成され、これらの外筒部25と内筒部26との間の差込空間27に往き側配管15又は戻り側配管13が差し込まれるように構成されるとともに、外筒部25と差込空間27に差し込まれる往き側配管15又は戻り側配管13との間にはシール機構33が設けられている。このため、外筒部25と往き側配管15又は戻り側配管13との間から加熱水や浴槽水が漏れることを防止することができる。
(3)前記シール機構33は、外筒部25の内周に形成された係止段部29と、該係止段部29に装着されるシールリング30と、該シールリング30を押えるシールリング押え32とにより構成されている。従って、シール機構33を簡単な構成で、容易に形成することができる。
(4)前記継手本体23の外筒部25にはキャップ35が圧入により嵌挿されるとともに、外筒部25とキャップ35との間には差込空間27に差し込まれた往き側配管15又は戻り側配管13を抜け止めする抜け止め機構47を備えている。そのため、キャップ35を継手本体23の外筒部25に圧入するだけで簡単に連結することができるとともに、往き側配管15又は戻り側配管13をワンプッシュ操作で差込空間27へ差し込むだけで抜け止めを図ることができると同時に、接続操作を完了することができる。
(5)前記外部筒体11、継手本体23及びキャップ35は、ガラス繊維強化ポリフェニレンサルファイド等のガラス繊維強化樹脂により形成されている。このため、外部筒体11、第1継手17、第2継手18及びキャップ35の強度を向上させることができるとともに、継手本体23とキャップ35とを強固に連結することができる。
【0035】
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記継手本体23の外筒部25における2条の係合突条28及びキャップ35の2条の係合凹条36をそれぞれ1条にしたり、係合突条28を環状でない係合突起にしたり、係合凹条36を環状でない係合凹部にしたりすることも可能である。
【0036】
・ 前記キャップ35の外周面に補強リングを装着し、継手本体23の外筒部25とキャップ35との連結を補強するように構成することもできる。
・ 浴槽用循環具10は有極性のもの、すなわち外部筒体11の連結筒部14及び接続筒部16と給湯器の配管接続部分との間の配管の接続が定められているものであっても差し支えない。
【0037】
・ 前記ガラス繊維強化樹脂として、ガラス繊維強化ポリアセタール等を使用することも可能である。
【符号の説明】
【0038】
10…浴槽用循環具、11…外部筒体、12…側壁、13…戻り側配管、14…連結筒部、15…往き側配管、16…接続筒部、17…第1継手、18…第2継手、23…継手本体、25…外筒部、26…内筒部、27…差込空間、29…係止段部、30…シールリング、32…シールリング押え、33…シール機構、35…キャップ、47…抜け止め機構、50…内部筒体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽の側壁外面に配置される外部筒体と、側壁内面に配置されて前記外部筒体に組付けられる内部筒体とを備え、
前記外部筒体には、給湯器で加熱された加熱水を浴槽内へ送る往き側配管が接続される接続筒部及び浴槽水を給湯器へ戻す戻り側配管に接続される連結筒部が設けられるとともに、前記接続筒部及び連結筒部には各々往き側配管及び戻り側配管の差し込み操作だけで接続を行うワンプッシュ式継手の継手本体が一体に形成されていることを特徴とする浴槽用循環具。
【請求項2】
前記継手本体は外筒部と内筒部で構成され、これらの外筒部と内筒部との間の差込空間に往き側配管又は戻り側配管が差し込まれるように構成されるとともに、外筒部と差込空間に差し込まれる往き側配管又は戻り側配管との間にはシール機構が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の浴槽用循環具。
【請求項3】
前記シール機構は、外筒部の内周に形成された係止段部と、該係止段部に装着されるシールリングと、該シールリングを押えるシールリング押えとにより構成されていることを特徴とする請求項2に記載の浴槽用循環具。
【請求項4】
前記継手本体の外筒部にはキャップが嵌挿されるとともに、外筒部とキャップとの間には差込空間に差し込まれた往き側配管又は戻り側配管を抜け止めする抜け止め機構を備えていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の浴槽用循環具。
【請求項5】
前記外部筒体、継手本体及びキャップはガラス繊維強化樹脂により形成されていることを特徴とする請求項4に記載の浴槽用循環具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−167882(P2012−167882A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−29916(P2011−29916)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(000128968)株式会社オンダ製作所 (31)
【Fターム(参考)】