説明

浴槽

【課題】通常の温湯による入浴行為が出来、さらに浴槽に湯を張らずに温熱気による温浴も可能な浴槽を提供することにより、身体的理由による入浴制約のある方や浴槽での溺死事故防止に対応する。
【解決手段】浴槽1の外側に電熱等の発熱体3を装置し、さらにその外側を断熱材4と外壁で構成する。発熱体3の熱源により浴槽1を加熱保温し熱気浴を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭における温浴の熱媒体を温湯に代え、温熱気を発生させる機能を付加した浴槽に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の浴槽は、温湯を槽内に満たして、身体をつかり暖をとるための容器である。
身体を温めることによる健康効果は、広く知られているところであるが、この入浴行為については、いろいろな問題が考えられる。
平成21年2月14日付けの日本経済新聞掲載記事によると「東京都老人総合研究所の推計によると、年間約14,000人が入浴中の事故で死亡している。これは、交通事故死の3倍弱の水準」と報じられている。
また、このほか、外傷や疾病、体調等により入浴を回避する場合が多々考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に、家庭において、疲労回復や健康を維持するため、多くの人々に入浴が好まれるところであるが、他方で、いろいろな理由により入浴することが不可能な場合がある。
【0004】
それは、浴槽の物理的な欠陥ではなく、身体を湯につかる入浴行為そのものに起因するするもので、例えば湯水温度40度の中から流し場へ出ると、10〜15度になると言った体感温度の急激な変化による影響とか、外傷、皮膚疾患等のように身体を濡らすことが出来ない場合が考えられる。また、浴槽出入り時の転倒事故や浴槽内での水難等がしばしば報じられているところである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これらの諸問題を解決するため、浴槽内を乾いた状態にして、身体を濡らすことなく、温まることが可能となる機能を浴槽に付加したものである。
【0006】
この浴槽は、乾湿両用とするため、現在の一般様式のものを基本とする。浴槽1と外壁5との間に、電熱等の発熱体3を装備する。外壁は浴槽の底面ならびに外周全側面を包囲するものである。
【発明の効果】
【0007】
浴槽が加熱保温され、浴室も乾いた状態で使用されるため、他の居室と同様な環境になる。浴槽自体の表面温度は、通常の入浴時の温度範囲に調整可能とし、熱の伝わり方は浴槽からの輻射熱と槽内に着座したときに、直接浴槽表面に接する背中、下半身への伝導熱により身体が温まる底面と全方位からなる暖房であり、浴槽の蓋をすることにより更に熱効率が向上する。
【0008】
身体を濡らさないので、外傷の場合も利用可能であり、バスロ−ブ等着衣の儘入れるので冬季でも温度の急変することなく、半身浴同様な効果が期待される。また、浴槽の中で読書や各種鑑賞などの新しい生活空間が広がり、家庭の浴室に変化が現れる。
【0009】
以上、高齢化社会に対応するとともに、災害時に比較的早く復旧される電気さえ通じれば使用可能となり、特に寒冷地などでは有効である。
更には、水資源の枯渇が警鐘されているおり、飲料水を日々浴用に消費するわが国の生活習慣の見直しが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施の形態は、次のとおりである。
【0011】
図1は本発明の側方断面図であり、図2は斜視図で一部断面を示すものである。
【0012】
浴槽1を囲むように外壁5を設置し、浴槽とこの外壁との間に、熱源となる発熱体3を設置する。
【0013】
浴槽は乾湿両用とするため、現在市場にある浴槽様式を基本とする。発熱体と接するため、耐熱、耐変形であり、かつ熱の伝導効率のある材質を必要とする。
【0014】
外壁は、浴槽の上縁の大きさを基準として、形成する。
【0015】
浴槽の外壁面に熱伝導材2を接着する。これは発熱体の熱が均等に浴槽に伝わる働きをする。この熱伝導材を被覆する状態に発熱体を設置する。
【0016】
外壁5と発熱体の間には断熱材4を充填する。発熱体の温度調節操作盤は浴槽上縁または浴室壁面に設置する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の側方断面図である。温度調節操作盤は省略する。
【図2】本発明の斜視図である。一部断面表示する。
【符号の説明】
【0018】
1浴槽
2熱伝導材
3発熱体
4断熱材
5外壁
6温度調節操作盤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内蔵する発熱体3により、浴槽1内に温湯に代わる温熱気を発生し、身体を温める機能を付加したる浴槽。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−214063(P2010−214063A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−92469(P2009−92469)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(599084957)
【Fターム(参考)】