説明

海底鉱物資源採鉱システム及びその制御方法

【課題】
採鉱機の移動に制限を与えない海底鉱物資源採鉱システム及びその制御方法を提供する。特に、採鉱機が搬送管を引きずらず、且つ、搬送管が海底の突起物等に絡まらない構成を有する海底鉱物資源採鉱システム及びその制御方法を提供する。
【解決手段】
海底鉱物資源採鉱システム1が、採鉱機3と揚鉱装置4の間に、採鉱機3に追従して移動する移動台車2を有しており、移動台車2が、移動台車本体20と、搬送管8を巻装し搬送管8の送り出し及び巻き取りを行うドラム21と、移動台車2に動力を供給する動力装置22と、海底10で移動するための複数の走行装置23を有しており、ドラム21が、巻装した搬送管8を揚鉱装置4の側で送り出し及び巻き取りを行う構成を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海底熱水鉱床等で採鉱を行う海底鉱物資源採鉱システム及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
数千メートルの海底(例えば1000〜6000m)には、海底熱水鉱床と呼ばれる鉱床が存在している。この鉱床には、例えばマンガン団塊等の豊富な鉱物資源が存在している。この鉱物資源を採鉱し、利用するための海底鉱物資源採鉱システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
図6に、海底鉱物資源採鉱システム(以下、採鉱システムという)の1例を示す。採鉱システム1Xは、海底10を移動して散在する鉱物資源11を採鉱する採鉱機3と、採鉱した鉱物資源を海上の作業船6に搬送する揚鉱装置4と、揚鉱された鉱物資源を貯蔵する貯蔵庫7を有している。また、採鉱機3、揚鉱装置4及び貯蔵庫7を、フレキシブルホース(搬送管)8で連通している。更に、採鉱機3は、作業船6上に設置した制御装置5Xに、複合ケーブル9で接続している。
【0004】
次に、採鉱システム1の動作について説明する。先ず、採鉱を行う鉱区に到着した作業船6は、採鉱機3及び揚鉱装置4を海中に投下する。オペレータは、採鉱機3に搭載したカメラ等を見ながら、採鉱機3をコントローラで操作し、採鉱作業を行う。このとき、作業船6は、採鉱機3の移動に合わせて、海上を移動する。採鉱機3は、採鉱した例えばマンガン団塊等の鉱物資源を、海水と共に搬送管8に供給する。揚鉱装置4は、搬送管8内のスラリー(鉱物資源及び海水)を作業船6まで搬送する。ここで、揚鉱装置4は、特許文献1に記載の循環方式、搬送管8内に空気を吹き込むエアリフト方式等がある。以上の構成により、採鉱システム1Xは、数千メートルの海底から鉱物資源を採鉱することができる。
【0005】
しかしながら、上記の採鉱システム1Xはいくつかの問題点を有している。第1に、海底数千メートルの採鉱機3の移動合わせて、作業船6を移動させ、作業船6の位置制御を行うことが困難であるという問題を有している。特に、搬送管8等が潮流の影響を大きく受けるため、採鉱機3と作業船6の位置関係を一定に保つことが困難である。
【0006】
第2に、採鉱機3の移動が制限されてしまうという問題を有している。採鉱機3は、作業船6の位置により移動できる範囲が決定されてしまうためである。一方、搬送管8を延長し、採鉱機3の移動の自由度を向上することも考えられる。しかし、スラリーを充填した搬送管8の重量は巨大となり、採鉱機3が搬送管8を引きずりながら移動することは現実的には困難となる。ここで、搬送管8は、直径が例えば100〜300mm程度で、フレキシブルである管状物を想定している。
【0007】
第3に、搬送管8が海底10の突起物30等に絡まる可能性があるという問題を有している。これは、採鉱機3が、搬送管8を引きずるように移動するためである。特に、深海で搬送管8等に問題が発生した場合は、容易に対処することができず、場合によっては、作業船6上に、採鉱機3等を引上げる必要があるため、大きな問題となる。なお、採鉱機3の引き揚げ作業は、1日がかりとなり、採鉱作業の効率を大きく低下させる要因となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−269070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、採鉱機の移動に制限を与えない海底鉱物資源採鉱システム及びその制御方法を提供することにある。特に、採鉱機が搬送管を引きずらず、且つ、搬送管が海底の突起物等に絡まらない構成を有する海底鉱物資源採鉱システム及びその制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するための本発明に係る海底鉱物資源採鉱システムは、海底で鉱物資源の採鉱を行う採鉱機と、採鉱した鉱物資源を海上の作業船に送る揚鉱装置と、前記採鉱機と前記揚鉱装置を連結し前記鉱物資源を搬送する搬送管を有した海底鉱物資源採鉱システムにおいて、前記海底鉱物資源採鉱システムが、前記採鉱機と前記揚鉱装置の間に、前記採鉱機に追従して移動する移動台車を有しており、前記移動台車が、移動台車本体と、前記搬送管を巻装し前記搬送管の送り出し及び巻き取りを行うドラムと、前記移動台車に動力を供給する動力装置と、海底で移動するための複数の走行装置を有しており、前記ドラムが、巻装した前記搬送管を前記揚鉱装置の側で送り出し及び巻き取りを行う構成を有することを特徴とする。
【0011】
この構成により、採鉱機の移動の自由度を向上することができる。これは、採鉱機に搬送管の重量、及び搬送管と海底の間で発生する摩擦抵抗の影響が及ばないためである。このため、採鉱機は、海底を自在且つ広範囲に移動し、採鉱を行うことができ、採鉱の作業効率を向上することができる。
【0012】
上記の海底鉱物資源採鉱システムにおいて、前記採鉱機が移動した場合、前記移動台車が前記採鉱機との距離が予め定めた範囲内になるように走行し、且つ、前記ドラムを回転し前記搬送管の送り出し及び巻き取りを行う構成を有していることを特徴とする。この構成により、上記と同様の作用効果を得ることができる。
【0013】
前述の海底鉱物資源採鉱システムにおいて、前記海底鉱物資源採鉱システムが、前記作業船上に、前記移動台車の走行制御を行うコントローラを有していることを特徴とする。この構成により、オペレータが移動台車を自在に操作することが可能となる。
【0014】
上記の海底鉱物資源採鉱システムにおいて、前記移動台車が、前記移動台車本体と少なくとも1つの前記走行装置の間に昇降装置を有しており、前記昇降装置が、前記走行装置を前記移動台車本体に対して鉛直方向に移動可能とする構成を有していることを特徴とする。
【0015】
この構成により、移動台車は、海底の起伏等の影響を受けずに、姿勢を制御し走行することができる。例えば、海底が傾斜している場合であっても、移動台車は、移動台車本体の傾きを水平に維持した状態で走行することができ、移動台車の転倒を防止することができる。
【0016】
上記の海底鉱物資源採鉱システムにおいて、前記移動台車が、大きさの異なる複数の前記ドラム、及びロボットアームを着脱自在とする構成を有していることを特徴とする。この構成により、移動台車の汎用性を高めることができる。そのため、限られた資材で採鉱作業を行わなくてはならない洋上で、作業効率を向上することができる。
【0017】
上記の目的を達成するための本発明に係る海底鉱物資源採鉱システムは、海底で鉱物資源の採鉱を行う採鉱機と、採鉱した鉱物資源を海上の作業船に送る揚鉱装置と、前記採鉱機と前記揚鉱装置を連結し前記鉱物資源を搬送する搬送管を有した海底鉱物資源採鉱システムにおいて、前記採鉱機が、前記搬送管を巻装し前記搬送管の送り出し及び巻き取りを行うドラムを有しており、前記ドラムが、巻装した前記搬送管を前記揚鉱装置の側で送り出し及び巻き取りを行う構成を有することを特徴とする。この構成により、前述と同様の作用効果を得ることができる。
【0018】
上記の目的を達成するための本発明に係る海底鉱物資源採鉱システムの制御方法は、海底で鉱物資源の採鉱を行う採鉱機と、採鉱した鉱物資源を海上の作業船に送る揚鉱装置と、前記採鉱機と前記揚鉱装置を連結し前記鉱物資源を搬送する搬送管を有した海底鉱物資源採鉱システムであり、前記海底鉱物資源採鉱システムが、前記採鉱機と前記揚鉱装置の間に、前記採鉱機に追従して移動する移動台車を有しており、前記移動台車が、移動台車本体と、前記搬送管を巻装し前記搬送管の送り出し及び巻き取りを行うドラムと、前記移動台車に動力を供給する動力装置と、海底で移動するための複数の走行装置を有しており、前記ドラムが、巻装した前記搬送管を前記揚鉱装置の側で送り出し及び巻き取りを行う構成を有する海底鉱物資源採鉱システムの制御方法であって、前記採鉱機が移動した場合、前記移動台車と前記採鉱機の間の距離を計測するステップと、前記移動台車と前記採鉱機の間の距離を予め定めた範囲内に維持するように、前記移動台車を移動するステップと、前記移動台車の移動に伴い、前記ドラムを回転し前記搬送管の送り出し及び巻き取りを行うステップを有することを特徴とする。この構成により、前述と同様の作用効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る海底鉱物資源採鉱システム及びその制御方法によれば、採鉱機の移動に制限を与えず、特に、採鉱機が搬送管を引きずらず、且つ、搬送管が海底の突起物等に絡まらない構成を有する海底鉱物資源採鉱システム及びその制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る実施の形態の海底鉱物資源採鉱システムの概略を示した図である。
【図2】本発明に係る実施の形態の海底鉱物資源採鉱システムの概略を示した図である。
【図3】本発明に係る実施の形態の海底鉱物資源採鉱システムの移動台車の概略を示した図である。
【図4】移動台車の動きの概略を示した図である。
【図5】移動台車の異なる形態を示した図である。
【図6】従来の海底鉱物資源採鉱システムの概略を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る実施の形態の海底鉱物資源採鉱システムについて、図面を参照しながら説明する。図1に、海底鉱物資源採鉱システム(以下、採鉱システムという)1を示す。採鉱システム1は、海底10で鉱物資源11の採鉱を行う採鉱機3と、採鉱した鉱物資源を海上の作業船6に搬送する揚鉱装置8の間に、採鉱機3に追従して移動する移動台車2を有している。
【0022】
この移動台車2は、搬送管8を巻装し、搬送管8の送り出し及び巻き取りを行うドラム21と、海底10で移動するための複数の走行装置23を有している。ここで、ドラム21は、例えば直径が200mmで、長さが100〜150m程度の搬送管8を巻装する。更に、移動台車2に、オペレータが海底10の様子を確認するカメラを設置してもよい。
【0023】
また、移動台車2と揚鉱装置4の間に中継器15を設置してもよい。これは、搬送管8を海底10に安定させるための搬送管連結器である。更に、移動台車2と採鉱機3、及び、採鉱機3と作業船6上に載置した制御装置5を、複合ケーブル9でそれぞれ接続している。この複合ケーブル9は、採鉱機等への指示(コントロール)、電源の供給及び採鉱機等に搭載したカメラの画像の転送に使用することができる。
【0024】
なお、搬送管8は、例えばフレキシブルホース、又はフレキシブルパイプ等で構成することができる。特に、揚鉱装置4と貯蔵庫7を連通する搬送管8は、ライザー管等を使用することができる。
【0025】
次に、採鉱システム1の動作について説明する。この採鉱システム1の制御は、基本的な部分は従来と同様であり、採鉱機3で採鉱した鉱物資源11を、搬送管8でスラリー輸送し、揚鉱装置4で作業船6上に搬送するように制御する。本発明の採鉱システム1の特徴は、採鉱機3に追従して移動台車2が走行する点にある。
【0026】
具体的には、図2に示す様に、採鉱機3が移動する際、移動台車2は、採鉱機3に対して予め定めた距離を維持するように自走する。この移動台車2の走行は、オペレータが採鉱機3をコントローラ等で操作する場合と同様の方法で制御することができる。また、移動台車2又は採鉱機3に、両者の間隔を計測する距離計測装置を設置し、移動台車2が自動的に採鉱機3に自走して追従するように構成してもよい。更に、移動台車2と採鉱機3の間にワイヤ等を設置し、このワイヤ等に作用する張力等から、両者の間の距離を推定し、移動台車2が自動的に走行するように構成してもよい。
【0027】
移動台車2は、移動に伴い、ドラム21から揚鉱装置4側(中継器15側)に対して、搬送管8の送り出し及び巻き取りを行う。具体的には、移動台車2が搬送管8にかかる張力を測定し、この張力に応じて、搬送管8の送り出し又は巻取りを自動で制御するように構成することができる。また、オペレータが、カメラ等を確認しながら、コントローラ等でドラム21の回転を制御するように構成することもできる。
【0028】
なお、採鉱機3が採鉱を行っている間、作業船6は基本的には定点を維持した状態となる。つまり、採鉱機3の移動に合わせて、作業船6を移動する制御が不要となる。また、採鉱機3は、海中に投下され着床した着床地点を基点として、前進しながら採鉱し、その後、着床地点まで後進して戻り、若干方向を変えて再び前進しながら採鉱する作業を繰り返すことが望ましい。つまり、採鉱機3及び移動台車2は、着床地点から放射状に採鉱作業を行うことが望ましい。
【0029】
上記の構成により、以下の作用効果を得ることができる。第1に、採鉱機3の移動の自由度を向上することができる。これは、移動台車2が採鉱機3に追従して移動し、この移動に合わせて搬送管8の送り出し及び巻き取りを行う構成により、採鉱機3に、搬送管8の重量、及び搬送管8と海底10の間で発生する摩擦抵抗の影響がでないためである。そのため、採鉱機3は、海底10を自由且つ広範囲に移動し、採鉱を行うことが可能となり、採鉱の作業効率を向上することができる。また、搬送管8は、引きずられることがなくなるため、劣化による交換の頻度が低下し、長期間の使用に耐えることができる。
【0030】
第2に、採鉱機3が採鉱を行う際に、作業船6は基本的には定点維持の状態でよいため、作業船6の位置制御が容易となる。これは、採鉱機3が、移動台車2に巻装した搬送管8の送り出しにより、作業船6の位置に関わらず、広い範囲で採鉱作業を行うことができるためである。
【0031】
第3に、搬送管8が海底10の突起物30等に絡まることを防止することができる。これは、移動台車2が、搬送管8を引きずらず、巻き取りを行う際も搬送管8を上方に持上げながら巻き取るためである。これにより、採鉱システム1は、深海で安定した採鉱作業を実現することができる。
【0032】
図3に、移動台車2の概略図を示す。移動台車2は、例えば枠状体で構成した移動台車本体20と、フレキシブルな搬送管8を巻装して搬送管8の送り出し及び巻き取りを行うドラム21と、移動台車2に動力を供給する動力装置(例えば油圧動力装置)22と、海底で移動するための複数の走行装置23を有している。
【0033】
このドラム21は、搬送管8を揚鉱装置側(図3右方)に、送り出すように構成している。また、走行装置23は、それぞれ独立して鉛直方向に移動自在な昇降装置24を介して、移動台車本体20に設置している。この走行装置23は、例えば車輪式、履帯式等で構成することができる。更に、動力装置22は、ドラム21の回転、移動台車2の走行、及び昇降装置24の上下移動等のために動力を供給するように構成している。
【0034】
なお、移動台車2に、移動台車2の姿勢制御用のスラスター25を設置してもよい。また、異なる長さの搬送管8を巻装した複数のドラム21を準備し、海底の状況等により、移動台車2に搭載するドラム21の大きさを変更できるように構成してもよい。
【0035】
ここで、移動台車2は、例えば、全高2〜10m程度、重量が10〜50t程度の大きさとすることができる。この移動台車2の大きさは、巻装する搬送管8を長くする等した場合は、更に大型となる。例えば、移動台車2を全高5m、重量20t程度とした場合、移動台車2は、直径が200mmの搬送管8であれば約100〜150mの長さを巻装することができる。
【0036】
図4に、移動台車2及び採鉱機3が海底を移動している様子を示す。図4A及び図4Bに示す様に、走行装置23は、海底10の傾斜に応じて傾動するように構成している。具体的には、走行装置23を、昇降装置24等に回転自在に設置することができる。また、昇降装置24は、海底10の傾斜に応じて上下移動するように構成している。具体的には、オペレータがカメラから移動台車2の傾きを認識し、コントローラにより昇降装置24を操作するように構成することができる。また、移動台車2に、ジャイロ等の移動台車本体20の傾きを検知するセンサを設置し、このセンサの入力により、昇降装置24が自動的に上下動し、移動台車2の姿勢を制御するように構成してもよい。以上の構成により、移動台車2の姿勢を維持することができ、移動台車2の転倒等の事故の発生を防止することができる。
【0037】
図5に、異なる形態を有する移動台車2Bの概略を示す。この移動台車2Bは、図3に示す移動台車2から、ドラム21を取り外し、移動台車本体20の前方(図5右方)に、ロボットアーム26を設置している。このロボットアーム26は、例えば鉱石資源を採鉱する構造とすることができる。このとき、ロボットアーム26に、搬送管8を連結している。つまり、移動台車2Bを、採鉱機として構成することができる。また、ロボットアーム26を、マニピュレータ等で構成してもよい。
【0038】
上記の構成により、以下の作用効果を得ることができる。第1に、移動台車を改造して採鉱機として利用することができる。つまり、移動台車2のドラム21を取り外し自在とする構成により、移動台車の汎用性を高めることができる。このため、作業船6に予備の移動台車2を搭載しておけば、採鉱作業中の採鉱機の故障、又は海底の詳細な調査が必要等の事態に対して、移動台車2の改造により対応することができる。海底鉱物資源の採鉱
は、洋上での作業となり、限られた資材で採鉱作業を行わなくてはいけないが、この採鉱作業を効率的に行うことが可能となる。
【0039】
なお、採鉱システムにおいて、採鉱機3にドラム21を搭載し、移動台車2をシステムから取り除いた構成としてもよい。つまり、採鉱機3自身が、ドラム21を有しており、移動に伴いドラム21から搬送管8の送り出し及び巻き取りを行うように構成することもできる。この構成により、前述の移動台車2を有する海底鉱物資源採鉱システム1と同様の作用効果を得ることができる。
【0040】
また、図5の移動台車2Bにドラム21を設置し、採鉱機として使用することもできる。この場合、上記と同様の構成となり、同様の作用効果を得ることができる。このとき、移動台車2は、作業船上に設置したコントローラ等により操作される。
【符号の説明】
【0041】
1 海底鉱物資源採鉱システム(採鉱システム)
2 移動台車
3 採鉱機
4 揚鉱装置
6 作業船
8 搬送管
10 海底
11 鉱物資源
20 移動台車本体
21 ドラム
22 動力装置
23 走行装置
24 昇降装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海底で鉱物資源の採鉱を行う採鉱機と、採鉱した鉱物資源を海上の作業船に送る揚鉱装置と、前記採鉱機と前記揚鉱装置を連結し前記鉱物資源を搬送する搬送管を有した海底鉱物資源採鉱システムにおいて、
前記海底鉱物資源採鉱システムが、前記採鉱機と前記揚鉱装置の間に、前記採鉱機に追従して移動する移動台車を有しており、前記移動台車が、移動台車本体と、前記搬送管を巻装し前記搬送管の送り出し及び巻き取りを行うドラムと、前記移動台車に動力を供給する動力装置と、海底で移動するための複数の走行装置を有しており、前記ドラムが、巻装した前記搬送管を前記揚鉱装置の側で送り出し及び巻き取りを行う構成を有することを特徴とする海底鉱物資源採鉱システム。
【請求項2】
前記採鉱機が移動した場合、前記移動台車が前記採鉱機との距離が予め定めた範囲内になるように走行し、且つ、前記ドラムを回転し前記搬送管の送り出し及び巻き取りを行う構成を有していることを特徴とする請求項1に記載の海底鉱物資源採鉱システム。
【請求項3】
前記海底鉱物資源採鉱システムが、前記作業船上に、前記移動台車の走行制御を行うコントローラを有していることを特徴とする請求項1に記載の海底鉱物資源採鉱システム。
【請求項4】
前記移動台車が、前記移動台車本体と少なくとも1つの前記走行装置の間に昇降装置を有しており、前記昇降装置が、前記走行装置を前記移動台車本体に対して鉛直方向に移動可能とする構成を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の海底鉱物資源採鉱システム。
【請求項5】
前記移動台車が、大きさの異なる複数の前記ドラム、及びロボットアームを着脱自在とする構成を有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の海底鉱物資源採鉱システム。
【請求項6】
海底で鉱物資源の採鉱を行う採鉱機と、採鉱した鉱物資源を海上の作業船に送る揚鉱装置と、前記採鉱機と前記揚鉱装置を連結し前記鉱物資源を搬送する搬送管を有した海底鉱物資源採鉱システムにおいて、
前記採鉱機が、前記搬送管を巻装し前記搬送管の送り出し及び巻き取りを行うドラムを有しており、前記ドラムが、巻装した前記搬送管を前記揚鉱装置の側で送り出し及び巻き取りを行う構成を有することを特徴とする海底鉱物資源採鉱システム。
【請求項7】
海底で鉱物資源の採鉱を行う採鉱機と、採鉱した鉱物資源を海上の作業船に送る揚鉱装置と、前記採鉱機と前記揚鉱装置を連結し前記鉱物資源を搬送する搬送管を有した海底鉱物資源採鉱システムであり、前記海底鉱物資源採鉱システムが、前記採鉱機と前記揚鉱装置の間に、前記採鉱機に追従して移動する移動台車を有しており、前記移動台車が、移動台車本体と、前記搬送管を巻装し前記搬送管の送り出し及び巻き取りを行うドラムと、前記移動台車に動力を供給する動力装置と、海底で移動するための複数の走行装置を有しており、前記ドラムが、巻装した前記搬送管を前記揚鉱装置の側で送り出し及び巻き取りを行う構成を有する海底鉱物資源採鉱システムの制御方法であって、
前記採鉱機が移動した場合、前記移動台車と前記採鉱機の間の距離を計測するステップと、
前記移動台車と前記採鉱機の間の距離を予め定めた範囲内に維持するように、前記移動台車を移動するステップと、
前記移動台車の移動に伴い、前記ドラムを回転し前記搬送管の送り出し及び巻き取りを行うステップを有することを特徴とする海底鉱物資源採鉱システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−202108(P2012−202108A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67681(P2011−67681)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【Fターム(参考)】