説明

海藻養殖方法識別装置およびそれを用いた海藻養殖方法の識別方法

【課題】 養殖方法が確立されていない天然生育種等の海藻類の最適な養殖条件を、容易に検討するができる海藻養殖方法識別装置および海藻養殖方法の識別方法を提供する。
【解決手段】 海水の水位を調節可能な水槽と、該水槽内に設置された前記海水の水位に追従する少なくとも1つの浮遊式海藻保持具と、前記海水の水位に追従せずに高さが固定された少なくとも1つの固定式海藻保持具と、を具備する海藻養殖方法識別装置、およびそれを用いた海藻養殖方法の識別方法であって、水槽中の海水の水位を任意の周期にて変動させ、常に海水中で生育する前記浮遊式海藻保持具の海藻と、前記周期に合わせて海水中と海水面上の双方で生育する前記固定式海藻保持具の海藻と、を比較する海藻養殖方法の識別方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は海藻養殖方法識別装置およびそれを用いた海藻養殖方法の識別方法に関し、詳しくは、海藻の最適な養殖条件を、容易に検討することができる海藻養殖方法識別装置およびそれを用いた海藻養殖方法の識別方法である。
【背景技術】
【0002】
現在、様々な種類の海藻類が養殖されており、養殖技術に関し、様々な検討がなされている。例えば、特許文献1には、海藻類の付着性や活着性が良く、耐久性に優れ、波浪条件の厳しい場所においても好適に使用できる海藻類養殖用網を得ることができる変性ポリビニルアルコール樹脂を含有するポリアミドにて形成されている養殖資材用繊維が提案されている。また、特許文献2には肥効を上げて生産性と品質の向上が図れ、しかも容易に施肥を行える海藻養殖用網として、網を構成する繊維の表面に栄養塩を含有する樹脂層が設けられており、水中への浸漬によって前記樹脂中の栄養塩が徐放するように構成されたものが提案されている。
【0003】
また、その他、特許文献3には、海水中の燐濃度の低い養殖場における海苔の収穫量を増加するポリ燐酸アンモニウムを有効成分とする海藻養殖用肥料が提案されている。
【特許文献1】特開2005−117972号公報
【特許文献2】特開2003−158929号公報
【特許文献3】特開平9−59079号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
海藻の養殖を行う上で、日光の照射量、乾出の有無等は重要な要素であり、養殖方法が確立されていない天然生育種等の海藻類を養殖するにあたり、まず、その海藻の最適な養殖条件を調べる必要がある。上記特許文献1〜3に記載された技術のように、現在までに提案されてきた養殖技術は、養殖の条件が確立された海藻類の養殖を対象とするものであり、現在、養殖方法が確立されていない海藻類の最適な養殖条件を調べるにはかなりの労力と時間を必要としており、効率よく、最適な養殖条件を調べることができる装置および方法が求められていた。
【0005】
そこで本発明の目的は、養殖方法が確立されていない天然生育種等の海藻類の最適な養殖条件を、容易に検討するができる海藻養殖方法識別装置および海藻養殖方法の識別方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、海水の水位を調節可能な水槽に、海水の水位に追従する海藻保持具と、海水の水位に追従しない海藻保持具とを具備することにより、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明の海藻養殖方法識別装置は、海水の水位を調節可能な水槽と、該水槽内に設置された前記海水の水位に追従する少なくとも1つの浮遊式海藻保持具と、前記海水の水位に追従せずに高さが固定された少なくとも1つの固定式海藻保持具と、を具備することを特徴するものである。
【0008】
また、本発明の海藻養殖方法識別装置は、前記浮遊式海藻保持具および前記固定式海藻保持具のうち、少なくともひとつがその上部に紫外線除去部材を有するものを好適に使用することができる。より好ましくは、前記浮遊式海藻保持具および前記固定式海藻保持具をそれぞれ2つ有し、それぞれの海藻保持具の一方にのみ前記紫外線除去部材が配設されているものである。なお、紫外線除去部材が、アクリル板であるもの、前記海藻保持具が、海水面に対して平行に、籠体に張設された複数本の網糸であるものを好適に使用することができる。
【0009】
更に、前記水槽が、サイフォンの原理により排水を行う排出口を具備するものを好適に使用することができる。
【0010】
本発明の海藻養殖方法の識別方法は、上記本発明の海藻養殖方法識別装置を用いた海藻養殖方法の識別方法であって、水槽中の海水の水位を任意の周期にて変動させ、常に海水中で生育する前記浮遊式海藻保持具の海藻と、前記周期に合わせて海水中と海水面上の双方で生育する前記固定式海藻保持具の海藻と、を比較することを特徴とするものである。なお、前記周期が自然海域での潮位の変動と同じであることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の海藻養殖方法識別装置は、有用性のある天然海藻等の養殖条件が検討されていない海藻類の特性を検討することができ、短期間でかつ効率よく養殖するための方法を簡便に調べることができる。これにより、効率よく大量に対象となる海藻を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の好適実施形態につき、詳細に説明する。
本発明の海藻養殖方法識別装置は、海水の水位を調節可能な水槽と、該水槽内に設置された海水の水位に追従する浮遊式海藻保持具と、海水の水位に追従せずに高さが固定された固定式海藻保持具とを具備するものであり、海藻保持具上に、養殖条件の検討対象となる海藻を生育させる。海藻保持具には、海藻の養殖に通常使用される素材、形状のものを使用することができる。好ましくは、海水面に対して平行に、籠体に張設された複数本の網糸である。籠体には、例えば、市販されているカニ籠を改良し用いることができる。カニ籠に網糸を海水面に対し、水平になるように張り付け、海藻の付着した網糸を挟むことにより、作製することができる。当該構成を図1に示す。図示するように、籠体1の上側に、海藻保持具である網糸2を張り付け、網糸2上に海藻を生育させる。籠体1がなくとも、海藻の養殖を行うことはできるが、網糸2全体を囲む籠体1を設けることにより、流れ藻等の絡まりを防止することができる。
【0013】
本発明の海藻養殖方法識別装置には、上記海藻保持具として、海水の水位に追従する浮遊式と、海水の水位に追従せずに高さが固定された固定式との2種類を使用する。浮遊式海藻保持具において、海水に追随させる方法は特に制限されるものではないが、例えば、浮力を有するものを上記海藻保持具に具備させればよい。図2に具体例を示す。図示するように、浮力を有するフローター3を籠体1に設置すればよく、フローター3の設置箇所および数は、網糸2が海水面から所望の位置に配置されるように選択する。これにより、水槽中の水位によらず、常に水面に浮くこととなり、網糸2を水面から一定の距離を保ちながら、海水に沈下させておくことができる。
【0014】
また、固定式海藻保持具において、海水の水位に追従せずに高さを固定させる方法は特に制限されるものではないが、例えば、海藻保持具に直接または間接的に錘を設置し、水槽に吊設することにより、高さを一定に固定することができる。図3に具体例を示す。図示するように、錘4を籠体1に吊設し、紐6を介して、籠体1を棒体5に吊設させる。棒体5を水槽に架設することにより、海藻保持具である網糸2を水槽中の一定の高さに吊設することができる。なお、籠体1を、海藻保持具である網糸2を一定の高さに固定できる程度の重さのあるものとすることにより、籠体1自身を錘として、使用することも可能である。これにより、水槽中の水位によらず、網糸2の高さを一定に保つことができる。水槽中の海水の水位を網糸2が設置されている位置より低くすることにより、網糸2を乾出させることができる。一方、水槽中の海水の水位を網糸2が設置されている位置より高くすることにより、網糸2を海水に沈下させておくことができる。
【0015】
本発明に係る水槽は、海水の水位を調節することができれば、その素材、構造は特に制限されるものではなく、使用する海藻保持具の大きさ等に応じて適宜選択することができる。海水の水位を調節することができる水槽とすることにより、自然海域での潮位の変動を再現することができる。海水の水位を調整する方法としては、例えば、水槽が海水の吸水口および排出口を具備し、養殖の条件に併せて適宜、吸水と排水を行う等を挙げることができる。なお、サイフォンの原理により排水を行う排出口を具備する水槽を好適に使用することができる。これにより、水面の水位の調整において、水槽内の水位がある一定の高さになるとサイフォンの原理により自動的に海水の排水が行うことができる構造とすることができる。
【0016】
図4に本発明の海藻養殖方法識別装置の一実施形態を表す模式図を示す。図4(a)は固定式海藻保持具2Aより、海水面を高く設定した状態を表し、図4(b)は固定式海藻保持具2Aより、海水面を低く設定した状態を表す。なお、図中の矢印は海水の吸水および排水の際の海水の流れを表す。
【0017】
図4(a)に示すように、水槽7に、吸水口8から海水11を導入し、水面が一定の高さになると、図4(b)に示すように、サイフォンの原理を利用し、管10により、自動的に水槽中の海水11を排出し、容易に水位を調整することができる。なお、管10の海水の導入口の高さが、最低水位となり、管10の湾曲部が最高水位となる。図4(a)に示すように、固定式海藻保持具2Aよりも、海水面を高くすると、2つの海藻保持具2Aおよび2Bはともに海水に沈下させておくことができる。一方、図4(b)に示すように固定式海藻保持具2Aよりも、海水面を低くすると、固定式海藻保持具2Aは乾出し、浮遊式海藻保持具2Bは海水に沈下したままとなる。これにより、海藻の養殖における生長に及ぼす乾出(乾燥)の影響を容易に検討することが可能となる。なお、浮遊式海藻保持具2Bに使用する紐6の長さは、少なくとも最低水位のときにも、浮遊式海藻保持具2Bが乾出しない程度の長さが必要である。
【0018】
また、本発明に係る浮遊式海藻保持具および固定式海藻保持具のうち、少なくともひとつが、その上部に紫外線除去部材を有するものを好適に使用することができる。これにより、紫外線を遮断でき、海藻の養殖における紫外線の影響を検討することが可能となる。紫外線除去部材は、紫外線を遮断するものであればよく、例えば、アクリル板を好適に用いることができる。紫外線除去部材の設置位置は、太陽光が海藻保持具に直接当たらないよう、適宜選択する。図5に海藻保持具上部に、紫外線除去部材を配設した際の斜視図を示す。図5は、紫外線除去部材として、板状であるアクリル板12を配設した際の斜視図である。
【0019】
好ましくは、浮遊式海藻保持具および固定式海藻保持具をそれぞれ2つ配置し、それぞれの海藻保持具の一方にのみ紫外線除去部材を配設する。かかる好適例を図6に模式図として示す。図6(a)は固定式海藻保持具2Aより、海水面を高く設定した状態を表し、図6(b)は海水を排出し、固定式海藻保持具2Aより、海水面を低く設定した状態を表す。このような構成とすることにより、海藻保持具は、図の左から順に、(1)乾出させることが可能であり、紫外線を除去するもの、(2)乾出させることが可能であり、紫外線を除去しないもの、(3)常に海中に沈下しており、紫外線を除去するもの、(4)常に海中に沈下しており、紫外線を除去しないものとなる。これにより、海藻の養殖における乾出の影響および紫外線の生長に及ぼす影響を同時に、かつ容易に検討することが可能となる。
【0020】
本発明の海藻養殖方法の識別方法は、上記本発明の海藻養殖方法識別装置を用いた海藻養殖方法の識別方法であって、水槽中の海水の水位を任意の周期にて変動させ、常に海水中で生育する前記浮遊式海藻保持具の海藻と、前記周期に合わせて海水中と海水面上の双方で生育する前記固定式海藻保持具の海藻と、を比較するものである。ここで、海水の水位を変更させる周期は任意に決定し、行うことが可能であるが、自然海域での潮位の変動と同じ周期とすることにより、実際の養殖における最適条件の検討となるため、好ましい。
【実施例】
【0021】
本発明を以下、実施例に基づき詳細に説明する。
海藻養殖方法識別装置の作製
まず、網糸に、後に詳述するウシケノリの単胞子を付着させた5cm程度に切断した網糸を等間隔に結びつけた。得られた網糸の一端を、長手方向に複数の穴をあけた市販のパイプの穴に通しパイプに固定し、網糸のもう一端を同様に作成したパイプの穴に通し固定した。得られた網糸を結びつけたパイプを図1に示すような構成となるように、市販のカニ籠中に設置した。なお、カニ籠は網で作製された逆止弁を有していたが、入り口を塞ぐように編みなおした。固定式海藻保持具には、錘をつけず、カニ籠の自重により、水中において一定の高さを保持させ、浮遊式海藻保持具には、市販のフローターを設置し、水面から一定の深さを保つようにした。更に、紫外線除去部材には、アクリル板(商品名:アクリルサンデー板(透明色)、アクリルサンデー(株)製)を用い、図5に示すように、網糸の上部に設置した。水槽には、図4および6に示すように、サイフォンの原理により海水の水位を調整することが可能なコンクリート製の屋外水槽を用いた。
【0022】
ウシケノリの最適養殖条件の検討
養殖条件を検討する海藻としてウシケノリを用いた。ウシケノリは、スサビノリと比較して長期間において単胞子を放出するため、藻体の継体培養が可能である。また、藻体の維持管理の面からみてもウシケノリは、スサビノリと比較して容易である。なお、養殖種であるスサビノリは様々な生理生態学的なデータが蓄積されているが、ウシケノリは養殖種ではないために生理生態学的な基礎的データが不足している。
【0023】
本実施例で用いたウシケノリは、福岡県で1990年に採集され、三重大学生物資源学部水圏生物利用学研究室で14年間継体培養されていた株である。この株からウシケノリの単胞子を放出させ浜島水産研究部にて継体培養している。ウシケノリの単胞子を得るために、ウシケノリの母藻を200mL容のSW2補強海水とスライドグラスを敷き詰めた直径15cmのペトリ皿にて1週間振蕩培養した。ウシケノリの単胞子は容易に放出されスライドグラスに付着した。単胞子は17℃、12L:12D、100μmol photons m-2-1で0.1ppmのGeO2を加えた条件で放出させた。
【0024】
ウシケノリの継体培養は、単胞子をクレモナ単糸に付着させ、丸型500mL培養瓶を用い、通気培養にて行った。また、殺菌した新たな数本のクレモナ単糸を同一の培養瓶に入れ培養することにより容易にウシケノリを継体培養することができた。基本的に実験に支障が出る程度のバクテリアが確認されない限り抗生物質は添加せず、また、エアーコンプレッサーからウシケノリを培養している培養瓶のチューブに濾過フィルターを付け、培養液の換水は一日おきに行った。
【0025】
ウシケノリは浜島水産研究所のコンクリート製の屋外水槽で培養した。水槽は常に新鮮な海水が流れており、水温は浜島の沿岸域と同様である。母藻は単胞子の放出を促すために、あらかじめ10℃で1ヶ月程度培養し、単胞子を放出させる際には母藻を20℃の条件下に移動した。単胞子を得るためにクレモナ単糸に付着させた全長15cm程度の藻体を10L容のポリカ製培養瓶にて通気培養を行い、5cm程度に切断した網糸500本に付着させた。また、切断した網糸はあらかじめ2日間水道水であく抜きを行った後に殺菌したものを用いた。網糸へ単胞子が付着したのを顕微鏡で確認した後に、同条件で1ヶ月間通気培養し、屋外水槽で用いる種苗とした。
【0026】
最適養殖条件の検討は2004年12月3日から2005年4月8日にかけて行った。養殖には上記の方法により作製した海藻養殖方法識別装置を用いた。水槽中の海水の水位は、6時間間隔で上下させることにより自然海域での潮位の変動を再現した。海藻養殖方法識別装置は、図6に模式図として示したものと同様の組み合わせとした。これにより、(1)常に海中に沈下しており、紫外線を除去する条件、(2)常に海中に沈下しており、紫外線を除去しない条件、(3)前記周期にて乾出させ、紫外線を除去する条件、(4)前記周期にて乾出させ、紫外線を除去しない条件の4条件にて検討行った。それぞれの条件に生育させたウシケノリは1週間おきに目視および一部をサンプリングし、顕微鏡下で観察した。3週間後の結果を図7に示す。
【0027】
上記(1)の条件では、図7(a)に示すように、養殖網が藍藻に被われており、また、図7(b)に示すように、検鏡すると葉体には多くの付着珪藻が生育していた。この条件では、葉体の色合いが悪くほとんど生長していなかった。上記(2)の条件では、図7(c)に示すように養殖網が藍藻に被われており、また、図7(d)に示すように検鏡するとわずかにウシケノリ葉体に付着珪藻が生育していた。上記(3)の条件では、図7(e)に示すように、養殖網にはウシケノリ以外の雑物が付着しておらず、また、図7(f)に示すように検鏡するとウシケノリ葉体には付着珪藻の生育が認められなかった。上記(4)の条件では、図7(g)に示すように、ウシケノリの付着はほとんど認められず、また、図7(h)に示すように、多くが死滅した。これらの結果から上記(3)の条件が、ウシケノリ葉体の色も良く細胞も正常に生長しており、最もウシケノリの生育に適していることが確認された。これにより、本発明の海藻養殖方法識別装置およびそれを用いた海藻養殖方法の識別方法を用いることにより、養殖方法が確立されていない天然生育種等の海藻類の最適な養殖条件を容易に検討することができることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る海藻保持具の一形態を表す斜視図である。
【図2】本発明に係る浮遊式海藻保持具の一形態を表す斜視図である。
【図3】本発明に係る固定式海藻保持具の一形態を表す斜視図である。
【図4】本発明の海藻養殖方法識別装置の一実施形態を表す模式図である。
【図5】海藻保持具上部に、紫外線除去部材を配設した際の斜視図である。
【図6】本発明の海藻養殖方法識別装置の他の一実施形態を表す模式図である。
【図7】本発明の海藻養殖方法識別装置を用いて養殖したウシケノリの写真図である。
【符号の説明】
【0029】
1 籠体
2 網糸(海藻保持具)
3 フローター
4 錘
5 棒体
6 紐
7 水槽
8 吸水口
9 排水口
10 管
11 海水
12 アクリル板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海水の水位を調節可能な水槽と、該水槽内に設置された前記海水の水位に追従する少なくとも1つの浮遊式海藻保持具と、前記海水の水位に追従せずに高さが固定された少なくとも1つの固定式海藻保持具と、を具備することを特徴する海藻養殖方法識別装置。
【請求項2】
前記浮遊式海藻保持具および前記固定式海藻保持具のうち、少なくともひとつがその上部に紫外線除去部材を有する請求項1記載の海藻養殖方法識別装置。
【請求項3】
前記浮遊式海藻保持具および前記固定式海藻保持具をそれぞれ2つ有し、それぞれの海藻保持具の一方にのみ前記紫外線除去部材が配設されている請求項2記載の海藻養殖方法識別装置。
【請求項4】
前記紫外線除去部材が、アクリル板である請求項2または3記載の海藻養殖方法識別装置。
【請求項5】
前記海藻保持具が、海水面に対して平行に、籠体に張設された複数本の網糸である請求項1〜4のうちいずれか一項記載の海藻養殖方法識別装置。
【請求項6】
前記水槽が、サイフォンの原理により排水を行う排出口を具備する請求項1〜5のうちいずれか一項記載の海藻養殖方法識別装置。
【請求項7】
請求項1〜6のうちいずれか一項記載の海藻養殖方法識別装置を用いた海藻養殖方法の識別方法であって、水槽中の海水の水位を任意の周期にて変動させ、常に海水中で生育する前記浮遊式海藻保持具の海藻と、前記周期に合わせて海水中と海水面上の双方で生育する前記固定式海藻保持具の海藻と、を比較することを特徴とする海藻養殖方法の識別方法。
【請求項8】
前記周期が自然海域での潮位の変動と同じである請求項7記載の海藻養殖方法の識別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−49944(P2007−49944A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−238041(P2005−238041)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(503360115)独立行政法人科学技術振興機構 (1,734)
【Fターム(参考)】