説明

消泡装置、定着装置及び画像形成装置

【課題】消泡剤と泡状定着液が均等に混ざり合って攪拌され、消泡剤が泡状定着液に接触する回数が増えることで、泡状定着液を消泡剤によって効率的に消泡させることができる消泡装置を提供する。
【解決手段】泡状定着液を破泡させる消泡剤を含有する消泡液55を収容する消泡液収容器52と、消泡液内に泡状定着液52を導入するための泡状定着液導入路53と、消泡液収容器52内に圧力をかけることによって泡状定着液を泡状定着液導入路53を介して前記消泡液収容器内に搬送する泡搬送ポンプ54と、消泡液収容器52内に空気を取り込むための、大気解放された空気導入路56と、を備え、空気導入路56の出口を消泡液55の液中に配置し、空気導入路56から取込んだ空気によって消泡液55中を攪拌して、泡状定着液導入路53から導入された泡状定着液の泡沫を破壊するための気泡を発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー等の樹脂成分の少なくとも一部を溶解または膨潤させて記録媒体上に定着させる定着液の液中に気泡が分散した泡状定着液を破泡させ、液状定着液とする消泡装置、並びに、これを備えた定着装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ及び複写装置等の画像形成装置は、紙、布、及びOHP用シートのような記録媒体に、画像情報に基づいて文字や記号を含む画像を形成する装置である。特に、電子写真方式の画像形成装置は、普通紙に高精細な画像を高速で形成することができるため、広くオフィス等で使用されている。
このような電子写真方式の画像形成装置においては、記録媒体上のトナーを加熱して溶融させ、溶融したトナーを加圧することによって、トナーを記録媒体上に定着させる熱定着方式が広く用いられている。この熱定着方式は、高い定着速度及び高い定着画像品質等を提供することができるため、好適に用いられている。
しかし、このような電子写真方式の画像形成装置における消費電力の約半分以上は、熱定着方式においてトナーを加熱することに消費されている。一方、近年における環境問題対策の観点からは、低消費電力(省エネルギー)の定着装置が望まれている。即ち、トナーを定着するためにトナーを加熱する温度を今までよりも極端に低下させること、又はトナーを加熱することを必要としない定着方法が望まれている。特に、トナーを全く加熱することなくトナーを記録媒体に定着させる非加熱定着方法が低消費電力の点で理想的である。
【0003】
かかる非加熱定着方法のひとつに、特許文献1に示す泡状定着方式がある。
この方式において、定着装置は、泡状定着液を紙等の記録媒体上の樹脂微粒子に付与し、樹脂微粒子に対して接離する泡状定着液付与手段と、泡状定着液付与手段が樹脂微粒子に接して泡状定着液を媒体上の樹脂微粒子に付与している時間が、泡状定着液付与手段によって付与される泡状定着液が媒体上の樹脂微粒子層を浸透して媒体に到達する浸透時間より同じ又は長くなるように、泡状定着液の膜厚を制御する泡状定着液膜厚制御手段と、を具備している。
従って、樹脂微粒子の泡状定着液付与手段へのオフセット付着を防止でき、樹脂微粒子を乱すことなく、かつ当該樹脂微粒子を付着した媒体に定着液を塗布後は素早く樹脂微粒子の媒体への定着が可能となる。
よって、媒体上の、トナー等の樹脂を含有する樹脂微粒子を乱すことなく、かつ樹脂微粒子を付着させた媒体に定着液を塗布後は素早く樹脂微粒子の媒体への定着が行われ、定着応答性に優れた定着方法となる。
【0004】
以上のように、特許文献1の定着装置は泡状定着液を用いた定着装置ということになるが、特許文献1に記載されていない部分で、定着液付与手段をクリーニングするクリーニング手段が必要になる。
なぜなら、泡状定着液を媒体上の(トナーに代表される)樹脂微粒子に付与するプロセスにおいて、樹脂微粒子を付与後、定着液付与手段上に、樹脂微粒子に付与しきれずに残った残留泡状定着液と、媒体上からオフセットされた樹脂微粒子が存在する可能性が高いからである。
それらは、定着液付与手段からの泡状定着液の均一な供給と、オフセットされた樹脂微粒子の再転写による画像の劣化の防止のためクリーニングされる必要がある。
【0005】
クリーニング手段で懸念されるのは、クリーニングされる対象が泡であり、体積が大きいことである。定着液が泡状であることにより、泡化されていない定着液に対して体積が数十倍にも膨れ上がるため、連続印刷が行われる際には、クリーニングされた泡を貯蔵する大きなタンクが必要となる。
ローエンドの小型機種では、機械の小型化が必須であり、大きな泡貯蔵手段を置くことは製品の意匠面でマイナスとなる。
ただし、泡を液化する、すなわち消泡ができれば、泡が占める体積を小さくすることは可能であり、装置の小型化の可能性を見出すことができる。
【0006】
この問題を解決しようとしたものが、特許文献2に記載の技術である。
特許文献2では、泡状定着液を媒体上の樹脂微粒子に付与することによって定着を行う定着装置において、少なくとも、泡状定着液の塗布部材をクリーニングするクリーニング手段を有し、クリーニング手段は、少なくとも、塗布部材から泡を回収する泡状定着液回収手段と、回収された泡状定着液を貯蔵する泡貯蔵手段と、加熱によって泡状定着液を消泡する加熱手段とを有している。
しかし、特許文献2のように、泡状定着液を用いて定着を行う定着装置に泡状定着液を加熱して破泡させる消泡装置を配置する構成では、破泡させるための加熱処理にエネルギーを要し、湿式定着方式を採用することで熱定着方式に比べて省エネルギー化できるという利点が低減してしまうという問題がある。
かかる問題に対し、特許文献3に記載のような、消泡剤を含有する消泡液によって泡状定着液を破泡して液状定着液とする消泡装置がある。
このような消泡装置であれば、消泡液によって破泡させるため、加熱するよりも少ないエネルギーで泡状定着液を消泡して液状定着液とすることができる。
また、消泡剤を使った構成として、泡状定着液排出口が消泡剤容器の液中に位置する消泡装置が提案されている。これにより、泡状定着液の消泡効率を高めることができる。
【0007】
このような消泡剤を用いた従来の消泡装置の例を説明する。
図12は、従来技術に係る消泡装置の構成を説明する図である。
図12に示す消泡装置は、回収した泡状定着液(オフセットトナー含む)104が収容される泡回収容器100、消泡液105を収容した消泡液収容器101、泡状定着液が進入する管状部材であるノズル102及び泡搬送ポンプ103を備える。
ノズル102は管状の入口が泡回収容器100の底部100aに接続されており、泡搬送ポンプ103を駆動し、空気の流れを発生させ、消泡液収容器101内に負圧を発生させることにより、泡回収容器100内の泡状定着液104が図中の矢印で示すように、ノズル102の入口からノズル102内に進入する。
消泡液収容器101は、泡状定着液104を破泡させる消泡剤を含有する消泡液105を収容し、ノズル102の下部先端102aは消泡液105の液中に位置する。
【0008】
ノズル102の下部先端102aは不図示の出口が形成されており、入口からノズル102内に進入し、ノズル102内を通過した泡状定着液104はこの出口からノズルの外に排出される。
このとき、ノズル102の出口は消泡液105の液中に位置するため、ノズル102を介して消泡液収容器101に供給された泡状定着液104は、消泡液105の液中に供給され、確実に消泡液105に接触することができる。よって、残留泡状定着液を消泡液105によって効率的に消泡させることができる。
消泡液収容器101内の消泡液105は、回収した泡状定着液104と接触することで、泡状定着液104を破泡させて液状定着液を生成する。
すなわち、図12の消泡装置では、泡状定着液104が破泡した液状定着液は消泡液105と混合した状態で消泡液収容器101内に収容される。そして、生成した液状定着液と混合するので、消泡液収容器101内の液量が増加する。
【0009】
図12に示す状態は、消泡液105が消泡液収容器101内に収容され、最初の泡状定着液104が進入してくる直前の状態であり、このときの消泡液105は、液状定着液が混合する前の初期消泡液(スタート液)である。
図12に示す消泡装置では、スタート液の消泡液の液中にノズルの出口が位置するため、使用開始直後から泡状定着液104を効率的に消泡させることができる。
また、この消泡装置では、消泡液105と液状定着液とが混合して、消泡液の液量が増加し、消泡液収容器101の容量の上限に達したときに、消泡液中の消泡剤の最終的な濃度が、3[%]以内となるようなスタート液を用いている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、図12の構成では、消泡液収容器101中にノズル102を通って流入する泡状定着液104の量が多い場合、泡が消泡液105を通る間に消泡されずに水面に浮いてしまい、消泡液収容器101がすぐに満杯なる不具合があった。
これは、泡状定着液が消泡液よりも比重が軽いためである。
泡状定着液104の流入速度は、泡搬送ポンプ103によって発生した消泡液収容器101内の圧力値によって決まる。すなわち、圧力が高い場合、泡状定着液104の流入速度は速くなり、単位時間当たり多くの泡状定着液104が消泡液収容器101に流入することになる。
ノズル102から出る泡状定着液104は泡沫のまま消泡液105中に流入するため、即効性のある消泡液105でないと消泡されずに泡状定着液104は消泡液105の液面にすぐ浮いて出てきてしまう。
一度液面に出てきた泡状定着液104は消泡液105に接触することなく長時間液面に泡のまま留まることになり、液面の泡が完全に消泡するには日単位での時間がかかってしまう。従って、流入する泡の量が多ければ、消泡液収容器101内が、すぐに液面に出た泡状定着液104で一杯になってしまう。
【0011】
例えば、消泡装置が長期間にわたって使用され、消泡された液で消泡液収容器の水位がある程度上がっている時、連続プリントが始まると、消泡速度が追いつかずに図12に示す系では対応できない。
そこで、消泡効率を上げるために、図13に示すような、消泡液収容器101内に攪拌羽根106を設置し、消泡液収容器101の外部にあるモータ107の駆動力を使って攪拌羽根106を回転させ、消泡液105を攪拌する方法がある。
このようにすると攪拌羽根106の回転によって、ノズル102から出てきた泡状定着液104の泡沫が崩れて、より泡に消泡液105が接触するようになり、消泡効率が向上する。
また、消泡液収容器101内に流入する泡状定着液104の量に応じて攪拌羽根106の回転数を可変することによって、消泡すべき泡量が多い場合でも消泡することができる。
【0012】
図13に示す方法によっても液面に泡状定着液104が消泡されずに浮いてしまう場合は、図13に示す攪拌羽根106ではなく、ホモミクサー(TKホモミクサーMARKII プライミクス社)を使って消泡液105を吸い上げて液を泡にかける方法(上下に攪拌する方法)を用いれば、液面に泡が残ることなく完全に消泡できる。
しかし、図13の方法のように動力源を使用する攪拌方法では、消泡液収容器101内を負圧にするため攪拌羽根106の回転軸と消泡液収容器との接合部のシール化を行う必要があり、装置の大型化や高コスト化に繋がる恐れがあった。
すなわち、図13の示すような、消泡液収容器内に攪拌羽根を設置してモータなどの駆動力を用いて攪拌羽根を回転させて消補益を攪拌する公知の方法では、泡容器内を密閉にすることが困難であり、ポンプによって負圧し、泡を消泡液収容器内に搬送することも困難であった。
また、攪拌装置を入れたとしても少量の泡が徐々に消泡液収容器液面に溜まっていく不具合があり、攪拌装置によって消泡液全体を攪拌する必要があり、攪拌羽根の大型化、羽根数の増加にも繋がる。
【0013】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、消泡剤と泡状定着液が均等に混ざり合って攪拌され、消泡剤が泡状定着液に接触する回数が増えることで、泡状定着液を消泡剤によって効率的に消泡させることができる消泡装置、並びにこれを備えた定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。加えて、環境負荷の少ない定着装置、定着方法、画像形成装置、画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、トナーを構成する少なくとも一部の樹脂成分を溶解または膨潤させて軟化させる泡状定着液を記録媒体上の未定着トナーに付与する泡状定着液付与手段及び該泡状定着液を付与された前記未定着トナーを加圧する加圧手段を備えた定着ユニットから回収した回収泡状定着液を破泡させて液状定着液とする消泡装置であって、前記泡状定着液を破泡させる消泡剤を含有する気密空間を有した消泡液収容器と、前記消泡液内に前記泡状定着液を導入するための泡状定着液導入路と、前記気密空間内に負圧を導入することによって前記泡状定着液を前記泡状定着液導入路を介して前記消泡液収容器内に導入する泡搬送ポンプと、前記消泡液収容器内に空気を導入する空気導入路と、を備え、前記泡状定着液導入路の出口及び前記第空気導入路の出口を前記消泡液の液中に配置し、前記空気導入路により導入した空気によって前記消泡液中を攪拌して、前記泡状定着液を破泡させるための気泡を発生させる消泡装置を特徴とする。
本発明によれば、ポンプの動力だけで取り込んだ空気によって消泡液中を攪拌することで、機械的な攪拌装置を使用せず、消泡剤を攪拌し、消泡効率を向上できる。
【0015】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の消泡装置において、前記消泡液の液中において、前記空気導入路の出口を、前記泡状定着液導入路の出口の近傍に配置した消泡装置を特徴とする。
本発明によれば、泡状定着液が消泡液中に流入したら、すぐに空気によって泡沫を破壊して消泡効率を向上出来る。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の消泡装置において、前記空気導入路から前記消泡液収容器内に導入する空気の量を調整して、前記消泡液収容器内の圧力を調整するための圧力調整弁消泡装置を特徴とする。
本発明によれば、圧縮空気を消泡液収容器に流入して、消泡剤と泡とを攪拌出来る。
【0016】
また、請求項4の発明は、請求項3に記載の消泡装置において、前記消泡液収容器内の所定高さにおける前記泡状定着液の有無を検知する泡検知手段を備え、前記消泡液内に導入する前記泡状定着液の量を調整するための量調整弁を備え、前記泡検知手段により前記泡状定着液が検知されると、前記圧力調整弁を閉じて前記消泡液収容器内の圧力を低下させ、且つ前記量調整弁を閉じて前記泡状定着液の導入を停止した後、前記圧力調整弁を開放して前記消泡液内に空気を導入する消泡装置を特徴とする。
本発明によれば、圧縮空気を消泡液収容器に流入して、消泡剤と泡とを攪拌出来る。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の消泡装置において、前記空気導入路の出口が、複数の分岐出口から成る消泡装置を特徴とする。
本発明によれば、空気を取り込む数を増やし、消泡液収容器内の広範囲にわたって攪拌出来る。
【0017】
また、請求項6の発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の消泡装置において、前記空気導入路の出口の径は、大気中にある入口の径よりも小さい消泡装置を特徴とする。
本発明によれば、消泡液中の空気の流速を上げるとともに、消泡液収容器内の圧力を容易に高められる。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れか一項に記載の消泡装置において、前記消泡液収容器と、前記泡搬送ポンプと、の間に少なくとも1つの容器を接続した消泡装置を特徴とする
本発明によれば、ポンプの破壊を防ぐことが出来る。
【0018】
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れか一項に記載の消泡装置において、前記消泡液の液内において、前記空気導入路から導入される空気によって発生する気泡によって攪拌される領域の水平断面積が、他の部分の水平断面積に比して小さくなるように、少なくとも前記消泡液の液内において前記泡状定着液導入路及び前記空気導入路を包囲する部材を備えた消泡装置を特徴とする
本発明によれば、空気の噴射によって攪拌できる領域を規制して、効率的に消泡を促進出来る。
また、請求項9の発明は、樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有した液状定着液に空気を混合することにより、液中に気泡が分散した泡状定着液とする泡状定着液生成手段と、表面に前記樹脂微粒子を担持する記録媒体に前記泡状定着液を付与する泡状定着液付与手段と、該泡状定着液を付与された前記樹脂微粒子を加圧する加圧手段と、請求項1乃至8の何れか一項に記載の消泡装置と、を備える定着装置を特徴とする。
本発明によれば、本発明の消泡装置を適用すること、定着装置を小型化することが出来る。
【0019】
また、請求項10の発明は、請求項9の定着装置において、前記泡状定着液付与手段に残留する前記泡状定着液を回収し、前記消泡装置に前記泡状定着液を供給する泡状定着液回収手段を備える定着装置を特徴とする。
本発明によれば、泡状定着液を泡状定着液付与手段から回収するので、泡状定着液を放置することに起因する問題点を回避出来る。
また、請求項11の発明は、前記樹脂微粒子を含むトナーを用いて前記記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、請求項9又は10に記載の定着手段と、を備える画像形成装置を特徴とする。
本発明によれば、本発明の消泡装置を適用すること、画像形成装置を小型化することが出来る。
【発明の効果】
【0020】
以上のように構成したので、本発明によれば、消泡剤と泡状定着液が均等に混ざり合って攪拌され、消泡剤が泡状定着液に接触する回数が増えることで、泡状定着液を消泡剤によって効率的に消泡させること可能な消泡装置を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す構成図の一例を示す図。
【図2】本発明に係る画像形成装置が備える画像ステーションの概略構成を示す図。
【図3】本発明の一実施の形態に係る定着装置の構成を示す概略図。
【図4】泡状定着液の詳細を示す図。
【図5】泡状定着液の詳細を示す図。
【図6】泡状定着液生成手段の構成の一例を示す図。
【図7】本発明の実施形態に係る消泡装置を示す図。
【図8】本発明の他の実施形態に係る消泡装置を示す図。
【図9】図8の消泡装置の制御フローを示す図。
【図10】泡検知手段の具体的な構成を示す図。
【図11】本発明のさらに他の実施形態に係る消泡装置の構成を示す図。
【図12】従来技術に係る消泡装置の構成を説明する図。
【図13】容器外部にあるモータの駆動力を使って攪拌羽根を回転し、消泡液を攪拌する方法を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1、2は、本発明に係る画像形成装置の概略構成図を示す図であり、まず、図1、2に基づいて、本発明に係る画像形成装置を説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す構成図の一例を示す図である。
図1に示す画像形成装置は、像形成手段としての各構成部材を収納する位置固定された装置本体1と、転写紙Pを収納する引き出し可能な給紙カセット2とを備えている。
また、装置本体1の中央部には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、黒(K)の各色のトナー像を形成するための画像ステーション3Y、3C、3M、3Kを備えている。
以下、各符号の添字Y、C、M、Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンダ、黒用の部材であることを示す。
【0023】
図2は、本発明に係る画像形成装置が備える画像ステーションの概略構成を示す図である。
なお、図2では、イエローのトナー像を形成するための画像ステーション3Yが例示されているが、全ての画像ステーションが同様の構成を備えているものとする。
図1及び図2に示すように、画像ステーション3Y、3C、3M、3Kは、図中矢印A方向に回転するドラム状の感光体10Y、10C、10M、10Kを備えている。
感光体10は、アルミニウム製の円筒状基体と、その表面を覆う、例えばOPC(有機光半導体)感光層とから構成されている。
各画像ステーション3は、感光体10の周囲に、感光体10を帯電する帯電装置11Y、11C、11M、11K、感光体10に形成された潜像を現像する現像装置12Y、12C、12M、12K、感光体10上の残留トナーをクリーニングするクリーニング装置13Y、13C、13M、13Kを備備えている。
【0024】
図1に示すように、各画像ステーション3の下方には、感光体10Y、10C、10M、10Kにレーザ光Lを照射可能な露光手段としての光学ユニット4を備えている。
また、各画像ステーション3の上方には、各画像ステーション3により形成されたトナー画像が転写される転写ベルト20を備えた中間転写ユニット5を備えている。
また、図1に示すように、転写ベルト20に転写されたトナー画像を転写紙Pに定着する定着装置6を備えている。また、装置本体1の上部には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(K)の各色のトナーを収容するトナーボトル7Y、7C、7M、7Kが装填されている。このトナーボトル7Y、7C、7M、7Kは、装置本体1の上部に形成される排紙トレイ8を開くことにより、装置本体1から脱着可能に構成されている。
【0025】
光学ユニット4は、光源であるレーザダイオードから発射させるレーザ光Lをポリゴンミラー等によって反射させ、感光体10Y、10C、10M、10K上に照射しながら順次走査している。
図1に示すように、中間転写ユニット5の転写ベルト20は、駆動ローラ21、テンションローラ22、及び従動ローラ23に掛け回され、所定タイミングで図中反時計回り方向に回転駆動される。
また、中間転写ユニット5は、感光体10Y、10C、10M、10Kに形成されたトナー像を転写ベルト20に転写する一次転写ローラ24Y、24C、24M、24Kを備えている。また、中間転写ユニット5は、転写ベルト20上に転写されたトナー像を転写紙Pに転写する二次転写ローラ25、転写紙P上に転写されなかった転写ベルト20上の転写残トナーをクリーニングするベルトクリーニング装置26を備えている。
【0026】
次に、上記構成の画像形成装置において、カラー画像を得る工程について説明する。
まず、画像ステーション3Y、3C、3M、3Kにおいて、感光体10Y、10C、10M、10Kが帯電装置11Y、11C、11M、11Kによって一様に帯電される。その後、光学ユニット4により、画像情報に基づきレーザ光Lが走査露光されて感光体10Y、10C、10M、10K表面に潜像が形成される。感光体10Y、10C、10M、10K上の潜像は、現像装置12の現像ローラ15Y、15C、15M、15K上に担持された各色のトナーによって現像されてトナー像として可視像化される。感光体10Y、10C、10M、10K上のトナー像は、各一次転写ローラ24Y、24C、24M、24Kの作用によって反時計回りに回転駆動される転写ベルト20上に順次重ねて転写される。このときの各色の作像動作は、そのトナー像が転写ベルト20上の同じ位置に重ねて転写されるように、転写ベルト20の移動方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。一次転写終了後の感光体10Y、10C、10M、10Kは、クリーニング装置13Y、13C、13M、13Kのクリーニングブレード13aによってその表面がクリーニングされ、次の画像形成に備えられる。トナーボトル7Y、7C、7M、7Kに充填されているトナーは、必要性に応じて図示しない搬送経路によって各画像ステーション3Y、3C、3M、3Kの現像装置12Y、12C、12M、12Kに所定量補給される。
【0027】
一方、給紙カセット2内の転写紙Pは、給紙カセット2の近傍に配設された給紙ローラ27によって、装置本体1内に搬送され、レジストローラ対28によって所定のタイミングで2次転写部に搬送される。そして、二次転写部において、転写ベルト20上に形成されたトナー画像が転写紙Pに転写される。トナー画像が転写された転写紙Pは、定着装置6を通過することで画像定着が行われ、排出ローラ29によって排紙トレイ8に排出される。感光体10と同様に、転写ベルト20上に残った転写残のトナーは、転写ベルト20に接触するベルトクリーニング装置26によってクリーニングされる。
なお、YMCKのステーション、及びトナーボトルの配列順は、図1で表されている例に限らず、どんな順であってもよい。
【0028】
次に、本発明にかかる定着装置に関して詳細に説明する。
はじめに、本発明にかかる定着の原理について概説する。
本発明は、樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで樹脂を含有する微粒子を軟化させる軟化剤を含有した泡状定着液を、媒体上の樹脂微粒子に付与して媒体上の樹脂微粒子を軟化させ、該樹脂微粒子を媒体に定着する定着方法を取っている。
言うまでもないことだが、ここで、表記している樹脂微粒子とは、特に何であるかを限定はしないが、画像形成装置に適用した場合だと、トナーのことを指す。
【0029】
図3は、本発明の一実施の形態に係る定着装置の構成を示す概略図である。
図3に示す定着装置は、樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで、樹脂微粒子であるトナーを軟化させる軟化剤を含有した液状定着液を、液中に気泡が分散した泡状定着液31とする泡状定着液生成装置(泡状定着液生成手段)30と、樹脂微粒子からなる未定着トナー33を担持し、泡状定着液生成装置30から泡状定着液31を供給されて定着液付与対象である転写紙Pの表面に泡状定着液31を塗布(付与)する泡状定着液付与手段としての塗布ローラ32と、塗布ローラ32との間に転写紙Pを通過させるニップCを形成し、ニップCを通過する転写紙Pに対して圧力を加えることで、泡状定着液31によって軟化した未定着トナー33を転写紙Pに定着させる加圧ローラ34と、定着後に塗布ローラ32上に残留した、オフセットトナーを含む泡状定着液(残留泡状定着液)31aを掻き取るクリーニングブレード36を備え残留泡状定着液31を回収する泡状定着液回収手段35と、泡状定着液回収手段置35から泡状定着液導入路としてのノズル37を介して残留泡状定着液31aが導入されて、残留泡状定着液31aを消泡する本発明に特徴的な消泡装置(消泡手段)50と、を備えている。
なお、図3に示す消泡装置50の構成は、図8を用いて後で詳述するが、消泡装置50は、少なくとも泡状定着液を波泡する消泡液55を収容した消泡液収容器52を備えている。
【0030】
本発明は、定着装置において、残留泡状定着液を回収し、後述する構成により泡状定着液を破泡させて液状定着液とする消泡装置を備えることにより、泡状定着液を効率的、且つ確実に液状定着液とすることができるため、回収した定着液を収容するスペースの小型化を図ることができ、定着装置全体の小型化を図ることができる。
さらに、消泡剤を用いることで、加熱するよりも少ないエネルギーで泡状定着液を消泡して液状定着液とすることができるため、定着装置の省エネルギー化を図ることができる。
【0031】
まず、図3における消泡装置50を除く定着装置の構成について詳しく説明する。
塗布ローラ32は、記録媒体P上のトナー未定着33に対して、接触しながら泡状定着液31を付与するという機能を持っている。従って、理想的な状態としては、記録媒体Pが塗布ローラ32との接触部を通過したあとは、塗布ローラ32上の泡状定着液31が全て記録媒体P上の未定着トナー33に付与され、塗布ローラ32がクリーンな状態であることが望ましい。
しかし、現実的には、部品や組み付けのばらつき、環境変動、経時変動等の影響により、全てのプロセスが理想どおりに進むとは考えにくく、実際問題としては、塗布ローラ32上に残留泡状定着液やオフセットされたトナーが残留することが懸念される。
これらが残留したままだと、ローラが1周したときに、供給する泡状定着液31の供給量が不安定になったり、オフセットされたトナーが記録媒体Pに再転写されたりして、記録画質の低下を招く恐れがある。さらには、トナーを含んだ泡状定着液31が循環することになり、泡状定着液が汚れたり、画像品質が低下したりする恐れがある。
したがって、塗布ローラ32に残留した泡状定着液やオフセットされたトナーをクリーニングする必要がある。そこで、クリーニング手段を設けている。クリーニング手段は、大きく分けると泡状定着液回収手段35と消泡装置50に分けられる。
【0032】
泡状定着液回収手段35は、塗布ローラ32上の泡状定着液31やオフセットされたトナーを含む残留泡状定着液31aを、塗布ローラ32から除去し、それを消泡装置50に送る。
なお、図3では、泡状定着液回収手段35は円柱状空間を有し空間内を幅方向に泡を移動するように構成しているが、本発明は消泡装置についてのものであり、泡状定着液回収手段は、図3に示す構成に限定されるものではない。
ただし、本定着装置は省エネの観点から開発されているので、泡状定着液回収手段35についても可能な限り消費電力が少ないものがよい。
ここで、理想しては、残留泡状定着液31aは塗布ローラ32上で消泡されることが望ましいといえる。この場合、消泡装置としては消泡剤を使った化学的消泡、機械的な遠心力消泡、熱的消泡などが一般的に考えられる。
【0033】
しかし、高速で連続的印刷する場合などは塗布ローラ32上で安定して消泡させることが困難であるため、塗布ローラ32上より離れた場所に消泡装置を設け、ある程度の量まとまった泡を連続的に消泡させるほうが効率的である。
また、塗布ローラ上32で熱を使った消泡を行う場合、泡状定着液生成手段30や塗布ローラ32に塗布された泡状定着液31の物性に影響を及ぼす恐れがある。
これらの理由により、泡状のまま別の場所にある消泡装置50へと搬送する必要がある。
実施形態では泡状定着液回収手段35によって搬送されたオフセットトナーを含んだ残留泡状定着液31aは消泡装置50に入る。
一般的に泡は、何もしないまま長時間放置すれば自動的に消えて液化するものが多い。よって、1枚や2枚程度の通紙ならば、消泡液収容器52(図3)に収まるくらいの回収量で済み、その後長時間使用しないならば問題とはならない。
しかし、多数枚の連続通紙や、頻繁に断続的に使用される場合については、泡状定着液が時間と共に自然に消泡されるスピードに対して、泡状定着液回収手段35からの泡状定着液の供給の方が速くなり、消泡液収容器52がオーバーフローしてしまう。
故に、消泡装置50には、強制的に消泡する手段が必要となってくる。
【0034】
消泡装置については上記に述べたように消泡剤を使った化学的消泡、機械的な遠心力消泡、熱的消泡などが一般的に考えられるが、本発明では消泡剤を使った消泡方式を提案している。よって、加熱して消泡する手段よりも少ないエネルギーで泡状定着液を消泡して液状定着液とすることができるため、定着装置の省エネルギー化を図ることができる。
本実施形態に係る定着装置は、泡状定着液供給装置30によって泡状定着液となり、転写紙Pに付与されず塗布ローラ32に付着した状態のオフセットトナーを含む残留泡状定着液31aを回収してクリーニングする泡状定着液回収手段35を備え、泡状定着液回収手段35が回収した残留泡状定着液31aを、消泡装置50によって、オフセットトナーを分離した上で液状定着液としている。
【0035】
泡状定着液は嵩が大きい(嵩密度が小さい)ので、例えば塗布ニップC(図3)に進入した泡状定着液の数パーセントが塗布ローラに残留するとしても、塗布ローラ32の表面上に残留した残留泡状定着液31aをそのまま放置すると、正常な定着動作を妨げたり周囲を汚染したりする恐れがある。
これに対して、本発明の定着装置では、塗布ローラ32の表面上の残留泡状定着液31aを泡状定着液回収手段35で回収し、消泡装置50にて後述の方法により液化して保存するため、残留泡状定着液31aをそのまま放置することに起因する問題の発生を防止することが出来る。
また、本発明の消泡装置としては、上述した実施形態の定着装置のように、塗布ローラの表面から回収された泡状定着液を消泡する構成に限るものではない。
例えば、中間転写ベルトに泡状定着液を付与する構成で、中間転写ベルト上に残留し、除去手段によって除去された泡状定着液を消泡する構成に構成にも適用可能である。
【0036】
本定着のメカニズムを以下に示す。
図4は、本発明に係る定着装置における定着メカニズムを説明する図である。
図4に示すように、図6において詳述する泡状定着液生成手段30によって、液状の定着液を泡で構成された泡状定着液31とすることで、定着液のカサ密度を低くできると共に塗布ローラ32上の定着液層を厚くすることができ、更には定着液の表面張力による影響が抑えられるため、塗布ローラ32への樹脂微粒子のオフセットを防止できることがわかった。
更に、樹脂微粒子の大きさが5μm〜10μm程度の場合、微粒子層を乱すことなく泡状定着液114を樹脂微粒子層113に付与するには、泡状定着液の泡径範囲が、5μm〜50μm程度が必要であることがわかった。
【0037】
図5は、泡状定着液の詳細を示す図である。
図5に示すように、泡状定着液31は、気泡31Aと、気泡31Aのそれぞれを区切る液膜境界(以下、プラトー境界と称す)31Bと、から構成される。
一方、一般的に0.5mm〜1mm程度の大きな泡の場合、単なる撹拌等により比較的容易に泡を生成可能であり、大きな泡の生成には数秒以下の時間(0.1秒もかからない)で生成することができる。そこで、この所望の泡径よりも大きな泡であって、目視で観察できる程度の大きさの泡の生成が容易で、かつすばやく得ることができる点に着目し、大きな泡から素早く5μm〜50μm程度の微小な泡を生成する方法を鋭意検討した結果、大きな泡にせん断力を加えることで大きな泡を分泡すると、上記のような液状態から微小な泡を起泡させる方法に比べ、極めて素早く所望の大きさの微小な泡が生成できることがわかった。
【0038】
図6は、泡状定着液生成手段の構成の一例を示す図である。
上記のように、本発明の泡状定着液生成手段30は、大きな泡を生成した後大きな泡を分泡し微小な小胞の泡を生成する。
図6に示すように、泡状定着液生成手段30は、液状定着液41を収容する定着液容器40と、空気等の気体と液状定着液41とを混合して大きな泡(大径の泡)を生成する気体・液体混合部42と、定着液容器40内の液状定着液41を気体・液体混合部42に輸送する液輸送手段としての搬送ポンプ43及び液搬送パイプ44と、気体・液体混合部42にて生成された大きな泡を分割して2つ以上に分泡化して微小な泡を生成する微小泡生成部45と、を備えている。
気体・液体混合部42には、空気口42aが設けられ、液の流れとともに、空気口42aに負圧が発生し、空気口42aから気体が気体・液体混合部42に導入され、液体と気体が混合し、更に微小孔シート42bを通過することで泡径のそろった大きな泡を生成させることができる。孔径は、30μm〜100μm程度が望ましい。
【0039】
上記の定着液容器40、気体・液体混合部42、搬送ポンプ43、液搬送パイプ44、が、泡状定着液生成手段30における大経泡(大きな泡)生成部を構成している。
なお、気体を混合した液体を通過させて大きな泡を生成するための部材としては、図6に示す微小孔シート42bに限らず連泡構造の多孔質部材であればよく、孔径30μm〜100μm程度を有する焼結セラミックス板や不織布や発泡樹脂シートであってもよい。
また、大きな泡を生成する別の方法としては、連泡構造の多孔質部材を用いるのではなく、上記の搬送ポンプ43より供給された液状定着液41と空気口からの空気とを、羽根状攪拌子で攪拌して、液41に気泡を巻き込みながら大きな泡を生成させる構成や、上記の搬送ポンプ43より供給された液状定着液41に空気供給ポンプ等でバブリングを行い大きな泡を生成する構成も望ましい。
【0040】
微小泡生成部45は、気体・液体混合部42によって生成された大きな泡にせん断力を加え、大きな泡を分割して2つ以上に分泡化する。
図6に示すように、微小泡生成部45としては、閉じた二重円筒で、内側円筒45bが回転可能な構成とし、外部円筒45aの一部より、大きな泡状の定着液を供給し、大きな泡は、回転する内側円筒45bと外部円筒45aの隙間(ここが流路となる)を通過しながら、回転する内側円筒45bによりせん断力を受ける。
このせん断力により、大きな泡は微小な泡へと変化し、外側円筒45aに設けられた泡の出口より、所望の微小な泡径を有する泡状定着液31を得ることができる。
また、回転する内側円筒の回転数と内側円筒の長手方向の長さにより液搬送速度が決定される。
【0041】
外側円筒45aの内径をd1(mm)、円筒長さがL(mm)とし、内側円筒45bの外径をd2(mm)とし、回転数をR(rpm)とすると、微小な泡を生成するための液搬送速度V(mm3/秒)は、
V=L×π×(d12−d22)/4/(1000/R)
の式で決まることがわかった。
例えば、d1が10mm、d2が8mm、Lが50mm、回転数が1000rpmとすると、液搬送速度は約1400mm3/秒(1.4cc/秒)となる。
A4の紙を定着するために必要な泡状定着液が3ccであるとすると、液状定着液41から必要量の泡状定着液31を生成するのに立ち上がり時間は約2秒ですみ、極めて素早く、所望の泡径を有する泡状定着液31を生成可能となる。
また、内側円筒45bにらせん状の溝を設けて、円筒内(微小泡生成部45内)での液搬送性をよくしてもよい。
【0042】
このように、液状定着液41を大きな泡径を有する液へと変化させる大きな泡生成部(気体・液体混合部42)と、大きな泡にせん断力を加えて微小な泡を生成する微小泡生成部45を組み合わせることで、液状定着液41から、5μm〜50μm程度の微小な泡径を有する泡状定着液を極めて短時間に生成することができる。
なお上記したように、定着液容器40から液状定着液41を泡化する機構(気体・液体混合部42)に搬送する手段としては、図6では搬送ポンプ43を用いている。
搬送ポンプとしては、ギヤポンプ、ベローズポンプ等があるが、チューブポンプが望ましい。
ギヤポンプ等のごとく、定着液の搬送経路に振動機構や回転機構があると、ポンプ内で液が起泡し、液に圧縮性が出て、搬送能力が低下する恐れがある。
また、上記の機構部品等が定着液を汚染したり、逆に機構部品を劣化させたりする恐れもある。
一方、チューブポンプは、チューブ内の液を、チューブを変形させながら押し出す機構であるため、定着液と接する部材はチューブだけであり、定着液に対し耐液性を有する部材を用いることで、液の汚染やポンプ系部品の劣化がない。また、チューブを変形させるだけなので、液が起泡せず、搬送能力の低下を防止できる。
【0043】
図7は、本実施形態に係る消泡装置を示す図である。
なお、回収した泡状定着液31を消泡液収容器に搬送するための構成は図12に示した従来技術とほぼ変わらない。
図7(a)に示す消泡装置50は、回収した残留泡状定着液(オフセットトナーを含む回収泡状定着液)31aを収容する泡回収容器51と、消泡液55を収容した気密空間を有する消泡液収容器52と、泡回収容器51内の残留泡状定着液31aを消泡液収容器52内に導入するための泡状収容液導入路であるノズル(第1のノズル)53と、後述の泡搬送ポンプ54と、泡搬送ポンプ54と消泡液収容器52とを互いに連絡するチューブ58間に設けたバッファとなる容器59と、泡搬送ポンプ54と容器59との間のチューブ58に設けた消泡液収容器52内の圧力計(圧力モニター)70と、を備える。
また、ポンプ54は、制御手段Ctrにより制御されるものとする。制御手段Ctrは、図1の画像形成装置の制御部であってもよいし、定着装置、消泡装置が独自に有する制御部であってもよい。
さらに、本発明においては、残留泡状定着液31aが進入するノズル53の隣に、大気開放された端部56aから消泡液収容器52内に空気を取り込むための空気導入路である第2のノズル56を備えている。
【0044】
残留泡状定着液31aが進入する第1のノズル53は、その入口が泡回収容器51の底部51aに接続されており、泡搬送ポンプ54を駆動し、空気の流れを発生させ、消泡液収容器52内に負圧を発生させることにより、泡回収容器51内の残留泡状定着液31aが図中の矢印で示すように、ノズル53の入口からノズル53内に進入する。
同時に空気を取り込む第2のノズル56によって空気が消泡液収容器内52に進入し、消泡液55中に気泡57が発生する。
この消泡液55中に発生した気泡57が消泡液55を攪拌し、残留泡状定着液31aの泡沫が破壊され、消泡効率が大幅に向上する。
オフセットトナーを含んだ泡は消泡されずに水面でると、オフセットトナーを含んだまま長時間水面に浮かぶことになり、この状態で放置すると、泡状定着液が軟化剤を含んでいるためにトナーが水面で凝集し、自然消泡しづらくなる。また、その分体積も大きくなり、消泡液収容器52は、すぐに満杯になってしまう。
【0045】
本発明では消泡液55中に気泡57を発生させ、その気泡57による液の対流効果によって、オフセットトナーと泡を分離し、オフセットトナーを沈殿させやすくできる。
この際、空気を取り込む第2のノズル56の先端は、泡状定着液31aが排出される第1のノズル53の近傍にあることが望ましい。
こうすることで、残留泡状定着液31aが消泡液55中に排出された直後に、空気を取り込む第2のノズル56によって発生した気泡57を泡状定着液31aの泡沫に向かって噴射することができ、より消泡効率が向上する。
また、第2のノズル56の先端形状は図7(b)(i)に示すような先端を絞った形状が望ましい。
すなわち、第2のノズル56において、消泡液55中にある出口の径が、大気中にある入口の径よりも小さい。
【0046】
泡搬送ポンプ54によって、消泡液収容器52内に負圧をかける際、空気を取り込む流量が多すぎるとその分出力の大きな泡搬送ポンプを使って圧力をかける必要があるため、図7(b)(i)に示すように、第2のノズル56の先端56aを絞って流入する空気量を制限し、負圧をかけやすくしている。
さらに空気の流速を上げることで攪拌効率を向上させている。すなわち、消泡液中の空気の噴射流速を上げるとともに消泡液収容器内の圧力を容易に高めることができる。
また、このノズル56の先端形状とポンプ54の出力によって負圧の上限値が決定され、それ以上、消泡液収容器52内の圧力が上がらなくなる。
これにより、複雑な制御を行わなくてもトナーが流入する量と容器内に空気が流入する量のバランスがとられ、単位時間あたりに一定の消泡が可能になる。
【0047】
また、第2のノズル56の形状は図7(b)(ii)に示すように先端56bが二股に分かれていてもよい。先端を二股にすることで、消泡液収容器52内をより広範囲にわたって攪拌することが可能となる。
すなわち、端部56aが大気開放された第2のノズル56の出口(先端56b)が複数に分かれている(複数の分岐出口から成る)ことで、空気が噴射できるノズルの出口の数を増やし、消泡液収容器52内を広範囲にわたって攪拌できる。
また、本実施形態においては、泡搬送ポンプ54と消泡液収容器52とを互いに連絡するチューブ58間にバッファとなる容器59を1つ設けている。
これにより、何らかの原因によってオフセットトナーが混じった残留泡状定着液31aが消泡されずに消泡液収容器52の上部に達し(消泡液収容器52内が一杯になり)、バッファ容器59と消泡液収容器52を接続しているチューブ58に進入したとしても、残留泡状定着液31aが泡搬送ポンプ54に直接入ることはない。よって、泡搬送ポンプ54の破損を防ぐことができる。
【0048】
ところで、液状定着液は同じ質量の泡状定着液と比較して、1/10〜1/50程度の体積である。また、本実施形態の定着装置で用いる定着液は、泡状定着液の状態での泡沫安定性を高めた材料組成であるため、泡状定着液を放置するのみでは完全に液化するまでに長時間を要し、泡の状態のまま収容すると回収した定着液を収容するスペースが大型化してしまう。
これに対して、本実施形態の定着装置では、泡状定着液を消泡装置で積極的に液化して液状定着液の状態で保存することにより、回収した定着液を収容するスペース(本実施形態の定着装置では消泡液収容器52)の小型化を図ることができ、定着装置全体の小型化を図ることができる。
また、本実施形態の消泡装置50では、上記した図13の場合のように、機械的な攪拌装置を使用せず、空気ポンプの動力だけを利用し、消泡液収容器52内にある消泡剤を攪拌し、消泡効率を向上させているため、少ないエネルギーで残留泡状定着液を消泡して液状定着液とすることができる。
【0049】
このように、機械的な攪拌装置を使用せず、空気ポンプの動力だけを利用し、消泡液収容器内にある消泡剤を攪拌し、消泡効率を向上させることができる。また、消泡液中に気泡を発生させ、その気泡による液の対流効果によって、残留泡状定着液31aに含まれるオフセットトナーと泡とを分離し、オフセットトナーを容器の底に沈殿させやすくできる。
また、大気開放された少なくとも1つの第2のノズル56の出口(端部56b)が、消泡液収容器52に収容された消泡液55の液中にあり、その位置が管状の入口から残留泡状定着液31aが進入する第1のノズル53の出口53a近傍にあることで、残留泡状定着液31aが消泡液55中に流入したらすぐに空気を残留泡状定着液31aに向かって噴射し、泡沫を破壊して消泡剤との攪拌を効率よく行うことが出来る。
【0050】
図8は、本発明の他の実施形態に係る消泡装置を示す図である。
消泡装置の構成や消泡の原理は、図7に示した実施形態とほぼ同じである。
相違する点は、空気を取り込む第2のノズル56の空気を取り込む側(消泡液55側とは反対側)の端部56aに設けた管状部材(第3のノズル)60と、第3のノズル60の、第2のノズル56との接続部とは反対側の端部に設けた、第2のノズル56への空気の流入量を制御して空気の圧力を調整するための圧力調整弁61と、第1のノズル56に設けた、消泡液内に導入する泡状定着液の量を調整するための調整弁(量調整弁)62と、消泡液収容器52上部に設けた、後述する図10に示す原理で動く泡検知センサ63を備えたことである。
また、圧力調整弁61、調整弁62、ポンプ54は、制御手段Ctrにより制御されるものとする。また、泡検知センサ63、圧力計70の出力信号が、制御手段Ctrに入力される。
【0051】
制御手段Ctrは、図1の画像形成装置の制御部であってもよいし、定着装置が独自に有する制御部であってもよい。
圧力調整弁61、量調整弁62は、必ずしもノズル60、53に設ける必要はなく、他の場所に設けても良い。特に、圧力調整弁61は、第2のノズル56に直接設けても良い。
その場合、第3のノズル60は特に設ける必要はなくなる。
条件によっては、図7に示した消泡装置でも攪拌が足りずに液面に泡状定着液が浮かんで堆積していく場合がある。
もし、消泡されずに泡状定着液が液面に堆積していくと、消泡液収容器52内が泡状定着液31aによって一杯になってしまう。
【0052】
そこで、ある程度の高さまで、残留泡状定着液31aが上昇してくると、制御手段Ctrは、泡検知センサ63によって、残留泡状定着液31aの有無を検知し、泡状定着液が存在すれば、消泡液収容器52内に空気を取り込む第2のノズル56(第3のノズル60)の圧力調整弁61を閉じる。
こうすると、消泡液収容器52内の圧力が上昇する。
もし、残留泡状定着液31aが第1のノズル53内にある場合、圧力の上昇によって、泡状定着液31aが、消泡液55中に大量に流れることになり、逆に、残留泡状定着液31aがノズル53内にない場合は、空気が消泡液収容器52内に流入し、圧力がかからない。
そこで、制御手段Ctrは、第1のノズル53に設けた調整弁62を閉じることで、一旦泡状定着液31aが消泡液収容器52内に進入するのを防ぎ、消泡液収容器52内の圧力を上昇させる。
消泡液収容器52内の圧力が規定値まで上昇すると、制御手段Ctrは、第2のノズル(第2ノズルに接続した第3のノズル)の圧力調整弁61を開放する。
【0053】
この結果、消泡液収容器52内の圧力が大気圧に戻ると同時に、大量の圧縮空気が、第2のノズル56から消泡液収容器52内に一気に流入し、気泡によって液面55aが激しく波打ち、消泡剤と泡とを強力に攪拌させることができる。
これによって、液面55aが持ち上がって、液面55aに浮いた残留泡状定着液31aが、消泡液55と瞬間的に混ざって、一瞬にして泡を消泡することができる。よって、液面55aに残すことなく、すべての泡状定着液を液状定着液にすることができる。
このように、空気による攪拌でも消えずに消泡液55の液面55aに残った残留泡状定着液31aの高さを検知して、空気の流入を調節する調整弁61を動かすタイミングを制御する構成とし、泡状定着液31aの高さを検知するための泡検知センサ63を消泡液収容器52に備えることで、空気による攪拌でも消えずに消泡液55の液面55aに残った泡状定着液の高さを検知して、空気の流入を調節する調整弁61を動作させるタイミングを制御することができる。
【0054】
また、図9は、図8の消泡装置の制御フローを示す図である。
図9のフローを用いて、本実施形態の消泡装置の消泡動作を説明する。以下の制御動作は、図8の制御手段Ctrによって制御されるものである。
泡搬送ポンプ54が動作を開始すると(ステップS101)、泡検知センサ63により、消泡液収容器52のある高さにおける残留泡状定着液31aの存在の有無を検知する(ステップS102)。
泡検知センサ63により残留泡状定着液31aが検知されると(ステップS103でYes)、消泡液収容器52内に空気を導入する第2のノズル56に接続された第3のノズル60に設けた圧力調整弁61を閉じる(ステップS104)。
次いで、消泡液収容器52内に泡状定着液を導入するための第1のノズル53に設けた調整弁62を閉じる(ステップS105)。
【0055】
次に、消泡液収容器52内の圧力を検出する圧力モニター70を参照し(ステップS106)、圧力が規定値内にあれば(ステップS107でYes)、圧力調整弁61を開いて大量の圧縮空気を、第2のノズル56から消泡液収容器52内に一気に流入させ、その気泡によって消泡剤と泡とを強力に攪拌して破泡し(ステップS108)、ステップS102に戻る。
泡検知センサ63で残留泡状定着液31aが検知されなければ(ステップS103でNo)、第1のノズル53の調整弁62を解放する(ステップS109)。
そして、圧力モニター70を参照し(ステップS110)、検出する消泡液収容器52内の圧力が0であれば(ステップS111)、泡搬送ポンプ54の動作を停止する(ステップS112)。
【0056】
図10は、泡検知センサ63の具体的な構成を示す図である。
泡検知センサ63は、主に2本の電極A、Bと、2本の電極A、B間の抵抗を検知する抵抗検知手段63aを有している。また、2本の電極A、Bは、互いに離間して設けられている。
何もない空間中に泡検知センサの2本の電極A、Bが置かれた場合、当然ながら抵抗は無限大となる(図10(a))。
そして、2本の電極A、B間に泡状定着液が入り込んできた場合、2本の電極A、Bの間に泡を構成する泡膜が介在することになる。泡膜そのものは定着液の成分であり、液体なのでいくらかの導電性を有する。したがって、何もない空間中と比較して、2本の電極間の抵抗が下がった状態になる(図10(b))。
この違いを検出することによって、泡状定着液の有無を検知する。抵抗検知手段63aとしては、いろいろ考えられるが、一定電圧をかけたときの、電流値を検知するなどといった方法が考えられる。このような構成にすることによって、泡検知センサ63を非常にシンプルな構成で、安価に提供することが出来る。
【0057】
図11は、本発明のさらに他の実施形態に係る消泡装置の構成を示す図である。
図11の構成では図7に記載の実施形態にある消泡液収容器内52に、仕切り板80を設置している。
仕切り板80を設置する位置は、図11に示すように、残留泡状定着液31aが消泡液収容器52内に進入する第1のノズル56と、消泡液収容器52内に空気を取り込むための第2のノズル56を囲うようにして設置するのが望ましい。
また、図11に示すように、仕切り板80の上面を板81で覆うことによって、消泡されずに液面に浮かんできた泡の高さ方向を制限している。
こうすることで、液面に浮かんできた泡は消泡剤のある下方向にしか向かうことができず、消泡液中を複数回にわたって通ることになる。また、仕切り板80があることによって、攪拌領域が制限されるため、空気を取り込むための第2のノズル56を広範囲にわたって設置することなく、効率的に泡を消泡することができる。
仕切り板80によって規定される攪拌される消泡液を収容する部分の水平断面積(S2)は、消泡液収容器52の他の部分の水平断面(S1)に比して小さい。このことで、空気の噴射によって攪拌される領域を規制することによってより効率的に消泡を促進することができる。
【0058】
図8に示す消泡装置を用いて消泡実験を行った。
消泡液収容器(500cc)52内に、消泡剤として純水100gに塩化カルシウム4.5gを溶かした水溶液(水溶液濃度4%)を入れ、泡回収容器51に45gの泡状定着液(泡密度0.05g/cm)と泡重量比7%のトナーを混ぜて入れ、19.5mg/sの速度(消泡液収容器内圧力−22kPa)で消泡液収容器52内に搬送し、消泡実験を行った。
その結果、45gの泡が全て消泡液収容器52内に入ると、容器内の体積が300ccになった。
ここで、消泡液収容器52内に空気を引き込む第2のノズル56の圧力調整弁61と、残留泡状定着液31aが進入する第1のノズル53の調整弁62を閉じて、消泡液収容器内圧力を−50kPaまで上げたところで圧力調整弁61を開放したところ、容器内の体積が150ccまで減少した。さらにこのプロセスを繰り返すと、液面に残った泡を全て消泡することができた。
本実施形態の定着装置を備える画像形成装置は、装置全体の小型化を図ることができるとともに、定着装置の省エネルギー化を図ることで、画像形成装置全体の省エネルギー化を図ることができる。
【符号の説明】
【0059】
1 画像形成装置、2 給紙カセット、3 画像ステーション、4 光学ユニット、5 中間転写ユニット、6 定着装置、7 トナーボトル、8 排紙トレイ、10 感光体、11 帯電装置、12 現像装置、13 クリーニング装置、13a クリーニングブレード、15 現像ローラ、20 転写ベルト、21 駆動ローラ、22 テンションローラ、23 従動ローラ、24 一次転写ローラ、25 二次転写ローラ、26 ベルトクリーニング装置、27 給紙ローラ、28 レジストローラ対、29 排出ローラ、30 泡状定着液生成装置、31 泡状定着液、31a 残留泡状定着液、32 塗布ローラ、33 未定着トナー、34 加圧ローラ、35 泡状定着液回収手段置、36 クリーニングブレード、37 管状部材、40 定着液容器、41 液状定着液、42 気体・液体混合部、42a 空気口、42b 微小孔シート、43 搬送ポンプ、44 液搬送パイプ、45 微小泡生成部、45a 外側円筒、45a 外部円筒、45b 内側円筒、50 消泡装置、51 泡回収容器、51a 底部、52 消泡液収容器、53 ノズル、54 泡搬送ポンプ、55 消泡液、56 ノズル、57 気泡、58 チューブ、59 バッファ容器、60 ノズル、61 調整弁、62 調整弁、63 泡検知センサ、63a 抵抗検知手段、70 圧力モニター、80 板、81 板、100 泡回収容器、100a 底部、101 消泡液収容器、102 ノズル、102a 下部先端、103 泡搬送ポンプ、104 泡状定着液、105 消泡液、106 攪拌羽根、107 モータ、113 樹脂微粒子層、114 泡状定着液
【先行技術文献】
【特許文献】
【0060】
【特許文献1】特開2008−58550公報
【特許文献2】特開2010−122393公報
【特許文献3】特願2010−156908公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを構成する少なくとも一部の樹脂成分を溶解または膨潤させて軟化させる泡状定着液を記録媒体上の未定着トナーに付与する泡状定着液付与手段及び該泡状定着液を付与された前記未定着トナーを加圧する加圧手段を備えた定着ユニットから回収した回収泡状定着液を破泡させて液状定着液とする消泡装置であって、
前記泡状定着液を破泡させる消泡剤を含有する気密空間を有した消泡液収容器と、
前記消泡液内に前記泡状定着液を導入するための泡状定着液導入路と、
前記気密空間内に負圧を導入することによって前記泡状定着液を前記泡状定着液導入路を介して前記消泡液収容器内に導入する泡搬送ポンプと、
前記消泡液収容器内に空気を導入する空気導入路と、
を備え、
前記泡状定着液導入路の出口及び前記第空気導入路の出口を前記消泡液の液中に配置し、
前記空気導入路により導入した空気によって前記消泡液中を攪拌して、前記泡状定着液を破泡させるための気泡を発生させることを特徴とする消泡装置。
【請求項2】
請求項1に記載の消泡装置において、
前記消泡液の液中において、前記空気導入路の出口を、前記泡状定着液導入路の出口の近傍に配置したことを特徴とする消泡装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の消泡装置において、
前記空気導入路から前記消泡液収容器内に導入する空気の量を調整して、前記消泡液収容器内の圧力を調整するための圧力調整弁を備えることを特徴とする消泡装置。
【請求項4】
請求項3に記載の消泡装置において、
前記消泡液収容器内の所定高さにおける前記泡状定着液の有無を検知する泡検知手段を備え、
前記消泡液内に導入する前記泡状定着液の量を調整するための量調整弁を備え、
前記泡検知手段により前記泡状定着液が検知されると、前記圧力調整弁を閉じて前記消泡液収容器内の圧力を低下させ、且つ前記量調整弁を閉じて前記泡状定着液の導入を停止した後、前記圧力調整弁を開放して前記消泡液内に空気を導入することを特徴とする消泡装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の消泡装置において、
前記空気導入路の出口が、複数の分岐出口から成ることを特徴とする消泡装置。
【請求項6】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の消泡装置において、
前記空気導入路の出口の径は、大気中にある入口の径よりも小さいことを特徴とする消泡装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の消泡装置において、
前記消泡液収容器と、前記泡搬送ポンプと、の間に少なくとも1つの容器を接続したことを特徴とする消泡装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の消泡装置において、
前記消泡液の液内において、前記空気導入路から導入される空気によって発生する気泡によって攪拌される領域の水平断面積が、他の部分の水平断面積に比して小さくなるように、
少なくとも前記消泡液の液内において前記泡状定着液導入路及び前記空気導入路を包囲する部材を備えたことを特徴とする消泡装置。
【請求項9】
樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有した液状定着液に空気を混合することにより、液中に気泡が分散した泡状定着液とする泡状定着液生成手段と、表面に前記樹脂微粒子を担持する記録媒体に前記泡状定着液を付与する泡状定着液付与手段と、該泡状定着液を付与された前記樹脂微粒子を加圧する加圧手段と、請求項1乃至8の何れか一項に記載の消泡装置と、を備えることを特徴とする定着装置。
【請求項10】
請求項9に記載の定着装置において、前記泡状定着液付与手段に残留する前記泡状定着液を回収し、前記消泡装置に前記泡状定着液を供給する泡状定着液回収手段を備えることを特徴とする定着装置。
【請求項11】
前記樹脂微粒子を含むトナーを用いて前記記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、請求項9又は10に記載の定着手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2012−189668(P2012−189668A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51258(P2011−51258)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】