説明

消防ホース収納バッグ

【課題】消防ホースをバッグからスムーズに引き出し、火災現場まで消防ホースを延長する一連の作業を一人で完了させ、且つ短時間で安全に敷設することができ、その後には、担架等の救護具としても多機能に活用できる消防ホース収納バッグを提供する。
【解決手段】バッグに収納した消防ホースを火災現場に搬送しながら敷設する消防ホース収納バッグ1であって、外皮として働く第1の基材1−1と折りたたまれ積層状態で収納する消防ホース11との間に、消防ホースの底面から両側面に沿い包む内布として働く第2の基材1−2を介在させ、且つ前記消防ホースの引き出し後方面を開放状態にしたことを特徴とする。この内布を介在させたことにより、消防ホースの一端がバッグ本体に引っかかることなく、スムーズに消防ホースを引き出す動作ができ、転倒による危険要素を排除させたことで、火災現場までの消防ホースの敷設作業を一人で安全且つ短時間にできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消防ホースを収納し、消防隊員が担いで火災現場に搬送するための消防ホース収納バッグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、消防隊員が消火作業をする場合、通常はロール状に巻いた二重巻き消防ホース、或いは、巻き取り機に巻き付けた消防ホースを、消火栓や消防ポンプ車を介した消防水利から火災現場へと手びろめにて延ばし、更に長さが足りない場合には、消防ホースの追加接続を施し作業にあたっている。
【0003】
また、消火作業に際しては、細い路地などの狭隘箇所や急勾配な箇所、更には蛇行する箇所においても消防ホースを通過させなければならないことも多く、消防ホースを火災現場まで短時間で敷設するには、様々な障害がある。
【0004】
しかも、消防水利から火災現場までの距離が長いと、消防ホースを追加接続する作業が多くなることから、管鎗(噴霧ノズル付)と消防ホースを持って走る消防隊員と、更なる消防ホースを追加接続する消防隊員と、最低二人の消防隊員が必要になる。
【0005】
このような問題を解決するため、例えば、特許文献1には、短い3本のホースを接続金具で接続したままバッグに収納し、一人の消防隊員がバッグを担いで走ることにより、火災現場に消防ホースを延長して到達し、消火にあたることができるようにした消防ホース収納バッグが開示されている。この消防ホース収納バッグを用いることによって、火災現場への到着と放水開始するまでの所要時間が短縮でき、且つ一人の消防隊員で放水・消火を行えるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3123007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記の特許文献1に開示されている消防ホース収納バッグでは、比較的短時間で消防ホースを火災現場まで一人で敷設することができるものの、バッグからのスムーズな消防ホース引き出しに関しては、安全の観点から更なる改良の余地がある。
【0008】
特に、火災の拡大を防ぐには、少しでも早く火災現場へ駆けつけ、消防ホースを速やかに敷設する必要があることから、バッグを抱えながら消防ホースを素早く引き出す動作が必須である。時として、消防ホースの一端がバッグ本体に引っかかった場合、消火作業全体の遅延に繋がると共に、消防隊員自らの怪我をも招く危険がある。
【0009】
また、上記した特許文献1では、消防ホースを収納することしか考慮していないため、火災現場で要救助者が発生した場合、消防隊員の速やかな担架手配が必要となる。
【0010】
上記事情を鑑み本発明の目的とするところは、消防ホースをバッグからスムーズに引き出し、火災現場まで消防ホースを延長する一連の作業を一人で完了させ、且つ短時間で安全に敷設することができ、その後には、担架等の救護具としても多機能に活用できる消防ホース収納バッグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、バッグに収納した消防ホースを火災現場に搬送しながら敷設する消防ホース収納バッグであって、外皮として働く第1の基材と、折りたたまれ積層状態で収納する消防ホースとの間に、消防ホースの底面から両側面に沿い包み内布として働く第2の基材を介在させ、且つ前記消防ホースの引き出し後方面を開放状態にしたことで、上述した課題を解決した。
【0012】
また、第1の基材に形成されている開孔部へ挿通され、外皮と内布で包み収納した消防ホースの底面から両側面に沿い吊り上げ、搬送時のショルダーストラップ、或いは、持ち手(提げ手)として働く紐を備えることで、同じく上述した課題を解決した。
【0013】
しかも、第1の基材上辺を係止する第1の係止部材と、同基材一方の長辺側を係止する第2の係止部材を備えることで、同じく上述した課題を解決した。
【0014】
更に、第1、第2の基材間に、消防ホースの型崩れ防止板を介在させることで、同じく上述した課題を解決した。
【0015】
加えて、第1、第2の基材で包み収納した消防ホースに、テープ状、ベルト状、或いは、紐状の保持具を巻き付けることで、搬送時の消防ホース崩れを防止し、同じく上述した課題を解決した。
【0016】
この他、第1、第2の基材は、長方形の織り布状またはシート状の基材を並べて配置し、その一辺を接着、或いは、縫い合わせ、且つクッション性を持たせたことで、同じく上述した課題を解決した。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、外皮として働く第1の基材と、折りたたまれ積層状態で収納する消防ホースとの間に、消防ホースの底面から両側面に沿い包み内布として働く第2の基材を介在させ、消防ホースの引き出し後方面を開放状態にしたことで、消防ホースをバッグからスムーズに引き出し、火災現場まで消防ホースを延長する一連の作業を一人で完了させ、且つ短時間で安全に敷設することができる。
【0018】
また、第1の基材に形成されている開孔部へ紐を挿通し、外皮と内布で包み収納した消防ホースの底面から両側面に沿い吊り上げ、搬送時のショルダーストラップ、或いは、持ち手(提げ手)として利用することで、バッグを抱えながら消防ホースを素早く引き出すことができる。
【0019】
しかも、第1の基材上辺を係止する第1の係止部材(ストッパー)を備えたことで、搬送時の消防ホース崩れを防ぎ、折りたたまれ積層状態にある消防ホースを保持することができる。
【0020】
更に、第1の基材長辺側を係止する第2の係止部材(ストッパー)を備えたことで、搬送時の消防ホース崩れを防ぎ、折りたたまれ積層状態にある消防ホースを保持することができると共に、折りたたまれた積層状態の下部後方に配置した消防ホース端の接続金具を第2の係止部材内側にあて、消防ホースの後方滑りと落下を防止することができる。
【0021】
加えて、第1、第2の基材との間に、消防ホースの型崩れ防止板を介在させることで、搬送時の消防ホース崩れを防ぎ、折りたたまれ積層状態にある消防ホースを保持することができる。
【0022】
また、第1、第2の基材で包み収納した消防ホースにテープ状、ベルト状、或いは、紐状の保持具を巻き付けることで、搬送時の消防ホース崩れを防ぎ、折りたたまれ積層状態にある消防ホースを保持することができる。
【0023】
しかも、第1、第2の基材が長方形の織り布状またはシート状であることで、消防ホース敷設後には担架等の救護具としても多機能に活用できる。
【0024】
更に、これらの基材にクッション性を持たせることで、火災現場周辺の平坦ではない瓦礫の上に敷かなければならない場合であっても、要救助者に対応する簡易ベッドの用に応え、悪条件の現場環境下では、保温性や快適性をも提供することができる。
【0025】
この他、クッション機能を備え浮力を生成できる構造としたことで、ショルダーストラップ、或いは、持ち手(提げ手)として働く紐の端を消防ホース収納バッグに取り付け、投げ入れ可能な浮き輪代わりの水難救命具とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態に係る消防ホース収納バッグを広げた状態を示す斜視図である。
【図2】図1に示した消防ホース収納バッグを二つ折りにした状態を示す斜視図である。
【図3】図1に示した消防ホース収納バッグに消防ホースを収納する第1、第2の工程を示す斜視図である。
【図4】図1に示した消防ホース収納バッグに消防ホースを収納する第3、第4の工程を示す斜視図である。
【図5】消防ホースを収納したバッグから消防ホースを引き出して敷設する第1、第2の工程を示す斜視図である。
【図6】消防ホースを収納したバッグから消防ホースを引き出して敷設する第3の工程を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係る消防ホース収納バッグの応用例について説明するためのもので、二つの消防ホース収納バッグを用いて担架を作製する場合の第1の工程を示す斜視図である。
【図8】二つの消防ホース収納バッグを用いて担架を作製する場合の第2の工程を示す斜視図である。
【図9】二つの消防ホース収納バッグを用いて担架を作製する場合の第3の工程を示す斜視図である。
【図10】図7乃至図9に示すようにして形成した担架で、要救助者を搬送する場合の斜視図である。
【図11】消防ホース収納バッグの変形例と他の使用例について説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
【0028】
図1は、本発明の実施形態に係る消防ホース収納バッグであり、広げた状態を示す斜視図である。このバッグは、長方形の織り布状またはシート状で、第1の基材である基材1−1と第2の基材である基材1−2を並べて配置し、その一辺(短辺1a)を接着、或いは、縫い合わせた構成になっている。使用時には、基材1−1はバッグの外皮として働き、基材1−2は消防ホースをスムーズに引き出すための内布として働く。
【0029】
また、基材1−1における短辺1aの反対側の短辺1bのほぼ中央部には、ストッパー2−1(第1の係止部材)が備えられ、この基材1−1の一方の長辺側にもストッパー2−2(第2の係止部材)が備えられている。
【0030】
このストッパー2−1、2−2の内面端部には、面ファスナ3−1、3−2が接着、或いは、縫い合わせられている。この面ファスナ3−1、3−2は、ループ面(またはフック面)になっている。また、基材1−1における外面の短辺1a側には、面ファスナ3−1に対応する面ファスナ4−1a、4−1bが接着、或いは、縫い合わせられている。この面ファスナ4−1a、4−1bは、ループ面(またはフック面)になっている。
【0031】
加えて、基材1−1の外面長辺側には、面ファスナ3−2に対応する面ファスナ4−2a、4−2bが接着、或いは、縫い合わせられている。この面ファスナ4−2a、4−2bは、ループ面(またはフック面)になっている。
【0032】
更に、基材1−1における内面の短辺1b側には、ストッパー2−1を挟む両側に面ファスナ5−1、5−2がそれぞれ接着、或いは、縫い合わせられている。この面ファスナ5−1、5−2は、ループ面(またはフック面)になっている。また、この面ファスナ5−1、5−2に対応して、基材1−2における内面の短辺1c側には、長手方向に沿って面ファスナ6−1a、6−1b、6−2a、6−2bがそれぞれ接着、或いは、縫い合わせられている。この面ファスナ6−1a、6−1b、6−2a、6−2bは、ループ面(またはフック面)になっている。
【0033】
しかも、基材1−1における内面の短辺1a側には、面ファスナ6−3が接着、或いは、縫い合わせられている。この面ファスナ6−3は、ループ面(またはフック面)になっている。また、この面ファスナ6−3に対応して、基材1−2における内面の短辺1c側には、長手方向に沿って面ファスナ7−1、7−2がそれぞれ接着、或いは、縫い合わせられている。この面ファスナ7−1、7−2は、ループ面(またはフック面)になっている。
【0034】
この他、基材1−1には、紐通し用の開孔8−1〜8−8が設けられており、この開孔8−1〜8−8へと紐9を順に交互挿通し、短辺1bの外側でこの紐9の両端を結ぶことで、搬送時のショルダーストラップ、或いは、持ち手(提げ手)として用いられるようになっている。この紐9を介して、消防ホース全体の荷重が肩や腕へとかかり負担となることから、緩和するためのパッド10が装着されている。この他、保管時には、紐9を使って消防ホースを収納した状態で縛っておくこともできる。
【0035】
上記のような構成において消防ホースを収納する際には、図2に示す基材1−1の短辺1b側と基材1−2の短辺1c側を重ね合わせた状態で、面ファスナ5−1、5−2に対応する面ファスナ6−1a、6−1b、6−2a、6−2bが固定する。この状態で基材1−2のバッグ内側となる表面は、面ファスナや突起物などが露出しない平坦な内布となるので、消防ホースを引き出す際の引っかかりが無くなり滑りやすくなる。
【0036】
次に、図3(a)に示す基材1−2の内布中央付近に、消防ホース11を折りたたまれた積層状態で収納する。なお、消防ホース11は2本の消防ホースから成っており、それぞれの端にある接続金具12、13によって連結した状態にある。また、消防ポンプ車側に接続する消防ホース端の接続金具14は、折りたたまれた積層状態の上部後方に配置し、一方、折りたたまれた積層状態の下部後方に配置した消防ホース端の接続金具15は、4−2a、4−2bで固定した第2の係止部材2−2の内面にあて、後方に向けて配置する。そして、パッド10を紐9のショルダーパッド部分、或いは、持ち手部分に装着し、この状態で収納、或いは、消防車などに積み込む。
【0037】
なお、図3(b)に示す基材1−1、1−2の間に消防ホースの型崩れ防止板16を介在させることで、折りたたまれ積層状態にある消防ホースの型崩れを防止することができる。この型崩れ防止板16は、コの字型に折曲した金属板や樹脂板、或いは、L字アングル16−1、16−2の底部を重ねて固定することで形成する。上記消防ホースの型崩れ防止板16の底部には、収納した消防ホースの荷重が内布を介して底部中心へとかかり、一体を成す消防ホースの型崩れ防止板16の側面が、収納した消防ホースを両側面から内側へと押さえ整える構造になっている。
【0038】
更に、図4(a)は、二つ折りにした基材1−1、1−2を重ねた状態で、折りたたまれ積層状態の消防ホース11を底面から両側面に沿い挟んだ斜視図である。また、図4(b)は、ストッパー2−1の面ファスナ3−1に対応して、面ファスナ4−1a、4−1bで固定すると共に、ストッパー2−2の面ファスナ3−2に対応して、面ファスナ4−2a、4−2bで固定し、折りたたまれ積層状態の消防ホース11の崩れを防止する構造にある。
【0039】
図5(a)、(b)は、折りたたまれ積層状態の消防ホース11を収納したバッグから、消防ホースを引き出し敷設する第1、第2の工程を示す斜視図である。火災現場に到着した消防隊員は、上記消防ホース収納バッグの紐9を肩に掛け、図5(b)に示す消防ホース11の接続金具14を消防車の吐水口に装着し、バッグを抱えた状態で火災現場へと消防ホース11を敷設する。この際、消防ホースの型崩れ防止板16を基材1−1、1−2の間に介在させ、消防ホース11の崩れを効果的に防止できる。また、バッグの周囲にテープ状、ベルト状、或いは、紐状の保持具17を巻き付けることで、折りたたまれ積層状態の消防ホース11の崩れを更に防止できる。
【0040】
消防ホース11を敷設する際には、図6に示す消防ホース11の引き出し後方面を開放状態にしたことで、折りたたみ積層状態の消防ホース11は前進するたびにバッグ上段から徐々に引き出され、スムーズに一線が敷設される。これによって、一人で、短時間に、安全に敷設することができる。
【0041】
火災現場まで消防ホースを敷設した後には、消防ホース収納バッグは不要となるが、図7乃至図10に示すように活用することで、担架を形成する際の床部として用いることができる。すなわち、二枚のバッグ1A、1Bと、人の身長より長い棒またはパイプ(図7では消防車に通常搭載されている長鳶)18−1、18−2を二本用意し、図7に示すように、バッグ1A、1Bをそれぞれ広げた状態の長辺側を並行にして敷き、長辺側の1/3付近と2/3付近上に長い棒またはパイプ18−1、18−2を配置する。
【0042】
そして、図8に示すようにバッグ1Aの一端側で長い棒またはパイプ18−1を包み込むように折ると共に、1Bの一端側で長い棒またはパイプ18−2を包み込むように折る。更に、図9に示すように1Aの他端側で長い棒またはパイプ18−2を包み込み、1Bの他端側で長い棒またはパイプ18−1を包み込むように折ることで、図10に示すような簡易型の担架を作製できる。また、長い棒またはパイプ18−1、18−2を包み込むように折り込み重なった1A、1Bの各3面は、要救助者の自重が織り布状またはシート状面にかかり生じる接地摩擦により、担架を形成する床部材の接地面が互いに滑りを抑止し、担架に横たわる要救助者の落下を防止し、即戦力に応える簡易型担架となる。しかしながら、あらゆる自然環境下での不測事態(突風や転倒を含む衝撃荷重)を鑑み、図7に示す面ファスナ6−3に対応して、面ファスナ7−1、7−2で固定する。
更には、図10に示す長い棒またはパイプ18−1、18−2の握り手元に紐9の両端を結びつけ、その紐9を担ぎ手の首に潜らせ対応することで救護活動の安全を図る。
【0043】
この他、図11は、消防ホース収納バッグの変形例と他の使用例について説明するための斜視図である。上述した実施形態では、バッグを長方形状二枚の織り布状またはシート状の基材1−1、1−2で形成したのに対し、基材1−1’、1−2’はクッション材で構成している。このクッション材は、複数の気室に分割化されたクッション性と浮力を持っている。また、クッション材として、スポンジなどの多孔質材を内蔵しても良い。
【0044】
他の基本的な構成は同様であるので、同一部分に同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0045】
上記のような構成では、長方形の織り布状またはシート状であることで、消防ホース敷設後には担架等の救護具とし、更には、クッション性能を備えることで、火災現場周辺の平坦ではない瓦礫の上に敷かなければならない場合であっても、要救助者に対応する簡易ベッドの用に応え、悪条件の現場環境下では、保温性や快適性をも提供することができる。
【0046】
また、クッション機能を備え浮力を生成できる構造としたことで、ショルダーストラップ、或いは、持ち手(提げ手)として働く紐の端を消防ホース収納バッグに取り付け、投げ入れ可能な浮き輪代わりの水難救命具とすることができ、例えば、川で溺れている人を助けることができる。
【0047】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。例えば、基材1−1、1−2を難燃・不燃性繊維や断熱性を持った材料で構成し、消防隊員や要救助者を炎や熱から保護するためのシートとして用いるようにしても良い。
【0048】
また、消防ホース2本を連結して一列に折りたたんだ積層状態でバッグに収納したが、必要に応じて4本連結の二列、或いは、6本連結の三列にして収納することで、より長い消防ホースを収納でき更なる延長ができる。このような場合においてもシンプル形状であることから、火災現場に即した対応ができる。
【0049】
更に、本発明を構成する紐9は、要救助者を救助する際の、おんぶ紐としても活用できる。
【0050】
加えて、本発明の消防ホース収納バッグを構成する型崩れ防止板16を添え木代わりとして、また、紐9については固縛材として組み合わせることにより、火災現場で発生した要救助者の骨折、或いは、負傷した部位への安定措置材として活用できる。
【符号の説明】
【0051】
1、1A、1B 消防ホース収納バッグ(バッグ)
1−1、1−2、1−1’、1−2’ 基材
1a、1b、1c 短辺
2−1、2−2 ストッパー(係止部材)
3−1、3−2 面ファスナ
4−1a、4−1b、4−2a、4−2b 面ファスナ
5−1、5−2 面ファスナ
6−1a、6−1b、6−2a、6−2b 面ファスナ
6−3 面ファスナ
7−1、7−2 面ファスナ
8−1〜8−8 開孔
9 紐
10 パッド
11 消防ホース
12、13、14、15 接続金具
16 型崩れ防止板
16−1、16−2 L字アングル
17 保持具
18−1、18−2 長い棒またはパイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッグに収納した消防ホースを火災現場に搬送しながら敷設する消防ホース収納バッグであって、外皮として働く第1の基材と、折りたたまれ積層状態で収納する消防ホースとの間に、消防ホースの底面から両側面に沿い包み内布として働く第2の基材を介在させ、且つ前記消防ホースの引き出し後方面を開放状態にしたことを特徴とする消防ホース収納バッグ。
【請求項2】
前記第1、第2の基材は、長方形の織り布状またはシート状の基材を並べて配置し、その一辺を接着、或いは、縫い合わせたものであることを特徴とする請求項1に記載の消防ホース収納バッグ。
【請求項3】
前記第1の基材に形成されている開孔部へ挿通され、外皮と内布で包み収納した消防ホースの底面から両側面に沿い吊り上げ、搬送時のショルダーストラップ、或いは、持ち手(担ぎ手)として働く紐を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の消防ホース収納バッグ。
【請求項4】
前記第1の基材上辺を係止する第1の係止部材と、同基材一方の長辺側を係止する第2の係止部材を備え、この第2の係止部材に対向する側面が開放されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の消防ホース収納バッグ。
【請求項5】
前記第1、第2の基材間に介在され、折りたたまれ積層状態で収容した消防ホースの型を維持する型崩れ防止板を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の消防ホース収納バッグ。
【請求項6】
前記第1、第2の基材で包み収納した消防ホースに巻き付け、折りたたまれ積層状態で収容した消防ホースの型を保持するテープ状、ベルト状、或いは、紐状の保持具を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の消防ホース収納バッグ。
【請求項7】
前記第1、第2の基材は、クッション材からなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の消防ホース収納バッグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−39380(P2013−39380A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2012−186607(P2012−186607)
【出願日】平成24年8月27日(2012.8.27)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【出願人】(507197616)東電フュエル株式会社 (3)
【Fターム(参考)】