説明

液体クロマトグラフィー用耐圧クロマト管

【課題】耐圧性に優れた液体クロマトグラフィー用樹脂製クロマト管を提供する。
【解決手段】液体クロマトグラフィー用クロマト管において、(1)前記クロマト管は、a)パイプ部及びb)前記パイプ部両端に設けられたカラムエンド部から構成され、(2)前記パイプ部は、a)金属製外套管及びb)前記金属製外套管内に溶融樹脂を注入して射出成形することにより形成されている樹脂製パイプを含み、(3)前記カラムエンド部は、a)金属製管状ホルダ、b)前記金属製管状ホルダ内に配置されている樹脂製管状エンドピース及びc)前記樹脂製エンドピース内に配置されているフリットを含む、
ことを特徴とする液体クロマトグラフィー用耐圧クロマト管に係る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接液部が樹脂製である液体クロマトグラフィー用耐圧クロマト管(液体クロマトグラフィー用カラム)に関する。
【背景技術】
【0002】
液体クロマトグラフィーは、試料中の多種の成分を比較的温和な条件で、かつ一斉に分離・分析できる化学分析法であることから、生化学、医学、薬学、環境等の分野で広く用いられている。液体クロマトグラフィーは、クロマト管と呼ばれるパイプに測定対象成分との相互作用を発現させる固定相となる充填剤を充填し、移動相となる適切な溶媒又は溶液を通液して試料成分を搬送すると同時に、固定相と測定対象成分との相互作用及び移動相と測定対象成分との相互作用により分離を行うものである。前記クロマト管としては、一般にステンレス鋼製又はガラス製のものが用いられていた。
【0003】
しかしながら、ステンレス鋼製のクロマト管を用いてタンパク質、酵素等の生理活性物質、あるいは無機イオンの分析を行う場合、種々の問題が生じ得る。
【0004】
生理活性物質の場合、ステンレス鋼製カラムの内表面に生理活性成分が吸着して回収率が著しく低下する、物質回収率が高い場合でも活性回収率が低下してしまう、という問題が生じ得る。
【0005】
無機イオンの場合には、高塩濃度溶液又は強酸溶液を移動相として用いることが一般的であるため錆が発生しやすくなり、錆の発生によりカラム性能を著しく低下させてしまう、発生した錆に試料中の対象成分が吸着してしまう、ステンレス鋼成分の一部が溶解して溶出してくるという問題が生じ得る。
【0006】
一方、ガラス製クロマト管の場合は、生理活性物質の吸着や活性回収率はステンレス鋼製クロマト管に比べて大幅に改善されるものの、ガラス表面に多数存在するシラノール基への対象成分の吸着という問題を避けて通ることはできない。無機イオンの分析においても、測定対象イオンの吸着という問題が生じる。また、使用可能pH範囲に制限があり、強アルカリ性移動相を用いる場合には、ガラスそのものの溶解が大きな問題となる。さらに、機械的強度も十分でなく、高圧充填ができない、外部からの衝撃で容易に破損してしまう等の問題もある。
【0007】
このため、近年においては、耐薬品性、耐腐蝕性、耐吸着性等の点で優れた特性をもつ種々のエンジニアリングプラスチックが開発され、多くの分野で金属製品の代替材料として使用されつつある。これらのエンジニアリングプラスチックは、液体クロマトグラフィーの分野においても有用であり、金属製又はガラス製クロマト管に代わって使用され始めている。
【0008】
しかしながら、ステンレス鋼製クロマト管の置き換えとしてエンジニアリングプラスチックを用いる場合、機械的強度、特に耐圧性の点で大きな課題が残されている。
【0009】
クロマト管の耐圧性は、高速液体クロマトグラフィーにおいて重要な要件である。例えば、充填剤の粒子径が5μmである場合、一般的な測定条件では20MPa以下であり、充填時では40〜50MPa程度である。高速・高分離を目的とする場合には、さらに小さな粒子径の充填剤が用いられ、その結果、カラム圧力が高くなり、必然的にクロマト管に対して要求される耐圧性も高くなる。
【0010】
近年普及しつつある超高速・高圧液体クロマトグラフィーでは粒子径が2μm以下の充填剤が用いられ、その要求圧力は測定時で40MPa以上、充填時には80MPa以上である。
【0011】
エンジニアリングプラスチックは耐薬品性、耐腐蝕性、耐吸着性等の点で優れた特性をもつものは多いが、このような高圧下で変形や液漏れが生じない構造を持たせることはかなり困難である。
【0012】
耐圧性を高める方法として、クロマト管の肉厚を3〜6mmとする手法が提案されているものの、数十MPa (例えば50 MPa) という高圧下で長時間の使用に耐えることができない。すなわち、耐圧性のみを向上させることを目的として、ただ単に肉厚を大きくしたとしても、液体クロマトグラフィーのクロマト管として好適なものを作製することはできない。
【0013】
このような樹脂製クロマト管に対し、外層を機械的強度の高い物質で形成し、内層のみを耐薬品性のある樹脂で作製したクロマト管も考案されており、例えば特許文献1〜3において、高耐圧性を期待させる樹脂を利用したクロマト管が開示されている。
【0014】
特許文献1には、金属製パイプの内側に接着性の熱可塑性プラスチック層を介して耐蝕性の熱可塑性プラスチックパイプの内層を設けてなる液体クロマトグラフィー用カラムが開示されている。
【0015】
しかし、特許文献1のカラムは、外層の金属製パイプと内層のプラスチックパイプが接着層を介して接着されているため、外層と内層との密着性に問題が残る。外層の金属製パイプとの密着性が高くない場合には、充填時の高圧下で内層のプラスチックパイプが歪み、均一な充填状態を得ることは困難となる。クロマト管の耐圧性は、パイプ部の耐圧性だけに依存するものではなく、カラムエンド部の構造及びシール構造にも大きく依存する。特許文献1には、この点に関する記載も一切ないことから、高耐圧性を確保することは困難である。また、特許文献1では、接着層及び内層のパイプを熱可塑性プラスチックで構成し、高熱・高圧をかけることによって外層の金属製パイプと接着させる必要があるため、製法が煩雑であり、品質管理が難しく、製造コストが高くなるという問題もある。
【0016】
特許文献2の考案は、外側に耐圧保護管を施した合成樹脂製クロマトグラフィー用カラムに関するものである。具体的には、その明細書中において、金属製外套管内部に、耐蝕性合成樹脂製パイプを挿入し、テーパ構造で内部パイプを固定したクロマトグラフィー用カラムが開示されている。
【0017】
しかし、特許文献2のカラムは、機械加工で外套管を固定しているだけであるため、外套管と密着しておらず、外套管と樹脂製パイプの間に隙間が存在し得る。そのため、充填剤の充填条件によっては、内部樹脂パイプが膨らみ、あるいは歪み、充填剤を均一に充填することが困難である。また、内部合成樹脂性パイプとのシールは、樹脂パイプをテーパ加工し、その加工面にテーパ構造をもつガラス又は合成樹脂製の部品(接続子) を押さえ付けているだけのものであり、十分な耐圧性を得ることは不可能である。さらに、外套管の製作、内部パイプのテーパ加工等が煩雑であり、作業工数が多いという問題もある。
【0018】
特許文献3では、樹脂製パイプと、冷管引き抜きされて前記樹脂製パイプに被覆されたステンレス鋼パイプとを具備した液体クロマトグラフィー用クロマト管が開示されている。
【0019】
しかし、冷管引き抜き加工は、密着度の管理が難しく、隙間の発生、再現性等の点で問題がある。樹脂製パイプとステンレス鋼パイプが根本的に一体化しておらず、この場合でも充填時の高圧下で内層のプラスチックパイプが歪み、均一な充填状態を得ることは困難となる。特許文献3においては、カラムエンド部の構造及びパイプ部とのシール構造に関しても図示されているが、強く締め込んだ場合、パイプ部内部の樹脂製パイプのみが応力変形してしまうため、樹脂面と樹脂面でのシール性を確保することが困難となるおそれがある。さらに、金属製カラムエンドホルダ内部の樹脂部 (フィルタ押え) に関しても、単なる平面の面シールであり、耐圧性が十分に確保されるものではない。
【特許文献1】実開昭50-66695号公報
【特許文献2】実公昭52-35033号公報
【特許文献3】特開平2-12057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上述したように、内層を樹脂で、外層を機械的強度の高い金属で形成したクロマト管は従来から考案されていたものの、高耐圧性を達成するためのシール構造、内層と外層との密着性及び製造工程の点でなお問題を有しており、超高速・超高圧液体クロマトグラフィーに適用可能な耐圧性を有するまでには達していない。
【0021】
本発明の主な目的は、このような問題を解決するものであって、接液部が樹脂製である液体クロマトグラフィー用耐圧クロマト管を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有するクロマト管が上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0023】
すなわち、本発明は、下記の液体クロマトグラフィー用耐圧クロマト管に係る。
1. 液体クロマトグラフィー用クロマト管において、
(1)前記クロマト管は、a)パイプ部及びb)前記パイプ部両端に設けられたカラムエンド部から構成され、
(2)前記パイプ部は、a)金属製外套管及びb)前記金属製外套管内に溶融樹脂を注入して射出成形することにより形成されている樹脂製パイプを含み、
(3)前記カラムエンド部は、a)金属製管状ホルダ、b)前記金属製管状ホルダ内に配置されている樹脂製エンドピース及びc)前記樹脂製エンドピース内に配置されているフリットを含む、
ことを特徴とする液体クロマトグラフィー用耐圧クロマト管。
2. 樹脂製パイプが金属製外套管の開口部からはみ出してなるはみ出し部を有し、前記はみ出し部と樹脂製エンドピースとの間において、少なくともクロマト管の長尺方向の圧力がかかる領域に樹脂製スリーブを介在させてなる、前記項1に記載の液体クロマトグラフィー用耐圧クロマト管。
3. a)樹脂製パイプの外径が金属製外套管の開口部に向かって大きくなるようなテーパ構造及びb)樹脂製エンドピースの外径が金属製管状ホルダの開口部(ただし、パイプ部と反対側の開口部)に向かって小さくなるようなテーパ構造の少なくともいずれか一方のテーパ構造を有する、前記項1又は2に記載の液体クロマトグラフィー用耐圧クロマト管。
4. 各テーパ構造における角度が、互いに同一又は異なって5〜15度である、前記項3に記載の液体クロマトグラフィー用耐圧クロマト管。
5. 樹脂製パイプが金属製外套管の開口部からはみ出してなるはみ出し部を有し、樹脂製パイプと樹脂製エンドピースとが接触し得る領域の一部又は全部にテーパ構造を有する、前記項1〜4のいずれかに記載の液体クロマトグラフィー用耐圧クロマト管。
6. テーパ構造における角度が、20〜75度である、前記項5に記載の液体クロマトグラフィー用耐圧クロマト管。
【発明の効果】
【0024】
本発明の液体クロマトグラフィー用クロマト管は、特定の部品から構成されているので、従来のクロマト管(カラム)に比べて高い耐圧性を実現することができる。例えば、充填剤の充填時では80〜100MPa、測定時では50〜70MPaという高い圧力にも耐えることができる。このため、平均粒径が2μm以下(特に1.5〜2.0μm)という微細な充填剤も使用することができる。
【0025】
また、本発明クロマト管は耐圧性に優れることから、液漏れ、ずれ等の問題も解消できる。このため、被測定成分が金属部分に触れることもなく、高い化学安定性を確保することができ、その結果として高い精度で分析することが可能となる。
【0026】
溶離液に接する樹脂製パイプ及び樹脂製エンドピースを別の樹脂に変更することが容易であるため、種々の特性を持つクロマト管を設計することが可能である。
【0027】
さらに、金属製外套管及び金属製ホルダの内部に、それぞれ樹脂製パイプ及び樹脂製エンドピースをテーパ構造によって保持させる場合には、外部の金属製外套管及び金属製ホルダとより完全に密着させることができる。
【0028】
さらに、金属製外套管をもつ樹脂製パイプの両末端に樹脂製スリーブの挿入及び/又はテーパ構造の導入により、カラムエンド部内のエンドピースとの密着性を向上させることができ、これによってもシール性を高めることが可能となる。
【0029】
これらの手段により、高圧下であっても樹脂製パイプ及び樹脂製エンドピースの歪みが生じたり、ずれたりすることがない、シール性の高い、高耐圧の液体クロマトグラフィー用樹脂製クロマト管を提供することができる。
【0030】
本発明のクロマト管は、通常の液体クロマトグラフィー(特に高速液体クロマトグラフィー)と同様の方法で使用することができる。例えば、まず本発明クロマト管のカラムエンド部をパイプ部の一方の末端に締め込んだ後、他の一方を充填用のパッカーリザーバに接続し、公知の充填剤を高圧スラリー充填法により加圧充填を行う。充填が完了した後、パッカーリザーバから充填済みパイプを取り外し、他の一方のカラムエンド部を締め込み、充填カラムとする。この充填カラムは、液体クロマトグラフ(液体クロマトグラフィーを行う装置)に取り付ければ、液体クロマトグラフィーを行うことができ、試料注入器を用いてカラムエンド部一方の末端から被測定試料を移動相により充填カラム内に導入すれば,被測定成分の分離を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明の液体クロマトグラフィー用耐圧クロマト管は、液体クロマトグラフィー用クロマト管において、
(1)前記クロマト管は、a)パイプ部及びb)前記パイプ部両端に設けられたカラムエンド部から構成され、
(2)前記パイプ部は、a)金属製外套管及びb)前記金属製外套管内に溶融樹脂を注入して射出成形することにより形成されている樹脂製パイプを含み、
(3)前記カラムエンド部は、a)金属製管状ホルダ、b)前記金属製管状ホルダ内に配置されている樹脂製エンドピース及びc)前記樹脂製エンドピース内に配置されているスリーブを含む、
ことを特徴とする。
【0032】
図1に、本発明の液体クロマトグラフィー用耐圧クロマト管の一例として、そのクロマト管末端部分の断面図を示す。また、図2(図2−a〜図2−d)には、本発明液体クロマトグラフィー用耐圧クロマト管の主要部品の一実施形態をそれぞれ示す。以下、
これらの図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0033】
クロマト管(カラム本体)
本発明の前記クロマト管は、a)パイプ部及びb)前記パイプ部両端に設けられたカラムエンド部から構成される。図1には、パイプ部の一方の末端の構造を示す。図1に示すように、パイプ部Bに対してカラムエンド部Aが取り付けられている。パイプ部及びカラムエンド部の具体的な構成は、以下に示すとおりである。
【0034】
パイプ部
パイプ部は、a)金属製外套管及びb)前記金属製外套管内に溶融樹脂を注入して射出成形することにより形成されている樹脂製パイプを含む。
【0035】
図1には、金属製外套管7(図中では丸数字で示す。以下同じ。)及びb)前記金属製外套管7内に溶融樹脂を注入して射出成形することにより形成されている樹脂製パイプ8を有するパイプ部Bが示されている。
【0036】
図4には、図2のX−X’の断面図を示す。図4に示すように、本発明のパイプ部の樹脂製パイプ8は、金属製外套管7の内壁に沿って管状に形成されている。そして、樹脂製パイプで囲まれた充填部に充填剤(図示せず)が充填される。本発明では、樹脂製パイプの形成は、金属製外套管内に溶融樹脂を注入して射出成形することにより行われる。これにより金属製外套管と一体化したパイプ部を構成することができ、より高い体圧性を実現することが可能となる。
【0037】
射出成形の方法は、特に限定されないが、例えば、次のようにすることが好ましい。まず、図4に示す充填部(樹脂製パイプ8の内径)とほぼ同じ外径の金属製ピンを金属製外套管内に通し、射出成形用金型にセットする。次いで、前記金型に溶融樹脂を適当な圧力にて注入し、一定時間加圧しながら樹脂を硬化させる。金型から取り出した後、金属製ピンを抜き出すことにより、樹脂製パイプが金属製外套管内に形成される。上記方法は、いったん型ができればその作業は非常に容易であり、高精度品をより短時間・低コストで製造することができる。機械加工又はライニングによる場合に比べて作業工程数を半分以下にすることもできる。
【0038】
金属製外套管の材質は、十分な機械的強度を持つものであれば限定されないが、ステンレス鋼を好適に用いることができる。ステンレス鋼としては、例えばSUS-316、SUS-304等を好ましく用いることができる。
【0039】
パイプ部の末端部(特に両端部)は、カラムエンド部(特に金属製管状ホルダ)と互いに螺子止めできるようにねじ部を形成することが望ましい。すなわち、パイプ部の末端部とカラムエンド部にねじ山を形成することが好ましい。パイプ部の末端部のねじ部を形成する態様としては、金属製外套管にねじ部を設ける方法のほか、金属製管状ホルダからはみ出して形成した樹脂製パイプにねじ部を設ける方法がある。本発明では、より優れた耐圧性、液漏れ防止性能等を発揮できるという点で金属製外套管にねじ部を設けることが好ましい。この場合、金属製外套管は、ねじ部を形成することが可能な肉厚を有していることが好ましく、肉厚1.5mm以上(特に2.0〜4.0mm)のものが好適である。この金属製外套管の肉厚はクロマト管パイプ部の耐圧性にも大きく影響する。
【0040】
樹脂製パイプの材質としては、耐薬品性、耐腐食性、耐吸着性等に優れた樹脂が好ましい。例えば、フッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン及びポリプロピレンの少なくとも1種が好適である。
【0041】
樹脂製パイプの厚みは限定的ではないが、汎用的な分析用クロマト管 (内径2.0〜8.0mm) の場合では、通常1.0mm以上、特に1.5〜8.0mmとすることが好ましい。
【0042】
また、樹脂製パイプの内径に関しては,特に限定されるものではなく、分析の種類、用途、使用形態等に応じて0.5〜100mmの範囲から適宜設定することができる。例えばセミミクロ分析及び汎用分析(一部セミ分取も含む。)を対象とする場合は、樹脂製パイプの内径は1.0〜10.0 mm、特に1.0〜8.0 mmとすることができる。特に、本発明では、2.0mm以下という小さな内径を有する樹脂製パイプの形成を実現することもできる。
【0043】
本発明では、樹脂製パイプは、金属製外套管の開口部からはみ出してなるはみ出し部を有し、前記はみ出し部と樹脂製エンドピースとの間において、少なくともクロマト管の長尺方向の圧力がかかる領域に樹脂製スリーブを介在させてなる構成をとることが好ましい。これにより、シール性を高め、液漏れ等をより確実に防止することができる。本発明クロマト管では、カラムエンド部の内部にある樹脂製エンドピースと前記パイプ部の樹脂製パイプの端面において、樹脂製スリーブを付けたフリット(フィルタ)を挟み込むことによりシールがなされ、液漏れしない構造となっている。この場合、全てのシール面が樹脂であるため応力変形が大きく、フリット外側の樹脂製スリーブだけでは十分なシール性を確保できないことがあり、場合によっては数十MPaの圧力で液漏れしてしまうおそれがある。そこで、パイプ部の樹脂パイプ両末端にさらなる樹脂製スリーブを取り付けることにより、シール性をより向上させることが可能となる。
【0044】
また、シール性向上のための別の形態としては、前記樹脂製スリーブの代わりに、樹脂製パイプが金属製外套管の開口部からはみ出してなるはみ出し部を有し、樹脂製パイプと樹脂製エンドピースとが接触し得る領域の一部又は全部にテーパ構造を形成する方法も採用することができる。この場合は、例えば図3−cに示すように、樹脂製エンドピース2と樹脂製パイプ8のはみ出し部の両末端との当接部分11,12それぞれにテーパ加工を施し、樹脂製パイプ8とカラムエンド部内部の樹脂製エンドピース2とを点シール構造となるようにすれば良い。この場合のテーパ角度は限定的ではないが、一般的には20〜75度の範囲内で適宜設定することができる。
【0045】
樹脂製スリーブは、例えば図2−dに示す符号6のような部品(リング状)を用いることができる。実施の形態として、例えば図1に示すように、樹脂製パイプ8を金属製外套管7よりも長めに設計することで「はみ出し部」を形成し、そのはみ出し部に樹脂製リング状スリーブの嵌め代となる段10を切削加工等により設け、その嵌め代に樹脂製リング状スリーブ6を取り付ければ良い。図1では、樹脂製スリーブは1つであるが、2つ以上設けることも可能である。この場合は、前記の段を2つ以上形成すれば良い。
【0046】
樹脂製スリーブの材質は特に限定されないが、樹脂製パイプと同一の樹脂又はそれよりも若干硬度の低い樹脂を好適に用いることができる。
【0047】
樹脂製パイプは、長尺方向のすべての長さ部分にわたって金属製外套管の内径と同一の外径をもつように作製することが可能であるが、樹脂製パイプの外径が金属製外套管の開口部に向かって大きくなるようなテーパ構造を有することが好ましい。図1に示すように、樹脂製パイプ8は、金属製外套管7の中央部付近では均一な外径が保持されている。そして、金属製外套管の開口部から一定の距離をもつ位置から開口部又はその付近にかけて樹脂製パイプの外径が大きくなり、その一方で金属製外套管の肉厚が薄くなるように加工することにより、樹脂製パイプ8の外周面と金属製外套管7の内周面とがテーパ構造9で当接している構成をつくりだすことができる。すなわち、樹脂製パイプの外径が金属製外套管の開口部に向かって大きくなるようなテーパ構造を形成することにより、樹脂製パイプの外周面と金属製外套管の内周面とが当接している構造を好適に採用することができる。かかるテーパ構造を採用することにより、カラムエンド部の締め付け又は充填剤充填時の高圧により、樹脂製パイプが回転したり、ずれが生じるリスクを低減ないしは解消することができる。そのため、樹脂製パイプの長さが金属製外套管と同等又はそれ以上とすることが好ましい。テーパ構造におけるテーパ角度は限定的ではないが、通常は5〜15度とすることが好ましい。テーパ角度は、図5に示すように、金属外套管7側のテーパ構造9と樹脂製パイプ8の均等径の延長線(点線)とのなす角度である。この角度で形成されたパイプ部にカラムエンド部を締め付けると、前記樹脂製パイプは金属製外套管により完全にかしめられ、回転したり、ずれたりすることをいっそう確実に防止することができる。
【0048】
カラムエンド部
カラムエンド部は、a)金属製管状ホルダ、b)前記金属製管状ホルダ内に配置されている樹脂製エンドピース及びc)前記樹脂製エンドピース内に配置されているフリットを含む。
【0049】
図2−a〜図2−dにカラムエンド部を構成する部品の一例を示す。金属製管状ホルダ1に樹脂製エンドピース2が一部貫通するようなかたちで配されている。図2−cで示されるフリットは、樹脂製エンドピース2内に嵌め込まれている。
【0050】
カラムエンド部は、パイプ部とねじにより連結されることが好ましく、特に金属製管状ホルダと金属製外套管との間で螺合されることが耐圧性等の見地より望ましい。この場合は、スパナ等の工具で金属製管状ホルダを金属製外套管に締め付けて取り付けることができる。
【0051】
a)金属製管状ホルダ
金属製管状ホルダの材質は限定されないが、一般的には金属製外套管と同じ材質を採用すれば良い。すなわち、ステンレス鋼を好適に用いることができる。ステンレス鋼としては、例えばSUS-316、SUS-304等を好ましく用いることができる。
【0052】
金属製管状ホルダの内周面には、ねじ部を形成することが好ましい。前記のように、金属製外套管の内面にもねじ部が形成されていれば、金属製外套管と金属製管状ホルダとが雄ネジ・雌ネジの関係で螺合されることによりパイプ部とカラムエンド部とを強固に固定することができる。ねじ部は、樹脂製エンドピース側に形成させることもできるが、ねじ部の変形による耐圧性の低下、液漏れ等をより確実に防止できるという点で金属製管状ホルダ内周面にねじ部を形成することが好ましい。
【0053】
また、螺合する場合は、金属製管状ホルダをスパナ、レンチ等により締め付けられるようにその外径を六角、四角等の多角形状に加工しておくことが望ましい。締め付け時のトルクは特に限定されないが、一般的には3〜10N・m程度の範囲内で適宜決定すれば良い。
【0054】
b)樹脂製エンドピース
図2において、樹脂製エンドピース2(図2−b)は、金属製管状ホルダ1(図2−a)内に配置されている。樹脂製エンドピース2の末端部分(液体クロマトグラフの配管が接続される部分)の一部が金属製管状ホルダ1の管状部分(空間)を通るように配置される。
【0055】
樹脂製エンドピースを構成する樹脂としては、耐薬品性、耐腐食性、耐吸着性に優れた樹脂が好ましい。例えば、フッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン及びポリプロピレンの少なくとも1種が好適である。
【0056】
樹脂製エンドピースは、射出成形により金属製管状ホルダ内に直接形成することが可能であるが、その他にも別途に射出成形により作製したエンドピース又は切削加工により作製したエンドピースを金属製管状ホルダに圧入しても良い。特に、本発明では、カラムエンド部の締め付け時又は充填剤の充填時における高圧により、パイプが回転したり、ずれが生じてしまうおそれをより効果的に防止するため、樹脂製管状エンドピースの外径が金属製管状ホルダの開口部(ただし、パイプ部と反対側の開口部)に向かって小さくなるようなテーパ構造を有していることが好ましい。例えば、図2−bに示すように、樹脂製エンドピース2にテーパ構造3を設けることが望ましい。このように、樹脂製エンドピースが金属製管状ホルダとテーパ構造で密着することにより、より優れた耐圧性を発揮することができる。この場合のテーパ構造におけるテーパ角度は特に5〜15度とすることが好ましい。このテーパ角度は、図5で示したものと同様の概念である。この角度で形成されたカラムエンド部にパイプ部を締め付けると、前記樹脂製エンドピースは金属製管状ホルダにより完全にかしめられ、回転したり、ずれたりするおそれをより効果的に防止することができる。
【0057】
c)フリット
フリットは、樹脂製管状エンドピース内に配置されている。図2−cに示すように、フリット5は、その周囲にフリット用樹脂製スリーブ4が配置されるような構成を有することが望ましい。フリット用樹脂製スリーブを樹脂製エンドピースと樹脂パイプとの間に介在させることにより、より優れたシール性を発揮することができる。
【0058】
フリットの材質は、フィルタとして機能する多孔性材料であれば限定されず、公知の液体クロマトグラフィー用のフィルタと同様のものを採用することもできる。例えば、金属焼結体、セラミックス等の無機系多孔質材料、粉末樹脂焼結体(熱処理体)等の有機系多孔質材料を適宜用いることができる。前記粉末樹脂としては、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂等の少なくとも1種を用いることができる。
【0059】
フリットの形状・大きさも特に制限されず、公知又は市販のものを採用することができる。通常は、円盤状フリットを好適に使用することができる。この場合のサイズは、材質、使用目的等にもよるが、一般に直径は樹脂パイプの内径より若干大きく設定すれば良く、厚みは1.0〜6.0mmの範囲内で適宜設定することができる。
【0060】
フリット用樹脂製スリーブは、フリットの周囲からの液漏れを効果的に防止することができる。図1に示すように、樹脂製パイプ8の末端が樹脂製エンドピース2と接触し得る部分にフリット用樹脂製スリーブ4が配置されることが好ましい。換言すれば、特に、樹脂製パイプが金属製外套管の開口部からはみ出してなるはみ出し部を有し、前記はみ出し部と樹脂製エンドピースとの間において、少なくともクロマト管の長尺方向の圧力がかかる領域にフリット用樹脂製スリーブ4を介在させることが望ましい。
【0061】
例えば、図2−cに示すように、あらかじめフリット用樹脂製スリーブ4とフリット5とを一体的に構成した部品をつくり、その一方で樹脂製エンドピースの内部に前記部品の嵌め代を形成した上で、その嵌め代に前記部品を嵌め込めば(圧入すれば)良い。図2−cでは、フリット4は円盤状フリットであり、フリット用樹脂製スリーブは円盤状フリットの周囲を囲むリング状スリーブを採用することができる。
【0062】
フリット用樹脂製スリーブの材質は、前出の樹脂製スリーブで採用できる材質と同様のものを使用することができる。
【0063】
本発明クロマト管の使用
本発明のクロマト管は、通常の液体クロマトグラフィー(特に高速液体クロマトグラフィー)と同様の方法で使用することができる。例えば、まず本発明クロマト管のカラムエンド部をパイプ部の一方の末端に締め込んだ後、他の一方を充填用のパッカーリザーバに接続し、公知の充填剤を高圧スラリー充填法により加圧充填を行う。充填が完了した後、パッカーリザーバから充填済みパイプを取り外し、他の一方のカラムエンド部を締め込み、充填カラムとする。この充填カラムは,液体クロマトグラフ(液体クロマトグラフィーを行う装置)に取り付ければ、液体クロマトグラフィーを行うことができ、試料注入器を用いてカラムエンド部一方の末端から被測定試料を移動相により充填カラム内に導入すれば,被測定成分の分離を行うことが可能となる。
【実施例】
【0064】
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
【0065】
実施例1
図1に示すクロマト管を作製した。まず、内径8mm、外径12mm、長さ142mmの外套管となるステンレス鋼製パイプの両末端外周面にカラムエンド部を接続するためのねじを加工し、さらにパイプ両末端内面に、パイプ端面の直径9mmで深さ3mmのテーパ構造9を加工し、ステンレス鋼製の外套管7を作製した。このテーパ構造9の角度は片側9.5度であった。
【0066】
次に、この金属外套管となるステンレス鋼パイプの内部に、射出成形により、内径4.6mm、長さ150mmのポリエーテルエーテルケトン(PEEK)製の樹脂パイプ8を作製した。具体的には、上記ステンレス鋼製パイプに外径4.65mmの超硬工具鋼製ピンをステンレス鋼パイプの内部に挿入し、金型にセットした。次いで、溶融したPEEKを金型に流し込み、樹脂が十分に硬化した後、成形体を金型から外し、速やかに前記ピンを抜き取り、室温で十分に冷却した。このようにして樹脂パイプ8を射出成形により形成した。
【0067】
さらに、樹脂パイプ末端に切削加工により、直径6.5mmの樹脂製スリーブを挿入する段10を形成した。これにより作成されたクロマト管パイプ部の構造を図2−eに示す。この末端に四フッ化エチレン製のスリーブ6を挿入した。
【0068】
PEEKの丸棒から図2−bに示す形状の樹脂製エンドピース2を切削加工により作製した。このエンドピースのテーパ部3は小径8mm、大径9.5mm、長さ5.7mmであり、テーパ構造3の角度は片側7.5度であった。次いで、この樹脂製エンドピース2を図2−aに示すステンレス鋼製カラムエンド部ホルダ1に圧入し、カラムエンド部を作製した。外径6.5mm、内径4.75mm、厚さ1.7mmの三フッ化塩化エチレン製スリーブ4に、直径4.8mm、厚さ1.5mmのPEEK製多孔質フリット5を圧入後、上記カラムエンド部内に入れ、クロマト管パイプ部に締め付けクロマト管を作製した。作製したクロマト管末端の断面図を図1に示す。
【0069】
上記作製したクロマト管のカラムエンド部を手で締め付けた後、スパナを用いて約180度回転させ(締め付けトルク:7N・m)、カラムエンド部をパイプ部にしっかりと締め付けた。このクロマト管内部を水で満たした後、一方の末端にプラグを取り付け、他の末端から1mL/minで水を送液し80MPaまで達したところでポンプの送液を止め、耐圧性、シール性の確認試験を行った。ポンプ停止30分後においても、80MPaを維持し、接続部における液漏れは観察されなかった。同様の構造のクロマト管をさらに5本用いて耐圧試験を行ったが、いずれも80MPaで液漏れは観察されなかった。
【0070】
比較例1
市販の全PEEK製液体クロマトグラフィー用クロマト管を用いて実施例1と同一の方法で耐圧試験を行った。クロマト管内圧が40MPaになったところで液漏れが観察され、その後送液を続けても内圧は上がらず、液漏れが激しくなった。いったん送液ポンプを止め、スパナを用いてさらに90度増し締めを行い、再度耐圧試験を行った。クロマト管内圧が40MPaでの液漏れは観察されなかったが、クロマト管内圧が50MPaを越えたところで再び液漏れが発生した。さらに45度程度増し締めを行い、試験を継続したが、50MPaでの液漏れを止めることはできなかった。
【0071】
実施例2
実施例1により作製したクロマト管に、シクロヘキサノールを用いたスラリー充填法により、粒子径5μmのシリカゲルを充填した。充填圧は70MPaとし、40min間、70MPaで送液を続けた。この間、液漏れは観察されなかった。シリカゲルは高密度に充填されていた。一方のカラムエンド部を取り付け、液体クロマトグラフに接続し、50%メタノール水溶液を50MPaになるようにポンプ流量を調整して送液し、液漏れの有無を確認した。50MPaで6時間液漏れは確認できなかった。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明のクロマト管の一実施例を示す図であって、クロマト管の末端部分の断面図である。
【図2】本発明クロマト管を構成する主要部品の一実施例を示す図である。図2−aは本発明のクロマト管カラムエンド部金属製ホルダ、図2−bは本発明のクロマト管カラムエンド部樹脂製エンドピース、図2−cは本発明のクロマト管樹脂製スリーブ付き樹脂製フリット、図2−dは本発明のクロマト管パイプ部末端挿入用樹脂製スリーブ、図2−eは本発明のクロマト管パイプ部である。
【図3】本発明のクロマト管の別の形態の一実施例を示す図である。図3−aは本発明のクロマト管の別の形態のカラムエンド部、図3−bは本発明のクロマト管の別の形態のパイプ部、図3−cは本発明のクロマト管の別の形態の末端部分の断面図である。
【図4】本発明のクロマト管パイプ部の断面図であって、図2のX−X’の断面図である。
【図5】本発明のクロマト管の断面図であって、テーパ部の角度を定義する図である。
【符号の説明】
【0073】
1 …カラムエンド部 − 金属製ホルダ
2 …カラムエンド部 − 樹脂製エンドピース
3 …カラムエンド部 − テーパ密着部
4 …フリット用樹脂製スリーブ
5 …樹脂製フリット
6 …パイプ部末端挿入用樹脂製スリーブ
7 …パイプ部 − 金属製外套管
8 …パイプ部 − 樹脂製パイプ
9 …パイプ部 − テーパ密着部
10…パイプ部 − 樹脂製スリーブ挿入部
11…カラムエンド部 − エンドピーステーパ部
12…パイプ部 − パイプ末端テーパ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体クロマトグラフィー用クロマト管において、
(1)前記クロマト管は、a)パイプ部及びb)前記パイプ部両端に設けられたカラムエンド部から構成され、
(2)前記パイプ部は、a)金属製外套管及びb)前記金属製外套管内に溶融樹脂を注入して射出成形することにより形成されている樹脂製パイプを含み、
(3)前記カラムエンド部は、a)金属製管状ホルダ、b)前記金属製管状ホルダ内に配置されている樹脂製エンドピース及びc)前記樹脂製エンドピース内に配置されているフリットを含む、
ことを特徴とする液体クロマトグラフィー用耐圧クロマト管。
【請求項2】
樹脂製パイプが金属製外套管の開口部からはみ出してなるはみ出し部を有し、前記はみ出し部と樹脂製エンドピースとの間において、少なくともクロマト管の長尺方向の圧力がかかる領域に樹脂製スリーブを介在させてなる、請求項1に記載の液体クロマトグラフィー用耐圧クロマト管。
【請求項3】
a)樹脂製パイプの外径が金属製外套管の開口部に向かって大きくなるようなテーパ構造及びb)樹脂製エンドピースの外径が金属製管状ホルダの開口部(ただし、パイプ部と反対側の開口部)に向かって小さくなるようなテーパ構造の少なくともいずれか一方のテーパ構造を有する、請求項1又は2に記載の液体クロマトグラフィー用耐圧クロマト管。
【請求項4】
各テーパ構造における角度が、互いに同一又は異なって5〜15度である、請求項3に記載の液体クロマトグラフィー用耐圧クロマト管。
【請求項5】
樹脂製パイプが金属製外套管の開口部からはみ出してなるはみ出し部を有し、樹脂製パイプと樹脂製エンドピースとが接触し得る領域の一部又は全部にテーパ構造を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の液体クロマトグラフィー用耐圧クロマト管。
【請求項6】
テーパ構造における角度が、20〜75度である、請求項5に記載の液体クロマトグラフィー用耐圧クロマト管。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−51689(P2008−51689A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−228988(P2006−228988)
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【出願人】(592001447)株式会社巴製作所 (5)
【出願人】(506290420)株式会社クロマニックテクノロジーズ (2)