液体化粧料塗布容器
【課題】非円形断面形状の塗布体及び該塗布体を先端に固持する固持軸を均一、かつ適切に扱くことができるようにする。
【解決手段】塗布容器本体2の開口部4内に有する樹脂製のシゴキ6の孔部7の形状及び先端に非円形断面形状の塗布体13を具える固持軸12の断面形状を、該塗布体12の非円形断面形状と略同一とし、かつキャップ8と固持軸12との間にOリング15を介在させて周面方向に回転可能とすることで、キャップを離脱又は装着を可能とするとともに、かつ非円形断面形状の塗布体及び固持軸を均一、且つ適切に扱くことができる。
【解決手段】塗布容器本体2の開口部4内に有する樹脂製のシゴキ6の孔部7の形状及び先端に非円形断面形状の塗布体13を具える固持軸12の断面形状を、該塗布体12の非円形断面形状と略同一とし、かつキャップ8と固持軸12との間にOリング15を介在させて周面方向に回転可能とすることで、キャップを離脱又は装着を可能とするとともに、かつ非円形断面形状の塗布体及び固持軸を均一、且つ適切に扱くことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、マスカラ等の液体化粧料を貯留する塗布容器本体と、該マスカラ等の液体化粧料を塗布する塗布体を先端に有する軸体を保持するキャップとから構成される液体化粧料塗布容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体化粧料塗布容器内に具えられるシゴキでは、塗布体を抜出する際に塗布体及び該塗布体を先端に有する軸体の表面に付着した過剰のマスカラ等の液体化粧料を満遍なく扱くことができるように、孔部の形状を塗布体及び該塗布体を先端に有する軸体の断面形状と略同一である円形形状とするものが一般的である。
【0003】
ところが、近年様々な状態の睫毛に対してマスカラ等の液体化粧料を簡易且つ正確に塗布できるように、上記塗布体の断面形状を単純な円形形状ばかりではなく、楕円形形状、紡錘形形状、角形形状、扇形形状としたり、又はこれらの断面形状を適宜組み合わせた異形断面形状(以下、「非円形断面形状」という。)とするものが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
ところが、断面形状が上記非円形断面形状である塗布体を従来の円形形状の孔部を有するシゴキにより扱いても、該シゴキは塗布体の表面に対して正確に密着できず、均一かつ適切に塗布体を扱くことができない。その結果、該塗布体に含まれるマスカラ等の液体化粧料は不均一に含まれることとなり、様々な状態の睫毛に対してマスカラ等の液体化粧料を簡易且つ正確に塗布することができないものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3862168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、様々な状態の睫毛に対して簡易且つ正確にマスカラ等の液体化粧料を塗布できるように断面形状を非円形断面形状とした塗布体の表面に付着した過剰なマスカラ等の液体化粧料を均一に扱くことができないことである。そして、該塗布体に合わせてシゴキの孔部形状を変形させることで、塗布体を先端に固持する軸体の表面をも均一に扱くことができないことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明は、その断面形状が非円形断面形状とした塗布体を均一に扱くことができるように、シゴキの孔部において、非円形断面形状とする塗布体及び該塗布体を先端に有する軸体の表面とを正確に密着できるようにすることを特徴とする。
【0008】
第1の特徴として、マスカラ等の液体化粧料を貯留し、外周面に雄ネジ部を螺設するとともに、その内部では孔部において塗布体及び該塗布体を先端に固持する固持軸の表面に密着自在となるシゴキを有する開口部を設けてなる塗布容器本体と、その開口部の内周面に雌ネジ部を螺設し、固持軸の先端に塗布体を有する固持軸の根元部を挿嵌保持してなるキャップとから構成され、
該塗布体は、その断面形状を楕円形形状、紡錘形形状、角形形状、扇形形状又はこれらの内二つの断面形状の適宜組み合わせた異形断面形状(以下、「非円形断面形状」という。)とし、
該固持軸の断面形状及びシゴキの孔部形状を、塗布体の断面形状と略同一とし、
該固持軸をシゴキの孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持し、
該シゴキを塗布容器本体の開口部に対して周面方向に回転不能に保持し、
該キャップと固持軸との間に周面方向に回転可能にする回動手段を介在させるものである。
【0009】
そのため、キャップを塗布容器本体の開口部から離脱させる際には、固持軸及び塗布体の断面形状とシゴキの孔部形状とは略同一であって、かつ該固持軸はシゴキの孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持されているので、シゴキの孔部周縁は非円形断面形状である固持軸及び塗布体の表面に沿って正確に密着する。その結果、シゴキは固持軸及び塗布体の表面に付着した過剰なマスカラ等の液体化粧料を均一、且つ適切に扱くことができる。従って、塗布体の表面にはマスカラ等の液体化粧料が均一に含まれて、様々な状態に睫毛に対して簡易且つ確実にマスカラ等の液体化粧料を塗布することができるものとなる。
なお、固持軸をその孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持するシゴキは、固定軸の回転に対して容易に変形しにくい材質が適しており、例えば硬質樹脂やポリエチレン、エラストマー等が適しているものである。
【0010】
そして、塗布容器本体の開口部からキャップを離脱させるにあたっては、キャップと塗布容器本体の開口部との噛合を解く必要がある。即ち、固持軸の断面形状とシゴキの孔部形状とは略同一であって、かつ該固持軸はシゴキの孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持されていることから固持軸とシゴキとは一体となる。そして、この一体となった固持軸とシゴキは塗布容器本体の開口部に対して周面方向に回転不能となる。そこで、塗布容器本体の開口部に対して噛合するキャップを開方向へ回転させると、キャップと固持軸との間に介在している回動手段によって、キャップはシゴキを介して塗布容器本体開口部と回転不能である固持軸の根元部に対して周面方向に回転するものとなる。その結果、キャップの開口部の雌ネジ部と塗布容器本体の開口部の雄ネジ部との螺合は解け、キャップを塗布容器本体の開口部から離脱させることができる。
【0011】
その上、キャップの離脱の際にキャップが塗布容器本体の開口部に沿って上昇すると、固持軸はシゴキの孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持されているので、該固持軸及び塗布体は、その表面をシゴキの孔部との正確な密着が保たれたまま引き上げられる。従って、シゴキによる固持軸及び塗布体に対する扱きは正確に行われるものとなる。
【0012】
一方、キャップを塗布容器本体の開口部に装着させるにあたっては、固持軸及び塗布体の断面形状とシゴキの孔部形状とは略同一であって、かつ該固持軸はシゴキの孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持される。そのため、塗布体を塗布容器本体内に収容すると、シゴキの孔部に合わせて固持軸の表面が正確に密着することになる。さらに、シゴキの孔部と固持軸とは合致して一体となり、この一体となった固持軸とシゴキは塗布容器本体の開口部に対して周面方向に回転不能となる。そこで、塗布容器本体の開口部に対して噛合するキャップを閉方向へ回転させると、キャップと固持軸との間に介在している回動手段によって、キャップはシゴキを介して塗布容器本体開口部と回転不能に一体である固持軸の根元部に対して周面方向に回転する。その結果、キャップの開口部の雌ネジ部と塗布容器本体の開口部の雄ネジ部との螺合が可能となり、キャップを塗布容器本体の開口部に装着させることができる。
【0013】
第2の特徴として、マスカラ等の液体化粧料を貯留し、外周面に雄ネジ部を螺設するとともに、その内部では孔部において塗布体及び該塗布体を先端に固持する固持軸の表面に密着自在となるシゴキを有する開口部を設けてなる塗布容器本体と、その開口部の内周面に雌ネジ部を螺設し、固持軸の先端に塗布体を有する固持軸の根元部を挿嵌保持してなるキャップとから構成され、
該塗布体は、その断面形状を非円形断面形状とし、
該固持軸の断面形状及びシゴキの孔部形状を、塗布体の断面形状と略同一とし、
該固持軸をシゴキの孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持し、
該シゴキと塗布容器本体の開口部との間に周面方向に回転可能にする回動手段を介在させるものである。
【0014】
そのため、上述の第1の特徴を有する本願発明と同様に、キャップを塗布容器本体の開口部から離脱させる際には、固持軸及び塗布体の断面形状とシゴキの孔部形状とは略同一であって、かつ該固持軸はシゴキの孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持されるので、シゴキの孔部周縁は非円形断面形状である固持軸及び塗布体の表面に沿って正確に密着し、該表面に付着した過剰なマスカラ等の液体化粧料を均一、且つ適切に扱くことができる。従って、塗布体の表面にはマスカラ等の液体化粧料が均一に含まれるので、様々な状態に睫毛に対して簡易且つ確実にマスカラ等の液体化粧料を塗布することができるものとなる。
なお、固持軸をその孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持するシゴキは、固定軸の回転に対して容易に変形しにくい材質が適しており、例えば硬質樹脂やポリエチレン、エラストマー等が適しているものである。
【0015】
そして、塗布容器本体の開口部からキャップを離脱させるにあたっては、キャップと塗布容器本体の開口部との噛合を解く必要がある。即ち、固持軸の断面形状とシゴキの孔部形状とは略同一であって、かつシゴキの孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持されていることから固持軸とシゴキとは一体となる。さらに、この一体となった固持軸とシゴキとは、該固持軸の根元部がキャップ内に挿嵌保持されているのでキャップに対して周面方向に回転不能である。そこで、塗布容器本体の開口部に対して噛合するキャップを開方向へ回転させると、塗布容器本体の開口部とシゴキとの間に介在している回動手段によって、キャップはその内部に挿嵌保持する固持軸とともに回転するものとなる。その結果、キャップの開口部の雌ネジ部と塗布容器本体の開口部の雄ネジ部との螺合は解け、キャップを塗布容器本体の開口部から離脱させることができる。
【0016】
その上、キャップの離脱の際にキャップが塗布容器本体の開口部に沿って上昇すると、該固持軸はシゴキの孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持され、かつシゴキは塗布容器本体の開口部に対して回動可能であるので、キャップの回転に合わせて、固持軸は回転するとともに、シゴキも同時に回転するので、該固持軸及び塗布体は、その表面とシゴキの孔部との正確な密着が保たれたまま引き上げられる。従って、シゴキによるマスカラ等の液体化粧料の扱きは正確に行われるものとなる。
【0017】
一方、キャップを塗布容器本体の開口部に装着させるにあたっては、固持軸及び塗布体の断面形状とシゴキの孔部形状とは略同一であって、かつ該固持軸はシゴキの孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持される。そのため、塗布体を塗布容器本体内に収容することで、シゴキの孔部に合わせて固持軸の表面が正確に密着することになる。さらに、シゴキの孔部と固持軸とは合致して一体となり、この一体となった固持軸とシゴキはキャップに対して周面方向に回転不能である。そこで、塗布容器本体の開口部に対して噛合するキャップを閉方向へ回転させると、塗布容器本体の開口部とシゴキとの間に介在している回動手段によって、シゴキは固持軸を介して塗布容器本体の開口部に対して周面方向に回転する。その結果、キャップの開口部の雌ネジ部と塗布容器本体の開口部の雄ネジ部との螺合が可能となり、キャップを塗布容器本体の開口部に装着させることができる。
【0018】
第3の特徴として、マスカラ等の液体化粧料を貯留し、外周面に雄ネジ部を螺設するとともに、その内部では孔部において塗布体及び該塗布体を先端に固持する固持軸の表面に密着自在となるシゴキを有する開口部を設けてなる塗布容器本体と、その開口部の内周面に雌ネジ部を螺設し、固持軸の先端に塗布体を有する固持軸の根元部を挿嵌保持してなるキャップとから構成され、
該塗布体は、その断面形状を非円形断面形状とし、
該固持軸の断面形状及びシゴキの孔部形状を、塗布体の断面形状と略同一とした上で、
該キャップと固持軸との間に周面方向に回転可能にする回動手段を介在させ、
塗布容器本体の開口部の内周面に固持軸の外周面に当接して周面方向に回転不能に一体とする係止保持部を形成し、
該固持軸の外周面に当接する係止保持部の孔部形状とシゴキの孔部形状との配置を一致させるものである。
【0019】
そのため、上述の第1の特徴及び第2の特徴を有する本願発明と同様に、キャップを塗布容器本体の開口部から離脱させる際には、固持軸及び塗布体の断面形状とシゴキの孔部形状とは略同一であって、かつ固持軸の外周面に当接する係止保持部の孔部形状とシゴキの孔部形状との配置を一致させるので、シゴキの孔部周縁は非円形断面形状である固持軸及び塗布体の表面に沿って正確に密着し、該表面に付着した過剰なマスカラ等の液体化粧料を均一、かつ適切に扱くことができる。従って、塗布体の表面にはマスカラ等の液体化粧料を均一に含まれるので、様々な状態に睫毛に対して簡易且つ確実にマスカラ等の液体化粧料を塗布することができるものとなる。
なお、固持軸は係止保持部により塗布容器本体の開口部に対して回転不能に保持されているので、固持軸及び塗布体の表面に密着する材質が適しており、例えばゴム等が適しているものである。
【0020】
そして、塗布容器本体の開口部からキャップを離脱させるにあたっては、キャップと塗布容器本体の開口部との噛合を解く必要がある。即ち、固持軸の断面形状とシゴキの孔部形状とは略同一であっても、シゴキは弾性材であるので固持軸はシゴキに対して周面方向に回転可能である。ところが、塗布容器本体の開口部の内周面に形成される係止保持部により、固持軸と塗布容器本体の開口部とは周面方向に回転不能に一体となる。そこで、塗布容器本体の開口部に対して噛合するキャップを開方向へ回転させると、該キャップと固持軸との間に介在している回動手段によって、キャップは固持軸の根元部に対して回転するものとなる。その結果、キャップの開口部の雌ネジ部と塗布容器本体の開口部の雄ネジ部との螺合は解け、キャップを塗布容器本体の開口部から離脱させることができる。
【0021】
その上、上述の第1の特徴及び第2の特徴を有する本願発明と同様に、キャップの離脱の際にキャップが塗布容器本体の開口部に沿って上昇すると、固持軸は塗布容器本体の開口部に対して係止保持部により回転不能であって、かつ固持軸の外周面に当接する係止保持部の孔部形状とシゴキの孔部形状との配置を一致させているので、該固持軸及び塗布体は、その表面とシゴキの孔部との正確な密着が保たれたまま引き上げられる。従って、シゴキによるマスカラ等の液体化粧料の扱きは正確に行われるものとなる。
【0022】
一方、キャップを塗布容器本体の開口部に装着させるにあたっては、固持軸及び塗布体の断面形状とシゴキの孔部形状とは略同一であって、かつ固持軸の外周面に当接する係止保持部の孔部形状とシゴキの孔部形状との配置を一致させているため、塗布体を塗布容器本体内に収容すると、シゴキの孔部は固持軸及び塗布体の表面に沿ってより正確に密着することになる。さらに、塗布容器本体の開口部の内周面に形成する係止保持部によって固持軸と塗布容器本体の開口部とは一体となり、固持軸は塗布容器本体の開口部に対して周面方向に回転不能となる。そこで、塗布容器本体の開口部に対して噛合するキャップを閉方向へ回転させると、キャップと固持軸の根元部との間に介在している回動手段によって、キャップは固持軸に対して周面方向に回転する。その結果、キャップの開口部の雌ネジ部と塗布容器本体の開口部の雄ネジ部との螺合が可能となり、キャップを塗布容器本体の開口部に装着させることができる。
【0023】
なお、本願発明においては、固持軸の先端に固持される塗布体はその断面形状が非円形断面形状とするものであればよく、そのため、例えば円柱状の繊維束からなる塗布体を切削して、その断面形状が非円形断面形状としてなるものの他、断面形状が非円形断面形状となるように、円柱状の繊維束からなる塗布体を折曲してなるものや複数の繊維束を組み合わせてなるもの、又は断面形状が非円形形状である固持軸の先端に一体に塗布体である櫛歯を形成するものであっても良い(図6及び図7参照)。
【発明の効果】
【0024】
本願発明の液体化粧料塗布容器において、塗布容器本体内に内装されるシゴキは、その断面形状を非円形断面形状とする塗布体のみならず該塗布体を先端に固持する固持軸の表面に正確に密着して、それら表面に付着する過剰のマスカラ等の液体化粧料を均一、且つ適切に扱くことができる。そのため、塗布体にマスカラ等の液体化粧料が均一に含ませられ、しかも液だれによる汚損をも防止できるので、様々な状態の睫毛に対してマスカラ等の液体化粧料を簡易且つ正確に塗布することができる優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器の分解正面図である。
【図2】(イ)本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器の正面方向の断面図、(ロ)本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器の側面方向の断面図である。
【図3】本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器の塗布容器本体の平面図、(ロ)本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器の液体化粧料塗布体における固持軸と該固持軸の先端に固持される塗布体の断面図の組み合わせを示した図である。
【図4】本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器における塗布体の変形例を具えるものの分解正面図であり、(イ)該塗布体が複数の塗布体からなるもの(ロ)該塗布体が一本の繊維束を折曲してなるものである。
【図5】(イ)図4の液体化粧料塗布容器における塗布体の変形例を具えるものを構成する塗布容器本体の平面図、(ロ)図4の液体化粧料塗布容器における塗布体の変形例を具えるものの固持軸の断面形状とそれに対応する塗布体の断面形状を示す図である。
【図6】本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器における塗布体の変形例を具えるものの分解正面図である。
【図7】(イ)図6の液体化粧料塗布容器の塗布容器本体の平面図、(ロ)図6の液体化粧料塗布容器の液体化粧料塗布体における固持軸と該固持軸の先端に固持される塗布体の断面図の組み合わせを示した図である。
【図8】本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器においてシゴキの変形例を具えるものの正面方向の断面図である。
【図9】(イ)本願発明の実施例2である液体化粧料塗布容器の正面方向の断面図、(ロ)本願発明の実施例2である液体化粧料塗布容器の側面方向の断面図である。
【図10】(イ)本願発明の実施例3である液体化粧料塗布容器の正面方向の断面図、(ロ)本願発明の実施例3である液体化粧料塗布容器を構成する塗布容器本体の平面図である。
【図11】(イ)本願発明の実施例3である塗布容器本体の側面方向の断面図、(ロ)本願発明の実施例3である液体化粧料塗布容器を構成する塗布容器本体の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
断面形状が非円形形状である塗布体及び該塗布体を先端に固持する固持軸を均一、且つ適切に扱いて様々な状態に睫毛に対して簡易且つ正確にマスカラ等の液体化粧料を塗布するという目的を、最小限の部品の加工で実現した。
【実施例1】
【0027】
図1において示すものは、本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器であって、該液体化粧料塗布容器1は、マスカラ等の液体化粧料3を貯留し、外周面に雄ネジ部5を螺設するとともに、その内部では孔部7において後述する塗布体13及び該塗布体13を先端に固持する固持軸12の表面に密着自在となる硬質樹脂製のシゴキ6を有する別体の開口部4を固持してなる塗布容器本体2と、その開口部4において内周面に雌ネジ部11を螺設するネジ体10を周面方向に回転不能となるように一体に挿嵌し、先端に別体の塗布体13を有するとともに、気密性を維持するパッキン14を装着した固持軸12の根元部12aを挿嵌保持してなるキャップ8とから構成されるものである。
【0028】
ここで、前記シゴキ6は、固持軸12をシゴキ6の孔部7において該固持軸12の円周方向に回転不能に保持するとともに、塗布容器本体2の開口部4に対して周面方向に回転不能に保持されるものである。また、本実施例のシゴキ6は塗布容器本体2に固持される別体の開口部4において一体に成形されるものであるが、開口部4’を一体に形成した塗布容器本体2’において別体のシゴキ6aを内装するものであっても良い(図8参照)。
【0029】
そして、上記キャップ8内にその根元部12aをネジ体10を介して挿嵌保持される固持軸12の先端に固持される塗布体13は、その断面形状を非円形形状の一例である楕円形形状とするものである。
また、該固持軸12の断面形状及びシゴキ6の孔部7の形状も、該塗布体13の断面形状と略同一である楕円形形状とするものである(図3参照)。
【0030】
ここで、該キャップ8内に一体に挿嵌されるネジ体10と固持軸12の根元部12aとの間には、周面方向に回転可能となるように介在させる回動手段としての弾性体であるOリング15を介在させてなるものである。即ち、該Oリング15は、固持軸12の根元部12aの側面全周に渡り溝設される嵌合溝12bに対して嵌着されている。そのため、キャップ8内に一体に挿嵌されるネジ体10と固持軸12の根元部12aとの間に介在されるOリング15により、キャップ8にかかる負荷が該Oリング15の発揮する摩擦力の範囲内では両者は一体となり、それ以上となるとキャップ8はネジ体10とともに固持軸12の根元部12aに対して周面方向に回転可能となるものである。従って、マスカラ等の液体化粧料3を塗布するにあたっては、キャップ8内のネジ体10と固持軸12の根元部12aとの間でOリング15が摩擦力を発揮しているので、キャップ8内に挿嵌保持される固持軸12は回転不能であって、該固持軸12の先端に固持される塗布体13は不用意に回転することがなくなる。そのため、使用者の意図する塗布体13の部位を使って睫毛に対してマスカラ等の液体化粧料3を簡易且つ正確に塗布することができるものである。
【0031】
なお、本願発明の実施例1乃至3においては塗布体13の断面形状及び該塗布体13を先端に固持する固持軸12の断面形状の組み合わせとしては楕円形形状としているが、その他にも長円形状、四角形形状及び三角形形状とするものであってもよく〔図3(ロ)参照〕、また複数の塗布体13a’を組み合わせる塗布体13aや一本の繊維束を折曲して形成する塗布体13b〔図4、図5参照〕、また固持軸12’の先端において櫛歯の塗布体13cを一体に成形するものであっても良いものである〔図6、図7参照〕。
【0032】
本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器1は以上の構成を具えるので、マスカラ等の液体化粧料3を塗布するためキャップ8を離脱させると、該キャップ8内に挿嵌保持される固持軸12及び塗布体13は、固持軸12及び塗布体13の断面形状である楕円形形状と略同一であって、固持軸12はシゴキ6の孔部7において該固持軸12の円周方向に回転不能に保持されたままでシゴキ6の孔部7を通過する。そのとき、シゴキ6の孔部7は楕円形形状である固持軸12及び塗布体13の表面に沿って正確に密着するものである。その結果、固持軸12及び塗布体13の表面に付着した過剰なマスカラ等の液体化粧料3は均一、かつ適切に扱かれる。従って、塗布体13の表面にはマスカラ等の液体化粧料3が均一に含まれるので、様々な状態の睫毛に対して簡易且つ確実にマスカラ等の液体化粧料3を塗布することができるものとなる。
【0033】
そして、塗布容器本体2の開口部4からキャップ8を離脱させる際には、次のようになるものである。即ち、シゴキ6の孔部7を通して塗布容器本体2内に収容される塗布体13を固持する固持軸12の断面形状とシゴキ6の孔部7の形状とは略同一であって、かつ硬質樹脂製のシゴキ6は固持軸12を該固持軸12の円周方向に回転不能に保持するので、固持軸12とシゴキ6とは塗布容器本体2の開口部4に対して周面方向に回転不能に一体となる。そこで、塗布容器本体2の開口部4に対して噛合するキャップ8を開方向へ回転させ、キャップ8内に一体に挿嵌されるネジ体10と固持軸12との間に介在するOリング15の摩擦力以上の負荷がかかると、シゴキ6を介して塗布容器本体2の開口部4と回転不能に一体となる固持軸12の根元部12aに対してキャップ8は周面方向に回転するものである。その結果、キャップ8の開口部9の雌ネジ部11と塗布容器本体2の開口部4の雄ネジ部5との螺合は解け、キャップ8を塗布容器本体2の開口部4から離脱させることができる。
【0034】
その上、上記キャップ8の塗布容器本体2の開口部4から離脱の際にキャップ8が塗布容器本体2の開口部4に沿って上昇すると、シゴキ6と一体となる固持軸12は塗布容器本体2の開口部4に対して回転不能であるので、該固持軸12及び塗布体13はその表面とシゴキ6の孔部7との正確な密着が保たれたまま引き上げられる。従って、シゴキ6によるマスカラ等の液体化粧料3の扱きは正確に行われるものとなる。
【0035】
一方、キャップ8を塗布容器本体2の開口部4に装着する際には、次のようになるものである。即ち、塗布体13を塗布容器本体2内に収容すると、固持軸12及び塗布体13の断面形状とシゴキ6の孔部7の形状とは楕円形形状と略同一であって、シゴキ6は固持軸12を円周方向に回転不能に保持しているので、シゴキ6の孔部7は固持軸12及び塗布体13の表面に沿って正確に密着する。そして、樹脂製のシゴキ6の孔部7と固持軸12とは合致して塗布容器本体2の開口部4に対して周面方向に回転不能に一体となる。そこで、塗布容器本体2の開口部4に対して噛合するキャップ8を閉方向へ回転させ、キャップ8内のネジ体10と固持軸12の根元部12aとの間に介在しているOリング15の摩擦力以上の負荷がかかると、キャップ8はシゴキ6を介して塗布容器本体2の開口部4と回転不能に一体となる固持軸12の根元部12aに対して周面方向に回転するものとなる。その結果、キャップ8の開口部9の雌ネジ部11と塗布容器本体2の開口部4の雄ネジ部5との螺合が可能となり、キャップ8を塗布容器本体2の開口部4に装着させることができる。
【実施例2】
【0036】
図9において示すものは、本願発明の実施例2である液体化粧料塗布容器1’であり、該液体化粧料塗布容器1’は、上記本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器と同様の構成を有するものである。しかしながら、本願発明の実施例2である液体化粧料塗布容器1’は、本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器1と以下の点で構成が相違する。
【0037】
即ち、液体化粧料塗布容器1’を構成する塗布容器本体2に固持される別体の開口部4において有するシゴキ6’は別体であり、且つ塗布容器本体2の開口部4に対して周面方向に回転可能となるように内装されている。さらに、キャップ8内に挿嵌されるネジ体10内には先端に塗布体13を固持する固持軸12の根元部12aが周面方向に回転不能に挿嵌固持されている。
【0038】
本願発明の実施例2である液体化粧料塗布容器は以上の構成を具えるので、マスカラ等の液体化粧料3を塗布するためキャップ8を離脱させると、固持軸12及び塗布体13は、該固持軸12及び塗布体13の断面形状である楕円形形状と略同一であって、固持軸12はシゴキ6’の孔部7’において該固持軸12の円周方向に回転不能に保持されたままでシゴキ6’の孔部7’を通過する。そのとき、シゴキ6’の孔部7’は楕円形形状である固持軸12及び塗布体13の表面に沿って正確に密着するものである。その結果、固持軸12及び塗布体13の表面に付着した過剰なマスカラ等の液体化粧料3は均一、かつ適切に扱かれる。従って、塗布体13の表面にはマスカラ等の液体化粧料3が均一に含まれるので、様々な状態の睫毛に対して簡易且つ確実にマスカラ等の液体化粧料3を塗布することができるものである。
【0039】
そして、塗布容器本体2の開口部4からキャップ8を離脱させる際には、次のようになるものである。即ち、シゴキ6’の孔部7’を通して塗布容器本体2内に収容される塗布体13を固持する固持軸12の断面形状とシゴキ6’の孔部7’の形状とは略同一であって、かつ硬質樹脂製のシゴキ6’が固持軸12を円周方向に移転不能に保持するので、固持軸12とシゴキ6’とは一体となる。その上、この一体となった固持軸12とシゴキ6’とは、該固持軸12の根元部12aがキャップ8内にネジ体10を介して周面方向に回転不能に挿嵌保持されているので、キャップ8に対して周面方向に回転不能である。そこで、塗布容器本体2の開口部4に対して噛合するキャップ8を開方向へ回転させると、塗布容器本体2の開口部4に対してシゴキ6’は回転可能であるので、キャップ8はその内部に挿嵌保持する固持軸12と一体となるシゴキ6’とともに回転するものである。その結果、キャップ8の開口部9の雌ネジ部11と塗布容器本体2の開口部4の雄ネジ部5との螺合は解け、キャップ8を塗布容器本体2の開口部4から離脱させることができる。
【0040】
その上、上記キャップ8の塗布容器本体2の開口部4から離脱の際に、キャップ8が塗布容器本体2の開口部4に沿って上昇すると、シゴキ6’は固持軸12を該固持軸12を回転不能に保持するとともに、塗布容器本体2の開口部4に対して回動可能であるので、キャップ8の回転に合わせて、該キャップ8と回転不能となる固持軸12、及びシゴキ6’も同時に回転することとなるので、該固持軸12及び塗布体13は、その表面をシゴキ6’の孔部7’との正確な密着が保たれたまま引き上げられる。従って、シゴキ6’によるマスカラ等の液体化粧料3の扱きは正確に行われるものとなる。
【0041】
一方、キャップ8を塗布容器本体2の開口部4に装着する際には、次のようになるものである。即ち、塗布体13を塗布容器本体2内に収容すると、固持軸12及び塗布体13の断面形状とシゴキ6’の孔部7’の形状とは楕円形形状と略同一であって、シゴキ6’は固持軸12を円周方向に回転不能に保持しているので、シゴキ6’の孔部7’は固持軸12及び塗布体13の表面に沿って正確に密着する。しかしながら、固持軸12と一体となったシゴキ6’は塗布容器本体2の開口部4に対して周面方向に回転可能である。そこで、塗布容器本体2の開口部4に対して噛合するキャップ8を閉方向へ回転させると、シゴキ6’と一体になる固持軸12はキャップ8に対して周面方向に回転不能であるので、シゴキ6’と一体となった固持軸12とともにキャップ8は塗布容器本体2に固持された開口部4に対して回転するものである。その結果、キャップ8の開口部9の雌ネジ部11と塗布容器本体2の開口部4の雄ネジ部5との螺合が可能となり、キャップ8を塗布容器本体2の開口部4に装着させることができる。
【実施例3】
【0042】
図10及び図11において示すものは、本願発明の実施例3である液体化粧料塗布容器1”であって、該液体化粧料塗布容器1”は、上記本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器1と同様の構成を有するものである。しかしながら、本願発明の実施例3である液体化粧料塗布容器1”は本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器1と以下の点でその構成が相違する。
【0043】
即ち、塗布容器本体2に固持される別体の開口部4において有するシゴキ6”は別体であり、且つゴムにより形成されている。さらに、塗布容器本体2の開口部4の内周面において、固持軸12の外周面に当接して周面方向に回転不能に一体となる係止保持部16を形成するものである。
ここで、該係止保持部16は、先端がシゴキ方向に向かって内径方向へ突出するように斜面16bが形成される三角板体16aを複数周設して構成されている。
【0044】
本願発明の実施例3である液体化粧料塗布容器は以上の構成を具えるので、マスカラ等の液体化粧料3を塗布するためキャップ8を離脱させると、該キャップ8内に挿嵌保持される固持軸12及び塗布体13は、該固持軸12及び塗布体12の断面形状である楕円形形状と略同一であるシゴキ6”の孔部7”を通過する。そのとき、固持軸12の外周面に当接する係止保持部16の孔部形状とシゴキ6”の孔部形状との配置を一致させているので、シゴキ6”の孔部7”は楕円形形状である固持軸12及び塗布体13の表面に沿って正確に密着するものである。その結果、固持軸12及び塗布体13の表面に付着した過剰なマスカラ等の液体化粧料3は均一、かつ適切に扱かれる。従って、塗布体13の表面にはマスカラ等の液体化粧料3が均一に含まれるので、様々な状態の睫毛に対して簡易且つ確実にマスカラ等の液体化粧料3を塗布することができるものである
【0045】
そして、塗布容器本体2の開口部4からキャップ8を離脱させるにあたっては、次のようになるものである。即ち、シゴキ6”の孔部7を通して塗布容器本体2内に収容される塗布体13を固持する固持軸12の断面形状とシゴキ6”の孔部7”の形状とは略同一であっても、シゴキ6”はゴムであるので固持軸12はシゴキ6”に対して周面方向に回転可能である。ところが、塗布容器本体2の開口部4の内周面に形成される係止保持部16により、固持軸12と塗布容器本体2の開口部4とは回転不能と一体となる。そこで、塗布容器本体2の開口部4に対して噛合するキャップ8を開方向へ回転させると、該キャップ8と固持軸12との間に介在しているOリング15の摩擦力以上の負荷がかかることによって、キャップ8は固持軸12の根元部12aに対して回転するものとなる。その結果、キャップ8の開口部9の雌ネジ部11と塗布容器本体2の開口部4の雄ネジ部5との螺合は解け、キャップ8を塗布容器本体2の開口部4から離脱させることができる。
【0046】
その上、上記キャップ8の塗布容器本体2の開口部4から離脱の際に、キャップ8が塗布容器本体2の開口部4に沿って上昇すると、固持軸12の外周面に当接する係止保持部16の孔部形状とシゴキ6”の孔部7”の形状との配置は一致し、シゴキ6”と一体となる固持軸12はキャップ8内のネジ体10に対して回転不能であるので、該固持軸12及び塗布体13は、その表面とシゴキ6”の孔部7との正確な密着が保たれたまま引き上げられる。従って、シゴキ6”によるマスカラ等の液体化粧料3の扱きは正確に行われるものとなる。
【0047】
一方、キャップ8を塗布容器本体2の開口部4に装着する際には、次のようになるものである。即ち、塗布体13を塗布容器本体2内に収容すると、固持軸12の外周面に当接する係止保持部16の孔部形状とシゴキ6”の孔部7”の形状との配置は一致しており、シゴキ6”の孔部7”は楕円形形状である固持軸12及び塗布体13の表面に沿って正確に密着する。そして、塗布容器本体2の開口部4の内周面に形成する係止保持部16によって固持軸12と塗布容器本体2の開口部4とは一体となり、固持軸12は塗布容器本体2の開口部4に対して周面方向に回転不能となる。そこで、塗布容器本体2の開口部4に対して噛合するキャップ8を閉方向へ回転させると、キャップ8内に挿嵌されるネジ体10と固持軸12の根元部12aとの間にはOリング15が介在しているので、その摩擦力以上の負荷がかかることで、キャップ8は塗布容器本体2の開口部4に対して周面方向に回転することができる。その結果、キャップ8の開口部9の雌ネジ部11と塗布容器本体2の開口部4の雄ネジ部5との螺合が可能となり、キャップ8を塗布容器本体2の開口部4に装着させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
塗布容器本体に装着されるキャップに挿嵌保持される固持軸の先端に固持され、その断面形状が非円形形状である塗布体のみならず、該塗布体を先端に固持する固持軸をも確実に扱き、しかも液だれを防止できることによって、マスカラ等の液体化粧料のみならず、接着剤等の液体の塗布容器にも適用できる。
【符号の説明】
【0049】
1、1’、1” 液体化粧料塗布容器
2 塗布容器本体
3 マスカラ等の液体化粧料
4 開口部
5 雄ネジ部
6、6a、6’、6” シゴキ
7、7’、7” 孔部
8 キャップ
9 開口部
10 ネジ体
11 雌ネジ部
12 固持軸
12a 根元部
12b 嵌合溝
13、13a、13a’、13a”、13b、13c 塗布体
14 パッキン
15 Oリング
16 係止保持部
16a 三角板体
16b 斜面
【技術分野】
【0001】
本願発明は、マスカラ等の液体化粧料を貯留する塗布容器本体と、該マスカラ等の液体化粧料を塗布する塗布体を先端に有する軸体を保持するキャップとから構成される液体化粧料塗布容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体化粧料塗布容器内に具えられるシゴキでは、塗布体を抜出する際に塗布体及び該塗布体を先端に有する軸体の表面に付着した過剰のマスカラ等の液体化粧料を満遍なく扱くことができるように、孔部の形状を塗布体及び該塗布体を先端に有する軸体の断面形状と略同一である円形形状とするものが一般的である。
【0003】
ところが、近年様々な状態の睫毛に対してマスカラ等の液体化粧料を簡易且つ正確に塗布できるように、上記塗布体の断面形状を単純な円形形状ばかりではなく、楕円形形状、紡錘形形状、角形形状、扇形形状としたり、又はこれらの断面形状を適宜組み合わせた異形断面形状(以下、「非円形断面形状」という。)とするものが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
ところが、断面形状が上記非円形断面形状である塗布体を従来の円形形状の孔部を有するシゴキにより扱いても、該シゴキは塗布体の表面に対して正確に密着できず、均一かつ適切に塗布体を扱くことができない。その結果、該塗布体に含まれるマスカラ等の液体化粧料は不均一に含まれることとなり、様々な状態の睫毛に対してマスカラ等の液体化粧料を簡易且つ正確に塗布することができないものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3862168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、様々な状態の睫毛に対して簡易且つ正確にマスカラ等の液体化粧料を塗布できるように断面形状を非円形断面形状とした塗布体の表面に付着した過剰なマスカラ等の液体化粧料を均一に扱くことができないことである。そして、該塗布体に合わせてシゴキの孔部形状を変形させることで、塗布体を先端に固持する軸体の表面をも均一に扱くことができないことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明は、その断面形状が非円形断面形状とした塗布体を均一に扱くことができるように、シゴキの孔部において、非円形断面形状とする塗布体及び該塗布体を先端に有する軸体の表面とを正確に密着できるようにすることを特徴とする。
【0008】
第1の特徴として、マスカラ等の液体化粧料を貯留し、外周面に雄ネジ部を螺設するとともに、その内部では孔部において塗布体及び該塗布体を先端に固持する固持軸の表面に密着自在となるシゴキを有する開口部を設けてなる塗布容器本体と、その開口部の内周面に雌ネジ部を螺設し、固持軸の先端に塗布体を有する固持軸の根元部を挿嵌保持してなるキャップとから構成され、
該塗布体は、その断面形状を楕円形形状、紡錘形形状、角形形状、扇形形状又はこれらの内二つの断面形状の適宜組み合わせた異形断面形状(以下、「非円形断面形状」という。)とし、
該固持軸の断面形状及びシゴキの孔部形状を、塗布体の断面形状と略同一とし、
該固持軸をシゴキの孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持し、
該シゴキを塗布容器本体の開口部に対して周面方向に回転不能に保持し、
該キャップと固持軸との間に周面方向に回転可能にする回動手段を介在させるものである。
【0009】
そのため、キャップを塗布容器本体の開口部から離脱させる際には、固持軸及び塗布体の断面形状とシゴキの孔部形状とは略同一であって、かつ該固持軸はシゴキの孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持されているので、シゴキの孔部周縁は非円形断面形状である固持軸及び塗布体の表面に沿って正確に密着する。その結果、シゴキは固持軸及び塗布体の表面に付着した過剰なマスカラ等の液体化粧料を均一、且つ適切に扱くことができる。従って、塗布体の表面にはマスカラ等の液体化粧料が均一に含まれて、様々な状態に睫毛に対して簡易且つ確実にマスカラ等の液体化粧料を塗布することができるものとなる。
なお、固持軸をその孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持するシゴキは、固定軸の回転に対して容易に変形しにくい材質が適しており、例えば硬質樹脂やポリエチレン、エラストマー等が適しているものである。
【0010】
そして、塗布容器本体の開口部からキャップを離脱させるにあたっては、キャップと塗布容器本体の開口部との噛合を解く必要がある。即ち、固持軸の断面形状とシゴキの孔部形状とは略同一であって、かつ該固持軸はシゴキの孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持されていることから固持軸とシゴキとは一体となる。そして、この一体となった固持軸とシゴキは塗布容器本体の開口部に対して周面方向に回転不能となる。そこで、塗布容器本体の開口部に対して噛合するキャップを開方向へ回転させると、キャップと固持軸との間に介在している回動手段によって、キャップはシゴキを介して塗布容器本体開口部と回転不能である固持軸の根元部に対して周面方向に回転するものとなる。その結果、キャップの開口部の雌ネジ部と塗布容器本体の開口部の雄ネジ部との螺合は解け、キャップを塗布容器本体の開口部から離脱させることができる。
【0011】
その上、キャップの離脱の際にキャップが塗布容器本体の開口部に沿って上昇すると、固持軸はシゴキの孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持されているので、該固持軸及び塗布体は、その表面をシゴキの孔部との正確な密着が保たれたまま引き上げられる。従って、シゴキによる固持軸及び塗布体に対する扱きは正確に行われるものとなる。
【0012】
一方、キャップを塗布容器本体の開口部に装着させるにあたっては、固持軸及び塗布体の断面形状とシゴキの孔部形状とは略同一であって、かつ該固持軸はシゴキの孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持される。そのため、塗布体を塗布容器本体内に収容すると、シゴキの孔部に合わせて固持軸の表面が正確に密着することになる。さらに、シゴキの孔部と固持軸とは合致して一体となり、この一体となった固持軸とシゴキは塗布容器本体の開口部に対して周面方向に回転不能となる。そこで、塗布容器本体の開口部に対して噛合するキャップを閉方向へ回転させると、キャップと固持軸との間に介在している回動手段によって、キャップはシゴキを介して塗布容器本体開口部と回転不能に一体である固持軸の根元部に対して周面方向に回転する。その結果、キャップの開口部の雌ネジ部と塗布容器本体の開口部の雄ネジ部との螺合が可能となり、キャップを塗布容器本体の開口部に装着させることができる。
【0013】
第2の特徴として、マスカラ等の液体化粧料を貯留し、外周面に雄ネジ部を螺設するとともに、その内部では孔部において塗布体及び該塗布体を先端に固持する固持軸の表面に密着自在となるシゴキを有する開口部を設けてなる塗布容器本体と、その開口部の内周面に雌ネジ部を螺設し、固持軸の先端に塗布体を有する固持軸の根元部を挿嵌保持してなるキャップとから構成され、
該塗布体は、その断面形状を非円形断面形状とし、
該固持軸の断面形状及びシゴキの孔部形状を、塗布体の断面形状と略同一とし、
該固持軸をシゴキの孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持し、
該シゴキと塗布容器本体の開口部との間に周面方向に回転可能にする回動手段を介在させるものである。
【0014】
そのため、上述の第1の特徴を有する本願発明と同様に、キャップを塗布容器本体の開口部から離脱させる際には、固持軸及び塗布体の断面形状とシゴキの孔部形状とは略同一であって、かつ該固持軸はシゴキの孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持されるので、シゴキの孔部周縁は非円形断面形状である固持軸及び塗布体の表面に沿って正確に密着し、該表面に付着した過剰なマスカラ等の液体化粧料を均一、且つ適切に扱くことができる。従って、塗布体の表面にはマスカラ等の液体化粧料が均一に含まれるので、様々な状態に睫毛に対して簡易且つ確実にマスカラ等の液体化粧料を塗布することができるものとなる。
なお、固持軸をその孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持するシゴキは、固定軸の回転に対して容易に変形しにくい材質が適しており、例えば硬質樹脂やポリエチレン、エラストマー等が適しているものである。
【0015】
そして、塗布容器本体の開口部からキャップを離脱させるにあたっては、キャップと塗布容器本体の開口部との噛合を解く必要がある。即ち、固持軸の断面形状とシゴキの孔部形状とは略同一であって、かつシゴキの孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持されていることから固持軸とシゴキとは一体となる。さらに、この一体となった固持軸とシゴキとは、該固持軸の根元部がキャップ内に挿嵌保持されているのでキャップに対して周面方向に回転不能である。そこで、塗布容器本体の開口部に対して噛合するキャップを開方向へ回転させると、塗布容器本体の開口部とシゴキとの間に介在している回動手段によって、キャップはその内部に挿嵌保持する固持軸とともに回転するものとなる。その結果、キャップの開口部の雌ネジ部と塗布容器本体の開口部の雄ネジ部との螺合は解け、キャップを塗布容器本体の開口部から離脱させることができる。
【0016】
その上、キャップの離脱の際にキャップが塗布容器本体の開口部に沿って上昇すると、該固持軸はシゴキの孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持され、かつシゴキは塗布容器本体の開口部に対して回動可能であるので、キャップの回転に合わせて、固持軸は回転するとともに、シゴキも同時に回転するので、該固持軸及び塗布体は、その表面とシゴキの孔部との正確な密着が保たれたまま引き上げられる。従って、シゴキによるマスカラ等の液体化粧料の扱きは正確に行われるものとなる。
【0017】
一方、キャップを塗布容器本体の開口部に装着させるにあたっては、固持軸及び塗布体の断面形状とシゴキの孔部形状とは略同一であって、かつ該固持軸はシゴキの孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持される。そのため、塗布体を塗布容器本体内に収容することで、シゴキの孔部に合わせて固持軸の表面が正確に密着することになる。さらに、シゴキの孔部と固持軸とは合致して一体となり、この一体となった固持軸とシゴキはキャップに対して周面方向に回転不能である。そこで、塗布容器本体の開口部に対して噛合するキャップを閉方向へ回転させると、塗布容器本体の開口部とシゴキとの間に介在している回動手段によって、シゴキは固持軸を介して塗布容器本体の開口部に対して周面方向に回転する。その結果、キャップの開口部の雌ネジ部と塗布容器本体の開口部の雄ネジ部との螺合が可能となり、キャップを塗布容器本体の開口部に装着させることができる。
【0018】
第3の特徴として、マスカラ等の液体化粧料を貯留し、外周面に雄ネジ部を螺設するとともに、その内部では孔部において塗布体及び該塗布体を先端に固持する固持軸の表面に密着自在となるシゴキを有する開口部を設けてなる塗布容器本体と、その開口部の内周面に雌ネジ部を螺設し、固持軸の先端に塗布体を有する固持軸の根元部を挿嵌保持してなるキャップとから構成され、
該塗布体は、その断面形状を非円形断面形状とし、
該固持軸の断面形状及びシゴキの孔部形状を、塗布体の断面形状と略同一とした上で、
該キャップと固持軸との間に周面方向に回転可能にする回動手段を介在させ、
塗布容器本体の開口部の内周面に固持軸の外周面に当接して周面方向に回転不能に一体とする係止保持部を形成し、
該固持軸の外周面に当接する係止保持部の孔部形状とシゴキの孔部形状との配置を一致させるものである。
【0019】
そのため、上述の第1の特徴及び第2の特徴を有する本願発明と同様に、キャップを塗布容器本体の開口部から離脱させる際には、固持軸及び塗布体の断面形状とシゴキの孔部形状とは略同一であって、かつ固持軸の外周面に当接する係止保持部の孔部形状とシゴキの孔部形状との配置を一致させるので、シゴキの孔部周縁は非円形断面形状である固持軸及び塗布体の表面に沿って正確に密着し、該表面に付着した過剰なマスカラ等の液体化粧料を均一、かつ適切に扱くことができる。従って、塗布体の表面にはマスカラ等の液体化粧料を均一に含まれるので、様々な状態に睫毛に対して簡易且つ確実にマスカラ等の液体化粧料を塗布することができるものとなる。
なお、固持軸は係止保持部により塗布容器本体の開口部に対して回転不能に保持されているので、固持軸及び塗布体の表面に密着する材質が適しており、例えばゴム等が適しているものである。
【0020】
そして、塗布容器本体の開口部からキャップを離脱させるにあたっては、キャップと塗布容器本体の開口部との噛合を解く必要がある。即ち、固持軸の断面形状とシゴキの孔部形状とは略同一であっても、シゴキは弾性材であるので固持軸はシゴキに対して周面方向に回転可能である。ところが、塗布容器本体の開口部の内周面に形成される係止保持部により、固持軸と塗布容器本体の開口部とは周面方向に回転不能に一体となる。そこで、塗布容器本体の開口部に対して噛合するキャップを開方向へ回転させると、該キャップと固持軸との間に介在している回動手段によって、キャップは固持軸の根元部に対して回転するものとなる。その結果、キャップの開口部の雌ネジ部と塗布容器本体の開口部の雄ネジ部との螺合は解け、キャップを塗布容器本体の開口部から離脱させることができる。
【0021】
その上、上述の第1の特徴及び第2の特徴を有する本願発明と同様に、キャップの離脱の際にキャップが塗布容器本体の開口部に沿って上昇すると、固持軸は塗布容器本体の開口部に対して係止保持部により回転不能であって、かつ固持軸の外周面に当接する係止保持部の孔部形状とシゴキの孔部形状との配置を一致させているので、該固持軸及び塗布体は、その表面とシゴキの孔部との正確な密着が保たれたまま引き上げられる。従って、シゴキによるマスカラ等の液体化粧料の扱きは正確に行われるものとなる。
【0022】
一方、キャップを塗布容器本体の開口部に装着させるにあたっては、固持軸及び塗布体の断面形状とシゴキの孔部形状とは略同一であって、かつ固持軸の外周面に当接する係止保持部の孔部形状とシゴキの孔部形状との配置を一致させているため、塗布体を塗布容器本体内に収容すると、シゴキの孔部は固持軸及び塗布体の表面に沿ってより正確に密着することになる。さらに、塗布容器本体の開口部の内周面に形成する係止保持部によって固持軸と塗布容器本体の開口部とは一体となり、固持軸は塗布容器本体の開口部に対して周面方向に回転不能となる。そこで、塗布容器本体の開口部に対して噛合するキャップを閉方向へ回転させると、キャップと固持軸の根元部との間に介在している回動手段によって、キャップは固持軸に対して周面方向に回転する。その結果、キャップの開口部の雌ネジ部と塗布容器本体の開口部の雄ネジ部との螺合が可能となり、キャップを塗布容器本体の開口部に装着させることができる。
【0023】
なお、本願発明においては、固持軸の先端に固持される塗布体はその断面形状が非円形断面形状とするものであればよく、そのため、例えば円柱状の繊維束からなる塗布体を切削して、その断面形状が非円形断面形状としてなるものの他、断面形状が非円形断面形状となるように、円柱状の繊維束からなる塗布体を折曲してなるものや複数の繊維束を組み合わせてなるもの、又は断面形状が非円形形状である固持軸の先端に一体に塗布体である櫛歯を形成するものであっても良い(図6及び図7参照)。
【発明の効果】
【0024】
本願発明の液体化粧料塗布容器において、塗布容器本体内に内装されるシゴキは、その断面形状を非円形断面形状とする塗布体のみならず該塗布体を先端に固持する固持軸の表面に正確に密着して、それら表面に付着する過剰のマスカラ等の液体化粧料を均一、且つ適切に扱くことができる。そのため、塗布体にマスカラ等の液体化粧料が均一に含ませられ、しかも液だれによる汚損をも防止できるので、様々な状態の睫毛に対してマスカラ等の液体化粧料を簡易且つ正確に塗布することができる優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器の分解正面図である。
【図2】(イ)本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器の正面方向の断面図、(ロ)本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器の側面方向の断面図である。
【図3】本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器の塗布容器本体の平面図、(ロ)本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器の液体化粧料塗布体における固持軸と該固持軸の先端に固持される塗布体の断面図の組み合わせを示した図である。
【図4】本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器における塗布体の変形例を具えるものの分解正面図であり、(イ)該塗布体が複数の塗布体からなるもの(ロ)該塗布体が一本の繊維束を折曲してなるものである。
【図5】(イ)図4の液体化粧料塗布容器における塗布体の変形例を具えるものを構成する塗布容器本体の平面図、(ロ)図4の液体化粧料塗布容器における塗布体の変形例を具えるものの固持軸の断面形状とそれに対応する塗布体の断面形状を示す図である。
【図6】本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器における塗布体の変形例を具えるものの分解正面図である。
【図7】(イ)図6の液体化粧料塗布容器の塗布容器本体の平面図、(ロ)図6の液体化粧料塗布容器の液体化粧料塗布体における固持軸と該固持軸の先端に固持される塗布体の断面図の組み合わせを示した図である。
【図8】本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器においてシゴキの変形例を具えるものの正面方向の断面図である。
【図9】(イ)本願発明の実施例2である液体化粧料塗布容器の正面方向の断面図、(ロ)本願発明の実施例2である液体化粧料塗布容器の側面方向の断面図である。
【図10】(イ)本願発明の実施例3である液体化粧料塗布容器の正面方向の断面図、(ロ)本願発明の実施例3である液体化粧料塗布容器を構成する塗布容器本体の平面図である。
【図11】(イ)本願発明の実施例3である塗布容器本体の側面方向の断面図、(ロ)本願発明の実施例3である液体化粧料塗布容器を構成する塗布容器本体の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
断面形状が非円形形状である塗布体及び該塗布体を先端に固持する固持軸を均一、且つ適切に扱いて様々な状態に睫毛に対して簡易且つ正確にマスカラ等の液体化粧料を塗布するという目的を、最小限の部品の加工で実現した。
【実施例1】
【0027】
図1において示すものは、本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器であって、該液体化粧料塗布容器1は、マスカラ等の液体化粧料3を貯留し、外周面に雄ネジ部5を螺設するとともに、その内部では孔部7において後述する塗布体13及び該塗布体13を先端に固持する固持軸12の表面に密着自在となる硬質樹脂製のシゴキ6を有する別体の開口部4を固持してなる塗布容器本体2と、その開口部4において内周面に雌ネジ部11を螺設するネジ体10を周面方向に回転不能となるように一体に挿嵌し、先端に別体の塗布体13を有するとともに、気密性を維持するパッキン14を装着した固持軸12の根元部12aを挿嵌保持してなるキャップ8とから構成されるものである。
【0028】
ここで、前記シゴキ6は、固持軸12をシゴキ6の孔部7において該固持軸12の円周方向に回転不能に保持するとともに、塗布容器本体2の開口部4に対して周面方向に回転不能に保持されるものである。また、本実施例のシゴキ6は塗布容器本体2に固持される別体の開口部4において一体に成形されるものであるが、開口部4’を一体に形成した塗布容器本体2’において別体のシゴキ6aを内装するものであっても良い(図8参照)。
【0029】
そして、上記キャップ8内にその根元部12aをネジ体10を介して挿嵌保持される固持軸12の先端に固持される塗布体13は、その断面形状を非円形形状の一例である楕円形形状とするものである。
また、該固持軸12の断面形状及びシゴキ6の孔部7の形状も、該塗布体13の断面形状と略同一である楕円形形状とするものである(図3参照)。
【0030】
ここで、該キャップ8内に一体に挿嵌されるネジ体10と固持軸12の根元部12aとの間には、周面方向に回転可能となるように介在させる回動手段としての弾性体であるOリング15を介在させてなるものである。即ち、該Oリング15は、固持軸12の根元部12aの側面全周に渡り溝設される嵌合溝12bに対して嵌着されている。そのため、キャップ8内に一体に挿嵌されるネジ体10と固持軸12の根元部12aとの間に介在されるOリング15により、キャップ8にかかる負荷が該Oリング15の発揮する摩擦力の範囲内では両者は一体となり、それ以上となるとキャップ8はネジ体10とともに固持軸12の根元部12aに対して周面方向に回転可能となるものである。従って、マスカラ等の液体化粧料3を塗布するにあたっては、キャップ8内のネジ体10と固持軸12の根元部12aとの間でOリング15が摩擦力を発揮しているので、キャップ8内に挿嵌保持される固持軸12は回転不能であって、該固持軸12の先端に固持される塗布体13は不用意に回転することがなくなる。そのため、使用者の意図する塗布体13の部位を使って睫毛に対してマスカラ等の液体化粧料3を簡易且つ正確に塗布することができるものである。
【0031】
なお、本願発明の実施例1乃至3においては塗布体13の断面形状及び該塗布体13を先端に固持する固持軸12の断面形状の組み合わせとしては楕円形形状としているが、その他にも長円形状、四角形形状及び三角形形状とするものであってもよく〔図3(ロ)参照〕、また複数の塗布体13a’を組み合わせる塗布体13aや一本の繊維束を折曲して形成する塗布体13b〔図4、図5参照〕、また固持軸12’の先端において櫛歯の塗布体13cを一体に成形するものであっても良いものである〔図6、図7参照〕。
【0032】
本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器1は以上の構成を具えるので、マスカラ等の液体化粧料3を塗布するためキャップ8を離脱させると、該キャップ8内に挿嵌保持される固持軸12及び塗布体13は、固持軸12及び塗布体13の断面形状である楕円形形状と略同一であって、固持軸12はシゴキ6の孔部7において該固持軸12の円周方向に回転不能に保持されたままでシゴキ6の孔部7を通過する。そのとき、シゴキ6の孔部7は楕円形形状である固持軸12及び塗布体13の表面に沿って正確に密着するものである。その結果、固持軸12及び塗布体13の表面に付着した過剰なマスカラ等の液体化粧料3は均一、かつ適切に扱かれる。従って、塗布体13の表面にはマスカラ等の液体化粧料3が均一に含まれるので、様々な状態の睫毛に対して簡易且つ確実にマスカラ等の液体化粧料3を塗布することができるものとなる。
【0033】
そして、塗布容器本体2の開口部4からキャップ8を離脱させる際には、次のようになるものである。即ち、シゴキ6の孔部7を通して塗布容器本体2内に収容される塗布体13を固持する固持軸12の断面形状とシゴキ6の孔部7の形状とは略同一であって、かつ硬質樹脂製のシゴキ6は固持軸12を該固持軸12の円周方向に回転不能に保持するので、固持軸12とシゴキ6とは塗布容器本体2の開口部4に対して周面方向に回転不能に一体となる。そこで、塗布容器本体2の開口部4に対して噛合するキャップ8を開方向へ回転させ、キャップ8内に一体に挿嵌されるネジ体10と固持軸12との間に介在するOリング15の摩擦力以上の負荷がかかると、シゴキ6を介して塗布容器本体2の開口部4と回転不能に一体となる固持軸12の根元部12aに対してキャップ8は周面方向に回転するものである。その結果、キャップ8の開口部9の雌ネジ部11と塗布容器本体2の開口部4の雄ネジ部5との螺合は解け、キャップ8を塗布容器本体2の開口部4から離脱させることができる。
【0034】
その上、上記キャップ8の塗布容器本体2の開口部4から離脱の際にキャップ8が塗布容器本体2の開口部4に沿って上昇すると、シゴキ6と一体となる固持軸12は塗布容器本体2の開口部4に対して回転不能であるので、該固持軸12及び塗布体13はその表面とシゴキ6の孔部7との正確な密着が保たれたまま引き上げられる。従って、シゴキ6によるマスカラ等の液体化粧料3の扱きは正確に行われるものとなる。
【0035】
一方、キャップ8を塗布容器本体2の開口部4に装着する際には、次のようになるものである。即ち、塗布体13を塗布容器本体2内に収容すると、固持軸12及び塗布体13の断面形状とシゴキ6の孔部7の形状とは楕円形形状と略同一であって、シゴキ6は固持軸12を円周方向に回転不能に保持しているので、シゴキ6の孔部7は固持軸12及び塗布体13の表面に沿って正確に密着する。そして、樹脂製のシゴキ6の孔部7と固持軸12とは合致して塗布容器本体2の開口部4に対して周面方向に回転不能に一体となる。そこで、塗布容器本体2の開口部4に対して噛合するキャップ8を閉方向へ回転させ、キャップ8内のネジ体10と固持軸12の根元部12aとの間に介在しているOリング15の摩擦力以上の負荷がかかると、キャップ8はシゴキ6を介して塗布容器本体2の開口部4と回転不能に一体となる固持軸12の根元部12aに対して周面方向に回転するものとなる。その結果、キャップ8の開口部9の雌ネジ部11と塗布容器本体2の開口部4の雄ネジ部5との螺合が可能となり、キャップ8を塗布容器本体2の開口部4に装着させることができる。
【実施例2】
【0036】
図9において示すものは、本願発明の実施例2である液体化粧料塗布容器1’であり、該液体化粧料塗布容器1’は、上記本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器と同様の構成を有するものである。しかしながら、本願発明の実施例2である液体化粧料塗布容器1’は、本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器1と以下の点で構成が相違する。
【0037】
即ち、液体化粧料塗布容器1’を構成する塗布容器本体2に固持される別体の開口部4において有するシゴキ6’は別体であり、且つ塗布容器本体2の開口部4に対して周面方向に回転可能となるように内装されている。さらに、キャップ8内に挿嵌されるネジ体10内には先端に塗布体13を固持する固持軸12の根元部12aが周面方向に回転不能に挿嵌固持されている。
【0038】
本願発明の実施例2である液体化粧料塗布容器は以上の構成を具えるので、マスカラ等の液体化粧料3を塗布するためキャップ8を離脱させると、固持軸12及び塗布体13は、該固持軸12及び塗布体13の断面形状である楕円形形状と略同一であって、固持軸12はシゴキ6’の孔部7’において該固持軸12の円周方向に回転不能に保持されたままでシゴキ6’の孔部7’を通過する。そのとき、シゴキ6’の孔部7’は楕円形形状である固持軸12及び塗布体13の表面に沿って正確に密着するものである。その結果、固持軸12及び塗布体13の表面に付着した過剰なマスカラ等の液体化粧料3は均一、かつ適切に扱かれる。従って、塗布体13の表面にはマスカラ等の液体化粧料3が均一に含まれるので、様々な状態の睫毛に対して簡易且つ確実にマスカラ等の液体化粧料3を塗布することができるものである。
【0039】
そして、塗布容器本体2の開口部4からキャップ8を離脱させる際には、次のようになるものである。即ち、シゴキ6’の孔部7’を通して塗布容器本体2内に収容される塗布体13を固持する固持軸12の断面形状とシゴキ6’の孔部7’の形状とは略同一であって、かつ硬質樹脂製のシゴキ6’が固持軸12を円周方向に移転不能に保持するので、固持軸12とシゴキ6’とは一体となる。その上、この一体となった固持軸12とシゴキ6’とは、該固持軸12の根元部12aがキャップ8内にネジ体10を介して周面方向に回転不能に挿嵌保持されているので、キャップ8に対して周面方向に回転不能である。そこで、塗布容器本体2の開口部4に対して噛合するキャップ8を開方向へ回転させると、塗布容器本体2の開口部4に対してシゴキ6’は回転可能であるので、キャップ8はその内部に挿嵌保持する固持軸12と一体となるシゴキ6’とともに回転するものである。その結果、キャップ8の開口部9の雌ネジ部11と塗布容器本体2の開口部4の雄ネジ部5との螺合は解け、キャップ8を塗布容器本体2の開口部4から離脱させることができる。
【0040】
その上、上記キャップ8の塗布容器本体2の開口部4から離脱の際に、キャップ8が塗布容器本体2の開口部4に沿って上昇すると、シゴキ6’は固持軸12を該固持軸12を回転不能に保持するとともに、塗布容器本体2の開口部4に対して回動可能であるので、キャップ8の回転に合わせて、該キャップ8と回転不能となる固持軸12、及びシゴキ6’も同時に回転することとなるので、該固持軸12及び塗布体13は、その表面をシゴキ6’の孔部7’との正確な密着が保たれたまま引き上げられる。従って、シゴキ6’によるマスカラ等の液体化粧料3の扱きは正確に行われるものとなる。
【0041】
一方、キャップ8を塗布容器本体2の開口部4に装着する際には、次のようになるものである。即ち、塗布体13を塗布容器本体2内に収容すると、固持軸12及び塗布体13の断面形状とシゴキ6’の孔部7’の形状とは楕円形形状と略同一であって、シゴキ6’は固持軸12を円周方向に回転不能に保持しているので、シゴキ6’の孔部7’は固持軸12及び塗布体13の表面に沿って正確に密着する。しかしながら、固持軸12と一体となったシゴキ6’は塗布容器本体2の開口部4に対して周面方向に回転可能である。そこで、塗布容器本体2の開口部4に対して噛合するキャップ8を閉方向へ回転させると、シゴキ6’と一体になる固持軸12はキャップ8に対して周面方向に回転不能であるので、シゴキ6’と一体となった固持軸12とともにキャップ8は塗布容器本体2に固持された開口部4に対して回転するものである。その結果、キャップ8の開口部9の雌ネジ部11と塗布容器本体2の開口部4の雄ネジ部5との螺合が可能となり、キャップ8を塗布容器本体2の開口部4に装着させることができる。
【実施例3】
【0042】
図10及び図11において示すものは、本願発明の実施例3である液体化粧料塗布容器1”であって、該液体化粧料塗布容器1”は、上記本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器1と同様の構成を有するものである。しかしながら、本願発明の実施例3である液体化粧料塗布容器1”は本願発明の実施例1である液体化粧料塗布容器1と以下の点でその構成が相違する。
【0043】
即ち、塗布容器本体2に固持される別体の開口部4において有するシゴキ6”は別体であり、且つゴムにより形成されている。さらに、塗布容器本体2の開口部4の内周面において、固持軸12の外周面に当接して周面方向に回転不能に一体となる係止保持部16を形成するものである。
ここで、該係止保持部16は、先端がシゴキ方向に向かって内径方向へ突出するように斜面16bが形成される三角板体16aを複数周設して構成されている。
【0044】
本願発明の実施例3である液体化粧料塗布容器は以上の構成を具えるので、マスカラ等の液体化粧料3を塗布するためキャップ8を離脱させると、該キャップ8内に挿嵌保持される固持軸12及び塗布体13は、該固持軸12及び塗布体12の断面形状である楕円形形状と略同一であるシゴキ6”の孔部7”を通過する。そのとき、固持軸12の外周面に当接する係止保持部16の孔部形状とシゴキ6”の孔部形状との配置を一致させているので、シゴキ6”の孔部7”は楕円形形状である固持軸12及び塗布体13の表面に沿って正確に密着するものである。その結果、固持軸12及び塗布体13の表面に付着した過剰なマスカラ等の液体化粧料3は均一、かつ適切に扱かれる。従って、塗布体13の表面にはマスカラ等の液体化粧料3が均一に含まれるので、様々な状態の睫毛に対して簡易且つ確実にマスカラ等の液体化粧料3を塗布することができるものである
【0045】
そして、塗布容器本体2の開口部4からキャップ8を離脱させるにあたっては、次のようになるものである。即ち、シゴキ6”の孔部7を通して塗布容器本体2内に収容される塗布体13を固持する固持軸12の断面形状とシゴキ6”の孔部7”の形状とは略同一であっても、シゴキ6”はゴムであるので固持軸12はシゴキ6”に対して周面方向に回転可能である。ところが、塗布容器本体2の開口部4の内周面に形成される係止保持部16により、固持軸12と塗布容器本体2の開口部4とは回転不能と一体となる。そこで、塗布容器本体2の開口部4に対して噛合するキャップ8を開方向へ回転させると、該キャップ8と固持軸12との間に介在しているOリング15の摩擦力以上の負荷がかかることによって、キャップ8は固持軸12の根元部12aに対して回転するものとなる。その結果、キャップ8の開口部9の雌ネジ部11と塗布容器本体2の開口部4の雄ネジ部5との螺合は解け、キャップ8を塗布容器本体2の開口部4から離脱させることができる。
【0046】
その上、上記キャップ8の塗布容器本体2の開口部4から離脱の際に、キャップ8が塗布容器本体2の開口部4に沿って上昇すると、固持軸12の外周面に当接する係止保持部16の孔部形状とシゴキ6”の孔部7”の形状との配置は一致し、シゴキ6”と一体となる固持軸12はキャップ8内のネジ体10に対して回転不能であるので、該固持軸12及び塗布体13は、その表面とシゴキ6”の孔部7との正確な密着が保たれたまま引き上げられる。従って、シゴキ6”によるマスカラ等の液体化粧料3の扱きは正確に行われるものとなる。
【0047】
一方、キャップ8を塗布容器本体2の開口部4に装着する際には、次のようになるものである。即ち、塗布体13を塗布容器本体2内に収容すると、固持軸12の外周面に当接する係止保持部16の孔部形状とシゴキ6”の孔部7”の形状との配置は一致しており、シゴキ6”の孔部7”は楕円形形状である固持軸12及び塗布体13の表面に沿って正確に密着する。そして、塗布容器本体2の開口部4の内周面に形成する係止保持部16によって固持軸12と塗布容器本体2の開口部4とは一体となり、固持軸12は塗布容器本体2の開口部4に対して周面方向に回転不能となる。そこで、塗布容器本体2の開口部4に対して噛合するキャップ8を閉方向へ回転させると、キャップ8内に挿嵌されるネジ体10と固持軸12の根元部12aとの間にはOリング15が介在しているので、その摩擦力以上の負荷がかかることで、キャップ8は塗布容器本体2の開口部4に対して周面方向に回転することができる。その結果、キャップ8の開口部9の雌ネジ部11と塗布容器本体2の開口部4の雄ネジ部5との螺合が可能となり、キャップ8を塗布容器本体2の開口部4に装着させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
塗布容器本体に装着されるキャップに挿嵌保持される固持軸の先端に固持され、その断面形状が非円形形状である塗布体のみならず、該塗布体を先端に固持する固持軸をも確実に扱き、しかも液だれを防止できることによって、マスカラ等の液体化粧料のみならず、接着剤等の液体の塗布容器にも適用できる。
【符号の説明】
【0049】
1、1’、1” 液体化粧料塗布容器
2 塗布容器本体
3 マスカラ等の液体化粧料
4 開口部
5 雄ネジ部
6、6a、6’、6” シゴキ
7、7’、7” 孔部
8 キャップ
9 開口部
10 ネジ体
11 雌ネジ部
12 固持軸
12a 根元部
12b 嵌合溝
13、13a、13a’、13a”、13b、13c 塗布体
14 パッキン
15 Oリング
16 係止保持部
16a 三角板体
16b 斜面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスカラ等の液体化粧料を貯留し、外周面に雄ネジ部を螺設するとともに、その内部では孔部において塗布体及び該塗布体を先端に固持する固持軸の表面に密着自在となるシゴキを有する開口部を設けてなる塗布容器本体と、その開口部の内周面に雌ネジ部を螺設し、固持軸の先端に塗布体を有する固持軸の根元部を挿嵌保持してなるキャップとから構成され、
該塗布体は、その断面形状を楕円形形状、紡錘形形状、角形形状、扇形形状又はこれらの内二つの形状の組み合わせた異形断面形状(以下、「非円形断面形状」という。)とし、
該固持軸の断面形状及びシゴキの孔部形状を、塗布体の断面形状と略同一とし、
該固持軸をシゴキの孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持し、
該シゴキを塗布容器本体の開口部に対して周面方向に回転不能に保持し、
該キャップと固持軸との間に周面方向に回転可能にする回動手段を介在させる
ことを特徴とする液体化粧料塗布容器。
【請求項2】
マスカラ等の液体化粧料を貯留し、外周面に雄ネジ部を螺設するとともに、その内部では孔部において塗布体及び該塗布体を先端に固持する固持軸の表面に密着自在となるシゴキを有する開口部を設けてなる塗布容器本体と、その開口部の内周面に雌ネジ部を螺設し、固持軸の先端に塗布体を有する固持軸の根元部を挿嵌保持してなるキャップとから構成され、
該塗布体は、その断面形状を非円形断面形状とし、
該固持軸の断面形状及びシゴキの孔部形状を、塗布体の断面形状と略同一とし、
該固持軸をシゴキの孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持し、
該シゴキと塗布容器本体の開口部との間に周面方向に回転可能にする回動手段を介在させる
ことを特徴とする液体化粧料塗布容器。
【請求項3】
マスカラ等の液体化粧料を貯留し、外周面に雄ネジ部を螺設するとともに、その内部では孔部において塗布体及び該塗布体を先端に固持する固持軸の表面に密着自在となるシゴキを有する開口部を設けてなる塗布容器本体と、その開口部の内周面に雌ネジ部を螺設し、固持軸の先端に塗布体を有する固持軸の根元部を挿嵌保持してなるキャップとから構成され、
該塗布体は、その断面形状を非円形断面形状とし、
該固持軸の断面形状及びシゴキの孔部形状を、塗布体の断面形状と略同一とした上で、
該キャップと固持軸との間に周面方向に回転可能にする回動手段を介在させ、
塗布容器本体の開口部の内周面に固持軸の外周面に当接して周面方向に回転不能に一体とする係止保持部を形成し、
該固持軸の外周面に当接する係止保持部の孔部形状とシゴキの孔部形状との配置を一致させる
ことを特徴とする液体化粧料塗布容器。
【請求項1】
マスカラ等の液体化粧料を貯留し、外周面に雄ネジ部を螺設するとともに、その内部では孔部において塗布体及び該塗布体を先端に固持する固持軸の表面に密着自在となるシゴキを有する開口部を設けてなる塗布容器本体と、その開口部の内周面に雌ネジ部を螺設し、固持軸の先端に塗布体を有する固持軸の根元部を挿嵌保持してなるキャップとから構成され、
該塗布体は、その断面形状を楕円形形状、紡錘形形状、角形形状、扇形形状又はこれらの内二つの形状の組み合わせた異形断面形状(以下、「非円形断面形状」という。)とし、
該固持軸の断面形状及びシゴキの孔部形状を、塗布体の断面形状と略同一とし、
該固持軸をシゴキの孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持し、
該シゴキを塗布容器本体の開口部に対して周面方向に回転不能に保持し、
該キャップと固持軸との間に周面方向に回転可能にする回動手段を介在させる
ことを特徴とする液体化粧料塗布容器。
【請求項2】
マスカラ等の液体化粧料を貯留し、外周面に雄ネジ部を螺設するとともに、その内部では孔部において塗布体及び該塗布体を先端に固持する固持軸の表面に密着自在となるシゴキを有する開口部を設けてなる塗布容器本体と、その開口部の内周面に雌ネジ部を螺設し、固持軸の先端に塗布体を有する固持軸の根元部を挿嵌保持してなるキャップとから構成され、
該塗布体は、その断面形状を非円形断面形状とし、
該固持軸の断面形状及びシゴキの孔部形状を、塗布体の断面形状と略同一とし、
該固持軸をシゴキの孔部において該固持軸の円周方向に回転不能に保持し、
該シゴキと塗布容器本体の開口部との間に周面方向に回転可能にする回動手段を介在させる
ことを特徴とする液体化粧料塗布容器。
【請求項3】
マスカラ等の液体化粧料を貯留し、外周面に雄ネジ部を螺設するとともに、その内部では孔部において塗布体及び該塗布体を先端に固持する固持軸の表面に密着自在となるシゴキを有する開口部を設けてなる塗布容器本体と、その開口部の内周面に雌ネジ部を螺設し、固持軸の先端に塗布体を有する固持軸の根元部を挿嵌保持してなるキャップとから構成され、
該塗布体は、その断面形状を非円形断面形状とし、
該固持軸の断面形状及びシゴキの孔部形状を、塗布体の断面形状と略同一とした上で、
該キャップと固持軸との間に周面方向に回転可能にする回動手段を介在させ、
塗布容器本体の開口部の内周面に固持軸の外周面に当接して周面方向に回転不能に一体とする係止保持部を形成し、
該固持軸の外周面に当接する係止保持部の孔部形状とシゴキの孔部形状との配置を一致させる
ことを特徴とする液体化粧料塗布容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−10662(P2011−10662A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−154442(P2009−154442)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000223986)フィグラ株式会社 (68)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000223986)フィグラ株式会社 (68)
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