説明

液体吸収中敷きを有する防水プラズマ処理された履物

表面の少なくとも一部を覆うように備えられ、プラズマ処理プロセスによって得られた撥液ポリマーコーティングを有する履物のアイテムであって、前記アイテムが、着用者の足を支える領域の上に液体吸収足支持中敷きを内側にさらに備えており、このタイプのアイテムが着用者に快適性を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物のアイテムの形態の新しい製品に関し、特にスポーツ靴もしくは運動靴に関する。それらは、蒸気に対する透過性を保持すると同時に、それらの全体の液体に対する透過性を減少させるように処理される。それゆえ、これにより、着用者の足に使用されているとき発生する汗が、履物の外側へ蒸発することによって運ばれることが可能になる。その結果、着用者に課せられた生理学的な負担が減少し、着用者に対する履物の快適性が高まる。また、本発明は履物のそのようなアイテムの製造方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
履物の布地を通過しての蒸発により、着用者の足と履物の内側との間の汗の蓄積を最小限にできるように、蒸気の透過性を同時に維持しながら、水もしくは他の液体が外から入ってきて履物の全重量を増加させるのを防止するために履物の外面を撥液性に変えるという両立しない要求を調和させることは、スポーツ靴もしくは運動靴などの、活動的なスポーツでの使用のための履物の製造業者にとって特別の挑戦となる。使用の際、履物の上記アイテムは、足に隣接する過度の熱および汗の蓄積ならびに不快なにおいの付随する危険性が原因で、履いていると心地よくなくなり、不快にさえなる。
【0003】
今まで、スポーツ靴製造業者は、様々なアプローチでこれらの問題を克服しようと試みてきた。一般に、たとえば、上記の靴の上方の部分は、耐液性を付与するための組み立ての前に布地に塗布された耐久性のある撥水性コーティングを有する高いレベルの空気透過性(流動)および水蒸気輸送を可能にする空気透過性合成布地から製造される。しかし、これにより、初期の保護が与えられるかもしれないが、これが長い使用に対して十分な耐久性があることはまれである。さらに、そのような技法は、水が靴の中に浸入する他の可能性のある地点の多くをふさぐ点では、利益を与えないであろう。
【0004】
水が上記靴に浸入するのを防止する、研究されてきた他のアプローチには、水がしみ込むのを防止する、Gore-tex(登録商標)薄膜などのフィルムもしくは薄膜の内部ブーティ(bootie)を組み込むことによって、履物を「防水」に変えることが挙げられる。しかし、高いレベルの防水を達成するために使用されるフィルムもしくは薄膜で、とにかく何らかの空気透過性を示すものは一般的にとても少ない。その結果、足の裏と足を支えるベースもしくは中敷き(足が上に置かれている構造もしくは機能に基づいて、「in-sock」もしくは「insole」のどちらかで呼ばれることが多い。)との境界部分で主に発生する汗が効果的に蒸発するのが妨げられる。ごく小さい孔を通って、または、吸収し、拡散し、そして脱着することによって、水蒸気の一部は運ばれるであろうが。しかし、足とフィルムもしくは薄膜との間の環境は、実質的に変わらず、したがって、このアプローチは、着用者にとってかなり高められたレベルの快適性を与えない。
【0005】
また、靴底を通る汗の浸透を改善することを試みて、靴底のデザインに対して注意が払われてきた。靴底を通っての靴の内側から外側への汗の浸透を可能にするが、外部の水分が靴の内部に入るのを防止するように企てられた様々な変形が提案されてきており、それには防水薄膜を有する穴の開いた靴底を備えることが含まれる。防水性があり通気性がある靴底が記載されている国際公開第2005/063069号パンフレットでは、少なくとも1層の靴底の上方層に防水コーティングを設け、それはプラズマ堆積処理によって得られ、水の浸入を防止する物理的バリアとして作用する。
【0006】
これらの発展にもかかわらず、永続性のある蒸気透過性があり、十分な防液保護を備える防液処理を提供するための改良された方法に関する継続的な必要性が残されており、それにより、履物を通じての吸収を減少させ、全体の重さを低く保ち、同時に、着用者の快適性を向上させるために、足により発生した汗が、履物の外側への蒸発によって着用者の靴下を通ってその靴下の外へ速やかに運ばれるのを確実にする。
【0007】
表面のある範囲の上、とくに布地表面の上にポリマーコーティングを堆積させるために、プラズマ堆積技法は、かなり広く使用されてきた。この技法は、湿式化学方法に比べて少ししか廃物を作り出さない清浄な乾式技法であるとして認められる。この方法を使用すると、プラズマが、電界を受けた有機分子から生成される。基材の存在下でこれが行われた場合、プラズマ中の化合物のラジカルは、基材の上で重合される。従来のポリマー合成は、モノマー種に非常に似ている繰り返し単位を含む構造を作り出す傾向があり、一方、プラズマを使用して作り出されたポリマーネットワークは、非常に複雑になり得る。結果として生じるコーティングの特性は、基材の性質ならびに使用されたモノマーの性質および堆積されたときの条件によって決まり得る。
【0008】
材料の撥水特性を高めるためのプラズマ堆積プロセス技法の使用が知られているが、上記プロセスを靴全体に当てることの不利な点は、表面全体が撥液性に変えられ、それゆえ、これから蒸発しなければならない汗を収容する容器として作用し得る残りの吸収領域が存在しないことである。この結果、履いているとき、靴の内側は不愉快に湿った状態になる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
処理して、プラズマ重合堆積プロセスによって撥液性を有するが蒸気透過性も有するポリマーコーティングを表面上に堆積する履物のアイテムの中に液体吸収足支持中敷きを組み込むことによって、足の裏と着用者の足を支えている中敷きとの境界面に蓄積する汗を追い出すことができる。足の裏から着用者の靴下を通り外に出て、その後、履物の布地を通って蒸発することができることを本発明者は発見した。これにより、着用者にとっての履物の快適性が著しく高まる。また、履物の残りの部分を組み立てた後に中敷きを組み込むことは、履物の底と上方部分との間の接合へ至るのをより容易にし、履物の縫い目をシールするのを容易にし、そして処理されたアイテムが、確実に撥水性を有するようにするのを助けるという有利な点を与える。
【0010】
第一の態様によれば、これにより、本発明は、表面の少なくとも一部を覆うように備えられ、プラズマ処理プロセスによって得られた撥液ポリマーコーティングを有する履物のアイテムを提供し、前記アイテムが、着用者の足を支える領域の上に液体吸収足支持中敷きを内側にさらに備えられている。
【0011】
さらなる態様では、本発明は、履物のアイテムもしくは前記アイテムを構成する材料の表面の少なくとも一部を処理し、プラズマ堆積プロセスでその上に撥液ポリマーコーティングを堆積させるステップ、および処理されたアイテムの内側で、着用者の足を支える領域に液体吸収足支持中敷きを備えるステップを含む第1の態様の履物のアイテムを作製する方法を提供する。
【0012】
また、本発明は、履物のアイテムの着用者にとっての快適性を改善する方法を提供し、前記方法は、上記方法で作製されたアイテムを使用するステップを含む。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上述したように、靴の外側の脅威、すなわち、液体の浸入から着用者を保護することは重要であるが、靴の内側に蓄積している熱および汗が、着用者から靴の外に速やかに移動して出て行けることがもっとも重要である。本発明は、これらの両立しない要求を調和させるという問題に対する効果的な解決方法を提供する。
【0014】
本明細書で使用されているように、用語「履物のアイテム」は、着用者の足と履物の内側との間の汗の蓄積を蒸発によって最小にさせながら、外側からの液体の浸入に対して保護することが望ましい状態で履かれることが意図された任意の履物を示す。
【0015】
適切なことには、この用語には、スポーツ活動における使用のための、ランニングシューズや運動靴などの履物が含まれる。
【0016】
「液体吸収足支持中敷き」は、履物の内側の底に設けられたパッド(pad)もしくはベッド(bed)を示し、履物のアイテムが履かれているとき、その上に着用者の足が支えられる。中敷きは、クッションを有する表面を備え、水を吸収し、その結果、着用者により発生する汗を吸収することができる。ポリマー材料(たとえば、ポリエステルもしくはポリプロピレン)または天然材料(たとえば、皮革もしくはセルロース)などの、当該技術分野で従来から知られているいずれかの材料から中敷きを形成することができ、靴の内側に合うように形作られ、着用者の足または歩くときもしくは走るときのスタイルにもっとも合うように合わせるためにさらに変形してもよい。また、それが整形外科的な利益を提供するようにしてもよい。好都合なことに、適切に中敷き挿入物を交換できるようにするために、中敷きを取り外し可能にする。取り外し可能挿入物は、使用していないとき、取り外した中敷きから中敷きによって吸収された水分のいずれも容易に蒸発させる有利な点を有する。しかし、着用者の足を中へ入れることができる袋を形成するために、接着剤を使用して適したところに適切につけて、もしくは、知られている方法により履物の上方部分の端と縫い合わせて、固定された挿入物が知られている。
【0017】
好ましくは、液体吸収足支持中敷きは、撥液ポリマーコーティングを有しない。
【0018】
履物の表面上に撥水ポリマーコーティング層を形成するために、プラズマ重合をうけるいずれのモノマー化合物もしくはガスを適切に使用することができる。使用することができる好適なモノマーには、プラズマ重合で基材の上に撥水ポリマーコーティングを作製できると当業者に知られているものがあり、それには、たとえば、反応性官能基を有する炭素質化合物があり、とくに、実質的に−CF3が優位に占めるペルフルオロ化合物(国際公開第97/38801号パンフレット参照)、ペルフルオロ化アルケン(Wang他, Chem Mater 1996, 2212-2214)、ハロゲン原子もしくは少なくとも10個の炭素原子のペルハロゲン化有機化合物を任意選択的に含む水素含有不飽和化合物(国際公開第98/58117号パンフレット参照)、2つの二重結合を含む有機化合物(国際公開第99/64662号パンフレット)、ヘテロ原子を任意選択的に挿入された少なくとも5個の炭素原子の置換アルキル鎖を任意選択的に有する飽和有機化合物(国際公開第00/05000号パンフレット)、任意選択的に置換されたアルキン(国際公開第00/20130号パンフレット)、ポリエーテル置換アルケン(米国特許第6,482,531B号明細書)および少なくとも1つのヘテロ原子を含む大環状化合物(米国特許第6,329,024B号明細書)があり、これらの全ての内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0019】
好ましくは、化学式(I)の化合物を含むプラズマをそのアイテムに当てることによって形成されたポリマーコーティングを履物のそのアイテムに設ける。
【化1】

式中、R1、R2およびR3は、水素、アルキル、ハロアルキルもしくは任意選択的にハロで置換されたアリールから独立して選択される。そして、R4はX−R5基であり、式中、R5はアルキルもしくはハロアルキル基であり、Xは、化学式−C(O)O−、−C(O)O(CH2nY−の基の結合であり、式中、nは1から10の整数、Yは結合もしくはスルホンアミド基、または、Xは、−(O)p6(O)q(CH2t−基の結合であり、式中、R6は、ハロで任意選択的に置換されたアリールであり、pは0もしくは1であり、qは0もしくは1であり、tは0もしくは1から10の整数であり、もし、式中、qが1であるならばtが0以外であり、十分な時間で保護ポリマー層がそのアイテムの表面に形成することができる。
【0020】
1、R2、R3およびR5について、好適なハロアルキル基は、フルオロアルキル基である。そのアルキル鎖は、直鎖または分岐鎖でもよく、環状部分を有してもよい。
【0021】
5について、アルキル鎖は、2つもしくは3つ以上の炭素原子を、好適には2〜20個の炭素原子を、好ましくは6個から12個の炭素原子を好適には含む。
【0022】
1、R2およびR3について、アルキル鎖は、1つから6個の炭素原子を有するのが一般に好ましい。
【0023】
好ましくは、R5はハロアルキルであり、より好ましくはペルハロアルキル基であり、とくに、化学式Cm2m+1のペルフルオロアルキル基である。式中、mは、1もしくは2以上の整数であり、好適には1〜20であり、好ましくは4〜12であり、たとえば、4、6もしくは8である。
【0024】
1、R2およびR3について、好適なアルキル基は、1つから6個の炭素原子を有する。
【0025】
一態様では、R1、R2およびR3のうちの少なくとも1つは水素である。特定の態様では、R1、R2およびR3は全て水素である。しかし、さらなる態様では、R3は、メチルもしくはプロピルなどのアルキル基である。
【0026】
式中、Xは、−C(O)O−、−C(O)O(CH2nY−
基であり、nは、好適なスペーサー基を提供する整数である。とくに、nは1から5であり、好ましくは約5である。
【0027】
Yについて、好適なスルホンアミドには、化学式−N(R7)SO2-のものがあり、式中、R7は水素もしくはC1-4アルキルなどのアルキルであり、とくにメチルもしくはエチルである。
【0028】
一態様では、化学式(I)の化合物は化学式(II)から構成される。
CH2=CH−R5 (II)
式中、R5は、化学式(I)に関係して、上記に規定されたのと同様である。
【0029】
化学式(II)の化合物では、化学式(I)のXは結合である。
【0030】
しかし、好ましい態様では、化学式(I)の化合物は、化学式(III)のアクリレートである。
CH2=CR7C(O)O(CH2n5 (III)
式中、nおよびR5は、化学式(I)の関係にして上記に規定されたのと同様であり、R7は水素、C1-10アルキルもしくはC1-10ハロアルキルである。とくに、R7は水素もしくはメチルなどのC1-6アルキルである。化学式(III)の化合物の特定の例は、化学式(IV)の化合物である。
【化2】

式中、R7は上記に規定したのと同様であり、とくに水素であり、xは1から9の整数であり、たとえば、4から9であり、好ましくは7である。その場合、化学式(IV)の化合物は、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレートである。
【0031】
また、少なくとも1種が2つの炭素−炭素の二重結合を含む1種もしくは2種以上の有機モノマー化合物を含むプラズマを、表面上にポリマー層が形成できるのに十分な時間、アイテムに当てることにより、ポリマーコーティングを形成することができる。
【0032】
好適なことに、2以上の二重結合を有する化合物は、化学式(V)の化合物を含む。
【化3】

式中、R8、R9、R10、R11、R12およびR13は、水素、ハロ、アルキル、ハロアルキルもしくは、任意選択的にハロで置換されたアリールから全て独立して選択され、Zは架橋基である。
【0033】
化学式(V)の化合物で使用するための好適な架橋基Zの例は、ポリマーの技術分野で知られているものである。とくに、それらには、任意選択的に置換されたアルキル基があり、それに酸素原子を挿入してもよい。架橋基Zの場合の好適な任意選択的置換基には、ペルハロアルキル基、とくにペルフルオロアルキル基がある。
【0034】
とくに好ましい態様では、架橋基Zには、1種もしくは2種以上のアシルオキシもしくはエステル基がある。とくに、化学式Zの架橋基は、副化学式(VI)の基である。
【化4】

式中、nは1から10の整数であり、好適には1から3であり、R14およびR15はそれぞれ、水素、アルキルもしくはハロアルキルから独立して選択される。
【0035】
好適なことに、R8、R9、R10、R11、R12およびR13は、フルオロアルキルなどのハロアルキルもしくは水素である。とくに、それらは全て水素である。
【0036】
好適なことに、化学式(V)の化合物は、少なくとも1種のハロアルキル基、好ましくはペルハロアルキル基を含む。
【0037】
化学式(V)の化合物の特定の例には、以下のものがある。
【化5】

14もしくはR15のうちの少なくとも1種が水素以外である場合、式中、R14およびR15は上記に規定されたのと同様である。上記化合物の特定の例は、化学式Bの化合物である。
【化6】

【0038】
さらなる態様では、ポリマーコーティングは、ポリマー層が表面に形成されるのに十分な時間、モノマー飽和有機化合物を含むプラズマをアイテムに当てることによって形成される。前記化合物は、任意選択的に置換され、ヘテロ原子を任意選択的に挿入された、少なくとも5つの炭素原子のアルキル鎖を含む。
【0039】
本明細書で使用されているように、用語「飽和」は、モノマーが、芳香環の一部でない2つの炭素原子の間で多重結合(すなわち二重もしくは三重結合)を含まないということを意味する。用語「ヘテロ原子」には、酸素、硫黄、ケイ素もしくは窒素原子がある。アルキル鎖に窒素原子が挿入される場合、第2級もしくは3級アミンを形成するように置換されるであろう。同様に、ケイ素は、たとえば2つのアルコキシ基に適切に置換されるであろう。
【0040】
特定の好適なモノマー有機化合物は、化学式(VII)のものである。
【化7】

式中、R16、R17、R18、R19およびR20は、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキルもしくは、任意選択的にハロによって置換されたアリールから独立して選択され、R21はX−R22基であり、式中、R22はアルキルもしくはハロアルキル基であり、Xは、化学式−C(O)O(CH2xY−の基の結合であり、式中、xは1から10の整数であり、Yは結合もしくはスルホンアミド基であり、または、Xは、−(O)p23(O)s(CH2t−基の結合であり、式中、R23はハロで任意選択的に置換されたアリールであり、pは0もしくは1であり、sは0もしくは1であり、tは0もしくは1から10の整数であり、もしsが1の場合ならば、tは0以外である。
【0041】
16、R17、R18、R19およびR20について、好適なハロアルキル基は、フルオロアルキル基である。アルキル鎖は、直鎖もしくは分岐鎖であってもよく、環状部分を含んでもよく、たとえば、1つから6個の炭素元素を有してもよい。
【0042】
22について、アルキル鎖は、1つもしくは2つ以上の炭素原子、好適には、1〜20個の炭素原子、好ましくは6個から12個の炭素原子を好適に含んでもよい。
【0043】
好ましくは、R22はハロアルキル、より好ましくはペルハロアルキル基、とくに化学式Cz2z+1のペルフルオロアルキル基である。式中、zは1もしくは2以上の整数であり、好適には1〜20であり、好ましくは6〜12であり、たとえば、8もしくは10である。
【0044】
式中、Xは−C(O)O(CH2yY−基であり、yは、好適なスペーサー基を提供する整数である。とくに、yは1から5であり、好ましくは約2である。
【0045】
Yについて、好適なスルホンアミド基には、化学式−N(R23)SO2-のものがあり、式中、R23は、水素、アルキルもしくはC1-4アルキルなどのハロアルキルであり、とくにメチルもしくはメチルである。
【0046】
本発明の方法で使用されるモノマー化合物は、ハロゲンで任意選択的に置換されたC6-25アルカン、とくにペルハロアルカン、とりわけペルフルオロアルカンを好ましくは含む。
【0047】
さらにもう一つの態様では、ポリマー層が表面に形成するのに十分な時間、任意選択的に置換されたアルキンを含むプラズマをアイテムに当てる。
【0048】
本発明の方法で使用される好適なアルキン化合物は、1つもしくは2つ以上の炭素−炭素三重結合を含む炭素原子の鎖を含む。その鎖に、任意選択的にヘテロ原子を挿入してもよく、その鎖が環状および他の官能基を含む置換基を伴っていてもよい。好適な鎖は、直鎖もしくは分岐鎖であってもよく、2から50の炭素原子、より好適には6から18の炭素原子を有する。それらは、初期材料として使用されたモノマーの中に存在してもよく、もしくは、プラズマを印加してモノマーの中で、たとえば、環の解放により作り出されてもよい。
【0049】
とくに好適なモノマー有機化合物は、化学式(VIII)のものである。
24−C≡C−X1−R25 (VIII)
式中、R24は、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキルもしくはハロによって任意選択的に置換されたアリールであり、X1は結合もしくは架橋基、R25はアルキル、シクロアルキルもしくは、ハロゲンによって任意選択的に置換されたアリール基である。
【0050】
好適な架橋基X1には、−(CH2s−、−CO2(CH2p−、−(CH2pO(CH2q−、−(CH2pN(R26)(CH2q−、−(CH2pN(R26)SO2−の化学式の基があり、式中、sは0もしくは1から20の整数、pおよびqは、1から20の整数から独立して選択され、R26は水素、アルキル、シクロアルキルもしくはアリールである。R26について、とくにアルキル基には、C1-6アルキル、とくにメチルもしくはエチルがある。
【0051】
24がアルキルもしくはハロアルキルの場合、1つから6個の炭素原子を有していることが一般に好ましい。
【0052】
24について、好適なハロアルキル基には、フルオロアルキル基がある。そのアルキル鎖は、直鎖もしくは分岐鎖であってもよく、環状部分を有していてもよい。しかし、好ましいR24は水素である。
【0053】
好ましいR25はハロアルキルであり、より好ましくはペルハロアルキル基であり、とくに化学式Cr2r+1のペルフルオロアルキル基である。式中、rは1もしくは2以上の整数であり、好適には1〜20であり、好ましくは6〜12であり、たとえば、8もしくは10である。
【0054】
好ましい態様では、化学式(VIII)の化合物は化学式(IX)の化合物である。
CH≡C(CH2s−R27 (IX)
式中、sは上記に規定されたのと同様であり、R27はハロアルキル、とくにC613のようなC6-12ペルフルオロ基などのペルハロアルキルである。
【0055】
他の好ましい態様では、化学式(VIII)の化合物は化学式(X)の化合物である。
CH≡C(O)O(CH2p27 (X)
式中、pは1から20の整数であり、R27は上記の化学式(IX)に関連して上記に規定されたのと同様であり、とくにC817基である。好ましくは、この場合、pは1から6の整数であり、もっとも好ましくは約2である。
【0056】
化学式(I)の化合物の他の例は、化学式(XI)の化合物である。
CH≡C(CH2pO(CH2q27 (XI)
式中、pは上記に規定されたのと同様であり、しかし、とくに1であり、qは上記に規定されたのと同様であり、しかし、とくに1であり、R27は化学式(IX)に関係して規定されたのと同様であり、とくにC613基である。
または、化学式(I)の化合物の他の例は、化学式(XII)の化合物である。
CH≡C(CH2pN(R26)(CH2q27 (XII)
式中、pは上記に規定されたのと同様であり、しかし、とくに1であり、qは上記に規定されたのと同様であり、しかし、とくに1であり、R26は上記に規定されたのと同様であり、とくに水素であり、R27は化学式(IX)に関係して規定されたのと同様であり、とくにC715基である。
または、化学式(I)の化合物の他の例は、化学式(XIII)の化合物である。
CH≡C(CH2pN(R26)SO227 (XIII)
式中、pは上記に規定されたのと同様であり、しかし、とくに1であり、R26は上記に規定されたのと同様であり、とくにエチルであり、R27は化学式(IX)に関係して規定されたのと同様であり、とくにC817基である。
【0057】
別の態様では、そのプロセスで使用されたアルキンモノマーは化学式(XIV)の化合物である。
28C≡C(CH2nSiR293031 (XIV)
式中、R28は水素、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキルもしくは、任意選択的にハロで置換されたアリールであり、R29、R30およびR31は、アルキルもしくはアルコキシから独立して選択され、とくにC1-6アルキルもしくはアルコキシである。
【0058】
好ましい基R28は水素もしくはアルキルであり、とくにC1-6アルキルである。
【0059】
好ましい基R29、R30およびR31はC1-6アルコキシであり、とくにエトキシである。
【0060】
効果的な方法でプラズマ重合が発生する正確な条件は、ポリマーの性質、処理されるアイテムなどの要因に基づいて変わり、当該技術分野で知られている方法を使用して決定されるであろう。好ましくは、本発明によるプラズマ重合処理プロセスは、プラズマ堆積プロセスである。
【0061】
本発明の方法で使用される好適なプラズマには、高周波(Rf)、マイクロ波もしくは直流(DC)によって作り出されたものなどの非平衡プラズマがある。当該技術分野で知られているように、それらは大気圧もしくは減圧で働く。しかし、とくに、それらは高周波(Rf)で作り出される。
【0062】
ガス状プラズマを作り出すために、様々な装置の携帯を使用することができる。一般にこれらは、中でプラズマを作り出すことができる容器もしくはプラズマチャンバを含む。そのような装置の特定の例が、たとえば、国際公開第2005/089961号パンフレットおよび同第02/28548号パンフレットに記載されているが、多くの他の従来のプラズマ発生装置を利用することができる。
【0063】
本方法では、一般に、目標のポリマー物質を生成できる実質的にガス状態の1種もしくは2種以上のモノマーと一緒に、処理されるべき基材をプラズマチャンバの中に設置し、チャンバ内にグロー放電を起こさせ、好ましくはパルス状の好適な電圧を印加する。
【0064】
本明細書で使用されたように、表現「実質的にガス状態」は、ガスもしくは蒸気の単独もしくは混合物ならびにエアゾールを示す。
【0065】
プラズマチャンバ内に存在するガスは、モノマー化合物の蒸気のみを含んでもよいが、キャリヤガス、とくにヘリウムもしくはアルゴンなどの不活性ガスと混合されてもよい。もし、キャリヤガスが必要な場合、モノマーの分解を最小にできるので、とくに、ヘリウムは好ましいキャリヤガスである。
【0066】
混合物として使用された場合、キャリヤガスに対するモノマー蒸気の相対量は、当該技術分野で従来の手順にしたがって好適に決定される。加えられるモノマーの量は、とくに使用されているモノマーの性質、基体の性質、プラズマチャンバのサイズなどによって、ある程度決まるであろう。一般に、従来のチャンバの場合、モノマーは、50〜1000mg/分の量で、たとえば、10〜150mg/分の流量で送り込まれる。しかし、その流量は、選択された反応装置のサイズおよび一度に処理するのに必要な基材の数によって大きく決定されるであろうことが理解されるであろう。そして、これは、同様に、必要な年間の処理量および資本の支出などの状況によって決まる。ヘリウムなどのキャリヤガスは、一定の流量で、たとえば、5〜90sccmで、たとえば、15〜30sccmで好適には管理される。ある例では、キャリヤガスに対するモノマーの比率は、100:0から1:100の範囲内、たとえば、10:0から1:100の範囲内、とくに約1:0から1:10の範囲内になるであろう。選択される正確な比率は、本プロセスで必要な流量が達成されることが確実になるような比率である。
【0067】
ある場合では、たとえば、15秒から10分の間、チャンバの中で予備連続パワープラズマを生じさせることができる。これは、表面予備処理もしくは活性化ステップとして作用することができ、モノマーが表面に容易に付着するのを確実にし、その結果、重合が起こるので、堆積物が表面で「成長する」。モノマーがチャンバの中に導入される前に、不活性ガスのみが存在する中で、予備処理ステップを行うことができる。
【0068】
その後、少なくともモノマーが存在する場合に重合が進行できるように、プラズマはパルスプラズマに好適に切り替わる。
【0069】
全ての場合では、たとえば、13.56MHzの高周波電圧を印加することによって、グロー放電は好適に発生する。これは、電極を使用して印加され、その電極は、チャンバの内部もしくは外部にあってもよく、一般に大きなチャンバ用および小さなチャンバ用にそれぞれ使用される。
【0070】
好適なことに、ガス、蒸気もしくはガス混合物は、少なくとも1分当たり1標準立方センチメートル(sccm)の流量で、好ましくは1〜100sccmの範囲内で供給される。
【0071】
モノマー蒸気の場合、連続もしくはパルスの電圧を印加させながら、これは、80〜1000mg/分の流量で好適に供給される。しかし、それが、工業規模の使用に、より適切になるようにして、一定の全モノマーの供給を有するようにしてもよい。その供給は、決められたプロセス時間に関連して変わり、また、モノマーの性質および必要な技術的効果によって決まるであろう。
【0072】
ガスもしくは蒸気をプラズマ領域の中に引き込んだり、ポンプでくみ出したりしてもよい。とくに、プラズマチャンバが使用される場合、排気ポンプの使用によるチャンバ内の圧力の減少の結果として、ガスもしくは蒸気をチャンバの中へ引き込んでもよい。また、それらは、チャンバの中にポンプでくみ出されたり、注入されたりしてもよく、または、液体もしくは蒸気を容器に供給するためのよく知られている他の方法のいずれかによって供給されてもよい。
【0073】
化学式(I)の化合物の蒸気を使用して、重合が好適にもたらされ、その蒸気は0.1から400mtorrの圧力に維持される。使用される溶媒および/または接着剤の程度によってガス除去速度が決まり、それゆえ処理が行われる圧力が決まるので、所与の場合のいずれかで選択された圧力は、処理されるべき靴のタイプにより決まることが理解されるであろう。
【0074】
印加される電界は、好適には、5から500Wのパワーであり、好適には約10〜200Wのピークパワーであり、連続もしくはパルスの電界として印加される。もし、パルスが必要である場合、とても低い平均パワーを生じるように連続して、たとえば、オン(on)の時間:オフ(off)の時間の比率が1:500から1:1500の範囲内であるように連続して、それらを印加することができる。そのような連続の特定の例は、20〜50μsの間、たとえば、約30μsの間、パワーがオンであり、1000μsから30000μsの間、とくに約20000μsの間、パワーがオフであるところの連続である。この方法で得られた典型的な平均パワーは0.01Wである。
【0075】
化学式(I)の化合物の性質ならびにバッチの中で高められるアイテムのタイプおよび数に基づいて、30秒から90分、好ましくは1分から10分、1バッチの靴の処理に必要なRFパワーが好適に印加される。
【0076】
使用される好適なプラズマチャンバは、年間の処理能力を最大にするのに十分な容積があり、その結果、個別のチャンバのサイズおよび数ならびに1バッチサイクルで処理することができる靴の数は、(a)年間の生産量、(b)1日当たりの稼働時間および年間の稼働日、(c)工場の稼働率、(d)資本経費、(e)履物のサイズおよび使用される材料(しかし、これらに限定されない)などの多くの因子によって決まるであろう。
【0077】
処理される特定の履物アイテムを収容するようにチャンバの寸法は選択されるであろう。たとえば、広い範囲の用途に関して、一般に円柱形のチャンバが好適であり得るが、必要であるならば、細長いもしくは長方形のチャンバを組み立ててもよく、または実に立方体のもしくは他の好適な形状のチャンバを組み立ててもよい。
【0078】
チャンバは密閉可能な容器であり、パッチ処理を考慮に入れることができ、または、それは、アイテムのための入り口および出口を含んでもよく、半連続的処理でそれを利用できる。とくに後者の場合、チャンバ内でプラズマ放電を生じさせるために必要な圧力条件は、たとえば、「ホイッスリングリーク」(whistling leak)を有する装置では従来のものである高容量ポンプを使用して維持される。しかし、大気圧もしくは大気圧に近い圧力で履物のアイテムを処理することが、また可能であり、「ホイッスリングリーク」の必要性がなくなるであろう。
【0079】
印加された電界は、20から500Wの好適なパワーを有し、好適には約100Wのピークパワーを有し、パルス電界として印加される。パルスが連続して印加され、これにより生じる平均パワーがとても低くなり、たとえば、使用されるモノマーガスの性質に基づいて、オンの時間:オフの時間の比率が1:3から1:1500の範囲内になるように連続して印加される。重合が難しい可能性のあるモノマーの場合、オンの時間:オフの時間の範囲は、この範囲の下端、たとえば、1:3から1:5であってもよいが、多くの重合は、1:500から1:1500におけるオンの時間:オフの時間の範囲で起こることができる。上記連続の特定の例は、20〜50μsの間、たとえば、約30μsの間、パワーがオンであり、1000μsから30000μsの間、とくに約20000μsの間、パワーがオフであるところの連続である。概して、この方法で得られた平均パワーは0.01Wである。
【0080】
モノマーおよび基材の性質ならびに必要なターゲットコーティングの性質に基づいて、電界が、30秒から90分、好ましくは5分から60分、好適に印加される。
【0081】
本発明の方法における使用に好適なプラズマには、高周波(Rf)、マイクロ波もしくは直流(DC)によって生じたプラズマなどの非平衡プラズマがある。当該技術分野で知られているように、それらは、大気圧もしくは減圧で働く。しかし、とくに、それらは高周波(Rf)で作り出される。
【0082】
ガスのプラズマを生成させるために、様々な形態の装置を使用することができる。一般にこれらは、中でプラズマを発生できる容器もしくはプラズマチャンバを含む。そのような装置の特定の例が、たとえば、国際公開第2005/089961号パンフレットおよび同第02/28548号パンフレットに記載されているが、多くの他の従来のプラズマ発生装置も使用できる。
【0083】
全ての場合では、たとえば、13.56MHzの高周波電圧を印加することによって、グロー放電は好適に発生する。これは、電極を使用して印加され、その電極は、チャンバの内部もしくは外部にあってもよく、しかし、より大きなチャンバの場合、内部である。
【0084】
好適なことに、ガス、蒸気もしくはガス混合物は、少なくとも1分当たり1標準立方センチメートル(sccm)の流量で、好ましくは1〜100sccmの範囲内で供給される。
【0085】
モノマー蒸気の場合、モノマーの性質に基づいて、パルスの電圧を印加させながら、これは、80〜300mg/分の流量、たとえば約120mg/分の流量で好適に供給される。
【0086】
ガスもしくは蒸気をプラズマ領域の中に引き込んだり、ポンプでくみ出したりしてもよい。とくに、プラズマチャンバが使用される場合、排気ポンプの使用によるチャンバ内の圧力の減少の結果として、ガスもしくは蒸気をチャンバの中へ引き込んでもよい。また、液体の取り扱いでよく知られているように、それらを、チャンバの中に、ポンプでくみ出したり、吹きかけたり、滴下したり、静電気でイオン化したり、注入したりしてもよい。
【0087】
モノマーの蒸気を使用して、重合が好適にもたらされ、その蒸気は0.1から400mtorr、好適には約10〜100mtorrの圧力に維持される。
【0088】
効果的な方法でプラズマ重合が発生する正確な条件は、堆積するポリマーの性質ならびに基材の性質などの要因に基づいて変わり、決まりきった方法および/または他の技法を使用して決定されるであろう。
【0089】
処理される特定の基材もしくは装置を収容するようにチャンバの寸法は選択されるであろう。チャンバは密閉可能な容器であり、パッチ処理を考慮に入れることができ、または、それは、基材のための入り口および出口を含んでもよく、インラインシステムとしての連続的処理でそれを利用できる。とくに後者の場合、チャンバ内でプラズマ放電を生じさせるために必要な圧力条件は、たとえば、「ホイッスリングリーク」を有する装置では従来のものである高容量ポンプを使用して維持される。しかし、大気圧もしくは大気圧に近い圧力でドラッグデリバリシステムを処理することが、また可能であり、「ホイッスリングリーク」の必要性がなくなるであろう。
【0090】
当該技術分野において、試験方法AATCC193/2005(American Association of Textile Colourists and Chemists)などの従来の試験を使用して、処理された靴の疎水性を評価することができる。
【0091】
次に、例示の方法で本発明をとくに記載する。
【0092】
例1
履物製造業者から手に入れた「Victory」ブランドの靴(中敷きが取り除かれた)を、外部に巻かれた銅コイル電極を有する約13リットルの容量のガラスチャンバチューブの中に設置し、Leyboldの「screwline SP630」およびLeyboldの「Roots blower 2001WSU pumpstack」を使用して、1分間排気した。1分間のポンプによる排気の後、履物の表面を活性化させるために、Dresslerの「Cesar 1310」高周波発生装置および自作のマッチングネットワークを使用して連続波プラズマを50Wで30秒間発生させた。この次に、ペルフルオロ化アクリレートモノマーを、モノマーチューブを通してチャンバに導入し、オンの時間が20マイクロ秒でオフの時間が20ミリ秒でピークパワーが50Wのパルスプラズマ条件下に5分間置いた。この時間の後、モノマー源と同様にRFの供給を止め、システムを通気し、その後、靴を取り出した。
【0093】
水(もしくはイソプロピルアルコールの混合物)の小滴を靴の上に置き、試験AATCC193/2005(American Association of Textile Colourists and Chemists)にしたがい、流出および濡れ/ウイッキング(wicking)の両方による撥水性の角度を評価することにより、靴の疎水性を決定するための初期評価を実行した。この試験方法によれば、その靴は撥水6級の水の評価を有する。それから、SATRA高度湿気マネージメント試験(SATRA TMV376)を使用して、高いストレスレベル(34℃で汗をかく速度が5ml/時間)の人間の足をシミュレートした標準状態にさらす前と後との靴の重さを量ることによって、対応する処理されていない靴と比較した、処理された靴の「通気性」を評価することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面の少なくとも一部を覆うように備えられ、プラズマ処理プロセスによって得られた撥液ポリマーコーティングを有する履物のアイテムであって、
前記アイテムが、液体吸収足支持中敷きをさらに備えているアイテム。
【請求項2】
スポーツ靴を構成する請求項1のアイテム。
【請求項3】
前記ポリマーコーティングが、化学式(I)の化合物を含むパルスプラズマを前記アイテムに当てることによって生成され、
【化1】

式中、R1、R2およびR3が、水素、アルキル、ハロアルキルもしくは任意選択的にハロで置換されたアリールから独立して選択され、R4がX−R5基であり、式中、R5がアルキルもしくはハロアルキル基であり、Xが、化学式−C(O)O−、−C(O)O(CH2nY−の基の結合であり、式中、nが1から10の整数であり、Yが結合もしくはスルホンアミド基であり、または、Xが、−(O)p6(O)q(CH2t−の基結合であり、式中、R6は、ハロで任意選択的に置換されたアリールであり、pは0もしくは1であり、qは0もしくは1であり、tは0もしくは1から10の整数であり、もし、式中、qが1であるならばtが0以外であり、十分な時間で保護ポリマー層が前記アイテムの表面に形成することができる請求項1または2のアイテム。
【請求項4】
前記アイテムがプラズマ堆積チャンバ内でパルスプラズマに当てられる請求項1乃至3のいずれかのアイテム。
【請求項5】
化学式(I)の前記化合物が化学式(II)の化合物であり、
CH2=CH−R5 (II)
式中、R5が請求項3で規定されたのと同様であるか、もしくは化学式(III)の化合物であり、
CH2=CR7C(O)O(CH2n5 (III)
式中、nおよびR5が請求項3で規定されたのと同様であり、R7が水素、C1-10アルキルもしくはC1-10ハロアルキルである請求項3または4のアイテム。
【請求項6】
化学式(III)の前記化合物が化学式(IV)の化合物であり、
【化2】

式中、R7が請求項5で規定されたのと同様であり、xが1から9の整数である請求項5のアイテム。
【請求項7】
化学式(IV)の前記化合物が、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレートである請求項6のアイテム。
【請求項8】
前記ポリマーコーティングが、化学式(V)の化合物を含むパルスプラズマを前記アイテムに当てることによって生成され、
【化3】

式中、R8、R9、R10、R11、R12およびR13が、水素、ハロ、アルキル、ハロアルキルもしくは、任意選択的にハロで置換されたアリールから全て独立して選択され、Zが架橋基である請求項1または2のアイテム。
【請求項9】
前記ポリマーコーティングが、化学式(VII)の化合物を含むプラズマを前記アイテムに当てることによって生成され、
【化4】

式中、R16、R17、R18、R19およびR20が、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキルもしくは、任意選択的にハロによって置換されたアリールから独立して選択され、R21がX−R22基であり、式中、R22がアルキルもしくはハロアルキル基であり、Xが、化学式−C(O)O(CH2xY−の基の結合であり、式中、xが1から10の整数であり、Yが結合もしくはスルホンアミド基であり、または、Xが、−(O)p23(O)s(CH2t−基の結合であり、式中、R23がハロで任意選択的に置換されたアリールであり、pが0もしくは1であり、sが0もしくは1であり、tが0もしくは1から10の整数であり、もし、式中、sが1の場合ならば、tが0以外である請求項1または2のアイテム。
【請求項10】
前記ポリマーコーティングが、化学式(VIII)を含むプラズマを前記アイテムに当てることによって生成され、
24−C≡C−X1−R25 (VIII)
式中、R24が、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキルもしくはハロによって任意選択的に置換されたアリールであり、X1が結合もしくは架橋基であり、R25がアルキル、シクロアルキルもしくは、ハロゲンによって任意選択的に置換されたアリール基である請求項1または2のアイテム。
【請求項11】
前記液体吸収足支持中敷きが撥液ポリマーコーティングを有さない請求項1乃至10のいずれかのアイテム。
【請求項12】
前記液体吸収足支持中敷きが取り外し可能である請求項1乃至11のいずれかのアイテム。
【請求項13】
前記履物のアイテムもしくは前記アイテムを構成する材料の表面の少なくとも一部を処理し、プラズマ堆積プロセスでその上に撥液ポリマーコーティングを堆積させるステップ、および
前記処理されたアイテムの内側で、着用者の足を支える領域に液体吸収足支持中敷きを備えるステップを含む請求項1の履物のアイテムを作製する方法。
【請求項14】
前記ポリマーコーティングが、化学式(I)の化合物を含むパルスプラズマを前記アイテムの前記表面の少なくとも一部に当てることによって生成され、
【化5】

式中、R1、R2およびR3が、水素、アルキル、ハロアルキルもしくは任意選択的にハロで置換されたアリールから独立して選択され、R4がX−R5基であり、式中、R5がアルキルもしくはハロアルキル基であり、Xが、化学式−C(O)O−、−C(O)O(CH2nY−の基の結合であり、式中、nが1から10の整数であり、Yが結合もしくはスルホンアミド基であり、または、Xが、−(O)p6(O)q(CH2t−基の結合であり、式中、R6は、ハロで任意選択的に置換されたアリールであり、pは0もしくは1であり、qは0もしくは1であり、tは0もしくは1から10の整数であり、もし、式中、qが1であるならばtが0以外であり、十分な時間で保護ポリマー層が前記アイテムの表面に形成することができる請求項13の方法。
【請求項15】
目標のポリマー物質を生成できる、実質的にガス状態の1種もしくは2種以上のモノマーと一緒に、処理されるべき前記アイテムをプラズマチャンバの中に設置し、前記チャンバ内にグロー放電を起こさせ、パルス状の好適な電圧を印加する請求項13または14の方法。
【請求項16】
オンの時間:オフの時間の比率が1:500から1:1500の範囲内であるように連続して、パルスを印加する請求項13乃至15のいずれか1項の方法。
【請求項17】
前記着用者にとっての前記履物のアイテムの快適性を改善する方法であって、
前記方法が、請求項13乃至16のいずれかの方法で前記アイテムを処理するステップを含む。

【公表番号】特表2010−533530(P2010−533530A)
【公表日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516564(P2010−516564)
【出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【国際出願番号】PCT/GB2008/002412
【国際公開番号】WO2009/010738
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(508216699)ピーツーアイ リミティド (12)
【Fターム(参考)】