説明

液体噴射装置

【課題】 高精度に液体を噴射できる液体噴射装置を提供する。
【解決手段】 液体噴射装置Aは、液体噴射ヘッド8、被噴射物載置台3、Y軸スライダユニット5、及び、メンテナンスユニット13等を備えている。液体噴射ヘッド8は、被噴射物2に液体を噴射する。被噴射物載置台3は、被噴射物2を載置する。Y軸スライダユニット5は、被噴射物載置台3をY軸方向へ移動させる。メンテナンスユニット13は、被噴射物載置台3に対してY軸方向に配置され、Y軸方向へ移動して液体噴射ヘッド8のメンテナンスを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液体を被噴射物に噴射する液体噴射装置に関し、特に、被噴射物を載置する被噴射物載置台と液体を噴射する液体噴射ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンスユニットとを備えた液体噴射ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カラープリンタとして紙等に画像を形成するために利用されるのみでなく、製造装置として電子部品の製造のために利用される液体噴射装置がある。このような液体噴射装置の代表的な構成例として、液体噴射ヘッドを水平な一方向であるX軸方向へ移動させ、被噴射物載置台を水平かつX軸方向に垂直なY軸方向へ移動させて、被噴射物載置台に載置された被噴射物に液体噴射ヘッドから液体を噴射するものがある。
【0003】
このような液体噴射装置では、被噴射物に微小な液滴を高精度かつ高密度に噴射することが重要であり、液体噴射装置は一般的に、液体噴射ヘッドのメンテナンスを行うためのメンテナンスユニットを備えている。そして、液体噴射ヘッドの一部が液体を噴射不可能になった場合、及び、液体噴射ヘッドから噴射された液体の位置ずれが生じた場合、液体噴射装置は、液体噴射ヘッドの機能を回復するために、メンテナンスユニットによって液体噴射ヘッドのメンテナンスを行う。
【0004】
従来の液体噴射装置では、メンテナンスユニットは、被噴射物載置台に対してX軸方向(被噴射物載置台の側方)に配置され、液体噴射ヘッドのメンテナンスを行う際には液体噴射ヘッドをメンテナンスユニットの位置まで移動させている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−223339公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述のような従来の液体噴射装置では、被噴射物のX軸方向の寸法を超えて液体噴射ヘッドが移動することになる。特に近年では、液体噴射装置を製造装置として利用する場合、被噴射物が大型化する傾向にあり、被噴射物のX軸方向の寸法が約2メートルになる場合がある。このように被噴射物のX軸方向の寸法が大きい場合、液体噴射ヘッドをX軸方向に移動させるために、被噴射物載置台を跨いでX軸方向に架橋されるX軸ガイドを長尺化する必要がある。
【0006】
ところで、近年、被噴射物への液体の噴射に関する液体噴射装置の位置決め精度として、数マイクロメートルという高精度が要求されている。ここでいう位置決め精度は、X軸ガイドの面精度の他に、液体噴射ヘッドの噴射精度、被噴射物の載置精度などを含んでおり、X軸ガイドの面精度として、1マイクロメートル以下の面精度が要求されている。
【0007】
X軸ガイドの材料として、面精度出し、経年変化耐性、振動特性が良好である石材又はセラミックス材が使用されている。上述のようにX軸ガイドが長尺化した場合、研磨工程においてX軸ガイドの全域の面精度を確保することは困難となり、また、X軸ガイドの支持点の間隔が大きいことに加えて材料自体の重量が増加することによってX軸ガイドの撓み量が増加するので、高精度なX軸ガイドの製造が困難となる。
【0008】
X軸ガイドの材料として石材を使用する場合、X軸ガイドの比重が大きくなるので特に撓み量が大きくなる。X軸ガイドの材料としてセラミックス材を使用する場合、焼成炉のサイズ的な制約、および、焼成むらの発生によって長尺物に対して均一な特性を得ることが困難であることから、所定の面精度を確保することはもちろん、長尺のX軸ガイドを製造すること自体が困難となる。
【0009】
この発明の目的は、高精度に液体を噴射できる液体噴射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の液体噴射装置は、上述の課題を解決するために以下のように構成される。
【0011】
(1)被噴射物に液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記被噴射物を載置する被噴射物載置台と、前記被噴射物載置台を水平かつ所定の第1の方向へ移動させる第1の移動機構と、前記被噴射物載置台に対して前記第1の方向に配置され前記第1の方向へ移動して前記液体噴射ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンスユニットと、を備えることを特徴とする。
【0012】
この構成においては、液体噴射ヘッドは、被噴射物載置台の第1の方向に垂直な方向の全領域に液体を噴射自在に構成される。具体的には例えば、液体噴射ヘッドを支持するヘッド支持部材が第1の方向に垂直な方向に配置され、被噴射物載置台の第1の方向に垂直な方向の全領域に対向するように複数個の液体噴射ヘッドがヘッド支持部材に支持され、又は、第1の方向に垂直な方向に配置されたヘッド支持部材に単一の液体噴射ヘッドが支持され、液体噴射ヘッドがヘッド支持部材に沿って移動自在に構成される。また、第1の移動機構によって被噴射物載置台が第1の方向へ移動する。このため、被噴射物の所望の位置に液体が噴射される。メンテナンスユニットは被噴射物載置台に対して第1の方向に配置され、液体噴射ヘッドのメンテナンスを行う際にはメンテナンスユニットが第1の方向へ移動して液体噴射ヘッドと対向する。液体噴射ヘッドのメンテナンスを行う際に、液体噴射ヘッドが被噴射物載置台を超えてさらに第1の方向に垂直な方向へ移動する必要がないので、液体噴射ヘッドを支持するヘッド支持部材の寸法は被噴射物載置台の第1の方向に垂直な方向の寸法と略同等分あれば足りる。
【0013】
(2)前記メンテナンスユニットは、前記被噴射物載置台に対して、前記被噴射物載置台に前記被噴射物を搬入及び搬出する方向と反対の方向に配置されることを特徴とする。
【0014】
この構成においては、被噴射物載置台に対する被噴射物の搬入及び搬出が、被噴射物載置台に対してメンテナンスユニットが配置されていない方向から行われる。
【0015】
(3)前記メンテナンスユニットは、前記被噴射物載置台とともに移動することを特徴とする。
【0016】
この構成においては、被噴射物載置台用の第1の移動機構とは別に、メンテナンスユニット用に移動機構を設ける必要がない。
【0017】
(4)前記メンテナンスユニットは、前記被噴射物載置台とは別に移動することを特徴とする。
【0018】
この構成においては、被噴射物載置台とメンテナンスユニットとが別に移動するので、被噴射物載置台を被噴射物の搬入及び搬出用の位置に移動させ、メンテナンスユニットを液体噴射ヘッドのメンテナンス用の位置に移動させることによって、被噴射物載置台に対する被噴射物の搬入及び搬出と、液体噴射ヘッドのメンテナンスとを同時に行うことができる。また、液体噴射ヘッドから被噴射物に液体を噴射させる位置に被噴射物載置台を移動させ、被噴射物への液体の噴射の妨げにならない位置にメンテナンスユニットを移動させることで、被噴射物への液体の噴射とメンテナンスユニットの手入れ作業とを同時に行うことができる。
【0019】
(5)前記第1の移動機構は、前記第1の方向に敷設されたガイドと、前記ガイドに前記第1の方向に垂直な方向にのみ規制され前記ガイドに沿って移動する被噴射物載置台スライダと、を含み、前記被噴射物載置台は、前記被噴射物載置台スライダ上に配置され、前記メンテナンスユニットは、前記ガイドに前記第1の方向に垂直な方向にのみ規制され前記ガイドに沿って移動するメンテナンスユニットスライダ上に配置されることを特徴とする。
【0020】
この構成においては、被噴射物載置台は被噴射物載置台スライダ上に配置され、メンテナンスユニットはメンテナンスユニットスライダ上に配置される。被噴射物載置台スライダとメンテナンスユニットスライダとは、同一のガイドに第1の方向に垂直な方向にのみ規制されながら第1の方向に移動する。
【0021】
(6)前記第1の移動機構は、N極及びS極の永久磁石が前記第1の方向に交互に配列されてなるリニアモータ固定子と、前記被噴射物載置台の下面に設けられ前記リニアモータ固定子に対向し第1の交流電源に接続された第1のコイルを含む第1のスライダ可動子と、を含み、前記メンテナンスユニットの下面に、前記リニアモータ固定子に対向し第2の交流電源に接続された第2のコイルを含む第2のスライダ可動子が設けられることを特徴とする。
【0022】
この構成においては、被噴射物載置台の下面に第1のスライダ可動子が設けられ、メンテナンスユニットの下面に第2のスライダ可動子が設けられる。第1のスライダ可動子と第2のスライダ可動子とは、同一のリニアモータ固定子に対向して移動力を発生する。
【0023】
(7)前記第1の方向に配置されたリニアスケールと、前記被噴射物載置台に搭載され前記リニアスケールを読み取る第1のスケールリーダと、前記メンテナンスユニットに搭載され前記リニアスケールを読み取る第2のスケールリーダと、を備えることを特徴とする。
【0024】
この構成においては、被噴射物載置台に搭載された第1のスケールリーダでリニアスケールを読み取ることで被噴射物載置台の位置が検出され、メンテナンスユニットに搭載された第2のスケールリーダでリニアスケールを読み取ることでメンテナンスユニットの位置が検出される。リニアスケールは、第1のスケールリーダと第2のスケールリーダとで共用される。
【発明の効果】
【0025】
この発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0026】
(1)メンテナンスユニットを被噴射物載置台に対して第1の方向に配置したことで、液体噴射ヘッドのメンテナンスを行う際に被噴射物載置台を超えてさらに第1の方向に垂直な方向へ液体噴射ヘッドを移動させる必要がなく、液体噴射ヘッドを支持する部材(ヘッド支持部材)の寸法を短縮することができる。したがって、ヘッド支持部材の撓み量が減少し、高精度に液体を噴射することができる。
【0027】
また、ヘッド支持部材の寸法を短縮することで、ヘッド支持部材を容易に製造することができるようになる。さらに、材料コストを削減することができる。また、液体噴射装置を小型化することができる。
【0028】
(2)メンテナンスユニットが被噴射物載置台に対する被噴射物の搬入及び搬出の妨げになることを防止することができる。
【0029】
(3)被噴射物載置台とメンテナンスユニットとで第1の移動機構を共用することができ、部品点数を低下させることができる。したがって、製造コストの削減及び液体噴射装置の小型化を図ることができる。
【0030】
(4)被噴射物載置台に対する被噴射物の搬入及び搬出と液体噴射ヘッドのメンテナンス、または、被噴射物への液体の噴射とメンテナンスユニットの手入れ、を同時に行うことができ、処理時間を短縮することができる。
【0031】
(5)被噴射物載置台とメンテナンスユニットとでガイドを共用することで、部品点数を減少させ、製造コストの削減及び液体噴射装置の小型化を図ることができる。
【0032】
(6)被噴射物載置台とメンテナンスユニットとでリニアモータ固定子を共用することで、さらに部品点数を減少させ、製造コストの削減及び液体噴射装置の小型化を図ることができる。
【0033】
(7)被噴射物載置台とメンテナンスユニットとでリニアスケールを共用することで、さらに部品点数を減少させ、製造コストの削減及び液体噴射装置の小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下に、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1は、この発明の実施形態に係る液体噴射装置Aの概略の構成を示す平面図であり、図2は、液体噴射装置Aの正面図である。この実施形態に係る液体噴射装置Aは、定盤1、被噴射物載置台3、Y軸スライダユニット5、液体噴射ヘッド8、液体噴射ヘッド移動機構12、メンテナンスユニット13、メンテナンスユニット搭載台14等を備えている。図1において、紙面の横方向をX軸方向とし、紙面の縦方向をY軸方向とする。この場合、図2においては、紙面の横方向がX軸方向となり、紙面の奥行き方向がY軸方向となる。Y軸方向はこの発明の第1の方向に相当し、X軸方向はこの発明の第1の方向に垂直な方向に相当する。また、Y軸スライダユニット5はこの発明の第1の移動機構に相当する。
【0035】
定盤1は、経年変化が少なく熱膨張が小さい石材で形成されている。定盤1は、図示していないが、アクティブ除振台で水平に支持されている。
【0036】
定盤1上に、Y軸スライダユニット5が配置されている。Y軸スライダユニット5は、2個のY軸直動ガイド4、各Y軸直動ガイド4と係合する2個のエアスライドユニット51、単一のY軸固定子ユニット6、および、Y軸固定子ユニット6に対向する単一のY軸スライダ可動子52を含む。ここで、Y軸直動ガイド4はこの発明のガイドに相当し、エアスライドユニット51はこの発明の被噴射物載置台スライダに相当する。また、Y軸固定子ユニット6はこの発明のリニアモータ固定子に相当し、Y軸スライダ可動子52はこの発明の第1のスライダ可動子に相当する。
【0037】
Y軸直動ガイド4は、断面が長方形の棒状に形成され、定盤1上に水平かつY軸方向に敷設されている。2個のY軸直動ガイド4は、互いに所定の間隔をあけて平行に配置されている。エアスライドユニット51は、断面が横コの字状になるように形成され、Y軸直動ガイド4を挟み込むように配置されている。エアスライドユニット51は、Y軸直動ガイド4にX軸方向にのみ規制されている。エアスライドユニット51は、Y軸直動ガイド4に対して空気を吹き付けて、Y軸直動ガイド4から微小量浮上する。また、エアスライドユニット51は、図示していない磁石を備えており、磁石のY軸直動ガイド4に対する吸引力と空気をY軸直動ガイド4に吹き付ける力とによって、Y軸直動ガイド4との間隔を数マイクロメートルに保持しながら、Y軸直動ガイド4に沿って移動する。
【0038】
Y軸固定子ユニット6は、複数のN極の永久磁石と複数のS極の永久磁石とから構成され、N極及びS極の永久磁石はY軸方向に交互に配列されている。Y軸スライダ可動子52は、図示していない第1の交流電源に接続された複数のコイルからなるコイル群を備え、Y軸固定子ユニット6に対向するように配置されている。そして、Y軸固定子ユニット6とY軸スライダ可動子52とでリニアモータが構成されている。Y軸スライダ可動子52のコイル群に交流電流が流されることで、フレミングの左手の法則に従ってY軸スライダ可動子52に推進力が発生し、Y軸スライダ可動子52が所望の速度で所望の位置まで移動する。Y軸スライダ可動子52は、被噴射物載置台3の下面に固定されている。ここで、コイルはこの発明の第1のコイルに相当する。
【0039】
被噴射物載置台3は、エアスライドユニット51上に配置され、エアスライドユニット51とともにY軸直動ガイド4上をY軸方向に移動する。被噴射物載置台3上の所定の位置に、被噴射物2が載置される。被噴射物2は、フィルタ基板となる材料基板、又は紙などである。ここで、図1において液体噴射装置Aの上部を前部F、下部を後部Rとすると、被噴射物2は被噴射物載置台3に前部F側から搬入及び搬出される。図示していないが、被噴射物載置台3は、載置された被噴射物2がずれないように被噴射物2を真空圧等で吸着する吸着機構を備えている。また、図示していないが、被噴射物載置台3とY軸直動ガイド4との間にはアライメントユニットが配置されている。アライメントユニットは、被噴射物載置台3を微小な角度θだけ回転させることができる。アライメントユニットが被噴射物載置台3を回転させることで、被噴射物2の微小な位置合わせが行われる。
【0040】
被噴射物載置台3は、Y軸直動ガイド4とエアスライドユニット51とによってY軸方向にのみ移動自在にされ、Y軸固定子ユニット6とY軸スライダ可動子52とによって推進力を得て、Y軸方向に移動する。
【0041】
被噴射物載置台3の下面に、反射鏡53が設けられている。また、定盤1上であって反射鏡53に対してY軸方向に離間した位置に、測長レーザ7が配置されている。この実施形態では、測長レーザ7は、反射鏡53に対して液体噴射装置Aの前部F側に配置されている。液体噴射装置Aでは、所謂レーザ測長システムと同様の原理で被噴射物載置台3の位置が検出される。
【0042】
具体的には、測長レーザ7は、所定の波長のレーザ光(出射光)を反射鏡53に向けて出射し、測長レーザ7から出射されたレーザ光は反射鏡53で反射され、測長レーザ7に受けられる。反射鏡53で反射されたレーザ光(反射光)の波長は、被噴射物載置台3の移動に伴うドップラー効果によって、出射光の波長と異なる。図示していない制御部は、出射光の波長と反射光の波長とを比較して出射光の周波数と反射光の周波数との差を取得し、周波数の差に基づいて被噴射物載置台3の移動量を算出し、被噴射物載置台3の位置を検出する。
【0043】
制御部は、被噴射物載置台3の位置の検出結果に基づいてY軸スライダ可動子52のコイル群に流す電流を制御することで、被噴射物載置台3の移動速度及び位置を制御する。
【0044】
定盤1上であって被噴射物載置台3の側方(被噴射物載置台3に対してX軸方向)にそれぞれX軸スライダガイド支持体11が配置されている。2個のX軸スライダガイド支持体11に、被噴射物載置台3を跨ぐようにX軸スライダガイド9が架橋されている。X軸スライダガイド9はX軸スライダ10を移動自在に保持している。X軸スライダ10は、X軸スライダガイド9上をX軸方向に移動する。X軸スライダ10は、液体噴射ヘッド8を保持し、液体噴射ヘッド8は、被噴射物載置台3上に載置された被噴射物2に対向している。液体噴射ヘッド8は、X軸スライダ10とともにX軸方向に移動し、所望の位置で被噴射物2に液体を噴射する。X軸スライダガイド支持体11、X軸スライダガイド9及びX軸スライダ10等から、液体噴射ヘッド移動機構12が構成されている。
【0045】
図示していないが、X軸スライダガイド9とX軸スライダ10との間に、Y軸スライダユニット5と同様の部材が設けられている。X軸スライダ10はX軸スライダガイド9にY軸方向に規制されながらX軸方向に、リニアモータの推進力によって移動する。また、X軸スライダ10の位置は、被噴射物載置台3の場合と同様に、所謂レーザ測長システムと同様の原理によって検出される。
【0046】
上述のエアスライドユニット51上であって被噴射物載置台3より液体噴射装置Aの後部R側に、メンテナンスユニット搭載台14が配置されている。そして、メンテナンスユニット搭載台14上に、メンテナンスユニット13が配置されている。したがって、メンテナンスユニット13は、被噴射物載置台3に対してY軸方向であって被噴射物載置台3に被噴射物2が搬入及び搬出される方向と反対の方向に配置されている。メンテナンスユニット13は、エアスライドユニット51等を介して被噴射物載置台3に固定され、被噴射物載置台3とともにY軸直動ガイド4上をY軸方向に移動する。
【0047】
メンテナンスユニット13は、液体噴射ヘッド8から液体を確実に噴射するための準備吐出ステーション、液体噴射ヘッド8のノズル面を清掃するためのワイピングステーション、液体噴射ヘッド8のノズル面を湿潤状態に保持するためのキャッピングステーション、液体噴射ヘッド8からの液体噴射状況を確認する吐出確認ステーション等で構成されている。
【0048】
液体噴射装置Aは、被噴射物2に液体を噴射する場合、被噴射物載置台3をY軸方向に移動するとともに液体噴射ヘッド8をX軸方向に移動することによって、被噴射物2の所望の位置に液体を噴射する。また、液体噴射装置Aは、液体噴射ヘッド8のメンテナンスを行う場合、メンテナンスユニット13の各ステーションの所定のメンテナンス位置と液体噴射ヘッド8とが対向するように、メンテナンスユニット13がY軸方向に移動するとともに、液体噴射ヘッド8がX軸方向に移動して、液体噴射ヘッド8のメンテナンスが行われる。
【0049】
液体噴射装置Aによれば、メンテナンスユニット13を被噴射物載置台3のY軸方向に配置したので、液体噴射ヘッド8の移動可能距離は、メンテナンスユニット13のサイズに関わりなく、被噴射物2の最大幅とX軸スライダ10の加減速距離とを加算した距離に設定しておけばよい。したがって、液体噴射ヘッド8のメンテナンスを行う際に被噴射物載置台3上を超えてさらにX軸方向へ液体噴射ヘッド8を移動させる必要がなく、X軸スライダガイド9の寸法を短縮することができる。
【0050】
X軸スライダガイド9の面粗さ、平面度、平行度等の機械的精度としてサブマイクロメートル(1マイクロメートル以下)の精度が要求される。大きい寸法の部材を全面に渡って高精度に加工することは非常に困難である。しかし、X軸スライダガイド9の寸法を短縮したことによって、X軸スライダガイド9を全面に渡って高精度に製造することができる。また、X軸スライダガイド9の撓み量、および、X軸スライダガイド9上をX軸スライダ10が移動することによるX軸スライダガイド9の振動量、を減少させることができる。したがって、被噴射物2に対して高精度に液体を噴射することができる。
【0051】
また、X軸スライダガイド9は石材で形成されており、X軸スライダガイド9が長尺である場合、X軸スライダガイド9の重量が大きくなり、X軸スライダガイド9の撓み量が大きくなる。また、2メートルや3メートルの長尺物の研削・研磨加工を行える機械の数は少ない。これに対して、液体噴射装置Aでは、X軸スライダガイド9の寸法を短縮したので、X軸スライダガイド9を容易に製造することができる。
【0052】
さらに、X軸スライダガイド9を石材ではなくセラミックス材で形成することもできるが、X軸スライダガイド9をセラミックス材で形成しX軸スライダガイド9が長尺である場合、焼成炉のサイズ的な制約、および、均一に焼成・乾燥を行い均一な特性に仕上げることが困難であることから、所定の面精度を確保することはもちろん、長尺のX軸スライダガイド9を製造することが困難である。しかし、液体噴射装置Aでは、X軸スライダガイド9の寸法を短縮したので、X軸スライダガイド9をセラミックス材で形成する場合でも、X軸スライダガイド9を容易かつ高精度に製造することができる。
【0053】
また、測長レーザ7と反射鏡53とからなる所謂レーザ測長システムなどの位置検出器では、測長距離が長尺化するほど検出精度が低下する。例えばレーザ測長システムの場合では、レーザ光を出射する測長レーザ7と反射鏡53との距離が大きくなるほど、レーザ光の周波数が風等の影響を受けやすいので、位置検出の誤差が増大する。液体噴射装置Aでは、X軸スライダガイド9の寸法が短く液体噴射ヘッド8の移動領域が短いので、液体噴射ヘッド8の位置を高精度に検出することができる。
【0054】
さらに、X軸スライダガイド9の寸法を短縮したことによって、材料コストを削減することができる。また、液体噴射装置Aを小型化することができる。
【0055】
さらに、被噴射物載置台3とメンテナンスユニット13とでY軸スライダユニット5を共用したことで、部品点数を減少させることができる。したがって、製造コストの削減及び液体噴射装置Aのいっそうの小型化を図ることができる。
【0056】
また、一般的に製造装置では,被噴射物載置台3に対して被噴射物2を搬入及び搬出する方向は一定であることが多い。なぜなら、ロボットアームによって、被噴射物2を被噴射物載置台3上に搬入し、搬入に用いたものと同じロボットアームによって被噴射物2を被噴射物載置台3上から搬出するからである。液体噴射装置Aでは、メンテナンスユニット13を、被噴射物載置台3に対して被噴射物2を搬入及び搬出する方向と反対の方向に配置したので、被噴射物載置台3に対する被噴射物2の搬入時及び搬出時に、ロボットアームとメンテナンスユニット13とが干渉することを防止することができる。メンテナンスユニット13が被噴射物載置台13に対する被噴射物2の搬入及び搬出の妨げにならないので、メンテナンスユニット13を避けて被噴射物載置台13に被噴射物2を搬入及び搬出するという複雑な構成にする必要がなく、液体噴射装置Aの構成を簡素化できる。
【0057】
なお、定盤1は、アクティブ除振台に代えて空気ばね除振台で支持されていてもよい。また、X軸スライダガイド9は、上述のように石材ではなくセラミックス材で形成されてもよい。さらに、Y軸スライダ可動子52は、メンテナンスユニット搭載台14の下面にも固定されていてもよい。
【0058】
また、被噴射物載置台3をY軸方向に移動させる推進力を発生させる構成は、上述の実施形態のようにリニアモータであることに限定されず、ACモータとボールネジとから構成されるものであってもよい。
【0059】
さらに、被噴射物載置台3の位置を検出する手段は、測長レーザ7と反射鏡53とによるものに限定されず、定盤1上に貼り付けられたリニアスケールと被噴射物載置台3に搭載されたスケールリーダとによるものであってもよい。
【0060】
また、上述の実施形態では、被噴射物載置台3とメンテナンスユニット13とでY軸スライダユニット5を共用しメンテナンスユニット13をY軸方向に移動させるように構成したが、これに限定されず、メンテナンスユニット13を定盤1上の所定位置に固定し、液体噴射ヘッド移動機構12をY軸方向に移動させることで、液体噴射ヘッド8をメンテナンスユニット13に対向させ、液体噴射ヘッド8のメンテナンスを行う構成にしてもよい。
【0061】
図3は、他の実施形態に係る液体噴射装置Bを示す平面図である。この実施形態に係る液体噴射装置Bは、被噴射物載置台3をY軸方向に移動させるY軸スライダユニット5とは別に、メンテナンスユニット13をY軸方向に移動させるY軸メンテナンス移動機構20を備え、メンテナンスユニット13が被噴射物載置台3とは別にY軸方向に移動することを除いて、液体噴射装置Aと同様に構成されている。説明の便宜上、液体噴射装置Aと同様の構成については同じ符号を使用する。
【0062】
Y軸メンテナンス移動機構20は、2個のY軸メンテナンス直動ガイド22と、各Y軸メンテナンス直動ガイド22にX軸方向にのみ規制される2個のメンテナンスエアスライドユニット61と、Y軸メンテナンス固定子ユニット21と、Y軸メンテナンススライダ可動子62と、を含む。
【0063】
Y軸メンテナンス直動ガイド22はY軸直動ガイド4と同様に形成され、メンテナンスエアスライドユニット61はエアスライドユニット51と同様に形成され、Y軸メンテナンス固定子ユニット21はY軸固定子ユニット6と同様に形成され、Y軸メンテナンススライダ可動子62はY軸スライダ可動子52と同様に形成されている。
【0064】
Y軸メンテナンス直動ガイド22及びY軸メンテナンス固定子ユニット21は、定盤1上にY軸方向に敷設されている。メンテナンスエアスライドユニット61及びY軸メンテナンススライダ可動子62は、メンテナンスユニット搭載台14の下面に固定されている。
【0065】
メンテナンスユニット13は、メンテナンスエアスライドユニット61がY軸メンテナンス直動ガイド22によってX軸方向にのみ規制されていることで、Y軸方向に移動自在にされている。また、メンテナンスユニット13は、Y軸メンテナンス固定子ユニット21とY軸メンテナンススライダ可動子62とがリニアモータを構成することで、Y軸方向の推進力を得て、被噴射物載置台3とは別にY軸方向に移動する。
【0066】
メンテナンスユニット13の下面には、被噴射物載置台3の下面に設けられている反射鏡53と同様の第2の反射鏡63が設けられている。また、定盤1上に測長レーザ7と同様の第2の測長レーザ17が設けられ、第2の測長レーザ17から出射されたレーザ光が第2の反射鏡63で反射され、その反射光を受けることで、メンテナンスユニット13の位置が検出される。
【0067】
図4は、被噴射物2に液体を噴射する液体噴射工程中の液体噴射装置Bの状態を示す平面図である。図5は、液体噴射ヘッド8のメンテナンスを行うメンテナンス工程中の液体噴射装置Bの状態を示す平面図である。
【0068】
上述のように、液体噴射装置Bでは、被噴射物載置台3とメンテナンスユニット3とが別に移動自在である。図4に示すように、被噴射物2に液体を噴射する液体噴射工程中は、メンテナンスユニット13は、被噴射物載置台3から離間して、被噴射物載置台3に対する被噴射物2の搬入及び搬出の方向と反対の方向(液体噴射装置Bの最後部)に退避する。そして、メンテナンスユニット13のワイピングステーション内に付着した液体を洗浄する作業などのメンテナンスユニット13の手入れ作業が、液体噴射工程と並行して行われる。
【0069】
また、図5に示すように、液体噴射ヘッド8のメンテナンスを行う際は、メンテナンスユニット13は液体噴射ヘッド8と対向する位置に移動し、被噴射物載置台3は液体噴射装置Bの最前部に移動する。そして、被噴射物載置台3への被噴射物2の搬入及び搬出、被噴射物2の被噴射物載置台3へのアライメント等が、液体噴射ヘッド8のメンテナンスと並行して行われる。
【0070】
液体噴射装置Bによれば、被噴射物載置台3に対する被噴射物2の搬入及び搬出と液体噴射ヘッド8のメンテナンスとを同時に行うことができる。または、被噴射物2への液体の噴射とメンテナンスユニット13の手入れ作業とを同時に行うことができる。したがって、液体噴射装置Bによる総合的な処理時間を短縮することができる。
【0071】
図6は、さらに他の実施形態に係る液体噴射装置Cを示す平面図である。この実施形態に係る液体噴射装置Cは、メンテナンスユニット13が被噴射物載置台13とは別にY軸方向に移動することを除いて、液体噴射装置Aと同様に構成されている。説明の便宜上、液体噴射装置Aと同様の構成については同じ符号を使用する。
【0072】
液体噴射装置Cでは、メンテナンスユニット13は、エアスライドユニット51上には配置されず、エアスライドユニット51とは別に設けられたメンテナンスユニットスライダ71上に配置されている。メンテナンスユニットスライダ71は、エアスライドユニット51と同様に形成され、Y軸直動ガイド4上であってエアスライドユニット51より液体噴射装置Cの後部R側に配置されている。メンテナンスユニットスライダ71は、Y軸直動ガイド4にX軸方向にのみ規制され、Y軸直動ガイド4に沿ってY軸方向に移動する。
【0073】
メンテナンスユニット13の下面に、Y軸スライダ可動子52とは別の第2のスライダ可動子72が設けられている。第2のスライダ可動子72は、図示していない第2の交流電源に接続された複数の第2のコイルからなるコイル群を備え、Y軸スライダ可動子52と同様に形成されている。第2のスライダ可動子72は、Y軸固定子ユニット6と対向し、Y軸固定子ユニット6とリニアモータを構成している。そして、メンテナンスユニット13は、第2のスライダ可動子72のコイル群に交流電流が流されることで、Y軸方向の推進力を得て、被噴射物載置台3とは別にY軸方向に移動する。
【0074】
メンテナンスユニット13の下面には、被噴射物載置台3の下面に設けられている反射鏡53と同様の第3の反射鏡73が設けられている。また、定盤1上に測長レーザ7と同様の第3の測長レーザ27が設けられ、第3の測長レーザ27から出射されたレーザ光が第3の反射鏡73で反射され、その反射光を受けることで、メンテナンスユニット13の位置が検出される。
【0075】
液体噴射装置Cによれば、Y軸直動ガイド4及びY軸固定子ユニット6を、被噴射物載置台3とメンテナンスユニット13とで共用することができるので、部品点数が減少し、製造コストの削減及び液体噴射装置Cの小型化を図ることができる。
【0076】
なお、被噴射物載置台3及びメンテナンスユニット13のそれぞれの位置を検出する手段は、測長レーザ7,27と反射鏡53,73とによるものに限定されない。例えば、リニアスケールを定盤1上の所定の位置にY軸方向に貼り付け、被噴射物載置台3に第1のスケールリーダを搭載し、メンテナンスユニット13に第2のスケールリーダを搭載する。そして、各スケールリーダでリニアスケールを読み取ることで、被噴射物載置台3及びメンテナンスユニット13のそれぞれの位置を検出する。この構成によれば、被噴射物載置台3とメンテナンスユニット13とでリニアスケールを共用することができるので、部品点数が減少し、製造コストの削減を図ることができる。また、被噴射物載置台3とメンテナンスユニット13との重複した移動領域にリニアスケールを重複して貼り付ける必要はなく、被噴射物載置台3及びメンテナンスユニット13のそれぞれの移動距離を加算した距離分のリニアスケールを貼り付ける場合に比べて製造コストを削減することができる。
【0077】
また、被噴射物載置台3をY軸方向に移動させる推進力を発生させる構成は、上述の実施形態のようにY軸固定子ユニット6、Y軸スライダ可動子52、及び、第2のスライダ可動子72からなるリニアモータであることに限定されず、ACモータとボールネジとから構成することもできる。この場合、被噴射物載置台3用とメンテナンスユニット13用とで2系統のACモータ及びボールネジを設ける。各ボールネジは、被噴射物載置台3及びメンテナンスユニット13のそれぞれの移動距離分だけ設ければよく、液体噴射装置CのY軸方向の全域に渡って設ける必要はない。
【0078】
また、上述の各実施形態では、X軸スライダ10が液体噴射ヘッド8を保持し、X軸スライダガイド9がX軸スライダ10を移動自在に保持しているが、これに限定されない。例えば、所定のヘッド支持部材をX軸方向に配置し、被噴射物載置台3のX軸方向の全領域に対向するように、複数個の液体噴射ヘッド8をヘッド支持部材に保持させてもよい。この構成によれば、液体噴射ヘッド8のメンテナンスを行う際においても、液体噴射ヘッド8をX軸方向に移動させる必要がなくなるので、液体噴射ヘッド8をX軸方向に移動させるための移動機構を設ける必要がなくなる。また、上述の各実施形態の場合と同様に、メンテナンスユニット13が被噴射物載置台3に対する被噴射物2の搬入及び搬出の妨げになることの防止、処理時間の短縮、部品点数の減少、製造コストの削減、及び、液体噴射装置の小型化、という効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】この発明の実施形態に係る液体噴射装置の概略の構成を示す平面図である。
【図2】前記液体噴射装置を示す正面図である。
【図3】他の実施形態に係る液体噴射装置を示す平面図である。
【図4】被噴射物に液体を噴射する液体噴射工程中の前記液体噴射装置の状態を示す平面図である。
【図5】液体噴射ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス工程中の前記液体噴射装置の状態を示す平面図である。
【図6】さらに他の実施形態に係る液体噴射装置を示す平面図である。
【符号の説明】
【0080】
1 定盤
2 被噴射物
3 被噴射物載置台
4 Y軸直動ガイド(ガイド)
5 Y軸スライダユニット(第2の移動機構)
6 Y軸固定子ユニット(リニアモータ固定子)
8 液体噴射ヘッド
12 液体噴射ヘッド移動機構(第1の移動機構)
13 メンテナンスユニット
51 エアスライドユニット(被噴射物載置台スライダ)
52 Y軸スライダ可動子(第1のスライダ可動子)
71 メンテナンスユニットスライダ
72 第2のスライダ可動子
A,B,C 液体噴射装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被噴射物に液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
前記被噴射物を載置する被噴射物載置台と、
前記被噴射物載置台を水平かつ所定の第1の方向へ移動させる第1の移動機構と、
前記被噴射物載置台に対して前記第1の方向に配置され前記第1の方向へ移動して前記液体噴射ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンスユニットと、を備えることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
前記メンテナンスユニットは、前記被噴射物載置台に対して、前記被噴射物載置台に前記被噴射物を搬入及び搬出する方向と反対の方向に配置されることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
【請求項3】
前記メンテナンスユニットは、前記被噴射物載置台とともに移動することを特徴とする請求項1または2に記載の液体噴射装置。
【請求項4】
前記メンテナンスユニットは、前記被噴射物載置台とは別に移動することを特徴とする請求項1または2に記載の液体噴射装置。
【請求項5】
前記第1の移動機構は、前記第1の方向に敷設されたガイドと、前記ガイドに前記第1の方向に垂直な方向にのみ規制され前記ガイドに沿って移動する被噴射物載置台スライダと、を含み、
前記被噴射物載置台は、前記被噴射物載置台スライダ上に配置され、
前記メンテナンスユニットは、前記ガイドに前記第1の方向に垂直な方向にのみ規制され前記ガイドに沿って移動するメンテナンスユニットスライダ上に配置されることを特徴とする請求項4に記載の液体噴射装置。
【請求項6】
前記第1の移動機構は、N極及びS極の永久磁石が前記第1の方向に交互に配列されてなるリニアモータ固定子と、前記被噴射物載置台の下面に設けられ前記リニアモータ固定子に対向し第1の交流電源に接続された第1のコイルを含む第1のスライダ可動子と、を含み、
前記メンテナンスユニットの下面に、前記リニアモータ固定子に対向し第2の交流電源に接続された第2のコイルを含む第2のスライダ可動子が設けられることを特徴とする請求項4または5に記載の液体噴射装置。
【請求項7】
前記第1の方向に配置されたリニアスケールと、
前記被噴射物載置台に搭載され前記リニアスケールを読み取る第1のスケールリーダと、
前記メンテナンスユニットに搭載され前記リニアスケールを読み取る第2のスケールリーダと、を備えることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−192410(P2006−192410A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−9357(P2005−9357)
【出願日】平成17年1月17日(2005.1.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】