説明

液体浄化装置

【課題】高精度の検出装置を用いることなく、濾材に実際に付着した不純物の量が反映された被浄化対象液体の濁度を精度よく検出することにより、濾材の洗浄時期を的確に判断することが可能な液体浄化装置を提供する。
【解決手段】液体浄化装置10は、容器1と濾材2と一次側空間1cと供給路3と滞留部12と検出部4とを備えている。一次側空間1cは、容器1の内部のうち、液体が濾材2を通過する前の空間である。供給路3は、一次側空間1cに向かって開口した流入口31を有し、一次側空間1cに接続され、容器1の外部から一次側空間1cに液体を供給する。滞留部12は、一次側空間1cに形成され、供給路3から一次側空間1cに供給される液体に含まれる不純物と濾材2から剥離した不純物とを滞留させる。検出部4は、滞留部12に滞留した不純物を含む被浄化対象液体の濁度を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液体浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原液に含まれる不純物を沈殿させることにより、原液を浄化させる液体浄化装置が従来から知られている。しかしながら、原液に含まれる不純物を凝集沈殿させる液体浄化装置では、液体の浄化に比較的長い時間と広いスペースとが必要である。そのため、家庭等で比較的少量の原液を浄化するような場合には、不純物を凝集沈殿させる液体浄化装置は不便である。
【0003】
一方、上述の凝集沈殿に替えて、濾材を利用した膜処理によって液体を浄化する場合は、比較的手間も掛からず、省スペース化を図ることも可能である。
【0004】
しかし、原液を濾材に濾過させることによって液体を浄化させる膜処理では、比較的長期間にわたって濾材を使用する場合には、濾材が目詰まり等によって汚れ、濾材の性能が低下することがある。そのため、定期的に、濾材を洗浄させること、または、濾材を交換することが必要である。
【0005】
例えば、特開平06−071120号公報(以下、特許文献1という)には、流体が濾材を通過する前と後との差圧または流量差を測定し、この差圧または流量差によって濾材を洗浄する時期を判断する方法が記載されている。また、特開平06−343962号公報(以下、特許文献2という)には、濾材を通過した流体の積算流量によって濾材を洗浄する時期を判断する方法が記載されている。
【0006】
特許文献1に記載されているような方法では、流体が濾材を通過する前と後との差圧または流量差は、濾材の目詰まりによって顕著に差が生じるものではなく、差が生じ始めたときには、洗浄が間に合わずに濾材を閉塞させてしまう可能性がある。一方、特許文献2に記載されているような方法では、原液に含まれる不純物の量に関係なく濾材を洗浄するため、原液に不純物があまり含まれておらず濾材が目詰まりしていないような場合にも必要以上に濾材を洗浄してしまう。必要以上に濾材を洗浄する場合には、濾材の破損に繋がることがある。そのため、濾材を洗浄する時期を的確に判断する方法またはその方法を用いた液体浄化装置が望まれている。
【0007】
濾材を洗浄する時期を判断する液体浄化装置の一例として、特許第3198612号公報(以下、特許文献3という)に記載された膜分離装置が知られている。特許文献3に係る膜分離装置は、濾材としての分離膜と、分離膜に原液を供給する手段と、分離膜を洗浄する手段と、原液の濁度を検出する手段と、検出手段の検出値に基づいて分離膜を洗浄する間隔を設定する洗浄間隔設定手段とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平06−071120号公報
【特許文献2】特開平06−343962号公報
【特許文献3】特許第3198612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
一般的に、不純物が含まれる液体の濃度(つまり液体の濁度)を検出するときには、限界を超えて精度よく濁度を検出することは困難である。つまり、液体の濁度が極めて低く、液体の濁度の検出値が極めて小さい場合は、検出した濁度の値にばらつきが見られるため、液体の濁度の検出に誤差が生じる。逆に、液体の濁度がある程度高い場合は、検出した濁度の値にばらつきがあまり見られないため、液体の濁度を精度よく検出することができる。
【0010】
特許文献3に係る膜分離装置は、検出する原液の濁度が極めて小さい場合に備えた適切な構成等を有していない。そのため、特許文献3に係る膜分離装置では、原液の濁度の検出値が極めて小さい場合には、原液の濁度の検出に誤差が生じる。その結果、特許文献3に係る膜分離装置は、濾材を洗浄する時期を的確に判断することができない。また、原液の濁度の検出値が極めて小さい場合でも誤差が生じないように高精度の検出装置を用いるときには、コストが高くなり、経済的でない。
【0011】
本願発明者は、被浄化対象液体としての原液を実際に浄化するときには、原液の濁度は、一定ではなく、変動していることに着目した。例えば、原液を濾材に流通させる管の内壁に付着した不純物が剥がれたりする場合には、原液の濁度が突発的に高くなることがある。そのため、本願発明者は、濾材を洗浄する時期を的確に判断するために、濾材に実際に付着した不純物の量を精度よく検出または測定することを思い着いた。濾材に実際に付着した不純物の量を精度よく検出または測定することができる場合、または、濾材に実際に付着した不純物の量が反映された被浄化対象液体の濁度を検出または測定することができる場合には、原液の濁度によらず、濾材の洗浄時期を的確に判断することができる。そして、本願発明者は、濾材に実際に付着した不純物の量が反映された被浄化対象液体の濁度を検出することにより、濾材の洗浄時期を的確に判断することが可能な液体浄化装置を得るに至った。
【0012】
そこで、この発明の目的は、高精度の検出装置を用いることなく、濾材に実際に付着した不純物の量が反映された被浄化対象液体の濁度を精度よく検出することにより、濾材の洗浄時期を的確に判断することが可能な液体浄化装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明に従った液体浄化装置は、容器と濾材と一次側空間と供給路と滞留部と検出部とを備えている。容器には、液体が流れる。濾材は、容器に収容され、液体に含まれる不純物を除去する。一次側空間は、容器の内部のうち、液体が濾材を通過する前の空間である。供給路は、一次側空間に向かって開口した流入口を有し、一次側空間に接続されている。供給路は、容器の外部から一次側空間に液体を供給する。滞留部は、一次側空間に形成されている。滞留部は、供給路から一次側空間に供給される液体に含まれる不純物と、濾材から剥離した不純物とを滞留させる。検出部は、滞留部に滞留した不純物を含む被浄化対象液体の濁度を検出する。
【0014】
この発明によれば、供給路から容器の内部のうちの一次側空間に流入した液体は、濾材を通過することにより、不純物が除去され、浄化される。また、一次側空間には、滞留部が形成されている。
【0015】
滞留部に滞留する不純物は、供給路から一次側空間に供給された液体に含まれる不純物のうち、濾材に付着しない不純物である。供給路から一次側空間に供給された液体が濾材によって浄化される際は、その液体に含まれる不純物が濾材に付着する。濾材に付着する不純物の量が増えていくと、濾材にその不純物が堆積する。濾材に付着または堆積した不純物は、一次側空間での液体の流れの作用によって濾材から剥離する。濾材から剥離した不純物と、供給路から一次側空間に供給される液体に含まれる不純物とが、滞留部に滞留する。濾材に堆積した不純物の層が厚くなるにつれ、濾材から剥離する不純物の量が次第に増加する。これにより、滞留部に滞留する不純物を含む被浄化対象液体の濁度が次第に高くなる。すなわち、検出部によって検出される滞留部での被浄化対象液体の濁度は、濾材に実際に付着した不純物の量が反映された被浄化対象液体の濁度である。このように、この発明によれば、濾材に実際に付着した不純物の量が反映された被浄化対象液体の濁度を精度よく検出することができる。
【0016】
検出部の検出対象は滞留部に滞留した不純物を含む被浄化対象液体の濁度であり、検出した濁度の値にばらつきがあまり見られない程度の大きな検出値を期待することができる。そのため、被浄化対象液体の濁度を検出するときの誤差を軽減することができる。検出した被浄化対象液体の濁度の値にばらつきがあまり見られない程度の大きな検出値を検出部が検出することができるときには、この発明に従った液体浄化装置において、被浄化対象液体の濁度を精度よく検出するような高精度の検出装置が用いられる必要はない。このように、この発明によれば、高精度の検出装置を用いることなく、濾材に実際に付着した不純物の量が反映された被浄化対象液体の濁度を精度よく検出することができる。その結果、濾材の洗浄時期を的確に判断することができる。
【0017】
したがって、この発明によれば、高精度の検出装置を用いることなく、濾材に実際に付着した不純物の量が反映された被浄化対象液体の濁度を精度よく検出することにより、濾材の洗浄時期を的確に判断することが可能な液体浄化装置を提供することができる。
【0018】
この発明に従った液体浄化装置は、供給路から一次側空間に供給される液体の全量を濾材に通過させることが好ましい。
【0019】
このように、供給路から一次側空間に供給される液体の全量が濾材を通過することにより、原液に含まれる不純物の大部分が濾材に容易に付着する。また、供給路から一次側空間に供給される液体の全量が濾材を通過することにより、濾材に付着した不純物は、一次側空間に原液が流入するときの流れの作用によって濾材から剥離しやすい。その結果、濾材から剥離した不純物と、供給路から一次側空間に供給される液体に含まれる不純物とが、滞留部に容易に滞留する。滞留部に滞留した不純物を含む被浄化対象液体の濁度が、検出した濁度の値にばらつきがあまり見られない程度に高いときには、被浄化対象液体の濁度を検出するときの誤差を軽減することができる。このときには、この発明に従った液体浄化装置において、被浄化対象液体の濁度を精度よく検出するような高精度の検出装置が用いられる必要はない。
【0020】
この発明に従った液体浄化装置において、濾材は、一次側空間に面し且つ容器の外部から一次側空間に供給された液体を濾過する濾過部を有していることが好ましい。また、濾過部の表面は、一次側空間に露出していることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、濾材のうちの濾過部は、ケース等によって覆われていない。そのため、濾過部は、一次側空間に溜められる液体に直接的に触れることができる。これにより、原液に含まれる不純物が濾材に容易に付着し、且つ、濾材から剥離した不純物が滞留部に容易に滞留する。滞留部に滞留した不純物を含む被浄化対象液体の濁度が、検出した濁度の値にばらつきがあまり見られない程度に高いときには、被浄化対象液体の濁度を検出するときの誤差を軽減することができる。このときには、この発明に従った液体浄化装置において、被浄化対象液体の濁度を精度よく検出するような高精度の検出装置が用いられる必要はない。
【0022】
この発明に従った液体浄化装置において、滞留部は、上下方向に関して濾材の下方に配置されていることが好ましい。
【0023】
この構成によれば、滞留部は、上下方向に関して濾材の下方に配置されている。そのため、供給路から一次側空間に供給された液体に含まれる不純物と、濾材から剥離した不純物とが、滞留部に容易に滞留する。滞留部に滞留する不純物の量が増加する場合には、滞留部に滞留した不純物を含む被浄化対象液体の濁度が高くなる。滞留部に滞留した不純物を含む被浄化対象液体の濁度が、検出した濁度の値にばらつきがあまり見られない程度に高いときには、被浄化対象液体の濁度を検出するときの誤差を軽減することができる。このときには、この発明に従った液体浄化装置において、被浄化対象液体の濁度を精度よく検出するような高精度の検出装置が用いられる必要はない。
【0024】
さらに、この発明に従った液体浄化装置は、容器の内部のうち、液体が濾材を通過した後の空間である二次側空間を備えていることが好ましい。また、二次側空間は、上下方向に関して一次側空間よりも上方に配置されていることが好ましい。
【0025】
この構成によれば、二次側空間は、上下方向に関して一次側空間よりも上方に配置されている。そのため、供給路から一次側空間に供給された液体は、上下方向に関する下方から上方に向かって濾材を通過する。一方、一次側空間が上下方向に関して濾材の下方に配置されていることにより、供給路から一次側空間に流入する液体に含まれる不純物と濾材から剥離した不純物とが、滞留部に滞留するときに進行する方向、つまり落下する方向は、上下方向に関する上方から下方に向かう方向である。このように、供給路から一次側空間に供給された液体が濾材を通過するときの方向は、不純物が滞留部に落下するときの方向と略一致していない。供給路から一次側空間に供給された液体が濾材を通過するときの方向と、不純物が滞留部に落下するときの方向とが略一致している場合には、供給路から一次側空間に供給された液体が濾材を通過するときの液体の流れは、不純物が濾材により堆積するように作用する。
【0026】
一方、この発明に従った液体浄化装置では、供給路から一次側空間に供給された液体が濾材を通過するときの方向が、不純物が滞留部に落下するときの方向と略一致していないため、供給路から一次側空間に供給された液体が濾材を通過するときの液体の流れの作用により、濾材に付着または堆積した不純物が濾材から容易に剥離する。濾材から剥離され、滞留部に滞留する不純物の量が増加する場合には、滞留部に滞留した不純物を含む被浄化対象液体の濁度が高くなる。このように、この構成によれば、供給路から一次側空間に流入する液体に含まれる不純物と、濾材から剥離した不純物とを効果的に滞留部に滞留させることができる。その結果、被浄化対象液体の濁度を検出するときの誤差を軽減することができる。また、このときには、この発明に従った液体浄化装置において、被浄化対象液体の濁度を精度よく検出するような高精度の検出装置が用いられる必要はない。
【0027】
また、この発明に従った液体浄化装置において、供給路の流入口は、上下方向に関して濾材の下端よりも上方に配置されていることが好ましい。また、滞留部は、上下方向に関して、流入口よりも下方に配置されていることが好ましい。さらに、この発明に従った液体浄化装置において、供給路は、略水平方向に延びていることが好ましい。
【0028】
この構成によれば、供給路から一次側空間に流入した液体は、流入口から濾材に向かうときに濾材に直接的に当たることができる。供給路から一次側空間に流入する液体が濾材に直接的に当たることにより、原液に含まれる不純物が濾材にさらに容易に付着し、且つ、濾材に付着または堆積した不純物が濾材からさらに容易に剥離する。
【0029】
さらに、上下方向に関して流入口よりも下方に滞留部が配置されているため、供給路から一次側空間に流入する液体の流れによって、滞留部に滞留した不純物が一次側空間の他の部分に容易に拡散することがない。このように、この構成によれば、供給路から一次側空間に流入する液体に含まれる不純物と、濾材から剥離した不純物とをさらに効果的に滞留部に滞留させることができる。
【0030】
この発明に従った液体浄化装置において、容器は略円筒形状を有し、供給路は複数の略円筒状の管が互いに接続されることによって形成されていることが好ましい。また、この発明に従った液体浄化装置において、供給路の流入口の口径は、滞留部での容器の内径よりも小さいことが好ましい。
【0031】
供給路の流入口の口径が滞留部での容器の内径よりも小さいことにより、供給路から一次側空間に流入する液体に含まれる不純物と、濾材から剥離した不純物とが、滞留部に滞留しやすい。このように、この構成によれば、供給路から一次側空間に流入する液体に含まれる不純物と、濾材から剥離した不純物とを効果的に滞留部に滞留させることができる。
【0032】
この発明に従った液体浄化装置において、検出部は、光を発光させる発光部と、発光部から発光される光を受光する受光部とを有していることが好ましい。
【0033】
この構成によれば、発光部と受光部とにより、検出部は、精度よく滞留部での被浄化対象液体の濁度を検出することができる。このように、この発明に従った液体浄化装置は、検出部として、特に高精度な検出装置を備えているのではなく、一般的な光学的検出手段を備えている。
【0034】
この発明に従った液体浄化装置は、排水路と電磁弁とをさらに備えていることが好ましい。排水路は、一次側空間に接続され、一次側空間に溜められる液体を排水する。排水路は、一次側空間に向かって開口した排水口を有している。電磁弁は、排水路に配置され、一次側空間から排水口を介して排水路に液体を排水するときの通水と非通水とを切り換える。
【0035】
この構成によれば、濾材を洗浄する際には、滞留部に滞留した不純物を含む液体を一次側空間から容器の外部に排水することができる。また、この構成によれば、濾材に付着または堆積した不純物を、供給路から一次側空間に流入する液体によって洗浄することができる。つまり、この発明に従った液体浄化装置において、濾材の洗浄には、濾材を通過して浄化された液体が利用されることはない。そのため、この発明に従った液体浄化装置では、原液から得られた浄化液の液量を確保することができる。また、この発明に従った液体浄化装置は、原液から得られた浄化液を一次側空間から濾材に通過させるための送水器を備える必要が無い。
【発明の効果】
【0036】
以上のように、この発明によれば、高精度の検出装置を用いることなく、濾材に実際に付着した不純物の量が反映された被浄化対象液体の濁度を精度よく検出することにより、濾材の洗浄時期を的確に判断することが可能な液体浄化装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】この発明に係る液体浄化装置の系統図である。
【図2】この発明に係る液体浄化装置の電磁弁等の配置を示す系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0039】
図1に示すように、液体浄化装置10は、容器1と濾材2と供給路3と検出部4とを備えている。容器1には、液体が流れる。容器1は、略円筒形状を有している。ただし、容器1は、容器1の内部の液体を溜めることができるように、底1bを有している。容器1の上端部1aには吐出口55が配置されている。なお、容器1の材質は、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル、ガラス、ポリエチレン樹脂、オレフィン系樹脂等である。
【0040】
濾材2は、容器1に収容され、液体に含まれる不純物を除去する。容器1の内部には、一次側空間1cが形成されている。一次側空間1cは、容器1の内部のうち、液体が濾材2を通過する前の空間である。これに対し、容器1の内部のうち、液体が濾材2を通過した後の空間は、二次側空間1dである。二次側空間1dは、上下方向に関して一次側空間1cよりも上方に配置されている。さらに、二次側空間1dは、上下方向に関して濾材2よりも上方に配置されている。
【0041】
供給路3は、一次側空間1cに向かって開口した流入口31を有している。供給路3は、複数の略円筒状の管(図示せず)が互いに接続されることによって形成されている。供給路3は、一次側空間1cに接続されている。これにより、供給路3は、液体を一次側空間1cに供給する。一次側空間1cに供給される液体は、原液としてタンク13に溜められている。タンク13と容器1とは、供給路3によって接続されている。ただし、液体浄化装置10は、タンク13を備えていなくてもよい。この場合は、原液は、液体浄化装置10の外部から供給路3を通ることにより、供給路3から容器1の内部に供給されていてもよい。
【0042】
液体浄化装置10は、供給路3から一次側空間1cに供給される液体の全量を濾材2に通過させるように、供給路3から流入口31を介して一次側空間1cに流入した液体を浄化する。液体浄化装置10では、濾材2として、中空糸膜モジュールが利用されている。ただし、濾材2は、平膜型、管状型、またはスパイラル型のものであってもよい。また、濾材2は、膜のみを利用したものに限定されず、金網を利用したものであってもよい。
【0043】
濾材2は、固定部21と濾過部22とを有している。固定部21とは、容器1に対して濾材2が固定される部分のことをいう。固定部21は、一次側空間1cに直接的に露出していない。固定部21は、環状の固定部材23を介して容器1に固定されている。濾材2が平膜型、管状型、またはスパイラル型のものである場合でも、濾材2は固定部21と濾過部22とを有している。
【0044】
濾過部22は、濾材2のうちの固定部21を除いた部分である。また、濾過部22は、濾材2のうちの一次側空間1cに面した部分である。濾過部22の表面は、一次側空間1cに露出している。濾過部22は、中空糸膜モジュールの中空糸膜の部分である。濾過部22は、容器1の外部から一次側空間1cに供給された液体を濾過する部分である。濾過部22の体積は、濾材2の体積の大部分(例えば90%以上)を占めている。これにより、濾材2による濾過効率が向上する。液体浄化装置10では、二次側空間1dが上下方向に関して一次側空間1cよりも上方に配置されていることにより、供給路3から一次側空間1cに供給された液体は、上下方向に関する下方から上方に向かって濾材2を通過する。濾材2に付着または堆積する不純物の多くは、濾材2のうちの濾過部22に付着または堆積する。濾材2を通過することによって浄化された液体は、浄化液としてタンク14に溜められている。タンク14と容器1とは、吐出口55を介して通水路16によって接続されている。なお、液体浄化装置10の上方は図1の紙面上方であり、液体浄化装置10の下方は図1の紙面下方である。液体浄化装置10には、図1の上方から下方に向かう方向に重力が負荷されている。
【0045】
液体浄化装置10は、滞留部12を備えている。滞留部12は、一次側空間1cに形成されている。滞留部12は、供給路3から一次側空間1cに供給された液体に含まれる不純物のうち、濾材2に付着しない不純物を滞留させる。滞留部12は、上下方向に関して濾材2の下方に配置されている。さらに、滞留部12は、上下方向に関して、濾材2の下端24と容器1の底1bとの間に配置されている。なお、滞留部12の容積または形状は、特に限定されない。また、タンク13の容量とタンク14の容量とは限定されない。
【0046】
液体浄化装置10では、供給路3の流入口31の口径d1は、滞留部12での一次側空間1cでの容器1の内径d2よりも小さい。このように、滞留部12の断面積は、供給路3の内部の断面積よりも大きい。
【0047】
供給路3の流入口31は、上下方向に関して濾材2の下端24よりも上方に配置されている。供給路3は、略水平方向に延びている。滞留部12は、上下方向に関して、流入口31よりも下方に配置されている。
【0048】
検出部4は、滞留部12に滞留した不純物を含む被浄化対象液体の濁度を検出する。なお、被浄化対象液体とは、濾材2を通過した後の液体のことではなく、濾材2を通過する前の液体のことである。
【0049】
検出部4は、発光部41と受光部42とを有している。発光部41は光を発光させ、受光部42は発光部41から発光される光を受光する。発光部41と受光部42とは、容器1の外側に配置されている。このとき、発光部41と受光部42とは、発光部41から発光された光を受光部42が受光できるように、容器1の所定の断面において互いに対向している。
【0050】
検出部4は、発光部41から発光された光の強度に対して、発光部41と受光部42との間に滞留する不純物によって減衰した光の強度を受光部42が受光することにより、滞留部12に滞留する不純物の有無を検出する。このとき、検出部4には、いわゆる透過法または散乱法が利用されている。なお、滞留部12に滞留した不純物を含む被浄化対象液体の濁度を検出するものとして、検出部4には音波が利用されていてもよい。
【0051】
図2に示すように、液体浄化装置10は、送気路17と排水路18とポンプ15と電磁弁51と電磁弁52と電磁弁53とを備えている。図1に示すように、排水路18は、一次側空間1cに向かって開口した排水口54を有している。排水路18は、一次側空間1cに接続され、一次側空間1cに溜められる液体を容器1の外部に排水する。詳細には、排水路18は、少なくとも、滞留部12に溜められる不純物を含む液体を、容器1の外部に排水する。
【0052】
図2に示すように、電磁弁51は、通水路16に配置されている。電磁弁51は、容器1からタンク14に向かって通水路16を流れる液体の通水と非通水とを切り換える。
電磁弁52は、排水路18に配置されている。電磁弁52は、一次側空間1c(図1参照)から排水口54を介して排水路18に液体を排水するときの通水と非通水とを切り換える。送気路17は、ポンプ15と通水路16とを接続している。送気路17は、通水路16を流れる液体の流れ方向に関して、電磁弁51が配置されている位置よりも上流側の通水路16の部分に接続されている。電磁弁53は、送気路17に配置され、ポンプ15から容器1に向かって送気路17を流れる空気の通気と非通気とを切り換える。
【0053】
液体浄化装置10において、浄化液を得る場合、つまり、原液を濾材2にて濾過する場合は、電磁弁52と電磁弁53とが閉じられ、且つ、電磁弁51が開けられている。流入口31を介して供給路3から容器1の内部に流入した原液は、下方から上方に向かって濾材2を通過することによって浄化される。浄化された液体は、通水路16を通り、浄化液としてタンク14に溜められる。
【0054】
液体浄化装置10では、検出部4が検出する被浄化対象液体の濁度の値が所定の値を超える場合には、濾材2の洗浄が開始される。濾材2の洗浄は、図示しない制御部によって自動的に開始されるものであってもよく、図示しない表示部での表示に基づき、使用者が図示しないスイッチを切り換えることによって開始されるものであってもよい。
【0055】
濾材2が洗浄される前に、滞留部12に溜められた不純物を含む液体が容器1から排水される。このときには、電磁弁51が閉じられ、且つ、電磁弁52と電磁弁53とが開けられている。ポンプ15が作動し且つ電磁弁53が開かれているときには、ポンプ15から送気路17を介して容器1の内部に空気が送気される。これにより、容器1の内部のうちの一次側空間1cの液体が、排水路18を通って容器1の外部に排水される。
【0056】
濾材2が洗浄されるときには、電磁弁51と電磁弁53とが閉じられ、且つ、電磁弁52が開けられている。また、ポンプ15の作動は停止されている。供給路3から一次側空間1cに供給される液体により、濾材2のうちの少なくとも濾過部22が洗浄される。このとき、供給路3から一次側空間1cに供給される液体の流れにより、濾過部22に付着または堆積した不純物が濾過部22から剥離する。
【0057】
濾材2は、いわゆる逆洗浄によって洗浄されてもよい。逆洗浄によって濾材2を洗浄する場合には、タンク14と電磁弁51との間に図示しないポンプが配置されている。このポンプは、タンク14に溜められた浄化液を、通水路16を介して容器1に送水する。
【0058】
以上のように、液体浄化装置10は、容器1と濾材2と一次側空間1cと供給路3と滞留部12と検出部4とを備えている。容器1には、液体が流れる。濾材2は、容器1に収容され、液体に含まれる不純物を除去する。一次側空間1cは、容器1の内部のうち、液体が濾材2を通過する前の空間である。供給路3は、一次側空間1cに向かって開口した流入口31を有し、一次側空間1cに接続されている。供給路3は、容器1の外部から一次側空間1cに液体を供給する。滞留部12は、一次側空間1cに形成されている。滞留部12は、供給路3から一次側空間1cに供給される液体に含まれる不純物と、濾材2から剥離した不純物とを滞留させる。検出部4は、滞留部12に滞留した不純物を含む被浄化対象液体の濁度を検出する。
【0059】
液体浄化装置10では、供給路3から容器1の内部のうちの一次側空間1cに流入した液体は、濾材2を通過することにより、不純物が除去され、浄化される。また、一次側空間1cには、滞留部12が形成されている。
【0060】
滞留部12に滞留する不純物は、供給路3から一次側空間1cに供給された液体に含まれる不純物のうち、濾材2に付着しない不純物である。供給路3から一次側空間1cに供給された液体が濾材2によって浄化される際は、その液体に含まれる不純物が濾材2に付着する。濾材2に付着する不純物の量が増えていくと、濾材2にその不純物が堆積する。濾材2に付着または堆積した不純物は、一次側空間1cでの液体の流れの作用によって濾材2から剥離する。濾材2から剥離した不純物と、供給路3から一次側空間1cに供給される液体に含まれる不純物とが、滞留部12に滞留する。濾材2に堆積した不純物の層が厚くなるにつれ、濾材2から剥離する不純物の量が次第に増加する。これにより、滞留部12に滞留する不純物を含む被浄化対象液体の濁度が次第に高くなる。すなわち、検出部4によって検出される滞留部12での被浄化対象液体の濁度は、濾材2に実際に付着した不純物の量が反映された被浄化対象液体の濁度である。このように、液体浄化装置10では、濾材2に実際に付着した不純物の量が反映された被浄化対象液体の濁度を精度よく検出することができる。
【0061】
検出部4の検出対象は滞留部12に滞留した不純物を含む被浄化対象液体の濁度であり、検出した濁度の値にばらつきがあまり見られない程度の大きな検出値を期待することができる。そのため、被浄化対象液体の濁度を検出するときの誤差を軽減することができる。検出した被浄化対象液体の濁度の値にばらつきがあまり見られない程度の大きな検出値を検出部4が検出することができるときには、液体浄化装置10において、被浄化対象液体の濁度を精度よく検出するような高精度の検出装置が用いられる必要はない。このように、液体浄化装置10では、高精度の検出装置を用いることなく、濾材2に実際に付着した不純物の量が反映された被浄化対象液体の濁度を精度よく検出することができる。その結果、濾材2の洗浄時期を的確に判断することができる。
【0062】
したがって、高精度の検出装置を用いることなく、濾材2に実際に付着した不純物の量が反映された被浄化対象液体の濁度を精度よく検出することにより、濾材2の洗浄時期を的確に判断することが可能な液体浄化装置10を提供することができる。
【0063】
液体浄化装置10は、供給路3から一次側空間1cに供給される液体の全量を濾材2に通過させている。
【0064】
このように、供給路3から一次側空間1cに供給される液体の全量が濾材2を通過することにより、原液に含まれる不純物の大部分が濾材2に容易に付着する。また、供給路3から一次側空間1cに供給される液体の全量が濾材2を通過することにより、濾材2に付着した不純物は、一次側空間1cに原液が流入するときの流れの作用によって濾材2から剥離しやすい。その結果、濾材2から剥離した不純物と、供給路3から一次側空間1cに供給される液体に含まれる不純物とが、滞留部12に容易に滞留する。滞留部12に滞留した不純物を含む被浄化対象液体の濁度が、検出した濁度の値にばらつきがあまり見られない程度に高いときには、被浄化対象液体の濁度を検出するときの誤差を軽減することができる。このときには、液体浄化装置10において、被浄化対象液体の濁度を精度よく検出するような高精度の検出装置が用いられる必要はない。
【0065】
液体浄化装置10において、濾材2は濾過部22を有している。濾過部22は、一次側空間1cに面し且つ容器1の外部から一次側空間1cに供給された液体を濾過する。また、濾過部22の表面は、一次側空間1cに露出している。
【0066】
この構成によれば、濾材2のうちの濾過部22は、ケース等によって覆われていない。そのため、濾過部22は、一次側空間1cに溜められる液体に直接的に触れることができる。これにより、原液に含まれる不純物が濾材2に容易に付着し、且つ、濾材2から剥離した不純物が滞留部12に容易に滞留する。滞留部12に滞留した不純物を含む被浄化対象液体の濁度が、検出した濁度の値にばらつきがあまり見られない程度に高いときには、被浄化対象液体の濁度を検出するときの誤差を軽減することができる。このときには、液体浄化装置10において、被浄化対象液体の濁度を精度よく検出するような高精度の検出装置が用いられる必要はない。
【0067】
液体浄化装置10において、滞留部12は、上下方向に関して濾材2の下方に配置されている。
【0068】
この構成によれば、滞留部12は、上下方向に関して濾材2の下方に配置されている。そのため、供給路3から一次側空間1cに供給された液体に含まれる不純物と、濾材2から剥離した不純物とが、滞留部12に容易に滞留する。滞留部12に滞留する不純物の量が増加する場合には、滞留部12に滞留した不純物を含む被浄化対象液体の濁度が高くなる。滞留部12に滞留した不純物を含む被浄化対象液体の濁度が、検出した濁度の値にばらつきがあまり見られない程度に高いときには、被浄化対象液体の濁度を検出するときの誤差を軽減することができる。このときには、液体浄化装置10において、被浄化対象液体の濁度を精度よく検出するような高精度の検出装置が用いられる必要はない。
【0069】
さらに、液体浄化装置10は、二次側空間1dを備えている。二次側空間1dは、容器1の内部のうち、液体が濾材2を通過した後の空間である。また、二次側空間1dは、上下方向に関して一次側空間1cよりも上方に配置されている。
【0070】
一次側空間1cが上下方向に関して濾材2の下方に配置されていることにより、供給路3から一次側空間1cに流入する液体に含まれる不純物と濾材2から剥離した不純物とが、滞留部12に滞留するときに進行する方向、つまり落下する方向は、上下方向に関する上方から下方に向かう方向である。一方、液体浄化装置10では、二次側空間が上下方向に関して一次側空間よりも上方に配置されているため、供給路3から一次側空間1cに供給された液体は、上下方向に関する下方から上方に向かって濾材2を通過する。このように、供給路3から一次側空間1cに供給された液体が濾材2を通過するときの方向は、不純物が滞留部12に落下するときの方向と略一致していない。供給路3から一次側空間1cに供給された液体が濾材2を通過するときの方向と、不純物が滞留部12に落下するときの方向とが略一致している場合には、供給路3から一次側空間1cに供給された液体が濾材2を通過するときの液体の流れは、不純物が濾材2により堆積するように作用する。
【0071】
一方、液体浄化装置10では、供給路3から一次側空間1cに供給された液体が濾材2を通過するときの方向が、不純物が滞留部12に落下するときの方向と略一致していないため、供給路3から一次側空間1cに供給された液体が濾材2を通過するときの液体の流れの作用により、濾材2に付着または堆積した不純物が濾材2から容易に剥離する。濾材2から剥離され、滞留部12に滞留する不純物の量が増加する場合には、滞留部12に滞留した不純物を含む被浄化対象液体の濁度が高くなる。このように、この構成によれば、供給路3から一次側空間1cに流入する液体に含まれる不純物と、濾材2から剥離した不純物とを効果的に滞留部12に滞留させることができる。その結果、被浄化対象液体の濁度を検出するときの誤差を軽減することができる。また、このときには、液体浄化装置10において、被浄化対象液体の濁度を精度よく検出するような高精度の検出装置が用いられる必要はない。
【0072】
また、液体浄化装置10において、供給路3の流入口31は、上下方向に関して濾材2の下端24よりも上方に配置されている。また、滞留部12は、上下方向に関して、流入口31よりも下方に配置されている。さらに、液体浄化装置10において、供給路3は、略水平方向に延びている。
【0073】
この構成によれば、供給路3から一次側空間1cに流入した液体は、流入口31から濾材2に向かうときに濾材2に直接的に当たることができる。供給路3から一次側空間1cに流入する液体が濾材2に直接的に当たることにより、原液に含まれる不純物が濾材2にさらに容易に付着し、且つ、濾材2に付着または堆積した不純物が濾材2からさらに容易に剥離する。
【0074】
さらに、上下方向に関して流入口31よりも下方に滞留部12が配置されているため、供給路3から一次側空間1cに流入する液体の流れによって、滞留部12に滞留した不純物が一次側空間1cの他の部分に容易に拡散することがない。このように、この構成によれば、供給路3から一次側空間1cに流入する液体に含まれる不純物と、濾材2から剥離した不純物とをさらに効果的に滞留部12に滞留させることができる。
【0075】
液体浄化装置10において、容器1は略円筒形状を有し、供給路3は複数の略円筒状の管が互いに接続されることによって形成されている。また、液体浄化装置10において、供給路3の流入口31の口径d1は、滞留部12での容器1の内径d2よりも小さい。
【0076】
供給路3の流入口31の口径d1が滞留部12での容器の内径d2よりも小さいことにより、供給路3から一次側空間1cに流入する液体に含まれる不純物と、濾材2から剥離した不純物とが、滞留部12に滞留しやすい。このように、この構成によれば、供給路3から一次側空間1cに流入する液体に含まれる不純物と、濾材2から剥離した不純物とを効果的に滞留部12に滞留させることができる。
【0077】
液体浄化装置10において、検出部4は、光を発光させる発光部41と、発光部41から発光される光を受光する受光部42とを有している。
【0078】
この構成によれば、発光部41と受光部42とにより、検出部4は、精度よく滞留部12での被浄化対象液体の濁度を検出することができる。このように、液体浄化装置10は、検出部4として、特に高精度な検出装置を備えているのではなく、一般的な光学的検出手段を備えている。
【0079】
液体浄化装置10は、排水路18と電磁弁52とをさらに備えている。排水路18は、一次側空間1cに接続され、一次側空間1cに溜められる液体を排水する。排水路18は、一次側空間1cに向かって開口した排水口54を有している。電磁弁52は、排水路18に配置され、一次側空間1cから排水口54を介して排水路18に液体を排水するときの通水と非通水とを切り換える。
【0080】
この構成によれば、濾材2を洗浄する際には、滞留部12に滞留した不純物を含む液体を一次側空間1cから容器1の外部に排水することができる。また、この構成によれば、濾材2に付着または堆積した不純物を、供給路3から一次側空間1cに流入する液体によって洗浄することができる。つまり、液体浄化装置10において、濾材2の洗浄には、濾材2を通過して浄化された液体が利用されることはない。そのため、液体浄化装置10では、原液から得られた浄化液の液量を確保することができる。また、液体浄化装置10は、原液から得られた浄化液を一次側空間1cから濾材2に通過させるための送水器を備える必要が無い。
【0081】
以上のように、本実施形態によれば、高精度の検出装置を用いることなく、濾材2に実際に付着した不純物の量が反映された被浄化対象液体の濁度を精度よく検出することにより、濾材2の洗浄時期を的確に判断することが可能な液体浄化装置10を提供することができる。
【0082】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
【符号の説明】
【0083】
1:容器、1c:一次側空間、2:濾材、3:供給路、4:検出部、12:滞留部、18:排水路、22:濾過部、24:(濾材の)下端、31:流入口、41:発光部、42:受光部、52:電磁弁、54:排水口


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が流れる容器と、
前記容器に収容され、液体に含まれる不純物を除去する濾材と、
前記容器の内部のうち、液体が前記濾材を通過する前の空間である一次側空間と、
前記一次側空間に向かって開口した流入口を有し、前記一次側空間に接続され、前記容器の外部から前記一次側空間に液体を供給する供給路と、
前記一次側空間に形成され、前記供給路から前記一次側空間に供給される液体に含まれる不純物と前記濾材から剥離した不純物とを滞留させる滞留部と、
前記滞留部に滞留した不純物を含む被浄化対象液体の濁度を検出する検出部と、
を備えた、液体浄化装置。
【請求項2】
前記供給路から前記一次側空間に供給される液体の全量を前記濾材に通過させる、
請求項1に記載の液体浄化装置。
【請求項3】
前記濾材は、前記一次側空間に面し且つ前記容器の外部から前記一次側空間に供給された液体を濾過する濾過部を有し、
前記濾過部の表面は前記一次側空間に露出している、
請求項1または請求項2に記載の液体浄化装置。
【請求項4】
前記滞留部は、上下方向に関して前記濾材の下方に配置されている、
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の液体浄化装置。
【請求項5】
前記容器の内部のうち、液体が前記濾材を通過した後の空間である二次側空間をさらに備え、
前記二次側空間は、上下方向に関して前記一次側空間よりも上方に配置されている、
請求項4に記載の液体浄化装置。
【請求項6】
前記供給路の前記流入口は、上下方向に関して前記濾材の下端よりも上方に配置され、
前記滞留部は、上下方向に関して、前記流入口よりも下方に配置され、
前記供給路は、略水平方向に延びている、
請求項5に記載の液体浄化装置。
【請求項7】
前記容器は略円筒形状を有し、
前記供給路は複数の略円筒状の管が互いに接続されることによって形成され、
前記供給路の前記流入口の口径は、前記滞留部での前記容器の内径よりも小さい、
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の液体浄化装置。
【請求項8】
前記検出部は、光を発光させる発光部と、前記発光部から発光される光を受光する受光部と、を有している、
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の液体浄化装置。
【請求項9】
前記一次側空間に向かって開口した排水口を有し、前記一次側空間に接続され、前記一次側空間に溜められる液体を排水する排水路と、
前記排水路に配置され、前記一次側空間から前記排水口を介して前記排水路に液体を排水するときの通水と非通水とを切り換える電磁弁と、をさらに備えた、
請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の液体浄化装置。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−61439(P2012−61439A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209111(P2010−209111)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】