説明

液体現像剤

【課題】トナー粒子の分散安定性に優れた液体現像剤を提供すること。
【解決手段】本発明の液体現像剤は、空孔率が10%以上70%以下のトナー母粒子と、当該トナー母粒子の表面に形成された表面層とを備えたトナー粒子が、絶縁性液体に分散したことを特徴とする。トナー母粒子は、ポリエステル樹脂と着色剤とを含むトナー材料で構成されているのが好ましい。表面層は、シリコーンワックス、ピロリドン骨格を有する化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む材料で構成されているのが好ましい。表面層は、前記トナー母粒子表面の孔と連通した貫通孔を有し、前記表面層の外表面における前記貫通孔の孔径は、前記トナー母粒子表面の孔の孔径よりも小さいのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体現像剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
潜像担持体上に形成した静電潜像を現像するために用いられる現像剤には、顔料等の着色剤および結着樹脂を含む材料で構成されるトナーを乾式状態で用いる乾式トナーと、トナーを電気絶縁性の担体液(絶縁性液体)に分散した液体現像剤(液体トナー)(例えば特許文献1参照)とがある。
乾式トナーを用いる方法は、固体状態のトナーを取り扱うので、取り扱い上の有利さはあるものの、粉体による人体等への悪影響が懸念されるほか、トナーの飛散による汚れ、トナーを分散した際の均一性等に問題がある。また、乾式トナーでは、粒子の凝集が起こり易く、トナー粒子の大きさを十分に小さくするのが困難であり、解像度の高いトナー画像を形成するのが困難であるという問題がある。また、トナー粒子の大きさを比較的小さなものとした場合には、上述したような粉体であることによる問題が更に顕著なものとなる。
【0003】
一方、液体現像剤を用いる方法では、液体現像剤中におけるトナー粒子の凝集が効果的に防止されるため、微細なトナー粒子を用いることが可能であり、また、結着樹脂として、乾式トナーで用いる樹脂材料よりも低軟化点(低軟化温度)のものを用いることができる。その結果、液体現像剤を用いる方法では、細線画像の再現性が良く、階調再現性が良好で、カラーの再現性に優れており、また、高速での画像形成方法としても優れているという特徴を有している。
しかしながら、従来の液体現像剤では、保存時にトナー粒子が沈降し、トナー粒子同士が凝集してしまうといった問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−219380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、トナー粒子の分散安定性に優れた液体現像剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の液体現像剤は、空孔率が10%以上70%以下のトナー母粒子と、当該トナー母粒子の表面に形成された表面層とを備えたトナー粒子が、絶縁性液体に分散したことを特徴とする。
これにより、トナー粒子の分散安定性に優れた液体現像剤を提供することができる。
【0007】
本発明の液体現像剤では、前記トナー母粒子は、ポリエステル樹脂と着色剤とを含むトナー材料で構成されていることが好ましい。
これにより、分散安定性により優れたものとすることができるとともに、定着の際のエネルギーをより小さいものとすることができる。
本発明の液体現像剤では、前記表面層は、シリコーンワックス、ピロリドン骨格を有する化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む材料で構成されていることが好ましい。
これにより、トナー粒子の分散安定性を特に優れたものとすることができる。
【0008】
本発明の液体現像剤では、前記表面層は、前記トナー母粒子表面の孔と連通した貫通孔を有し、
前記表面層の外表面における前記貫通孔の孔径は、前記トナー母粒子表面の孔の孔径よりも小さいことが好ましい。
これにより、トナー母粒子内に絶縁性液体が浸入するのをより効果的に防止しつつ、トナー粒子の比重をより小さいものとすることができる。その結果、トナー粒子の分散安定性をより優れたものとすることができるとともに、保存安定性にもより優れたものとすることができる。
【0009】
本発明の液体現像剤では、トナー粒子の体積平均粒径が、1μm以上10μm以下であり、
前記トナー粒子の平均円形度が0.880以上0.995以下であることが好ましい。
これにより、液体現像剤の保存安定性、転写効率等を特に優れたものとすることができる。
【0010】
本発明の液体現像剤では、分散剤として、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、ビニル基、アルキル基なる群から選択される1種の官能基を含有し、前記絶縁性液体に可溶なシロキサン化合物を含むことが好ましい。
これにより、トナー粒子の分散安定性をより優れたものとすることができる。
本発明の液体現像剤では、帯電制御剤として、4級化カチオン性シリコーンを含むことが好ましい。
これにより液体現像剤の帯電特性を特に優れたものとすることができる。
本発明の液体現像剤では、前記絶縁性液体は、シリコーンオイルで構成されていることが好ましい。
これにより、液体現像剤の生産性を特に優れたものとすることができるとともに、液体現像剤中におけるトナー粒子の分散安定性を特に優れたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の液体現像剤が適用される画像形成装置の一例を示す模式図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の一部を拡大した拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施形態について、詳細に説明する。
≪液体現像剤≫
本発明の液体現像剤は、トナー粒子が絶縁性液体に分散したものである。
本発明において、絶縁性液体中に分散したトナー粒子は、空孔率が10%以上70%以下のトナー母粒子と、当該トナー母粒子の表面に形成された表面層とを備えている。
【0013】
このような特徴を有することにより、液体現像剤は、トナー粒子の分散安定性に優れたものとなり、保存安定性に優れたものとなる。これは、上記のようなトナー母粒子と表面層で構成されたトナー粒子は、従来のトナー粒子に比べて、比重が低くなるため、絶縁性液体中で沈降しづらくなり、安定して分散しやすくなったためであると考えられる。また、沈降しづらくなったことから、沈降によるトナー粒子の凝集等が防止されたため、保存安定性が向上したものと考えられる。
【0014】
また、このような構成とすることにより、トナー粒子を構成する樹脂の量が従来のトナー粒子よりも少なくすることができ、トナー粒子を定着させる際の定着エネルギーを小さくすることができる。また、材料のコストも下げることができる。
トナー粒子の体積平均粒径(D50)が、1μm以上10μm以下であるのが好ましい。これにより、液体現像剤の保存安定性、転写効率等を特に優れたものとすることができる。
【0015】
本明細書において、体積平均粒径(D50)とは、「光散乱法による球換算50%平均粒子径(D50)」を意味し、以下のようにして得られる値である。すなわち、分散媒中の粒子に光を照射し、前記分散媒の前方・側方・後方に配置されたディテクターによって、発生する回折散乱光を測定する。前記測定値を利用して、本来は不定形である粒子を、球形であると仮定し、該粒子の体積と等しい球に換算された粒子集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その際の累積値が50%となる点を、体積平均粒径とする。測定装置としては、例えば、レーザー回折・散乱式粒度分析計 マイクロトラックMT−3000(日機装社製)などが挙げられる。なお、後述の実施例における体積平均粒径(D50)は、前記のマイクロトラックMT−3000で測定した値である。
【0016】
測定対象の粒子の投影像の周囲長をL[μm]、当該測定対象の粒子の投影像の面積に等しい面積の真円の周囲長をL[μm]とし、当該粒子についての円形度をL/Lで表されるものとした場合において、トナー粒子の平均円形度は、0.880以上0.995以下であるのが好ましい。これにより、液体現像剤の保存安定性、転写効率等を特に優れたものとすることができる。
【0017】
以下、各構成成分について詳細に説明する。
<トナー粒子>
上述したように、トナー粒子は、空孔率が10%以上70%以下のトナー母粒子と、当該トナー母粒子の表面に形成された表面層とを備えている。これにより、トナー粒子の比重が軽くなり、絶縁性液体中への分散性が向上する。また、表面層を有することで、トナー母粒子の孔に絶縁性液体が浸入するのを防止することができ、トナー粒子の分散安定性を保持することができる。
【0018】
以下、トナー母粒子および表面層について詳細に説明する。
[トナー母粒子]
トナー母粒子は、トナー母粒子表面において開口する複数の孔を有している。このような孔を有することにより、トナー粒子の比重を下げることができ、トナー粒子の分散安定性、保存安定性に優れたものとすることができる。
【0019】
本発明において、トナー母粒子の空孔率は、10%以上70%以下であるが、20%以上50%以下であるのがより好ましい。これにより、トナー粒子の分散安定性をより優れたものとすることができる。
このようなトナー母粒子は、樹脂材料と、着色剤とで構成されたトナー材料で構成されている。
【0020】
(樹脂材料)
本発明においては、樹脂材料は、特に限定されず、例えば、公知の樹脂を用いることができる。
特に、樹脂材料としては、ポリエステル樹脂を含むものを用いるのが好ましい。ポリエステル樹脂は、透明性が高く、結着樹脂として用いた場合、得られる画像の発色性を高いものとすることができるため、樹脂材料として好適に用いることができる。また、分散安定性により優れたものとすることができるとともに、定着の際のエネルギーをより小さいものとすることができる。
なお、樹脂材料中におけるポリエステル樹脂の含有量は、50wt%以上であるのが好ましく、80wt%以上であるのがより好ましい。
【0021】
また、本発明で用いる樹脂材料のガラス転移点(Tg)は、15〜70℃であるのが好ましく、20〜55℃であるのがより好ましい。これにより、後述する加熱工程において、後述するような塩基性化合物をトナー粒子の表面により効果的に移動させることができ、得られる液体現像剤の正帯電の帯電特性をより安定したものとすることができる。なお、本明細書で、ガラス転移点とは、示差走査熱量測定機DSC−220C(SII製)における測定条件:サンプル量10mg、昇温速度10℃/min、測定温度範囲10〜150℃で測定した際に、ガラス転移点以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間での最大傾斜を示す接線との交点の温度をいう。
【0022】
また、樹脂材料の軟化点(T1/2)は、特に限定されないが、50〜130℃であるのが好ましく、50〜120℃であるのがより好ましく、60〜115℃であるのがさらに好ましい。なお、本明細書で、軟化温度とは、高化式フローテスター(島津製作所製)における測定条件:昇温速度:5℃/min、ダイ穴径1.0mmで規定される軟化開始温度のことを指す。
【0023】
(着色剤)
本発明において用いられる着色剤としては、特に限定されず、例えば、公知の顔料、染料等を使用することができる。
(その他の成分)
また、トナー材料は、上記以外の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、公知のワックス、磁性粉末等が挙げられる。
また、トナー材料としては、上記のような材料のほかに、例えば、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化セリウム、シリカ、酸化チタン、酸化鉄、脂肪酸、脂肪酸金属塩等を用いてもよい。
【0024】
[表面層]
表面層は、トナー母粒子を覆うように形成されている層であり、トナー母粒子の有する孔に絶縁性液体が浸入するのを防止する機能を備えている。これにより、トナー母粒子の有する孔に絶縁性液体が浸入することによって、分散安定性が低下するのを防止することができる。
このような表面層は、トナー母粒子表面を完全に覆うよう形成されていてもよいし、トナー母粒子表面の一部が露出するように形成されていてもよい。
【0025】
後者の場合において、表面層は、以下のようなものであるのが好ましい。すなわち、表面層がトナー母粒子表面の孔と連通した貫通孔を有しており、表面層の外表面における貫通孔の孔径が、トナー母粒子表面の孔の孔径よりも小さいものであるのが好ましい。このような構成とすることにより、トナー母粒子内に絶縁性液体が浸入するのをより効果的に防止しつつ、トナー粒子の比重をより小さいものとすることができる。その結果、トナー粒子の分散安定性をより優れたものとすることができるとともに、保存安定性にもより優れたものとすることができる。
【0026】
このような表面層を形成する材料としては、特に限定されないが、シリコーンワックス、ピロリドン骨格を有する化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む材料を用いるのが好ましい。これにより、トナー粒子の分散安定性を特に優れたものとすることができる。
シリコーンワックスとしては、例えば、アクリル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等が挙げられる。
【0027】
アルキル変性シリコーンとしては、例えば、AMS−C30 Cosmetic Wax(東レダウコーニング社製)、2503 Cosmetic Wax(東レダウコーニング社製)等が挙げられる。
ピロリドン骨格を有する化合物としては、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP Kシリーズ、ISPジャパン製)、α−オレフィン・ビニルピロリドン共重合体(ANTARONシリーズ、ISPジャパン製)酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体(PLASDONEシリーズ、ISPジャパン製)等が挙げられる。
【0028】
表面層を構成する材料の融点は、上記トナー母粒子の樹脂材料のガラス転移温度よりも低いのが好ましい。これにより、後述するような方法により、トナー粒子を容易に製造することができる。
なお、表面層を構成する上記材料は、トナー母粒子内に含まれていてもよい。これにより、トナー母粒子と表面層との密着性をより高いものとすることができる。
【0029】
<絶縁性液体>
絶縁性液体は、上述したようなトナー粒子を分散する分散媒として機能する。
また、絶縁性液体は、画像形成時において帯電したトナー粒子を転写させるために、高い絶縁性を有する。
絶縁性液体は、十分に絶縁性の高い液体であればよいが、具体的には、室温(20℃)での電気抵抗が1×10Ωcm以上であるのが好ましく、1×1011Ωcm以上であるのがより好ましく、1×1013Ωcm以上であるのがさらに好ましい。
また、絶縁性液体の比誘電率は、3.5以下であるのが好ましい。
【0030】
絶縁性液体としては、例えば、KF−99、KF−96、KF−995(以上、信越化学工業)、AK35、AK50、AK100、AK350、AK1000(以上、Wacker Chemie AG)、SH200、SH510、SH8400(以上、東レダウコーニング)等のジメチルシリコーンオイルや、ハイドロジェン変性シリコーン化合物等の重合度が20より大きいシリコーンオイル;シクロペンタンシロキサン、デカメチルシクロペンタンシロキサン等の環状シロキサン化合物やメチルトリス(トリメチルシロキシ)シラン等の重合度が20以下の低分子シロキサン化合物;アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL(アイソパー;エクソン化学社の商品名)、シエルゾール70、シエルゾール71(シエルゾール;シエルオイル社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムスコ;スピリッツ社の商品名)、低粘度・高粘度流動パラフィン(和光純薬工業)等の鉱物油(炭化水素系液体);脂肪酸グリセリド、脂肪酸モノエステル、中鎖脂肪酸エステル等の脂肪酸エステルまたはそれらを含む植物油;オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、酢酸ブチル、イソプロパノール等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本工程では、絶縁性液体として、上述した中でも、シリコーンオイルを用いるのが好ましい。これにより、液体現像剤の生産性を特に優れたものとすることができるとともに、液体現像剤中におけるトナー粒子の分散安定性を特に優れたものとすることができる。
【0031】
<分散剤>
本発明の液体現像剤は、上記成分の他、絶縁性液体に可溶な分散剤を含んでいてもよい。分散剤を含むことにより、トナー粒子の分散安定性をより優れたものとすることができる。
分散剤としては、特に限定されないが、以下に示すようなポリシロキサン分散剤を用いることができる。これにより、トナー粒子の分散安定性をさらに優れたものとすることができる。
ポリシロキサン分散剤は、直鎖状ポリシロキサンまたは環状ポリシロキサンまたは分枝鎖状ポリシロキサン、またはそれらの組合せを含む群から選択される。
ポリシロキサン分散剤は、以下の一般構造によって表されるポリシロキサンポリマーであることができる。
【0032】
【化1】

(式中、Rは、アルキル(−CH3)基またはヒドロキシル基(−OH)を表し、X1およびX2は、(1)アミン基(−NH2);(2)カルボン酸基(−COOH);(3)ビニル基(−CH=CH2);(4)ヒドロキシル基(−OH);(5)アルキル基(−CH3)、しかし、この場合、XまたはXのいずれかが、上記(1)〜(4)から選択される官能基も含む;(6)適切な化学量論比で、上記(1)〜(4)から選択される官能基を含むアルキル基、すなわち、−RX、−RXR、−RXRX、−XR、−XRX、−XRXR(この場合、Xは、上記(1)〜(4)から選択される官能基であり、Rは、アルキル基である))
【0033】
このようなポリシロキサン分散剤の粘度は、90,000mPa.s以下であることが好ましい。
【0034】
<帯電制御剤>
本発明の液体現像剤は、上記成分の他、帯電制御剤を含んでいてもよい。
帯電制御剤としては、絶縁性液体に可溶であれば特に限定されないが、4級カチオン性シリコーンを用いるのが好ましい。これにより、液体現像剤の帯電特性を特に優れたものとすることができる。
4級カチオン性シリコーンとは、第4級アンモニウム基を持つシリコーンのことを意味し、「第4級アンモニウム基を持つシリコーン」なる表現は、一または複数の第4級アンモニウム基を有する任意のシリコーンを意味する。これらの第4級アンモニウム基は、側方基の形態でアルファ又はオメガ位に結合しうる。それらはポリシロキサン骨格に直接結合してもよいし、又は炭化水素ベース鎖により担持されていてもよい。
【0035】
本発明においては、一般的に許容されているところに従って、「シリコーン」なる用語は、シロキサン結合(−Si−O−Si−)として知られている結合により、ケイ素と酸素原子とが互いに交互に結合したものをベースにした構造を有し、さらにケイ素−炭素結合の存在により特徴付けられる任意のポリマーを意味する。これらのシリコーン類又はポリシロキサン類は、一般的に適切に官能化されたシラン類の重縮合により得られる。ケイ素原子により最も一般的に担持される炭化水素ベース基は、低級アルキル基、特にメチル、フルオロアルキル基及びアリール基、特にフェニルである。このようなシリコーン類は、例えばゴールドシュミット社(Goldschmidt)から、アビル・クワット(AbilQuat)3272、アビルB9905、アビル・クワット3474及びアビルK3270の名称で、リポ・フランス社(LipoFrance)からシルクワット(Silquat)Q−100、シルクワットQ−200WS、シルクワットAX、シルクワットAC、シルクワットAD及びシルクワットAM(全てシルテック社(Siltech)製造)の名称で、OSI社からマグナソフト・イグゾースト(MagnasoftExhaust)及びシルソフト(Silsoft)C−880の名称で、及びUCIB社からペコシル(Pecosil)14−PQ及びペコシル36−PQ(フェニックス・ケミカル社(PhoenixChemical)製造)の名称で販売されている。
【0036】
これらのシリコーン類は、特に欧州特許第530974号、独国特許第3719086号、独国特許第3705121号、欧州特許第617607号及び欧州特許第714654号に記載されている。等が挙げられる。中でも、SilsenseQ−Plus(ルーブリゾール社製)が特に好ましい。物質Bとして、SilsenseQ−Plus(ルーブリゾール社製)を用いることにより、トナー粒子の正帯電の帯電特性を特に優れたものとすることができるとともに、最終的に得られる液体現像剤の保存安定性を特に優れたものとすることができる。
【0037】
≪液体現像剤の製造方法≫
次に、本発明の液体現像剤の製造方法の一例について説明する。
本実施形態の液体現像剤の製造方法は、トナー母粒子を形成するトナー母粒子形成工程と、トナー母粒子を絶縁性液体中で加熱処理をし、トナー母粒子の表面に表面層を形成する工程と、トナー粒子を絶縁性液体に分散させる工程とを有している。
【0038】
以下、各工程について詳細に説明する。
<トナー母粒子形成工程>
上記のような空孔率のトナー母粒子を形成する方法としては、特に限定されないが、以下のように形成するのが好ましい。
すなわち、有機溶媒中に溶解・分散されたトナー材料の連続相中に、微細に分散された孔安定化親水コロイドの第1水溶液を混合し、油中水エマルジョンの形成する第1工程と、安定剤ポリマーを含有する第2水性相中に油中水エマルジョンを分散することにより、水中油中水エマルジョンを形成する第2工程と、液状成分を除去する第3工程とを有している。これにより、多孔質のトナー母粒子を容易に形成することができる。なお、本実施形態では、トナー材料には、上述した表面層を形成する材料を含んでいる。
【0039】
[第1工程]
本工程では、有機溶媒中に溶解・分散された上記トナー材料の連続相中に、微細に分散された孔安定化親水コロイドの第1水溶液を混合することにより、油中水エマルジョンの形成するを形成する。
第1工程で用いる孔安定化親水コロイドとしては、天然および合成の、水溶性または水膨潤性ポリマー、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のカルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース誘導体、アルカリ処理ゼラチン(例えば牛骨または牛皮ゼラチン)、酸処理ゼラチン(例えば豚皮ゼラチン)等のゼラチン、アセチル化ゼラチン、およびフタル酸ゼラチン等のゼラチン誘導体、タンパク質およびタンパク質誘導体のような物質、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルラクタム)、アクリルアミドポリマー、ポリビニルアセタール、アルキルおよびスルホアルキルアクリレートおよびメタクリレートのポリマー、加水分解ポリビニルアセテート、ポリアミド、ポリビニルピリジン、メタクリルアミドコポリマー、水溶性ミクロゲル、高分子電解質、およびこれらの混合物等の合成高分子バインダー等を挙げることができる。
【0040】
[第2工程]
本工程では、安定剤ポリマーを含有する第2水性相中に油中水エマルジョンを分散することにより、水中油中水エマルジョンを形成する。
安定剤ポリマーとしては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、コロイダルシリカ等を挙げることができる。
[第3工程]
本工程では、水中油中水エマルジョンを含む分散液から、液状成分を除去することにより、多孔質なトナー母粒子(または、トナー母粒子の前身)を得ることができる。
この除去方法としては、例えば、噴霧乾燥等を挙げることができる。
【0041】
<トナー母粒子の表面に表面層を形成する工程>
次に、上記のようにして得られたトナー母粒子の表面に表面層を形成する。
具体的には、得られたトナー母粒子を絶縁性液体中に分散させた分散体に対して、撹拌しつつ、熱処理を施す。これにより、トナー母粒子表面にトナー母粒子中に含まれる表面層の構成材料がしみ出てきて、トナー母粒子表面に表面層が形成される。これにより、トナー粒子が絶縁性液体中に分散した液体現像剤が得られる。
本工程では、前記樹脂材料のガラス転移温度よりも高い温度で熱処理を施すのが好ましい。これにより、トナー母粒子表面にトナー母粒子中に含まれる表面層の構成材料をより容易に染み出させることができ、表面層をより容易に形成することができる。
【0042】
≪画像形成装置≫
次に、本発明の液体現像剤が適用される画像形成装置の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明の液体現像剤が適用される画像形成装置の好適な実施形態を示す模式図、図2は、図1に示す画像形成装置の一部を拡大した拡大図である。
【0043】
画像形成装置1000は、図1、図2に示すように、4つの現像部30Y、30M、30C、30Kと、転写部(中間転写部40および2次転写ユニット(2次転写部)60)と、定着部(定着装置)F40と、4つの液体現像剤補給部90Y、90M、90C、90Kとを有している。
現像部30Y、30M、30Cは、それぞれ、イエロー系液体現像剤(Y)、マゼンダ系液体現像剤(M)、シアン系の液体現像剤(C)で、潜像を現像し、各色に対応したカラーの単色像を形成する機能を有している。また、現像部30Kは、ブラック系液体現像剤(K)で、潜像を現像し、ブラック(黒)の単色像を形成する機能を有している。
【0044】
現像部30Y、30M、30C、30Kの構成は同様であるので、以下、現像部30Yについて説明する。
現像部30Yは、図2に示すように、像担持体の一例としての感光体10Yと、感光体10Yの回転方向に沿って、帯電ローラー11Yと、露光ユニット12Yと、現像ユニット100Yと、感光体スクイーズ装置101Yと、1次転写バックアップローラー51Yと、除電ユニット16Yと、感光体クリーニングブレード17Yと、現像剤回収部18Yとを有している。
【0045】
感光体10Yは、円筒状の基材とその外周面に形成され、例えばアモルファスシリコン等の材料で構成された感光層を有し、中心軸を中心に回転可能であり、本実施の形態においては、図2中の矢印で示すように時計回りに回転する。
感光体10Yは、後述する現像ユニット100Yにより液体現像剤が供給され、表面に液体現像剤の層が形成されるものである。
【0046】
帯電ローラー11Yは、感光体10Yを帯電するための装置であり、露光ユニット12Yは、レーザを照射することによって帯電された感光体10Y上に潜像を形成する装置である。この露光ユニット12Yは、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有しており、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等の不図示のホストコンピュータから入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザを帯電された感光体10Y上に照射する。
【0047】
現像ユニット100Yは、感光体10Y上に形成された潜像を、本発明の液体現像剤を用いて現像するための装置である。なお、現像ユニット100Yの詳細については後述する。
感光体スクイーズ装置101Yは、現像ユニット100Yより回転方向下流側に、感光体10Yに対向して配置されており、感光体スクイーズローラー13Yと、該感光体スクイーズローラー13Yに押圧摺接して表面に付着した液体現像剤を除去するクリーニングブレード14Yと、除去された液体現像剤を回収する現像剤回収部15Yとで構成される。この感光体スクイーズ装置101Yは、感光体10Yに現像された現像剤から余剰なキャリア(絶縁性液体)および本来不要なカブリトナーを回収し、顕像内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。
【0048】
1次転写バックアップローラー51Yは、感光体10Yに形成された単色像を、後述する中間転写部40に転写するための装置である。
除電ユニット16Yは、1次転写バックアップローラー51Yによって中間転写部40上に中間転写像が転写された後に、感光体10Y上の残留電荷を除去する装置である。
感光体クリーニングブレード17Yは、感光体10Yの表面に当接されたゴム製の部材で、1次転写バックアップローラー51Yによって中間転写部40上に像が転写された後に、感光体10Y上に残存する液体現像剤を掻き落として除去する機能を有している。
【0049】
現像剤回収部18Yは、感光体クリーニングブレード17Yにより除去された液体現像剤を回収する機能を有している。
中間転写部40は、エンドレスの弾性ベルト部材であり、図示しないモータの駆動力が伝達されるベルト駆動ローラー41および一対の従動ローラー44、45に張架されている。また、中間転写部40は、1次転写バックアップローラー51Y、51M、51C、51Kで感光体10Y、10M、10C、10Kと当接しながらベルト駆動ローラー41により反時計回りに回転駆動される。
【0050】
さらに、中間転写部40は、テンションローラー49によって所定のテンションが付与されて、たるみが除去されるようになっている。このテンションローラー49は、一方の従動ローラー44より中間転写部40の回転(移動)方向下流側でかつ他方の従動ローラー45より中間転写部40の回転(移動)方向上流側に配設されている。
この中間転写部40に、1次転写バックアップローラー51Y、51M、51C、51Kにより、現像部30Y、30M、30C、30Kで形成された各色に対応した単色像が順次転写され、各色に対応した単色像が重ね合わされる。これにより、中間転写部40にフルカラー現像剤像(中間転写像)が形成される。
【0051】
中間転写部40には、このように複数の感光体10Y、10M、10C、10Kに形成した単色像を順次2次転写して重ね合わせて担持し、後述する2次転写ユニット60において一括して紙、フィルム、布等の記録媒体F5に2次転写する。そのため、2次転写行程において記録媒体F5にトナー画像を転写するに当たって、記録媒体F5表面が繊維質などによって平滑でないシート材であっても、この非平滑なシート材表面に倣って2次転写特性を向上させる手段として、弾性ベルト部材を採用している。
【0052】
また、中間転写部40には、中間転写部クリーニングブレード46、現像剤回収部47、非接触式バイアス印加部材48からなるクリーニング装置が配置されている。
中間転写部クリーニングブレード46および現像剤回収部47は、従動ローラー45側に配されている。
中間転写部クリーニングブレード46は、2次転写ユニット(2次転写部)60によって記録媒体F5上にトナー画像が転写された後に、中間転写部40上に付着した液体現像剤を掻き落として除去する機能を有している。
現像剤回収部47は、中間転写部クリーニングブレード46により除去された液体現像剤を回収する機能を有している。
【0053】
非接触式バイアス印加部材48はテンションローラー49に対向する位置に中間転写部40から離間して配設されている。この非接触式バイアス印加部材48は、二次転写後に中間転写部40上に残留する液体現像剤のトナー(固形分)に、このトナーと逆極性のバイアス電圧を印加するものである。これにより、トナーが除電されて中間転写部40へのトナーの静電付着力が低減されるようにしている。この例では、非接触式バイアス印加部材48として、コロナ帯電器が用いられている。
【0054】
なお、非接触式バイアス印加部材48は、必ずしもテンションローラー49に対向する位置に配設する必要はなく、例えば従動ローラー44とテンションローラー49との間の位置等、従動ローラー44より中間転写部の移動方向下流側で、かつ、従動ローラー45より中間転写部の移動方向上流側の任意の位置に配設することができる。また、非接触式バイアス印加部材48はコロナ帯電器以外の公知の非接触式帯電器を用いることもできる。
【0055】
また、1次転写バックアップローラー51Yより中間転写部40の移動方向下流側に、中間転写部スクイーズ装置52Yが配されている。
この中間転写部スクイーズ装置52Yは、中間転写部40上に転写された液体現像剤が望ましい分散状態に至っていない場合に、転写された液体現像剤から余剰の絶縁性液体を除去する手段として設けられている。
【0056】
中間転写部スクイーズ装置52Yは、中間転写部スクイーズローラー53Yと、中間転写部スクイーズローラー53Yに押圧摺接して表面をクリーニングする中間転写部スクイーズクリーニングブレード55Yと、中間転写部スクイーズクリーニングブレード55Yで除去された液体現像剤を回収する現像剤回収部56Yとから構成される。
中間転写部スクイーズ装置52Yは、中間転写部40に1次転写された現像剤から余剰な絶縁性液体を回収し、像内のトナー粒子比率を上げると共に、本来不要なカブリトナーを回収する機能を有する。
【0057】
2次転写ユニット60は、互いに転写材移動方向に沿って所定間隔離間して配置された一対の2次転写ローラーを備えている。これらの一対の2次転写ローラーのうち、中間転写部40の移動方向の上流側に配置される2次転写ローラーが上流側2次転写ローラー64である。この上流側2次転写ローラー64は、ベルト駆動ローラー41に中間転写部40を介して圧接可能となっている。
【0058】
また、一対の2次転写ローラーのうち、転写材の移動方向の下流側に配置される2次転写ローラーが下流側2次転写ローラー65である。この下流側2次転写ローラー65は、従動ローラー44に中間転写部40を介して圧接可能となっている。
すなわち、上流側2次転写ローラー64、下流側2次転写ローラー65は、それぞれ、ベルト駆動ローラー41および従動ローラー44に掛けられた中間転写部40に記録媒体F5を当接させて、中間転写部40上に色重ねして形成された中間転写像を記録媒体F5に2次転写する。
【0059】
この場合、ベルト駆動ローラー41および従動ローラー44は、それぞれ上流側2次転写ローラー64、下流側2次転写ローラー65のバックアップローラーとしても機能する。すなわち、ベルト駆動ローラー41は、2次転写ユニット60において従動ローラー44より記録媒体F5の移動方向上流側に配置される上流側バックアップローラーとして兼用される。また、従動ローラー44は、2次転写ユニット60においてベルト駆動ローラー41より記録媒体F5の移動方向下流側に配置される下流側バックアップローラーとして兼用される。
【0060】
したがって、2次転写ユニット60に搬送されてきた記録媒体F5は、上流側2次転写ローラー64とベルト駆動ローラー41との圧接開始位置(ニップ開始位置)から下流側2次転写ローラー65と従動ローラー44との圧接終了位置(ニップ終了位置)までの転写材の所定の移動領域で中間転写部40に密着される。これにより、中間転写部40上のフルカラーの中間転写像が、中間転写部40に密着した状態の記録媒体F5に所定時間にわたって2次転写されるので、良好な2次転写が行われる。
【0061】
また、2次転写ユニット60は、上流側2次転写ローラー64に対して、2次転写ローラークリーニングブレード66と、現像剤回収部67とを備えている。また、2次転写ユニット60は、下流側2次転写ローラー65に対して、2次転写ローラークリーニングブレード68と、現像剤回収部69とを備えている。各2次転写ローラークリーニングブレード66、68は、それぞれ2次転写ローラー64、65に当接されて2次転写後に各2次転写ローラー64、65の表面に残留する液体現像剤を掻き落として除去する。また、各現像剤回収部67、69は、それぞれ各2次転写ローラークリーニングブレード66、68によって各2次転写ローラー64、65から掻き落とされた液体現像剤を回収して貯留する。
【0062】
2次転写ユニット60により記録媒体F5上に転写されたトナー画像(転写像)は、定着部(定着装置)F40に送られ、加熱および加圧されて、記録媒体F5上に定着される。
なお、定着温度(設定温度)は、具体的には、80℃以上160℃以下であるのが好ましく、100℃以上150℃以下であるのがより好ましく、100℃以上140℃以下であることがさらに好ましい。
【0063】
次に、現像ユニット100Y、100M、100C、100Kについて、詳細に説明する。なお、以下の説明では、代表的に、現像ユニット100Yについて説明する。
現像ユニット100Yは、図2に示すように、液体現像剤貯留部31Yと、塗布ローラー32Yと、規制ブレード33Yと、現像剤撹拌ローラー34Y、連通部35Yと、回収スクリュー36Yと、現像ローラー20Yと、現像ローラークリーニングブレード21Yとを有している。
【0064】
液体現像剤貯留部31Yは、感光体10Yに形成された潜像を現像するための液体現像剤を貯留する機能を備えており、液体現像剤を現像部に供給する供給部31aYと、供給部31aY等で発生した余剰の液体現像剤を回収する回収部31bYと、供給部31aYと回収部31bYとを仕切る仕切31cYとを備えている。
供給部31aYは、液体現像剤を塗布ローラー32Yに供給する機能を有し、現像剤撹拌ローラー34Yを設置した凹状の部分を有する。また、供給部31aYには、液体現像剤混合槽93Yから連通部35Yを通じて液体現像剤が供給される。
【0065】
回収部31bYは、供給部31aYに過剰に供給された液体現像剤や現像剤回収部15Y、24Yで生じた余剰な液体現像剤を回収するものである。回収された液体現像剤は、後述する液体現像剤混合槽93Yに搬送され、再利用される。また、回収部31bYは、凹状の部分を有し、その底付近に回収スクリュー36Yが設置されている。
供給部31aYと回収部31bYとの境界には、壁状の仕切31cYが設けられている。仕切31cYは、供給部31aYと回収部31bYとを仕切り、回収された液体現像剤の新鮮な液体現像剤への混入を防ぐことができる。また、供給部31aYに過剰の液体現像剤が供給された際に、過剰分の液体現像剤は、仕切31cYを超えて供給部31aYから回収部31bYへあふれ出ることができる。このため、供給部31aYの液体現像剤の量が一定に保持されることができ、塗布ローラー32Yに供給される液体現像剤の液量を一定に維持することができる。このため、最終的に形成される画像の画質が安定したものとなる。
【0066】
また、仕切31cYには、切欠部が設けられており、切欠部を通じて液体現像剤が供給部31aYから回収部31bYへあふれ出ることができる。
塗布ローラー32Yは、液体現像剤を現像ローラー20Yへ供給する機能を備えたものである。
この塗布ローラー32Yは、鉄等金属性のローラーの表面に溝が均一かつ螺旋状に形成されニッケルメッキが施された、いわゆるアニロクスローラーを呼称されるものであり、その直径は約25mmである。本実施形態では、塗布ローラー32Yの回転方向に対して斜めに複数の溝が、いわゆる切削加工や転造加工等によって形成されている。この塗布ローラー32Yは、反時計回りに回転しながら液体現像剤に接触することによって、溝に、供給部31aY内の液体現像剤を担持して、該担持した液体現像剤を現像ローラー20Yへ搬送する。
【0067】
規制ブレード33Yは、塗布ローラー32Yの表面に当接して、塗布ローラー32Y上の液体現像剤の量を規制する。すなわち、当該規制ブレード33Yは、塗布ローラー32Y上の余剰液体現像剤を掻き取って、現像ローラー20Yに供給する塗布ローラー32Y上の液体現像剤を計量する役割を果たす。この規制ブレード33Yは、弾性体としてのウレタンゴムからなり、鉄等金属製の規制ブレード支持部材より支持されている。また、規制ブレード33Yは、塗布ローラー32Yが回転して液体現像剤から進出する側(すなわち、図2中右側)に設けられている。なお、規制ブレード33Yのゴム硬度は、JIS−Aで約77度であり、規制ブレード33Yの、塗布ローラー32Y表面への当接部の硬度(約77度)は、後述する現像ローラー20Yの弾性体の層の塗布ローラー32Y表面への圧接部の硬度(約85度)よりも低くなっている。また、掻き取られた余剰の液体現像剤は、供給部31aYに回収され、再利用される。
【0068】
現像剤撹拌ローラー34Yは、液体現像剤を一様分散状態に撹拌する機能を備えたものである。これにより、複数個のトナー粒子が凝集した場合であっても、トナー粒子同士を好適に分散させることができる。
供給部31aY内において、液体現像剤の中のトナー粒子はプラスの電荷を有し、液体現像剤は、現像剤撹拌ローラー34Yにより撹拌されて一様分散状態になり、塗布ローラー32Yが回転することによって、液体現像剤貯留部31Yから汲み上げられ、規制ブレード33Yによって液体現像剤量が規制されて現像ローラー20Yに供給される。また、現像剤撹拌ローラー34Yによって撹拌されることにより、仕切31cYを超えて回収部31bY側に液体現像剤を安定して溢れさせることができ、液体現像剤が滞留し圧縮することを防ぐことができる。
【0069】
さらに、現像剤撹拌ローラー34Yは、連通部35Y付近に設けられている。このため、連通部35Yから供給された液体現像剤が素早く拡散することができ、液体現像剤が供給部31aYに補給されている場合であっても、供給部31aYの液面を安定したものとすることができる。このような現像剤撹拌ローラー34Yが連通部35Y付近に設けられることにより、連通部35Yが負圧になり、自然に液体現像剤が吸い上げられることができる。
【0070】
連通部35Yは、現像剤撹拌ローラー34Y鉛直下方に対して設けられ、液体現像剤貯留部31Yと連通し、液体現像剤混合槽93Yから液体現像剤を供給部31aYへ吸い上げる部分である。
連通部35Yを現像剤撹拌ローラー34Yの下方に設けることにより、連通部35Yから供給される液体現像剤は、現像剤撹拌ローラー34Yに止められることになり、吹き出しによる液上面の盛り上がりがなく、液上面がほぼ一定に保持され、塗布ローラー32Yに安定して現像剤を供給できる。
【0071】
また、回収部31bYの底部付近に設けられた回収スクリュー36Yは、円筒状の部材からなり、外周に螺旋状のリブを有し、回収した液体現像剤が流動性を保つ機能を有するとともに、液体現像剤の液体現像剤混合槽93Yへの搬送を促進させる機能を有している。
現像ローラー20Yは、感光体10Yに担持された潜像を液体現像剤により現像するために、液体現像剤を担持して感光体10Yと対向する現像位置に搬送する。
【0072】
現像ローラー20Yは、その表面に、前述した塗布ローラー32Yから液体現像剤を供給することにより、液体現像剤層を形成するものである。
この現像ローラー20Yは、鉄等金属製の内芯の外周部に、導電性を有する弾性体の層を備えたものであり、その直径は約20mmである。また、弾性体の層は、二層構造になっており、その内層として、ゴム硬度がJIS−A約30度で、厚み約5mmのウレタンゴムが、その表層(外層)として、ゴム硬度がJIS−A約85度で、厚み約30μmのウレタンゴムが備えられている。そして、現像ローラー20Yは、前記表層が圧接部となって、弾性変形された状態で塗布ローラー32Yおよび感光体10Yのそれぞれに圧接している。
【0073】
また、現像ローラー20Yは、その中心軸を中心として回転可能であり、当該中心軸は、感光体10Yの回転中心軸よりも下方にある。また、現像ローラー20Yは、感光体10Yの回転方向(図2において時計方向)と逆の方向(図2において反時計方向)に回転する。なお、感光体10Y上に形成された潜像を現像する際には、現像ローラー20Yと感光体10Yとの間に電界が形成される。
【0074】
なお、現像ユニット100Yにおいて、塗布ローラー32Yと現像ローラー20Yとは、異なる動力源(図示せず)によって、別駆動している。そして、塗布ローラー32Yと現像ローラー20Yと回転速度(線速度)比を変えることで、現像ローラー20Y上に供給される液体現像剤の量を調整することができる。
また、現像ユニット100Yは、現像ローラー20Yの表面に当接されたゴム製の現像ローラークリーニングブレード21Yと、現像剤回収部24Yとを有している。この現像ローラークリーニングブレード21Yは、前記現像位置で現像が行われた後に、現像ローラー20Y上に残存する液体現像剤を掻き落として除去するための装置である。現像ローラークリーニングブレード21Yにより除去された液体現像剤は、現像剤回収部24Y内に回収される。
【0075】
また、図1、図2に示すように、画像形成装置1000は、液体現像剤を現像部30Y、30M、30C、30Kに補給する液体現像剤補給部90Y、90M、90C、90Kを備えている。これらの液体現像剤補給部90Y、90M、90C、90Kは、それぞれ、液体現像剤タンク91Y、91M、91C、91Kと、絶縁性液体タンク92Y、92M、92C、92Kと、液体現像剤混合槽93Y、93M、93C、93Kとを備えている。
【0076】
各液体現像剤タンク91Y、91M、91C、91Kには、それぞれ各色に対応した高濃度の液体現像剤が収納されている。また、各絶縁性液体タンク92Y、92M、92C、92Kには、それぞれ絶縁性液体が収納されている。さらに、各液体現像剤混合槽93Y、93M、93C、93Kには、各液体現像剤タンク91Y、91M、91C、91Kからの所定量の各高濃度液体現像剤と、各絶縁性液体タンク92Y、92M、92C、92Kからの所定量の各絶縁性液体とが供給されるようになっている。
【0077】
そして、各液体現像剤混合槽93Y、93M、93C、93Kは、それぞれ、供給された各高濃度液体現像剤および各絶縁性液体をそれぞれ備え付けられた撹拌装置により混合撹拌して、各供給部31aY、31aM、31aC、31aKで使用する各色に対応した液体現像剤を作製する。各液体現像剤混合槽93Y、93M、93C、93Kでそれぞれ作製された各液体現像剤は、それぞれ各供給部31aY、31aM、31aC、31aKに供給されるようになっている。
【0078】
また、液体現像剤混合槽93Yには、回収部31bYで回収された液体現像剤が回収され、再利用される。液体現像剤混合槽93M、93C、93Kも同様である。
なお、上記装置を用いた画像形成は、色の異なる複数の液体現像剤(本発明の液体現像剤)を用いて、感光体10Y、10M、10C、10Kに、各色に対応する複数の単色像を形成する現像工程と、感光体に形成された複数の単色像を記録媒体F5に転写し、記録媒体F5上に複数の単色像を重ね合わせてなる未定着のトナー画像を形成する転写工程と、未定着のトナー画像を記録媒体F5上に定着する定着工程とにより行う。このような方法を用いることにより、発色性に優れた画像を容易に形成することができる。
【0079】
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本発明の液体現像剤は、前述したような画像形成装置に適用されるものに限定されない。
また、前述した実施形態では、画像形成装置として、コロナ放電器を有する構成について説明したが、コロナ放電器は無くてもよい。
【実施例】
【0080】
[1]液体現像剤の製造
以下のようにして、液体現像剤を製造した。温度が記載されていない工程については、室温(25℃)で行った。
(実施例1)
[トナー母粒子の形成]
CMC(カルボキシメチルセルロースナトリウム)分子量90K(6.25g)を蒸留水:125g中に溶解した。
【0081】
これを、汎用粉砕ヘッドを備えたSilverson L4Rホモジナイザーを使用して6800r.p.mで2分間にわたって、ポリエステル樹脂(ガラス転移温度55℃):82.48g、シアン系顔料(大日精化社製、ピグメントブルー15:3):12.58、α−オレフィン・ビニルピロリドン共重合体(アンタロンV−220F):12.58((顔料と同量)gを含有する酢酸エチル:329.94g中に分散した。8900psiの圧力でMicrofluidicsのMicrofluidizer Model #110Tを使用して、結果として生じた油中水エマルジョンをさらに均一化した。
【0082】
得られた油中水エマルジョンの366gを、pH4の緩衝剤および4.2gのLUDOX TM(登録商標)を含む900gの第2水性相中に、再びSilversonホモジナイザーを使用して2分間にわたって2800r.p.mで分散し、続いてGaulinコロイド・ミル内で均一化することにより、水中油中水二重エマルジョンを形成した。
次に、酢酸エチルを、低圧下で35℃のBuchi Rotovapor RE120を使用して蒸発させた。得られた懸濁液を、ガラス濾過器を使用して濾過し、水で数回にわたって洗浄し、そして16時間にわたって35℃で真空炉内で乾燥し、トナー母粒子を得た。トナー母粒子の体積平均粒径は10.9μmであり、そして空孔率は42%であった。
【0083】
<表面層形成工程>
次に、得られたトナー母粒子:20gと、4級カチオン性シリコーン(SilsenseQ−Plus、ルーブリゾール社製):0.1gと、水酸基及びアルキル基含有シリコーンレジン(DC593、東レダウコーニング社製):7.6gと、絶縁性液体としてのジメチルシリコーンオイル(KF−96、信越化学工業社製、50cs):77.4gとを混合して得られた分散体を、撹拌しつつ55℃で加熱した。その際、500rpmのせん断をかけた。熱処理は30分間行った。その後、室温まで自然冷却した。
【0084】
得られた液体現像剤中のトナー粒子の体積平均粒径は、10.8μm、平均円形度Rは、0.905であった。
得られた液体現像剤中のトナー粒子を顕微鏡で確認したところ、表面が表面層で覆われているのが確認された。また、表面層にはトナー母粒子の孔と連通する貫通孔が確認され、貫通孔の表面層の外表面での径はトナー母粒子表面における孔の径よりも小さかったことが確認された。
【0085】
(実施例2)
アンタロンV−220Fを、α−オレフィン・ビニルピロリドン共重合体(アンタロンWP−660)に変更した以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
(実施例3)
アンタロンV−220Fを、AMS−C30 Cosmetic Wax(東レダウコーニング社製)に変更した以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
(比較例)
アクリル変性シリコーンを添加せず、熱処理工程を行わなかった以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
【0086】
[2]評価
以上のようにして得られた液体現像剤に関して、以下のような評価を行った。
[2.1]現像効率
図1、図2に示すような画像形成装置を用いて、画像形成装置の現像ローラ上に前記各実施例および各比較例で得られた液体現像剤による液体現像剤層を形成した。次に、現像ローラの表面電位を300Vとし、感光体の表面電位を500Vで均一に帯電させ、感光体に露光を行い、感光体表面の帯電を減衰させ、表面電位を50Vとした。液体現像剤層が感光体と現像ローラとの間を通過した後の、現像ローラ上のトナー粒子と、感光体上のトナー粒子とをテープで採取した。採取に用いた各テープを記録紙上に貼り付け、それぞれのトナー粒子の濃度を測定した。測定後、感光体上で採取されたトナー粒子の濃度を、感光体上で採取されたトナー粒子の濃度と現像ローラ上で採取されたトナー粒子の濃度との総和で除した数値に100を掛けた値を現像効率として求め、以下の4段階の基準に従い評価した。
A :現像効率が96%以上であり、現像効率に特に優れる。
B :現像効率が90%以上96%未満であり、現像効率に優れる。
C :現像効率が80%以上90%未満であり、実用上問題のない。
D :現像効率が80%よりも小さく、現像効率に劣る。
【0087】
[2.2]転写効率
図1、図2に示すような画像形成装置を用いて、画像形成装置の感光体上に前記各実施例および各比較例で得られた液体現像剤による液体現像剤層を形成した。次に、液体現像剤層が感光体と中間転写部との間を通過した後の、感光体上のトナー粒子と、中間転写部上のトナー粒子とをテープで採取した。採取に用いた各テープを記録紙上に貼り付け、それぞれのトナー粒子の濃度を測定した。測定後、中間転写部上で採取されたトナー粒子の濃度を、感光体上で採取されたトナー粒子の濃度と中間転写部上で採取されたトナー粒子の濃度との総和で除した数値に100を掛けた値を転写効率として求め、以下の4段階の基準に従い評価した。
A :転写効率が96%以上であり、転写効率に特に優れる。
B :転写効率が90%以上96%未満であり、転写効率に優れる。
C :転写効率が80%以上90%未満であり、実用上問題のない。
D :転写効率が80%よりも小さく、転写効率に劣る。
【0088】
[2.3]定着強度
図1、図2に示すような画像形成装置を用いて、前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤による所定パターンの画像を記録紙(セイコーエプソン社製、上質紙 LPCPPA4)上に形成した。その後、定着の設定温度を60℃として、熱定着を行った。
その後、非オフセット領域を確認した後、記録紙上の定着像を消しゴム(ライオン事務機社製、砂字消し「LION 261−11」)を押圧荷重1.2kgfで2回擦り、画像濃度の残存率をX−Rite Inc社製「X−Rite model 404」により測定し、以下の5段階の基準に従い評価した。
【0089】
A :画像濃度残存率が96%以上(非常に良い)。
B :画像濃度残存率が90%以上96%未満(良い)。
C :画像濃度残存率が80%以上90%未満(普通)。
D :画像濃度残存率が70%以上80%未満(やや悪い)。
E :画像濃度残存率が70%未満(非常に悪い)。
【0090】
[2.3]分散安定性試験
[2.3.1]方法1
各実施例および各比較例で得られた液体現像剤10mLを試験管(口径12mm、長さ120mm)に入れ、10日間静置後の沈降した深さを測定し、以下の4段階の基準に従って評価した。
A :沈降した深さが0mm。
B :沈降した深さが0mmよりも大きく、2mm以下。
C :沈降した深さが2mmよりも大きく、5mm以下。
D :沈降した深さが5mmよりも大きい。
【0091】
[2.3.2]方法2
各実施例および各比較例で得られた液体現像剤45.5mLを遠沈管に入れ、回転半径5cm、回転数500、1000、2000、4000、5000rpm、3分間の条件で遠心分離機(コクサン社製)にかけた後、各回転数における沈降した深さを測定した。
遠心加速度rω(rω=1118×回転半径(cm)×1分当たりの回転数(rpm)×10−8×g(重力加速度))を横軸にとり、沈降した深さを縦軸にとって、上記測定結果に基づいてプロットした。各プロットに基づいて、1次近似により傾きkを求め、下記基準に従い評価した。なお、kの値が低いほど、分散安定性が高いと言える。
【0092】
A:0≦k<0.004
B:0.004≦k<0.008
C:0.008≦k<0.012
D:k≧0.012
これらの結果を表1に示す。
【0093】
【表1】

【0094】
表2から明らかなように、本発明の液体現像剤は、トナー粒子の長期分散安定性に優れていた。また、本発明の液体現像剤は、現像効率、転写効率、定着強度にも優れていた。これに対し、比較例の液体現像剤では、満足な結果が得られなかった。
【符号の説明】
【0095】
1000…画像形成装置 10Y、10M、10C、10K…感光体 11Y…帯電ローラー 12Y、12M、12C、12K…露光ユニット 13M、13Y…感光体スクイーズローラー 14M、14Y…クリーニングブレード 15M、15Y…現像剤回収部 16Y…除電ユニット 17Y…感光体クリーニングブレード 18Y…現像剤回収部 20Y、20M、20C、20K…現像ローラー 21Y…現像ローラークリーニングブレード 24Y…現像剤回収部 30Y、30M、30C、30K…現像部 31Y…液体現像剤貯留部 31aY、31aM、31aC、31aK…供給部 31bY…回収部 31cY…仕切 32Y…塗布ローラー 33Y…規制ブレード 34Y…現像剤撹拌ローラー 35Y…連通部 36Y…回収スクリュー 40…中間転写部 41…ベルト駆動ローラー 44、45…従動ローラー 46…中間転写部クリーニングブレード 47…現像剤回収部 48…非接触式バイアス印加部材 49…テンションローラー 51Y、51M、51C、51K…1次転写バックアップローラー 52Y…中間転写部スクイーズ装置 53Y…中間転写部スクイーズローラー 55Y…中間転写部スクイーズクリーニングブレード 56Y…現像剤回収部 60…2次転写ユニット 64…上流側2次転写ローラー 65…下流側2次転写ローラー 66、68…2次転写ローラークリーニングブレード 67、69…現像剤回収部 90Y、90M、90C、90K…液体現像剤補給部 91Y、91M、91C、91K…液体現像剤タンク 92Y、92M、92C、92K…絶縁性液体タンク 93Y、93M、93C、93K…液体現像剤混合槽 100Y…現像ユニット 101Y…感光体スクイーズ装置 F40…定着部(定着装置) F5…記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空孔率が10%以上70%以下のトナー母粒子と、当該トナー母粒子の表面に形成された表面層とを備えたトナー粒子が、絶縁性液体に分散したことを特徴とする液体現像剤。
【請求項2】
前記トナー母粒子は、ポリエステル樹脂と着色剤とを含むトナー材料で構成されている請求項1に記載の液体現像剤。
【請求項3】
前記表面層は、シリコーンワックス、ピロリドン骨格を有する化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む材料で構成されている請求項1または2に記載の液体現像剤。
【請求項4】
前記表面層は、前記トナー母粒子表面の孔と連通した貫通孔を有し、
前記表面層の外表面における前記貫通孔の孔径は、前記トナー母粒子表面の孔の孔径よりも小さい請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液体現像剤。
【請求項5】
トナー粒子の体積平均粒径が、1μm以上10μm以下であり、
前記トナー粒子の平均円形度が0.880以上0.995以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液体現像剤。
【請求項6】
分散剤として、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、ビニル基、アルキル基なる群から選択される1種の官能基を含有し、前記絶縁性液体に可溶なシロキサン化合物を含む請求項1ないし5のいずれか1項に記載の液体現像剤。
【請求項7】
帯電制御剤として、4級化カチオン性シリコーンを含む請求項1ないし6のいずれか1項に記載の液体現像剤。
【請求項8】
前記絶縁性液体は、シリコーンオイルで構成されている請求項1ないし7のいずれか1項に記載の液体現像剤。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−225954(P2012−225954A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90434(P2011−90434)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】