説明

液体現像剤

【課題】均一に帯電可能であり、記録媒体への定着阻害が抑制され、光沢性に優れていること。
【解決手段】液体現像剤における顔料は、特定のピラゾロトリアゾール系化合物と、キレート系化合物とを含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体現像剤に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置に用いられる現像剤としては、従来より粉体状の現像剤が用いられてきた。たとえば顔料としてキナクリドン系顔料を用いること(特許文献1)、および顔料として平均円形度が所定値以上の顔料を用いること(特許文献2〜4)などが提案されている。
【0003】
このような粉体状の現像剤(所謂トナー)は、顔料を樹脂中に分散させたものであるが、粒径を小さくすると分散性が悪くなり、均一に帯電することが困難になるという問題があることから、その粒径の下限値を5〜6μm以上にする必要があった。しかし、トナー粒子の粒径が大きくなると、高画質な画像が得られ難くなる。
【0004】
そこで、昨今では、トナー粒子が絶縁性液体に分散してなる液体現像剤が注目されている。液体現像剤では、絶縁性液体中で分散性を制御することができるので、トナー粒子の粒径を小さくすることができ、よって、高画質な画像が得られる。しかし、トナー粒子の粒径が小さくなると、画像濃度の低下を招くことがある。そのため、顔料の含有量を粉体状の現像剤の場合よりも増加させることにより、画像濃度の低下を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−002888号公報
【特許文献2】特開2003−316080号公報
【特許文献3】特開2002−328492号公報
【特許文献4】特開2002−229269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、トナー粒子中の顔料の含有量が多くなると、そのように多量の顔料を含む樹脂の硬度が高くなる効果(つまりフィラー効果)が大きくなるので、トナー粒子の硬度が高くなる。そのため、紙面などの記録媒体へのトナー粒子の定着阻害を引き起こすことがある。この定着阻害により、トナー粒子の光沢性の低下を招くことがある。
【0007】
また、トナー粒子中の顔料の含有量が多くなると、多量の顔料がトナー粒子の表面に露出する。顔料がトナー粒子において均一に分散されていなければ、顔料がトナー粒子の表面において不均一に存在することとなる。そのため、トナー粒子を均一に帯電させることが難しくなる。
【0008】
本発明は、このような状況下においてなされたものであって、その目的とするところは、均一に帯電可能であり記録媒体への定着阻害が抑制され、光沢性に優れた液体現像剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る液体現像剤は、顔料と樹脂とを含むトナー粒子が分散剤により絶縁性液体に分散されてなり、該顔料は、下記一般式(I)で表わされる化合物と下記一般式(II)で表わされる化合物とを含んでいる。
【0010】
【化1】

【0011】
(一般式(I)中、Rx1およびRx2は、各々独立に、置換基を有していても良いアルキル基を示す。Lxは、水素原子、および置換基を有していても良いアルキル基のいずれかを示す。Gx1は、炭素数2以上のアルキル基を示す。Gx2は、アリール基、および置換基を有していても良いアルキル基のいずれかを示す。Gx3は、水素原子、ハロゲン原子、Gx4−CO−NH−、およびGx5−N(Gx6)−CO−のいずれかを示す。Gx4は、アリール基、および置換基を有していても良いアルキル基のいずれかを示す。Gx5およびGx6は、各々独立に、水素原子、および置換基を有していても良いアルキル基のいずれかを示す。Qx1、Qx2、Qx3、Qx4、およびQx5は、各々独立に、水素原子、、ハロゲン原子、および置換基を有していても良いアルキル基のいずれかを示す。)
(一般式(II)中、R1およびR2は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シアノ基、トリフルオロアルキル基、およびニトロ基のいずれかを示す。R1およびR2のうちのいずれか一方は、電子吸引性基である。R3は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、脂肪族複素環基、および芳香族複素環基のいずれかを示す。なお、R2とR3とは、互いに結合して環を形成しても良い。Xは、銅、ニッケル、およびコバルトのいずれかの金属原子を示す。)
上記トナー粒子は0.1μm以上5μm以下の体積基準メディアン径を有することが好ましい。
【0012】
上記トナー粒子は、100質量部の前記樹脂に対して、5質量部以上40質量部以下の前記顔料を含んでいることが好ましい。
【0013】
上記顔料は、下記一般式(III)で表わされる化合物をさらに含んでいることが好ましい。
【0014】
【化2】

【0015】
(一般式(III)中、R11〜R18は、各々独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン基、およびメトキシ基のいずれかを示す。)
【発明の効果】
【0016】
本発明の液体現像剤によれば、トナー粒子を均一に帯電させることができ、また記録媒体へのトナー粒子の定着阻害を抑制することができ、さらにはトナー粒子の光沢性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】電子写真方式の画像形成装置の概略概念図である。
【図2】電荷保持性の評価に用いる測定装置の概略概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、本発明に係る液体現像剤を説明する。なお、本発明に係る液体現像剤は、以下に示す構成に限定されない。
【0019】
<液体現像剤>
本発明に係る液体現像剤は、電子写真方式の画像形成装置用の現像剤として有用であり、トナー粒子が分散剤により絶縁性液体に分散されて構成されている。トナー粒子は顔料と樹脂とを含んでいるが、顔料として後述の材料を使用している。よって、トナー粒子は均一に帯電され、また紙面などの記録媒体へのトナー粒子の定着阻害が抑制される。
【0020】
本発明に係る液体現像剤は、トナー粒子と分散剤と絶縁性液体とを含む限り、他の任意の成分を含んでいても良い。他の成分としては、たとえば荷電制御剤または粘度調整剤等を挙げることができる。ここで、トナー粒子は、液体現像剤に対して10〜50質量%含まれていれば良い。絶縁性液体は、液体現像剤に対して50〜90質量%含まれていれば良く、45〜89.99質量%含まれていることが好ましい。また、分散剤は、トナー粒子に対して0.1〜10質量%含まれていれば良い。
【0021】
<トナー粒子>
本発明の液体現像剤に含まれるトナー粒子は、通常、絶縁性液体に相溶せず絶縁性液体中に分散された状態で存在しており、後述の樹脂および顔料を含んでいる。かかるトナー粒子は、後述の樹脂および顔料を含む限り、他の任意の成分を含むことができる。他の成分としては、たとえばワックスまたは荷電制御剤等を挙げることができる。
【0022】
トナー粒子は、100質量部の樹脂に対して5質量部以上40質量部以下の顔料を含んでいれば良く、100質量部の樹脂に対して10質量部以上35質量部以下の顔料を含んでいることが好ましく、100質量部の樹脂に対して12質量部以上30質量部以下の顔料を含んでいることがさらに好ましい。顔料の含有量が5質量部未満であれば、顔料の濃度が不十分であるため、所望とする画像濃度が得られないことがある。一方、顔料の含有量が40質量部を超えると、トナー粒子における樹脂の割合が低くなるため、必要な定着強度が得られないことがある。
【0023】
また、トナー粒子は、0.1μm以上5μm以下の体積基準メディアン径を有していることが好ましく、0.2μm以上4.5μm以下の体積基準メディアン径を有していることがさらに好ましい。ここで、トナー粒子の体積基準メディアン径は、トナー粒子の粒度分布において相対粒子量が50%となるときのトナー粒子の粒径である。体積基準メディアン径が0.1μm未満であれば、記録媒体へのトナー粒子の現像性が低下し画像劣化を招くことがある。また、画像濃度の向上を図ることが難しいことがある。一方、体積基準メディアン径が5μmを超えると、高画質な画像が得られ難くなることがある。
【0024】
<樹脂>
本発明におけるトナー粒子に含まれる樹脂は、特に限定されない。本発明における樹脂は、たとえば、ポリエステル樹脂、ビニル系単量体を重合して形成される重合体、ポリオレフィン共重合体樹脂(特にエチレン系共重合体樹脂)、ロジン変性フェノール樹脂、またはロジン変性マレイン酸樹脂等であれば良く、これらの2種以上を混合して用いても良い。以下では、ポリエステル樹脂およびビニル系単量体を重合して形成される重合体について詳述する。
【0025】
ポリエステル樹脂は、多価アルコールと多塩基酸(典型的には多カルボン酸)とを重縮合することにより得られたものであれば特に限定されない。多価アルコールは、特に限定されず、たとえば、エチレングリコールなどの脂肪族ジオール、ビスフェノールAなどの芳香族ジオール、脂環式ジオール、グリセリンなどのトリオール等が挙げられる。
【0026】
ポリエステル樹脂は、2000以上20000以下の数平均分子量(Mn)を有していることが好ましい。ポリエステル樹脂の数平均分子量が2000未満である場合には、トナー粒子の粉砕性および保管安定性が悪化するので熱に対する安定性が低下するという不具合を招くことがある。一方、ポリエステル樹脂の数平均分子量が20000を超えると、樹脂の溶融温度が上がりトナー粒子の定着が悪化することと、記録媒体へのトナー粒子の定着時に要するエネルギが大きくなるので、経済的不利を招くとともに画像形成装置の各部に熱的ダメージを与えるという不具合を招くことがある。なお、数平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー、GPCはGel Permeation Chromatographyの略)により測定することができる。
【0027】
ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、好ましくは2.0〜6.0であり、より好ましくは2.5〜5.5である。なお、重量平均分子量は、数平均分子量と同じく、GPCにより測定することができる。
【0028】
ポリエステル樹脂は、50℃以上80℃以下のガラス転移温度(Tg)を有することが好ましい。ガラス転移温度が50℃未満では、トナー粒子の粉砕性および保管安定性が悪化する場合がある。一方、ガラス転移温度が80℃を超えると、記録媒体への定着時に要するエネルギが大きくなるので、経済的不利を招くとともに画像形成装置の各部に熱的ダメージを与える恐れがある。なお、ガラス転移温度は、示差熱分析により測定することができる。
【0029】
ビニル系単量体は、たとえば、スチレン、o−メチルスチレンなどのスチレン誘導体、メタクリル酸メチルなどのメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチルなどのアクリル酸エステル誘導体、エチレンなどのオレフィン類、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、ビニルメチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビニルメチルケトンなどのビニルケトン類、N−ビニルカルバゾールなどのN−ビニル化合物類、ビニルナフタレンなどのビニル化合物類、アクリルアミドなどのアクリル酸であれば良い。
【0030】
また、ビニル系単量体は、カルボキシル基、スルフォン酸基またはリン酸基等の官能基を単量体の側鎖に有するものであっても良い。さらに、ビニル系単量体としてジビニルベンゼンなどの多官能性ビニル類を使用して、架橋構造の樹脂を作製しても良い。
【0031】
<顔料>
本発明におけるトナー粒子に含まれる顔料は、上記一般式(I)で表わされる化合物と上記一般式(II)で表される化合物とを含んでおり、上記一般式(III)で表わされる化合物をさらに含んでいることが好ましい。以下、順に説明する。なお、以下では、上記一般式(I)〜(III)で表わされる化合物を、それぞれ、「化合物I」、「化合物II」および「化合物III」と記すことがある。
【0032】
<化合物I>
以下では、上記一般式(I)中のRx1〜Rx2、Lx、Gx1〜Gx6、およびQx1〜Qx5を説明する。
【0033】
<Rx1およびRx2
Rx1およびRx2は、各々独立に、置換基を有していても良いアルキル基であり、アルキル基であることが好ましい。ここで、置換基を有していても良いアルキル基には、アルキル基(アルキル基のみからなる置換基)だけでなく、アルキル基を構成する1つ以上の原子がアルキル基以外の置換基(たとえばアルケニル基)に置換されて構成された置換基も含まれる。
【0034】
上記アルキル基は、直鎖アルキル基、分岐アルキル基およびシクロアルキル基のいずれであってもよいが、直鎖アルキル基または分岐アルキル基であることが好ましい。
【0035】
直鎖アルキル基は、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、またはペンタデシル基などである。
【0036】
分岐アルキル基は、たとえば、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、アミル基、またはイソアミル基などである。
【0037】
シクロアルキル基は、たとえば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、または4−tert−ブチル−シクロヘキシル基などである。
【0038】
なお、Rx1で表されるアルキル基に含まれる炭素原子数とRx2で表されるアルキル基に含まれる炭素原子数との合計は8以上であることが好ましく、12以上であればより好ましく、16以上であればさらに好ましい。
【0039】
置換基を有していても良いアルキル基における置換基としては、たとえば、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ホスホリル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、ウレイド基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはアミノ基などが挙げられる。つまり、Rx1およびRx2は、各々独立に、上記アルキル基を構成する1つ以上の原子がこれらの置換基のいずれかに置換されて構成されたものであっても良い。アルキル基を構成する1つ以上の原子が置換される置換基の個数としては、1つに限定されず、2つ以上であっても良い。
【0040】
アルケニル基は、たとえば、ビニル基またはアリル基などである。
アルキニル基は、たとえば、エチニル基またはプロパルギル基などである。
【0041】
アリール基は、たとえば、フェニル基またはナフチル基などである。
脂肪族複素環基は、たとえば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、またはオキサゾリジル基などである。
【0042】
芳香族複素環基は、たとえば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、またはフタラジル基などである。
【0043】
アルコキシ基は、たとえば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、またはドデシルオキシ基などである。
【0044】
シクロアルコキシ基は、たとえば、シクロペンチルオキシ基またはシクロヘキシルオキシ基などである。
【0045】
アリールオキシ基は、たとえば、フェノキシ基またはナフチルオキシ基などである。
アルキルチオ基は、たとえば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、またはドデシルチオ基などである。
【0046】
シクロアルキルチオ基は、たとえば、シクロペンチルチオ基またはシクロヘキシルチオなどである。
【0047】
アリールチオ基は、たとえば、フェニルチオ基またはナフチルチオ基などである。
アルコキシカルボニル基は、たとえば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、またはドデシルオキシカルボニル基などである。
【0048】
アリールオキシカルボニル基は、たとえば、フェニルオキシカルボニル基またはナフチルオキシカルボニル基などである。
【0049】
ホスホリル基は、メトキシホスホリル基またはジフェニルホスホリル基などである。
スルファモイル基は、たとえば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、または2−ピリジルアミノスルホニル基などである。
【0050】
アシル基は、たとえば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、またはピリジルカルボニル基などである。
【0051】
アシルオキシ基は、たとえば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、またはフェニルカルボニルオキシ基などである。
【0052】
アミド基は、たとえば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、またはナフチルカルボニルアミノ基などである。
【0053】
カルバモイル基は、たとえば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、または2−ピリジルアミノカルボニル基などである。
【0054】
ウレイド基は、たとえば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、または2−ピリジルアミノウレイド基などである。
【0055】
スルフィニル基は、たとえば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、または2−ピリジルスルフィニル基などである。
【0056】
アルキルスルホニル基は、たとえば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、またはドデシルスルホニル基などである。
【0057】
アリールスルホニル基は、たとえば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、または2−ピリジルスルホニル基などである。
【0058】
アミノ基は、たとえば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、ジブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、または2−ピリジルアミノ基などである。
【0059】
なお、置換基を有していても良いアルキル基における置換基としては、上記置換基以外に、たとえば、フェニルアゾ基などのアゾ基、メタンスルホニルオキシ基などのアルキルスルホニルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(たとえばフッ素原子、塩素原子、もしくは臭素原子。以下同様)、またはヒドロキシル基などであっても良い。
【0060】
置換基を有していても良いアルキル基における置換基は、上記置換基の何れであっても良いが、アルコキシ基、アリール基、シクロアルコキシ基、ハロゲン原子、またはヒドロキシル基であることが好ましい。
【0061】
置換基を有していても良いアルキル基における置換基には、上記置換基とは別の置換基が結合されていても良い。
【0062】
<Lx>
Lxは、水素原子であっても良いし、置換基を有していても良いアルキル基であっても良いが、水素原子であることが好ましい。Lxが置換基を有していても良いアルキル基である場合、Lxは、上記Rx1および上記Rx2で表される置換基のいずれかであれば良く、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましく、メチル基またはエチル基であればさらに好ましい。
【0063】
<Gx1
Gx1は、炭素数2以上のアルキル基である。アルキル基は、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、およびシクロアルキル基のいずれでも良いが、分岐アルキル基であることが好ましく、3級アルキル基であることがより好ましく、tert−ブチル基であることがさらに好ましい。
【0064】
直鎖アルキル基は、たとえば、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、またはペンタデシル基などである。
【0065】
分岐アルキル基は、たとえば、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、アミル基、またはイソアミル基などである。
【0066】
シクロアルキル基は、たとえば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、または4−tert−ブチル−シクロヘキシル基などである。
【0067】
<Gx2
Gx2は、アリール基であっても良いし、置換基を有していても良いアルキル基であっても良い。ここで、アリール基は、たとえば、フェニル基またはナフチル基などである。また、置換基を有していても良いアルキル基は、上記Rx1および上記Rx2で表される置換基のいずれかである。これらの中でも、Gx2は、アルキル基であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキル基であることがより好ましく、メチル基またはエチル基であることがさらに好ましい。
【0068】
<Gx3
Gx3は、水素原子、ハロゲン原子、Gx4−CO−NH−、およびGx5−N(Gx6)−CO−のいずれかであり、この中でも水素原子であることが好ましい。
【0069】
<Gx4
Gx4は、アリール基であっても良いし、置換基を有していても良いアルキル基であっても良い。ここで、アリール基は、たとえば、フェニル基またはナフチル基などである。また、置換基を有していても良いアルキル基は、上記Rx1および上記Rx2で表される置換基のいずれかであり、上記Rx1および上記Rx2で表されるアルキル基であることが好ましい。
【0070】
<Gx5およびGx6
Gx5およびGx6は、各々独立に、水素原子であっても良いし、置換基を有していても良いアルキル基であっても良い。ここで、置換基を有していても良いアルキル基は、上記Rx1および上記Rx2で表される置換基のいずれかであり、上記Rx1および上記Rx2で表されるアルキル基であることが好ましい。
【0071】
<Qx1〜Qx5
Qx1〜Qx5は、各々独立に、水素原子であっても良いし、ハロゲン原子であっても良いし、置換基を有していても良いアルキル基であっても良い。ここで、置換基を有していても良いアルキル基は、上記Rx1および上記Rx2で表される置換基のいずれかである。好ましくは、Qx1〜Qx5が、各々独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、およびアルコキシ基のいずれかであることである。より好ましくは、Qx1〜Qx5のいずれもが水素原子であることである。
【0072】
化合物Iの具体例としては、以下に示す化学式(I−1)〜(I−23)で表される化合物を挙げることができる。しかし、化合物Iは、以下に示す具体例に限定されない。
【0073】
【化3】

【0074】
【化4】

【0075】
【化5】

【0076】
【化6】

【0077】
<化合物II>
以下では、上記一般式(II)中のR1〜R3およびXをそれぞれ説明する。ここで、一般式(II)中の配位子1分子中の炭素数の合計は25以下であることが好ましい。
【0078】
<R1およびR2
1およびR2は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、ハロゲンアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、ウレイド基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、およびアミノ基のいずれかである。なお、R1とR2との組み合わせは特に限定されないが、R1およびR2のどちらか一方は電子吸引性基である。
【0079】
アルキル基は、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、およびシクロアルキル基の何れであっても良く、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、またはペンタデシル基などであれば良い。
【0080】
アルケニル基は、たとえば、ビニル基またはアリル基などである。
アルキニル基は、たとえば、エチニル基またはプロパルギル基などである。
【0081】
アリール基は、たとえば、フェニル基またはナフチル基などである。
脂肪族複素環基は、たとえば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、またはオキサゾリジル基などである。
【0082】
芳香族複素環基は、たとえば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、またはフタラジル基などである。
【0083】
ハロゲンアルキル基は、モノハロゲンアルキル基であっても良いし、ジハロゲンアルキル基であっても良いし、トリハロゲンアルキル基であっても良い。ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素であれば良い。アルキル基は、特に限定されず、メチル基、エチル基、またはプロピル基などであれば良い。
【0084】
アルコキシ基は、たとえば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、またはドデシルオキシ基などである。
【0085】
シクロアルコキシ基は、たとえば、シクロペンチルオキシ基またはシクロヘキシルオキシ基などである。
【0086】
アリールオキシ基は、たとえば、フェノキシ基またはナフチルオキシ基などである。
アルキルチオ基は、たとえば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、またはドデシルチオ基などである。
【0087】
シクロアルキルチオ基は、たとえば、シクロペンチルチオ基またはシクロヘキシルチオ基などである。
【0088】
アリールチオ基は、たとえば、フェニルチオ基またはナフチルチオ基などである。
アルコキシカルボニル基は、たとえば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、またはドデシルオキシカルボニル基などである。
【0089】
アリールオキシカルボニル基は、たとえば、フェニルオキシカルボニル基またはナフチルオキシカルボニル基などである。
【0090】
スルファモイル基は、たとえば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、または2−ピリジルアミノスルホニル基などである。
【0091】
アシル基は、たとえば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、またはピリジルカルボニル基などである。
【0092】
アシルオキシ基は、たとえば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、またはフェニルカルボニルオキシ基などである。
【0093】
アミド基は、たとえば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、またはナフチルカルボニルアミノ基などである。
【0094】
カルバモイル基は、たとえば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、または2−ピリジルアミノカルボニル基などである。
【0095】
ウレイド基は、たとえば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、または2−ピリジルアミノウレイド基などである。
【0096】
スルフィニル基は、たとえば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、または2−ピリジルスルフィニル基などである。
【0097】
アルキルスルホニル基は、たとえば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、またはドデシルスルホニル基などである。
【0098】
アリールスルホニル基は、たとえば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、または2−ピリジルスルホニル基などである。
【0099】
アミノ基は、たとえば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、または2−ピリジルアミノ基などである。
【0100】
さらに、R1およびR2は、各々独立に、上記置換基以外に、シアノ基、ニトロ基またはハロゲン原子などであっても良い。
【0101】
1およびR2は、上記置換基の中でも、各々独立に、アルキル基、トリフルオロアルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、アルコキシ基、スルファモイル基、ウレイド基、アミノ基、アミド基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、またはハロゲン原子であることが好ましい。R1およびR2は、各々独立に、アルキル基、トリフルオロアルキル基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、またはハロゲン原子であることがより好ましく、トリフルオロアルキル基、シアノ基、またはアルコキシ基であることがさらに好ましい。
【0102】
1およびR2は、各々独立に、上記置換基に別の置換基が結合されたものであっても良い。上記置換基に結合される置換基は、当該置換基と同じ置換基であっても良いし、当該置換基とは異なる置換基であっても良い。
【0103】
<R
は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、および以下に示すエーテル基のいずれかである。Rがアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、またはエーテル基である場合には、炭素数が3以上であることが好ましい。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基および複素環基の各具体例としては、R1およびR2で表される具体例の何れかであれば良い。
【0104】
<X>
Xは、たとえば、銅、ニッケル、およびコバルトのいずれかの金属原子であり、銅であることが好ましい。
【0105】
化合物IIの具体例としては、以下に示す化学式(II−1)〜(II−85)で表される化合物を挙げることができる。しかし、化合物IIは、以下に示す具体例に限定されない。なお、以下に示す構造式は、例示化合物が採り得る共鳴構造の中の1つである。式中、実線で示す共有結合と破線で示す配位結合との区別は、形式的な区別にすぎず、絶対的な区別を表すものではない。
【0106】
【化7】

【0107】
【化8】

【0108】
【化9】

【0109】
【化10】

【0110】
【化11】

【0111】
【化12】

【0112】
【化13】

【0113】
このように、本発明における顔料は、化合物Iと化合物IIとを含有している。化合物Iはπ共役系の平面構造を有しているが、化合物Iのベンゼン環などには嵩の高い置換基が結合されている。そのため、化合物II中の金属原子が化合物Iにおけるπ共役に結合(たとえば配位結合)され難い。一方、赤色顔料としては、キナクリドン系顔料(アゾ顔料)が多用されている。このキナクリドン系顔料のベンゼン環などには嵩の高い置換基が結合されていないため、キナクリドン系顔料は凝集または結晶化され易い。これらのことから、本発明における顔料は、赤色顔料として多用されているキナクリドン系顔料よりも嵩高いため、キナクリドン系顔料よりも凝集または結晶化され難い。別の言い方をすると、本発明における顔料では、樹脂が入り込むスペースがたとえば化合物IとIIとの間に確保されることとなる。さらに、化合物Iおよび化合物IIの分子量は比較的低い。よって、本発明における顔料は、キナクリドン系顔料に比べて樹脂と混ざり合い易くなる。これにより、樹脂に対する顔料の含有量が増加しても、フィラー効果の増大が防止される。その結果、顔料を添加したことに起因するトナー粒子の硬度上昇を防止できるので、記録媒体へのトナー粒子の定着阻害を防止できる。また、記録媒体へのトナー粒子の定着阻害を防止できるので、光沢度の低下を防止できる。
【0114】
また、本発明における顔料は、キナクリドン系顔料よりもトナー粒子中における樹脂と混ざり合い易いので、トナー粒子中において均一に分散される。よって、顔料がトナー粒子の表面に不均一に露出することを防止できる。したがって、トナー粒子が均一に帯電されるため、転写などをスムーズに行なうことができる。
【0115】
さらに、本発明における顔料は、キナクリドン系顔料よりもトナー粒子中において均一に分散しているので、記録媒体上に均一に定着されることとなる。よって、色濁りの少ない画像が得られる。
【0116】
<化合物III>
上記一般式(III)中のR11〜R18は、各々独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン基、およびメトキシ基のいずれかを示す。
【0117】
化合物IIIは、キナクリドン顔料とも呼ばれる。化合物IIIとしては、ジメチルキナクリドン顔料(たとえば、C.I.Pigment Red 122)、ジクロロキナクリドン顔料(たとえば、C.I.Pigment Red 202またはC.I.Pigment Red 209)、および無置換キナクリドン顔料(たとえば、C.I.Pigment Violet 19)のうちのいずれか1つを用いても良いし、これらの顔料のうちの2種以上を用いても良い。上記顔料のうちの2種以上を用いる場合には、2種以上の上記顔料が混合された混合物であっても良いし、2種以上の上記顔料からなる固溶体であっても良い。上記顔料の中でも、C.I.Pigment Red 122を用いることが好ましい。
【0118】
化合物IIIは、粉末状、顆粒状またはバルク状(塊状)などの乾燥状態のものであっても良いし、ウエットケーキまたはスラリーなどの含水状態のものであっても良い。
【0119】
化合物IIIの具体例としては、以下の化学式(III−1)〜(III−12)で表される化合物が挙げられる。しかし、化合物IIIは、これらに限定されない。
【0120】
【化14】

【0121】
本発明における顔料が化合物IIIをさらに含んでいると、次に示す効果を得ることができる。
【0122】
上述のように本発明における顔料は、化合物Iおよび化合物IIを含んでいるので、キナクリドン系顔料に比べて樹脂と混ざり合い易い。よって、フィラー効果が低減される。しかしながら、樹脂に可塑性が付与されるため、記録媒体へ定着されたトナー粒子がその記録媒体とは別の媒体に定着される場合がある。つまり、色移りを招く恐れがある。
【0123】
しかし、本発明における顔料が化合物IIIをさらに含んでいると、化合物IIIに対して化合物Iと化合物IIとがそれぞれ配向されることとなる。これにより、顔料が凝集化または結晶化され易くなる。よって、樹脂への可塑性の付与が抑制される。
【0124】
さらに、化合物IIIが化合物Iと化合物IIとの混合物100質量部に対して5質量部以上150質量部以下含まれていれば、化合物IIIに配向されていない化合物Iおよび化合物IIの分子数を最小限に抑えることができる。よって、樹脂への可塑性の付与を最小限に抑制できるので、色移りを防止することができる。
【0125】
それだけでなく、化合物IIIが上記範囲内であれば、記録媒体に定着された画像(トナー画像)の透明性が向上するので、幅広い色再現域を確保することができる。その上、液体現像剤の耐光性を向上させることもできる。
【0126】
以上本発明における顔料について説明したが、本発明における顔料は化合物I〜化合物III以外の化合物をさらに含んでいても良い。本発明における顔料はたとえば公知の染料をさらに含んでいても良く、より好ましくは油溶性染料をさらに含むことができる。
【0127】
<トナー粒子の製造方法>
本発明におけるトナー粒子の製造方法は、特に限定されない。本発明に係るトナー粒子は、粉砕法により製造されても良く、具体的には、樹脂と顔料とを混練する工程と、混練工程で得られた混練物を粉砕する工程と、粉砕されたものを分級する工程とを経て製造されても良い。また、本発明に係るトナー粒子は、重合方法により製造されても良く、具体的には、顔料の共存下において単量体(樹脂を構成する単量体)を重合させ、同時に、形状や大きさなどを制御しながら製造されても良い。ここで、重合方法としては、たとえば、乳化重合法またはポリエステル伸長法等を挙げることができる。
【0128】
<液体現像剤の製造方法>
本発明に係る液体現像剤の製造方法は、特に限定されない。本発明に係る液体現像剤は、上記方法にしたがって得られたトナー粒子と以下の絶縁性液体と後述の分散剤とを混合して製造されれば良い。
【0129】
<絶縁性液体>
絶縁性液体は、静電潜像を乱さない程度の抵抗値(1×1011〜1×1016Ω・cm程度)のものであれば良く、臭気および毒性が少ない溶媒であることが好ましい。よって、絶縁性液体は、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素またはポリシロキサン等であれば良く、臭気および有害性の少なさと低コストとの観点から、ノルマルパラフィン系溶媒またはイソパラフィン系溶媒であることが好ましい。具体的には、絶縁性液体としては、モレスコホワイト(松村石油研究所社製)、アイソパー(エクソン化学社製)、シェルゾール71(シェル石油化学社製)、IPソルベント1620、またはIPソルベント2028(いずれも、出光石油化学社製)等が挙げられる。
【0130】
<分散剤>
分散剤は、トナー粒子を絶縁性液体中に安定に分散させるためには、絶縁性液体に可溶な分散剤を用いると良い。分散剤は、トナー粒子を安定に分散させるものであれば種類に限定されないが、樹脂として酸価が比較的高いポリエステル樹脂を用いた場合には塩基性の高分子分散剤を用いることが好ましい。塩基性の高分子分散剤の中でも長期に渡り安定に保管可能な材料としては、N−ビニルピロリドン基を有する塩基性高分子分散剤などが挙げられる。
【0131】
N−ビニルピロリドン基を有する塩基性高分子分散剤としては、N−ビニル−2−ピロリドンとメタクリル酸エステルとのランダム共重合体またはグラフト共重合体などが挙げられる。メタクリル酸エステル以外にもアクリル酸エステルまたはアルキレン化合物等でも良い。メタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルのアルキル基の炭素数は10〜20程度が好ましい。また、上記アルキレン化合物のアルキル基の炭素数は10から30程度が好ましい。
【0132】
さらに、N−ビニルピロリドン基を有する塩基性高分子分散剤として、市販品を用いることも可能である。一例として、「Antaron V−216」、「Antaron V−220」(いずれもGAF/ISP Chemicals社製)等がある。
【実施例】
【0133】
本実施例では、顔料の種類を変更して種々の液体現像剤を製造し、製造された液体現像剤の定着性、光沢評価および電荷保持性を調べた。
【0134】
なお、本発明は、以下に示す実施例に限定されない。たとえば、化合物I〜化合物IIIのうち以下で示す化合物以外の化合物を顔料として用いても、以下の実施例1〜8の結果と略同様の結果が得られると考えられる。
【0135】
<液体現像剤の製造>
<実施例1>
まず、以下に示す方法にしたがって樹脂を合成した。
【0136】
<樹脂の合成>
還流冷却器、水とアルコールとを分離する装置、窒素ガス導入管、温度計および攪拌装置が取り付けられた丸底フラスコに、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を1600質量部(多価アルコール)、テレフタル酸を550質量部(多価塩基酸)、そしてトリメリット酸を340質量部入れた。そして、丸底フラスコ内の内容物を攪拌しながら丸底フラスコ内に窒素ガスを導入し、200〜240℃の温度で脱水重縮合または脱アルコール重縮合を行った。
【0137】
生成したポリエステル樹脂の酸価が規定値になったところで、反応系の温度を100℃以下に下げて重縮合反応を停止させた。このようにして熱可塑性ポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂A)を得た。
【0138】
得られたポリエステル樹脂Aは、数平均分子量Mn=7500、重量平均分子量Mw=2700、ガラス転移温度Tg=62.3℃、融点=110℃であった。
【0139】
ここで、ポリエステル樹脂AのMnおよびMwは、GPCの結果から算出した。GPCは、高速液体クロマトグラフポンプ(TRI ROTAR−V型、日本分光社製)、紫外分光検出器(UVDEC−100−V型、日本分光社製)および50cm長さのカラム(Shodex GPC A−803、昭和電工社製)を用いて行なわれ、その結果からポリスチレンを標準物質として被検試料の分子量を算出することにより、ポリスチレン換算MnおよびMwとして求めた。なお、被検試料は、ポリエステル樹脂A0.05gを20mlのテトラヒドロフランに溶解されたものである。
【0140】
ポリエステル樹脂AのTgは、示差走査熱量計(DSC−6200、セイコーインスツルメンツ(株)製)を用いて、試料量を2.0gとし昇温条件を10℃/分として測定された。
【0141】
<トナー粒子の製造>
顔料として、化学式(I−3)で表される化合物と化学式(II−34)で表される化合物とを用いた。具体的には、上記手法により得られたポリエステル樹脂A100重量部に対して化学式(I−3)で表される化合物を5.6質量部と化学式(II−34)で表される化合物を12.1質量部とを加え、ヘンシェルミキサーで十分混合した。その後、ロール内加熱温度100℃の同方向回転二軸押出し機を用いてこの混合物を溶融混練し、得られた混合物を冷却した。冷却された混合物を粗粉砕した後、ジェット粉砕機にて粉砕した。これにより、トナー粒子が得られた。
【0142】
<液体現像剤の製造>
得られたトナー粒子を43質量部、塩基性高分子分散剤としてソルスパース13940(日本ルーブリゾール社製)を0.43質量部、流動パラフィン100質量部(引火点84℃、商品名:IP−2028、出光興産社製)、およびジルコニアビーズ(商品名:YTZボール、ニッカトー社製)100質量部を混合し、サンドミルにて120時間撹拌した。これにより、液体現像剤が得られた。
【0143】
得られたトナー粒子に対してレーザー回折式粒度分布測定装置(品番SALD−2200、島津製作所製)を用いてトナー粒子の体積基準メディアン径を測定したところ、トナー粒子の体積基準メディアン径は2.4μmであった。
【0144】
<実施例2〜8および比較例1〜8>
顔料の種類を表1に示す化合物および含有量に変更したことを除いては上記実施例1と同様の方法にしたがって、実施例2〜8および比較例1〜8の液体現像剤を製造した。
【0145】
なお、実施例2〜8の顔料のうち、化合物Iは化学式(I−3)または化学式(I−5)で表される化合物であり、化合物IIは化学式(II−34)または化学式(II−36)で表される化合物である。
【0146】
また、実施例6〜8および比較例1〜3の顔料のうち化合物IIIは、化学式(III−1)または化学式(III−3)で表される化合物である。
【0147】
また、比較例4〜8の顔料は、表1に示す通りである。
また、表1における化合物I〜化合物IIIの含有量は、ポリエステル樹脂A100質量部に対する各化合物の含有量である。また、表1における顔料の含有量は、ポリエステル樹脂A100質量部に対する顔料の含有量である。
【0148】
<評価>
実施例1〜8および比較例1〜8の各液体現像剤を用いて、記録媒体(図1に示すコート紙10)への定着性、光沢度および電荷保持性を評価した。
【0149】
<定着性の評価>
図1に示す画像形成装置1を用いて、実施例1〜8および比較例1〜8の各液体現像剤をコート紙10(コート紙10の単位面積当たりの重さは127g/m2である)上に現像した。
【0150】
具体的には、液体現像剤2が規制ブレード4によりすりきられ、よって、現像ローラ3上に液体現像剤2の薄層が形成された。その後、現像ローラ3と感光体5とのニップにおいてトナー粒子が感光体5側へ移動し、感光体5上にトナー画像が形成された。
【0151】
次いで、感光体5と中間転写体6とのニップにおいてトナー粒子が中間転写体6側へ移動し、中間転写体6上にトナー画像が形成された。続いて、中間転写体6上でトナー粒子は重ね合わせられ、コート紙10上へ画像が形成された。そして、上記コート紙10上の画像をヒートローラ11で定着させた。
【0152】
このとき、ヒートローラ11の表面温度を100〜200℃の範囲において5℃刻みで変更し、各温度において常温常湿(温度20℃、湿度50%RH)の環境下において上記コート紙10に画像形成を行った。これにより、実施例1〜8では、画像濃度が0.8のベタ画像を可視画像として得た。比較例1〜8では、画像濃度が0.8のベタ画像を可視画像として得た。
【0153】
その後、折り機を用いて、コート紙10に定着されたベタ画像を折った。その後、このベタ画像に0.35MPaの空気を吹きつけ、限度見本を参照して折り目の状態を5段階に評価した。そして、折り目の状態がランク3のときのヒートローラ3の表面温度を下限定着温度とした。下限定着温度が低いほど、トナー粒子が定着性に優れることを示す。
【0154】
ここで、折り目状態の5段階評価は次に示す通りである。
ランク5:折れ目に全く剥離無し
ランク4:折り目にしたがいベタ画像の一部に剥離有り
ランク3:折り目にしたがいベタ画像に細い線状の剥離有り
ランク2:折り目にしたがいベタ画像に太い線状の剥離有り
ランク1:ベタ画像に大きな剥離有り。
【0155】
なお、画像形成装置1は、上記構成以外にもクリーニングブレード7、荷電装置8およびバックアップローラ9を備えている。
【0156】
また、プロセス条件は次に示す通りであった。
システム速度:40cm/s
感光体:負帯電OPC
帯電電位:−650V
現像電圧(現像ローラ3への印加電圧):−450V
1次転写電圧(転写ローラ(中間転写体6)への印加電圧):+620V
2次転写電圧:+1200V
現像前コロナCHG:針印加電圧−3〜5kVで適宜調整。
【0157】
結果を表1に示す。なお、表1中の「トナー粒子のメディアン径」は、上述のトナー粒子の体積基準メディアン径である。
【0158】
【表1】

【0159】
実施例1〜8では、比較例1〜8よりも低温でトナー粒子をコート紙10の表面に定着させることができた。この理由としては、次に示すことが考えられる。
【0160】
実施例1〜8の液体現像剤では、顔料が樹脂と混合されやすい。よって、顔料を混合したことに起因するトナー粒子の硬度の上昇を防止することができる。したがって、コート紙10への定着阻害の発生を防止できるので、比較的低温での定着が実現される。
【0161】
一方、比較例1〜8では、実施例1〜8よりも嵩の低い顔料を用いているため、顔料粒子が互いに凝集または結晶化されると考えられる。そのため、顔料は樹脂と混ざり難く、よって、顔料を樹脂に混合したことに起因してトナー粒子の硬度が高くなる。したがって、これらのトナー粒子はコート紙10の表面へ定着され難いので、樹脂が溶融した状態での定着、つまり高温での定着が必要となる。
【0162】
また、実施例1〜5では、実施例6〜8よりも低温でトナー粒子をコート紙10の表面に定着させることができた。この理由として、実施例1〜5の液体現像剤は、キナクリドン顔料を含んでいないため、実施例6〜8の液体現像剤よりもフィラー効果が低減されたためであると考えられる。
【0163】
<光沢性の評価>
図1に示す装置を用いて、実施例1〜8および比較例1〜8の各液体現像剤の光沢性を調べた。
【0164】
具体的には、ヒートローラ11の表面温度を160℃として、コート紙10に対してトナー付着量が3g/m2であるベタ画像を形成した。それ以外の条件などについては、上記<定着性の評価>での評価方法に従った。そして、「Gloss Meter」(村上色彩工学研究所社製)を用い、入射角を75°に設定して、ベタ画像の光沢度を測定した。ベタ画像の中央部および四隅の計5点において光沢度を測定してその平均値を求めることにより、ベタ画像の光沢度を得た。
【0165】
結果を表1に示す。なお、表1では、求められた光沢度の平均値が75以上である場合を「A1」と記し、その平均値が60以上75未満である場合を「B1」と記し、その平均値が60未満である場合を「C1」と記している。光沢度の平均値が高いほど、トナー粒子が光沢性に優れることを示す。
【0166】
実施例1〜8では、比較例1〜8よりも液体現像剤の光沢性が向上した。その理由としては、上記<定着性の評価>で述べたように、実施例1〜8のトナー粒子が比較例1〜8のトナー粒子に比べて定着性に優れることが挙げられる。
【0167】
また、実施例1〜5では、実施例6〜8よりも液体現像剤の光沢性が向上した。その理由としては、上記<定着性の評価>で述べたように、実施例1〜5のトナー粒子が実施例6〜8のトナー粒子よりも定着性に優れることが挙げられる。
【0168】
<電荷保持性の評価>
図2に示す装置を用いて、実施例1〜8および比較例1〜8の各液体現像剤の電荷保持性を測定した。
【0169】
具体的には、塗布量が7g/m2になるように各液体現像剤22をアルミ蒸着PET(アルミニウムが蒸着されたPET(poly(ethylene terephthalate))製フィルム)21全体に均一に塗布し、そのアルミ蒸着PET21を円筒状の金属ローラ20に貼り、この金属ローラ20を300mm/secの速度で回転させた。また、定電流源24からチャージャー23へ電流を供給し、チャージャー23において3μA/cmの電流を回転中の金属ローラ20へ印加した。そして、液体現像剤22の表面電位を表面電位計25で測定し、表面電位計25の出力値をオシロスコープ26でモニターした。
【0170】
結果を表1に示す。なお、表1では、オシロスコープ26でモニターされた液体現像剤22の表面電位が20V以上である場合を「A2」と記し、その表面電位が10V以上20V未満である場合を「B2」と記し、その表面電位が10V未満である場合を「C2」と記している。表面電位計25の出力値が高いほど、トナー粒子が電荷保持性に優れていることを示し、よって、高濃度の画像が得られることを示す。
【0171】
実施例1〜8では、比較例1〜8よりも液体現像剤の表面電位が高かった。よって、電荷保持性の評価結果から、実施例1〜8の液体現像剤を用いた方が比較例1〜8の液体現像剤を用いた場合に比べて高濃度の画像が得られるということが予想できる。そして、このことは、上記<光沢性の評価>における評価結果と一致する。
【0172】
また、実施例1〜5では、実施例6〜8よりも液体現像剤の表面電位が高かった。このことは、上記<光沢性の評価>における評価結果と一致する。
【0173】
以上のように本発明の実施例について説明を行なったが、上述の各実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
【0174】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0175】
1 画像形成装置、2 液体現像剤、3 現像ローラ、4 規制ブレード、5 感光体、6 中間転写体、7 クリーニングブレード、8 荷電装置、9 バックアップローラ、10 コート紙、11 ヒートローラ、21 アルミ箔、22 液体現像剤、23 チャージャー、24 定電流源、25 表面電位計、26 オシロスコープ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔料と樹脂とを含むトナー粒子が分散剤により絶縁性液体に分散されてなる液体現像剤であって、
前記顔料は、下記一般式(I)で表わされる化合物と下記一般式(II)で表わされる化合物とを含んでいる、液体現像剤。
【化1】

(一般式(I)中、Rx1およびRx2は、各々独立に、置換基を有していても良いアルキル基を示す。Lxは、水素原子、および置換基を有していても良いアルキル基のいずれかを示す。Gx1は、炭素数2以上のアルキル基を示す。Gx2は、アリール基、および置換基を有していても良いアルキル基のいずれかを示す。Gx3は、水素原子、ハロゲン原子、Gx4−CO−NH−、およびGx5−N(Gx6)−CO−のいずれかを示す。Gx4は、アリール基、および置換基を有していても良いアルキル基のいずれかを示す。Gx5およびGx6は、各々独立に、水素原子、および置換基を有していても良いアルキル基のいずれかを示す。Qx1、Qx2、Qx3、Qx4、およびQx5は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、および置換基を有していても良いアルキル基のいずれかを示す。)
(一般式(II)中、R1およびR2は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シアノ基、トリフルオロアルキル基、およびニトロ基のいずれかを示す。R1およびR2のうちのいずれか一方は、電子吸引性基である。R3は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、脂肪族複素環基、および芳香族複素環基のいずれかを示す。なお、R2とR3とは、互いに結合して環を形成しても良い。Xは、銅、ニッケル、およびコバルトのいずれかの金属原子を示す。)
【請求項2】
前記トナー粒子は、0.1μm以上5μm以下の体積基準メディアン径を有する、請求項1に記載の液体現像剤。
【請求項3】
前記トナー粒子は、100質量部の前記樹脂に対して、5質量部以上40質量部以下の前記顔料を含んでいる、請求項1または2に記載の液体現像剤。
【請求項4】
前記顔料は、下記一般式(III)で表わされる化合物をさらに含んでいる、請求項1〜3のいずれかに記載の液体現像剤。
【化2】

(一般式(III)中、R11〜R18は、各々独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン基、およびメトキシ基のいずれかを示す。)

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−234128(P2012−234128A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104395(P2011−104395)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】