説明

液体紙容器用角筒状スリーブ

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フラットトップ形式やゲーブルトップ形式の液体紙容器を製造するための液体紙容器用角筒状スリーブに関する。
【0002】
【従来の技術】液体紙容器用角筒状スリーブは、一般的に、板紙等の用紙を主体とする基材シートに、ガスバリア性樹脂層や、臭気等低吸着性樹脂層、アルミニウム等の金属箔層、あるいは液体内容物に対応した適宜処理層を積層し、表層には熱融着性樹脂によるシーラント層を積層した液体紙容器用シートを用いて、打ち抜き加工や折目付け加工あるいは必要に応じて接着剤塗布加工を施して形成されている。
【0003】従来の液体紙容器用角筒状スリーブは、例えば、図7のスリーブブランクスに示すように、平行折目a,a,a,aを介して、第1パネル1と、第2パネル2と、第3パネル3と、第4パネル4と、第1パネル1又は第4パネル4のいずれか一方パネルの外側端に平行折目aを介して連設した第5パネル5とを備え、該第5パネル5は、角筒状スリーブに組み立て形成するための端部貼着パネルに相当するものであり、他のパネルよりも幅が狭く設定されている。なお、5aは、前記第5パネル5の外側端部に折目aと平行な折目dを介して形成したエッジプロテクトのための折返板である。
【0004】上記第1パネル1、第2パネル2、第3パネル3、第4パネル4、第5パネル5は、側壁板31,32,33,34,35からなる角筒体側壁部Aを備える。
【0005】該角筒体側壁部A上部には、折目bを介して連設したゲーブルトップ形式又はフラットトップ形式のトップシール部T(傾斜屋根型;ゲーブルトップ、又は平坦型;フラットトップの外観を呈するように形成されるトップシール部であって必要に応じて注出用の口栓部Cが取付けられる)を備え、該角筒体側壁部A下部には、フラットにボトム形成される折目cを介して連設したボトムシール部Bを備える。
【0006】上記トップシール部Tは、図7に示すように、側壁部Aの側壁板31,33上部に折目bを介して連設した上板41,上板43と、該上板41若しくは43の概略中央部に必要に応じて孔設した口栓取付孔C(口栓は外表面に接着して取付けるか、又は容器内側から外側に嵌合突出させて取付ける)と、該上板41,43のそれぞれ上側に折目を介して連設した合掌貼板41a,43aとを備え、また、側壁板Aの側壁板32,34上部に、折目bを介して連設した折り込み用の二等辺三角板42,44と、該三角板42のそれぞれ二等辺上側に、折目を介して連設した連結三角板42a,42aと、前記三角板44のそれぞれ二等辺上側に、折目bを介して連設した連結三角板44a,44aと、各々連結三角板上側に、折目を介して連設した連結合掌貼板42b,42b,44b,44bとを備える。また、側壁板35(貼着板)上部に、折目bを介して連設した上部貼着板45と、該上部貼着板45上側に、折目を介して連設した連結貼着板45bとを備える。
【0007】上記ボトムシール部Bは、図7に示すように、側壁部Aの側壁板31,33下部に折目cを介して連設した底板51,53と、該底板53の下側に折目を介して連設した底貼板53aとを備え、また、側壁部Aの側壁板32,34下部に折目cを介して連設した折り込み用の二等辺三角板52,54(逆三角板)と、該三角板52のそれぞれ二等辺下側に折目を介して連設した連結三角板52aと台形板52cと、該連結三角板52a下側に折目を介して連設した連結貼板52bとを備え、前記三角板54のそれぞれ二等辺下側に折目を介して連設した連結三角板54aと台形板54cと、該連結三角板54a下側に折目を介して連設した連結貼板54bとを備える。また、側壁板35(貼着板)下部に、折目cを介して連設した下部貼着板55を備える。
【0008】図8(a)は、上記図7のスリーブブランクスを、角筒状スリーブに組み立て形成した液体紙容器用角筒状スリーブの斜視図であり、前記各平行折目a,a,a,aを介して、第1パネル1乃至第4パネル4を角筒状に同一方向に折り曲げて、第1パネル1の外側端と第4パネル4の外側端とを互いに突き合わせ、且つ第1パネル1と第4パネル4のいずれか一方パネル(図8(a)では第4パネル4)外側端に連設した第5パネル5(貼着パネル)上面又は下面に、他方パネル(図8(a)では第1パネル1)の外側端部を重ね合わせて貼着することによりサイドシール部7が形成されている。
【0009】図8(b)は、第4パネル4の外側端に連設した第5パネル5(貼着パネル)上面(外面)に、第1パネル1の外側端部を重ね合わせ貼着してサイドシール部7を形成した従来の上記角筒状スリーブを示す平面図であり、図8(c)は、上記従来の角筒状スリーブを平坦(偏平)に折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【0010】上記サイドシール部7の形成された角筒状スリーブから、液体紙容器を組み立て製造する場合は、図8(c)に示す偏平に折り畳まれた角筒状スリーブを、立ち起こして直方体形状にした後、図8(a)に示す第1パネル2と第4パネル4のトップシール部Tの二等辺三角板42,44(図7参照)を折目bを介して互いに折る(ゲーブルトップ形式の場合は二等辺三角板42,44を内側に折り込む、フラットトップ形式の場合は二等辺三角板42,44を外側に折り出す)ことにより、第1パネル1と第3パネル3の上板41と上板43(図7参照)とを折目bを介して内側に折り込み(ゲーブルトップ形式の場合は互いに傾斜屋根型にして折り込み、フラットトップ形式の場合はフラットにして折り込み)、該上板41,43端部の合掌貼板41aと43a(図7参照)とを付合わせて、付合わせにより互いに垂直に立設重合する予め加熱した該合掌貼板41a,43a、及び折られた連結合掌貼板42b,42b,44b,44b(ゲーブルトップ形式の場合は内側に、フラットトップ形式の場合は外側に折られる)を、その重合両外側より互いに対向して圧接・離間動作可能な一対の加圧ブロック板にて構成されるトップシールジョーによって加圧融着することにより、液体紙容器のトップシール部Tを密封シール形成している。
【0011】また、ボトムシール部Bは、図8(a)に示すように、第2パネル2と第4パネル4の二等辺三角板52,54を互いに内側に折込むことにより底板51と底板53(図7参照)とを互いにフラットにして折り込み、予め加熱した底板51下端部と、同じく底板53下端部の合掌貼板53a(図7参照)とを付合わせながら、同時に内側に折り込まれた連結貼板52b,54b(図7参照)及び台形板52c,54cの下端部を重合して、重合両側(実際には角筒状スリーブ内外両側)より互いに対向して圧接・離間動作可能な一対の加圧ブロック板にて構成されるボトムシールジョーによって加圧融着することにより、液体紙容器のボトムシール部Bを密封シール形成している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図8(b)の平面図に示すように、前記第1パネル1と第4パネル4のそれぞれ外側端を互いに突き合わせ、少なくともそのうちの一方パネル(例えば第4パネル4)の外側端に連設した第5パネル5(貼着パネル)上面又は下面と他方パネル(例えば第1パネル1)の外側端部との互いの重合貼着により構成される角筒状スリーブのサイドシール部7における、それぞれ互いの重ね合わせ内面(あるいは、第1パネル1乃至第4パネル4のそれぞれ内面と外面の全面)には、シーラント層として、同一樹脂層(例えばポリエチレン樹脂)若しくは加熱融着し易い異なる樹脂の組合せによる樹脂層が積層されており、予め内面を加熱した後に、サイドシール用のサイドシールジョーを用いて互いに圧着することによって、互いの内面樹脂層6を融着させて、サイドシール部7を形成していた。
【0013】しかしながら、これだけでは、液体内容物を充填包装した上記液体紙容器が落下したりして、容器内圧が瞬間的に増大した場合に、前記サイドシール部7に大きな内圧負荷が掛かり、この負荷に耐えるサイドシール部7のシール強度(接着力)は、前記内面樹脂層の加熱融着強度だけに依存することになって、内面樹脂層による融着強度が弱い液体紙容器にあっては、サイドシール部7が破裂し易いものであり、また、特に、前記サイドシール部7に、第5パネル5の外側端部を薄く切削(スカイブ)して折目aに平行に折り曲げて貼着形成してエッジプロテクトが施されている液体紙容器の場合は、落下により対物衝突した個所が押し潰されたり歪んだりして、その衝撃によってサイドシール部7のエッジプロテクトされた部分から剥離が生じ易いものであった。
【0014】本発明は、液体紙容器のサイドシール部に掛かる大きな内圧負荷に耐えるサイドシール部を備えた液体紙容器用の角筒状スリーブであって、容器内圧の急激な負荷に耐えるサイドシール部を備えた液体紙容器を製造することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、1又は図2に示すように、平行折目a,a,a,aを介して順に連設した各々矩形状の第1パネル1と第2パネル2と第3パネル3と第4パネル4と第5パネル5とを備え、前記パネル1,2,3,4は同一幅に形成され、第5パネル5は前記パネル1,2,3,4より狭幅に形成され、各々第1パネル1乃至第5パネル5を各々折目aを介して同一方向に角筒状に折り曲げて第1パネル1外側端部内面又はその外面と第5パネル5とを互いに重ね合わせ、熱融着性の内面樹脂層にて貼着してサイドシール部7が形成された液体紙容器用角筒状スリーブにおいて、スリーブ外面に、前記サイドシール部7のスリーブ外面側となる第1パネル1又は第5パネル5のいずれか一方のパネルの外側端縁を被覆する適宜幅のサイドシール強度補強用の補強フィルム8がサイドシール部7の全長に沿って第1パネル1と第5パネル5の両方のパネル面に接着材を介して貼着されていることを特徴とする液体紙容器用角筒状スリーブである。
【0016】次に、本発明の第2発明は、図3に示すように、平行折目a,a,a,aを介して順に連設した各々矩形状の第1パネル1と第2パネル2と第3パネル3と第4パネル4と第5パネル5とを備え、前記パネル2,3,4は同一幅に形成され、第1パネル1と第5パネル5は前記パネル2,3,4より狭幅に形成され、各々第1パネル1乃至第5パネル5を各々折目aを介して同一方向に角筒状に折り曲げて第1パネル1と第5パネル5のそれぞれ外側端部を互いに重ね合わせ、熱融着性の内面樹脂層にて貼着してサイドシール部7が形成された液体紙容器用角筒状スリーブにおいて、スリーブ外面に、前記サイドシール部7のスリーブ外面側となる第1パネル1又は第5パネル5のいずれか一方のパネルの外側端縁を被覆する適宜幅のサイドシール強度補強用の補強フィルム8がサイドシール部7の全長に沿って第1パネル1と第5パネル5の両方のパネル面に接着材を介して貼着されていることを特徴とする液体紙容器用角筒状スリーブである。
【0017】
【実施例】本発明の第1発明の液体紙容器用角筒状スリーブを、図1(a)〜(c)の一実施例に従って説明する。
【0018】第1発明の一実施例における液体紙容器用角筒状スリーブは、図1(a)の斜視図に示すように、第1パネル1と、第2パネル2と、第3パネル3と、第4パネル4と、第5パネル5とが、平行な折目a,a,a,aを介して順に連設されている。なお、本発明においては、前記第5パネル5は、前記第1パネル1の外側端に平行折目aを介して連設されていてもよい。
【0019】また、第1発明の一実施例における液体紙容器用角筒状スリーブは、図1(a)に示すように、上記第1パネル1乃至第5パネル5は、側壁部Aと、該側壁部Aの上側に折目b(折目aと直交する)を介して連設したトップシール部Tと、該側壁部Aの下側に折目bと平行な折目cを介して連設したボトムシール部Bとから構成されている。
【0020】第1発明の一実施例における上記第1パネル1乃至第5パネル5における側壁部Aと、トップシール部Tと、ボトムシール部Bの構造は、図7に示す従来のスリーブブランク(展開図)と同様であるので、本明細書においては詳細な説明は省略し、同図7を参照しながら説明する。
【0021】また、本発明においては、平行折目aと平行な方向の長さをそれぞれパネル長さ(若しくはパネル高さ)とし、平行折目aと直交する方向の長さをそれぞれパネル幅とすれば、第1パネル1乃至第5パネル5の各々パネル長さは、図7に示すように、それぞれパネル上端部と下端部の端縁において、必ずしも直線的ではなく、液体紙容器の構造変更、パネル設計変更により、凸凹形状が容認されるものであって、特に同一長さに限定するものではない。また、第1パネル1乃至第4パネル4の各々パネル幅は、同一幅に設定されており、第5パネル5のパネル幅は、図1(a)に示すように、第1パネル1の外側端部と重ね合わせて角筒状スリーブとして形成するために貼着できる貼着パネルとしての幅であればよく、第1乃至第4パネルのパネル幅より狭い幅となっている。
【0022】本発明の液体紙容器用角筒状スリーブは、従来と同様の液体紙容器用シートが用いられ、板紙等の用紙を主体とする基材シートに、ガスバリア性樹脂層や、臭気等低吸着性樹脂層、アルミニウム等の金属箔層、あるいは液体内容物に対応した適宜処理層を積層し、表層には熱融着性樹脂のフィルムラミネートや樹脂コーティングによるシーラント層を積層した液体紙容器用シートを用いて、打ち抜き加工や折目付け加工あるいは必要に応じて接着剤塗布加工を施して形成されているものである。
【0023】第1発明の一実施例による液体紙容器用角筒状スリーブは、図1(a)の斜視図、及び図1(b)の平面図に示すように、第1パネル1と、第2パネル2と、第3パネル3と、第4パネル4と、第5パネル5(貼着パネル)とを、平行な折目a,a,a,aを介してそれぞれ同一方向に折り曲げて角筒体形状にした後、第1パネル1外側端に連設した第5パネル5(貼着パネル)上面(外面)に、他方の第4パネル4外側端部を重ね合わせ、重ね合わせた内面樹脂層6が、加熱融着により貼着されて、サイドシール部7が形成されている。
【0024】図1(a)、図1(b)に示すように、上記液体紙容器用角筒状スリーブの上記サイドシール部7は、第1パネル1に連設した第5パネル5と、第4パネル4の外側端部とにより構成され、該サイドシール部7を構成するスリーブ外面側の第4パネル4のパネル外側端縁を被覆するように、第1パネル1外面から第4パネル4外面に亘って適宜幅のテープ状の補強フィルム8が、接着材を介して貼着されている。
【0025】図1(c)は、補強フィルム8を貼着した第1発明の液体紙容器用角筒状スリーブを平坦(偏平)に折り畳んだ状態を示す斜視図であり、液体紙容器用角筒状スリーブから、液体紙容器を組み立て製箱する場合には、サイドシール部7の形成された液体紙容器用角筒状スリーブを、一旦、平坦に折り畳んで上方に順次積み重ね集積して、製箱・充填機に装填して、製箱及び液体内容物を充填供給するものである。
【0026】図2は、第1発明の液体紙容器用角筒状スリーブの他の実施例を説明する平面図であり、第4パネル4の外側端に、平行折目aを介して第5パネル5(貼着パネル)を連設したものであり、平行折目a,a,a,aを介して、それぞれ第1パネル1、第2パネル2、第3パネル3、第4パネル4、第5パネル5(貼着パネル)を同一方向に折り曲げて角筒体形状にした後、第1パネル1外側端に連設した第5パネル5の下面(内面)に第4パネル4外側端部が重ね合わせられ、加熱融着により重ね合わせ内面が貼着され、サイドシール部7が形成されている。
【0027】図2に示すように、上記第1発明の他の実施例における液体紙容器用角筒状スリーブのサイドシール部7には、該サイドシール部7を構成する第4パネル4外側端部と第5パネル5(貼着パネル)のうち、スリーブ外面側となる第5パネル5の外側端縁を被覆するように、第4パネル4外面から第5パネル5外面に亘って、適宜幅のテープ状の補強フィルム8が、接着材を介して貼着されている。
【0028】次に第2発明の液体紙容器用角筒状スリーブは、図3の平面図に示すように、平行折目a,a,a,aを介して順に連設した各々矩形状の第1パネル1と、第2パネル2と、第3パネル3と、第4パネル4と、第5パネル5とを備える。
【0029】前記パネル2,3,4は同一幅に形成されており、第1パネル1と、第5パネル5は、前記パネル2,3,4より狭幅に形成されている。
【0030】上記第2発明の一実施例においては、図3に示すように、第1パネル1のパネル幅と、第5パネル5のパネル幅が、他の第2パネル2、第3パネル3、第4パネル4の各パネル幅の1/2程度のパネル幅であって、第1パネル1の外側端部と、前記第5パネル5の外側端部とを、互いに重ね合わせ、他のパネル2,3,4と同一幅のパネル幅とした後、互いに重ね合わせた内面樹脂層6にて、加熱融着により貼着することにより、サイドシール部7を形成されており、第1パネル1と第5パネル5との組合せによる合成パネル10のパネル幅中央部に沿って、サイドシール部7が形成されている。
【0031】図3に示すように、上記第1パネル1と第5パネル5のパネル幅方向中央部に沿って形成した上記サイドシール部7は、第1パネル1の外側端部と、第5パネル5の外側端部との重合貼着により構成され、該サイドシール部7を構成するスリーブ外面側の第1パネル1のパネル外側端縁を被覆するように、第1パネル1外面から第5パネル5外面に亘って適宜幅のテープ状の補強フィルム8が、接着材を介して貼着されているものである。
【0032】上記合成パネル10のパネル幅は、他の第2パネル2、第3パネル3、第4パネル4のパネル幅と等しくなるように、第1パネル1のパネル幅と、第5パネル5のパネル幅を、適宜に設定することができるものであり、適宜に設定される第1パネル1のパネル幅と、第5パネル5のパネル幅とに対応して、サイドシール部7の位置は、合成パネル10のパネル幅中央部と、第2パネル2側、若しくは第4パネル4側の角隅部との間の適宜位置に設定することができる。
【0033】図4は、本発明の第1発明、又は第2発明の液体紙容器用角筒状スリーブSの他の実施例を示すもので、第1パネル1と第5パネル5とを重ね合わせ貼着して形成されたサイドシール部7に、テープ状の補強フィルム8を貼着した状態を示す部分拡大斜視図である。
【0034】図4によれば、液体紙容器用角筒状スリーブSは、紙製の基材シートpの表裏両面に、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、あるいは、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン−ポリエステルブレンド樹脂などによる熱融着性の合成樹脂層p1 ,p2 (合成樹脂フィルム若しくは合成樹脂コーティング膜)が積層形成されている。なお、合成樹脂層p1 ,p2 は、同一樹脂、若しくは互いに熱融着性のある異質樹脂である。
【0035】上記第5パネル5の外側端部には、折目dを介して、エッジプロテクトのための折返パネル5aが連設されており、該第5パネル5の外側端部の内面側を、約半分の厚さに薄く切削(スカイブ)して、折返パネル5aを折目dを介して第5パネル5内面側に折り返して貼着したものであり、第1パネル1と第5パネル5は互いにパネル外面側の同一の合成樹脂層p1 によって貼着されるものである。
【0036】上記第1発明又は第2発明における補強フィルム8は、液体紙容器用角筒状スリーブSの外面と接着可能な合成樹脂フィルムを素材として使用し、例えば、液体紙容器用角筒状スリーブSの外面樹脂がポリエチレンであれば、これと熱融着可能な合成樹脂フィルムとして、例えばポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂単体フィルム又はエチレン−酢酸ビニルなどコポリマー樹脂単体のフィルム、あるいは、上記ポリオレフィン系樹脂又は上記コポリマー樹脂をシーラント層とする積層フィルムなどが使用でき、前記積層フィルムに、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート)、ナイロンなどを使用することも可能である。また厚さは特に限定しないが、例えば、300μm以下であって、50μm〜100μm程度、若しくは100μm〜200μm程度が適当である。
【0037】図5は、本発明の第1発明、又は第2発明の液体紙容器用角筒状スリーブSを製造する工程の一例を示す概要側面図であり、図7のスリーブブランクスをサイドシールすることにより得られた図8(c)に示すような液体紙容器用角筒状スリーブS1 を、スリーブ供給搬送手段15によって順次所定間隔にて供給しながら、ロール状に巻かれた長巻テープ状の補強フィルム8(例えば幅10mm〜30mm程度、又は15mm〜20mm程度)を巻き出し、該フィルム8を、スリーブS1 のサイドシール部7上に重ね合わせ、順次、回転する加熱加圧ロール16a,16b間に導入して貼着し、順次カッター17にてフィルム8をカッティングするものである。
【0038】あるいは図6に示すように、図7のスリーブブランクスをサイドシールすることにより得られた図8R>8(c)に示すような液体紙容器用角筒状スリーブS1 を、スリーブ供給搬送手段15によって順次所定間隔にて供給しながら、ロール状に巻かれた長巻テープ状の補強フィルム8(例えば幅10mm〜30mm程度、又は15mm〜20mm程度)を巻き出し、該フィルム8を、スリーブS1 のサイドシール部7上に重ね合わせ、順次、上下動作する加熱加圧板(ヒートシーラーなど)18aと定盤18b間に導入して貼着し、順次カッター17にてフィルム8をカッティングするものである。
【0039】なお図7に示すようなスリーブブランクスをサイドシールして上記サイドシール部7を形成する工程と、サイドシール部7上より補強フィルム8を貼着する工程はインラインで実施してもよいし、別工程のオフラインで実施してもよい。
【0040】
【作用】本発明の液体紙容器用角筒状スリーブは、スリーブ外面に、サイドシール部7のスリーブ外面側となる第1パネル1又は第5パネル5の外側端縁に沿って適宜幅の補強フィルム8が貼着されているので、サイドシール部7のシール強度は、第1パネル1と第5パネル5との重ね合わせ領域内面を加熱融着して得られる第1パネル1と第5パネル5との間の接着力(内面融着層の凝集力)と、サイドシール部7上よりスリーブ外面と補強フィルムとの重ね合わせ領域内面を加熱融着して得られる補強フィルムとスリーブとの間の接着力(内面融着層の凝集力)とによる両方の接着力を加算したサイドシール強度が得られる。
【0041】
【発明の効果】本発明の液体紙容器用角筒状スリーブは、サイドシール強度を、第1パネルと第5パネルとの重ね合わせ内面における接着強度だけに依存せず、補強フィルムによってシール強度を補強されており、内容物を充填包装した後の液体紙容器が落下したりして、容器内圧が瞬間的に増大し、サイドシール部に、内容物の重量による大きな内圧負荷が掛かった場合でも、この負荷に十分耐えるサイドシール強度が得られ、また、落下による対物衝突によって容器が押し潰されたり歪んだりした場合でも、貼着された上記補強フィルムによって、サイドシール部からの容器の破裂及び内容物の飛散を食い止めることができ、容器内圧の急激な変動や衝突による歪みなどに十分耐えるサイドシール部を備えた液体紙容器を製造できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は第1発明の一実施例における液体紙容器用角筒状スリーブの外観斜視図であり、(b)は第1発明の一実施例における液体紙容器用角筒状スリーブの平面図であり、(c)は第1発明の一実施例における液体紙容器用角筒状スリーブを平坦に折り畳んだ状態の斜視図である。
【図2】第1発明の他の実施例における液体紙容器用角筒状スリーブの平面図である。
【図3】第2発明の一実施例における液体紙容器用角筒状スリーブの平面図である。
【図4】第1発明又は第2発明における液体紙容器用角筒状スリーブの部分拡大斜視図である。
【図5】第1発明又は第2発明における液体紙容器用角筒状スリーブの補強フィルムを貼着する工程の一例を説明する概要側面図である。
【図6】第1発明又は第2発明における液体紙容器用角筒状スリーブの補強フィルムを貼着する工程の他の例を説明する概要側面図である。
【図7】一般的なスリーブブランクスを説明する平面図である。
【図8】(a)は従来の液体紙容器用角筒状スリーブの外観斜視図であり、(b)は従来の液体紙容器用角筒状スリーブの平面図であり、(c)は従来の液体紙容器用角筒状スリーブを平坦に折り畳んだ状態の斜視図である。
【符号の説明】
1…第1パネル 2…第2パネル 3…第3パネル 4…第4パネル
5…第5パネル 5a…折返パネル 6…内面樹脂層 7…サイドシール部
8…補強フィルム
10…合成パネル 15…スリーブ供給搬送手段
16a,16b…加熱加圧ロール 17…カッター 18a…加熱加圧板
18b…定盤
A…側壁部 T…トップシール部 B…ボトムシール部
a…平行折目 b…折目 c…折目 d…折目
S…スリーブ S1 …スリーブ p…紙製基材シート p1,2 …合成樹脂層

【特許請求の範囲】
【請求項1】平行折目a,a,a,aを介して順に連設した各々矩形状の第1パネル1と第2パネル2と第3パネル3と第4パネル4と第5パネル5とを備え、前記パネル1,2,3,4は同一幅に形成され、第5パネル5は前記パネル1,2,3,4より狭幅に形成され、各々第1パネル1乃至第5パネル5を各々折目aを介して同一方向に角筒状に折り曲げて第1パネル1外側端部内面又はその外面と第5パネル5とを互いに重ね合わせ、熱融着性の内面樹脂層にて貼着してサイドシール部7が形成された液体紙容器用角筒状スリーブにおいて、スリーブ外面に、前記サイドシール部7のスリーブ外面側となる第1パネル1又は第5パネル5のいずれか一方のパネルの外側端縁を被覆する適宜幅のサイドシール強度補強用の補強フィルム8がサイドシール部7の全長に沿って第1パネル1と第5パネル5の両方のパネル面に接着材を介して貼着されていることを特徴とする液体紙容器用角筒状スリーブ。
【請求項2】平行折目a,a,a,aを介して順に連設した各々矩形状の第1パネル1と第2パネル2と第3パネル3と第4パネル4と第5パネル5とを備え、前記パネル2,3,4は同一幅に形成され、第1パネル1と第5パネル5は前記パネル2,3,4より狭幅に形成され、各々第1パネル1乃至第5パネル5を各々折目aを介して同一方向に角筒状に折り曲げて第1パネル1と第5パネル5のそれぞれ外側端部を互いに重ね合わせ、熱融着性の内面樹脂層にて貼着してサイドシール部7が形成された液体紙容器用角筒状スリーブにおいて、スリーブ外面に、前記サイドシール部7のスリーブ外面側となる第1パネル1又は第5パネル5のいずれか一方のパネルの外側端縁を被覆する適宜幅のサイドシール強度補強用の補強フィルム8がサイドシール部7の全長に沿って第1パネル1と第5パネル5の両方のパネル面に接着材を介して貼着されていることを特徴とする液体紙容器用角筒状スリーブ。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図1】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【特許番号】特許第3407414号(P3407414)
【登録日】平成15年3月14日(2003.3.14)
【発行日】平成15年5月19日(2003.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平6−194182
【出願日】平成6年8月18日(1994.8.18)
【公開番号】特開平8−58770
【公開日】平成8年3月5日(1996.3.5)
【審査請求日】平成13年6月25日(2001.6.25)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【参考文献】
【文献】実開 平6−47118(JP,U)