説明

液体除去フィルタ装置および混合物から液体を除去する方法

フィルタ組立体およびその使用方法を開示する。フィルタ組立体は基端部および末端部を有する。フィルタ組立体は、基端部に配置した供給入口と、この供給入口に流体連通する第1フィルタ素子とを有し、第1フィルタ素子はフィルタ組立体の基端部と末端部との間に延在する。さらに、フィルタ組立体は、第1フィルタ素子と流体連通する第2フィルタ要素とを有し、第2フィルタ素子はフィルタ組立体の末端部と基端部との間に延在する。フィルタ組立体は、さらに、第1フィルタ素子を出る流体混合物を第2フィルタ素子に向けて転向させる、フィルタ組立体の基端部に配置した流れデフレクタを有する。フィルタ組立体は、さらに、フィルタ組立体の基端部に配置して、第2フィルタ素子と流体連通する未透過残留分出口を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本件出願は、2007年7月5日に出願した米国仮特許出願第60/958,386号の優先権を主張し、当該特許を本書に参照して全体を組み込む。
【0002】
有害廃棄物を含む様々な廃棄物の処理中、廃棄物はしばしば、様々な程度に脱水される。脱水は、廃棄物、例えばスラッジまたはスラリー状の廃棄物から水を除去する処理である。廃棄物の脱水は、廃棄物をより管理しやすくすることができ、また廃棄物の輸送および処分コストを低減させることができる。さらに、廃棄物の脱水は、廃棄物が要する貯蔵容積の縮小に役立ち、また廃棄物からの浸出液を減少できる。廃棄物を脱水する従来方法は、廃棄物から水を除去するフィルタを使用する。従来のフィルタユニットは、比較的長いフィルタ素子を備える。廃棄混合物がフィルタ素子を流れるにつれて、廃棄混合物の液体部分は、フィルタ素子における孔を通過することができる。
【背景技術】
【0003】
よりコンパクトなフィルタユニットは、フィルタユニットの第1端部で互いに近接ようにフィルタの入口および出口を配置することによりフィルタユニットが占める長さを短く構成することができる。フィルタユニットは、廃棄混合物を、フィルタ入口から離れる第1方向に、フィルタ処理しない非フィルタ処理パイプの長さ部分を経てフィルタユニットの第2端部方向に向けて通過させることができ、この第2端部のポイントで廃棄混合物は、フィルタユニットの端面に衝突し、廃棄混合物は激しい乱流を起こす。廃棄混合物は、この後フィルタユニットの第1端部の方向に逆流して、フィルタ処理するフィルタ素子を経て出口方向に向かって流れる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
廃棄混合物が第2端部方向に向かって非フィルタ処理パイプの長さ部分を通過するとき、また廃棄混合物がフィルタユニットの第2端部の端面に対して順次に衝突するとき、廃棄混合物は相当大きな摩擦損失を受ける。摩擦損失はフィルタユニットを通過する廃棄混合物の流速を著しく減速させ、特に非ニュートン力学的な混合物の場合にこのことが言える。さらに、よりコンパクトなフィルタユニットは、より長いフィルタユニットと比較してフィルタユニットが使用するスペースの量を削減することができ、よりコンパクトなフィルタユニットはフィルタ処理する面積を減少させるために全体的なフィルタ処理効率を低下させる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の少なくとも一つの実施形態によれば、フィルタ組立体は、入口部および出口部を有する細長部材を備える第1フィルタ素子を有する。フィルタ組立体は、さらに入口部と出口部を有する細長部材を備える第2フィルタ素子を有する。第2フィルタ素子は第1フィルタ素子の側方に隣接する。フィルタ組立体は、さらに、第1フィルタ素子の出口部を退出して第2フィルタ素子の入口部に向けて流動可能混合物を転向させるよう構成した流れデフレクタを備える。フィルタ組立体は、さらに、第1フィルタ素子および第2フィルタ素子の少なくとも一方の少なくとも一部を包囲する透過分チャンバを有する。
【0006】
本発明の他の実施形態によれば、フィルタ組立体は基端部および末端部を備える。供給入口を、フィルタ組立体の基端部に配置する。フィルタ組立体は、さらに、供給入口と流体連通する第1フィルタ素子を備え、第1フィルタ素子は基端部と末端部との間に延びて存在する(延在する)。さらに、フィルタ組立体は、第1フィルタ素子と流体連通する第2フィルタ素子を有し、この第2フィルタ素子はフィルタ組立体の基端部と末端部との間に延在する。さらに、フィルタ組立体はフィルタ組立体の末端部に配置した流れデフレクタを備え、この流れデフレクタは、第1フィルタ素子を退出する流動可能混合物を第2フィルタ素子に向けて転向するよう構成する。
【0007】
様々な実施形態によれば、フィルタ組立体は、流動可能混合物を第1方向に搬送するよう構成した複数の第1多孔質チューブと、流動可能混合物を第2方向に搬送するよう構成した複数の第2多孔質チューブを備えることができる。フィルタ組立体は、さらに、複数の第1多孔質チューブから退出する流動可能混合物を複数の第2多孔質チューブに向けて転向させるよう構成した流れデフレクタを備える。さらに、フィルタ組立体は複数の第1多孔質チューブおよび複数の第2多孔質チューブの少なくとも一方の少なくとも一部を包囲する透過分チャンバを備え、透過分チャンバは複数の第1多孔質チューブおよび複数の第2多孔質チューブの少なくとも一方から透過分を搬送するよう構成する。
【0008】
ある実施形態によれば、フィルタ組立体は、中心軸線、基端部、および末端部を有する細長ハウジングを備えこの細長ハウジングは、中心軸線の周りで細長ハウジング内に配置した第1フィルタ素子を有する。細長ハウジングは、さらに、細長ハウジング内に配置した第2フィルタ素子を備え、したがって第2フィルタ素子の少なくとも一部は、中心軸線に対して半径方向に、第1フィルタ素子を包囲する。細長ハウジングは、さらに、細長ハウジングの端面と第1フィルタ素子および第2フィルタ素子のそれぞれとの間で末端部に転向チャンバを備える。さらに、細長ハウジングは転向チャンバ内に流れデフレクタを備え、流れデフレクタは第1フィルタ素子から第2フィルタ素子に向けて流動可能混合物を転向するよう構成する。
【0009】
少なくとも一つの実施形態によれば、流動可能混合物から液体を除去する方法は、第1フィルタ素子内で第1方向に流動可能混合物を搬送するステップと、第1フィルタ素子を退出する液体混合物を第2フィルタ素子の入口部に転向するステップとを有する。本発明方法は、さらに、第2フィルタ素子を内で第1方向とはほぼ逆向きの第2方向に流動可能混合物を搬送するステップを有する。さらに、本発明方法は、第1フィルタ素子および第2フィルタ素子の少なくとも一方の多孔質表面を経て、流動可能混合物から、第1フィルタ素子および第2フィルタ素子の少なくとも一方の少なくとも一部を包囲する透過分チャンバ内に透出する透過分を搬送するステップを有する。
【0010】
上述の実施形態のいずれかにおける特徴は、本明細書に記載した上位概念的原理に基づいて互いに組み合わせて使用することができる。これらおよび他の実施形態、特徴、および利点を、添付図面および特許請求の範囲と合わせて以下の詳細な説明を読むことにより、より詳細に理解できるであろう。
添付図面はいくつかの例示的な実施形態を示し、詳細な説明の一部である。以下の説明と合わせて、これら図面は本発明の様々な原理を示し、また説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】少なくとも一つの実施形態による例示的なフィルタ装置の断面図である。
【図2】他の実施形態による例示的なフィルタ装置の断面側面図である。
【図3】少なくとも一つの実施形態による例示的な転向部材の斜視図である。
【図4】他の実施形態による例示的な転向部材の断面図である。
【図5】他の実施形態による例示的なフィルタ装置の断面図である。
【図6】他の実施形態による例示的なフィルタ装置の断面図である。
【図7】他の実施形態による例示的なフィルタ装置の断面図である。
【図8】少なくとも一つの実施形態による例示的なフィルタ装置の浸透チャンバにおけるフィルタチューブの一部の側面図である。
【図9】他の実施形態による例示的なフィルタ装置の上方から見た断面図である。
【図10】少なくとも一つの実施形態による、フィルタチューブ、チューブシート、および流れデフレクタを有する例示的なフィルタ装置の一部を示す断面斜図である。
【図11】少なくとも一つの実施形態による、例示的なチューブシートの底面図である。
【図12】少なくとも一つの実施形態による、1個以上を直列的に接続した例示的なフィルタ装置の側面図である。
【0012】
図面にわたり、同一の参照符号および説明は同様のものを示すが、必ずしも同一の要素である必要はない。本明細書に記載した例示的な実施形態は様々な変更および代替の形態にすることができ、特定実施形態を図面で例として示し、本明細書で詳細に説明する。しかし、本明細書に記載した例示的な実施形態は、開示した特定の形態に限定することを意図するものではない。むしろ、本発明は、添付した特許請求の範囲内に納まる全ての変更形態、均等形態および代替形態をカバーする。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、少なくとも一つの実施形態による例示的なフィルタ装置20である。この図に示すように、フィルタ装置20はハウジング22、基端部24、および末端部26を有する。フィルタ装置20はさらに、供給入口28、未透過残留分出口30と、透過分出口32を備える。ハウジング22を、任意の適切な形状またはサイズにして、また任意の適切な材料または材料の組み合わせで形成することができる。例えば、ハウジング22はほぼ円筒形状とし、細長とすることができる。さらに、ハウジング22は、任意の適切な形状またはサイズとした基端部24および/または末端部26を備え、例えば丸みを付けた端部部分および/または平坦な端部部分を有することができる。このフィルタ装置20を、任意の適切な構成で指向させることができる。例えば、フィルタ装置20は、末端部26の下方に基端部24が位置する向きにすることができる。
【0014】
供給入口28は、フィルタ装置20によりフィルタ処理すべき流動可能な供給混合物を受容するよう構成した、フィルタ装置20における入口開口および/または通路を備える。例えば、図1に示すように、供給入口はハウジング22の内部に突入するパイプを備える。適切な供給材料としては、以下のものに限定しないが、スラリー、スラッジ、液体混合物、気体混合物、および/または任意の適切な液体および/または固体混合物を含む。スラリーは、液体キャリアと、一つ以上の溶解および/または非溶解固体成分との混合物を含む。スラリーはさらに、固体粒子状の非溶解固体成分を有する。適切なスラリーはニュートン力学的および/または非ニュートン力学的な流体特性を示す。様々な実施形態によれば、適切なスラリーとしては水分を減少すべき(例えば脱水すべき)廃棄スラリーがある。様々なスラリーは、さらに様々な危険性および/または放射性廃棄物質を含む場合がある。
【0015】
未透過残留分出口30は、フィルタ装置20から流動可能な混合物の未透過残留分を排出するよう構成した、フィルタ装置20おける出口開口および/または通路を備える。例えば、図1に示すように、未透過残留分出口30はハウジング22の内部から延びるパイプを備える。さらに、透過分出口32は、フィルタ装置20から流動可能混合物の透過分を排出するよう構成した、フィルタ装置20における出口開口および/または通路を備える。例えば、図1に示すように、透過分出口32はハウジング22の内部から延びるパイプを備える。透過液出口32を経て流出する透過分は、フィルタ装置のフィルタ壁または薄膜における孔を通過する混合物部分である。この透過分は、主にまたは全体的に、溶解成分を含む流体溶液を含む場合がある。未透過残留分は、フィルタ壁またはフィルタ装置20のフィルタ壁または薄膜における孔を通過しない流動可能混合物部分である。少なくとも一つの実施形態によれば、未透過残留分出口30を経てフィルタ装置20を流出する未透過残留分は、透過分出口32を経てフィルタ装置を流出しなかった流動可能混合物部分である。未透過残留分出口を経て流出する未透過残留分は、流体成分および/または固体成分を含む場合がある。
【0016】
図2は様々な実施形態による例示的なフィルタ装置20である。この図に示すように、フィルタ装置20は、ハウジング22、基端部24、末端部26、供給入口28、未透過残留分出口30と、透過分出口32を、上述のように備える。さらに、フィルタ装置20は、第1フィルタ素子34、第2フィルタ素子36、および流れデフレクタ38を備える。他の実施形態によれば、第1フィルタ素子34および/または第2フィルタ素子36の少なくとも一部を、透過分チャンバ40により包囲する。さらに、流れデフレクタ38は、図示のように、転向チャンバ39の表面部分を構成する。フィルタ装置20を、末端部26の下方に基端部24位置する向きに指向させ、したがって、第1フィルタ素子34および第2フィルタ素子36は、基端部24と末端部26との間でほぼ垂直方向に延びて存在する(延在する)。
【0017】
第1フィルタ素子34は、フィルタ装置20の基端部24またはその近傍に配置した第1フィルタ入口部31、およびフィルタ装置20の末端部26またはその近傍に配置した第1フィルタ出口部33を有する。さらに、第2フィルタ素子36は、フィルタ装置20の末端部26またはその近傍に配置した第2フィルタ入口部35、およびフィルタ装置20の基端部24またはその近傍に配置した第2フィルタ出口部37を有する。第1フィルタ入口部31、第1フィルタ出口部33、第2フィルタ入口部35および/または第2フィルタ出口部37は、第1フィルタ素子34および/または第2フィルタ素子36の端部部分で構成する。他の実施形態では、第1フィルタ入口部31、第1フィルタ出口部33、第2フィルタ入口部35および/または第2フィルタ出口部37は、第1フィルタ素子34および/または第2フィルタ素子36と、供給入口28、未透過残留分出口30および/または転向チャンバとの間における、分離区域を有することができる。例えば、第1フィルタ入口部31、第1フィルタ出口部33、第2フィルタ入口部35および/または第2フィルタ出口部37は、第1フィルタ素子34および/または第2フィルタ素子36の端部および/またはこれら端部に隣接配置したチューブシートの一部を有することができる。
【0018】
第1フィルタ素子34および第2フィルタ素子36は、それぞれ、例えばスラリーなどの流動可能混合物をフィルタ処理するために適切な任意のタイプまたは形式のフィルタ素子とすることができる。さらに、第1フィルタ素子34および/または第2フィルタ素子36は、流動可能混合物をフィルタ処理可能な一個以上のフィルタ処理コンポーネント、例えば、一個以上の多孔質フィルタチューブおよび/または、多孔質壁および/または薄膜を備える一個以上のフィルタチャネルとすることができる。様々な実施形態によれば、第1フィルタ素子34は、ある量の流動可能混合物を囲み、この量は、第2フィルタ素子36が囲むことができる流動可能混合物の量とすることができる。他の実施形態では、第1フィルタ素子34は、第2フィルタ素子36が囲む流動可能混合物の量と異なる量を囲むことができる。
【0019】
さらに、第1フィルタ素子34および/または第2フィルタ素子36は、第1フィルタ素子34および/または第2フィルタ素子36の一部分またはそれ以上の部分を流動可能混合物が通過できるよう構成することができる。流動可能混合物が第1フィルタ素子34および/または第2フィルタ素子36の一部分またはそれ以上の部分を通過とき、第1フィルタ素子34および/または第2フィルタ素子36は、第1フィルタ素子34および/または第2フィルタ素子36における流動可能混合物から、流体部分を透過分チャンバ40に通過させることができる。
【0020】
様々な実施形態において、第1フィルタ素子34および/または第2フィルタ素子36は多孔質レイヤまたは壁を有し、この多孔質レイヤまたは壁は、透過分チャンバ40から第1フィルタ要素34および/または第2フィルタ要素36を通過する流動可能混合物を分離し、流動可能混合物の流体部分は多孔質レイヤまたは壁から透過分チャンバ40内に通過できる。他の実施形態によれば、第1フィルタ素子34および/または第2フィルタ素子36は、流動可能混合物の固体分、例えば固体粒子が、多孔レイヤまたは壁から透過分チャンバ40内に通過することを阻止するサイズの孔を有する多孔質レイヤまたは壁を有することができる。
【0021】
ある実施形態によれば、第1フィルタ素子34および/または第2フィルタ素子36は、ハウジング22から着脱可能とする。例えば、第1フィルタ素子34および/または第2フィルタ素子36は互いに、ハウジング22内に取り付けるフィルタカートリッジを形成し、後で取り外しおよび/または取り替えることができるようにする。他の実施形態において、第1フィルタ素子34および/または第2フィルタ素子36は、ハウジング22を有する単独の組み立てユニットとして形成することができる。
【0022】
図2に示すように、ハウジング22は、ハウジング22および/またはフィルタ装置20の中心またはほぼ中心の部分を長手方向に通過する中心軸線42を有する。さらに、ハウジング22は、中心軸線42をほぼ中心として長手方向に指向する細長ハウジングとする。第1フィルタ素子34および/または第2フィルタ素子36は、中心軸線42とほぼ平行に長手方向に配置する。第1フィルタ素子34および/または第2フィルタ素子36をまたは、中心軸線42の周りに配置する。例えば、図2に示すように、第1フィルタ素子34は、中心軸線42が第1フィルタ素子34の中心部分を長手方向に通過するように配置する。さらに、第2フィルタ素子36は、図2に示すように、第1フィルタ素子34の周りに配置する。例えば、第2フィルタ素子36は、第1フィルタ素子34の少なくとも一部を、中心軸線42に対して半径方向に包囲する。他の実施形態によれば、第2フィルタ要素36は、中心軸線42が第2フィルタ素子36の中心部分を長手方向に通過し、第1フィルタ素子34が第2フィルタ素子36を、中心軸線42に対して半径方向に包囲するように、配置することができる。ある実施形態によれば、第1フィルタ素子34は第2フィルタ素子36に隣接させ、第1フィルタ素子34が第2フィルタ素子36の一部を半径方向に包囲せず、また第2フィルタ素子36が第1フィルタ素子34の一部を囲まない構成とすることができる。
【0023】
透過分チャンバ40は第1フィルタ素子34および/または第2フィルタ素子36の様々な部分を包囲することができ、さらに、透過分チャンバ40は第1フィルタ素子34および/または第2フィルタ素子36の一部に貫通することができる。透過分チャンバ42はまた、第1フィルタ素子34と第2フィルタ素子36との間、および/または第1フィルタ素子34および/または第2フィルタ素子36を形成するフィルタコンポーネント間に延在することができる。透過分出口32を透過分チャンバ40に接続し、したがって透過分チャンバ内の透過分は、透過分出口32を経てフィルタ装置20から排出することができる。
【0024】
第1フィルタ素子34は、供給入口28と転向チャンバ39との間で、フィルタ装置20の一部を通って長手方向に延在する。したがって、供給入口28からフィルタ装置20に流入する流動可能供給混合物を、供給入口28から第1フィルタ素子34を経て転向チャンバ39に移送することができる。流れデフレクタ38は転向チャンバ39の表面の少なくとも一部を形成する。流れデフレクタ38は、第1フィルタ素子34から転向チャンバ39に流入する流れを、第2フィルタ要素36に向けて転向させるよう構成する。例えば、流れデフレクタ38は、転向チャンバ39に隣接する第1フィルタ出口部33を退出する流れを、転向チャンバ39に隣接する第2フィルタ入口部35に向けて転向させる。
【0025】
様々な実施形態によれば、流れデフレクタ38は、第1フィルタ出口部33および/または第2フィルタ入口部35に向かって開口する環状凹面を有する環状トラフを備える。流れデフレクタ38の環状凹面の外側部分は、中心軸線42に対して半径方向外方に傾斜する。さらに、流れデフレクタ38の環状凹面の内側部分は、中心軸線42に対して半径方向内方に傾斜し、突出部を形成する。少なくとも一つの実施形態によれば、流れデフレクタ38に形成される突出部は、第1フィルタ素子34および/または第2フィルタ素子36に向かって、ほぼ中心軸線42に沿って延在する。
【0026】
他の実施形態によれば、第2フィルタ素子36は、転向チャンバ39と未透過残留分出口30との間で、フィルタ装置20の一部を長手方向に延在する。したがって、転向チャンバ39から第2フィルタ素子36に流入する流動可能供給混合物は、第2フィルタ入口部35から第2フィルタ素子36を経て未透過残留分出口30に移送され、この未透過残留分出口30は第2フィルタ素子26に接続し、また第2フィルタ出口部37に開口する。
【0027】
第1フィルタ素子34および第2フィルタ素子36の双方を有するフィルタ装置20は、流動可能混合物を第1フィルタ素子または一組のフィルタチューブのセットを一方向のみに通過させるよう構成しただけのフィルタ装置と比較して、著しく向上したフィルタ処理効率で動作することができる。例えば、第1フィルタ素子34および/または第2フィルタ素子36の双方を有するフィルタ装置20は、フィルタ装置20を通過するとき流動可能混合物が曝らされるフィルタ表面積を大幅に増大する。したがって、流動可能混合物は、第1フィルタ素子34を第1方向に通過するときにフィルタ処理され、また第2フィルタ素子36を第1方向とはほぼ反対方向の第2方向に通過するときにもフィルタ処理される。流動可能混合物は、フィルタ処理をしない非フィルタ処理通路により流動可能混合物をフィルタ装置の基端部から末端部に向けて指向させるだけであるフィルタ装置の場合のような、基端部24から末端部26に通過するときに単に摩擦損失を受けるよりもむしろ、フィルタ装置20の基端部24から末端部26に向けて通過するときフィルタ処理される。
【0028】
図3および4は、少なくとも一つの実施形態による例示的な流れデフレクタ38を示す。図3は流れデフレクタ38の斜視図を示、図4は図3に示した流れデフレクタの断面を示す。これら図面に示すように、流れデフレクタ38は、環状凹面63および突出部68を有する環状溝62を有する。
【0029】
流れデフレクタ38は、ハウジング22内におけるフィルタ装置20の末端部26内に適合するよう構成し、転向チャンバ39の表面部分を形成する(図2参照)。他の実施形態によれば、流れデフレクタ38は、任意の適切な取り付け手段、例えば流れデフレクタ38をハウジング22に溶接することにより、フィルタ装置20の末端部26でハウジング22に取り付ける。環状溝62は、フィルタ装置のハウジング22内に配置するとき、中心軸線42周りに、少なくとも部分的に延在する。環状溝62の表面部分を構成する環状凹面63は、フィルタ装置のハウジング22内に配置するとき、第1フィルタ素子34および/または第2フィルタ素子36に対面するように構成する。環状凹面63は、第1フィルタ素子34を退出する流動可能混合物を転向するのに適切な任意の形状に形成することができる。
【0030】
様々な実施形態によれば、環状凹面63の外側表面部分64は、図3および4に示すように、中心軸線42に対して半径方向外方に傾斜させることができる。外側表面部分64は、環状凹面63に沿って湾曲した傾斜面および/またはほぼ中心軸線42に対してほぼ半径方向外方で平行な傾斜面を形成することができる。さらに、内側表面部分66は、環状凹面63に沿って湾曲した傾斜面および/または中心軸線42に対して半径方向内方でほぼ平行な傾斜面を形成することができる。ある実施形態によれば、内側表面部分66は、図3,4に示すように、中心軸線42に対して半径方向内方に傾斜して突出部68を形成する。流れデフレクタ38の一部を構成する突出部68は第1フィルタ素子34および/または第2フィルタ素子36に向かって、ほぼ中心軸線42に沿って突出する。少なくとも一つの実施形態によれば、突出部68、ほぼ円錐状または截頭円錐状の形状とし、端部部分は中心軸線42を中心とする。他の実施形態によれば、突出部68は、フィルタ装置20の末端部26で、ハウジング22の端部部分の傾斜とはほぼ逆方向に傾斜する。
【0031】
流れデフレクタ38は、フィルタ装置20を通過する流動可能混合物の乱流および/または摩擦流体損失を減少させることができる。例えば、流れデフレクタ38は、第1フィルタ素子34を退出する流動可能混合物を第2フィルタ素子36に向けて比較的湾曲した経路に沿って指向させる(図2参照)。流れデフレクタ38の環状凹面63の湾曲経路は、より少ない乱流でフィルタ装置を通って流動可能混合物を流動させるよう補助してしたがって、環状溝62および/または突出部68のない平面または凹面だけを有するハウジング22の末端部と比較してより低い摩擦になる。
【0032】
少なくとも一つの実施形態において、流動可能混合物は、中心軸線42が第1フィルタ素子34のほぼ中心部分を長手方向に通過する第1フィルタ素子34から転向チャンバ39に流入する。第1フィルタ素子34を退出する流動可能混合物の大部分は、突出部68の近傍に接触および/または通過する。突出部68の近傍に接触するおよび/または通過する流動可能混合物は、環状溝62の環状凹面63に沿っておよび/または近傍を外方に導かれ、環状凹面63は内側表面部分66の位置および/または近傍から、外側表面部分64の位置および/または近傍に指向し、ほぼ第2フィルタ素子36に向かって流れる(以下の図5参照)。
【0033】
他の実施形態によれば、流動可能混合物は、第2フィルタ素子36を半径方向に包囲する第1フィルタ素子34から転向チャンバ39に流入し、この場合、第2フィルタ素子36は、中心軸線42が第2フィルタ素子36の中心部分を長手方向に通るように配置する。第1フィルタ素子34を退出する流動可能混合物の大部分は、環状溝62の外側表面部分64の近傍に接触および/または通過する。外側表面部分64の近傍に接触および/または通過する流動可能混合物の部分は、環状溝62の環状凹面63に沿っておよび/または近傍を半径方向内方に導かれ、外側表面部分64の位置および/または近傍の位置から、内側表面部分66の位置および/または近傍の位置に向かって、ほぼ第2フィルタ素子36の方向に流れる(以下の図6参照)。
【0034】
図5および6は、様々な実施形態による、例示的なフィルタ装置120およびフィルタ装置220を通る流動可能混合物の流路を示す。図5に示すように、フィルタ装置120は、ハウジング122、基端部124、末端部126、供給入口128、未透過残留分出口130、透過分出口132を備える。さらに、フィルタ装置120は、第1フィルタ素子134、第2フィルタ素子136、流れデフレクタ138、透過分チャンバ140を備える。
【0035】
少なくとも一つの実施形態によれば、第1フィルタ素子134および/または第2フィルタ素子136を、中心軸線にほぼ平行して長手方向にハウジング122内に配置する(図2の中心軸線42参照)。第1フィルタ素子134および/または第2フィルタ素子136を、ほぼ中心軸線周りに配置する。例えば、第1フィルタ素子134は、第1フィルタ素子134の中心部分を長手方向に中心軸線42が通過するよう配置する。したがって、第2フィルタ素子136は第1フィルタ素子134の周りを少なくとも部分的に包囲するよう配置する。例えば、第2フィルタ素子136はハウジング122の中心軸線に関して第1フィルタ素子134の少なくとも一部を包囲する。
【0036】
図5は、少なくとも一つの実施形態による、供給入口128から未透過残留分出口130にフィルタ装置を通りぬける流動可能混合物の経路を示す。フィルタ装置120を経て流れる流動可能混合物の経路を、図面に示すように矢印で表す。フィルタ装置120を流動可能混合物が流れるとき、流動可能混合物の流体成分は、少なくとも一つの第1フィルタ素子134および/または第2フィルタ素子136の少なくとも一部を通過して透過分チャンバ140に流入し、透過分出口132から流出する。流動可能混合物はしたがって流体含有率が減少し、フィルタ装置120の部分を通過するにつれて、固体含有率が増加する。したがって、残留分出口から流出する未透過残留分は、供給入口128に流入する供給混合物よりも、高い固体含有率を有する。
【0037】
装置120は、中心軸線(例えば、図2の中心軸線42参照)と、この中心軸線を包囲するおよび/またはこの中心軸線を中心とする細長ハウジング122とを備える。第1フィルタ素子134および/または第2フィルタ素子136を、ハウジング122に対して長手方向にハウジング122内に配置する。様々な実施形態によれば、第1フィルタ素子134は、ハウジング122内で長手方向中央に位置するように配置する。例えば、第1フィルタ素子134は、装置120における中心軸線を中心として(例えば図1における第1フィルタ素子34および中心軸線42参照)、中心軸線とほぼ平行および/または中心軸線をほぼ中心にして、および/またはハウジング122内の長手方向ほぼ中央に配置することができる。さらに、第2フィルタ素子136を少なくとも部分的に第1フィルタ素子134の周りに配置する。例えば、第2フィルタ素子136は第1フィルタ素子134を半径方向に包囲し、および/または、第1フィルタ素子134の少なくとも一部から、フィルタ装置120および/または細長ハウジング122の中心軸線に対して、半径方向外側に配置する。
【0038】
図5に示すように、流動可能混合物または供給混合物は、供給入口128でフィルタ装置120に流入する。流動可能混合物または供給混合物としては、任意の適切な混合物、例えば、以下に限定するわけではないが、スラリー、スラッジ、液体混合物、および/または任意の適切な流体および/または固体混合物がある。流動可能混合物は供給入口128から、この供給入口128に流体連通する第1フィルタ素子134内に流入する。
【0039】
流動可能混合物は、フィルタ装置120の基端部124から末端部126に向かう、第1長手方向に、第1フィルタ素子134を通って流れる。流動可能混合物は第1フィルタ要素134を通過するとき、流動可能混合物の流体部分を含む透過分は、第1フィルタ素子134から、第1フィルタ素子134を少なくとも部分的に包囲する透過分チャンバ140内に流入する。透過分チャンバ140内の透過分は、透過分チャンバ140に流体連通する透過分出口132を経て、フィルタ装置120から流出する。透過分は、流動可能供給混合物の液体部分を含む。他の実施形態では、透過分チャンバ140内の透過分は、溶解した溶質を含む溶液とする。様々な実施形態によれば、固体粒子を含む流動可能混合物の様々な固体部分は、第1フィルタ素子134の内側と透過分チャンバ140との間に存在する多孔質壁または薄膜により、第1フィルタ素子134から透過分チャンバ140内に通過するのを阻止することができる。他の実施形態によれば、第1フィルタ素子134の孔よりも小さい固体粒子は、第1フィルタ素子134から透過分チャンバ140内に通過する。
【0040】
流動可能混合物は第1フィルタ素子134の末端部から、第1フィルタ素子134と流体連通する転向チャンバ139内に流入する。転向チャンバ139は、フィルタ装置120の末端部126に配置する。第1フィルタ素子134を退出する流動可能混合物は、供給入口128から第1フィルタ素子134に流入する流動可能混合物と比較して、高い固体含有量を有する。第1フィルタ素子134から転向チャンバ139に流入する流動可能混合物の少なくとも一部を、流れデフレクタ138(例えば、図3および4における流れデフレクタ38参照)により、転向チャンバ139に流体連通する第2フィルタ素子136に向けて転向させる。さらに、流動可能混合物の少なくとも一部は、流れデフレクタ138と接触することなく、転向チャンバ139から第2フィルタ素子136に流れる。様々な実施形態によれば、流れデフレクタ138は、図5に示すように、細長ハウジング122に対して半径方向外方に、第2フィルタ素子136に向かって、流動可能混合物を転向させる。さらに、流れデフレクタ138は、流動可能混合物をフィルタ装置120および/またはハウジング122の中心軸線に関して半径方向外方に転向させる(図2参照)。
【0041】
流動可能混合物は、次に、第2フィルタ素子136を通って、第2長手方向に、フィルタ装置120の末端部126から基端部124に流れる。流動可能混合物が第2フィルタ素子136を通過する第2長手方向は、流動可能混合物が第1フィルタ素子134を通過する第1長手方向とほぼ反対方向である。流動可能混合物が第2フィルタ素子136を通過するとき、流動可能混合物の流体部分を含む透過分は、第2フィルタ素子136から、少なくとも部分的にこの第2フィルタ素子136を包囲する透過分チャンバ140内に通過する。
【0042】
少なくとも一つの実施形態によれば、透過分チャンバ140は第1フィルタ素子134および第2フィルタ素子136の一方または双方を少なくとも部分的に包囲する。したがって、第2フィルタ素子136から透過分チャンバ140に流入する透過分は、第1フィルタ素子134から透過分チャンバ140に流入する透過分と混合する。様々な実施形態によれば、透過分チャンバ140内の透過分は、溶解した溶質を有する溶液である。さらに、流動可能混合物の固体部分、例えば固体粒子は、第2フィルタ素子136と透過分チャンバ140との間に存在する多孔質壁または薄膜により、第2フィルタ素子136内部から透過分チャンバ140に透過するのを阻止される。他の実施形態によれば、第2フィルタ素子136の孔よりも小さい固体粒子は、第2フィルタ素子136から透過分チャンバ140内に通過する。第1フィルタ素子134および/または第2フィルタ素子136から透過分チャンバ140への透過分は、透過分出口132を経てフィルタ装置120を流出する。
【0043】
流動可能混合物は、これに続いて、第2フィルタ素子136の基端部から、第2フィルタ素子136に流体連通する未透過残留分出口130内に流入する。未透過残留分出口130はフィルタ装置120の基端部に配置し、ハウジング122の外部に対して開口する。第2フィルタ素子136を退出する流動可能混合物は、転向チャンバ139から第2フィルタ素子136に流入する流動可能混合物と比較して高い固体含有率を有する。流動可能混合物または未透過残留分は、未透過残留分出口130でフィルタ装置120から流出する。未透過残留分出口130から流出する流動可能混合物または未透過残留分は、供給入口128に流入する流動可能混合物または供給混合物よりも高い固体含有量を有する。
【0044】
図6は他の実施形態による、供給入口228から未透過残留分出口230にフィルタ装置220を通って流れる、流動可能混合物の経路を示す。流動可能混合物220がフィルタ装置220を通過するとき、流動可能混合物内の流体成分は、少なくとも一つの第1フィルタ素子234および/または第2フィルタ素子236を経て透過分チャンバ240に透過し、透過分出口232から流出する。流動可能混合物はしたがって、フィルタ装置220の一部を流動可能混合物が通過するにつれて、流体含有率が減少しまた固体含有率が増加する。したがって、未透過残留分出口230を流出する未透過残留分は、供給入口228に入る流動可能混合物より高い固体含有率を有する。
【0045】
装置220は中心軸線(例えば、図2の中心軸線42参照)、この中心軸線を包囲するおよび/またはこの中心軸線をほぼ中心とする細長ハウジング222を備える。第1フィルタ素子234および/または第2フィルタ素子236は、ハウジング222内で、ハウジング222に対して長手方向に配置する。様々な実施形態によれば、第2フィルタ素子236を、ハウジング222内部の長手方向中央に位置するよう配置する。例えば、第2フィルタ素子236は、フィルタ装置220の中心軸線とほぼ平行におよび/またはほぼ中心に、および/またはハウジング222内部の長手方向のほぼ中央に配置する。さらに、第2フィルタ素子234は、第2フィルタ素子236の周りに少なくとも部分的に位置する。例えば、第1フィルタ素子134は、フィルタ装置220内の中心軸線および/または細長ハウジング222に関して、第2フィルタ素子236の少なくとも一部を、半径方向に包囲するおよび/またはその半径方向外方に配置する。
【0046】
図6に示すように、流動可能混合物は、図5に示すフィルタ装置220を通って流れる流動可能混合物の流路とほぼ逆向きである流路により、フィルタ装置220を通過する。流動可能混合物または供給混合物は、供給入口228でフィルタ装置220に流入する。流動可能混合物は、供給入口に流体連通する第1フィルタ素子234内へ、供給入口228を通って流れる。流動可能混合物は、次に、フィルタ装置220の基端部224から末端部226に向けて第1長手方向に第1フィルタ素子234を通過する。流動可能混合物は第1フィルタ素子234を通過するとき、流動可能混合物の流体部分を含む透過分は、第1フィルタ素子234の内部から、第1フィルタ素子234を少なくとも部分的に包囲する透過分チャンバ240に、透過する。
【0047】
流動可能混合物は、次に、第1フィルタ素子234と流体連通する転向チャンバ239に向かって第1フィルタ素子234の末端部から流れる。転向チャンバ239を、フィルタ装置220の末端部226内に配置する。第1フィルタ素子234から転向チャンバ239に流れる流動可能混合物の少なくとも一部は、流れデフレクタ238(図3および4の流れデフレクタ38を再度参照)により、転向チャンバ239に流体連通する第2フィルタ素子236に向けて転向する。さらに、流動可能混合物の少なくとも一部は、流れデフレクタ238と接触することなく転向チャンバ239を経て第2フィルタ素子236に流入する。流れデフレクタ238は、図6に示すように、細長ハウジング222に関して半径方向内方に、第2フィルタ素子236に向けて、流動可能混合物を転向する。さらに、流れデフレクタ238はフィルタ装置220および/またはハウジング222の中心軸線(図2参照)に関して半径方向内方に、流動可能混合物を転向する。
【0048】
流動可能混合物は次に、フィルタ装置220の末端部226から基端部224に向かって第2長手方向に第2フィルタ素子236を通過する。流動可能混合物が第2フィルタ素子136を通過する第2長手方向は、流動可能混合物が第1フィルタ素子234を通過する第1長手方向とはほぼ逆向きである。流動可能混合物は第2フィルタ素子236を通過するとき、流動可能混合物の流体部分を含む透過分は、第1フィルタ素子236から、この第2フィルタ素子236を少なくとも部分的に包囲する透過分チャンバ240に透過する。少なくとも一つの実施形態によれば、透過分チャンバ240は、第1フィルタ素子234および第2フィルタ素子236の一方または双方を少なくとも部分的に包囲する。したがって、第2フィルタ素子236から透過分チャンバ240に流入する透過分は、第1フィルタ素子234から透過分チャンバに流入する透過分と混合する。第1フィルタ素子234および/または第2フィルタ素子からの透過分チャンバ240内の透過分は、透過分出口232を経てフィルタ装置220から流出する。
【0049】
流動可能混合物は、第2フィルタ素子236と流体連通する未透過残留分出口230内に第2フィルタ素子236の基端部から流入する。未透過残留分出口230はフィルタ装置220の基端部に配置し、またハウジング222の外部に開口する。流動可能混合物または未透過残留分は、未透過残留分出口230でフィルタ装置220から流出する。未透過残留分出口230を退出する流動可能混合物または未透過残留分は、供給入口228に入る流動可能混合物または供給混合物より、高い固体含有率を有する。
【0050】
図7は、少なくとも一つの実施形態による例示的なフィルタ装置320を示す。この図面に示すように、フィルタ装置320は、ハウジング322、基端部324、末端部326、供給入口328、未透過残留分出口320、透過分出口332を備える。さらに、フィルタ装置320は、第1フィルタ素子334、第2フィルタ素子336、流れデフレクタ338を備える。他の実施形態によれば、第1フィルタ素子334および/または第2フィルタ素子336の少なくとも一部を、透過分チャンバ340により包囲する。さらに、転向チャンバ339を、図示のように末端部326に配置する。流れデフレクタ338は転向チャンバ339の少なくとも一部とする。
【0051】
第1フィルタ素子334は、フィルタ装置320の基端部324またはその近傍に配置した第1フィルタ入口部331、およびフィルタ装置320の末端部326またはその近傍に配置した第1フィルタ出口部333を備える。さらに、第2フィルタ素子336は、フィルタ装置320の末端部326またはその近傍に配置した第2フィルタ入口部337、およびフィルタ装置320の基端部324またはその近傍に配置した第2フィルタ入口部337を備える。
【0052】
様々な実施形態によれば、第1フィルタ素子334は、図7に示すように、一つ以上のフィルタチューブ344を備える。同様に、第2フィルタ素子336は一つ以上のフィルタチューブ346を備える。フィルタチューブ344,346は、多孔質壁および/または多孔質薄膜を有する多孔質フィルタチューブにより構成する。フィルタチューブ344,346は、流動可能混合物をフィルタチューブ344,346の中空中心部分に長手方向に通過させる。流動可能混合物はフィルタチューブ344,346内で長手方向に通過するとき、流動可能混合物の流体部分は、流動可能混合物から透過分チャンバ340に透過して透過分出口332から流出する。さらに、透過分チャンバ340はフィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346を包囲するおよび/またはフィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346間に延在して、フィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346の比較的大きな部分を透過分チャンバ340に露出させる。ある実施形態によれば、第1フィルタ入口部331および/または第1フィルタ出口部333は、第1フィルタ素子334の少なくとも一部を形成する一つ以上のフィルタチューブ344の各端部内および/または各端部外への、流動可能混合物の流れを可能にする一つ以上の開口を有する。同様に、第2フィルタ入口部335および/または第2フィルタ出口部337は、第3フィルタ素子334の少なくとも一部を形成する一つ以上のフィルタチューブ346の各端部内および/または各端部外への、流動可能混合物の流れを可能にする一つ以上の開口を有する。
【0053】
少なくとも一つの実施形態によれば、フィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346は、フィルタ装置320の基端部324と末端部326との間を長手方向に延在する。さらに、1個以上のフィルタチューブ344および/または1個以上のフィルタチューブ346を、それらが互いにおよび/またはフィルタ装置320の中心軸線とほぼ平行になるように配置する(図2の中心軸線参照)。他の実施形態によれば、フィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346は、図7に示すように、互いに間隔をあけて配置し、透過分が容易にフィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346から透過分チャンバ340内透出することを可能にする。例えば、フィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346を互いに間隔をあけて配置することにより、フィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346の壁の比較的大きな表面積を透過分チャンバ340に曝すことができる。
【0054】
フィルタチューブ344,346のそれぞれを、任意の適切な直径、長さ、形状で形成する。例えば、フィルタ装置320内のフィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346の数を増加することは、透過分チャンバ340に曝されるフィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346の総面積を増加する。さらに、比較的大きな直径のフィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346は、流動可能混合物がフィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346の中心部分を通過することを容易にする。他の実施形態によれば、フィルタ装置320はフィルタチューブ346と同数のフィルタチューブ344を備える。同様に、フィルタチューブ344は、フィルタチューブ346が流動可能混合物の量とほぼ等しい量のり流動可能混合物を包囲することができる。
【0055】
図8は、透過分チャンバ340により包囲するフィルタチューブ344の代表的な断面を示す。フィルタチューブ346は、この図に示すフィルタチューブ344とほぼ同様に形成し、また動作する。図8に示すように、フィルタチューブ344は多孔質壁348を備える。流動可能混合物はフィルタチューブ344の内側を通過する。例えば、流動可能混合物は、図8に示すように、多孔質壁348が画定するフィルタチューブ344の中空内部をほぼ長手方向に通過する。多孔質壁348は、液体は通過するが孔の直径よりも大きい固体粒子の通過は阻止する大きさの孔を有するフィルタ壁および薄膜を有する。ある実施形態において、多孔質壁348は、多孔質壁の孔の直径より小さい直径を有する溶解した溶質および固体粒子の通過を可能にするサイズの孔を有する。
【0056】
多孔質壁348は、フィルタチューブ344の中空内部を通過する流動可能混合物と透過分チャンバ340とを分離する。フィルタチューブ344を通過する流動可能混合物の流体部分は、透過分チャンバ340内へ多孔質壁348の孔を透過可能であり、フィルタチューブ344の内側から透過分チャンバ340に多孔質壁348を通過する方向に延びる図8の矢印で示す。様々な実施形態によれば、多孔質壁348は、様々な固体粒子などの流動可能混合物の固体部分が、透過分チャンバ340内に向かって孔を通過することを阻止するサイズの孔を備える。他の実施形態では、多孔質壁348の孔を通過して透過分チャンバ340に流れる透過分は、多孔質壁348の孔の直径よりも小さい直径を有する溶解した溶質および/または固体粒子を含む。したがって、流動可能混合物がフィルタチューブ344を通過するにつれて、流動可能混合物の流体部分または透過分を、フィルタチューブ344内を通って流れる流動可能混合物の固体部分および/または残留流体部分から分離する。上述のように、透過分は多孔質壁348の孔を通過するために十分小さい特定の溶解した溶質および/または固体粒子を含む。したがって、流動可能混合物がフィルタチューブ344を通過するにつれて、流動可能混合物は固体成分の含有率が上昇する。
【0057】
図9は、図7に示す9−9線上のフィルタ装置320の上方から見た断面図である。図9に示すように、フィルタ装置320は、ハウジング322、透過分チャンバ340、複数のフィルタチューブ344を有する第1フィルタ素子334、複数のフィルタチューブ346を有する第2フィルタ素子336、を備える。透過分チャンバを、ハウジング322の内壁で画定する。さらに、透過分チャンバ340は少なくとも部分的に第1フィルタ素子334および/または第2フィルタ素子336を包囲する。透過分チャンバ340は、さらに、第1フィルタ素子334および/または第2フィルタ素子336の一部を貫通するおよび/または包囲する。例えば、図9に示すように、透過分チャンバ340は第1フィルタ素子334および第2フィルタ素子336を貫通し、個別のフィルタチューブ344,346間を貫通し、また少なくとも部分的に包囲し、これにより、フィルタチューブ344、346の内側から透過分チャンバ340に透過分が透出することを容易にする。
【0058】
様々な実施形態によれば、フィルタチューブ344を備える第1フィルタ素子334および/またはフィルタチューブ346を備える第2フィルタ素子336を、フィルタ装置320のほぼ中心部を中心軸線が長手方向に延在するように配置することもできる。例えば、第1フィルタ素子334を、フィルタ装置320および/またはハウジング322の中心部を長手方向に延在する中心軸線(図2の中心軸線42参照)を囲むように配置する。図9に示すように、第1フィルタ素子334の少なくとも一部を形成する複数のフィルタチューブ344を、ハウジング322内でフィルタ装置の少なくとも半径方向中心部に配置する。他の実施形態では、第2フィルタ素子336を図9に示すように、ハウジング322内で第1フィルタ素子344を少なくとも部分的に半径方向に包囲するように配置する。第2フィルタ素子336の少なくとも一部を形成する複数のフィルタチューブ346を、ハウジング内で第1フィルタ素子334の少なくとも一部を形成するフィルタチューブ344を半径方向に囲むように配置する。他の実施形態によれば、第2フィルタ素子336を、ハウジング322内でフィルタ装置320の半径方向中心部に配置し、第1フィルタ素子334が第2フィルタ素子336を包囲するように配置する。
【0059】
さらに、図9に示すように、フィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346を互いに間隔をあけて配置して、フィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346を透出する透過分がすぐに透過分チャンバ340内に流れることを可能にする。例えば、フィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346を互いに間隔をあけて配置することにより、フィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346の多孔質壁348(図8参照)の比較的大きな表面積を透過分チャンバ340に対して曝すことができる。
【0060】
図10は、少なくとも一つの実施形態による例示的なフィルタ装置320の一部を示す。フィルタ装置320は、フィルタチューブ344を備える第1フィルタ素子334と、フィルタチューブ346を備える第2フィルタ素子336と、を備える(図7および9参照)。フィルタ装置320は流れデフレクタ338を備える。さらに、フィルタ装置320は基端チューブシート350および末端チューブシート352を有する。フィルタチューブ344,346は、フィルタ装置320の基端部324と末端部326との間に長手方向に延在する(図7参照)。さらに、1個以上のフィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346を、互いにおよび/またはフィルタ装置320の中心軸線に対してほぼ平行となるように配置する。他の実施形態によれば、フィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346を、図10に示すように、互いに間隔をあけて配置する。さらに、フィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346を、互いに間隔を空け、この間隔を1個以上のブレース部材353により支持および/または維持する。ブレース部材353は、1個以上のフィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346を包囲するおよび/またはフィルタチューブ間に嵌合するよう構成した任意の適切な部材とすることができる。
【0061】
さらに、図10に示すように、フィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346を、基端チューブシート350および/または末端チューブシート352に連結する。例えば、フィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346の基端部を、基端チューブシート350に連結し、フィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346の末端部を、末端チューブシート352に連結する。様々な実施形態によれば、フィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346を、基端チューブシート350および/または末端チューブシート352に対して、基端チューブシート350および/または末端チューブシート352を貫通する孔において、連結する。例えば図10に示すように、フィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346は、少なくとも部分的に、基端チューブシート350および/または末端チューブシート352に画定した孔に貫通する。
【0062】
少なくとも一つの実施形態によれば、基端チューブシート350および/または末端チューブシート352は、透過分チャンバ340の少なくとも一部を画定する面を有する。さらに、基端チューブシート350は、フィルタ装置320の基端部324の少なくとも内面部分を画定し、供給入口328および/または未透過残留分出口320の内面部分を含む(図7参照)。同様に、末端チューブシート352は、フィルタ装置320の末端部326の少なくとも内面部分を画定し、例えば、転向チャンバ339の内面部分を含む。さらに、基端チューブシート350は、第1フィルタ入口部331および/または第2フィルタ出口部337の少なくとも一部と隣接するように配置するおよび/または画定する。同様に、末端チューブシート352は、第1フィルタ出口部333および/または第2フィルタ入口部335の少なくとも一部と隣接するように配置するおよび/または画定する。
【0063】
図11は、少なくとも一つの実施形態による例示的な基端チューブシート350の底面図である。末端チューブシート352は、この図に示す基端チューブシート350とほぼ同様または同一の構成とする。図11に示すように、基端チューブシート350は、チューブシート表面354、および1個以上のフィルタ孔358,360を有する。フィルタ孔358,360は、フィルタチューブ344,346に連結するよう構成する。例えば、フィルタ孔358を、1個以上のフィルタチューブ344に連結するように構成する、および/またはフィルタ孔360を1個以上のフィルタチューブ346に連結するよう構成する(図10参照)。フィルタ孔358および/またはフィルタ孔360を、任意の適切な連結手段により、フィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346に連結するよう構成する。例えば、フィルタチューブ344および/またはフィルタチューブ346を、フィルタ孔358および/またはフィルタ孔360に、少なくとも部分的に挿入および/または貫通させる。
【0064】
さらに、図11に示すように、フィルタ孔360が基端チューブシート350に形成した複数のフィルタ孔358の少なくとも一部を半径方向に包囲するよう、複数のフィルタ孔360を基端チューブシート350に形成する。他の実施形態によれば、フィルタ孔358が、基端チューブシート350に形成した複数のフィルタ孔360の少なくとも一部を半径方向に包囲するよう、複数のフィルタ孔358を基端チューブシート350に形成する。ある実施形態によれば、基端チューブシート350は、さらに、カラー356を有する。カラー356は、フィルタ孔358および/またはフィルタチューブ344を通過する流動可能混合物を、フィルタ孔360および/またはフィルタチューブ346を通過する流動可能混合物から分離する。様々な実施形態によれば、カラー356は、未透過残留分出口330から供給入口328を分離する壁および/または表面部分に一致させるおよび/またはこの壁および/または表面部分を形成する。さらなる実施形態によれば、カラー356は供給入口に接続する。
【0065】
図12は、少なくとも一つの実施形態による、例示的なフィルタ装置420Aおよび例示的なフィルタ装置420Bを直列接続した例を示す。例えば、この図に示すように、フィルタ装置420Aを、フィルタ装置420Bに直列接続する。フィルタ装置420Aは、基端部424A、末端部426A、ハウジング422A、供給入口428A、および未透過残留分出口430Aを備える。同様に、フィルタ装置420Bは、基端部424B、末端部426B、ハウジング422B、供給入口428B、および未透過残留分出口430B、を備える。フィルタ装置420Aおよびフィルタ装置420Bは、それぞれ未透過残留分浸透出口を有する(図1参照)。図12にさらに示すように、フィルタ装置420Aの未透過残留分出口430Aを、フィルタ装置420Aに接続するフィルタ装置420Bの供給入口428Bに接続する。
【0066】
フィルタ装置420Aおよびフィルタ装置420Bのように2個以上のフィルタ装置を、任意の適切な構成で互いに接続する。少なくとも一つの実施形態によれば、フィルタ装置420Aは、供給入口420Aに流入する流動可能混合物が図5に示すのと同様な流れパターンでフィルタ装置420Aを通って流れるよう構成する。例えば、流動可能混合物は、フィルタ装置420Aの基端部424Aから末端部426Aに向かって、フィルタ装置420A内の中心に配置した第1フィルタ素子を通って流れる(図5の第1フィルタ素子134参照)。さらに、図5に示したのと同様に、流動可能混合物は、この後フィルタ装置420Aの末端部426Aから基端部424Aに向かって、第1フィルタ素子に対して半径方向外側に配置した第2フィルタ素子を通って、流れる(図5の第1フィルタ素子134および第2フィルタ素子136参照)。
【0067】
さらに、図12に示すようにフィルタ装置420Aと接続したフィルタ装置420Bは、流動可能混合物が図6に示したものと同様の流れパターンでフィルタ装置420Bを通って流れるように構成する。例えば、未透過残留分出口430Aからフィルタ装置420Aを流出する流動可能混合物は、供給入口420Bでフィルタ装置420Bに流入する。フィルタ装置420Bの供給入口420Bに流入する流動可能混合物は、フィルタ装置420Bの基端部424Bから末端部426Bに向かって、第2フィルタ素子に対して半径方向外側に配置した第1フィルタ素子を通って、流れる(図6における第1フィルタ素子134および第2フィルタ素子136参照)。さらに、同様に図6に示すように、流動可能混合物は、フィルタ装置420Bの末端部426Bから基端部424Bに向かって、フィルタ装置420Bの内部中央であって第2フィルタ素子に対して半径方向内側に配置した第1フィルタ素子を通って、流れる(図6における第1フィルタ素子234および第2フィルタ素子236参照)。
【0068】
ある実施形態によれば、フィルタ装置420Aおよびフィルタ装置420Bは双方とも、流動可能混合物が図5に示すものと同様な流れパターンで第1フィルタ素子420Aおよび第2フィルタ要素420Bを通って流れるように構成する。他の実施形態によれば、フィルタ装置420Aおよびフィルタ装置420Bは双方とも、流動可能混合物が図6に示すものと同様な流れパターンで第1フィルタ素子420Aおよび第2フィルタ要素420Bを通って流れるように構成する。
【0069】
上述の説明は、当業者が本明細書に記載する実施形態の様々な態様を最もよく使用できるために行った。この例示的な説明は、網羅的なものでなく、開示したものと正確に同じものに限定する意図はない。多くの変更および改変は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく可能である。本明細書に記載した実施形態は、あらゆる点で例示的なもので、限定的なものではなく、本発明の範囲を決定するために添付の特許請求の範囲およびその均等物に敷衍すると理解されたい。
【0070】
別段記すことがない限り、明細書および特許請求の範囲で使用する冠詞「a」または「an」は「少なくとも1個の」”という意味で理解されたい。さらに、明細書および特許請求の範囲で使用する言葉“含む”または“有する”、それぞれ使用するにあたり、用語「備える」と置き換え可能で同様の意味を持つ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタ組立体において、
入口部および出口部を有する細長部材を備える第1フィルタ素子と、
入口部および出口部を有する細長部材を備え、前記第1フィルタ素子の側方に隣接する、第2フィルタ素子と、
前記第1フィルタ素子の前記出口部を退出する流動可能混合物を前記第2フィルタ素子の前記入口部に向けて転向させるよう構成した流れデフレクタと、
少なくとも1個の前記第1フィルタ素子および前記第2フィルタ素子の少なくとも一方の少なくとも一部を包囲する透過分チャンバと、
を備えたフィルタ組立体。
【請求項2】
請求項1に記載のフィルタ組立体において、前記透過分チャンバは、前記第1フィルタ素子および前記第2フィルタ素子の少なくとも一方における流動可能混合物からの透過分を受容するよう構成した、フィルタ組立体。
【請求項3】
請求項1に記載のフィルタ組立体において、前記第1フィルタ素子および前記第2フィルタ素子の少なくとも一方は、1個またはそれ以上のフィルタチューブを備える、フィルタ組立体。
【請求項4】
請求項3に記載のフィルタ組立体において、前記1個またはそれ以上のフィルタチューブは1個またはそれ以上の多孔質チューブとする、フィルタ組立体。
【請求項5】
請求項4に記載のフィルタ組立体において、前記1個またはそれ以上のフィルタチューブは、前記1個またはそれ以上のフィルタチューブの内側を通して流動可能混合物を搬送するよう構成する、フィルタ組立体。
【請求項6】
請求項4に記載のフィルタ組立体において、1個またはそれ以上の多孔質チューブは、孔の直径よりも大きい直径を有する固体粒子が前記孔を通過することを阻止する大きさの孔を備える、フィルタ組立体。
【請求項7】
請求項4に記載のフィルタ組立体において、流動可能混合物からの透過分が1個またはそれ以上の多孔質チューブの内壁から透過分チャンバ内に透出するようなサイズの孔を備える、フィルタ組立体。
【請求項8】
請求項1に記載のフィルタ組立体において、さらに、透過分チャンバに接続した透過分出口を備える、フィルタ組立体。
【請求項9】
請求項1に記載のフィルタ組立体であって、前記第1フィルタ素子は第1方向に流動可能混合物を搬送するよう構成し、前記第2フィルタ素子は第1方向とほぼ逆向きの第2方向に流動可能混合物を搬送するよう構成した、フィルタ組立体。
【請求項10】
請求項1に記載のフィルタ組立体において、前記第2フィルタ素子は少なくとも部分的に前記第1フィルタ素子を包囲する、フィルタ組立体。
【請求項11】
フィルタ組立体において、
基端部と、
末端部と、
前記基端部に配置した供給入口と、
前記供給入口と流体連通する第1フィルタ素子であって、前記基端部と前記末端部との間に延在する、該第1フィルタ素子と、
前記第1フィルタ素子と流体連通する第2フィルタ素子であって、前記末端部と前記基端部との間に延在する該第2フィルタ素子と、
前記末端部に配置した流れデフレクタであって、前記第1フィルタ素子を退出する流動可能混合物を前記第2フィルタ素子に向けて転向するよう構成した該流れデフレクタと、
基端部に配置した未透過残留分出口であって、前記第2フィルタ素子と流体連通する該未透過残留分出口と、
を備える、フィルタ組立体。
【請求項12】
請求項11に記載のフィルタ組立体において、さらに、前記第1フィルタ素子および前記第2フィルタ素子の少なくとも一方の少なくとも一部を包囲する透過分チャンバを備えて、前記透過分チャンバは、前記第1フィルタ素子および前記第2フィルタ素子の少なくとも一方のからの透過分を受容するよう構成した、フィルタ組立体。
【請求項13】
請求項11に記載のフィルタ組立体であって、前記第1フィルタ素子および前記第2フィルタ素子の少なくとも一方は、孔の直径よりも大きい直径を有する固体粒子が孔を通過することを阻止する大きさの孔を有する1個以上の多孔質チューブを備える、フィルタ組立体。
【請求項14】
請求個11に記載のフィルタ組立体において、前記未透過残留分出口を退出する流動可能混合物は前記供給入口に流入する流動可能混合物よりも高い固体含有率を有する、フィルタ組立体。
【請求項15】
請求項11に記載のフィルタ組立体において、前記流れデフレクタは、前記第1フィルタ素子および前記第2フィルタ素子に開口する環状凹面を有する環状溝を備える、フィルタ組立体。
【請求項16】
請求項11に記載のフィルタ組立体において、前記未透過残留分出口を前記供給入口に近接して配置した、フィルタ組立体。
【請求項17】
フィルタ組立体において、
流動可能混合物を第1方向に搬送するよう構成した複数の第1多孔質チューブと、
前記複数の第1多孔質チューブと流体連通する複数の第2多孔質チューブであって、前記流動可能混合物を第2方向に搬送するよう構成した複数の第2多孔質チューブと、
前記複数の第1多孔質チューブを退出する流動可能混合物を前記複数の第2多孔質チューブに向けて転向するよう構成した流れデフレクタと、
前記複数の第1多孔質チューブおよび前記複数の第2多孔質チューブにおける少なくとも一方の少なくとも一部を包囲する透過分チャンバであって、前記複数の第1多孔質チューブおよび前記複数の第2多孔質チューブにおける少なくとも一方からの透過分を搬送するよう構成した、該透過分チャンバと、
を備える、フィルタ組立体。
【請求項18】
請求項17に記載のフィルタ組立体において、前記複数の第1多孔質チューブは、前記複数の第2多孔質チューブのそれぞれとほぼ平行に配置した、フィルタ組立体。
【請求項19】
請求項18に記載のフィルタ組立体において、前記複数の第1多孔質チューブを中心軸線の周りに集合させ、前記複数の第2多孔質チューブのそれぞれは前記複数の第1多孔質チューブに対して半径方向外側に配置した、フィルタ組立体。
【請求項20】
請求項18に記載のフィルタ組立体において、前記複数の第2多孔質チューブを中心軸線の周りに集合させ、前記複数の第1多孔質チューブのそれぞれは前記複数の第2多孔質チューブに対して半径方向外側に配置した、フィルタ組立体。
【請求項21】
請求項17に記載のフィルタ組立体において、前記複数の第1多孔質チューブおよび前記複数の第2多孔質チューブにおける少なくとも一方は、孔の直径よりも大きい直径を有する固体粒子が前記孔を通過することを阻止する大きさの孔を備える、フィルタ組立体。
【請求項22】
請求項17に記載のフィルタ組立体において、前記第1方向は前記第2方向とほぼ逆向きとした、フィルタ組立体。
【請求項23】
フィルタ組立体において、
中心軸線、基端部、末端部を有する細長ハウジングを備え、この細長ハウジングは、
前記細長ハウジング内で前記中心軸線の周りに配置した第1フィルタ素子と、
前記細長ハウジング内で前記中心軸線に対して半径方向に前記第1フィルタ素子の少なくとも一部を包囲するよう配置した第2フィルタ素子と、
前記細長ハウジングの端面と前記第1フィルタ素子および前記第2フィルタ素子のそれぞれとの間で前記末端部における転向チャンバと、
前記転向チャンバ内に配置した流れデフレクタであって、前記第1フィルタ素子から前記第2フィルタ素子に向けて前記流動可能混合物を転向するよう構成した流れデフレクタと、
を備えるフィルタ組立体。
【請求項24】
請求項23に記載のフィルタ組立体において、前記流れデフレクタは、前記第1フィルタ素子および前記第2フィルタ素子に対して開口する環状凹面を有する環状溝を備える、フィルタ組立体。
【請求項25】
請求項24に記載のフィルタ組立体において、前記環状凹面の外側部分は前記中心軸線に対して半径方向外方に傾斜し、前記環状凹面の内側部分は前記中心軸線に対して半径方向内方に傾斜して突出部を形成する構成とした、フィルタ組立体。
【請求項26】
請求項25に記載のフィルタ組立体において、前記突出部はほぼ円錐形状とした、フィルタ組立体。
【請求項27】
請求項23に記載のフィルタ組立体において、さらに、少なくとも一つの前記第1フィルタ素子および前記第2フィルタ素子の少なくとも一方の少なくとも一部を包囲する透過分チャンバを備える、フィルタ組立体。
【請求項28】
請求項23に記載のフィルタ組立体において、流れを前記第1フィルタ素子で第1方向に搬送し、前記流れを前記第2フィルタ素子で前記第1方向とほぼ逆向きの第2方向に搬送する、フィルタ組立体。
【請求項29】
請求項23に記載のフィルタ組立体において、前記流れデフレクタを、前記第2フィルタ素子からの流れを前記第1フィルタ素子に向けて転向するよう構成した、フィルタ組立体。
【請求項30】
流動可能混合物から液体を除去する方法において、
前記流動可能混合物を第1フィルタ素子内で第1方向に搬送するステップと、
前記第1フィルタ素子を退出する前記流動可能混合物を第2フィルタ素子に向けて転向させるステップと、
前記流動可能混合物を前記第2フィルタ素子内で前記第1方向とはほぼ逆向きの第2方向に搬送するステップと、
前記流動可能混合物から前記第1フィルタ素子および前記第2フィルタ素子の少なくとも一方の多孔質表面を経て透出する透過分を、前記第1フィルタ素子および前記第2フィルタ素子の少なくとも一方の少なくとも一部を包囲する透過分チャンバに搬送するステップと、
を備える方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法において、さらに、供給入口から前記流動可能混合物を前記第1フィルタ素子に導入するステップを有する、方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法において、前記供給入口に近接させて配置した未透過残留分出口を通して前記第2フィルタ素子から前記流動可能混合物を排出するステップを有する、方法。
【請求項33】
声優項30に記載の方法において、前記第1フィルタ素子および前記第2フィルタ素子の少なくとも一方は、一個またはそれ以上の多孔質チューブを備える、方法。
【請求項34】
請求項30に記載の方法において、前記流動可能混合物をスラリーとした、方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公表番号】特表2010−532262(P2010−532262A)
【公表日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515257(P2010−515257)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【国際出願番号】PCT/US2008/069047
【国際公開番号】WO2009/006533
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(508178098)エナジーソリューションズ デバーシファイド サービシズ インコーポレイテッド (2)